2013年4月28日日曜日

CLはブンデス同志の決勝戦か・・・

 先週はチャンピオンズリーグ準決勝1stレグが驚きだった。バルセロナはバイエルン・ミュンヘンに、レアルはドルトムントにそれぞれ完敗。ホームでの2ndレグが残っているとはいえ、逆転は極めて難しい状況になった。バイエルンが一番優勝に近いだろう。レアルがCL敗退ということになると、モウリーニョの退任は決定的。さてどうなるか?

 F.マリノスはヴァンフォーレと引き分け。昨日は外出していたので試合を見ることができなかったが、ロスタイムに失点しての引き分けはいかにももったいない。リーグ8試合でクリーンシートがエスパルス戦1試合というのは堅守を誇ってきたチームとしては「らしくない」状況だ。リーグ戦中断までに立て直しのきっかけを作って欲しい。それにしてもアルディージャは強い。首位陥落も仕方ないか・・・

読了:
「超図解 全思考法カタログ」(三谷宏治)

  • 発想/論理と拡げる/絞るという2軸で世の中の思考法を整理、使用上の注意点をまとめたまさに「カタログ」。三谷氏らしい語り口で書かれており、全編に一つのケースでの応用方法が描かれているので理解しやすい。戦略構築に限らず、様々なプロジェクトで応用できる。(評価A)
「仕事ができる人はまぜモチベーションにこだわらないのか」(相原孝夫)
  • 人事コンサルタントによるモチベーション否定論ともいえる内容。モチベーションを高めようとする会社の努力が却って社員の士気を低下させている局面がある。労働時間の長さを重視してきた日本人の労働観の改革が必要という著者の主張はもっともである。モチベーションなど意識しない社員はうちの職場にどれだけいるだろうか、気になった。(評価A)
「スマート・シンキング」(アート・マークマン)
  • 賢い習慣、質の高い知識、それを応用する能力。この3つを習得・実践することがスマート・シンキングだ。著者のいう「質の高い知識」を身につけるのが一番大変だと感じた。水洗トイレのしくみを本当に説明できるか?という実例の適切性はさておき、確かに「表面上知っている」という知識レベルが多いのは実感する。(評価B+)
「ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる」(広瀬一郎+山本真司)
  • マンUの優勝が決まった週に読んだ本。元電通社員でW杯実現に携わった広瀬氏とBCG、ATカーニー、べインと戦略コンサルティングで多くの経験を持つ山本氏の組み合わせが意外だったが、内容はマンUのケース・スタディを通じた内容の濃い経営戦略論だ。Jリーグの各チームはプレミア・リーグの対比から学ぶべき点が多い。(評価A)
「すべては『先送り』でうまくいく」(フランク・バートノイ)
  • マルコム・グラッドウェルの「第1感 最初の2秒の『なんとなく』が正しい」など直感を信じた意思決定を評価する考え方を否定、そうすることのリスクが説かれている。ただ、著者は決していつまでも先送りをすることまで薦めているのではないので、タイトルは少しミスリーディングだ。(評価A-)
「会社をつぶせ」(リサ・ボデル)
  • 客観的に自社の抱える課題を明らかにする手法として紹介されている"Kill the Company" や"Kill the Rule" のExerciseは有効だろう。うまくはまれば、表面的なSWOT分析よりずっと深い議論ができるだろうと思いながら読んだ。問題はトップが指摘された課題を受け止める度量があるか、その大きさがどうかということだろう。(評価A)
購入:
「経営センスの論理」(楠木健)、「経営戦略論入門」(波頭亮)、「戦略論の名著」(野中郁次郎編著)、「戦略思考トレーニング」(鈴木貴博)、「はじめての経営学」(東洋経済)、「100%」(ジェームス・スキナー)、「なぜ日本は改革が実行できないのか」(川本明)

2013年4月21日日曜日

連勝ストップ。映画「リンカーン」

 F.マリノスの連勝がストップした。点差以上の完敗に見えた。中盤での距離感がイマイチで、かつ俊輔が持ったところへのプレスが効いていたのでパスが回らなかった。アルビレックスの田中やレオシルバのハードワークは敵ながらあっぱれでした。それでも、前半終了間際の兵藤のシュートが決まっていれば、とは思うが・・・まあ気分転換して次頑張りましょう。

「リンカーン」を見た。有名な奴隷解放宣言をいかに憲法修正で担保するか、南北戦争が終結すれば下院の承認が得られない、という中でリーダーはどう考え、行動したか、が描かれている。ダニエル・デイ・ルイスやサリー・フィールド(三谷幸喜が「アメリカの大竹しのぶ」と言っていたが、それにふさわしい演技!)、さらに「宇宙人」トミー・リー・ジョーンズが素晴らしかった。見て良かった!と思う映画だった。

読了:
「殻―脱じり貧の経営―」(高橋伸夫)

  • プロローグで描かれた5つの企業の例(すべてが創作)は、まさにじり貧企業の典型で、そうならないためにどうすべきがが、T型フォードとENIACという二つの事例を通じ解き明かされている。マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」まで登場しており、哲学的な説明もあるが、結局は「殻」も自分自身の選択という結論。競争優位の源泉を永続するものと考えるのではなく、変化を恐れないことが重要なのだ。(評価A)
「ドラッカー 教養としてのマネジメント」(ジョゼフ・A・マチャレロ、カレン・E・リンクレター)
  • ドラッカーが会社などの組織を通じ「社会生態学」を実践するにあたり、どのような先人に影響を受け思想を形成してきたかが整理されている。その作業を通じ、改めて「リベラルアーツ」としてのマネジメントはどうあるべきかが説かれている。内容が重く・分厚い本なので、久々に3日分の通勤時間を使って読了した。ここでもリンカーンのリーダーシップにページが費やされており、映画を見る上での予習にもなった。(評価A)
「勝利と成功の法則」(日本経済新聞社編)
  • 日経朝刊の「経営書を読む」などのコラムを編集し、「エクセレント・カンパニー」、「ビジョナリー・カンパニー」、「競争の戦略」など長年読まれてきている経営書のエッセンスがまとめられている。それぞれに著名なコンサルタントや大学教授が手引きする形なので、ダイジェストとしてはクオリティが高い。日本人による経営書として唯一「経営戦略不全の論理」が入っていること、Dukeのダン・アリエリー「予想通りに不合理」が選ばれていることが面白かった。(評価A+)
購入:
「トータル・リーダーシップ」(スチュワート・D・フリードマン)、「本当に使える戦略・使えない戦略」(山田修)、「なぜ企業はマーケティング戦略を誤るのか」(野口智雄)

2013年4月14日日曜日

6連勝!この勢いはまだ続きそう!

 今シーズン初めて日産スタジアムへ足を運んだ。フロンターレとの「ダービー」であり、F.マリノスが首位ということもあって、観客数も27,000人あまりと昨日のマッチでは断トツに多かった。
 結果は2対1だったが、決定的チャンスの数からするともっと点差がついておかしくないゲームだった。マルキーニョスが決定機を2回逃し、同点に追いつかれたときは一瞬「引き分けかな」という考えも頭を過ぎったが、終了間際に端戸の点が決まって大興奮。こういう試合を勝てるのは実力がついたという証拠だろう。
 それにしても俊輔である。生で見た俊輔は去年の最終節同様にピッチ上あらゆるところに現れ、ボール奪取にからみ、決定的なパスを出し、CK・FKを蹴り・・・と攻守両面で大活躍だった。今が最盛期と言っても問題ない(イエローカードはいただけないが・・・)俊輔がこの状態を続けられるなら、もうしばらく連勝できそうだ。

読了:
「企業が『帝国化』する」(松井博)

  • アップル、グーグル、マクドナルド、エクソンといった日本でのお馴染み企業に加え、タイソンフードやモンサントといった企業が如何に帝国化し、我々の日常生活を支配しているか。また、そうした帝国が労働市場にどう影響を及ぼすかといった日本ではあまり語られていない「不都合な現実」が説かれている。こうした企業とどう付き合うべきか、「支配される側」が留意すべきポイントまで描かれている。なかなかの1冊。(評価A)
「経済学で読み解くこれからの日本と世界」(伊藤元重)
  • 「正統派」経済学者の目を通して見る日本と世界。経済学も使える学問だということを理解できる。日本再生のためにはアベノミクス3本の矢に加え、財政再建の道筋を明らかにするという4本目の矢が必要だという著者の指摘は全くその通りだ。サイレントマジョリティの立場が正しく代弁されているのでないか。(評価A)
「ソーシャルな資本主義」(國領二郎)
  • 矛盾したタイトルではあるが、公(パブリック)、私(プライベート)に共(ソーシャル)を加えるという現代社会の新たな構図を説いている。「つながり」をいかに経営戦略に生かすかといった観点、新たなリスクの発生などまだまだこれからも分析・研究をしていくべき領域が明らかになっている。(評価A)
「古今の名将に学ぶ経営戦略」(デービッド・ロジャーズ)
  • ナポレオン、ハンニバル、フリードリッヒ大王など世界史に登場する名将の戦略から、現代の企業戦略に生かすべき7つの教訓を導き出している。本書が書かれたのはもう四半世紀前なので、取り上げられた企業の中にはその後倒産したものなども含まれているが、教訓そのものは今でも十分通用する「定石」と言って良いだろう。目標と計画の混乱など耳が痛いことも多かった。(評価A)
購入:
「仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか」(相原孝夫)、「ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる」(広瀬一郎、山本真司)、「会社をつぶせ」(リサ・ボデル)、「パワー・クエスチョン」(アンドリュー・ソーベル、ジェロルド・パナス)




 

2013年4月7日日曜日

F.マリノス5連勝、DukeはFinal4逃す

 F.マリノスは昨日もサンフレッチェに快勝。ナビスコ杯ではアルディージャに負けたが、J1では唯一5連勝を達成した。爆弾低気圧の影響でピッチにはあちこち水たまりができていたが、ホームのサンフレッチェよりも対策ができていた。冨澤のミドルは見事だったし、中町と兵藤のコンビで崩した2点目は素晴らしかった。ボランチの2人でも点が取れるのは強みだ。これならもう少し連勝が伸びるだろう。
 
 Dukeは残念ながらFinal 4に進めなかった。ルイビルが一枚上手と言わざるを得ない。これでカリー、ケリー、メイソン・プラムリーの主力3名は卒業となる。次のシーズンではどんな戦いを見せてくれるだろう?

読了:
「リ・インベンション」(三品和広+三品ゼミ)

  • 日本企業にとって、イノベーションは取るべき戦略ではない、携帯電話の例を考えると、イノベーションを追求したガラケーではなく、リ・インベンションをおこなったスマートフォンが勝者になっている。本書ではこうしたリ・インベンションこそ日本企業に求められる戦略だということを様々な事例で説いている。ブルー・オーシャン戦略を言い換えただけのようにも思うが、方向性は正しい。ただし、実践には日本企業の体質まで踏み込んだ改造が必要であり、ハードルは高いだろう。(評価A+)
「ジャッジメントコール」(トーマス・H・ダベンポート、ブルック・マンビル)
  • 「分析力を武器とする企業」などの著作と異なり、決断にフォーカスを宛てた内容になっている。情報資産をいくら持っていても最終決断が誤っていては失敗への途をたどるだけということだ。本書の面白い所は、リーダー一人の決断力を称賛するよりも、グループの知恵を評価している点だ。(評価A-)
「マネジメントとは何か」(スティーブン・P・ロビンズ)
  • ”The Truth about Managing People...and Nothing But the Truth"第3版の邦訳。第2版「マネジメントの正体」をベースに、ビジネスにおける新たな潮流についての記述が加わっている。それぞれの項目は数ページと短いが、陥りがちな問題とそれを避けるためのアドバイスが凝縮されているので、何かの折に参照していきたい。(評価A)
「2020年 金融サービス」(日本IBM金融インダストリー・ソリューション)
  • リテール金融(銀行・証券・ノンバンクおよび生損保)がITの影響をうけどう変わっていくか、テクノロジーソリューションを提供する立場から予測した1冊。しかしながら、保険の項目ではリテールの記述をしていく中に突然企業分野の話題(東日本大震災やタイの洪水での企業のリスクマネジメントの話題)が出てきたりして読みづらかった。「ライフスタイル」が保険料を決めるという予測は面白かった。(評価B)
購入:
「経済学で読み解くこれからの日本と世界」(伊藤元重)、「ソーシャルな資本主義」(國領二郎)、「古今の名将に学ぶ経営戦略」(デービッド・ロジャーズ)、「殻」(高橋伸夫)、「勝利と成功の法則」(日本経済新聞社 編)、「ドラッカー 教養としてのマネジメント」(ジョゼフ・A・マチャレロ、カレン・E・リンクレター)、「全思考法カタログ」(三谷宏治)、「スマート・シンキング」(アート・マークマン)、「すべては『先送り』でうまくいく」(フランク・バートノイ)