2009年12月30日水曜日

高校サッカーなどなど

 高校サッカーが開幕。初戦で帝京が敗れた。これもJのユースに有望な選手が所属するようになったという世の流れだろう。ただ、この世代がもっと勝負強くなるには、こうした真剣勝負の場が増えた方が良いようにも思う。
 昨夜の忘年会で昨年ウォートンを卒業した「大学の後輩かつ元同僚」の話を聞いた。投資銀行に就職したMBAは昨年のリーマンショックで大量に解雇されたという。また、某コンサルティングファームも人員はピーク時の三分の二まで縮小しているとの事。またそのファームの経費削減への取り組みを聞くと、まだまだうちの業界は甘いと思う。

今日までの読了:
「経営の教科書」(新将命)
  • 社長(リーダー)が抑えておくべき30のポイント=原則のうち、参考になったのは、①理念・ビジョンの有用性、②生きた戦略の11条件、③ダメな会社の3K(カミ、カイギ、コミッティー)の3点。特にうちが考えなければならないのは3Kが多い事。過剰なコンプライアンス遵守思想で益々悪いほうへ向かっている。結局みなハムエッグの豚のようにコミットメントせず、ニワトリのようにパーティシペートするだけになっている。(評価B+)
「aha! Insight ひらめき思考(2)」(マーチン・ガードナー)
  • (1)同様どこか他の本やTVなどで見たケースが多いのは、これがネタ本になっているからだろう。そうしたケースではあるが、復習してやはり面白く感じた。文章だけで全てを表現するのは難しい内容の本だ。(評価B+)
購入:
「日本辺境論」(内田樹)、「型破りのリーダーシップ」(平尾誠二、金井壽宏)、「プライマルマネジメント」(ポール・ハー)、「ほんもの」(J.H.ギルモア、B.J.パインⅡ)、「Twitterの衝撃」(日経BP出版局編)

2009年12月27日日曜日

今年の経営書Myトップ10

 1月からの投稿を読み返した。書き方が随分変わっていることに驚いた。本の感想は今の方が長いけど、以前の方が感想をストレートに書いていてインパクトがあった。10冊に絞るのは難しかったし、順位付けはしないが、以下が選定結果。
  • 「事実に基づいた経営」(J.フェファー、R.サットン)
  • 「『知の衰退』から以下に脱出するか」(大前研一)
  • 「企業変革の核心」(J.Pコッター)
  • 「戦略実行のプレミアム」(R.S.キャプラン、D.S.ノートン)
  • 「なぜ世界は不況に陥ったか」(池尾和人、池田信夫)
  • 「コークの味は国ごとに違うべきか」(p。ゲマワット)
  • 「決断力の構造」(N.M.ティシー、W.ベニス)
  • 「発想力の視点」(三谷宏治)
  • 「カオティクス」(P.コトラー、J.A.キャスリオーネ)
  • 「売れる会社のすごい仕組み」(佐藤義典)
この10冊に近かったのが、"How the Mighty Fall" (Jim Collins)と「財務三表一体理解法」(國貞克則)の2冊。このほか、番外(経営書以外)では、「日本サッカー偏差値52」(杉山茂樹)と「世界は分けてもわからない」(福岡伸一)が良かった。

読了:
「フリー」(クリス・アンダーソン)
  • 「フリー」(無料・自由)を活用する事の必要性は別にネットの中だけではない、マーケティングを実践する中で必ず考慮に入れる必要性が充分理解できる。次のマーケティングエコシステムを構築するには益々重要。(評価A)
「エコシステム・マーケティング」
  • コカコーラはマーケティング重視の会社である事を改めて示した一冊。パートナーの選び方・Webの使い方等参考になる点が多い。こういう厳しい経済状況であればこそ、こうした「システム」を考えた経営が求められる。(評価A)
「不確実性分析実践講座」(福澤英弘、小川康)
  • ビジネススクールのDecision Science講座を日本人向けに分かりやすく解説している。ただ、内容・メソドロジーは中々高度なので、上滑りする可能性もある。(評価B+)
購入:
「人生と仕事について知っておいてほしいこと」(松下幸之助 述、PHP総合研究所編)

今日で年内のテニスも終了。なかなか上達しないものだ。

2009年12月20日日曜日

クラブW杯バルサ優勝

 UAE開催になったので、ダイジェストしか見なかったが、ようやくバルサがこのタイトルを手に入れた。ペドロは出場した6大会全てでゴールという(恐らく簡単には破られない)記録を作ったし、メッシの活躍はバロンドールに相応しいものだった。しかし、ディフェンスの不安はこれからのリーガ&チャンピオンズ連覇に向け大きな課題になるだろう。レアルは今朝サラゴサに6対0で完勝している。

 先週は名古屋での会議2回にクリスマスパーティー、昨夜のテニスクラスの忘年会と師走らしい忙しさだった。今週・来週は少しペースを変えて、1月初めまでの課題の処理を進めよう。

読了:
「現代哲学の名著」(熊野純彦 編)
  • 20世紀に著された哲学の書物から、5つのテーマに沿った20冊の「名著」を解説した本。名前は聞いた事があるだけの哲学者がどのような足跡を残したのかは理解した。特に大森荘蔵、西田幾太郎、廣松渉などの日本人の著作が紹介されているのが良かった。これだけの哲人が苦労しても万人が納得する真理には至らないという事を思うと、人間は己の事を知るのに、これからもどれほどの時間と労力を費やしていくのだろうと思わずにいられなかった。(評価B+)
"Dynamic Capabilities & Strategic Management"(David J. Teece)
  • 翻訳本に接することがなかったTeeceだが、Resource Based Theoryなどに影響を持っている事を確認した。Sensing、Seizing、Managing Threats/Transformingという3つのステップで企業はその能力をダイナミックに展開し、業績につなげる、というフレームワークは動的な展開を持つという点で参考になる。後半がこれまでの学説の紹介に割かれていた点が残念。(評価B+)
「ゴールは偶然の産物ではない」(フェラン・ソリアーノ)
  • 3冠達成までのバルサの取り組みがどうだったかを書いた本と思い購入したが、実はスポーツクラブ経営のノウハウが凝縮された「経営本」だった。戦略・マーケティング・リーダーシップ・ネゴシエーションなどビジネススクールで学ぶような項目をクラブ経営に如何に生かすかが、実はバルサ成功の鍵という事だ。この本を読んで、こうした事をJのクラブ経営者が充分理解しないと、リーグの存続までも危うくするのではないかと危機感を持った。(評価A)
「ドラッカー 時代を超える言葉」(上田惇生)
  • ドラッカーの数多ある書籍から、今耳を傾けるべき160の至言を集めた本。経済危機から脱することができない中で、ある意味原点に帰る事の意義を伝えていると言ってもいいだろう。経営哲学者ドラッカーの重要性は益々増している。(評価A)
購入:
「忘却の整理学」(外山滋比古)、「競争力の原点」(遠藤功)、「ウーマン・エコノミー」(マイケル・J・シルバースタイン、ケイト・セイヤー)、「経営の教科書」(新将命)、「ストーリーテリングが経営を変える」(John Seely Brown, Stephen Denning, Katalina Groh, Laurence Prusak)、「経営戦略立案シナリオ」(佐藤義典)

2009年12月13日日曜日

東アジア選手権

 「北朝鮮の女子チームを入国させない」という拉致担当大臣およびそれを追認した法務大臣の発言については、一部でしか報道されていないが、将来にわたり日本のサッカーに大きな影響を及ぼしかねない。 FIFAに政治介入と認定されないよう協会はいち早く手を打つべきだ。直前にW杯招致を閣議決定したばかりのこの「お粗末」は、またもこの内閣が時差ぼけ&ガラパゴス化している事を露呈してしまった。いち早く連立を解消し、まともな国政運営を始めて欲しい。

 ゼンショーがウェンディーズの経営から撤退を決めた。個人的には今週一番残念なニュース。アメリカで生活していた頃を思い出す食であり、遠目ではあったが創業者のデーブを見た事もあった。(それも彼の寄付で作られた建物の中で!)国内で最後になるので年内に食べておこう。それにしてもこれもデフレの影響だ。

読了:
”SuperCorp” (Rosabeth Moss Canter)
  • 前作のConfidence(「『確信力』の経営」)に比べると、物足りなかった。確かにIBM、P&G、オムロンなど著者が定義するVanguard Company(先駆け)は社会的貢献や多様性といった点ですぐれているが、正直最後まで"So what?"であった。エクセレントカンパニー、Built to Last(ビジョナリー・カンパニー)といった研究の焼き直しと思われたからだ。書かれている事はそのとおりではあるが・・・(評価B)
「企業戦略白書Ⅷ」(沼上幹、一橋MBA戦略ワークショップ)
  • 主任教授が伊丹氏から沼上氏に交代したことで、どのような変化があるかと思ったが、あまり面白くなったというのが正直な感想。一番は、環境の激変はあったのだろうが、従来のマトリックスを使った時にはどのような事が言えるのか知りたかった、という事。百貨店や太陽電池の業界研究は他でできるのではないか?など突込みをいれたい内容。(評価B-)
購入&読了「インビジブルレイン」(誉田哲也)
  • 姫川玲子シリーズの最新作。これまでは文庫を買っていたのだが、今回は単行本段階で読んだ。今回も犯人および関係者はみんな訳ありの人物。ただ、今回は姫川自身もそのうちの一人に惹かれるというのが前作までと違うところ。また結末は自作以降の新たな展開を予想させる。これからも目が離せない。(評価A)
購入
「ゴールは偶然の副産物ではない」(フェラン・ソリアーノ)、「新版 組織行動マネジメント」(スティーブン・P・ロビンス)、「不確実性分析実践講座」(福澤英弘、小川康)、「エコシステム・マーケティング」(江端浩人、本荘修二)

2009年12月5日土曜日

組合せ決定

 W杯の組合せが決まった。「死の組」とまでは行かないが、難敵ぞろいであることは間違いない。初戦のカメルーンにはこれまで良い勝負をしてきているので、勝ち点3を計算したい。次のオランダは引き分け狙いで、最後のデンマークが大一番・・・というのがグループリーグ突破の理想のシナリオだろう。3チームともフィジカルが強いので、今のメンバーだと厳しいのではないか?稲本をアンカーに置いた守備的な布陣が基本となるような気がする。
 J1は今日いよいよ優勝が決まる。レッズはもはやチームの体をなしていないので、先週同様アントラーズ大勝で終わってしまう気がする。フロンターレは、アントラーズの結果云々ではなく、ここ一番での弱さを克服できるか、正念場だろう。

今週の読了:
「ソウル・コレクター」(ジェフリー・ディーバー)
  • 今回のリンカーン・ライムもまたまた面白かった。何やらGoogleとSASとMSをミックスしたようなスーパーIT(というかインテリジェンス)企業が舞台となっている。現実の世界でここまでプライバシーを覗き、操作することが可能とは思わないが、近未来においては実現してしまうのではないかと不安になる。前作のウォッチメーカーがサイドストーリーに登場しているのも興味深い。そのうち再度ライムと対決する事になるのだろう。ただ、これも毎度なのだが、サックスが突然単独行動をして犯人とぶつかるというのは、そろそろ変えるべきなのではないか?(評価A-)
「実戦マーケティング戦略」、「実戦マーケティング思考」(佐藤義典)
  • 「戦略」の方は著者の戦略フレームワーク概論。「思考」はロジカルシンキングとイメージ発想のコンビネーションの重要性を説いた1冊。どちらも実践的で今日から使える。日頃業務をしていて感じるのは、ただ何となく捌いているスタッフがどれほど多いかだ。フレームワークが使えない。論理思考もいまいち、イメージもNGというのが原因であることは間違いない。この2冊は来年の次世代リーダー養成コース(私塾)で教材にしよう!(評価はどちらもA)
「How the Mighty Fall」(Jim Collins)
  • ビジョナリー・カンパニーの著者が、成功企業と没落企業の比較という同じ手法を用いて5段階の「失敗への工程表」を説いている。成功している段階に驕りが発生し、ひとたび衰退が始まると徒なリストラに走るなど、失敗企業にはある程度共通のパターンがあるようだ。これを防ぐにはやはり第五水準のリーダーや謙虚な企業文化形成など地道な努力が必要。(当たり前の結論かもしれないが・・・))(評価A)
「会社のデスノート」(鈴木貴博)
  • 需要の価格弾力性(それも40年前の分析結果!)が如何に今の経済状況でも通用するか、という点から出発して、トヨタやセブンイレブンなどの企業が採るべき戦略・採ってはいけない戦略が分かりやすく述べられている。なかなか「鋭い」本だ。人間の嗜好は簡単には変わらないという事も良く分かる。(評価A)
 今週聴講した講演で、「100倍レバレッジ」なる言葉を聞いた。国民新党が3議席で300議席の民主党を振り回していることを言うのだとか。社民党も同じようにレバレッジを効かせている。これでは政権が維持できないだろう。早晩連立解消すべきだ。(どうせ来年の参院選挙後には解消できるのだから・・・)