2015年9月26日土曜日

SKYシリーズ。ベルマーレ戦

アウェーのベルマーレ戦。F.マリノスは伊藤のゴールで先制したが、ベルマーレの永木に素晴らしいFKを決められ1対1で引き分けた。7試合負けなしとなったが、ここに来てペースダウン。特に「湘南」になって常に勝ち続けていたお得意様に引き分けたのは残念だ。心配は毎度のことながら今月の3試合いずれも1点しか決められていない攻撃陣だ。次節は苦手のベガルタ戦1点はもぎ取れるだろうが、2点目をどう取って突き放せるか、交代選手の使い方も含め立て直す必要がある。
(2ndステージ順位は8位に後退、通算順位は7位)

読了:
「シンギュラリティ大学が教える 飛躍する方法」(サリム・イスマイル、マイケル・マローン、ユーリ・ファン・ギースト)

  • 指数関数的(Exponential)に成長している企業(Uber、Airbnbなど)の戦略・組織・プロセスを分析し、新たに起業する際のみならず既存の企業が同様な成長を成し遂げるには何が必要かが解説されている。野心的な変革目標(Massive Transformative Purpose)、SCALE、IDEASというフレームワークで語られる要素は日本の既存企業では採用しづらいものばかり。益々日本企業がグローバル化に取り残されるのではないかという危機意識を強めた。余談になるが、著者らが属するシンギュラリティ大学は未来の教育機関の方向性を示しているようだ。(評価A+)
「解」(堂場瞬一)
  • 政治家を目指す大江と小説家を目指す鷹西。大学の同級生である二人はやがてそれぞれの分野で成功するが、その過程で起こる殺人事件が二人を意外な形で対決させることになる。平成元年(1989年)から23年(2011年)まで、言い換えるとバブル崩壊から東日本大震災までの社会情勢が二人の進路にどう影響するか。大江が何人かの著名なIT起業家に見えたり、周りにも「モデルはあの人?」という人物がいたりするのは少し都合が良すぎるような点もあるが、それはそれで面白く読んだ。(評価A)
購入:
「経済は『予想外のつながり』で動く」(ポール・オームロッド)、「なぜデータ主義は失敗するのか?」(クリスチャン・マスビェア、ミゲル・B・ラスムセン)、「世界を破綻させた経済学者たち」(ジェフ・マドリック)、「日本人の歴史観」(岡崎久彦、北岡伸一、坂本多加雄)、「戦略・マーケティングの名著を読む」(日本経済新聞社[編])、「『超』集中法」(野口悠紀雄)、「ブロックバスター戦略」(アニータ・エルバース)

2015年9月20日日曜日

ニュー・ヒーロー誕生!再び連勝街道へ(FC東京戦)

.マリノスにもう一人新たなヒーローが誕生した。今節のFC東京戦は特別指定選手である富樫のJ初ゴールで勝利を収めた。
  
試合は正直なところあまり面白いものではなかった。マリノスはポゼッションするもののパスミスが多く、前半はいくつか「ヒヤリ」とする場面も。シュートも枠を外れたミドルが多く、唯一可能性を感じたのはハーフタイム直前の齋藤のシュートだけだった。このまま終了かと思った88分、俊輔のクロスを途中交代の富樫がニアで合わせゴール!そのまま逃げ切り勝ちきった。これで暫定5位に浮上したが、フロンターレとアントラーズも勝ったので年間順位は7位のまま。この2チームとのアウェー戦を含む残りは6試合。戦力は益々充実してきたので勝利あるのみ!それにしても7月終了時との違いが何と大きい事か!! 

ラグビーのW杯が始まり、日本は世界ランク3位で優勝候補の一角である南アフリカに34対32で歴史的な勝利を挙げた。次回(2019年の自国開催)に向けても大きな前進だ。これで油断せず、是非初めての決勝トーナメント進出を果たして欲しい。


読了:
「昭和陸軍全史」(1~3)(川田稔)

  • 満州事変の始まりから第二次大戦の敗戦までの期間、日本陸軍の方向性を実質的に決定してきた4人、永田鉄山、石原莞爾、武藤章、田中新一がどのような世界観・戦争観を持ち、どう実行してきたのかを通し、敗戦までの陸軍史を描いている。本書を通して読むと、改めて、当時の日本には国家としての大戦略(Grand Strategy)がなかったこと、そのため「現場」が暴走し、中央はコントロールできなかったということが明らかだと感じた。4人それぞれは戦略を描いていたが、それが昇華されて国家戦略まで高まることはなかった。対米戦争についても、こうした戦略の欠落のため、開戦を避けられる可能性が消滅していったことも再確認した。残念ながらこうした大戦略の欠如は今も全く変わっていない・・・読み応えのある3冊だった。(評価A+)

「その場しのぎの会社が、なぜ変わったのか」(内山力)

  • 日立の復活とソニーの凋落、アサヒとキリンのNo.1を巡る戦い、みずほのシステムトラブルなどの事例に加え著者が直接関わっている企業のストーリーを通じ、著者のいうところの「マネジメント3.0」(変革・イノベーション)とはどのようなものか説かれている。本書を読むと、改めて、万能な戦略など存在せず、自社の置かれた環境下で、自社の企業理念を貫くために何が必要かを考え抜いた経営者が結局勝ち抜いているという事がわかるのではないか。「まさか」と「なるほど」を再確認した。(評価A)

2015年9月13日日曜日

連勝ストップ

F.マリノスの5連勝はならなかった。アルビレックスとのアウェー戦、前半は若干マリノスのペースと思ったが、決定機はアルビレックスの方が多く、アディショナルタイムにFKから先制を許してしまう。後半一人退場となったアルビレックスを押し込む展開になり、アデミウソンの見事なミドルシュートが決まって同点になる。その後も俊輔の惜しいFKがバーを叩いたりしたが、最終的にレオ・シルバまで退場となった相手に追加点を奪えず1対1のまま試合終了。8年ぶりアウェーの勝利とはならなかった。これで2ndステージは7位に一歩後退。勝ちきれなかった事、なぜ俊輔?という交代の不可解さでスッキリしない結果だが、仲川のリーグ戦デビューは好材料。後半へばった相手に仲川のスピードが脅威になることが証明されたのではないか。次節はホームでFC東京戦。連勝街道再スタートの1戦にして欲しい。

話は前後するが、天皇杯2回戦(MIOびわこ滋賀戦)は豪雨で試合中断。10月11日に1対1の後半28分過ぎから再開が決まった。選手は一緒でも豪雨まで再現されないだろうし、中2日でトリニータとの3回戦を迎えられるよう、延長まで戦うことなく後半残り時間の中でしっかり勝ちきって欲しい。

読了:
「黙示」(真山仁)
  • 農薬・遺伝子組み替え・食糧危機・・・小説ではあるが、日本の農業を巡る現実が見えてくる。また、著者の他の作品同様、政界・官界、マスコミへの強い問題意識が見られ、更に本書ではマスコミ等に操られる「無知」で正義感の強い市民に対しても批判的な目が向けられている。近々「ハゲタカ」新シリーズの連載が始まるというので楽しみだ。(評価A)

「企業価値4倍のマネジメント」(火浦俊彦+べイン・アンド・カンパニー)
  • コア事業でいかに勝つか、M&A成功のカギは何か、オペレーティング・モデルで勝つにはどうするか、ネット・プロモーター・システムと顧客ロイヤルティ。べイン・アンド・カンパニーのコンサルタントが様々な角度からマネジメントに対するヒントを与えている。「企業価値」をいかに増すか、というタイトルが最近の日本企業を取り巻く環境変化を言い表している。(評価A)

「ALLIANCE」(リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ)
  • リンクトイン創業者による人材マネジメント論。キャリア進展の段階に応じてローテーション型、変革型、基盤型という3つのコミットメント期間を設定し人材を育てる。社外のネットワークを業務上の課題解決に積極的に活用させる。更に、他社に異動した後も卒業生ネットワークを通じ関係を継続する。こうした雇用関係がアメリカ、特にシリコンバレーの活力になっていることを認識する。日本企業では到底考えられない世界だろう。(評価A)

「市場は物理法則で動く」(マーク・ブキャナン)
  • 経済学の理論が市場をどのように捉えているか、それが「科学の常識」からすると問題だらけであることを、リーマンショックおよびその後のフラッシュ・クラッシュがどのようなものだったかを通じて解説している。単に批判するだけでなく、物理学の理論を取り入れた研究が進んでいることも紹介されている。(評価A)

購入:
「[新版]ブルー・オーシャン戦略」(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ)、「グレートカンパニー」(リッチ・カールガード)、「飛躍する方法」(サリム・イスマイル、マイケル・マローン、ユーリ・ファン・ギースト)

2015年9月5日土曜日

勝ったものの・・・W杯予選カンボジア戦

木曜日のカンボジア戦。34本のシュートを放った日本が3対0で勝利したが、拙攻の連続で全く面白くなかった。前回のシンガポール戦もそうだったが、FWが中央に絞り込むのでスペースがなくなり、余裕のないカタチでシュートする→枠に飛ばない、相手にブロックもしくはセーブされるというシーンが続いた。そのシュートだが、どうしてインステップできちんと蹴れないのだろう?唯一インステップで蹴った「強い」シュートだったのが本田の先制点というのはあまりにお粗末。CKも香川が蹴るようではNo chanceだし、岡崎がトップの前線に精度の低いクロスを上げ続けるというのは戦術と選手選考がチグハグという事以外ないだろう。それでいて自虐コメントを連発するハリルホジッチはもっとおかしい。アフガニスタン戦の結果如何では更迭もやむを得ない。

リーグ戦4連勝中のF.マリノスは日曜日に天皇杯初戦を戦う。去年はディフェンディング・チャンピオンとして臨んだにも関わらず早々に敗退。リーグ戦上位進出がまだまだ厳しい状況の中なので、今年は2年ぶりの優勝を狙ってほしい。

読了:
「新・100年予測」(ジョージ・フリードマン)
  • 「予測」というタイトルとは異なり、ヨーロッパ各地・主要国の歴史、特に1914年から1945年(第一次大戦勃発から第二次大戦終結)まで31年に何が変わったのかが丁寧に記述されている。主要国以外の国々が地政学的にどんな意味を持っているかをしっかり捉えることが、現在のギリシャ危機であったり、近未来のヨーロッパを考え・予測するのに有効だということが納得できる。(評価A)

「大東亜戦争 敗北の本質」(杉之尾宜生)
  • 「失敗の本質」の執筆者の一人で元陸上自衛隊員という著者が、情報と兵站という2つの点から日本軍敗戦に至る過程での問題点を説いている。本書を読むと、陸軍ばかりでなく海軍も情報と兵站では同様の問題点を持っていたことが分かる。また、東日本大震災の対応や最近のオリンピック組織委員会を見ていると、失敗の原因を追求し、責任を明確にするという姿勢が不足しているのは、残念ながら日本組織の未だ直らない欠点であることが分かる。(評価A+)