2012年11月25日日曜日

首の皮一枚残った!?

 J1は昨日サンフレッチェの優勝が決定。最終節は残留争いが焦点になるが、ACL参加を賭けた3位争いも同様に激しい。サガン鳥栖が勝ち点53で半歩リード、レイソル・レッズ・グランパスが52で並び、F.マリノスは勝ち点50で7位となっている。F.マリノスは最終節でサガンに勝ち、他の3チームが引き分けの場合のみ3位に滑り込める。まさに「首の皮一枚残った」という状況だ。ただ、正直なところ3位になるのが良いか?というと「ビミョー」なところだ。仮にACLに出られたとしても、現状でグループステージ突破ができる戦力はないし、「公約が守られた」ということで経営陣を刷新するチャンスが失われる方が将来的にはマイナスだ。さて、どうなるだろう?

読了:
「リーダーを目指す人の心得」(コリン・パウエル、トニー・コルツ)

  • 湾岸戦争時の統合参謀本部議長でジョージ・W・ブッシュ政権の国務長官であった著者のリーダーシップ論。書かれている内容は経験に基づいていて実践的、軍隊であっても企業であってもリーダーの心得は共通なのだと再確認した。2003年のイラク開戦に関わる「失敗」についても著者なりの反省がなされている。(評価A)
「これが物理学だ!」(ウォルター・ルーウィン)
  • MITの名物講義録。文字通り体を張った実験が行われる教室の熱気を体感してみたくなった。虹をテーマにした講義から宇宙論まで、守備範囲は広くても、これなら楽しく、かつ深く学べるだろう。それにしても、毎回感じるのがアメリカの大学・大学院における講義の質の高さだ。自分が学んだFUQUAと東大法学部とを比べても、「熱さ」は大きく違っていたのを思い出す。(評価A+)


購入:
「実行と責任」(清水勝彦)、「ブルーマーダー」(誉田哲也)、「孫子とクラウゼヴィッツ」(マイケル・I・ハンデル)、「スタンフォードの自分を変える教室」(ケリー・マクゴニガル)、「イノベーションを実行する」(ビジェイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)、「世界の経営学者はいま何を考えているのか」(入山章栄)

その他:
デューク・ブルー・デヴィルズ(ランキング5位)は先ほどランキング2位のルイビル大に勝って開幕5連勝を達成。今週も木曜日に3位のオハイオ州立大との一戦がある。これに勝てば1位が見える?
 

2012年11月17日土曜日

オマーン戦勝利。ザッケローニの采配をどうみるか。

 水曜日(14日)のW杯最終予選オマーン戦は、日本の強さを証明した一戦だったと見る。本田・吉田・酒井(宏)の動きが悪く、攻撃がちぐはぐな状態。後半足が止まって同点にされた展開。かつての日本だと、「ドローで良いか」という試合だったが、後半45分に勝ち越し点を取って勝ちきった意味は大きい。3月のヨルダン戦はもう少しましな気候状態だろうから、3大会連続の「予選勝ち抜き一番乗り」はほぼ確定と言えよう。
 この試合の選手交代について、采配が良かったとする人、采配はダメだが選手が頑張ったとする人が二分されているのが勝敗自体より面白い。1枚目の交代は前田ではなく、本田ではないか、2枚目の細貝投入は引き分け狙いだったのではないか、というのが疑問として出されている。交代メンバーの顔触れからは、いつもながらの守備的な交代と見えるが、経験不足のオマーン右SBをついて酒井(高)、長友で崩し決勝点を奪ったのだから、今回は結果から判断して素直に好采配と見てあげたい。自分だったら本田を下げて中村、乾のいずれかを投入しただろうな・・・

読了:
「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」(半藤一利)

  • 日本軍のリーダーはどこに問題があったのか、現代のリーダーシップを語る上で何を学ぶべきかという点で面白い1冊だった。思いつくがままでも、年功序列の問題、参謀の問題、ディテールまで考えられていない問題など、残念ながら今の政治状況や多くの日本企業にそのまま持ちこされている。毎度の事ながら、日本人は失敗から学べない・学ぼうとしない国民のようだ。(評価A)
「スティーブ・ジョブズ 英語で味わう魂の名言」(桑原晃弥)
  • スティーブ・ジョブズが生前残したプレゼンなどからキーとなるフレーズを集め、語られた背景などを整理した1冊。「なるほど、ネイティブはこういう表現をするのだ」と感じたとともに、難しい語彙が使われていない点も勉強になった。語られているエピソード自体は他の評伝とオーバーラップしている。(評価A)
「ヤル気の科学」(イアン・エアーズ)
  • 行動経済学の本だが、特徴は著者自身がstickK.comというウェブサイトを経営していて、文字通り日々「実験」をしている点だ。「飴と鞭」はどう使い分けるのか、その程度はなど多くの事例が紹介されている。自分が反対する活動への資金提供を「鞭」にするというのは、とても面白いし、アメリカっぽいやり方だ。(評価A)
「大きく、しぶとく、考え抜く。」(原田泳幸)
  • つい最近、「マクドナルドの勝利の方程式が崩れた」という記事が出たところだが、本書を読むとまるで予言のように現状への危機意識が語られている。経営者がきちんとやるべきことをやっているからこその予言だろう。スティーブ・ジョブズとの思い出や、柳井正氏との対談も面白かった。(評価A)
その他
  • NCAAバスケットボールのシーズンが開幕した。デューク大は2戦目で昨年の全米No.1ケンタッキー大に勝利。このカードは今でも多くの人(少なくともデュークファン)が「史上最高」とする試合の対戦校。今回はデュークが勝ったが、もしかするとNCAAトーナメントで再戦があるかもしれない・・・


2012年11月11日日曜日

2012年A代表最終戦。

 今週水曜日(14日)が今年最後のA代表戦。アウェイのオマーンは侮れないし、香川・内田の欠場。欧州組の直前合流など心配な点もある。しかし、ここにきて長谷部、細貝がコンスタントに試合に出られているのは大きい。今夜のリーグ戦でこれ以上怪我人が出なければ、きっと勝てる。オーストラリアとの差を明確に示す2点差以上の勝利で、他チームをギブアップさせるぐらいの気合いを示して欲しい。ここで苦戦するようではブラジル大会での好成績は望むべくもない!

 今夜はフットサルとU19も大一番を迎える。どちらもこのヤマ場を越えれば、将来に大きな財産を築くことができる。最後は技術を超えたところで勝敗が決まる。頑張れ!


(読了)
「まだ『ファイナンス理論』を使いますか?」(手島直樹)

  • 財テクや戦略のないM&Aでは企業価値向上は図れない。本業からのキャッシュフローが重要だ、という著者の主張は正しい。また、本書はファイナンス理論解説書としても分かり易い。しかし、それでもリスクファイナンスなどまだまだ日本企業が実践すべきファイナンス戦略が大きいのも事実だ。「ファイナンス理論」は必要だし、使うべきだ。(評価A-)
「『世界水準』の思考法」(キャメル・ヤマモト)
  • グローバルとローカル、2つの思考法をいかに実践するか、本書は著者の経験をベースに説明されている。「書くこと」、「話すこと」といった基本動作がいかに重要かを改めて理解した。なかでも「アウトライン法」は参考になる。(評価A)
「フェルドマン式 知的生産術」(ロバート・アラン・フェルドマン)
  • こちらは有名アナリストによる1冊。思考力もさることながら、仕事を進める上で人間力のようなソフトスキルを重要視している点が面白い。数学・経済学(ゲーム理論)を如何に応用するかで「差」がつくことが良く分かった。(評価A)
(購入)
「これが物理学だ!」(ウォルター・ルーウィン)

(補足)
 ここまで書いたところでJ2最終戦が終了。逆転でベルマーレが2位になり自動昇格となった。サンガVSトリニータ、FC横浜VSジェフがプレーオフ準決勝だ。この際FC横浜に勝ち抜いてもらい来季は神奈川県4チーム体制の再現だ!

2012年11月4日日曜日

映画「ARGO」ほか

 昨日映画「ARGO」を見た。1979年にイランで起きた「アメリカ大使館占拠事件」の裏にあった実話がベースの映画で、結果が分かっているのに最後の30分はワクワク、ドキドキした。ベン・アフレックは監督としてもなかなかのやり手だ。エンドロールでジミー・カーター元大統領のコメントがあって、またびっくりした。ついでながら、映画を見ているうちに、92年の夏、イランに出張したときのことを思い出した。あの時も空港で緊張したなー。

 今週末からNCAAバスケットボールのシーズンが始まる。デューク大学はプレシーズンのランキングで8位。一昨年のアーヴィング、去年のリバースのようなスーパー1年生はいないが、ガード陣が頑張れば、昨年を上回ることも可能だろう。久々にFinal4で見たい!

読了:
「知的生産の技術」(梅棹忠夫)

  • 1969年初版の超ロングセラー。京大式カードで有名な1冊だが、知識の整理方法、手紙の書き方(フォーマッティング)など今でも学ぶべき点が多い。今のクラウドサービスがまさに本書の考え方に則っているようで大変興味深かった。ワープロが出現しなかったら、今頃日本語はオール「仮名文字」になっていたのかな?などど考えながら読んだ。(評価A)
「がけっぷち上等!」(早草紀子)
  • 「なでしこジャパン」を長年追いかけてきたカメラウーマンが書いた一冊。「なでしこ」の成長やその過程での葛藤が描かれている。と同時に、著者のジャーナリストとしての成長記としても読めた。(評価A)
「MAKERS」(クリス・アンダーソン)
  • 「ロングテール」、「フリー」の著者の最新作。日本が「お得意」としてきた「モノづくり」にも、ロングテール、フリー、シェアといったコンセプトが押し寄せ、大きな変化が起こっていること、従来の製造業のコンセプトを完全否定するような形のMakersが登場していることが理解できる。ちょうど、TVでも日本の大企業から技術者がスピンオフし、本書にでてくるようなMakersになっていることが紹介されていた。注目すべき流れだ!(評価A+)
「オープン・サービス・イノベーション」(ヘンリー・チェスブロウ)
  • 本書もサービス業に起こっている新潮流を解説しているが、今一つピンとこなかった。ただし、「MAKERS」で描かれたオープン化がサービス業にも起こっているのは間違いないだろうし、従来の日本企業のような「自前主義」ではこの先グローバル競争に勝ち残れないのは確実だ。(評価B)
「禁断の魔術」(東野圭吾)
  • 「ガリレオ」シリーズの最新作。今回も湯川教授が大活躍。「真夏の方程式」とは違った意味で師弟の絆のようなものが描かれていたり、双子の間のテレパシーやコールド・リーディングが事件にかかわったりして、純粋に面白かった。(評価A)
購入:
「ヤル気の科学」(イアン・エアーズ)、「スティーブ・ジョブズ 英語で味わう魂の名言」(桑原晃弥)、「考え抜く社員を増やせ!」(柴田昌治)、「大きく、しぶとく、考え抜く。」(原田泳幸)、「リーダーを目指す人の心得」(コリン・パウエル、トニー・コルツ)