2013年7月27日土曜日

東アジア杯/マンUプレシーズンマッチ

東アジア杯は2戦を終え1勝1分で日本がトップに立った。期待と不安が入り混じった「J1選抜」は思いのほか健闘しているのではないか。

初戦の中国戦はモッタイナイの一言。代表経験のあるメンバーで固めたバックラインが破たんし、2点のリードを守りきれないでドローに終わった。柿谷と工藤の代表初ゴール&アシストは収穫だし、セントラルMFの山口蛍は流石のプレーで可能性を感じた。

第二戦目のオーストラリアで先発全員を入れ替えたのには驚いたが、相手の出来の悪さもあって中国戦より却って良かったぐらいだった。FBの鈴木・千葉やセントラルMFの高橋・扇原から前線への縦パスが入り、「一軍」の時より攻撃のスピードが速かった。豊田が本領を発揮、大迫とのコンビが良かったし、齋藤のゴールはMarvelous!だった。守備は相変わらずだが、勝利が何よりだ。

日曜日の韓国戦は中国戦のメンバーが中心となるだろうが、できれば豊田と柿谷が同時に入ったところを見たい。

代表ウィークで中断中のF.マリノスは火曜日にマンUと対戦。「俊輔vs真司」の直接対決が見られなかったのは残念だが、F.マリノスは良いサッカーで見事逆転勝利を挙げた。選手層が多少なりとも厚くなってきたので、8月を乗り切れればACL圏内確保ができるのではないか、と期待が大きくなった。

逆にマンUは金曜日のセレッソ戦も引き分けに終わった。高温多湿の日本の気候にやられたところもありそうだが、プレミア開幕までにどこまで仕上げられるだろうか。ただ、その中で香川は存在感を増しつつある。頼もしい限りだ。

読了:
「稼ぐ力を取り戻せ」(冨山和彦)

  • コーポレイト・ディレクション、産業再生機構、経営共創基盤での経験を通じ、日本企業・とりわけ製造業がとるべき途を説いた1冊。内容は正しい。とりわけ前半の「日本企業が陥りがちな5つの罠」は必読だ。しかし、言われている内容をExecuteすることは可能だろうか?目先の円相場で一喜一憂しているように見える日本企業には高いハードルだ。(評価A-)
「天佑なり」(上)(下)(幸田真音)
  • 首相・蔵相・日銀総裁を歴任した高橋是清の生涯を、「日本国債」などのベストセラー作家が小説化した。日銀が大規模な金融緩和を行っているタイミングで読んだが、日露戦争の戦費調達のための国債発行がいかに大変だったかを知り、日銀の使命とは何か考えさせられた。アメリカでの奴隷生活やペルーの鉱山開発失敗などのエピソードを見ると逆に明治時代のダイナミズムが感じられた。(評価A)
「銀行王 安田善次郎 陰徳を積む」(北康利)
  • 「天佑なり」の高橋是清とは日銀本店建設の「プロジェクト」を通じて知り合うことになる安田善次郎の伝記。渋沢栄一と並び評されるべき人物だというのを改めて理解した。若いころ、東京都関係の仕事をしていた際に、「あそこは芙蓉グループの牙城だ」と言われたが、本書を通じ改めてそうなった背景等が分かった。(評価A)
購入:
「金融依存の経済はどこへ向かうのか」(池尾和人+21世紀政策研究所)

猛暑

暑い!今年は寝る時もエアコンをつけないとダメだ!こんな中2週間に4試合、しかも上位との3連戦。「年寄り」F.マリノスは厳しい。水曜日のセレッソ戦も先制されたのが痛かった。後半押していたがゴールに結びつかないのは毎度おなじみ。しかし開幕当初と違い勝ちきれなくなっている・・・結局1対2で敗戦し、4位に後退となった。

土曜のアルディージャ戦はマルキーニョスと齋藤の得点で勝利。前半は相手の出来が悪かったので押し込めたが、さすがに首位チーム、後半は立て直してきた。カウンターからドゥトラや俊輔、兵藤の惜しいシュートがあったので、決まっていればもっと楽な戦いになったのではないか?まあ直接対決で勝ち点差を詰められたので良しとしよう。次節レッズ戦に勝てばACL圏内に復帰できる。東アジア杯前4連戦の最後をしっかり飾って欲しい。

その東アジア杯のメンバーが月曜日に発表される。国内組・若手中心ということなので、ザッケローニが海外組のどのあたりを補強したいのか分かるだろう。

読了:
「アウトサイダー」(深町秋生)

  • 組織犯罪対策課 八神瑛子のシリーズ第3弾。ついに夫の死の真実にたどり着いたが、そこに見たものは・・・「アウトバーン」、「アウトクラッシュ」ときて今回は「アウトサイダー」。インサイダーがカギとなるのはこの手の小説のパターンだ。誰が誰にとってアウトサイダーなのか、結末まで読むと理解できる。果たして第4弾以降があるのか?(評価A)
「戦略プロフェッショナル 増補改訂版」(三枝匡)
「増補改訂版 V字回復の経営」(三枝匡)
  • コンサルタント、企業再生スペシャリストからミスミの経営者に転身した三枝氏のベストセラー2冊が同時に(しかも別の出版社から)増補改訂版として出版された。前者はアンダーセンコンサルティングに入ってすぐ「戦略コンサルタントの必読書」と教わって読んだので懐かしく、また後者も丁度プロジェクトにかかわっていたころに読んだのを思い出した。「創って、作って売る」というシンプルだがパワフルなコンセプトを実践することが日本企業の再生にMustだが、アベノミクスに浮かれ始めた経営者では到底期待できない。三枝氏がこのタイミングでこれら2冊を出したのは、そのような経営者に対する「足下を固めよ」というメッセージではないか。(両者とも評価A+)
「ライク・ア・ヴァージン」(リチャード・ブランソン)
  • ヴァージングループ総帥で冒険家、であるブランソン氏による起業家・マネジャーへのアドバイス集。経験に基づいた内容で、成功だけでなく失敗にも多く言及しているのが特徴。「小さな組織のススメ」は三枝氏の主張とも一致していて面白い。MBA的なフレームワークなどはないけれど、会社経営には有効な内容だ。(評価A)

2013年7月21日日曜日

ACL圏内へ再浮上/東アジア杯代表決定

F.マリノスは水曜日のレッズ戦に逆転勝利。3位に浮上した。レッズ戦は何故かアウェーチームの勝利が続いていたが、今回もその「ジンクス」が継続した形となった。守備は相変わらず安定感イマイチだが、ここにきて齋藤の出来がすばらしい。マルキーニョスは引き続き好調だし、セットプレーからの得点も生まれたので、後半戦もこの調子なら3位以内も夢ではない。

前後するが、東アジア杯代表が発表され、F.マリノスからは栗原に加え齋藤が初召集された。今回のメンバーを見ると優勝よりも代表候補層の拡充が優先されているようだ。勝ちにこだわるなら俊輔や闘莉王でしょう!まあ、柿谷や山口蛍、扇原といった「2018組」が今大会で輝いて、代表の序列を崩しブラジル大会のメンバーに割り込むことを期待しながら見ることにしよう。ただ、ラフプレーによるケガには注意!

ミニ中断期間にマンUとアーセナルが来日し、Jチームと戦う。香川と宮市にとっては凱旋試合になるが、Jの各チーム・選手にとってもアピールの場なので、本気で負かしにかかってもらいたい。

読了:
「偶然と必然の方程式」(マイケル・J・モーブッシン)

  • いわゆるデータサイエンスの解説書だが、対象となっているのがスポーツから投資・経営と幅広い。結果に対する運と実力の貢献度合いを軸にして各種スポーツなどをプロットするというのは面白いアイディアだ。「マネーボール理論」などについても言及されていて、入門書としては質の高いものだ。(評価A)
「人を動かす、新しい3原則」(ダニエル・ピンク)
  • 「モチーベーション3.0」の次はセールス?原書が出版されたとき素朴な疑問を持った。内容は名著「影響力の武器」と被っているように感じたが、広い意味で相手に自分の考えを理解させ、最終的に売り込むという点で、著者の言うとおり皆セールス(To Sell is Human.)という事なのだと納得した。ただ、これまでの著作に比べインパクトが弱いように感じる。(評価B+)
「C・クリステンセン経営論」(クレイトン・M・クリステンセン、DIAMONDハーバードビジネスレビュー編集部編)
  • 1995年の「イノベーションのジレンマ」から最新論文までHarvard Business Reviewに掲載された15の論文が再録された一冊。余りにも有名になった破壊的イノベーション(Disruptive Innovation)とは何か、から始まり、どうやってイノベーションを起こすのか、既存プレーヤーはどう対処すべきかと理論が展開していくステップが良く分かった。(評価A+) 
購入:
「慶喜のカリスマ」(野口武彦)、「コネクト」(Dave Gray + Thomas Vander Wal)、「戦略読書日記」(楠木建)、「リーダーシップ・マスター」(マーシャル・ゴールドスミス、ローレンス・S・ライアンズ、サラ・マッカーサー編著)

2013年7月7日日曜日

J1再開

コンフェデ杯は予想外の点差でブラジルが勝利。1日早く90分で勝ち切ったブラジルと翌日PK戦までもつれたスペインとの差は想像したより大きかった。本番でもこのカードが見られるだろうか、楽しみだ。また、ネイマールはバルサのチームメートだけでなく、レアルなどリーガのライバルの選手にも大きなインパクトを与えることができた。メッシとの競演も楽しみだ。

今週号のサッカーマガジンを見て、日本代表はボール奪取力が不足しているという指摘に目が留まった。他にもネイマールは誰よりもファウルを受けるが、コミットするファウルも多いというコメントも聞いた。3試合9失点を繰り返さないために一番必要なポイントではないか?

昨晩からJ1が再開。F.マリノスはトリニータと引き分けに終わり勝ち点2を損した。アルディージャが引き分けただけに、勝ちきりたかった。後半放った惜しいシュートが枠に飛んでいれば、と悔やむ試合で、これによってナビスコカップからの流れが切れなければ良いが・・・これからセレッソ、アルディージャ、レッズと続く3連戦でマリノスがACLに行けるだけの(=トップ3でシーズンを終了できる)実力を持つチームなのか分かるだろう。

読了:
「国家はなぜ衰退するのか」(上)(下)(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)

  • 包括的(Inclusive)な政治経済制度が経済発展のカギであり、文化などではないというのが著者たちの結論。ジャレド・ダイアモンドなどとはかなり異なるが、国境を挟んだアメリカとメキシコの町の発展度合いがなぜ異なるか、といった点に関しては説得力がある。明治維新に対する評価も嬉しいが、中国の発展の行方や欧米の今後の進展(衰退?)などを待たないと著者の理論の妥当性は検証できないのではないだろうか?(評価A-)


「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」(クリス・マチェズニ―、ショーン・コヴィー、ジム・ヒューリング)

  • 戦略の実行(Execution)にフォーカスが充てられている点がユニーク。4つの規律(4Dx:最重要目標にフォーカスする、先行指標に基づいて行動する、行動を促すスコアボードをつける、アカウンタビリティのリズムを生み出す)はシンプルだが、とてもパワフルだ。しかし本書でも意識されているように、チーム・組織で導入・定着させるにはかなり大きな意識改革も必要だ。(評価A)


「『信用』を武器に変えるマーケティング戦略」(平久保仲人)

  • 現代のマーケティングの在り様は如何にあるべきか。本書は多くの事例を交え分かり易く解説している。「信用」、「信頼」できる企業でないと顧客のロイヤリティは生まれない。マーケティングの基礎を学んだ上で読むべき1冊。(評価A)


購入:
「アウトサイダー」(深町秋生)、「偶然と必然の方程式」(マイケル・J・モーブッシン)、「人を動かす、新たな3原則」(ダニエル・ピンク)、「稼ぐ力を取り戻す」(冨山和彦)、「C・クリステンセン経営論」(クレイトン・M・クリステンセン著 DIAMONDハーバードビジネスレビュー編集部編訳)、「ようこそ、わが家へ」(池井戸潤)

その他:
先週はサラ・ブライトマンのコンサートに行ってきた。3年ぶりの来日で、かつ、近々宇宙飛行に挑戦するということで、バックがやたら星空だの宇宙飛行だのとにぎやかだった。これを割り引いても歌の方は素直に「良かった」。