2013年10月27日日曜日

96ジャパン

U-17ワールドカップに出場している「96ジャパン」の評価がとても高い。前回「94ジャパン」はセレッソの南野等を有し準々決勝まで進出、ブラジルには敗れたが今回同様高い評価を受けた。引き続き吉武氏が率いた今回のチームは予選リーグを初めて3連勝で1位通過した。フロント・ボランチやゼロトップといった流動的なポジション配置を実行するなど画期的で、結果だけでなく、内容から見ても前回以上に凄いチームだ。懸念は選手の身長が総じて低い事。決勝トーナメント1回戦のスウェーデン相手にいか対応するか見ものだ。決勝トーナメントで勝ち進んで欲しいのは勿論だが、この中から2020年東京オリンピックや2022年カタール大会の主力が一人でも多く生まれる事を期待したい。

読了:
「業務改革の教科書」(白川克、榊巻亮)

  • 業務改革全般についてではなく、いかにプロジェクトを立ち上げるか(=トップにGoサインをもらうか)に重点を置いた内容がユニーク。至る所に「岩盤」が存在する日本社で丁寧に周りを巻き込みながら進めるには良いだろうが、外資系のスピード感からは遥かに遅いのではないか。使用しているツールは参考になる。(評価B+)
「民主党政権 失敗の検証」(日本再建イニシアティブ著)
  • 3年3か月迷走を続けた民主党政権。裏で何が起こっていたのか、がかなり客観的に分析されている。小沢一郎氏に関しても、単に「壊し屋」と切り捨てていない点など分析の切り口は評価できる。ここで描かれている問題点の多くはそのまま自民党にも当てはまる。今の政権が同じ轍を踏まないことを願う。(評価A)
「競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」(フレッド・クロフォード、ライアン・マシューズ)
  • ”The Myth of Excellence”という洋書がアマゾンの推薦書リストに上がっていたが、これがその翻訳だったのか、というのが第一の感想。「価格・サービス・アクセス・商品・経験価値」の5つの要素全てにおいて5段階の5(最高)を目指すのではなく、一つの5(Excellent)、もう一つの4(差別化)を達成し、その他は3(平均)で良い、というポジショニングは追求する価値がある戦略ではないか。ただ、本書に取り上げられている企業の中でもその後衰退している所がある。持続的な競争優位を実現するというのは別の努力が必要だという事だろう。(評価A)
「最強のシナリオプランニング」(梅澤高明)
  • A.T.カーニーによる「最強の・・・」シリーズ最新作。シナリオプランニングは不確実性が益々大きくなる企業経営環境下では必須のケイパビリティだろう。本書のフレームワークと分析の進め方は実務上もそれほど無理なものではないので参考にしてみたい。取り上げられているケースは直接仕事に関係のないものもあるので、やや退屈だった。(評価B+)
購入:
「日本経済論の罪と罰」(小峰隆夫)、「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」(山口周)、「知の最先端」(フランシス・フクヤマほか)

2013年10月19日土曜日

1位VS2位直接対決に勝利。またまた首位奪還!おまけ:ベラルーシ戦

今節は1位と2位が直接対決。日産スタジアムへ行ってきた(今季3回目)。天皇杯から中二日のF.マリノスに対し前半はサンフレッチェがやや押し気味。石原が抜け出して1対1になった場面が一番危なかったが榎本がうまく対応した。F.マリノスも俊輔の良いシュートはあったが、両チーム無得点でハーフタイムを迎えた。後半になるとF.マリノスが相手ペースを掴んでボールが回るようになり、齋藤の得点につながった。代表から帰ってきたばかりだったが、プレーは切れていた。終盤サンフレッチェの反撃を何とかかわしF.マリノスが3試合ぶりの勝利で首位を奪回した。ドゥトラの穴は奈良輪が、そして兵藤の穴は佐藤がしっかり埋めた。選手層は薄いが、若手が成長してきたのが大きい。また、これで現時点での「上位陣」との対戦が終わり、直接対決を残す他のチームに対し優勝争いで優位に立ったと言える。しかし次節は勇蔵が出場停止でホーム初勝利に燃えるであろうトリニータとの対戦。まだまだ油断はできない。あと5試合!

ところで火曜日の日本対ベラルーシ。後半30分まで見て寝ました。日本が良かったのは前半の立ち上がり、内田のシュートまで。その後はベラルーシの守備に手を焼き攻撃はモタモタ。香川の調子の悪さは論外だが、長谷部・遠藤の方がもっとダメ。ここを変えない限り攻撃のテンポが単調で、メリハリが効かない。効果的なサイドチェンジもない。齋藤たちは結局出番なしで帰国。ヨーロッパの中堅相手でこれではブラジル大会予選リーグ敗退は必至だろう。11月はメンバーを変えるか戦い方を変えるかしないと・・・今でも思うが、東アジア大会オーストラリア戦が今年イチバンの試合だった。ザッケローニ就任当初の理想的とも思われるサッカーができていたのはあの試合だけだったのではないか?????

読了:
「世界最高MBAの授業」(佐藤智恵)

  • HBS、スタンフォード、ウォートンなど欧米トップビジネススクールでどんな授業が行われているか日本人留学生の目を通してレポートされている。もちろん我が母校Fuquaについても懐かしいManagement Communicationクラスが紹介されている。「現Apple社CEOティム・クックも受けた授業」というのが謳い文句になっていた。18年経ったんだ、と改めて実感。(評価A)
「ありえない決断」(バーン・ハーニッシュ、フォーチュン編集部)
  • スティーブ・ジョブズを呼び戻す決断、J&Jのタイレノール事件への対応、古くはヘンリー・フォードが労働者の賃金を大幅に引き上げた決断。これら18のビジネス上の決断はどのようにしてなされたかを紹介した1冊。紹介された企業もすべてがその後順風満帆ではない(HP、フォードなど)、というのがオチのようでもある。一方で企業の寿命をも考えさせられる。(評価B+)
「次世代リーダー育成塾 経営の作法」(伊藤邦雄、石井淳蔵、価値創造フォーラム21編)
  • グローバル化にどう挑むのか、企業価値の創造にはどう取り組むべきか、の2つのテーマで経営者・経営学者が持論を展開している。「良い仕事」に象徴されるように至る所で社会にどのような価値を提供できるか、が語られているのが最近の流れなのだろう。その意味でスピーカーに金融機関経営者がいないのも象徴的だ。(評価A)
購入:
「祈りの幕が下りる時」(東野圭吾)

2013年10月12日土曜日

日本代表はこれでも大丈夫?

欧州遠征第一戦のセルビア戦は0対2で敗戦。ボールは一定支配するが攻撃のテンポが単調で迫力に欠けるといういつもながらの展開。セットプレーからの素早い動きについていけなかった先制点のシーンも、自分たちのミスからカウンターを決められたロスタイムのシーンも、悪い時(最近は毎度の事で見慣れてきたのが残念!)の再現Videoを見たような試合だった。W杯予選敗退が決まっている相手にアウェーとはいえ無得点はいただけない。ザッケローニは今回も故障上がりの遠藤を最後まで使った。余程序列が大切なのか?次戦のベラルーシ戦で結果が残せないようなら、11月のオランダ&ベルギー(たぶん)の連戦前に荒療治も考えなければならないのではないか?オーストラリアはブラジルに続きフランスにも惨敗してオジェックを解任した。日本も考えるべきだ。

ナビスコカップ準決勝セカンドレグは2対0でF.マリノスが勝利。しかしファーストレグの4失点はハンディキャップとしては重すぎた。しばらく勝てなかったレイソルに勝った事とマルキーニョスが久々に得点した事が19日サンフレッチェ戦に向けた好材料と割り切ってリーグ戦に集中してもらいたい。(次節は今シーズン3回目の日産スタジアムだ。)

読了:
「宇宙は無数にあるのか」(佐藤勝彦)
  • 「インフレーション理論」の提唱者による宇宙論。ビッグバンだけでは宇宙の起源の説明には不十分であること。インフレーション理論を突き詰めるとマルチバースの存在が導かれるといったこと。さらにマルチバースを考えるなら、人間理論の根拠が成り立たなくなることなどが丁寧に解説されている。(評価A)

「生命はどこから来たのか?」(松井孝典)
  • 物理・化学・生物・地学すべてを統合した学問がある。アストロバイオロジーという分野があること自体、本書を通じて知ったが、地球物理学が専門であったはずの著者が研究していることで、また驚いた。最古の生物は何か、地球外生命体はどこに存在するかといった謎がここまで解明できていることに更に驚いた。非常に興味深い1冊。(評価A)
「決定力!」(チップ・ハース、ダン・ハース)
  • 人間として生活を送る上で何かを決めることは避けられない。本書が提唱するWRAP(選択肢を拡げる、仮説の現実性を確かめる、決断の前に距離を置く、誤りに備える)というフレームワークの有効性は直感的にも理解できる。単一の選択肢を「やるか否か」という事態をできるだけ防ぐことから意識しよう。(評価A+)
購入:
「BCG未来をつくる戦略思考」(マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローズ、ジャンメジャヤ・シンハ)、「BCG流最強の思考プロセス」(リュック・ド・ブラバンデール、アラン・イニー)、「そして日本経済が世界の希望になる」(ポール・クルーグマン)、「日本の論点」(大前研一)

2013年10月5日土曜日

代表ウィーク前のヴァンフォーレ戦

F.マリノスは今節ヴァンフォーレとのアウェーゲーム。先にサンフレッチェとレッズが勝利した後の試合となった。試合はヴァンフォーレに押され守備に追われる展開。前半はシュート1本に抑えられた。後半はいくつかチャンスができたが決めきれず、最後ロスタイムの決定機も逃して万事休す。2戦連続のスコアレスドローの結果同勝ち点ながら得失点差で2位に一歩後退となった。ただ、このアウェー2試合で負けなかったことが最後に効いてくると信じる。次戦はサンフレッチェとの直接対決。ホームでは負けない!

今月の欧州遠征(セルビア戦&ベラルーシ戦)メンバーが発表された。欧州組の最終テスト?と報道されている通り、細貝・乾・ハーフナーが復帰した。F.マリノスからは唯一齋藤が選ばれたが、大迫や工藤が外れた中でのメンバー入りは若干意外だった。出場時間は短いだろうが、是非結果を残して生き残って欲しい。11月のオランダ戦プラス1試合(ベルギー戦?)のメンバーが恐らく本大会の中核になるだろう。サプライズはなさそうだ・・・

読了:
「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」(青木薫)
  • 人間理論という新たな見方が加わったことで、宇宙観が大きく変わった。古代ギリシャの宇宙論から始まり、人間は宇宙をどのように理解してきたのかが整理されている。もちろんマルチバースなどの最新理論も解説されている。ヒッグス粒子の存在が間違いないというニュースも伝わったが、本書を通じ自分の宇宙への興味がまた深まった。(評価A)
「自分が変わるための15の成長戦略」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 「世界最高のメンター」と言われる著者が自己実現・成長のために何が必要か15のポイントで整理している。常に自己最高記録を更新する、「安全地帯」から一歩抜け出すなど響く言葉がある。人間「これで限界」と自分で決めつけてはいけないと分かってはいる。意識を高めて行動あるのみ。(評価A-)
「イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則」(スティーブン・ジョンソン)
  • 経営だけでなく科学や医学に至る様々なイノベーションの元となったアイデアはどのようにして生まれるのか。また、時代と共にどのように変わってきたか。ダーウィンなどの実例からカギとなる項目が解説されている。「隣接可能性」、「ゆっくりとした直感」、「セレンディピティ」、「間違いの効用」などなど・・・でも結局のところ粘り強く考え続ける事をしなければアイデアが生まれることはない。(評価A)
「USERS not Customers 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」
(アーロン・シャピロ)
  • 顧客より広い概念である「ユーザー」にいかに「ササって」いくか。伝統的な企業であればこそ考えなければならない課題だ。顧客からユーザーにフォーカスを変えて展開される戦略論は新鮮だ。ペプシのキャンペーンの話やTCPF(Trust, Convenience, Price, Fun)セールスの5つのパターンが印象に残った。各章末のまとめが良くできている。(評価A)
「倫理の死角 なぜ人と企業は判断を誤るのか」
(マックス・H・ベイザーマン、アン・E・テンブランセル)
  • 今朝も某メガバンクの反社取引をめぐるニュースが流れていたが、このようなコンプライアンス違反がなぜ後を絶たないのかを「行動倫理学」という立場から説いた一冊。読んでいるうちに、自分もそれほど倫理的な人間ではないと考えさせられた。たばこ業界、Accounting Firmなどの事例は重いものがある。経営に携わるメンバーは必読の一冊だ。(評価A+)
購入:
「次世代リーダー育成塾 経営の作法」(伊藤邦雄、石井淳蔵、価値創造フォーラム21)、「最強のシナリオプランニング」(梅澤高明 編著)