2010年6月27日日曜日

パラグアイ戦に望むこと

 こうなったら何がなんでもパラグアイには勝って欲しい。今回は対戦順に恵まれ、選手がそれなりに熟成してきているし、2002年の時と異なり、ここが終着駅と思っていない。ベスト4目指すという「夢」が効いてきている。もう一つ勝って、スペイン対ポルトガルの勝者とやって初めて「世界を驚かせる事」ができる。折角国内でのサッカー人気が盛り返す兆候や、海外クラブが日本人選手の価値を再評価する様子が見えているし、ついでに2014年ブラジル大会に何かを残すためにも頑張って欲しい。

読了:
「Theory U」(C. Otto Scharmer)
  • やっと読み終えた。「出現する未来」や「全脳思考」などの本で言及されているTheory Uが、案外日本人ならある程度やっている、極めて東洋的な思考方法に似ている事が理解できた。野中教授の知識創造理論やSECIにも通じるところが多い。それにしても(物理的にも内容も)重い本だった。(評価A)
「文明崩壊」(上・下)(ジャレド・ダイアモンド)
  • 「銃・病原菌・鉄」に比べるともっとメッセージ性の強い本だった。環境問題をどう考えるかという観点では非常に示唆に富む本であり、イースター島、グリーンランドなどが辿ってきた道を地球全体が歩まずに済むために何が必要かを考えさせられる。保険会社が「世間の常識どおり」悪く書かれている記述があり、ちょっと残念。(評価A+)
「MBB:思いのマネジメント」(一條和生、徳岡晃一郎、野中郁次郎)
  • MBB(Management by Belief)の重要性については日本企業が忘れつつあり、外国企業がむしろ評価しているというのはその通りだと思う。良い意味でも悪い意味でも外国企業はトップの「思い」があり、それが戦略として具現化されている。日本企業でもユニクロなどは同じだし、だからこそ今のような経済状況であっても強いのだと思う。MBBはトップこそが実践すべきなのではないか???(評価A-)
購入:
「流れを経営する」(野中郁次郎、遠山亮子、平田透)、「グローバル・イノベーション」(藤井清孝)、「伝説の教授に学べ!」(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代)、「これからの『正義』の話をしよう」(マイケル・サンデル)

2010年6月20日日曜日

迷走のち晴れ?

 カメルーンとオランダとの戦いを終えて勝ち点3。デンマーク戦に引き分け以上ならグループリーグ突破。日本代表は結果的に予想を良い意味で裏切る健闘と言える。内容に関しても、カメルーン戦の「アンチフットボール」のような守備一辺倒から、攻撃ができるところまで向上している。ただ、正直サッカーとしては面白くない。結局攻撃は松井の個の力に頼っていて、連動して崩すシーンは見られない。オランダ戦にしても、前回対戦したときの前半の方がワクワク感があった。韓国やチリに感じる可能性がこの2戦からは見えなかった。これでデンマークと引き分け以上で決勝トーナメントに進むことができれば、勝負強さが加わるというメリットはあると思うのだが、サッカーのクオリティの面で次回大会以降に繋がるものが見えてこない。オシムの辛口コメントはそのように解釈すべきなのではないか?

読了:
「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)
  • 流石に朝日新聞による「ゼロ年代の50冊 第一位」に選ばれた本だけの価値があった。なぜユーラシア大陸とアメリカ大陸・アフリカ大陸・オーストラリアとで文明の進み方が異なったのか。なぜヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのか。こうした疑問に対する答えは表面的に年号を覚えるだけの歴史教育では決して学ぶ事ができなかった。まさに「事実は小説よりも奇なり。」(評価A+)
「これからの経営学」(日本経済新聞社 編)
  • 日本のトップ経営学者による最新経営理論の入門書。それなりに分かりやすい内容であった。改めて、日経朝刊は侮れないと思う。こうした内容が掲載されるのだから。難を言うと財務や会計についての記述が少ないのは読者がサラリーマン中心という理由?でもほんとうに日本企業が弱いのはこうしたエリアなので、できればもっとプラスされてもよかったと思う。(評価A-)
「帝王学の教科書」(守屋洋)
  • 「三国志」や「貞観政要」などの中国古典からリーダーのあるべき姿を説いた本。何度も同様の本を買っては読んでいるが、なかなか人名など覚えられない。やはり「三国志」は一度通して読むべきなのだろう・・・(評価A)
「成熟日本への進路」(波頭亮)
  • 「成長ではなく分配」というビジョンの内容には異論があるが、ゼロベースで現在の政策を洗い直し、新たな国家戦略を構築すべきという点はその通りだと思う。今回の参議院選挙で各党はそうした国のあり方を根本的に決定する選択肢を提示して欲しいのだが・・・官僚の生態についての観察はその通り、ここが改革のネックであることは間違いない。これを根本から直そうとしているのは今のところ1つの党だけなのが寂しい。(評価B+)
購入:
「文明崩壊」(上・下)(ジャレド・ダイアモンド)、「MBB:『思い』のマネジメント」(一條和生、徳岡晃一郎、野中郁次郎)、「リーダーになる人に知っておいてほしいことⅡ」(松下幸之助 述、松下政経塾 編)、「リーダーは自然体」(増田弥生、金井壽宏)

2010年6月12日土曜日

いよいよ?ようやく?開幕

 W杯が開幕。グループAは2試合とも引き分け。ホスト国が健闘し、フランスは「?」というところか。今晩は韓国対ギリシャ戦で、欧州や南米に対するアジアの現在位置が見える試金石になると思う。今回の韓国は2002年のチームより強いと思うので、是非グループを勝ち抜いて欲しい。残念ながら韓国の充実ぶりに比べると日本は・・・相変わらず監督の迷走状態が止まらない。選手が如何に状況を判断して対応するかだけが残された期待だ。いずれにせよ、個人的には仕事とW杯で二倍以上忙しい日々が始まった・・・

読了:
「戦略論1994-1999」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編」
  • 1993年までの論文集ほどインパクトの大きな論文は少ないが、それでもイノベーションのジレンマなど今でも影響の残るものが多い。思ったとおり日本企業への言及が少なくなっているし、ポーターに至っては「日本企業に戦略はない」とまで言い切っている。失われた20年(もはや10年どころの騒ぎではない)の根本原因も、結局のところ戦略不在によるものだろう。(評価A)
「ポジティブ・チェンジ」(ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステンブルーム)
  • AI (Appreciative Inquiry)を業務改革にどのように結びつけるか解説した1冊。ただ、詳細なノウハウは書かれていないので、やはりコンサルを頼まないとダメというお馴染みのパターンになっている。考え方や実際のインタビュー手法などは参考になる。(評価B+)
「戦略暴走」(三品和広)
  • 著者に関しては楠木建・清水勝彦両氏と並んで、今日本人経営学者で一番しっかりと「企業戦略」を語れる人と評価している。今回も179という多くの企業の「失敗例」を基に、戦略不全を起こしている企業が如何に多いか論じられている。これだけの失敗例を見ると、今の経営者がリスク回避に走るのもむべなるかなと考えてしまうが、見ようによっては、どれだけ熟慮を重ねて実行したとしても失敗するときは失敗するのだから、オムロンの立石氏の例から学んで、撤退する戦略も準備し、どんどんリスクを取って海外や新事業へと多く出て欲しいと思う。それは決して「暴走」にはならないと思う。(評価A)
購入:
「帝王学の教科書」(守屋洋)、「成熟日本への進路」(波頭亮)、「これからの経営学」(日本経済新聞社編)


2010年6月5日土曜日

四連敗

 イングランド戦、コートジボアール戦は合計4対2で二連敗。OG3発はご愛嬌というところ。あの監督のことなので、恐らくこの2試合のメンバーがそのままカメルーン戦の先発になるのだろう。自分だったらこんなメンバーだろう。川島(楢崎)、内田、中澤、トゥーリオ、長友、稲本(阿部)、長谷部、俊輔、憲剛、松井、森本。
 アンカーは稲本。阿部と良い勝負だが、経験値の高い方とした。右サイドは内田。俊輔との相性を選ぶ。本田、大久保、岡崎では攻撃の形が見えない。俊輔の不調は云々されているが、遠藤は私の目にはもっといただけなかった。このメンバーでも勝ち点を上げるのは厳しいだろうが、多少はボールが回るでしょう。パワープレーが必要なら松井OUTで稲本+阿部で守りトゥーリオをトップにいれます。2試合3ゴールの決定力を活かしましょう。

読了:
「アニマル・シンキング」(ベラ・ブライヘル、サリー・バルエル)
  • フレームワークで物事を考えても、思考には癖があるという前提で、如何にそれを乗り越えてクリエイティブな発想ができるか。示唆に富んだ本だと思う。周囲の人の思考グセを踏まえてうまく活用するというやり方もある。今はライオンになりたいが、残念ながら周りに安心して任せられるスタッフが少ない・・・(評価A-)
「人材の複雑方程式」(守島基博)
  • 「プレジデント」連載で一度読んだエッセイばかりだが、読み返すと、改めて人事・組織の課題が重たいかが分かる。単純な「日本式終身雇用・年功序列礼賛」でないので、外資に勤務する自分として好感を持てる。現場リーダーの弱さは国内社以上。どう育てるか?取ってくるか?(評価A)
「ビジネスリーダーにITがマネジメントできるか」(ロバート・オースティン、リチャード・ノーラン、シャノン・オドンネル)
  • 現状のITプロジェクトに関わるようになって一年以上。もっと早く読んでいたらと思う内容。IT部門のリーダーでなくても意義のある1冊だと思う。巻末の「7つのカテゴリー」は他の組織構築にあたっても必要なものばかり。結局大きな差はないと思う。(評価A)
「戦略論1957-1993」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編)
  • アンゾフ、ポーター、ミンツバーグ、ストークJr.、プラハラッド&ハメル、大前。戦略論のグルたちの歴史的な論文ばかりを集めた1冊。すべて1度ならず読んだ論文ばかりだが、読み直して感じたのは、日本企業への言及の多さだ。この期間、世界の先頭を切っていたのはあきらかに日本企業で、その動きがこれらのグルに多大な影響を与えていたのだ。こうした「黄金の日々」を再現できるのか?(評価A+)