2013年12月29日日曜日

21年ぶり天皇杯決勝へ!

今日は天皇杯準決勝。F.マリノスは毎度おなじみになったジリジリする展開に耐え、終盤の兵藤の先制点とロスタイムの俊輔のダメ押しでサガン鳥栖に勝利。かつて6度制した天皇杯決勝にF.マリノスとして初めて臨むことになった。兵藤の1点目は、F.マリノスらしいというより何だかザック・ジャパンの崩しを見ているような美しいパス回しから生まれた。2点目は言う事なし、のゴラッソ。残念ながら藤田を累積警告で欠くことになるが、端戸がやってくれるでしょう。

先週から来シーズンに向けた動きが目立ってきた。グランパスから藤本淳吾、アルディージャから下平匠の加入がほぼ決まったようだ。齋藤の移籍とドゥトラの引退に対する布石ができた。


読了:
「シナリオ・プランニング」(ウッディ―・ウェイド)
  • 大判で写真や絵が多い。”Business Model Generation”に代表されるこの手のビジネス書は実はなかなか侮れない。本書は単にシナリオプランニングの手法を示すだけでなく、実際の場面でいかに使われているかが詳しく説明されているのが特徴。未来は計画するのではなく予測するのだというポイントに納得。(評価A)
「マクロウィキノミクス」(ダン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ)
  • 前著「ウィキノミクス」から3年でいかに多くの分野でウィキノミクス化が進んでいるか、金融・産業・教育・行政などの実例を幅広く紹介している。5つの原則(コラボレーション・オープン・共有・倫理・相互依存)を実践することで更に多くのビジネスモデルが生み出されていくことを予感させる。(評価A)
「血の轍」(相場英雄)
  • 警察OB殺しから浮かび上がる深い闇。そこに公安と刑事部という警察内部の醜い抗争が絡む。主人公たちの過去に何があったのがも次第に明らかになって、結末まで飽きさせない。公安VS刑事の対立をここまで書いた小説はなかったのではないだろうか?実際の事件でも報道されない裏事情があるのではないか、と考えさせられた。WOWOWはどんなドラマに仕立てるのだろう。そちらも楽しみだ。(評価A)
購入:
「政治の起源」(下)(フランシス・フクヤマ)、「維新の後始末」(野口武彦)、「知的創造の作法」(阿刀田高)、「気が遠くなる未来の宇宙の話」(佐藤勝彦)、「ヤバい予測学」(エリック・シーゲル)

2013年12月22日日曜日

日本でのクラブワールドカップがない12月

モロッコでクラブワールドカップ(CWC)が開催中だが、日本開催でないと正直ピンとこない。アトレチコ・ミネイロが地元のチームに負けた大番狂わせがあったが、昨夜Footで小澤一郎氏が語っていたところでは、モロッコはユース世代がすごいらしい。近々アフリカの強豪になっていくのかもしれない。決勝はその地元ラジャ・カサブランカがバイエルン・ミュンヘンに挑む。(試合は結局2対0でバイエルン・ミュンヘンが勝利)

前身のトヨタカップを含み数回観戦したCWC。ジーコ、プラティニ、クリロナなどスーパースターを生で見て、その凄さに感動した。今のように毎週ヨーロッパ各国リーグが中継されるようになったとしても、たとえ半分観光気分が抜けきらないゲームだとしても、トップクラブを生で見る迫力は違う。2015年から2年間の開催に立候補したようだが、是非実現してほしい。

読了:
「歴史をつかむ技法」(山本博文)
  • 歴史はどう学んだらいいのか、というFrequently Asked Questionに答える一冊。時代小説と歴史小説の違い、司馬遼太郎の著作をどうとらえるか、「歴史観」など読んでいてためになる前半。後半は古代から近代までの日本史について著者の技法を応用するとどう捉えられるか、という実践編。中学・高校で学んだ知識が古いことに気づいたし、帯にあるように日本史の流れをつかむことができた。(評価A)
「政治の起源」(上)(フランシス・フクヤマ)
  • 著者が「政治制度の発展と衰退のメカニズム」に挑む2部作(日本では全4巻になるらしい)の第一弾。上巻ではウェーバーの定義による近代国家、「広範な公共の利益に奉仕することを目指す。支配者との個人的なつながりではなく、資格や能力に基づいて選抜された官吏が政府の役職に就く」国家が中国の秦王朝に始まるとして、原始から中世までの各地域における国家の状況を比較している。下巻が待ち遠しい。(評価A)
「宇宙が始まる前には何があったのか?」(ローレンス・クラウス)
  • 「無から始まった宇宙」という原題どおり、最新の量子論から宇宙の創成に迫る。自らの理論だけでなく、広く最新理論についても言及されているので、それらに若干基礎知識があった方がより面白い。今、このタイミングにいるからこそ多くの銀河を観測でき、宇宙の謎に迫れるのだという指摘は興味深い。タイトルはちょっとミスリーディングだが、内容の濃い一冊。(評価A)
購入:
「知の武装」(手嶋龍一、佐藤優)、「現場主義の競争戦略」(藤本隆宏)、「ホワイト企業」(高橋俊介)、「数学的決断の技術」(小島寛之)

2013年12月14日土曜日

MVP俊輔

火曜日のJ League Awardsで予想通り俊輔がMVPに選出された。監督・選手の投票で選ばれた事は意味があるし、何より史上初である2回目の受賞に価値がある。優勝してほしかった。優勝させてあげたかった、と改めて思う。「この2試合何が悪かったのか修正できる試合があるのは救い」といいう趣旨の発言をしていたので、22日の天皇杯トリニータ戦でどんな戦いをしてくれるか楽しみだ。

そんな状況でマルキーニョスの退団が決まった。天皇杯を待たずに帰国してしまったらしい。残念ではあるが、トップに起用されるであろう藤田に期待しよう。齋藤にも移籍の話が出ているが、それなら尚更天皇杯できっちり成果を出して移籍→W杯代表へ道筋を付けて欲しい。

CSKAモスクワの本田のAC Milan移籍が決まった。現在リーグ戦9位と低迷しているチームにどんなインパクトを与えられるだろうか。過去フリット、ルイ・コスタ、セードルフ、ボアテングがつけていた背番号10となった事に期待が現れている。1月のデビューが楽しみだ。

読了:
「インフェルノ」(上)(下)(ダン・ブラウン)

  • 前作「ロスト・シンボル」から3年。ロバート・ラングトン活躍の舞台はヨーロッパに戻った。ダンテの「神曲・地獄篇」がカギとなり、人類のこれ以上の増加を抑えようとする「マッド・サイエンティスト」の仕掛けた攻撃阻止のため、フィレンツェ、ヴェネツィアそしてイスタンブールへと物語が展開する。17年前に行ったフィレンツェやヴェネツィアの風景が思い出されて懐かしかった。前作よりはベター。2015年映像化も楽しみだ。(評価A)
「日本代表がW杯で優勝する日」(中西哲生)
  • かつてのJリーガーでジャーナリストの著者が「日本代表はどうすればW杯優勝までたどり着けるのか」という視点でフットボール・インテリジェンスの重要性を語る。目先の勝敗に一喜一憂するマスコミの問題にも言及している点が良い。俊輔と遠藤保仁という最もフットボール・インテリジェンスの高い2選手とのインタビューは内容が濃い。(評価A)
購入:
「政治の起源」(上)(フランシス・フクヤマ)、「マクロウィキノミクス」(ドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ)、「宇宙が始まる前には何があったのか?」(ローレンス・クラウス)

2013年12月8日日曜日

J1優勝ならず。W杯組み合わせ決定

F.マリノスは最終節も敗戦。サンフレッチェに逆転を許す結果となった。先週の敗戦を目撃して以来、何となくこの結果を予感していたので、こわくて中継を見られなかった。結局のところここ何試合も2点以上取れなかったことが最後に効いてしまった。良い意味でも悪い意味でも今年のマリノスは俊輔のチームだった。その俊輔が胆のう炎に倒れたことが運命を決めたように思われる。

優勝は逃したが、今年の俊輔の価値は揺らぐことはないだろう。誰よりも広くピッチを駆け、守備では一番ユニフォームを汚し、仲間を鼓舞し、自らも得点を挙げた。今年の俊輔を生で4試合見ることができたのはジーコ、マラドーナ、プラティニ、そしてクリロナを見たように一生の思い出になる。

土曜日の早朝ブラジル大会の組み合わせが決まった。日本はC組で初戦コートジボアール、第二戦ギリシャ、そしてグループリーグ最終戦がコロンビアになった。楽な相手ではないが、ベスト16入りは十分可能な組み合わせではないか。ただ、ここを突破してもベスト8を狙うにはD組のウルグアイ、イタリア、イングランドのいずれかを破らなければならない。あと半年でどこまでチーム力を高められるだろうか?最終メンバー争いも残り枠は少なそうだがこれからの注目だ。

読了:
「ロードサイド・クロス」(上)(下)(ジェフリー・ディーヴァ―)
  • 「人間嘘発見器」キャサリン・ダンスシリーズの第二弾。リンカーン・ライムシリーズと違い、文庫化まで待って読んだ。ディーヴァ―の作品はどれも展開が目まぐるしいのが特徴。本当に一日24時間でここまでやれるの?と突っ込みを入れたくなるような動きの連続だ。また、著者一流の「ひねり」も随所に見られて楽しめた。今回はSNSで「いじめ」にあっている高校生に容疑がかかるが、真犯人は意外なあの人物・・・(評価A)
「ウォール・ストリート・ジャーナル ザ・マネジメント」(アラン・マーレイ)
  • 現代のマネジャーに求められる経営スキルが一冊にまとまっている。ウォール・ストリート・ジャーナルの記者が書いた本なので、もっと生々しい経営者の「生態」が描かれれているかと期待したが、何故かゴーンとストリンガーという日本企業の外国人CEOばかり目立っていた。(評価B)
「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」(ケビン・ワーバック、ダン・ハンター)
  • うちの会社でも施策定着の手法として取り入れ始めたゲーミフィケーション。ポイント・バッジ・リーダーボード(PBL)を如何に組み込むかという技法よりも、何を達成するか、経営目標を明確にすることが必要と説く。ゲーミフィケーションは今後益々重要になってくるだろうという思いを強くした。(評価A)
「原発ホワイトアウト」(若杉冽)
  • 現役覆面官僚による自爆テロ的な小説。経産省・警察庁といった役所、電力業界、マスコミ、政党・・・日本を牛耳る岩盤がどのようなものかこれを読むと理解が深まる。登場する参議院議員、県知事などは実在の人物を連想させる。本書の結末を読むと、小泉元首相の原発撤廃を支持したくなる。(評価A)
「シグナル&ノイズ」(ネイト・シルバー)
  • 解説によると本書の著者は昨年のアメリカ大統領選の結果を正確に予想したという。本書がカバーするのはメジャー・リーグやNBA、ウォール・ストリート、ポーカーやチェス、インフルエンザから果ては巨大地震や地球温暖化まで。統計学と予測に関する多くの事例(成功も失敗も)が語られている。非常に面白かった。(評価A+)
「感染遊戯」(誉田哲也)
  • 「ストロベリーナイト」シリーズのスピンオフ中編集。一見関連のない事件が裏で繋がっている。元高級官僚が狙われるという実際に起こった事件を思い出さずにはいられなかった。ガンテツをはじめとするキャラクターは生き生きと活躍。姫川玲子も要所要所で顔を出し、なかなか面白い仕上がりだった。(評価A)

購入:
「血の轍」(相場英雄)、「日本代表がW杯で優勝する日」(中西哲生)、「歴史をつかむ技法」(山本博文)