2012年12月30日日曜日

天皇杯:今年も準決勝どまり・・・

 昨日の天皇杯準決勝は2試合とも1対0。ガンバとレイソルが勝ちあがった。F.マリノスは今年も準決勝で敗退し、ACLの出場権を逃した。結局最後の最後まで決定力不足が響いた。ACL出場を「公約」としていたフロントはどう対応するのだろう???
 報道を見る限りだが、狩野と金井がチームを離れ、ベガルタの渡辺に獲得オファーをしているようだ。中澤の後継者が必要なのはもちろんだが、今やるべきは得点力の強化だろう。小野にしても齋藤にしても良い選手ではあるが、セカンドトップであってCFタイプではない。来季もマルキーニョス頼みなのだろうか???

読了:
「死の淵を見た男」(門田隆将)

  • あの日福島第一原発で何が起こっていたのかが、吉田所長をはじめとする関係者の証言から明らかにされた。本当に死を覚悟したのは3月15日、2号機の問題であったことなどは当時情報操作され伝わっていなかった。文字通り命懸けで原子炉の冷却に取り組んだスタッフの奮闘に涙が出、一方あまりに無責任な東電本社や官邸の有様に怒りを覚えた。現場力で本社の無能をカバーしている典型的な日本企業の姿が見て取れる。(評価A)
「リーダーのための戦略思考」(冨山和彦、岸本光永)
  • リーダーが戦略を決定し実行するために必要なスキルとそれらをどう使うべきか、2つの観点がコンパクトに整理されている。ある意味でMBAコースのダイジェスト版ともいうべき1冊。戦略構築のためのフレームワークやシステム思考の活用方法など実践的な内容になっている。各章の最後の質問に回答していくことがそのままトレーニングになっている。(評価A)
「ビジネスストラテジー」(リチャード・コッチ)
  • ファイナンシャルタイムズが出しているガイドシリーズの1冊。著者のコンサルタント・投資家・起業家としての経験を踏まえ、現代経営戦略論のエッセンスをまとめた1冊。ケースを使った戦略構築プロセスの解説、Thought Leadersの業績、主なコンセプトのDictionaryいずれも戦略構築に有効だ。惜しむらくは訳が悪い。原文で読むべきだったかな。その分がマイナス評価だ。(評価A-)
購入:
「Repeatability」(クリス・ズック、ジェームズ・アレン)、「フットXブレインの思考法」(テレビ東京Foot x  Brainプロジェクト編)、「経済学に何ができるか」(猪木武徳)、「思考の『型』を身につけよう」(飯田泰之)、「数学的推論が世界を変える」(小島寛之)

2012年12月24日月曜日

天皇杯ベスト4決まる。次はレイソル

 F.マリノスはグランパスに2年連続でPK戦にまでもつれ込む激闘を展開。後半と延長戦を録画で見たが、良い試合だった。GKが楢崎でなければ小野のヘディングも俊輔の終了間際のフリーキックも得点になっていたのでは?とにかく昨年に引き続いて準決勝に進出した。

 準決勝の相手はレイソル。今シーズンは開幕戦で撃ち合いの結果引き分け、ホームで敗戦。去年も2敗と苦手にしている相手だ。ただ、F.マリノスはレッズ、グランパスとリーグ上位勢に無失点。守備が安定してきているので、最悪PK戦に持ち込んででも決勝に進んで欲しい。

 もう一つの準決勝はガンバvsアントラーズになった。カップ戦の勝ち方を熟知している両チームだが、来シーズンJ2のガンバがACLに行くようではJリーグの地盤沈下が加速してしまう。何としてもアントラーズに勝って欲しい。

購入:
「夢をかなえるゾウ2」(水野敬也)、「IGPI流 セルフマネジメントのリアル・ノウハウ」(冨山和彦 経営共創基盤)

2012年12月22日土曜日

CLトーナメント一回戦組み合わせ決定

 CLトーナメント1回戦の組み合わせが決まった。予選リーグで強豪が苦戦し二位通過となったことで、1回戦から潰し合いが始まる。ACミランvsバルセロナやアーセナルvsバイエルン・ミュンヘンも興味深いが、何と言っても超目玉はレアル・マドリーvsマンチェスター・ユナイテッドだろう。クリスティアーノ・ロナウドのオールド・トラフォード凱旋、モウリーニョとファーガソンの駆け引きは今からワクワクする。香川の活躍も期待したい。日程的にはクラシコを挟むレアルが不利だが、選手層を考えるとこのくらいがちょうど良いハンデかもしれない。

 マンUといえば、来年の夏(7/23)にF.マリノスとの親善試合が決まった。カレンダーにマークしておこう!

 デューク・ブルー・デヴィルズは試験休み明けの2戦も順当に勝利。インディアナ大が敗れた結果、今シーズン初めてランキングNo.1になった。控えの薄さは相変わらず気になるが、油断さえなければもう少し連勝が続くだろう。今週は2013年のリクルートでもトップ3のジャバリ・パーカーのコミットメントというGood Newsがあった。

読了:
「リーダーの英断」(山内昌之 編、造事務所 編著)

  • 中世以降のリーダーたちが下した英断を、リーダーとして求められる7つの資質(大局観、胆力、洞察力、責任感、寛容心・和の心、発想力・実行力、敢闘精神)ごとに整理し、解説している。エピソード・登場人物は多くが良く知られたものなので、新たな発見は少なかった。むしろコラムに描かれた、XXXがなかったために・・・という話の方が良かった。(評価B)
「コミュニケーション リーダーシップ」(佐藤玖美)
  • リーダーのコミュニケーションはビジネス・ゴールを達成するためのもの、という出発点から戦略・戦術を組み立てるフレームワークやDDER(Drive、Differentiate、Enhance、Re-position)マトリックスは実践的で有効だ。ただ、事例は正直あまり参考にならなかった(評価A)
「ケン・ブランチャード リーダーシップ論 [完全版]」(ケン・ブランチャード+ケン・ブランチャード・カンパニー)
  • 「1分間マネジャー」をはじめとする一連のブランチャードの著作が、リーダーシップ論として体系だって整理された1冊。自らをリードするところから始まり、チーム・組織をリードすることで、最終的にハイ・パフォーマンス組織を実現するという筋道が明らかにされている。「状況適応型リーダーシップⅡ」モデルを如何に活用するかも理解できた。(評価A)
「ずる」(ダン・アリエリー)
  • 「予想どおりに不合理」で知られるFuquaの人気教授の著作第三弾。善人であっても嘘やごまかしの誘惑に負けることがあること、実は経済的な損失はそちらの方が大きいことなどが様々な実験結果を基に解き明かされている。人間の「面白さ」が良く分かる。この本も面白かった。(評価A)
購入:
「ビジネスストラテジー」(リチャード・コッチ)、「リーダーのための戦略思考」(冨山和彦、岸本光永)、「戦略サファリ 第二版」(ヘンリー・ミンツバーグ、ブルース・アルストランド、ジョセフ・ランベル)

2012年12月15日土曜日

Skyfallと天皇杯4回戦

 今日は007シリーズ最新作「スカイフォール」を見てきた。出来が良いという評判に偽りはなかった。50周年記念作品らしく、タイトル自体重要な伏線になっていたり、アストンマーチンが登場したり、若返ったQがペンに仕込んだ銃を小馬鹿にしたり、途中で「もしかしてここは・・・」と考えたロケ地はやはり軍艦島だったり、と内容も盛り沢山。アデルのテーマソングも切なくてGood! やっぱり映画って良いものです。次は「レ・ミゼラブル」を見よう!

 F.マリノスは天皇杯でレッズに勝利。マルキーニョス、齋藤が欠場の攻撃陣で今季限りの狩野が1G1Aの活躍を見せた。これで天皇杯優勝チームがそのままACLに出場することが決まった。次戦はグランパス。TVでロアッソ戦後半の後半を見たが、永井、玉田、金崎が揃った攻撃陣はかなり手強そうだ。

(読了)
「話す技術・聞く技術」(ダグラス・ストーン、ブルース・パットン、シーラ・ヒーン)

  • 話し合いが難しくなる3つのパターン(①何があったかをめぐる会話、②感情をめぐる会話、③アイデンティティをめぐる会話)それぞれに、いかにして話し、聞くかを説いた1冊。ハーバード・ネゴシエーション・プロジェクトから生まれているので、極めて論理的だ。どうしようもない相手でなければ、この方法はかなり役立ちそうだ。相手の見ている景色は自分と同じなどということはありえないという理解が重要だ。(評価A)
「なせ、あのリーダーの職場は明るいのか?」(ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステン=ブルーム、ケイ・レイダー)
  • AI(Appreciative Inquiry)や「ポジティブ・チェンジ」で知られるダイアナ・ホイットニーの著書。AIの手法をリーダーシップに生かすのはかなり有効だろう。著書に取り上げられた5つのI  (Inquiry、Illumination、Inclusion、Inspire、Integrity)を意識し、ポジティブなメッセージを伝えることが、今のうちのような組織には重要だろう。(評価A)
「ザ・チーム」(齋藤ウィリアム浩幸)
  • 日系アメリカ人(二世)の起業家である著者が、今の日本の組織に警鐘を鳴らす1冊。前半の「自伝」はややToo muchだったが、本論である「日本にはチームがない」という指摘は重く受け止める必要がある。単一民族の同質性はグローバル競争においては競争優位にはなりえない、どころか致命的な問題だということが鋭く指摘されている。巻末の提言に拍手を送る。(評価A+)
(購入)
「戦略の経営学」(高橋琢磨)、「ずる」(ダン・アリエリー)、「コミュニケーション・リーダーシップ」(佐藤玖美)、「ケン・ブランチャード リーダーシップ論[完全版]」(ケン・ブランチャード+ケン・ブランチャード・カンパニー)、「64」(横山秀夫)、「死の淵を見た男」(門田隆将)

2012年12月9日日曜日

忘年会続きで疲れた・・・

 先週は火・水・金・土と4回も忘年会が続いたので、バテ気味だ。
 
 火曜日はFuquaのOB会。久々に会うメンバー・初対面の人と楽しく過ごした。アドミッションが力を入れているにも関わらず、日本人入学者が減っているというのは残念だ。ビジネスウィークのランキングでは6位に上昇しているので、我々OBが国内での知名度向上に貢献することが重要なのだろう。話しているうちに、2016年のReunionには絶対デュークのキャンパスに戻ろうと改めて決意した。

 そのデューク大のブルー・デヴィルズ バスケットボールチームは日本時間で今朝行われたテンプル大戦にも勝利。9戦全勝となった。ランキングでは2位のままだが、1位インディアナとの差を少し縮めた。どこまで連勝記録を伸ばすか楽しみだ。

 F.マリノスが俊輔に2年の契約延長をオファーしたようだ。確かにここのところのパフォーマンスは全盛期並みの凄さなので、当然と言えば当然かもしれない。問題は若手が俊輔を脅かすところまで育っていない事だ。まだ天皇杯が残っているので、齋藤、小野ほか若手の奮起を大いに期待する。

(読了)
「バーニング・ワイヤー」(ジェフリー・ディーヴァ―)

  • リンカーン・ライムシリーズの最新作。電気を使った殺人事件にライム&サックスが挑む。早い時点で犯人が割り出されたということで、これには裏があるなと気づいたのだが、まさかのドンデン返しまでは予想できなかった。今回も期待を裏切らない面白さであった。(評価A)

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」(入山章栄)

  • 欧米の経営学者はドラッカーを引用していない、という日本人にはいささか挑発的な記述からスタートし、経営学の最先端を素人にも分かり易く紹介している。組織として「知の探索」(Exploration)と「知の深化」(Exploitation)を同時に達成する「両利き(Ambidexterity)の経営」などは、これまで日本には紹介されてないが参考にすべきコンセプトだと思う。(評価A+)
「孫子とクラウゼヴィッツ」(マイケル・I・ハンデル)
  • 戦略論の古典である「孫子」と「戦争論」は、まったく異なるものではなく、視座・視点の違いを考慮すると、言っていることの内容の違いは大きくないということが説かれている。アメリカでは軍人教育のレベルが高く、最近は事業会社でも軍人OBの採用に積極的と聞いたことがあるが、こういうレベルの教育がなされているのであれば納得だ。2大著書の言いたいことが良く理解できた。(評価A)
「イノベーションを実行する」(ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)
  • 訳出が前後になっているが、「リバース・イノベーション」著者の1冊。欧米企業においてもイノベーションを推進・成功するためには組織の在り様、人事政策とりわけ評価や報酬などをしっかりデザインしないといけない、ということが実例を交え書かれている。ましてや日本企業をや、である。(評価A)
(購入)
「ザ・チーム」(齋藤ウィリアム浩幸)、「リーダーの英断」(山内昌之 監修、造事務所 編著)

2012年12月2日日曜日

J1最終節&コンフェデ杯組み合わせ

 昨日は最終節にして今季初のF.マリノス生観戦だった。試合は終始F.マリノスが押していてサガンは終盤までチャンスらしいチャンスが作れなかった。豊田のロングボールを蹴るだけでは、ボンバーと勇蔵の壁は崩せない。F.マリノスではやはり俊輔が目だった。セットプレーは勿論だが、ボールを納めるところでも、守備でも、とにかく良く動いていた。ただ、裏返すと若手が彼を脅かすところまで行っていないという事で、来年以降が心配になった。ACL争いはレッズが勝ち、F.マリノスは残された天皇杯勝利に向けて当のレッズと戦うことになる。

 降格争いはアルヴィレックスが残り、ガンバとヴィッセルがJ2行きになった。前節、アルヴィレックスがベガルタに勝ったのが最終的に効いた。「前田の呪い」は今年もあった!

 昨夜、来年6月のコンフェデレーション・カップの組み合わせが決まった。ブラジル・イタリア・メキシコと、この順で戦うことになる。個人的にはスペイン、ウルグアイとの対戦が見たかったが、いずれにせよ本番に向けて良いシミュレーションになる。どんな戦いになるか、今から楽しみだ。

 デューク大ブルー・デヴィルズはオハイオ州立大にも勝利。これで昨年度ファイナル4進出校のうち3校(ケンタッキー大、ルイヴィル大、オハイオ州立大)を破った。8戦全勝でランキングも2位まで上がり、今週は1位を窺える状況だ。12月は比較的楽な相手との試合が続くので、ここで控えの層を底上げすればチャンピオンも望めるのではないか?明後日の夜はFuquaのOB会があるので、この話で盛り上がるだろう。

(読了)
「考え抜く社員を増やせ」(柴田昌治)

  • 「プロセスデザイン」というコンセプトを掲げ、日本企業の組織改革を支援する著者による1冊。問題を捌くことに長けた社員では競争には勝ち残れない、改革は深く考える事からはじめないとだめだ、という著者の考えは、外資の日本支社であっても同様に当てはまる。日本企業の問題というより、日本人の問題ととらえるべきだろう。(評価A)
「実行と責任」(清水勝彦)
  • 責任の所在が曖昧であったり、逆にトップが責任を取って辞めても、失敗から何も学んでいなかったりという日本企業の問題から、組織における責任とはどうあるべきかが論じられている。良い意味の「公私混同」といった日本組織再生のヒントは多いに参考になる。今年の経営書のベスト3には入る1冊。(評価A+)
「スタンフォードの自分を変える教室」(ケリー・マクゴニガル)
  • 意志力を高めるにはどうしたらよいか?先送りをしないようにするにはどうしたらいいか?この講義が人気を博しているというのは、こうした問題が日本人だけのモノではないという事だ。推奨されている対策は心理学や脳生理学に基づいている。いくつかは取り入れているものもあった。「気持ちの持ち方」が影響することが多いのを改めて認識した。(評価A)
(購入)
「話す技術・聞く技術」(ダグラス・ストーン、ブルース・パットン、シーラ・ヒーン)、「なぜ、あのリーダーの職場は明るいのか?」(ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステン=ブルーム、ケイ・レイダー)


2012年11月25日日曜日

首の皮一枚残った!?

 J1は昨日サンフレッチェの優勝が決定。最終節は残留争いが焦点になるが、ACL参加を賭けた3位争いも同様に激しい。サガン鳥栖が勝ち点53で半歩リード、レイソル・レッズ・グランパスが52で並び、F.マリノスは勝ち点50で7位となっている。F.マリノスは最終節でサガンに勝ち、他の3チームが引き分けの場合のみ3位に滑り込める。まさに「首の皮一枚残った」という状況だ。ただ、正直なところ3位になるのが良いか?というと「ビミョー」なところだ。仮にACLに出られたとしても、現状でグループステージ突破ができる戦力はないし、「公約が守られた」ということで経営陣を刷新するチャンスが失われる方が将来的にはマイナスだ。さて、どうなるだろう?

読了:
「リーダーを目指す人の心得」(コリン・パウエル、トニー・コルツ)

  • 湾岸戦争時の統合参謀本部議長でジョージ・W・ブッシュ政権の国務長官であった著者のリーダーシップ論。書かれている内容は経験に基づいていて実践的、軍隊であっても企業であってもリーダーの心得は共通なのだと再確認した。2003年のイラク開戦に関わる「失敗」についても著者なりの反省がなされている。(評価A)
「これが物理学だ!」(ウォルター・ルーウィン)
  • MITの名物講義録。文字通り体を張った実験が行われる教室の熱気を体感してみたくなった。虹をテーマにした講義から宇宙論まで、守備範囲は広くても、これなら楽しく、かつ深く学べるだろう。それにしても、毎回感じるのがアメリカの大学・大学院における講義の質の高さだ。自分が学んだFUQUAと東大法学部とを比べても、「熱さ」は大きく違っていたのを思い出す。(評価A+)


購入:
「実行と責任」(清水勝彦)、「ブルーマーダー」(誉田哲也)、「孫子とクラウゼヴィッツ」(マイケル・I・ハンデル)、「スタンフォードの自分を変える教室」(ケリー・マクゴニガル)、「イノベーションを実行する」(ビジェイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)、「世界の経営学者はいま何を考えているのか」(入山章栄)

その他:
デューク・ブルー・デヴィルズ(ランキング5位)は先ほどランキング2位のルイビル大に勝って開幕5連勝を達成。今週も木曜日に3位のオハイオ州立大との一戦がある。これに勝てば1位が見える?
 

2012年11月17日土曜日

オマーン戦勝利。ザッケローニの采配をどうみるか。

 水曜日(14日)のW杯最終予選オマーン戦は、日本の強さを証明した一戦だったと見る。本田・吉田・酒井(宏)の動きが悪く、攻撃がちぐはぐな状態。後半足が止まって同点にされた展開。かつての日本だと、「ドローで良いか」という試合だったが、後半45分に勝ち越し点を取って勝ちきった意味は大きい。3月のヨルダン戦はもう少しましな気候状態だろうから、3大会連続の「予選勝ち抜き一番乗り」はほぼ確定と言えよう。
 この試合の選手交代について、采配が良かったとする人、采配はダメだが選手が頑張ったとする人が二分されているのが勝敗自体より面白い。1枚目の交代は前田ではなく、本田ではないか、2枚目の細貝投入は引き分け狙いだったのではないか、というのが疑問として出されている。交代メンバーの顔触れからは、いつもながらの守備的な交代と見えるが、経験不足のオマーン右SBをついて酒井(高)、長友で崩し決勝点を奪ったのだから、今回は結果から判断して素直に好采配と見てあげたい。自分だったら本田を下げて中村、乾のいずれかを投入しただろうな・・・

読了:
「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」(半藤一利)

  • 日本軍のリーダーはどこに問題があったのか、現代のリーダーシップを語る上で何を学ぶべきかという点で面白い1冊だった。思いつくがままでも、年功序列の問題、参謀の問題、ディテールまで考えられていない問題など、残念ながら今の政治状況や多くの日本企業にそのまま持ちこされている。毎度の事ながら、日本人は失敗から学べない・学ぼうとしない国民のようだ。(評価A)
「スティーブ・ジョブズ 英語で味わう魂の名言」(桑原晃弥)
  • スティーブ・ジョブズが生前残したプレゼンなどからキーとなるフレーズを集め、語られた背景などを整理した1冊。「なるほど、ネイティブはこういう表現をするのだ」と感じたとともに、難しい語彙が使われていない点も勉強になった。語られているエピソード自体は他の評伝とオーバーラップしている。(評価A)
「ヤル気の科学」(イアン・エアーズ)
  • 行動経済学の本だが、特徴は著者自身がstickK.comというウェブサイトを経営していて、文字通り日々「実験」をしている点だ。「飴と鞭」はどう使い分けるのか、その程度はなど多くの事例が紹介されている。自分が反対する活動への資金提供を「鞭」にするというのは、とても面白いし、アメリカっぽいやり方だ。(評価A)
「大きく、しぶとく、考え抜く。」(原田泳幸)
  • つい最近、「マクドナルドの勝利の方程式が崩れた」という記事が出たところだが、本書を読むとまるで予言のように現状への危機意識が語られている。経営者がきちんとやるべきことをやっているからこその予言だろう。スティーブ・ジョブズとの思い出や、柳井正氏との対談も面白かった。(評価A)
その他
  • NCAAバスケットボールのシーズンが開幕した。デューク大は2戦目で昨年の全米No.1ケンタッキー大に勝利。このカードは今でも多くの人(少なくともデュークファン)が「史上最高」とする試合の対戦校。今回はデュークが勝ったが、もしかするとNCAAトーナメントで再戦があるかもしれない・・・


2012年11月11日日曜日

2012年A代表最終戦。

 今週水曜日(14日)が今年最後のA代表戦。アウェイのオマーンは侮れないし、香川・内田の欠場。欧州組の直前合流など心配な点もある。しかし、ここにきて長谷部、細貝がコンスタントに試合に出られているのは大きい。今夜のリーグ戦でこれ以上怪我人が出なければ、きっと勝てる。オーストラリアとの差を明確に示す2点差以上の勝利で、他チームをギブアップさせるぐらいの気合いを示して欲しい。ここで苦戦するようではブラジル大会での好成績は望むべくもない!

 今夜はフットサルとU19も大一番を迎える。どちらもこのヤマ場を越えれば、将来に大きな財産を築くことができる。最後は技術を超えたところで勝敗が決まる。頑張れ!


(読了)
「まだ『ファイナンス理論』を使いますか?」(手島直樹)

  • 財テクや戦略のないM&Aでは企業価値向上は図れない。本業からのキャッシュフローが重要だ、という著者の主張は正しい。また、本書はファイナンス理論解説書としても分かり易い。しかし、それでもリスクファイナンスなどまだまだ日本企業が実践すべきファイナンス戦略が大きいのも事実だ。「ファイナンス理論」は必要だし、使うべきだ。(評価A-)
「『世界水準』の思考法」(キャメル・ヤマモト)
  • グローバルとローカル、2つの思考法をいかに実践するか、本書は著者の経験をベースに説明されている。「書くこと」、「話すこと」といった基本動作がいかに重要かを改めて理解した。なかでも「アウトライン法」は参考になる。(評価A)
「フェルドマン式 知的生産術」(ロバート・アラン・フェルドマン)
  • こちらは有名アナリストによる1冊。思考力もさることながら、仕事を進める上で人間力のようなソフトスキルを重要視している点が面白い。数学・経済学(ゲーム理論)を如何に応用するかで「差」がつくことが良く分かった。(評価A)
(購入)
「これが物理学だ!」(ウォルター・ルーウィン)

(補足)
 ここまで書いたところでJ2最終戦が終了。逆転でベルマーレが2位になり自動昇格となった。サンガVSトリニータ、FC横浜VSジェフがプレーオフ準決勝だ。この際FC横浜に勝ち抜いてもらい来季は神奈川県4チーム体制の再現だ!

2012年11月4日日曜日

映画「ARGO」ほか

 昨日映画「ARGO」を見た。1979年にイランで起きた「アメリカ大使館占拠事件」の裏にあった実話がベースの映画で、結果が分かっているのに最後の30分はワクワク、ドキドキした。ベン・アフレックは監督としてもなかなかのやり手だ。エンドロールでジミー・カーター元大統領のコメントがあって、またびっくりした。ついでながら、映画を見ているうちに、92年の夏、イランに出張したときのことを思い出した。あの時も空港で緊張したなー。

 今週末からNCAAバスケットボールのシーズンが始まる。デューク大学はプレシーズンのランキングで8位。一昨年のアーヴィング、去年のリバースのようなスーパー1年生はいないが、ガード陣が頑張れば、昨年を上回ることも可能だろう。久々にFinal4で見たい!

読了:
「知的生産の技術」(梅棹忠夫)

  • 1969年初版の超ロングセラー。京大式カードで有名な1冊だが、知識の整理方法、手紙の書き方(フォーマッティング)など今でも学ぶべき点が多い。今のクラウドサービスがまさに本書の考え方に則っているようで大変興味深かった。ワープロが出現しなかったら、今頃日本語はオール「仮名文字」になっていたのかな?などど考えながら読んだ。(評価A)
「がけっぷち上等!」(早草紀子)
  • 「なでしこジャパン」を長年追いかけてきたカメラウーマンが書いた一冊。「なでしこ」の成長やその過程での葛藤が描かれている。と同時に、著者のジャーナリストとしての成長記としても読めた。(評価A)
「MAKERS」(クリス・アンダーソン)
  • 「ロングテール」、「フリー」の著者の最新作。日本が「お得意」としてきた「モノづくり」にも、ロングテール、フリー、シェアといったコンセプトが押し寄せ、大きな変化が起こっていること、従来の製造業のコンセプトを完全否定するような形のMakersが登場していることが理解できる。ちょうど、TVでも日本の大企業から技術者がスピンオフし、本書にでてくるようなMakersになっていることが紹介されていた。注目すべき流れだ!(評価A+)
「オープン・サービス・イノベーション」(ヘンリー・チェスブロウ)
  • 本書もサービス業に起こっている新潮流を解説しているが、今一つピンとこなかった。ただし、「MAKERS」で描かれたオープン化がサービス業にも起こっているのは間違いないだろうし、従来の日本企業のような「自前主義」ではこの先グローバル競争に勝ち残れないのは確実だ。(評価B)
「禁断の魔術」(東野圭吾)
  • 「ガリレオ」シリーズの最新作。今回も湯川教授が大活躍。「真夏の方程式」とは違った意味で師弟の絆のようなものが描かれていたり、双子の間のテレパシーやコールド・リーディングが事件にかかわったりして、純粋に面白かった。(評価A)
購入:
「ヤル気の科学」(イアン・エアーズ)、「スティーブ・ジョブズ 英語で味わう魂の名言」(桑原晃弥)、「考え抜く社員を増やせ!」(柴田昌治)、「大きく、しぶとく、考え抜く。」(原田泳幸)、「リーダーを目指す人の心得」(コリン・パウエル、トニー・コルツ)

2012年10月28日日曜日

残り5節。優勝は?降格は?

J1は昨日で30節を終了。優勝争いはサンフレッチェとベガルタに絞られてきたようだ。3位以下のチームに決めてがない。3位のレッズから10位のジュビロまで勝ち点6差にひしめいている。一方残留争いも激しい。勝ち点38でも安心できない。ここのところの調子を考えると、アルビレックスとヴィッセルが厳しいのではないか?

F.マリノスは昨日アウェーでグランパスと引き分け。俊輔の「神業」FKで辛うじて勝ち点1を得た。3位まで勝ち点は5。次節ヴィッセル戦、その次のレイソル戦と両方勝って届くかどうか、いよいよ「絶対に負けられない」状況になってきた。ベテラン頼みは続く。

海外では長谷部が今シーズン初出場。マガト解任でやっと出番が回ってきた。オマーン戦に向けちょっと良いニュースだ。内田がここのところ好調なのもGood!

読了:
「ワールドカップ戦記 1994-2002飛翔編」、「ワールドカップ戦記 2002-2010波濤編」(ともにスポーツ・グラフィック・ナンバー編)

  • 今では「当たり前」のワールドカップ出場だが、実は予選を勝ち抜いたのは3回だけ。かつてはオリンピックもワールドカップも日本とは無縁とされてきたことを考えると隔世の感だ。あらためて「ドーハの悲劇」以降の日本代表の戦いを振り返ると、決定力については20年間変わらぬ課題で、いつになったら解消するのか未だ見えない。まだ真の強豪への道のりは長い。(評価A)
「チーム思考」(グロービス著)
  • 外資系では当たり前の議論。何を今更・・・というのが率直な感想。もう少し新しい角度からチームを分析して欲しかった。期待外れの一冊。日本企業はここまで初歩的なポイントを説かないとチーム思考ができないのだろうか?と暗澹たる気分になった。(評価B)
「最高の人生と仕事をつかむ18分の法則」(ピーター・ブレグマン)
  • やることをすべて書き出すのが「ストレスフリーの仕事術」なのに対し、「やらないことを決める」というのが本書のアプローチ。しかし、その差は実は小さいと思う。がむしゃらに突き進むのではなく、Pauseを時々押すことで見直しを図るというやり方、モチベーションは最初の一押しのみだ、といった点は参考になる。思ったより良い。(評価A)
「ビジネスについてあなたが知っていることはすべて間違っている」(アラステア・ドライバーグ)
  • 挑発的なタイトルだが、内容はそこまで過激ではない。訳のせいかあまりまとまった本という感じはしなかったのだが、価格設定・コスト削減・事業評価・予算と計画といった「定説」に拘ることの危険性がよく分かる。(評価A)
購入:
「MAKERS」(クリス・アンダーソン)、「オープン・サービス・イノベーション」(ヘンリー・チェスブロウ)、「『世界水準』の思考法」(キャメル・ヤマモト)、「まだ『ファイナンス理論』を使いますか?」(手島直樹)、「フェルドマン式 知的生産術」(ロバート・アラン・フェルドマン)、「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」(半藤一利)

2012年10月21日日曜日

欧州遠征をどう活かすか?

日本代表の欧州遠征第二戦は0対4と完敗だった。日本もフランス戦よりはましな内容だったが、ブラジルとの決定力の差は歴然。現状のチームでW杯に臨むのであれば、岡田流守備重視でいかざるを得ないだろう。求められるのは、一刻も早く最終予選を突破し、来年6月のコンフェデレーションカップ経由で2014年ブラジル大会に向けた「世界仕様」のチームへの進化だ。ロンドン世代の起用を増やすことになる。セントラルMFやFWは新たな選手に代わらざるを得ないだろう。本田について、個人的にはトップ(ゼロトップのフェイク)よりもセントラルMFが良いと思う。相棒は山口蛍?トップ下には香川、左右には個で突破できる宇佐美・宮市あたり。トップには期待を込めて指宿。但し、誰を選ぶにしても、各選手の各段のレベルアップが不可欠だ。リーグ戦で試合に出ることがニュースになっているうちは、ブラジルとの実力差は埋まる筈もない。0対4という結果を真摯に受け留め、頑張って欲しい。

ところで最終予選B組では第5節でオーストラリアとオマーンが勝利、折り返し時点で日本と勝ち点5差となった。次節(11月)オマーンにアウェーで勝利すれば、ほぼ日本の勝ち抜けが決まる。一方A組では韓国がイランに敗れたため、混戦模様。それでも最後はこの2チームだろう。

J1は残り6節。F.マリノスはジュビロに完勝。7位に浮上して、ACL圏内に首の皮一枚繋がったまま。マルキーニョスや俊輔があれだけやるのだから、若手はもっと出来る筈。グランパス戦で意地を見せてほしい。

アメリカではフットボールシーズンが佳境。デューク大学のブルー・デヴィルズは久々にUNCター・ヒールズに勝利し、1994年(私のMBA1年目)以来の勝ち越しが決まった。ボウルゲーム出場になればビッグニュースだ。

読了:
「経営の神髄」(上)(下)(P.F.ドラッカー、ジョゼフ・A・マチャレロ)

  • ドラッカーの「マネジメント 課題・責任・実践」について、マチャレロがその後の著作物を援用しアップデートしたもの。このため一貫性はやや犠牲になっているが、「ドラッカー経営哲学」の最終到達地点が分かる内容になっている。オリジナル「マネジメント」とは別の著作として、こちらも机に常備しておきたい。(評価A)
購入:
「バーニング・ワイヤー」(ジェフリー・ディーヴァ―)、「禁断の魔術 ガリレオ8」(東野圭吾)、「ビジネスについてあなたが知っていることはすべて間違っている」(アラステア・ドライバーグ)

2012年10月14日日曜日

「日本代表」結果は・・・

前回注目した「日本代表」の結果は、錦織=楽天オープン優勝、小林可夢偉=日本GPで3位、自身初の表彰台、オルフェ―ヴル=凱旋門賞で首差の2着、ということだった。今回の結果は明暗分かれたが、今後もそれぞれ活躍してくれるだろう。

サッカーの日本代表はフランスに勝利。結果は素晴らしいが、川島がMVP級の活躍をしていたという点を冷静に見れば、世界の一流国入りはまだできていないということだ。今回感じ取った「差」を2014年までにどこまで詰められるか。ザックの手腕が問われる。それにしても、決勝点をもぎ取ったカウンターは見事だった。今野だけでなく、長友や内田が最前線まで攻め上がっていた。インテルの長友がアシストし、マンU香川がゴール。日本代表もすごいチームになったものだ。明後日(16日)はブラジル戦。どんな戦いをするだろう?

読了:
「リバース・イノベーション」(ビジェイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)

  • エマージング・マーケットにおけるイノベーションを先進市場にも活用する。グローバル戦略の新たな展開だ。毎度の事ながら日本企業は失敗例しか出てこない。先進市場の製品のスペックを落として新興市場に売るという発想では最早戦えない。一方、これからリバース・イノベーション戦略を取るには、組織・人事などゼロベースで構築する覚悟が必要だ。益々グローバル競争での地位低下が懸念される。(評価A+)
「ビジョナリー・カンパニー④」(ジム・コリンズ、モートン・ハンセン)
  • 10X型企業と競合とが、同じ業界環境でなぜ差がついたのか。長期にわたる資料を分析する中で浮かび上がる「偉大になる」ための法則。普段取り上げられない損害保険の事例(プログレッシブとセーフコ)もあり、参考になった。10X型リーダー、20マイル行進、SMaCレシピなど、原書を読んだときも記憶に残ったコンセプトを翻訳で再確認した。(評価A+)
「なぜ大企業が突然つぶれるのか」(夏野剛)
  • 複雑系コンセプトをベースにIT革命が社会・経済に及ぼしている影響を分析し、日本企業・政府がいかにそのトレンドに乗り遅れているか警鐘をならしている。私自身には共感できるところが多いが、まだまだ少数派で、一番動きの鈍い政府・役所があわてて動き出すころには、日本は3流国におちぶれるという運命なのだろうか?ただ、夏野氏や「現実を視よ」の柳井氏などが発信を強めていることがわずかな希望だ。(評価A)
購入:
「知的生産の技術」(梅棹忠夫)、「がけっぷち上等」(早草紀子)、「最高の人生と仕事をつかむ18分の法則」(ピーター・ブレグマン)

2012年10月7日日曜日

96ジャパン、リトルなでしこ・・・様々な「日本代表」

育成世代の国際大会(U-16AFC、U-17女子W杯)での日本代表はいずれも期待された優勝に届かなかった。
96ジャパンは決勝でウズベキスタンにPK戦負け。ウズベキスタンは準々決勝で韓国にもPK勝ちしていたし、かなり良いチームだったようだ。優勝できなかったことは残念だったが、イランで6試合戦い来年のU-17W杯@UAEの切符を取れたこと、23人全員で戦ったことなど将来につながる結果が残せた。昨年94ジャパンが巻き起こした旋風を超えて、ベスト4以上を期待したい。
一方グループリーグで圧倒的な力を見せたリトルなでしこは、準々決勝敗退となった。グループリーグが良すぎたことで油断したのではないか?こんなことが言えるまでに日本女子サッカーは世界トップクラスの実力を備えたという事だ。この世代はU-20のヤング以上とも言われているようなので、益々今後が楽しみだ。
今週末からは男子フル代表の欧州遠征2試合が始まる。まずは「屈辱の地」サンドニでフランス相手に一泡吹かせることを期待しよう。

今日はテニスの錦織、日本F1の小林可夢偉、凱旋門賞のオルフェーブルとサッカー以外の「日本代表」の戦いに注目!

ところでF.マリノスは・・・サンフレッチェとスコアレスドロー。首位相手に負けなかったことを評価したいところだが、PK失敗で勝てなかったと見るべきだろう。あと6試合!

読了:
「現場力の教科書」(遠藤功)

  • 早稲田ビジネススクールでの講義録というだけあって、一連の「現場力」著作を集大成した内容になっている。確かに現場力・オペレーションの卓越は競争優位構築の一手段ではあるが、グローバル競争の中では、経営戦略を強化する必要の方が大きいし、オペレーションについては、日本国内の「暗黙知」をいかに海外拠点に移転できるかがカギだろう。その意味で、本書に取り上げられている例がドメスティック企業中心なのが気になった。(評価A-)
「マル上司、バツ上司」(ロバート・サットン)
  • リーダーシップ論、ボス論として秀逸な1冊。上に行けば行くほど自分の欠点に気づかなくなるというのは真理だし、「ピーターの法則」がいうとおりだ。私も結構イケてる上司だと思っているので、自分の中にある「クソ上司」の要素を自覚して、マル上司になれるようにしよう。(評価A+)
「現実を視よ」(柳井正)
  • 「政治嫌い」を自認する柳井氏がよくぞここまで書いた!成長を否定する論調を一刀両断。社会主義政策を進める政府に「喝!」気持ちの良いほど正論だ。問題はこうした「現実」が見えない、見ても見ぬふり、たとえ見えても短期的な利害を取る日本人の多さにある。これ以上の先送りは自殺行為なのに・・・(評価A+)
「マイケル・ポーターの競争戦略」(ジョアン・マグレッタ)
  • ポーターの「本人公認版」競争戦略解説本。リソースベース戦略論、ブルーオーシャン戦略論などからの批判への反論なども含め、ポーターの著作の意味するところが網羅されている。ポーターの競争戦略論が「競争の戦略」出版から30年以上を経過しても古典として生き残っている理由が分かる。(評価A+)
「アイデア・ハンター」(アンディ・ボイントン、ビル・フィッシャー、ウィリアム・ボール)
  • エジソン、ディズニー、ウォルトン、ジョブズなどがなぜ成功したのか?とことん考え抜き、かつ目を大きく開いて世の中を観察するなかでアイデアハントしていたのだというのが、著者たちの結論だ。思い当たる経験は確かにある。(評価A)
購入:
「チーム思考」(グロービス)、「ワールドカップ戦記 飛翔編1984-2002」、「ワールドカップ戦記 波濤編2002-2010」(ともにスポーツ・グラフィック ナンバー編)

2012年9月30日日曜日

痛いスコアレスドロー

今節のF.マリノスは「鬼門」のアウェー・アルディージャ戦。相手が退場者を出し、押し込みながらのスコアレスドローは痛かった。ゴール前を固める相手に対してゴール前の工夫があまり見られなあった。サイドから崩しても、マルキーニョスのいないFWではクロスを上げてもNGだし、ミドルシュートをうつような事もされていなかった。グランパスが闘莉王でやったように勇蔵をトップに使う手だってあったはず。これでまた10位に逆戻り。次節は首位のサンフレッチェ。10月も厳しい戦いが続きそうだ・・・

読了:
「日本大沈没」(藤巻健史)

  • 金融実務家の観点から見た日本の財政状況は、ギリシャより酷い。このままではハイパーインフレか財政破綻は必至という。バンカーの目には至極当然の見え方ではないか。資産防衛策としてのアメリカ株購入のすすめを読んで、「腐ってもアメリカ」との思いを強くした。日本を再建するためには「社会主義国家」からの脱却が不可欠、という著者の意見に激しく賛同する。(評価A)
「2050年の世界」(英「エコノミスト」編集部)
  • エコノミストのエディターによる未来予測。予測自体より、インドの勢い、中国にたいする「?」など筆者たちが現状をどう評価しているかが面白かった。日本については残念ながら、というか今の状況では当然ともいえる低評価。国民ひとりあたりのGDPが韓国の半分に成り下がるという予測を見事外すための国家戦略構築が迫られている。(評価A)
「ビジネススキル・イノベーション」(横田尚哉)
  • 思いのほか参考になった。「0.4倍のロス」を見込んだスケジューリング、感性によるリスク回避など、他のノウハウ本とは一線を画した内容だし、日本人の仕事の進め方に即している。部下に読ませなければ。(評価A)
「経営戦略の論理」(伊丹敬之)
  • 日本の経営戦略論第一人者によるベストセラー改訂版。「見えざる資産」の考え方はハメル・プラハラード等にも影響を与えた。今回の改訂では戦略のダイナミック適合(顧客・競争・資源・技術・心理適合)に重きが置かれている。ダイナミック戦略論における重要性が一層増した。(評価A+)
購入:
「経営の神髄」(上・下)(P.F.ドラッカー、ジョゼフ・A・マチャロ)、「リバース・イノベーション」(ビジェイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンプル)、「アイデア・ハンター」(アンディ・ボイントン、ビル・フィッシャー、ウィリアム・ボール)

2012年9月22日土曜日

連敗脱出

F.マリノスはアントラーズにアウェイで勝利。何とか連敗が止まった。中澤・栗原の欠場という事態に加えマルキーニョスの退場というオマケまで加わったが、青山・冨澤・熊谷がよく守った。かっこ悪い勝ち方ではあるが、連敗を止めたことで今日は良しとしよう。前線では小野が体を張って頑張ったが、2点リードの後のカウンターで、シュートせずにバックパスするような消極的プレーはNG。FWとしては3点目を貪欲に狙ってほしい。

先週末から欧州組の活躍が目覚ましい。本田、宇佐美、清武、乾、ハーフナーがリーグ戦で得点を決め、チャンピオンズリーグの香川は決勝点のアシスト、ELの長友は終了間際の同点弾。今節も乾が2試合連続得点を決めた。出場機会のない選手たちがこうしたニュースを聞いて奮起してくれることを期待する。

読了:
「AKB48白熱論争」(小林よしのり、中森明夫、宇野常寛、濱野智史)

  • AKB48を巡る文化論・社会論といった趣の1冊。「AKB48は宗教だ!」といった論陣が張られたりして、タイトル通り白熱した様子が文面から窺えた。AKB48はプラットフォームとして考えるとビジネスにも応用できる余地があるだろう。これからどのように発展?していくのか楽しみだし、1~2年後に再度「白熱論争」してほしい。(評価A)
「新・日本的経営を考える」(常盤文克)
  • 日本的経営の新たな方向を考えるというより、「欧米的経営」との対比においてその良さ・強さを再認識するというスタンスにある点が残念だった。可視化・計測化の問題を指摘するコラムが多かったが、日本企業においては、まだまだ可視化・計測化が不足であり、このような示唆は努力不足のエクスキューズになりはしないか?(評価B)
購入:
「ビジョナリー・カンパニー4」(ビル・コリンズ、モートン・ハンセン)、「マイケル・ポーターの競争戦略」(ジョアン・マグレッタ)、「現実を視よ」(柳井正)、「なぜ大企業が突然つぶれるのか」(夏野剛)

2012年9月15日土曜日

イラク戦勝利でブラジルへまた一歩前進

11日のイラク戦。身体能力はイラクが勝っていたし、スタメン総取り替えや遠藤・長谷部・本田へのマンマークなどイラクの戦術がはまっていたが、日本は少なくとも最終予選B組では負ける気がしなかった。最初のセットプレーではヒヤッとしたが、ベタ引き・カウンター狙いのイラクに徐々にペースをつかみ、終わってみれば「追加点を取れればもっと楽だったのに・・・」という結果。オーストラリアの思わぬ敗戦もあり、2位のヨルダンに勝ち点6差をつけた。これなら3月のヨルダン戦で出場を決められる。最終予選後半はアウェーが多いという心配も、欧州組の多い今の代表では当てはまらない。中東の方が時差が少なく、コンディションも整えやすいはずだ。10月にはフランス・ブラジルと対戦。本番大会のシミュレーションには最適の相手だ。ここで課題を見つけ、最終予選を戦いながらチーム力を更に向上していく、というのが最高のシナリオだが、期待しすぎだろうか?

F.マリノスはレッズに敗れ3連敗。恐れていた状態になりつつある・・・打つ手は・・・厳しい!


読了:
「ブランドで競争する技術」(河合拓)

  • ブランド戦略論というより、ファッション業界の戦略テキストという感じの1冊。間違いないのは、日本企業の多くはブランドの意味を理解せずに闇雲に走っているという事。本書を参考とすべき企業はファッション以外でも多い。(評価A-)
「ダイナミック競争戦略論・入門」(河合忠彦)
  • ポーターの戦略論への「7つの疑問」に回答するということだったが、正直なところ疑問の設定・回答すべて良く分からない。ポーターの戦略論に比べるとトップラインを如何に伸ばすかに重点があり、果たして適切なボトムラインが上がるのか疑問だ。ポーターの戦略論が基本戦略として有効であることを却って再認識した。(評価B)
「競争に勝つ条件」(経営イノベーション50研究会 編)
  • 企業経営におけるICT活用の歴史がまとまっている。単なる効率化ツールとしてのシステムから、経営情報の活用、ビッグデータの時代の到来と、如何に有効な「次の一手」を打つか、マネジメントがICTと関わる局面が増大し、その能力が益々クリティカルになっていることが良く分かる。(評価A)
「企業価値経営」(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
  • コーポレートファイナンスの重要性がこの1冊で分かる。マッキンゼーの著書だけに企業戦略と企業価値との関係に重点が置かれている。ROIC (Return on Invested Capital)を高めること=企業価値の創出、という図式も単純であるがパワフル。「企業価値評価」につながる。(評価A)
「ヒッグス粒子と宇宙創成」(竹内薫)
  • ヒッグス粒子発見の意味が良く分かった。また、宇宙創成についても分かり易く解説されている。ここまでの発展に、多くの日本人研究者が関わっていることを改めて誇りに思う。(評価A)
「経済学の犯罪」(佐伯啓思)
  • アダム・スミスの思想の正しい理解などを通じ経済学、特に新古典派経済学への批判が展開されている。ただ、本当に脱・成長の社会が「解」なのか?国の産業政策を重視しているように見える点も疑問。特に日本では当てはまらないだろう。(評価B)
購入:
「経営戦略の論理 第4版」(伊丹敬之)、「マル上司、バツ上司」(ロバート・I・サットン)、「現場力の教科書」(遠藤功)


2012年9月8日土曜日

UAE戦は「こんなもん」?

木曜日のUAE戦はフラストレーションの溜まる試合だった。欧州組のコンディションにバラつきがあり、攻撃がチグハグ。守備もイマイチで結構UAEに攻め込まれていた。結局収穫は駒野が左右どちらでもサイドのバックアッパーとしてはファーストチョイスだということが明らかになったことと、ハーフナーの高さはやはり武器だということが確認できたこと位だ。
ただ、今回のような試合は今後も「フル代表集合初戦」では覚悟しなければならない。自分の経験からしても、旅行先到着後(海外組にとっては帰国後)2~3日目に時差ボケからの疲れがくる。現代表の半数以上(今回招集メンバーでは12名)が海外組という状況では、初戦から大勝というのは望めなくなったとサポーターも割り切るべきだろう。
6月の最終予選3連戦の時もアゼルバイジャン戦ではコンディションにバラつきがあったが、本番ではちゃんと勝ち点を取ったので、今回についても、11日のイラク戦ではもう少しましなパフォーマンスが期待したい。2対0で十分だ。

「ヤングなでしこ」は現在3位決定戦の最中。田中陽子の先制点でリードしている。今日の結果如何に関わらず、この世代の選手は大会を通じ大きく成長した。フル代表に大きな刺激を与えるのは間違いない。

読了:
「なぜビジョナリーには未来が見えるのか?」(エリック・カロニウス)

  • スティーブ・ジョブズ、リチャード・ブランソン、ウォルト・ディズニーなどのビジョナリーがなぜ成功したか。脳科学の最新理論から解き明かそうとしている。読後印象に残ったのは、ビジョナリーはやはりしっかり考えているという事。運を味方につけたように見えるのも、結局正しい事を考え抜いていた結果だ。安易に自分もビジョナリーになれるとは夢にも思わないことが肝要。(評価A)
「ウォートン流 人生のすべてにおいてトクをする新しい交渉術」(スチュアート・ダイアモンド)
  • ”Getting to Yes"(「ハーバード流交渉術」)の解いたBATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)やWin-winといったコンセプトではなく、Get moreという姿勢から交渉術を再構築した本といってよいだろう。相手の分析・規範への訴求などのタクティクスはビジネスだけではなく日常生活でも応用する場面も多い。(評価A)
「これからのリーダーが『志すべきこと』を教えよう」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 「統率者の哲学」という邦題で訳されていた本の新版。ジョブズとウォズニアック、ピクサーの事例などが加えられ、21の戦略思考が説かれている。すべての「法則」がリーダーとして遭遇するあらゆる状況に対応しており、著者のリーダーシップ論の集大成といえるもの。恥ずかしながら、初版の記憶が薄れていたので、改めて勉強になった。(評価A)
「実戦BtoBマーケティング」(佐藤義典)
  • BtoBマーケティングにおいて、著者のBASiCS(Battlefield-Asset-Strength-Customer-Selling Message)コンセプトをいかに実践すべきか。逆に言うとBtoBであってもこのコンセプトが応用可能であることが説かれている。中小企業・中堅企業を相手にマーケティングを展開するには最良の戦略本と言って良いだろう。(評価A)
購入:
「AKB48白熱論争」(小林よしのり、中森明夫、宇野常寛、清野智史)、「日本大沈没」(藤巻健史)、「ビジネススキル・イノベーション」(横田尚哉)


ここまで書き終わったところで「ヤングなでしこ」に2点目が入った。これで大丈夫だろう!

2012年9月2日日曜日

欧州移籍市場閉じる。F.マリノスは連敗。

8月31日で欧州主要リーグの移籍市場が閉まった。日本代表では吉田がプレミアのサウサンプトンに移籍、吉田が抜けたVVVフェンロにメンヘングラードバッハから大津が動いた。二人ともオリンピックの活躍が評価されての移籍なので、頑張って欲しい。特に吉田には香川同様「日本人がプレミアで通用する」事を証明して欲しい。ほかのオリンピック代表は、注目されていた永井をはじめ結局動かずに終わった。次回に期待というところだろう。
A代表が11日にイラク戦を控えている中での心配は長谷部の「残留」だ。出場機会の与えられないヴォルフスブルクからは絶対に動くべきだった。変人と言われるマガトの事だから、いつまた「長谷部が必要」と言い出さないとも限らないが、それを期待するのは間違っている。代理人が良くないのかな?ロシアやフランスなどまだ閉まっていないリーグへの移籍は無理なのか?イラク戦に響かないことを祈る。

F.マリノスは心配した通りFC東京に惨敗。あっという間に「定位置」の10位まで降下してしまった。ディフェンスの崩壊が依然として止まらない。中でも、夏場の蓄積疲労のせいか、中澤が衰えているように見えてならない。代表ウィークでしっかり体調を整えないとレッズ戦も厳しい。

読了:
「Personal MBA」(ジョシュ・カウフマン)

  • MBAホルダーでない著者が、独学でここまで体系だった「MBAエッセンス」を書いたことにまず驚嘆!内容はややアントレプレナー向きになっていることと、「システム」に関する記述が多いことが特徴。それでもビジネスを行う上で必要な経営知識の最新ガイドブックとして十分価値がある。(評価A)
(夏休みのため、読了は1冊のみ・・・)

購入:
「実戦B to Bマーケティング」(佐藤義典)、「ブランドで競争する技術」(河合拓)、「ダイナミック競争戦略論・入門」(河合忠彦)、「競争に勝つ条件」(経営イノベーション50研究会 編)、「経済学の犯罪」(佐伯啓思)、「企業価値経営」(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ティム・コーラー、リチャード・ドップス、ビル・ヒューイット)、「企業価値評価 第5版」(上・下)(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ティム・コーラー、マーク・フーカート、デイビッド・ウェッセルズ)、「新・日本的経営を考える」(常盤文克)、「2050年の世界」(英「エコノミスト」編集部 編)


2012年8月26日日曜日

連続不敗記録・・・

昨夜のセレッソ戦に敗れ、F.マリノスの「連続不敗記録」は15でストップした。ここ何試合か相手に2点ずつ取られ、基本だった守備に綻びが生じつつあったので、敗戦も不思議ではなかった。チームの根本的問題得点力不足は解消されていない状況で、守備陣に疲れが見えている。9月はFC東京、レッズ、アントラーズ、アルディージャと難しい相手が続く。このままでは中位まで落ちることを覚悟しなければならないだろう。

香川がプレミアで初得点を挙げた。開幕前予想していたより以上にファーガソン監督の信頼を得ているのは間違いない。昨夜のフラム戦でルーニーが負傷したことで、香川への期待が更に高まるだろう。ここで頑張れば、「不動」のレギュラーを掴める。真に「プレミアで成功した最初の日本人」となる予感は十二分だ。

読了:
「ビジネスモデル・イノベーション」(野中郁次郎、徳岡晃一郎 編著)

  • 「知識創造経営」、「賢慮の戦略論」という立場から見たビジネスモデル創造・変革の重要性が語られている。日産のような日本企業の例や、シンガポールの産業育成国家戦略までが取り上げられている。感想は2つ。フレームワークとして「ビジネスモデル・キャンバス」が使われているのは、邦訳が出るだいぶ前から注目していた自分として鼻が高かった事、および、日本が企業戦略も国家戦略も共にグローバル時代に取り残されているのを再認識した事。(評価A)
「ワーク・シフト」(リンダ・グラットン)
  • 2025年に働き方がどうなっているかについて、テクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、およびエネルギー・環境問題の深刻化という5つの要因を通じて予測した良書。著者の期待には反するが、「漫然と迎える未来」の暗いシナリオが実現し、その中で「草食化」した日本人が今以上に存在意義を失う姿が想像された。(評価A)
「企業参謀ノート [入門編]」(大前研一監修、プレジデント書籍編集部編)
  • 「企業参謀」とは別の本というか「改訂版」ととらえた方が良い。「常識を疑え」、「制約条件を取り払え」、「イフに対する本能的恐れを捨てよ」といった「企業参謀」でのレッスンが、新たな事例と共に蘇ってきた。残念ながら、ここでも多くの日本企業&リーダーが何も学んでいないことが証明されている。そうなりたくないので、改めて「本編」を読むことにする。「実践編」も楽しみだ。(評価A+)
「虚像の道化師」(東野圭吾)
  • 「ガリレオ」シリーズの最新作。東野作品らしく、4つのエピソードすべてに「捻り」があって、「ああその手があったか!」という驚きを覚える点も含め安心して読めた。TVや映画のイメージが強いので、読んでいると福山雅治たちの演技が見えるようだった。(評価A)
購入:
「ヒッグス粒子と宇宙創成」(竹内薫)、「これからのリーダーが『志すべきこと』を教えよう」(ジョン・C・マクスウェル)、「ウォートン流 人生のすべてにおいてもっとトクをする新しい交渉術」(スチュアート・ダイアモンド)、「なぜビジョナリーには未来が見えるのか?」(エリック・カロニウス)

その他:
昨日久々に銀座に行った。歩行者天国を歩く人の少なさは、映画のシーンみたいだった。その一方で、ブランドショップで買い物をする中国人の何と多かった事か!残念ながら勢いの差を認めざるを得ない・・・

2012年8月19日日曜日

ベネズエラ戦、トータル・リコール

15日のベネズエラ戦はフラストレーションの溜まる試合だった。早々に先制したが、追加点を奪えずに後半追いつかれる展開。今野・栗原出場停止のCBに代役の目途がたったわけでもなく、宮市や酒井(高)など新戦力の底上げにもならなかった。イラク戦は大丈夫か?
しかし、思い起こすと、6月の最終予選3連戦前もこんな試合をしていたが結果はついてきた。今回も、ヨーロッパのリーグが始まれば香川はじめ各選手のコンディションが上がるので、UAE戦を経て9.11の本番はしっかりやってくれるだろう。選手の方が「成熟」(=大事な試合はちゃんとやるという切り替えができるようになること)したのかも。

J1はサンフレッチェが一歩抜け出したが、まだまだ混戦。F.マリノスは15試合負けていないのに、昨夜も勝ちきれなかった。ここ2試合連続ホームで2失点というのが気になる。去年も最後に守備が破たんした・・・また同じパターン?

「トータル・リコール」のリメイク版はシュワちゃんのオリジナルよりも面白かった。CGの進化で、より映像がリアルだったし、コリン・ファレルが「スーパーマン」にならかったのもGood!オリジナルを知っていると、ムフフとなるような仕掛けもある。もちろん前作を見ていなくても楽しめる。

読了:
「『革命家』の仕事術」(ガイ・カワサキ)

  • ’99年の本の新訳版。神のように創造し、王のように命令し、奴隷のように働く。革命家というより、エヴァンジェリスト(伝道師)の働き方にぴったりだ。日本企業が復活するためには、こうした「尖った」人材を使えるマネジメントが不可欠。でも無理だろうな・・・(評価A)
「実践としての戦略」(G.ジョンソン、A、ラングレイ、L.メリン、R.ウィッティントン)

  • Strategy as Practice (SAP)を研究するアカデミー向けの本だったので、選択を間違えた。しかし、取り上げられている論文とそのケースを読むうちに、戦略を実行する段階は勿論、立案する段階からヒトの要素が大きい事を改めて認識した。ミンツバーグの戦略クラフティングというコンセプトはまさに生きている。(評価B+)
購入:
「企業参謀ノート[入門編]」(大前研一監修 プレジデント書籍編集部 編)、「Personal MBA」(ジョシュ・カウフマン)




2012年8月11日土曜日

なでしこ銀メダル、U23は4位

今朝の3位決定戦で日本サッカーのオリンピックは幕を閉じた。

なでしこは史上初のメダルを獲得。アメリカには負けたが、堂々たる戦いができた。改めて日本が戦った国のランクを見ると、南アフリカ以外の5試合はすべてトップ10であり、その中で決勝に勝ち残りアメリカと互角に戦ったことで、日本の実力が改めて証明された。今大会が終わるとメンバーの交代が予想されるが、すでに岩淵が証明しているように、日本の若手は現メンバーより技術は高いものを持っている。来週からは地元開催のU20ワールドカップが始まる。是非ここで優勝し、多くがリオ五輪のメンバー入りしてアメリカを破り金メダルを獲得して欲しい。

男子の方は結局メダルなしに終わったが、戦前の予想を大きく覆す健闘だった。私自身も決勝トーナメントには残れるだろうとまでは予想していたが、ベスト4までは考えられなかった。3位決定戦が日韓戦になり、メダルを逃した今振り返ると、香川を呼ばず、OAの招集でこたごたしなければどうだっただろうか?と考えずにはいられない。今回の結果を受けて、協会にはオリンピックとA代表をどう位置づけるのか、改めて方針の明確化を求めたい。そうした「混乱」にも拘らずベスト4に残ったメンバーの健闘は称えられるべきだし、ロンドン組がA代表を底上げし、ブラジルW杯の中心メンバーになることは間違いない。今年10月以降、ザッケローニが誰を呼ぶか注目だ。

読了:
「ゴールド・スタンダード」(マイク・シャシェフスキー、ジェイミー・K・スパトラ)

  • 今朝日韓戦のあとコーチK率いる男子バスケットボールアメリカ代表が決勝進出を果たすのを見た。本書は前回北京大会でアメリカが金メダルを「奪還」する過程を通して、チーム運営に関するコーチKの哲学が表わされている。戦う集団を作るためのノウハウにも学ぶところが多いが、個人的にはコービー・ブライアントやレブロン・ジェームズのような真にスーパーなスターが、エゴを捨て、国のために戦う姿勢に感銘を受けた。デュークで学んだことを改めて誇りに思う。(評価A+)
「失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇」(野中郁次郎 編著)
  • ロングセラー「失敗の本質」から4半世紀。本書では、現場リーダーの役割を重点に日本軍の問題点が明らかにされている。残念ながら、本書に書かれた多くの問題は、平成の今になっても解決されず残っていると言わざるを得ない。その意味で、本書は日本企業が歴史/失敗から学べないかを間接的に証明しているとも言えるだろう。(評価A+)
「トライブ」(セス・ゴーディン)
  • これからの組織・リーダーシップの在り様について説かれている。変化を起こす、ビジョンを示す、フォロワー同志をつなげるといったリーダーシップのあり方は参考になるが、そうは言っても大多数の人はフォロワーであり、牧場の羊である事実は変わらないのではないか?特に日本では・・・(評価B)
購入:
「ワーク・シフト」(リンダ・グラットン)、「虚像の道化師」(東野圭吾)

2012年8月5日日曜日

いよいよ準決勝

オリンピックのサッカーは男女とも準決勝に勝ち残った。
なでしこはブラジルに苦戦しながら2対0で勝利。現在のランクは下でも、実力的には互角以上の相手なので、「挑戦者」としては正しい戦い方だ。予選リーグでの佐々木采配を批判する向きもあるようだが、責められるべきは1位に過酷な条件を強いたオリンピック組織委員会だ。現にスウェーデンは敗退している。決勝までどう戦うか、どこにピークを持っていくか、というマネジメントの点で、佐々木采配は「天晴れ!」だ。フランス戦は直前の対戦と逆にこちらの方が良いコンディションで戦えるので、決勝に進出してくれると信じる。
U23はエジプトに3対0。堅守から永井のスピードを生かした速攻という戦い方が確立した。永井が負傷交代してからはしばらく押し込まれていたが、スペイン戦同様、相手の退場を誘い、かつ今回は後半突き放すことができた。4試合無失点はこちらも「天晴れ!」だ。U23も直前に戦ったメキシコが相手になる。なでしこ同様に日本の方がコンディションは有利だ。是非決勝でブラジルと戦ってほしい。

F.マリノスはベガルタと引き分け。順位は一つ下がったが、「負けなし」は継続中。爆発力=連勝が期待できないチーム力を考えると、やっぱりACLは正直厳しい。このあたりをキープしていけばベストだろう。

読了:
「競争戦略の謎を解く」(ブルース・グリーンウォルド、ジャッド・カーン)

  • コロンビア・ビジネス・スクールの人気講義の内容をまとめた1冊。ポーターの"Five Forces"への批判から、競争優位のタイプや、ゲーム理論を踏まえた競争戦略構築までがケースを交え説かれている。ROICをKPIとして考えることなど参考になるところが多かったが、一つ残念なのが原書が2005年と古いこと。今のアップルやグーグル、SNSなどが出現したことで、内容は変わるのか?著者の見解を聞いてみたい気がした。(評価A)
「ザ・ディマンド」(エイドリアン・J・スライウォツキー、カール・ウェバー)
  • 爆発的な大ヒットを生み出すために必要な6つのキーワード(マグネティック、ハッスル・マップ、バックストーリー、トリガー、トラジェクトリー、バリエーション)を明らかにし、ケースを通じ成功企業は具体的にどう動いたのかが分析されている。今年のビジネス本で間違いなくベスト10に入る1冊。日本企業は失敗例ばかりで、唯一asimoがこれからの可能性を語る最終章で取り上げられているのが、日本企業の現状なのだろう。(評価A+)
「なぜ、あの会社は儲かるのか?ビジネスモデル編」(山田英夫)
  • 「模倣の経営学」にも重なる所があるが、異業種のビジネスモデルから学んだ企業の事例が豊富に取り上げられており、また、実際にどうやって学ぶべきかのヒントも解説されている。経営戦略を考えるには極めて実践的な手法だし、学ぶべきところが多い。日本企業だってできる会社があるではないか!と少し安心した。(評価A)
購入:
「実践としての戦略」(ゲリー・ジョンソン、レイフ・メリン、リチャード・ウィッティントン、アン・ラングレイ)、「ビジネスモデル・イノベーション」(野中郁次郎、徳岡晃一郎)、「トライブ」(セス・ゴーディン)、「『革命家』の仕事術」(ガイ・カワサキ)

2012年7月29日日曜日

ロンドン・オリンピック開幕、ダークナイト・ライジング

オリンピックはサッカーの連勝から始まった。
なでしこはカナダに勝ち、昨夜はスウェーデンとスコアレスドロー。次の南アフリカ戦で順位が決まるが、敢えて2位狙いのように見える。アメリカに敗れはしたが、フランスは昨日の試合で北朝鮮に完勝しており、準々決勝であたりたくない相手だ。開催国イギリスを選ぶのが作戦としては正しいだろう。準々決勝でドイツに勝った勢いで優勝した昨年のW杯の再現だ!
U23はスペインに勝利。今晩のモロッコ戦で勝てば決勝トーナメントが決まる。大差がついてもおかしくなかった内容にビックリした。スペインに勝ったことで比較されるアトランタ大会では「マイアミの奇跡」はあったが得失点差で準々決勝に進めなかった。今回も今となると「もっと点が取れたのに・・・」と思うが、同じ轍は踏まないだろう。


マリノスはエスパルスに快勝。6位まで上がってきた。FWが点を取れたのが良かった。。。


「ダークナイト・ライジング」を見た。クリストファー・ノーランのバットマン3部作は全て水準が高く、自分の中では、「スターウォーズ エピソードⅣ~Ⅵ」にも匹敵する映画になった。個人的には前作「ダークナイト」の方が良かったが、事前の期待度の違いかもしれない。


読了:
「PLAN B 不確実な世界で生きのびるための11の法則」(デイビッド・コード・マレイ)

  • 環境の変化に応じて戦略を適応させることが必要であり、そのために踏むべき11のステップが説かれている。グランドストラテジーを作り、最初の計画を立てるところから変更を考慮するあたりがポイントになる。計画策定の参考にはなるが、内容に特段新しいところはなかった。(評価A-)
「財務3表実践活用法」(國貞克則)
  • シリーズ第三弾。前の2冊が財務諸表の読み方に力点が置かれていたのと比べると、本書の方がより経営においてどういう意味を持つかにフォーカスされている。また、財務会計だけでなく、管理会計の基礎も分かり易く解説されている。文字通り「実践的」な1冊と言える。(評価A)
「心を上手に操作する方法」(トルステン・ハーフェナー)
  • 著者が先日来日し、「メンタリズム」のDaigoと一緒にTVに出ていた。本書の内容はラポールの作り方など前半は良かったが、催眠術の話になり、後半はチャルディーニの「影響力の武器」解説が中心になっていたのが残念。(評価B)
「『超』入門 失敗の本質」(鈴木博毅)
  • 名著「失敗の本質」を解説しながら、日本企業の問題点を明らかにしている。タイトルが気になって読んでいなかったが、内容は思いのほかしっかりしていた。改めて、日本企業の経営者はこの20数年、「失敗の本質」を分かったつもりで、結局何も実践してこなかったのだと実感した。(評価A)
「数学入門」(小島寛之)
  • 経済学者による数学の入門書。ピタゴラスの定理、関数、微分・積分、集合などの内容がコンパクトに整理されている。中学・高校の数学のつまらなさがこうしたストーリーの欠如にあったのではないかと考えた。(評価A)
購入:
「ゴールド・スタンダード」(マイク・シャシェフスキー、ジェイミー・K・スパトラ)、「失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇」(野中郁次郎 編著)、「競争戦略の謎を解く」(ブルース・グリーンウォルド、ジャッド・カーン)、「ザ・ディマンド」(エイドリアン・J・スライウォツキ―、カール・ウェバー)、「なぜ、あの会社は儲かるのか?ビジネスモデル編」(山田英夫)




2012年7月22日日曜日

オリンピック直前。日本代表の出来は?

いよいよ水曜の深夜からオリンピックのサッカー競技が始まる。「何やねん?あのユニフォームは!」と個人的には突っ込みをいれたいが、珍しいレッドのセカンドユニフォームは、はるか昔、ワールドカップもオリンピックも「出場するのが夢」だったころを思い出す。
U23はベラルーシ、メキシコという同じ出場国に連勝。吉田が入ってディフェンスがグッと安定してきた。メキシコに押されていたが、つまらないミスさえなければ、スペインとも良い勝負になるだろう。前線は誰を使うか未だ決まっていないようだが、杉本や大津が点を取るなど競争が良い方向に働いていると感じる。懸念は扇原。直前のJでも精彩を欠いているようだったが、自信を失っているように見える。ロングパスで形勢を変えることのできる選手で、「遠藤の後継者候補一番手」と言われる選手だが、昨夜も良い所がなかった。ボランチ(セントラルMF)の出来がスペイン戦の勝敗のキーなので、立ち直って欲しい。
なでしこはフランスに完敗したが、思い返せば昨年のW杯前もアメリカに連敗していた。準々決勝で当たる可能性が高いが、その際には別の結果をもたらしてくれるだろう。

オリンピックではアメリカのバスケットボールチーム(ドリームチーム)にも注目している。デュークのコーチKがNBAのトッププロを率いて連覇を果たしてくれるだろう。UKチームはデュークOBのルオル・デンが引っ張っているので、こちらもどこまで戦えるか楽しみだ。

読了:
「『計算力』を鍛える」(斎藤広達)

  • 「人口一人当たり」に概算することで大きな数字を理解する方法(「@換算」)をはじめ、計算力を鍛える、つまり数字のセンスを磨くことがビジネス上重要かを改めて考えた。こうし「たセンスがないと、最後にはありえない戦略・戦術が横行し、問題に発展しかねない。部下の夏休み課題読書」に推奨したい一冊。(評価A)
「挑戦する脳」(茂木健一郎)
  • サヴァン能力の持ち主などのエピソードをはじめ、脳にとって挑戦することが発達のために重要であることが分かり易く説かれている。日本が「偶有性忌避症候群」(contingency avoidance syndrome)だとする著者の問題意識に強く同意する。先送り体質の企業、決められない政治など、この「病気」がもたらす影響・問題は深刻だ。(評価A)
「重力とは何か」(大栗博司)
  • アインシュタインの相対性理論や超弦理論、マルチバースなど、素人には難解な理論の解説・入門書。最近この種の「入門書」を読んでいるが、その中でもかなり理解しやすい。本書の著者もそうだが、気鋭の学者はやはりアメリカで研究している。高等教育の問題を本書を通じても再認識した。(評価A)
「ビッグデータの衝撃」(城田真琴)
  • ビッグデータに関わる技術の解説から、企業戦略の活用例まで網羅的に解説。事例では海外と日本とのバランスが良い。海外ではプログレッシブ、国内ではコマツや日本マクドナルドの事例が面白かった。4つのビッグデータ活用パターンが理解しやすいし、参考になった。(評価A)
購入:
「財務3表実践活用法」(國定克則)、「数学入門」(小島寛之)、「心を上手に操作する方法」(トルステン・ハーフェナー)、「『超』入門 失敗の本質」(鈴木博毅)

2012年7月15日日曜日

壮行試合&4試合ぶり勝利

なでしこ&U23オリンピック代表の壮行試合は明暗を分けた。なでしこはオリンピック直前のこの時期にで昨年良かったころの状況に戻ったようだ。パススピードが上がってきたので、メダルは十分可能だろう。一方U23の方は、ロスタイムにミスから追いつかれた。確かに(数えたわけではないが)吉田を除くメンバーの国際Aマッチ出場数は合計でも10試合程度だが、今回のメンバーは決して国際経験がないとはいえない。北京の代表には当時A代表と掛け持ちという選手はいなかったと記憶しているし、宇佐美と酒井(高)が入れば海外組が1/3(清武と酒井(宏)は今シーズンからだけど)もいる。あまり楽観視してはいけないが、こちらも十分グループリーグ突破は可能だ。期待して見ていきたい。

F.マリノスは久々に2点目を取ってガンバに勝利。齋藤は壮行試合で「それを外すか!」というシュートミスがあったが、これで気分良くオリンピックに行けるだろう。F.マリノスは悪いなりの戦いをしているが、ガンバはいよいよ危ない。フロントの阿呆さははるかに上を行っている。残留争いから抜け出すのは相当困難だろう。

読了:
「MBA入門」(早稲田大学ビジネススクール 著)

  • WBSの有名講師陣がビジネススクールの講義内容からエッセンスをコンパクトにまとめた一冊。自分がFuquaで学んだ内容が大部分ではあるが、再整理になった。インターナルマーケティングに関して独立したChapterがあるのが新鮮だったし、内容についても納得することが多かった。(評価A)
「サイエンス入門Ⅱ」(リチャード・ムラー)
  • こちらでは光、量子物理学、相対性理論や宇宙論が取り上げられている。正直なところ量子物理学はこの本のレベルでも理解困難だった。ヒッグス粒子発見といったタイムリーなニュースもあったが、このような科学ニュースを読んでもキャッチアップしていけるよう、いこれからも本書を活用しようと考える。(評価A-)
「怖くて眠れなくなる科学」(竹内薫)
  • 人間の記憶の誤り、病気、ブラックホール、地震や津波、エセ科学など、科学の様々な分野における「怖い」話が集められており、理屈抜きで面白かった。個人的にはロボトミー、原爆などと科学者の関わりに関するエピソードが一番怖かった。科学を間違った方に使うのも結局人間なのだ。(評価A)
「悩む力」、「続・悩む力」(姜尚中)
  • 4年前にベストセラーになった時は手を出さなかった一冊を続編とともに読んだ。100年前に夏目漱石の著作に描かれた内容が、現在の状況でも変わっていないというのは改めて驚きだった。高校生のころ盛んに読んだ小説はここまで深い内容だったのか!シューマッハーの原発に関する予言。その通りです。自分は「二度生まれ」しただろうか?(評価A)
購入:
「挑戦する脳」(茂木健一郎)、「重力とは何か」(大栗博司)、「Plan B 不確実な世界で生きのびるための11の法則」(デイビッド・コード・マレイ)、「ビッグデータの衝撃」(城田真琴)

2012年7月8日日曜日

夏休み第一弾

一昨日1日休みを取って軽井沢に行ってきた。天気はイマイチだったが、オーベルジュのフレンチは今回も納得の味。雨にもかかわらず蛍が鑑賞できたし、アウトレットでも良い買い物ができた。
夏休み第2弾は8月の終わりになりそうだ・・・

F.マリノスは今節もセレッソに追いつかれて引き分け。先制しても2点目が取れず試合を決められない状況が続く。ヴィッセルが負けたおかげで順位はアップしたが、上位とはまた差が開いた。前回書いたように齋藤がオリンピックで抜ける間(かつ俊輔が復活するまで)は更に攻撃力が低下すると思われる。次節がどん底のガンバであるのがせめてもの救いだが、梅雨明けは遠そうだ。


読了:
「偶然の科学」(ダンカン・ワッツ)

  • 多くの実例を詳細に見ていくことで、9.11などのイベントは事前予測できないこと、企業の成功も経営戦略が良かっただけでは成し遂げられないこと(アップル、ソニーなどの例)など、「常識」は正しくない点が「反証」されている。企業には刻々変わる事象にアジャイルに反応できる能力が益々求められているというレッスンを学んだ気がする。(評価A)
「リーン・スタートアップ」(エリック・リース)
  • リーン経営手法がスタートアップ企業であっても有効であることは驚きだった。ただ、アジリティはスタートアップほど求められるので、ある意味ではスタートアップでこそ応用範囲は大きいかもしれない。リーンプロジェクトをスポンサーする立場からは、理論を再整理することができた。(評価A)
「それをお金で買いますか」(マイケル・サンデル)
  • ディズニーやユニバーサル・スタジオのファストパスから始まり、ありとあらゆるモノ・サービスがビジネスとなっている点について論じられているが、市場主義=悪のような単純化が図られていないところが良い。市場主義経済と市場社会とを区別すべきことについては賛成だが、個々の「ビジネス」への干渉過多にならないようすべきだ。(評価A)
「リスク、不確実性、そして想定外」(植村修一)
  • リスクの解説本・入門書として極めて有効な1冊。リスクと不確実性の違い、「ブラックスワン」の意味するところ、といった金融・市場に関するリスクだけでなく、コンプライアンスなど企業経営のリスクについても分かり易く説明されている。また、挿入されている歴史エピソードの出来も高い。(評価A+)
購入:
「悩む力」、「続・悩む力」(姜尚中)、「『計算力を鍛える」(斎藤広達)、「怖くて眠れなくなる科学」(竹内薫)

2012年7月1日日曜日

オリンピック代表は?

F.マリノスはまた引き分け。9戦負けなしでも順位は12位まで下がった。移籍が解禁となる中、他のチームでは補強の動きが出ているがF.マリノスからは何も聞こえてこない。ただでさえ得点力不足は著しいのに、俊輔は今月いっぱい「?」。これでオリンピックに齋藤が選出されたらどうするつもりなのだろう??????

そのオリンピック代表は明日発表される。私の予想(希望)メンバーは、
GK:権田、林(協会の方針と異なるが、希望なので・・・)
DF:徳永、吉田、鈴木、山村、酒井(宏)、酒井(高)
MF:扇原、山口、清武、宇佐美、高木
FW:永井、齋藤、大津、指宿、宮市
海外組(含む酒井(宏)、清武)が半数。それなりに豪華メンバーだ。実際には大迫、東、原口が高木、指宿、宮市と変わるかもしれない。攻撃陣は人選に苦労するだろう。


ユーロは明日が決勝。スペインが初めて主要大会(W杯&ユーロ)でイタリアに勝つことができるか?予想ではPK戦で決着。スペインが初の連覇というところだが、果たして・・・


読了:
「最強の業務改革」(A.T.カーニー監修 栗谷仁 編著)

  • 業務改革をM(ビジネスモデル変革)、O(オペレーション改革)、C(キャパシティー適正化)の3つに分解するフレームワークは理解しやすい。ビジネスモデルをどう支えるかが業務・オペレーションの基本だ。ただ、本書はOとCに比重がかかり、Mについての記述が少ないのが気になった。もっとM-O-Cが連関する事例を見たかった。(評価B+)
「超実践的 経営戦略メソッド」(山田修)
  • 部下が絶賛していた本を遅ればせながら読んだ。社長としての実績に裏打ちされたメソッドなので、実践的だし、思いのほか「良かった」。シナリオというかストーリーの必要性。コミュニケーション・モチベーションといったヒトのマネジメントの側面の重要性など学ぶべき点も多く、参考になった。(評価A)
「勝ち続ける経営」(原田泳幸)
  • こちらも実践的な経営ノウハウ本と言えるだろう。基本に忠実であること。分かり易さがいかに大切か。グローバル企業における本社とローカルの関係など、こちらも参考となることが多かった。(評価A)
"The Strategist" (Cynthia Montgomery)
  • ハーバードの経営者・起業家向け講座(戦略論)をまとめた1冊。有効な経営戦略を構築し、実践するのは簡単ではないということを改めて考えさせられる本だ。どんなに理論上「正しい」ものであっても、企業は「生き物」で、結果が保証されるものではない。そういう中で成功確率を少しでも上げるのが戦略家の役割なのだ。(評価A)
購入:
「ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門」(早稲田大学ビジネススクール著)、「リスク・不確実性、そして想定外」(植村修一)、「リーン・スタートアップ」(エリック・リース)、「それをお金で買いますか」(マイケル・サンデル)、「サイエンス入門Ⅱ」(リチャード・ムラー)

その他:
いよいよ民主党の分裂が決定的になった。たとえ「マニフェストを変えるべきではない」、「増税の前にやるべきことがあるだろう」という小沢グループに「理」があるにせよ、そのマニフェストでバラマキ政策を掲げた民主党の一部であったことを国民は忘れてはいけない。

2012年6月24日日曜日

決勝はスペイン対ドイツ?

Euroは準々決勝3試合が終わり、落ち着くべきところに落ち着いてきた。スペイン対ポルトガルはスペインが勝ち、ドイツは相手がイタリアだろうとイングランドだろうと勝ち抜くだろう。前回はスペインが勝って南アフリカW杯に繋がったが、今回は果たして???
予選リーグを見ていて、ここに日本代表が入ったらどうだろう?と考えていた。A組なら予選リーグ勝ち抜けも可能だろう。欧州組の多い今のザックジャパンは、このくらいのレベルの相手とどんどんアウェーで戦うのが一番の強化になるのではないか?

F.マリノスはまたもスコアレスドロー(ここ4試合で3回目)。無失点が続いてもACLは遠のくばかり・・・移籍のウィンドウが開いたら、高さのあるFWを一枚加えてほしい。

読了:
「課題設定の思考力」(東大EMP、横山禎徳 編)

  • 各分野の最先端を行く研究者との対話から、「課題設定の思考力」を構成する要素としてサイエンス・リテラシー、データ蓄積と実証実験、分野の融合、パラドックスの受容、ものの見方の変化、仮説の検証という6つの点がまとめられている。一方で各教授の苦労話を読むと、日本の大学院教育が如何に貧困であったがが分かり、そちらも面白かった。(評価A) 
「我関わる、ゆえに我あり」(松井孝典)
  • 惑星物理学の第一人者、「地球システム論」で世界的に知られる著者が、ゴーギャンの一枚の絵「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか」をなぞるように、人類の誕生から今、将来を語った1冊。まだまだ人類の知っていることは少ないのだという事と科学と哲学は表裏のようなものなのだと改めて感じる。(評価A)
"What Matters Now"(Gary Hamel)
  • "Competing for the Future"(コア・コンピタンス経営)の共著者であるHamel氏の最新作(未訳)。今企業に求められるのは、Value、Innovation、Adaptability、PassionとIdeologyの5つだとして、様々な企業の実例が挙げられている。ここでも日本企業の例が少ないのは、国際競争力を如何に喪失しているかの表れだ。(評価A-)
購入:
「偶然の科学」(ダンカン・ワッツ)、「経営戦略メソッド」(山田修)、「勝ち続ける経営」(原田泳幸)、”The Strategist"(Cynthia Montgomery)

2012年6月17日日曜日

オーストラリア戦、J1再開&オリンピック

オーストラリア戦は最低限のノルマ(勝ち点1)を達成したが、同時に日本の課題も浮き彫りにした。相手が一人退場になった後、畳み掛けられなかった事や放り込みに対する高さの不足にどう対応するか。8月のベネズエラ戦からの対応が見ものだ。3試合を終えてB組で日本が勝ち抜くのはほぼ確定と言って良いが、本大会での結果を期待するためには一層「個」のレベルアップを図って欲しい。
J1が再開。F.マリノスはFC東京に勝ったが、相手が悪すぎた結果で安心はできない。前半は良かったが、後半は俊輔のFKぐらいしか得点の可能性を感じなかった。あれだけのCKを得て1点も奪えなかったという点に目を向けないと成長はない!次節3連勝中のフロンターレ相手で真価が問われる。
オリンピック代表候補35名が発表された。OA枠は議論があるだろうが、個人的には妥当な選択と見る。権田のバックアップとしての林、DF強化のための吉田と徳永はトゥーロン大会で露呈した守備の課題を埋めるのには良いチョイスだ。香川は選ばれなかったが、プラチナ世代の宇佐美・指宿・宮市あたりが予選のレギュラーにとって代わる事を期待する。

読了:
「HPIの基本 業績向上に貢献する人材開発のためのヒューマン・パフォーマンス・インプルーブメント」(ジョー・ウィルモア)

  • 人材開発のコンサルタント向けという点が前面に出ているので、マネジメントがHPIをどう活用するかという観点では物足りなさを感じた。49もある「基本原則」って何?と突っ込みを入れたくなるようなレイアウトも却って理解を妨げている。(評価B-)
「考えるとはどういうことか」(外山滋比古)
  • 「知ること」と「考えること」は全くの別物で、知識が思考を妨げることさえあるという著者の指摘は戦後教育の問題そのものであり、まさに今日本企業がグローバル経済で苦戦している原因の一つと言えるのではないか。若干日本人VS欧米人、日本語礼賛的な内容が気にはなったが、「考えて」読んだ。(評価B)
"Repeatability" (Chris Zook, James Allen)
  • 世界の成功している企業20社(残念ながら日本企業はトヨタだけ)のケーススタディやサーベイの結果を踏まえ、"Profit From The Core"をはじめとする「3部作」の著者(べイン・アンド・カンパニーの戦略Guru)が戦略を実現するための組織能力について記している。Well-differentiated Core、Clear Non-negotiable、Closed-loop Learning いずれも「当たり前」ではあるが、改めて重要性を確認した。(評価A)
購入:
「我関わる、ゆえに我あり」(松井孝典)、「最強の業務改善」(A.T.カーニー監修)、"What Matters Now"(Gary Hamel)

2012年6月10日日曜日

予想以上のスタート

W杯ブラジル大会のアジア最終予選が始まった。B組の日本はオマーン、ヨルダンとのホーム2連戦で勝ち点6を確保。12日のオーストラリア戦に臨む。
2勝は「想定通り」だが、内容は予想を上回るものだった。初戦・第二戦とも前半の早い時間で得点できたことで、相手がゴール前に張り付くような展開が避けられたし、何より守備が安定していた。これまで苦戦していたのがウソのような快勝で、少なくともこの2チームとはサッカーのレベルが違うことを証明した。
オーストラリアはオマーンの暑さにまいっていたような印象を受ける。日程的には日本が有利なので、アウェーであっても最低の仕事(勝ち点1確保)を達成する確率は高い。ヨルダン戦のような攻撃ができれば勝利も十分可能だ。心配は吉田のケガだが、ヨルダン戦で栗原が得点まで挙げて気分を良くしていだろうから、何とか穴埋めはできるだろう。

ユーロ2012もスタート。死のグループB組ではドイツは勝ったが、オランダはデンマークに負けた。次戦の直接対決が見ものだ。

全仏テニスでシャラポアが生涯グランドスラムを達成。今晩ジョコビッチが勝つとこちらも生涯グランドスラム、しかも4大会連続優勝の偉業達成となる。相手はナダルなので、簡単ではないと思うが、注目だ。

読了:
「世界史(下)」(ウィリアム・H・マクニール)

  • 世界各地で発生した古代文明が交流しながら発展する有様。次第にヨーロッパが世界を支配していく過程。2度の世界大戦を経てアジア・ラテンアメリカ・アフリカ諸国が独立していく「戦後史」。改めてストーリーとして通読すると、歴史は偶然ではなく必然の連続であると感じる。ローマ帝国や十字軍の記述が少なかったのが意外だった。(評価A)
「信念の魔術」(C・M・ブリストル)
  • 元々は戦後間もなく書かれた本だし、主としてアメリカ人が対象の本なので、割り引いてみる必要はあるが、信じることができない事が実現することはありえない、というのは真理だろう。「鏡の効果」については早速実践を始めた。上に立つものがどんな顔色・表情をしているか、部下は見ているものだという事を意識するようにしたい。(評価A-)
「宇宙に外側はあるか」(松原隆彦)
  • 宇宙がどのように始まり、今どのようになっていて、将来どうなっていくのかという壮大な謎について人類がどこまで解明できているか?その最先端理論が比較的分かり易く解説されている。ただ、「面白かった」以上の感想が言えない・・・(評価A)
「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」(村山斉)
  • こちらの方が更に分かり易い一冊。「地球で起こっていることは宇宙で起こっている」という出発点や、宇宙の理論を突き詰めて考えていくと「神」の存在にまで影響していくという話など興味深いエピソードが紹介されていて飽きない。(評価A)
「個人と組織を充実させるリーダーシップ」(デイブ・ウルリッチ、ウェンディ・ウルリッチ)
  • 経営学者と心理学者の共著で、働く意味を見つけることと、そのために組織運営がどのようにあるべきかが解説されている。ただ、喩がアメリカのものに偏っていることと訳が正直良くないために、日本においてどのように応用すべきか、ピンとこなかった。(評価B+)
購入:
"Repeatability" (Chris Zook, James Allen)、「課題設定の思考力」(東大EMP、横山禎徳 編)


2012年6月2日土曜日

最終予選開始前夜

明日のオマーン戦でいよいよブラジル大会最終予選が始まる。W杯予選ではいつもホーム初戦は苦戦する印象がある。第三次予選の時もロスタイムに吉田が決勝点を決めて勝った。南アフリカ大会の最終予選ではホームで1勝しかしていない。明日嫌なのはザッケローニや選手が意識しすぎて攻め急ぐことだが、今回は前回と違って絶好調の前田、高さのあるハーフナーと最前列の選手がしっかりしているし、本田・香川の連携も良くなってきているので、ハラハラは少なくてすむのではないか?前半のうちに(決して早くなくて良い)先制して、後半もう1点。2対0が予想スコアだ。ヨルダン戦も油断しなければ大丈夫だろう。是非勝ち点6を持ってオーストラリアに乗り込んで欲しい。

読了:
「隠れていた宇宙(下)」(ブライアン・グリーン)

  • 並行宇宙(だからUni=一つではなくMultiverseと言う)の様々なバージョンについて研究の最先端を解説した本。さすがに一般向けだとしても難解だった。ただ、アインシュタインの偉大さは改めて感じたし、コンピューターの発達がなければ、この問題の解明はここまで進まなかったのは間違いなさそうだ。監訳者あとがきの「SF化する現代物理学」というコメントは素晴らしい。(評価A)
「人を束ねる」(久米一正)
  • 名古屋グランパスエイトのGMがこれまでのサッカー&GM人生を語った一冊。読み始めて、そういえば中大・日立製作所に久米という選手がいたな、と思い出した。経営論(組織行動論)の読み物としても面白いし、Jリーグの課題に関する記述も「その通り」と納得した。F.マリノスの経営陣に読ませたい・・・(評価A)
「図解 コーチング・マネジメント」(伊藤守)
  • コーチングの基本の基本が整理されている。ABCが理解できた。意識せずとも実践していることろはあるが、自分なりに再度咀嚼してコーチングをマスターしたい。(評価A)
「サーバント・リーダーシップ入門」(池田守男、金井壽宏)
  • 金井氏お得意の実務者との共著による一冊。サーバント・リーダーシップが決して部下に媚を売ることではなく、むしろ改革リーダーと共存できるのだということを改めて理解した。明確なビジョンがあってこそのリーダーシップスタイルであり、サーバントという言葉に惑わされてはいけない。(評価A)
「世界史(上)」(ウィリアム・H・マクニール)
  • 下巻読了時に感想を記す。
購入:
「宇宙に外側はあるか」(松原隆彦)、「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」(村山斉)、「考えるとはどういうことか」(外山滋比古)、「個人と組織を充実させるリーダーシップ」(デイブ・ウルリッチ、ウェンディ・ウルリッチ)

その他:
今日は映画「ファミリー・ツリー」を見た。ジョージ・クルーニーが新境地を見せていて良かった。ハワイの風景がきれいで、是非また行ってみたくなった。



2012年5月27日日曜日

いよいよ最終予選

先週のアゼルバイジャン戦で、取りあえず三次予選終盤の悪い流れは断ち切れたように思う。香川はワールドクラスの実力の片鱗を見せたし、本田の復活も好材料だ。ウズベキスタンの時と異なり、海外組を含む攻撃陣は大丈夫だろう。ただし守備はところどころ「?」という点があった。吉田・今野のバックアップ(栗原、伊野波、槙野)には一層奮起してほしいところだ。

トゥーロン国際大会のU23がオランダに勝った。指宿・宇佐美・高木といった「プラチナ世代海外組」が実力を発揮した。たとえ香川は出なくても、清武や宮市まで含めて考えると、本番の18名は予選メンバーと大きく変わるだろう。北京の時もそうだったが、オリンピック代表はブラジル大会の中心メンバーになる可能性が高いので、良い意味で更に競争して欲しい。

J1は13節を終わりF.マリノスは暫定9位。得点14、失点12がチームの現状を示している。上位チームと比べると攻撃の迫力が今2つ3つ足りない。中断期間に修正できないとこれから厳しい。

話は変わるが、松井秀喜がダーラム・ブルズでプレーしている関係で、スタジアムの様子をTVで見る機会が増えた。まだブルズがブレーブスの1Aチームで、日本の高校野球程度のレベルの試合を、ビールとナチョスを買って見ていたのが懐かしい。もう17年か・・・

読了:
「『叩き上げCEO』が明かす結果にこだわる思考法」(デニー・F・ストリグル、フランク・スウィアテク)

  • アメリカの携帯会社CEOを務めた著者なので、アドバイスがきわめて実践的。マネジャーの仕事の優先順位を①売り上げを伸ばす、②新規顧客を得る、③既存顧客を維持する、④コストを削減する の4大原則に照らして考えるというのが最たるものだ。アクションリストも簡潔で良かった。(評価A)
「ミッションからはじめよう!」(並木裕太)
  • 意外に良かった、というのが第一印象。前回書いた「すべての仕事は『逆』から考えるとうまくいく」とも共通することだが、本当に何がしたいのかを木も森も見ながら考えることが必要なのだ。「人の感情をなめるな」とか「どんなに美しい戦略も実施されなきゃゴミ」といった表現はいただいてしまおう。(評価A)
「日本と世界の『流れ』を読む経済学」(伊藤元重)
  • いつものように著者は経済学という学問が実世界に当てはまる(逆に言うと世の中の動きから経済学の理論が出来上がっている)ことを示している。バランスの取れた議論だし、共感するところが多い。同時に経済学的に正しい解決策は一般庶民の直観的な思いに反することを理解しないといけないという事も分かる。(評価A)
「勝つための経営」(畑村洋太郎、吉川良三)
  • 日本企業および取り巻く環境や問題点について極めて正しい分析が示されている。サムソンでCEOの改革を見てきた著者ならではの厳しい指摘も多い。グローバル競争を否定することからは発展はないのに、TPPやFTAに舵を取れない政府に、円安・バブル再来といった神風のみ期待する経営者が年功序列に従ってポジションにつくだけの日本企業には未来はない。まだ自覚できないのだろうか????(評価A+)
「戦略人事のビジョン」(八木洋介、金井壽宏)
  • 若いマネジャーに是非読んで欲しい一冊。改めてGEと日本企業の人事の違いを認識した。八木氏のストーリーを読むだけでも、まだまだ参考になることが多い。「思う」と言うをやめるのは上に立つものには重要だし、一時意識していたが、改めて徹底したい。(評価A)

2012年5月20日日曜日

連勝が止まって・・・

F.マリノスはガンバとスコアレスドローで連勝がストップ。結果論だがナビスコ杯で勝利する必要性があったのだろうか?とも思う。次節が代表戦ウィーク前最後となるので、たとえアウェーのエスパルス戦で齋藤抜きの一戦であっても勝利で終わって欲しい。

そのフル代表アゼルバイジャン戦に本田が復帰した。どれだけ試合勘が戻っているだろうか?ここから6月の最終予選3戦は海外組中心の戦いとなるので、結果はもちろん、内容の伴う勝ち方を見せてほしい。この連戦での起用方法でオリンピック代表(OA枠含む)が最終決定されるのだろう。今回フル代表に招集されたメンバーでは清武以外結局は試合出場が限定されるだろうから、最初からトゥーロンに行った方が良かったように思う。この点ではセルジオに賛成だ。

読了:
「すべての仕事は『逆』から考えるとうまくいく」(ロブ・ヴァン・ハーストレッチト、マーティン・シープバウアー)

  • 元BCG&マッキンゼーのコンサルタントによる問題解決手法の解説。「イシューからはじめよ」にも通じるが、なりたい姿=目標を明確にしておかないと、結局無駄な議論をすることが多い。シンプルな考え方・フレームワークだが、オペレーショナルな問題の解決には役に立つ場面が多いと思う。目標のシェアや「実行がすべて」など学ぶべきところが多かった。(評価A)
「[新版]問題解決の実学」(斎藤顕一)
  • 初版本も読んだが、チャート活用のポイントや"So What?"と聞き続けることの大切さなど改めて学んだ。こちらはどちらかというと大きな変革を成し遂げるために有効だと思う。(評価A)
「マーケティング・リフレ―ミング」(栗木契、水越康介、吉田満梨 編)
  • マーケティング研究者とセラピストの合作というのがユニーク。鍋用ラーメン、はとバス、キリンフリー、ロック・フィールドなど掲載されている事例も馴染みのものが多く、担当者自身がどのようにリフレ―ミングしたか語っている点も大いに参考になった。「ブルーオーシャン戦略」を如何に構築するかという点からも捉えられるように思う。(評価A+)
「経済性工学がわかる本」(橋本賢一)
  • 経済性工学の入門書。名著「経済性工学の基礎」の初心者向け解説書といった位置づけなので、使われている事例もシンプル。それでも経営判断する際の基準をどこに置くかといった点で参考になるところが多い。「侮れない」一冊だと思う。(評価A)
「隠れていた宇宙(上)」(ブライアン・グリーン)
  • 下巻読了時に纏めて感想を述べる。

購入:

「戦略人事のビジョン」(八木洋介、金井壽宏)、「勝つための経営」(畑村洋太郎、吉川良三)、「人を束ねる」(久米一正)、「サーバント・リーダーシップ入門」(金井壽宏)、「HPIの基本~業績向上に貢献する人材開発のためのヒューマン・パフォーマンス・インプルーブメント~」(ジョー・ウィルモア)、「信念の魔術 新装版」(C.H.ブリストル)

2012年5月13日日曜日

これは本物?

F.マリノスは昨日サンフレッチェに逆転勝利で4連勝。暫定順位も9位まで上がってきた。マルキーニョスの復帰がFW陣に良い影響を与えているのは間違いなさそうだ。それでも個人的にはまだ懐疑的。夏場に再度失速するのを危惧している。ベガルタやサガンが勝てなくなってきたので、全体はますます混戦になるだろう。

欧州のリーグが最終盤になって、夏の移籍が話題を占めるようになってきた。日本代表クラスではやはり香川がどうなるかだろう。マンUかそれとも???プレミアではこれまで本当にレギュラーを獲得した日本人はいないので、もし香川が移籍するなら、その第一号になって欲しいにはもちろん、更にその先はバルサかレアル・マドリーまで狙う位活躍してほしい。

読了:
「マネジャーのための経営モデルハンドブック」(マーセル・ヴァン・アッセン、ガーベン・ヴァン・デン・バーグ、ポール・ピーテルスマ)

  • オランダのコンサルティング・ファームのメンバーによるハンドブックなので、USのビジネス理論だけでなく、ヨーロッパ発のモデルやフレームワークも紹介されているのが特徴。単にコンセプトを説明するだけでなく、使用方法や使用上の注意まで書かれているので、経営課題を検討する際に参考となる本だといえる。(評価A)
「組織能力のハイブリッド戦略」(高木晴夫)
  • 組織能力を向上させるという点で仕事・人の両面から見ていくことは必要だが、日本企業=人ベースの組織、欧米企業=仕事ベースの組織 という2分法が前提となっている点に違和感を覚えながら読んだ。実際に取り上げられている企業を考えると、むしろ企業の発展段階や(こちらの方がインパクトは大きいが)採用方法等から結果的に比重をどちらに置いているかが決まるように思う。(評価B+)
「実践知」(金井壽宏、楠見孝)
  • 第Ⅰ部の理論編については、いかに現場において実践知が形成され・伝承されるかが、知識創造における所謂SECIサイクルなどとの関係も含め述べられており、良い内容だと思う。ただ、第Ⅱ部の実例はあまりピンとこなかった。もう少し「会社」の例があれば良かったのにと感じた。(評価A-)
「いかにして問題をとくか 実践活用編」(芳沢光雄)
  • ボリアの名著「いかにして問題をとくか」のエッセンスを実生活の問題解決方法に結び付けて、分かり易く解説している。2冊併せて読むと更に良い。決して数学の本ではない。本文でスカイツリーの高さが誤っているのはご愛嬌?最終章を実践していなかったのか、それとも読者が気づくか試したかったのか?(あとがきでは正しい数字になっているだけに気になった。)(評価A)
購入:
「日本と世界の『流れ』を読む経済学」(伊藤元重)

2012年5月6日日曜日

三連勝・・・

F.マリノスは今日もコンサドーレに勝ってGW期間中3連勝。3勝4分3敗まで挽回した。マルキーニョスや谷口などが戻ってきたことで戦力もようやく戻りつつある。結果的に何もしなかった事が吉と出たようだ。しかし、根本的なチームの問題点(俊輔依存、ポストプレーヤーの不在など)が解決したわけではないので、このままでは一昨年までのように中位どまりではないか?ACLを本気で狙うのであれば、短期的な財務の悪化を覚悟の上で、現役代表クラスの補強を行うべきだと思う。

一昨日渋谷のヒカリエに行ったが、とにかく混雑していてランチを食べるので精一杯だった。お台場も含め、もう少し落ち着いたら(たぶんスカイツリー開業後は人の流れが変わるのではないか?)改めて行ってみようと思う。

読了:
「タイム・マネジメント4.0」(竹村富士徳)

  • 「7つの習慣」、「第8の習慣」といったスティーブン・R・コヴィー博士の著書の日本語版解説書といった内容の1冊。フランクリン・プランナーの使い方を含め、改めてコヴィー博士流のタイム・マネジメントについて学んだところが多かった。GW明けからさっそく実践しよう。(評価A)
「ガイドツアー 複雑系の世界」(メラニー・ミッチェル)
  • しばらく聞かなかった「複雑系」が、今も刻々進化していることが分かった。改めてコンピュータ・サイエンスが自然科学・社会科学の「謎」の解明に役立っていることや、自己増殖・べき乗則といった「知っているつもり」の事象の内容などが理解できた。文科系だからこそ知っておくべき事のように思う。(評価A)
購入:
「マーケティング・リフレ―ミング」(栗木契、水越康介、吉田満梨)、「いかにして問題をとくか 実践活用編」(芳沢光雄)、「すべての仕事は[逆]から考えるとうまくいく」(ロブ・ヴァン・ハーストレッチト、マーティン・シープ・バウアー)、「[新版]問題解決の実学」(斎藤顕一)、「経済性工学がわかる本」(橋本賢一)、「図解 コーチング。マネジメント」(伊藤守)、「組織改革」(シンシア・スコット、デニス・ジャフ、グレン・トベ)、「ミッションからはじめよう!」(並木裕太)、「『叩き上げCEO』が明かす結果にこだわる思考法」(デニー・F・ストリグル、フランク・スウィアテク)

2012年4月28日土曜日

9連休

今日から9連休。もともと1日・2日と出社するつもりだったので、遠出の計画をしていなかった。新しくできた都内のスポットを回ることにした。

オリンピックは男女サッカーの対戦相手が決定。なでしこは予選から厳しい戦いが予想されるが、今一番勢いがあると思うので、メダルまでたどり着けるのではないか。男子はスペインとの対戦が楽しみだ。シドニー以来の予選リーグ突破が十分可能な組み合わせだと思う。

バルサにはやはり「終わりの始まり」が来たようだ。CLでチェルシーにまさかの敗退を喫したのに続き、ペップの退任も決まった。このオフには選手の流出も含め大きな動きがあるのではないか?

横浜FCが2連勝して「降格圏」を脱出した。カンフル剤が効き始めたようだ。さて、何も手を打っていないF.マリノスはどうかな???

読了:
「指導力」(ジョー・オーエン)

  • 著者はイギリスの人らしい。プロフィールがないが、日本での勤務も含めしっかり経験を積んでいるようだ。(1)対人関係の重視、(2)プロフェッショナリズムと(3)ポジティブ思考の3つがすぐれたリーダーの共通項だというのは、直観的にもMake senseだと思う。事例も豊富だし、掘り出し物だった。新しいオフィスに置いておこう。(評価A)
「影響力」(ジョー・オーエン)
  • 「指導力」と同じ著者による一冊で、こちらは如何に周囲を巻き込んで事を成すかに重点が置かれている。Give to takeのような分かり易い表現も好感。(評価A)
「説得力」(ジェイムズ・ボーグ)
  • ピアソンのシリーズ3冊目。説得力というタイトルだが、対人スキル・コミュニケーションの基礎を解説した一冊。警戒の解き方、秘書を如何に味方にするかなど、営業社員はもちろん対人スキルを必要とされる職種の人には学ぶべき点が大きい。(評価A)
購入:
「実践知」(金井壽宏、細見孝 編)、「組織能力のハイブリッド戦略」(高木晴夫)

2012年4月22日日曜日

いつまで続く泥濘ぞ

F.マリノスは昨日もジュビロに負け。試合後の「負けた気がしない」という談話が却って深刻さをうかがわせる。つに降格圏に転落したにも関わらず、いつまでカンフル剤を打たないで我慢するつもりなのだろう?????次節は今節快勝のヴィッセル戦。・・・勝てそうな気がしない・・・

今朝のクラシコでレアル・マドリーに負けたことで、バルサの4連覇は絶望的になった。チャンピオンズでもチェルシーに苦戦しているが、せめてこちらでは優勝して欲しい。そうすれば今年こそメッシを横浜で見るぞ!

読了:
「なぜ、日本企業は『グローバル化』でつまずくのか」(ドミニク・テュルパン、高津尚志)

  • IMDの学長で日本企業を長年研究してきた著者による本なので、実例に富み、説得力のある議論になっていると思う。企業自身が努力することはもちろんであるが、日本の教育、特に大学教育から変えていかないと、本当の意味で、グローバルな人材を増やすことは難しいのではないかとも思う。(評価A)
「模倣の経営学」(井上達彦)
  • ヤマト運輸の宅急便、セブンイレブン、スターバックスとドトール、トヨタが如何にして他社の事例を学び、自社のビジネスモデルへと昇華させたかをP-VAR(Position-Value,Activity, Resource)というモデルで分析している。重要なのは他社の事例を見るときのこちらの視座ではないだろうか?同じモデルから出発してもスタバとドトールのように出来上がりが異なるというのが象徴だろう。(評価A)
「リーン・ソリューション」(ジェームズ・P・ウォーマック、ダニエル・T・ジョーンズ)
  • サービス業においてもリーン手法が有効であることを解説した一冊。カーディーラーの事例を見ていると、我が社が今リーンを取り入れて拡大していく意義を改めて認識した。ただ、後半は少し冗長だと感じた。(評価A-)
「知識創造経営のプリンシプル」(野中郁次郎、紺野登)
  • 「知識創造企業」から「流れを経営する」までの一連の書を再構成したガイドブック。所謂ポジショニング論やリソースベース論と異なる戦略論(ダイナミック・ケイパビリティと近いように思う)から、組織論までが網羅されており、様々な示唆がある。後半の都市論も面白い。モノづくりに拘泥することの問題もその通りだと思う。(評価A)
「ルーズヴェルト・ゲーム」(池井戸潤)
  • 「下町ロケット」同様に、経営の厳しい現実と「夢」(今回は社会人野球チーム)とのジレンマに遭遇したとき、人はどのように対応するかが良く描かれている。登場する企業も「あそこらへんがモデルかな?」などと考え、楽しみながら読んだ。(評価A)
今週は久々に購入はなし。GWまでに何冊読めるかな?

2012年4月15日日曜日

今節も勝ちきれず・・・

昨日のアルディージャ戦、リーグでは開幕戦以来の得点が入ったが、結局追いつかれ引き分け。F.マリノスは順位こそ15位だが、コンサドーレと共に未勝利。(ただ、皮肉にもそのコンサドーレはナビスコ杯でF.マリノスに勝っている。)アントラーズ、ガンバ、アルビレックスのように今節初勝利と行かなかっただけでなく、相変わらず先が見えない。小野は得点こそ取ったが、決定的なチャンスでラストパスをミス。頼みの俊輔さえ相手に動きを読まれてボールを失うことも多く、この状態なら思い切って狩野で行った方が良いかも。今年は5月末まで中断がないので、このままだと中断後はJ2降格を覚悟いないといけなくなりそうだ。

読了:
「循環思考」(横山禎徳)

  • 問題の裏返しを「答え」とする愚を戒めるというのはその通り。ただ、システム思考をなぜ循環思考と敢えて言い換えているのかはよく理解できなかった。後半の好循環を生み出す社会システムデザインの話は面白かったが、現実の政治・官僚支配の実態からは遠すぎるように思われた。それこそ「維新の会」が国政の中心にならないと、「好循環」を生み出す機運もできないだろう。(評価B+)
「『新訳』事業の定義」(デレク・F・エーベル)
  • 戦略を考える際に自社の事業をどのように定義するかは重要だ。本書は戦略論の「古典」と言えるもので、ポーターの「競争の戦略」のように、内容は今でも十分参考になる。ただ、本書に取り上げられている会社は、「そんな会社があったんだ!」と思うようなものが多く、そのことで時代を感じた。(評価A)
「ザ・ミッション」(Dr.ジョン・F・ディマルティーニ)
  • 自分の価値観を知ること、何かが欠落していると感じるのは、その価値観を重要視していればこそだ。というのは言われてみるとその通りだと改めて感じた。ただ、本書にあるようなワークやアファメーションを試すかと聞かれると、Noと答えることになるだろう・・・(評価B)
「リーダーの決断 参謀の決断」(童門冬二)
  • 歴史(といってもほとんど戦国時代から幕末にかけての時代だが)における様々な決断について、その時点でのオプションと選択の結果を解説するという手法がユニークだった。著者の解説に「?」と思うところもあるが、本書を通じ、筋を読むことと、コミュニケーションの重要性が決断そのものと同様に重要なのだと思う。(評価A-)
「リーダーの値打ち」(山本一郎)
  • 副題の「日本ではなぜバカだけが出世するのか?」を面白いと思って読んだ。そのこと自体は「ピーターの法則」そのものだが、やはり日本の組織の在り様が時代遅れになっていることは事実だと思う。日本がまだ競争力を持つと思っていたコンテンツ業界ですら、例外ではないという事は衝撃だった。(評価A-)
購入:
「模倣の経営学」(井上達彦)、「タイム・マネジメント4.0」(竹村富士徳)、「世界史」(上)(下)(ウィリアム・H・マクニール)、「隠れていた宇宙」(上)(下)(ブライアン・グリーン)、「説得力」(ジェームズ・ボーク)、「影響力」(ジョー・オーエン)、「マネジャーのための経営モデルハンドブック」(マーセル・ヴァン・アッセン、ガーベン・ヴァン・デン・バーグ、ポール・ピーテルスマ)

2012年4月7日土曜日

公式戦0勝4分3敗

先ほどアルビレックスとの試合が終わり、またスコアレス・ドローに終わった。「前節よりはまし」という人がいるかもしれないが、プロは結果が全てだ。まして、去年からACL出場が公約だったチームにとって、この状況は許されない!フロントも含む人心一新を希望するのみ。

読了:

「アウトクラッシュ」(深町秋生)

  • 「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズの第二弾。主人公は今回海外からやってきた暗殺者と対決する中で、「なぜ夫が殺されたか」について、また一歩真相に近づいた。次に何が起こるのか、キャリア署長との関係はどうなるか?(評価A)


"The Advantage"(Patrick Lencioni)

  • いつもストーリー仕立てでマネジメントのあり方を解説する著者が、(今のところ)唯一そのスタイルを取らずに、「健全な組織」とはなにかを解説している一冊。マネジメント・チームがチームとしてワークし、全社員が分かる明確な方針を打ち出すこと、またその方針が企業文化と根付くような人事のありようなど、「当たり前だけど実践するのが難しい」課題に、どのような形で取り組むかが分かり易く説明されている。変革のマネジメントに有効な一冊。(評価A)
「響き合うリーダーシップ」(マックス・デブリ―)
  • ハーマン・ミラー社CEOだった著者が語るリーダーシップ論。アメリカ企業らしい倫理観がしっかりと社内に根付いている一方で、日本企業のように現場力を大切にしている点がユニークだと思う。そういう会社だから高価だけどすわり心地のよいビジネスチェアーを生み出せているのだろう。ただ、この手法は、CEO直属部下はじめ幹部にまでしっかり方針が浸透しなければ、大きな組織では実践が困難ではないか?(評価A-)
「人を魅了する」(ガイ・カワサキ)
  • 表紙の謳い文句には、「一流の職業人であるための技術」とあるが、一流のマーケター・リーダー用のノウハウと思われる。「自分をどうすればマーケティングできるか?」という課題を考えるとき、もっとも効果を発揮する本であると思う。(評価A)
「財務省のマインド・コントロール」(江田憲司)
  • 個人的には、前半の「財務省はいかに嫌なところで、どうやって政治を牛耳っているか」という部分より、最後の政策提言のところが面白かった。ある意味では「みんなの党」のマニフェストともいえるような内容で、個人的には賛同するところが多い。大阪維新の会と政策的には一番近いし、自民・民主が再編する際には一つの極になりうるポジションだと思う。(評価A+)
「震える牛」(相場英雄)
  • 「平成版『砂の器』」と言えるかどうかはともかく、非常に面白かった。ミステリーではあるが、経済小説がメインの著者だけに、描かれている各社の戦略は極めてリアルだと思う。現実の世界では、こんなことが起こったら恐らくパニックだろう・・・そうならないことを祈る。(評価A+)
購入:
「リーダーの決断 参謀の決断」(童門冬二)、「リーダーの値打ち」(山本一郎)、「なぜ日本企業は『グローバル化』でつまずくのか」(ドミニク・テュルパン)、「知識創造経営のプリンシプル」(野中郁次郎、紺野登)、「リーン・ソリューション」(ジェームズ・P・ウォーマック、ダニエル・T・ジョーンズ)、「指導力」(ジョー・オーエン)、「ガイドツアー複雑系の世界」(メラニー・ミッチェル)

2012年3月31日土曜日

今日もスコアレスドロー

F.マリノスは今夜もアントラーズとスコアレスドロー。今シーズン1点も取れていないアントラーズにシュート数で負けており、勝てそうな感じのしない戦いだった。おまけに、ドゥトラが登録のミスで出場できなかったらしく、いかにマネジメントがプアか証明してしまっている。重症だ・・・

読了:
「幸福の習慣」(トム・ラス、ジム・ハーター)

  • ギャラップ社の調査で明らかになった、「幸福な人はこんな生活を送っている」という結果が書かれているが、日本のランクが非常に低いことが示すのは、必ずしもここに書かれている通りに生活しても日本人は幸福を感じないということではないか?いずれにしても調査結果はわかるが、Strength Finderとの関連を期待していたため、So what?という本だった。(評価B)
「経営戦略の授業」(名和高司)
  • 日本企業であってもグローバルで戦えている例(ユニクロ、シマノ、無印良品)などを踏まえ、スマートXリーンという戦略論を展開している。自社のケイパビリティを分析するのにバタフライ・モデルは参考になるのではないか。(評価A)
「『成功』と『興味』の法則」(マーカス・バッキンガム)
  • 自分の強みを本当に活かして仕事をしている人は10人に2人だという。本書を読んで、改めて昨年Strenght Finderでチェックした自分のStrengthを確認し、少し方向が見えてきたように思われる。「幸福の習慣」よりは得るモノは多かった。(評価A)
「解決する脳の力」(林成之)
  • 脳のくせを踏まえて行動するというのは、実践が難しいが、本書を読んだ後、改めてこの著者の「脳に悪い7つの習慣」にあったチェックリストを読み返した。やっていないことが半分くらいあって反省した。(評価A)
「リーダーは弱みを見せろ」(鈴木雅則)
  • GE、グーグルでHRにいた著者だけに内容が実践的だ。「自分を知る」というのが第一ステップにあげられているが、これが日本人には一番難しい。360度評価ではないが、部下に評価してもらうのが良いのだろう。リーダーシップ開発の教科書として使える一冊だと思う。(評価A) 
購入:
「響き合うリーダーシップ」(マックス・デプリ―)、「ザ・ミッション」(Dr.ジョン・F・ディマルティーニ)、「人を魅了する」(ガイ・カワサキ)、「新訳 事業の定義」(デレク・F・エーベル)、「循環思考」(横山禎徳)、「財務省のマインドコントロール」(江田憲司)、「アウトクラッシュ」(深町秋生)

2012年3月25日日曜日

早くも泥沼リノス?

F.マリノスはこれまでも(昨年のレイソルのような)昇格チームに星を落とすことが多かったが、昨日のサガン戦は悲惨だった。後半しか見ていないが、何をやりたいのかが見えないし、つまらない。サガンの方が戦術も明確で、どちらが昇格チームか?と思うほどだった。俊輔は明らかにイラついていて、レッドカードを出されても仕方ないようなファウルをしていた。試合後のコメントを聞いても今のチーム状態の悪さしか感じられない。

ただ、この状況は昨シーズンオフからの混迷を考えれば予想できたことだ。明確なビジョンなきまま「ACL」という目標だけが独り歩き。前田ら前線の選手の補強に失敗し、結局マルキーニョスに落ち着いたが、未だリーグ戦出場すらしていない。長谷川や渡邉、水沼らが溌剌とプレーしているのを見ると複雑な思いだ。更にここにきてドゥトラの復帰だという。フロントは何をしたいのだろう?次節のアントラーズ戦で結果が出ないようであれば、少なくとも監督の責任論を免れない状況になるだろう!手を打つなら早い方が良い。正直、一度ゼロクリアにした方が良いのではないかと、昨日の試合を見て考えた・・・

読了:
「2日で人生が変わる『箱』の法則」(アービンジャー・インスティテュート)

  • 「自分の小さな『箱』から脱出する方法」の続編。前作でカリスマ経営者として登場したルーがどのよう「箱」から脱出できたのかが明かされている。自分から『箱』の外に出て相手と向かうというのは実際に行うのが非常に難しいが、相手の立場になって考えるよう愚直に実践しようと思う。(評価A-)
「リーダーシップ論 第二版」(ジョン・P・コッタ―)
  • 初版も読んだが、改めて読み返すと新たな気づきがある。序章の10の教訓がそれだ。リーダーシップへの依存が益々高まっていること、ボス・マネジメントの重要性などは重く受け止めて仕事に生かさなければと思う。(評価A+)
「予測力」(ケビン・メイニー、ヴィヴィエック・ラナディヴェ)
  • NHLの偉大なプレーヤー、ウェイン・グレツキーが「パックの向かう先に動く」という話は以前から聞いた事があったし、経営においてもそのような直観力が重要だという事もわかる。また、どんなにデータがあっても、それを分析しただけでは予測はできないということもわかる。So What?というのが読後の感想だった。(評価B)
購入:
"The Advantage" (Patrick Lencioni)、「経営戦略の授業」(名和高司)、「解決する脳の力」(林成之)、「リーダーは弱みを見せろ」(鈴木雅則)

2012年3月18日日曜日

オリンピック出場決定/デューク終戦/J1早くも波乱?

U22のロンドンオンピック出場が決まった。一時はプレーオフも覚悟したが、最後2試合でやるべきことをやった事が結果となった。前回までと大きく違ったのは、この世代の「主力」となるべき人材(特に攻撃陣)が海外に行っていたり、フル代表との掛け持ちになったことだ。この傾向はますます強くなると思うし、強くなってもらわないと日本サッカー全体のレベルアップができないというジレンマがある。まだまだ先の話になるが、U22世代のメンバーをどう組んでいくかは2016年以降に大きな課題になったと思う。
一方ロンドン大会のメンバー18人をどう選ぶかも難しい。オーバーエイジ枠をどうするか、Jとの調整や海外組の招請など、こちらは嬉しい楽しみだ。個人的にはバックスに闘莉王か中澤、MFとFWどちらかでもう一人オーバーエイジ(遠藤はW杯予選に専念してほしいので阿部、細貝、鈴木啓太あたり)が必要だと思う。攻撃陣では宮市と宇佐美が見たい・・・

NCAAバスケットボールがスタート。デューク・ブルー・デビルズは一回戦でまさかの敗退。今シーズンが1週間早く終わってしまった。シーズン終盤での失速の原因をしっかり反省し、来シーズンに生かして欲しい。

J1は2節終了時点でレイソル、ガンバというACL組に勝ち星がなく、ベガルタ、ヴィッセル、フロンターレとFC東京が2連勝といういささか波乱の幕開けになった。わがF.マリノスにはいい流れが来ていないようだ。

読了:
「会社人生は『評判』で決まる」(相原孝夫)

  • いるんです。うちにも。評価は高いのに、周りに評判の悪い社員。問題なのはそうした自覚がないこと。書店で本書を見つけて読んでもらえると良いのだが・・・それでも自己評価は変わらないのだろう・・・評価・昇進を決める立場からすると肚に落ちる内容だ。(評価A)
「第3の案」(スティーブン・R・コヴィー、フレック・イングランド)
  • 米国のように自己主張をしなければいけない社会においては、本書のような考え方は有効だろうが、私には「?」だった。常にとは言わないが、仕事を効果的に進めていくためには第三の案を考えていくことは選択肢に入れてきているからだ。ちょっと残念な一冊になった。(評価B)
「戦略実行」(マーク・モーガン、レイモンド・E・レビット、ウィリアム・マレク)
  • Executionの重要性について多くのページを割いている点で他の「戦略本」と良い意味で異なっている。また、戦略策定上のフレームワーク(思い、風土、ビジョン)とプロジェクト統率上のフレームワーク(協働、統合、移行)のうち、最後の「移行」が重要だということは、過去のプロジェクト経験から、その通りだと思う。(評価A)
購入:
「幸福の習慣」(トム・ラス、ジム・ハーター)、「『興味』と『成功』の法則」(マーカス・バッキンガム)

2012年3月11日日曜日

1年目の3.11

丁度1年前、地震の直後はオフィスのPCで、本社のボスに「地震が来た」とメールしていた。うるう年のため日曜日になった「1年目の3.11」もPCに向かっている。

「震災を経て、この国をどうしていくのか」というビジョンも何も示されないまま1年が過ぎた。このままで衰退をたどる可能性は日に日に高くなっている。次の総選挙が最後のチャンスだろう。今度こそ正しい選択をしなければ・・・

購入:
「リーダーシップ論 第2版」(J.P.コッタ―)、「予測力」(ケビン・メイニー、ヴィヴィエック・ラナディヴェ)

2012年3月10日土曜日

最終予選組み合わせ決定

昨日W杯最終予選の組み合わせが決まった。オーストラリア、イラク、ヨルダン、オマーンが相手だ。日本戦になるとプラスαの力がでる韓国よりは、オーストラリアの方がややましだし、前回当たりたくないと書いたウズベキスタンとカタールがA組になったことで、私も対戦相手は恵まれたと思う。それに、日程上も有利だという。6月の3試合で勝ち点7を取れれば、今回も最終戦を待たずに出場決定となるはずだ。宇都宮徹壱氏がコラムで書いているように、これもアジアカップで優勝した「ご褒美」(=ザッケローニの隠れたファインプレー)ということだろう。問題は初戦がぶっつけ本番となることだが、個々の選手がこれから約3か月所属チームで技量を高めることで解決できるはずだ。欧州組は時差ボケの心配がないので、この前のような事は心配しなくても良い。

今日からJ1が開幕するし、来週水曜日はオリンピック予選最終戦だ。全ての勢いを最終予選に向けて繫げていって欲しいものだ。

読了:
「官報複合体」(牧野洋)

  • 本書を読んで改めて「日本の報道は信じまい」と思う。「第4の権力」として三権をチェックすべきジャーナリズムが政府のスポークスパーソンになっている実態は深刻だ。ただ、本書は対比するアメリカの現状説明の分量が多いので、ちょっと「くどい」という印象を受けた。その点だけが残念。(評価A)
「国家の『罪と罰』」(佐藤優)
  • 「サピオ」の連載記事の時と違い、テーマ別に並べてみるといかに日本政府には戦略がないか、そのことで周辺の諸国(中国、南北朝鮮、ロシア)との交渉でどれだけ損をしているかが窺える。ちょうどロシアの大統領選直後に読んだので、これからのプーチンの出方に注目したいと思う。(評価A)
「国家の恥」(上杉隆)
  • 「一億総洗脳化の真実」というサブタイトルが示すように、3.11後の「記者クラブ」がいかにウソ・ごまかしをばら撒いてきたか、また、全く反省していないかが細かく記されている。また、世論操作とも思えるニュースの偏向報道(グルジア紛争を覆い隠すオリンピック報道)など、「官報複合体」が如何に害毒を及ぼしているかが良く分かる。(評価A)
「サイエンス入門Ⅰ」(リチャード・ムラー)
  • "Physics and technology for Future Presidents"という原題が示すように、物理・技術の最先端理論が分かり易く解説されている。前著「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」よりも理論の解説に重点が置かれているが、これも面白い。放射能、地震、津波など新聞報道に騙されないようにするためにも有効。「Ⅱ」が待ち遠しい。(評価A+)
購入:
「2日で人生が変わる『箱』の法則」(アービンジャー・インスティテュート)

2012年3月4日日曜日

最終予選への不安

ウズベキスタン戦は最後までゴールが遠かった。それどころか川島がいなかったら終盤更に失点していたかもしれないぐらい「最悪」の試合だった。欧州組は動きが悪く、連動していなかった。一方ウズベキスタンは主力を欠いていると感じさせないほどのゲームだったので、最終予選で一緒になるとやばいと思った。

9日の最終予選組み合わせでは韓国に抜かれて第二シードとなるので、日程は少し厳しくなるかもしれない。イランとは別組になるだろうが、残りの中東勢も手ごわそうだ。特にカタールは将来の開催国としての威信をかけてなりふり構わず初出場を狙ってくるだろうから、避けたいところだ。

6月に向けてだが、Aマッチが組めないし、欧州組の試合勘が「?」という中で、誰を呼ぶかが課題だ。オリンピック予選も終わっているので、清武、酒井(宏)あたりはフル代表招集が可能だし、その他のメンバーはJで調子の良い順に使うという事も考慮すべきだろう。

読了:
「眠れなくなる宇宙の話」、「ますます眠れなくなる宇宙の話」(ともに佐藤勝彦)
  • 古代から人類は宇宙というものをどう捉えてきたのかが中心の「上巻」、最新の宇宙論から地球外生命体存在の可能性を考える「下巻」。共に非常に面白かった。宇宙に関する理論や研究が加速度的に進展していることを改めて知り、日本人の貢献を誇りに思った。(評価A)
「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」(上杉隆)
  • 「記者クラブ」に守られた日本の「ジャーナリスト」は如何に世論を誘導するのか、が良く分かる。官報複合体の実態、新聞記者の質の悪さを再認識した。日本の新聞を100%信じてはいないつもりだが、その割合はこれからもっと低くしよう。(評価A)
「日本経済の真相」(高橋洋一)
  • これもある意味「官制報道」のウソを正そうという試みの1冊だ。財務省の手の内を知る著者だけに、資産を考えると財政の状況は言われるほど酷いものではないという点など説得力がある。ただ、「上げ潮政策による税収増」だけで現状の財政状況を抜本的に改善できるかは若干疑問だ。(評価A-)
「IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ」(冨山和彦、経営共創基盤)
  • ファイナンス面からの経営分析でなく、戦略面に重きが置かれている分「実践的」な経営分析本だ。事業の置かれている環境、勝ち抜くためのKFSなどをしっかり理解していくことで、より正解に近い経営分析ができるのだと納得した。(評価A+)
購入:
「会社人生は『評判』で決まる」(相原孝夫)、「戦略実行」(マーク・モーガン、レイモンド・E・レビット、ウィリアム・マレク)

その他:
デューク・ブルー・デビルズは日本時間今朝のUNC戦で敗れ、ACCレギュラーシーズンを2位で終了。これでNCAAトーナメントの第一シードはなくなったと思う。ただ、来週のトーナメントで勝つことで第二シードは確保してほしい。それにしても、もうシーズン終盤か・・・

2012年2月25日土曜日

ひとまずノルマ達成!

U22もフル代表も前回ノルマとした「勝利」はクリアした。U22では直前に大津の招集がNGとなったし、試合開始直後はピッチコンディションの悪さに順応できず、「これではマレーシア相手にまた1~2点どまりではないか?」と危惧したが、何とか4点をもぎ取ることができた。扇原と山口のセレッソコンビが良く動いたことが最大の勝因だと思う。シリアが敗れるという「嬉しい誤算」で、最終戦は引き分けでも良くなったが、バーレーンは芽が出たことでモチベーションが高いまま日本にやってくるということを忘れてはならないだろう。また、大迫が出場停止になったトップに誰を置くのかが、鍵になる。相手が守備を固めることを想定すると永井ではなく、杉本?可能なら大津や宇佐美などを招集してベストに近い布陣で臨めるよう協会(原さん)に頑張ってもらいたい。

フル代表も国内組だけでアイスランドに勝ったが、相手のスローインが一番盛り上がったことで、試合内容の乏しさが示されているように思う。ウズベキスタン戦には海外組が入るが、常連ではない乾と宮市に期待したい。こちらも万全の態勢でウズベキスタンに快勝し、3月9日の最終予選での第一シードを確実なものにして欲しい。

もうひとつ、デューク・ブルー・デビルズもフロリダ州立にリベンジし、ACCレギュラーシーズンチャンピオンへの関門をまたひとつクリアした。来週末にはホームでのUNC戦がある。J-Sportsで録画放送するので、しっかり勝って欲しいものだ。

読了:
「グーグル ネット覇者の真実」(スティーブン・レヴィ)
  • Googleに長年密着して取材した内容で、同社が覇者となるまでの軌跡が詳細に描かれている。AppleやFacebookなどにも言えることだが、こうした会社を社会が育てていくアメリカはやはり根っこでは日本と比べ物にならないくらい強靭だと思う。「妬みの文化」、「出る杭が打たれる文化」ではマスコミに叩かれてここまでには成長しなかっただろう。この差は残念ながら縮まりそうにない・・・(評価A)
「グローバルで勝てる組織をつくる7つの鍵」(後藤将史)
  • 本書で描かれているような組織の在り様は、うちのような「外資系」企業では当たり前に存在していて、問題はそうしたグローバルなプラクティスを当てはめられる日本人の人材層が薄いことにある。企業側がいくら形を整えようと、今の日本の教育制度(平均の意味が分からない大学生が多数存在するという恐ろしい記事を見た)からはグローバル人材が多く輩出できるとは思えない。発想を変えて外国人人材を集めるというのであれば話は別だが・・・(評価A-)
「レーガン」(村田晃嗣)
  • 共和党のニュート・ギングリッジ氏が大統領選のCFでレーガンとの関係をアピールしたところ、対立候補から「レーガンは回顧録で2回しか言及していない」といった趣旨の反撃を受けたとニュースで見た。本書を読むとレーガンが如何に人々の心を掴んだのかが良く分かる。ブッシュ親子との関係をはじめ共和党内の人間関係が面白かった。(評価A)
「成熟社会の経済学」(小野善康)
  • 著者は菅政権の経済ブレーンと紹介されていたが、本書を読むと、前政権の経済音痴は必然だったとさえ思う。成熟社会では既存の経済理論と違うことが起きるというのが著者の主張だが、増税で経済成長などというのは「トンデモ経済学」と言われても仕方ないのではないだろうか。今の日本経済の問題点は基本的な経済学に逆らって財政・金融政策を行っているからではないだろうか?日銀が1%の「インフレターゲット」をセットした途端に円が80円台まで戻ったということを著者はどのように説明するのか?(評価C)
購入:
「国家の恥」(上杉隆)、「日本経済の真相」(高橋洋一)、「IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ」(冨山和彦 経営共創基盤)

2012年2月19日日曜日

今週はU22マレーシア戦&フル代表アイスランド戦

U22のマレーシア戦に大津が参戦できるようだ。清武、山崎、山田と攻撃陣に故障者が出ているので、原口とともに大きな役割が期待される。セントラルMFでは扇原を使うことでセットプレーを生かせるかがカギだろう。2位の日本には大量得点での勝利あるのみ。

FIFAのランクが30位に下がったことで、2月の2試合(アイスランド戦とウズベキスタン戦)の持つ意味が変わった。特に今年初戦のアイスランド戦は勝利がMUSTになった。サンガの久保やアントラーズの柴崎といった若手を招集したことが話題になっているが、24日は手堅く結果を残してほしい。ウズベキスタン戦は相手の主力5人が出場停止ということなので、こちらも海外組をきちんと使ってグループ1位を掴まなければならない。たとえ本田、香川がいなくても勝利は最低限の目標だ。そのウズベク戦には宮市が呼ばれたようだ。FAカップで結果を出したので、その勢いでスーパーサブとしての役割を期待したい。

読了:
「君臨する企業の『6つの法則』」(マイケル・A・クスマノ)
  • 主として自動車産業とソフトウェア産業の研究をしてきた著者がStaying Power(原題)のために必要な「法則」を上げている。プラットフォームの重視、戦略とケイパビリティの重視、「柔軟性」の重視などは自動車やソフトウェアだけにとどまらず、汎用的な法則だと思う。日本企業についての考察がしっかりしているのも好印象。(評価A)
「プロフェッショナルの働き方」(高橋俊介)
  • ピラミッド組織を年功序列に従い上っていくというキャリアモデルが崩壊していく中、プロフェッショナルとしてどう自らを成長させるべきかが、内外の企業の働き方をモデルに説かれている。ここにあげられている10の条件は、かなりハードルが高いものである。こうしたことを組織のリーダーが意識しなければ、部下をプロフェッショナル化することは不可能だろう。その意味ではむしろリーダーがしっかり読むべき本のように思う。(評価A)
「ブーメラン」(マイケル・ルイス)
  • 「世紀の空売り」の続編といった感じだが、描かれている危機が未だ進行中であるため、読了後のインパクトはこちらの方がはるかに大きい。最終章のカリフォルニアの悲惨な状況を見ると、「明日は我が身」だと思う。”増税”と聞くとすぐに拒否反応を起こすこの国の民はあまりギリシャと変わらないのではないか?グローバルな世の中だからこそ、欧州危機から賢く学びたいと思う。(評価A)
「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」(Ⅰ、Ⅱ)(リチャード・ムラー)
  • ワールド・トレード・センターが崩壊した理由、炭疽菌テロの状況、チェルノブイリ(そして福島第一原発)における炉心溶融の様子。これらのことが極めて分かり易く説かれている。また、地球温暖化に関する様々な誤解と対策の実現可能性なども良く分かった。一般人向けの科学入門書としては最高の本と言っても過言ではないと思う。非常にためになった。(評価A+)
「アメリカ最優秀教師が教える 相対論&量子論」(スティーヴン・L・マンリー)
  • 多くのイラストを使い、分かり易く説明しようと試みているとは思うが、相対論についても量子論についても中途半端な内容になっているように思う。意外に分かりづらかったというのが正直な感想。もう少し期待していたので残念。(評価B)
購入:
「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」(上杉隆)、「眠れなくなる宇宙の話」(佐藤勝彦)、「ますます眠れなくなる宇宙の話}(佐藤勝彦)


2012年2月12日日曜日

Duke UNCに劇的勝利

デューク大学ブルー・デビルズ バスケットボールチームが劇的な3ポイントシュートで宿敵UNC(ノースカロライナ大学)ターヒールズにアウェーで勝った。Dukeはその前にマイアミ大にまさかの敗戦を喫していたので、この試合を落とすとACCリーグ戦の優勝が消滅するというぐらい追い詰められていた。この試合も終了2分15秒前時点では82対72と10点差をつけられていたので、そこからの大逆転勝利(最後は1年生オースティン・リバースのブザー・ビーターが決まり85対84)は、YouTubeで映像を見ただけで鳥肌ものだった。まだ、UNCとのリマッチ@キャメロンやアウェーでのフロリダ州立大との対戦があり、気を抜けないが、チームがあの試合でまとまると思うので、いい結果を期待したい。

U22がシリアに負けて、グループ2位に後退した。アテネ、北京、ロンドンと3大会連続で「予選4戦目で敗戦し、2位に後退」という結果になった。ただ、これまでと比較すると今回の方が深刻のように思われる。シリアが残り2試合に負けるというのは期待できないし、マレーシアとの最終戦は、仮に日本戦と同様にホームでできなくても、日本戦の結果を踏まえて戦える。加えて日本は海外組の招集が難しいし、Jリーグ各チームも開幕直前・直後の招集には抵抗するだろう。「2軍」と悪口を言われてもアジア大会を制した時のように、「奇跡」を起こせるか、見守りたい。

バルサはオサスナに負けて、リーグ4連覇の可能性は限りなくゼロになった。アウェーで勝てないバルサには金子達仁氏が金曜夜の「Foot」で語ったように、「終わりの始まり」が来たのだろうか・・・

読了:
「略奪大国」(ジェームス・スキナー)
  • アメリカ人だから書けた本ではないか、というのが結論。政府の役割を過小評価しているところもあるかもしれないが、資本主義経済においては「より高いリターンを生むところにしか投資してはいけない」のが当然の帰結であり、そのことからすると日本政府が今のような「社会主義」を続ける限り発展はありえない。(評価A)
「円高の正体」(安達誠司)
  • 為替相場のメカニズムを易しく解説し、現状の円高の問題点を明らかにして、事態を好転させるためには最低28.8兆円のマネタリーバース拡大が必要であることを論理的に明らかにしている。「世界の最先端をいっている」らしい日本銀行はFRBが事実上インフレターゲットを置いたことを「時代遅れ」とするのだろうか?It's Economy, Stupid!と言いたくなる。(評価A)
「突き抜ける人材」(波頭亮、茂木健一郎)
  • 人材面から日本が世界に取り残されている状況を憂う著者2人は、スティーブ・ジョブズの”Stay Hungry. Stay Foolish."の意味するところを彼らなりに明らかにし、「突き抜ける人材」輩出に自ら乗り出そうとしている。同年代の自分としては是非応援したい取組だ。読んでいて意外だったのは、民主党政権、および小沢一郎氏に対する評価の高さだ。(評価A)
「WHYから始めよ!」(サイモン・シネック)
  • WHYを中心にWHATとHOWが周囲を囲む「ゴールデン・サークル」について、コンセプトは理解するが、使われている事例のすべてが本当にWhyから始めているかは若干疑問だった。スティーブ・ジョブズやサム・ウォルトンは確かにWhyをクリアに説明できそうだが、実際のところではWhatが先でWhyを後付していても、ストーリーさえ綺麗であれば成功できるように思う。(評価B)
購入:
「官報複合体」(牧野洋)、「グローバルで勝てる組織うをつくる7つの鍵」(後藤将史)、「レーガン」(村田晃嗣)、「成熟社会の経済学」(小野善康)

2012年2月4日土曜日

麒麟の翼/移籍市場閉まる・・・


先週の土曜日に映画「麒麟の翼」を見たり、TV(「ゴチになります)で「たいめいけん」が紹介されたりしたので、久々に日本橋に行った。思えば30年前、最初に配属されたのも、奥さんと初めて会ったのも日本橋だった。そのビルが近く取り壊されるので、その前に見ることができて良かった。
小説を読むまでは日本橋に麒麟像があり、しかも翼があるなんて知らなかった。行ってみると、流石に「旬」のスポットらしく、多くの人が立ち止まって写真を撮っていた。また、「たいめいけん」ではお客さんがあちこちで「ゴチ」の話をしているのが面白かった。

欧州の移籍市場が閉まり、結局本田の移籍は実現しなかった。宮市はボルトンで出場機会が増えそうなので「○」、宇佐美は完全移籍ならず「☓」、家長は「微妙」というところか。阿部、伊野波は帰国が正解のようだ。いくつかのケースで結局国内残留という結論が出たように、今後もしばらくは経済危機の影響でヨーロッパのリーグへの移籍は厳しい状況になると思う。昨年のような「海外組誕生ラッシュ」は収束するだろう。

読了:
"Great by Choice" (Jim Collins, Morton T. Hansen)
  • "How the Mighty Fall" が日本では「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の5段階」となっているが、研究の手法からはこちらの方が「3」に相応しい。長期にわたる繁栄を成し遂げた企業は「ウサギとカメ」で言えば「カメ」のように身の丈にあった着実な成長をしていること、ディシプリンの重要性など当たり前と思えることをやれる企業しかGreatになれないということが、今更ながら確認できる。 10XerとかSMaCとか本書でも流行りそうなBuzz wordsがあった。(評価A)
「動的平衡2」(福岡伸一)
  • TVのコメンテータとしての著者は、はっきり言って「嫌い」だが、この本は前著同様非常に面白かった。科学(生物学)の最前線がどのようなものかが分かり易く語られている。「利己的な遺伝子」を読んだ直後だったので、「エピジェネティックス」の話などがすんなり入ってきた。(評価A)
「PLUS 世界がわかる」(日本経済新聞社 編)
  • 冒頭の山内昌之氏によるリーダー論が良い。3部作の最後ということで、連載ものが中途半端な形で終わる印象はあるが、このシリーズは「プレミアシリーズ」のPR本として大成功だったのではないか?山崎将司氏の小説といった「意表を突いた」点も買える。(評価A)
「十字軍物語3」(塩野七生)
  • 11世紀末から2世紀に及ぶ十字軍のストーリーが完結した。この間で宗教(法王)と政治(皇帝)との力関係が逆転するという結果は法王庁にとっては極めて皮肉なものだったに違いない。また、本書を読むと、現状の中東問題も更に良く理解できるように思える。もうひとつ言うと、やはり国が如何に繁栄するかは今も昔もリーダー次第ということなのだろう。今は間接的にせよリーダーを選べるだけましなのかもしれない!?(3冊総合で評価A+)
購入:
「ブーメラン」(マイケル・ルイス)、「アメリカ最優秀教師が教える 相対論&量子論」(スティーヴン・L・マンニー)、「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」(Ⅰ、Ⅱ))(リチャード・ムラー)

2012年1月29日日曜日

マツ追悼試合/移籍期限間近/バルサ異変?

先週日曜日の松田直樹追悼試合は、「日本サッカー・Jリーグの90年代半ば以降のレジェンド」が総出演という感じで、試合内容も良かった。体型が変わった選手、「この日のために」と体を作ってきた選手、皆技術は衰えていなかったと思う。このメンバーなら「客を呼べる」興業ができるので、今後もチャリティマッチなどで集まったら良いのではないか?それにしてもカズの存在感は別格だなと改めて思う。

冬の移籍期限が迫っているが、本田のラツィオ移籍は実現するのだろうか?長谷部は前節ベンチ外で移籍の噂が流れた。昨日は先発していたが、果たしてどうなるのか?その他にも家長や宮市などの動きはあるのか???日本サッカーの将来を考えるならば、どこに行くにしても出場機会が増えるような「良い」移籍になって欲しいものだ。

今朝(昨夜)もバルサはスコアレスドロー。いよいよリーガ制覇は赤信号だ。去年までと異なりとにかくアウェーで勝ちきれない。怪我人が続出している現状で過密スケジュールすべてをこなすのは容易ではない。国王杯とチャンピオンズ・リーグを優先するのが現実的になったのではないか?ペップはどう考えるのか?

読了:
"Think Again" (Sydney Finkelstein, Jo Whitehead, Andrew Campbell)
  • 「名経営者が、なぜ失敗するのか?」の著者フィンケルシュタインと「成長への賭け」の共著者キャンベルが組んで、様々な角度から、マネジャーの判断に独断・好みや過去の経験などがいかに作用し、往々にして誤った判断に陥れるかが解説されている。”Decision Trap"という本があるが、それよりも経営者に関わるレッスンが多いように思う。山本五十六が何故ミッドウェーに固執したかといった事例も興味深かった。学ぶところの多い本だった。(評価A+)
「ユーロ危機と超円高恐慌」(岩田規久男)
  • 「リフレ論者」の立場から、現状の危機と円高のメカニズムを説き、日銀の政策を批判している。ちょうど先週FRBがインフレ目標2%を掲げ、2014年までの政策継続を発表したのを目にすると、著者らの考え方は「通説」に近いのではないかと思う。果たして日銀はどう動く(動かない)か?(評価A)
購入:
「君臨する企業の『6つの法則』」(マイケル・A・クスマノ)、「WHYから始めよ」(サイモン・シネック)、「PLUS世界がわかる」(日本経済新聞社 編)、「円高の正体」(安達誠司)、「プロフェッショナルの働き方」(高橋俊介)、「突き抜ける人材」(波頭亮、茂木健一郎)

2012年1月21日土曜日

海外で成功する条件とは?

全豪オープンテニスで錦織圭が80年ぶりに4回戦に進出した。去年後半の勢いがあればツォンガを破ることも夢ではない。今年一年でどこまでランキングを上げられるか楽しみだ。また、今日はダルビッシュのテキサス・レンジャーズ入団会見があった。球団社長がノーラン・ライアンということなので、ピッチャーの気持ちを理解してもらえれば大活躍は間違いない。

一方、サッカー選手については所謂「欧州組」の多くが壁にぶち当たり、帰国する選手も増えてきた。1年目はそこそこ通用するが、2年目に伸び悩むという共通点があるように見える。Jは春秋制なので、欧州リーグの開幕時には既にトップコンディションで働けるから移籍1年目はOK。そこで安心してしまうのではないか?また、いきなりトップクラスのリーグに背伸びして行った選手がNGとなるケースも多い。このあたりは選手だけでなく、代理人もしっかり考える時期に来ているように思う。

読了:
「ハーバード流 ボス養成講座」(リンダ・A・ヒル、ケント・ラインバック)
  • マネジャーは自分・人脈・チームのすべてをマネジメントする必要がある。本書のセルフアセスメントを利用することで、自分の現在地点や開発すべき分野を意識できるのが良い。部下のマネジャーに是非読ませたい。(評価A+)
「ブラック・スワン降臨」(手嶋龍一)
  • 9.11をなぜ防げなかったのか、から始まって、トモダチ作戦やオサマ・ビン・ラディン殺害まで、この10年余りの大事件の裏にあるインテリジェンスの世界を面白く読むことができる1冊。アメリカも褒められたものではないが、それ以上に日本のインテリジェンスのお粗末さが明らかになる。また、政治リーダーの違いも際立つ。(評価A)
「心を上手に透視する方法」(トルステン・ハーフェナー)
  • 「マインド・リーディング」の本だが、仕事上活用できる点が思いのほか多かった。リーダー・マネジャーには、ここに書かれていることを理解し、表情・態度をうまく生かしてメッセージを伝えるための演技力も求められるのだと思う。酒の席でみんなを驚かすような技も習得しようかな。(評価A-)
購入:
「グーグル ネット覇者の真実」(スティーブン・レヴィ)、「略奪大国」(ジェームス・スキナー)、「ユーロ危機と超円高恐慌」(岩田規久男)、"Great by Choice" (Jim Collins, Morten T. Hansen)

2012年1月14日土曜日

FIFAバロンドール

今週も風邪がなかなか抜けず大変な1週間だった。ようやく90%回復というところだ。

FIFAの女子年間最優秀選手に澤、最優秀監督に佐々木氏が選ばれたのは期待していたが、やはり嬉しかった。年初から佐々木監督のインタビュー(TVおよび記事)を読んでいると、しっかり中期的な戦略も考えていることが窺えて頼もしかった。W杯は優勝したが、イングランドに敗れ、アメリカとも「引き分け」だったことを忘れてはいけない。日本のマスコミは「世界1」とはやし立てるが、実際には世界ランクがようやく3位になっただけ、まだまだチャンピオンではなく挑戦者なのだ。一過性のブームに踊らされることなく、オリンピックでも「後につながる」結果(=メダル獲得)を残してくれることを期待する。

デューク・ブルー・デビルズはACCリーグを連勝でスタートした。ガード陣がもっと点を稼げるようになるとNCAAでも期待できるのだが・・・

読了:
「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス)
  • 思い返すと、この本を最初に薦められたのは前の会社の社長からだった。人間も純粋に生物として見ると、全く異なる景色が見えるという事や、ゲーム理論がこのような分野でも活用されているのだという事を改めて知った。世界的なロングセラーとなるだけの1冊と納得。でも難しかった。(評価A-)
「多様性とイノベーション」(デヴィッド・スターク)
  • スタートアップ企業や証券会社のディーリングチームを観察するところから、組織の多様性がイノベーションを生みやすい環境を作るという結論に至るのだが、正直なところ良く分からなかった。日本においてはどうなのだろうか?と思うばかりだった。(評価B)
「ニッポン この20年」(日本経済新聞社 編)
  • 「失われた20年」から何を学ぶのかというのがテーマ。野田政権になって、ようやく少しまともな方向に進もうという気配が見えてきたが、中途半端で終わった改革を完遂できるところまで行くのだろうか?政争で失われた歳月はあまりに大きい、と改めて思う。(評価A)
「志を育てる」(グロービス経営大学院 編)
  • 志なくして「やりがい」なし。やりがいのないところから良い仕事は生まれない。特に上に立つ者は心しなければならないと思う。自分自身振り返り、ここで取り上げられたケースのように自問自答しただろうか?サイクルを繰り返し、スパイラルを上るようにより高い志を持っているだろうか?と考えた。(評価B+)
購入:
「心を上手に透視する方法」(トルステン・ハーフェナー)

2012年1月7日土曜日

2012年は風邪でスタート

暮から風邪をひいて、いまだに咳が出る。今日も予定を変更して一日家で過ごした。

天皇杯はFC東京が優勝。そこに今年は渡邉と長谷川がF.マリノスから移籍することが決まった。レイソルのようにJ1でも台風の眼になるだろう。さてF.マリノスはどうやらマルキーニョスが復帰するようだが、大黒や小野とキャラが被っているように思われてならない。HPの社長あいさつを見ると観客数増加を図るとしているが、その割には動きが地味だ。現時点では今年はACLを狙うどころではなく、降格争いに絡むのを如何に防ぐかが現実的な姿としか見えてこない・・・何か次の手はあるのだろうか????

読了:
「3-4-3」(杉山茂樹)
  • FCWCでのバルセロナを見るといかに3バックで攻撃的が理解できた。その上でこの本を読んだので、日本代表が1日も早くオプションとしての3-4-3をマスターしてほしいと思った。同時に、日本のシステムに対する認識がいかに遅れているか、ここでも「ガラパゴス化」が進行していたことに驚いた。(評価A)
「PLUS日本経済がわかる」(日本経済新聞出版社 編)
  • 日経プレミアシリーズのPR本という位置づけに見えるが、内容は濃かったと思う。伊藤元重教授の3つの論点(日本を外に開く、長期に持続できる仕組みを作る、マーケット・メカニズムを徹底活用する)が政治の停滞で実現できなくなることを心配する。(評価A)
「PLUS会社がわかる」(日本経済新聞出版社 編)
  • PLUSの第二弾。野中郁次郎教授の話は"Managing Flow"などの抜粋だが、分かり易くまとまっている。「会社が道を誤るとき」の九州電力の話を読んで、F.マリノスの社長の行動(コミットメント未達成、「周りに説得された」と辞意撤回)は日本企業特有の「悪しき風習」の現れだと思った。(評価A)
「エスケープ・ベロシティ」(ジェフリー・ムーア)
  • 「キャズム」、「トルネード経営」などで知られる著者の最新作。ただ、読んでいると「イノベーションのジレンマ」、「ブルーオーシャン戦略」などと被る考えのように思われた。5つの力(カテゴリー力、企業力、市場力、製品力、実行力)の階層付も訳語のせいかしっくりこなかった。内容もどちらかというと戦術面に重きが置かれているようで、少し物足りなさを感じた。(評価B+)
購入:
「ハーバード流ボス養成講座」(リンダ・A・ヒル、ケント・ラインバック)、「ブラック・スワン降臨」(手嶋龍一)