2015年3月29日日曜日

チュニジア戦、エスパルス戦、ユタ大戦

ハリルホジッチ新監督の初戦チュニジア戦は、評価の難しい試合になったのではないか。スタメンには初召集の藤春はじめアギーレ時代に招集されていなかった新顔が並んだ。予定がありまだ録画をチェックできていない前半はチャンスも少なかったが、しっかり守れていたようだ。TV観戦できた後半は本田・香川・岡崎と常連組がしっかり連係して2点を取ったが、逆に守備面ではところどころ気が抜けたようなプレーもあった。チーム内の競争という点ではチュニジア戦は常連組に軍配が上がった。次のウズベキスタン戦はもう少しタフな試合になるだろう。韓国がホームで引き分けた相手にどんなメンバーを先発させるのか、更にはどのような戦いができるのか。新顔(=国内組)がしっかり結果を出して欲しい。

F.マリノスは代表ウィークの今週エスパルスとナビスコカップ第二戦を戦い、2対0で勝利した。ハイライトを見ただけだが、前半から後半立ち上がりまではエスパルスの方が押していた。オウンゴールとファビオのCKからの得点で勝利はしたが、退場のため急造GKになった後で決定機を外しまくったのはいただけない。まだまだ修正が必要だ。

Duke Blue DevilsはNCAAトーナメントでUtah大学を破り2年ぶりのベスト8(Elite Eight)進出を決めた。次はGonzaga大学とFinal 4をかけた戦いとなる。頑張って欲しい。

読了:
「戦略経営論」(マイケル・A・ヒット、R・デュエーン・アイルランド、ロバート・R・ホスキソン)

  • 米国のビジネススクールで広く使われている戦略論テキスト。使用されている事例はソフトバンクのM&A戦略など欧米企業だけでなく、グローバルな視点で収集されているのがこの種の戦略論テキストとしては特徴と言える。「戦略経営論」というだけあって、戦略立案だけでなく、ガバナンスやリーダーシップまで網羅されているので、辞書のように使うのも良いだろう。(評価A)
「雨に泣いてる」(真山仁)
  • かつて阪神淡路大震災の取材で苦い経験を持つ主人公は、東日本大震災直後の東北で行方不明になっている新人記者の捜索という任務を与えられる。この記者は無事発見されるのだが、そこから物語が大きく展開する。新聞社内部のドロドロとした政治力学だったり、新聞記者のモラルへの問いかけがあったりとサイドストーリーも面白かった。ラストで嫌な余韻が残るのがこの著者らしかったが、その分マイナス評価。(評価A-)
「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?」(ロッシェル・カップ)
  • 異文化コミュニケーションと人事管理を専門とするコンサルタントである著者が、自らの経験も踏まえ、日本企業の組織・人事戦略の問題点を鋭く指摘している。正社員・非正規社員という区分をなくすとか、日本で働く社員も「現地社員」と位置付け、「グローバル経営幹部」と明確に区分すること、また残業問題からダイバーシティまで、著者の提案している「世界の常識」を実行できる日本企業がでてこなければ、日本の地盤沈下は続くだろう。(評価A)
購入:
「AIの衝撃」(小林雅一)、「リーダーは最後に食べなさい!」(サイモン・シネック)、「競争しない競争戦略」(山田英夫)

2015年3月22日日曜日

新生日本代表メンバー発表。NCAAトーナメントスタート

ハリルホジッチ監督になって初めての日本代表メンバーが発表された。2試合を戦うだけなのに大量の31名を招集、しかもバックアップ12名まで選んでいる。6月のW杯予選初戦まで時間が限られている中で、チームコンセプト・方針を徹底しておきたいという意欲の表れと評価したい。27日のチュニジア戦で、どんなメンバーがピッチにたつのか楽しみだ。

全米大学(NCAA)バスケットボールのトーナメントが始まった。Dukeは辛うじてSouthのNo.1シードとなり、Robert Morris大学との初戦を突破した。ここのところFinal 4(準決勝)に進めていないが、今年は対抗馬として前評判が高かったIowa Stateが一回戦で負けたので、優勝した2010年以来のFinal 4進出を期待したい。

F.マリノスはベガルタとのナビスコカップ初戦も敗戦し、公式戦未勝利が続いている。サガンとのリーグ戦では泥臭くていいのでまずは初勝利といきたい。

読了:
「戦略の実行とミドルのマネジメント」(坂本雅明)

  • 著者の坂本氏にはかつて戦略ワークショップのファシリテーションをお願いしたことがあり、その際にも「地に足の着いた考え方をされる」というイメージを持ったが、本書を読んで改めてそう感じた。アンケートやインタビューを通じて得たミドル(部長・課長)の職務の違いや、それを踏まえた「方向づける」、「力を引き出す」という二つの課題への取り組みアプローチには派手さはないが、納得感がある。(評価A)
「反知性主義」(森本あんり)
  • 日本でのネガティブな意味合いでの使われ方から本書に興味を持ったが、反知性主義がアメリカの歴史や思想を語る上で重要な意味を持つイデオロギーだということが理解できた。まさに副題の「熱病」という表現がしっくりきた。「もうひとつのアメリカ史」を読むようで面白い一冊でだった。(評価A)
「なぜ日本企業は強みを捨てるのか」(小池和男)
  • アメリカ企業だけが企業経営のモデルではない、日本企業が従来培ってきた強み、とりわけ長期視点での人材育成の良さを再確認し、最終的に本書ではドイツがその代表である、経営への労働者代表の参画を提言している。ガバナンスの観点での労働者代表の参画には同意できる部分もあるが、前半の各産業での日米比較は文献の参照という手法の限界からか、あまり説得力がなかった。(評価B+)
購入:
「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか」(ロッシェル・カップ)、「カール教授のビジネス集中講義 マーケティング」(平野敦士カール)、「アクション・バイアス」(ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール)、「フューチャー・オブ・マインド」(ミチオ・カク)、「火花」(又吉直樹)

2015年3月15日日曜日

アデミウソンのデビュー戦はスコアレスドロー

今節F.マリノスはFC東京と対戦。期待のアデミウソンは先発し後半39分まで出場した。後半兵藤の惜しいシュート2本が権田のファインセーブにあったこともあり、結局ゴールを奪えずスコアレスドローに終わった。ダイジェストを見る限りだが、アデミウソンは一人で突破することも、周りを活かすことも可能なプレーヤーのようだ。連係が良くなり、俊輔たちが戻ってくれば、得点力は間違いなく上がるのではないか。守備はどうやら修正できたようなので、今後に期待しよう。

読了:
「成功するイノベーションは何が違うのか?」(ネイサン・ファー、ジェフリー・ダイアー)

  • イノベーションを成功に導くためにはMBA流の「ビジネスモデルありき」の戦略ではうまくいかない。インサイト→課題→ソリューション→ビジネスモデルそして拡大という著者の説くイノベーション実現メソッドは本書に取り上げられた企業の戦略から導かれており、その応用範囲がITに限られていない点でも評価できる。新たな問題解決のメソッドとして捉えることで日々のマネジメントにも活用可能だ。(評価A)
「道端の経営学」(マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、スコット・シェーファー)
  • ロードサイドムービーを見ながら経営のポイントを学べる、というユニークな一冊。事業規模拡大、商品差別化、価格戦略、ブランド構築、交渉、人事関連と各章様々な「成功例」のポイントを整理しているが、本書の最も良いのは、すべての戦略的課題の答えは「場合によりけり」である、というマイクの法則を証明している点だ。先の「成功するイノベーションは何が違うのか?」も本書も日本企業にありがちな「me-too症候群」に対する警告の書と受け止めるべきだ。本書は現時点で今年No.1の経営書だ。(評価A+)
「ネット社会の『正義』とは何か」(西垣通)
  • 本業はコンピューター研究者である著者が、「集合知とは何か」の続編的な位置づけでこれからの民主主義の話をしている。前作に引き続き、「みんなの知恵が正しい」のは正解がある問題についてで、正解のない問題に応用するには適さないと説き、サンデルの議論(およびその中に出てくるロールズの正義論)からネット集合知のありかたに一つのアイデアを示している。(評価A)

2015年3月8日日曜日

開幕戦はフロンターレに完敗。厳しい序盤戦になりそうだ・・・

いよいよJ1ファーストステージが開幕。F.マリノスはホームでフロンターレと対戦、1対3で敗れた。攻撃陣にけが人の多いマリノスは齋藤が1トップという布陣で臨んだが、開始3分であっさり失点。小林のゴールで一端は追いつくも、すぐに突き放され、後半にも大久保に「デス・ゴール」を決められるという最悪の展開。榎本のファインセーブがなければもっと失点していても不思議のない試合だった。前の選手はサイドに開いたり、CBの裏を狙ったりしているのだが、パスの精度が低くカットされるだけだったし、たまにサイドを崩しても中央に同じタイミングで飛び込むため、そこから逆襲を食らったり・・・攻撃の意図が通じているように見えなかった。先が思いやられる・・・まあ17分の1が終わって、悪い所がはっきりした(数が多いけど・・・)と割り切ろう!

Duke Blue Devilsはレギュラーシーズン最終戦(UNC戦)も勝ち11連勝、28勝3敗でポストシーズンを迎えることとなった。今週末のACCトーナメントで早期敗退しなければ、NCAAトーナメントの第一シードになるだろう。2010年に優勝して以来となるファイナル4は十分可能jだし、できればここまで無敗のケンタッキー大学に勝って5度目のチャンピオンを勝ち取って欲しい。


読了:
「変革の知」(ジャレド・ダイアモンドほか)
  • 「朝鮮日報」経済版で行われた学者・経営者18名へのインタビューを編集・再録したもの。日本で同様の企画を行ったら選ばれないだろうと思われるような「新進気鋭」の学者がいるところが興味深かった。田坂広志氏による序文にある、変革を進めるために必要な5つの視点、特に「深い問いを求めながら読む」という習慣を身につけたい。(評価A)

「0ベース思考」(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー)
  • Freakonomics(「ヤバい経済学」)の著者による新刊。出版社が変わったので、タイトルも変わったが、多少アドバイス的な要素が増えただけで、原題のThink Like a Freakの方がしっくりする。ホットドッグの早食いチャンピオン小林尊氏のエピソードなどおよそ経済学とは縁遠い話題があり、今回も楽しく読んだ。(評価A)

「カール教授のビジネス集中講義 ビジネスモデル」(平野敦士カール)
  • 「経営戦略」に続くシリーズ第二弾。ビジネスモデルを考えるステップが細かく紹介されているが、そのパターンが各ステップ10以上ある。これだけを取っても如何にビジネスモデルは千差万別であるがが分かる。分かり易さは「ビジネスモデル・イノベーション」、面白さは三谷先生の「ビジネスモデル全史」に軍配を上げる。(評価A-)

「全員経営」(野中郁次郎、勝見明)
  • JAL再生、ヤマト運輸「まごころ宅急便」・「セブンプレミアム」・ダイハツ「ミラ イース」といった商品開発、メガネ21や未来工業のようなユニークな経営で知られる中堅企業までカバーした実例を基に、日本における全員経営が如何に実践されているかが、野中教授一流の賢慮(フロネシス)や知識創造論を踏まえ解説されている。(評価A)

2015年3月1日日曜日

ついに待望の新戦力!アデミウソン入団決定!

J1開幕1週間前にしてついに新戦力が発表された。それも新聞記事によると「次世代のセレソンの10番」との評価もあるというアデミウソンだ。各年代ブラジル代表に選ばれ、U-21でリオ・オリンピックを目指す将来のスター候補のようだ。来年マンチェスター・シティに移るまでの期限付き移籍だとされているが、シティ・フットボールクラブとの提携はこういうプラスがあるということだ。この移籍はラフィーニャは勿論日本人FWに大きな刺激になる筈だ。得点力不足解消に大きな期待ができる。

Duke Blue Devilsバスケットボールチームは28日(現地時間)ホームのSyracuse戦に勝って9連勝。レギュラーシーズンはあと2戦。現地7日のアウェーUNC戦が最後の山になるが、これを乗り越えてNCAA(全米大学)トーナメントNo.1シードを確実にしたいところだ。

錦織圭がまた世界ランク自己最高位を更新した。本人が意識しているのは年末時点でのランクだと冷静なのが頼もしい。昨年1回戦で敗れた全仏オープンと欠場したマスターズ1000シリーズで今年ポイントを稼げれば年末でのトップ3入りは可能だ。こちらも一喜一憂しないで行こう。

読了:
「知のトップランナー149人の美しいセオリー」(ジョン・ブロックマン編)

  • リチャード・ドーキンス、リサ・ランドール、ナシーム・ニコラス・タレブ、ジャレド・ダイアモンド等様々な分野での第一人者が、「あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか?」という共通のお題に其々の立場から回答している。ダーウィンの進化論、ボルツマンのエントロピーの法則、ワトソン・クリックの二重らせんといったメジャーなものばかりでなく、聞いたこともなかったようなセオリーまで、回答者による解説で知的興奮を味わうことができた。(評価A+)
「オートメーション・バカ」(ニコラス・G・カー)
  • 「知のトップランナー」にも登場していたニコラス・G・カーが、オートメーションの発展は本当に素晴らしい未来を実現させるのか、という楽観論に対し警鐘を鳴らす一冊。自動操縦装置の発達によりパイロットの危機回避能力が却って低下している点、Computer Aided Design(CAD)ソフトにより建築家の創造性が阻害されかねない状況など実例を踏まえた問題指摘に考えさせられる。(評価A+)
「21世紀の資本」(トマ・ピケティ)
  • ようやく話題の一冊を読み終えた。著者ピケティ氏はいまや有名になった不等式r>gがもたらす格差の拡大を問題とし、世界的な資本への累進課税を提唱している。著者自ら認めているように経済学というより政治経済学の書という趣が強い。日本についても過去の統計を示しているが、将来的な課題認識はしても現状はアメリカなどとはまだ異なっていると見た方が良いだろう。(評価A)
購入:
「なぜ日本企業は強みを捨てるのか」(小池和男)、「道端の経営学」(マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、スコット・シェーファー)、「ネット社会の『正義』とは何か」(西垣通)、「反知性主義」(森本あんり)、「雨に泣いてる」(真山仁)、「戦略経営論」(マイケル・A・ヒット、R・デュエーン・アイルランド、ロバート・E・ホスキソン)、「戦略の実行とミドルのマネジメント」(坂本雅明)