2009年5月24日日曜日

旅行準備

今週後半からの旅行に備え、衣装など購入した。忙しい旅にはなりそうだが、13年ぶりのロンドン、28年ぶりのフランスなので楽しみだ。
マリノスはジェフに何とか引き分け。1ヵ月後俊輔が加わるとしても、今のままでは厳しそう。何か同じタイプの選手ばかりで攻撃パターンに多様性が感じられなかった。
バルサは水曜日に備えているのだろうが、ホームでの敗戦はあまり良い流れではないだろう。客観的にはマンUの方が有利だ。(出場停止メンバーについて見たとしても、アウベス、アビダルがNGのバルサはフレッチャー一人のユナイテッドより厳しい。)

先週の読了:
「ソフトパワー」(ジョセフ・ナイ)
  • 結局駐日大使には任命されなかった著者だが、オバマ政権でのソフトパワーの位置づけは確実に強まるのではないか。結局のところ好き嫌いが判断の基準になりやすいのは経営だろうが、政治だろうが変わらないのでないか。アメリカの前政権はその点を見誤ってアフガンもイラクも結局「解決」できなかった。ハードとソフトの組み合わせは益々有効になるだろう。翻って考えると我が国の政府のソフトパワーの無さはもっと深刻。北朝鮮政策に関する国連での動きを見るといつも歯がゆい。いつになったら世界で経済力に相応しい発言力を持てるのか?
「サバイバル脳」(河合太介)
  • コンサルタントの描く実践的「ビジネス勝負脳の鍛え方」といった本。①対人関係脳②学び脳③発想脳④時間脳⑤情報脳⑥実践脳⑦お金脳の七つを鍛えてビジネスライフを充実させようというのが趣旨。印象に残った「物語力の有効性」は「ソフトパワー」向上にも通じるところがある。忙しいからこそ考える時間を作るというのは「レバレッジ経営術」そのもの。実行できるかどうかが経営者・リーダーの評価ということなのだろう。

「ビジネス三国志」(石井淳蔵ほか)

  • プレジデント誌に掲載していた頃はざっとしか読まなかったが、改めて纏めて読んでみると、三国志云々とは関係なく、マーケティング戦略はどのように構築すべきかという観点で参考になった。所謂「漁夫の利」というのは実際のビジネスの世界では難しく、むしろ「ブルーオーシャン戦略」とか「イノベーションへの解(実践編)」で描かれていたように、市場・顧客をどのように定義しなおし、新たなバリュープロポジションをもたらせるかが勝負のように思われる。Wiiにしてもプレミアムモルツにしても考え方は同様だろう。もう一つの示唆は勝負は一度きりではないということ。ルールは何度でも書き換えられる。マーケット・市場を再定義することが出来れば敗者復活・一発大逆転のチャンスも存在するということだ。

「凡才の集団は孤高の天才に勝る」(キース・ソーヤー)

「天才」(マルコム・グラッドウェル)

  • 正反対の本のようだが、どちらも結局は「努力に勝る天才なし」という結論になっているのではないか。前者は努力の単位が「集団」であり、後者は「個人」という違いのように思われる。前者で面白かったのは、ダーウィンの進化論やモールス信号の発明、ライト兄弟の業績などが単純にその人たちだけで成し得たものではなく、先達たちの業績の上に乗っかっているという記述。「集団」は時空を超えていても良いのだろう。後者ではジュニアのアイスホッケー代表について「早生まれ」がほとんどいないという話(長嶋茂雄や桑田真澄など早生まれのスターはそれだけ「天才」なのだろう。)や、文化が如何に人間の思考パターンや性格に影響を及ぼすかと言う話が面白かった。また、累計1万時間の練習時間に如何に早く到達するかがポイントという話は、先日見たテレビで、車椅子テニスプロの国枝氏が苦手なショットを1万本打って身に付けるという点と共通しているように思う。やはり「努力に勝る天才なし」だ。

購入:

「リーダーシップ(アメリカ海軍士官候補生読本)新装版」(武田文男、野中郁次郎 共訳)、「ピタゴラス流経営術」(加藤廣)、「ゲームの変革者」(A.Gラフリー、ラム・チャラン)

2009年5月17日日曜日

バルサ2冠達成

レアルが敗れたので明日(日本時間)のマジョルカ戦を待たずにリーガ優勝が決まった。クラシコ大敗後のレアルは「目標を失う事で組織のモチベーション・モラール(やる気)がどれほど影響を受けるか」を示す良いサンプルだと思う。昨夜はマンUも優勝を決めたので、両雄ともローマに向けての障害がクリアされた。良い試合になると思う。一方マリノスは北斗の1発で開幕以来のホーム敗戦。いつになると安定するのだろう?中断期間で若手がどれだけ成長するかが鍵。

昨日から新型インフルエンザの感染拡大で持ちきりだ。言い分はあるのだろうが、「季節性インフルエンザ」と決め付けて対応が後手になった学校は「脇が甘かった」と言わざるを得ない。(USでもNYの高校から始まっていたのだから・・・)明日からはマスクしていこう!

先週の読了:
「ザ・チェンジ」(門田由貴子)
  • 「甦る組織」同様ファシリテータの活動により企業を活性化するというテーマの一冊。こちらの方が中堅企業にも当てはまるより実践的なノウハウを提供していると感じた。偶々先週月曜に某食品メーカーの人と飲んで、彼の苦労を聞くと、この本が取り上げているような「内輪の論理に凝り固まって思考停止になっている企業」が多いのだろうと考えた。うちの現場も同じ、というかなまじホワイトカラーなのでもっと危ないと今更自覚。

「グローバル資本主義の未来」(NHK)

  • 米・露・中国の現地取材を通じ、現状が「どこまで落ち込んでいるか」に焦点を当てた番組の「再現本」。未来がどうなるのかについては「?」このあたりがNHKの限界ではないか。最後の大田弘子氏による分析というか問題提起だけの本と思う。

「ビジネス・インサイト」(石井淳蔵)

  • 経営・とりわけマーケティングにおけるインサイトの重要性と、如何にインサイトを生み出すかについて述べられている。新書という限界のためかどちらつかずの印象は否めないが、ポランニーのTacit Knowing (Knowledgeでない)に関する解説や、ケーススタディの有効性などについては頷ける所が多かった。マーケティングをはじめ経営課題に取り組み、解決していくためには「引き出し」(フレームワーク・経験等々)を如何にたくさん持っているかが重要だと思う。それがインサイトに繋がるのだろう。

「コークの味は国ごとに違うべきか」(パンカジ・ゲマワット)

  • このタイトルだと「トンでも本」に分類されてしまいそうだが、グローバル経営戦略論としては内容の濃い一冊。「フラット化する世界」に対し、そんな簡単な割り切りはできないよと「待った」をかけている。取り上げられている事例からは、セミ・グローバリゼーションとは「グローバル化できる機能とローカライズすべき機能をきちんと見極めること。徒に統合のみ追求しないこと」というある意味当たり前のコンセプトとも言える。ただ、そのために何を整理し、どう戦略を構築するかという点まで言及されているので、経営企画・事業企画の担当は必読だろう。返す返すもタイトルが「もったいない」。

購入:

「凡才の集団は孤高の天才に勝る」(キース・ソーヤー)、「天才」(マルコム・グラッドウェル)、「世界経済はこう変わる」(神谷秀樹・小幡績)

2009年5月10日日曜日

いつもの週末復活

GWが終わり、「いつもの」日曜日が戻ってきた。今朝はレアルが惨敗し、バルサに王手がかかった。昨日はマリノスがアウェー初勝利。大分には申し訳なかったが、勝てる相手に取りこぼすようではダメだ。

読了:
「グローバルリーダーの条件」(大前研一、船川淳志)
  • 「知の衰退からいかに脱出するか」リーダー版といった趣の本。日本がこれまでリーダー育成を怠ってきたつけが回っているのは企業だけではない!政治、官界、学界全てがガラパゴス化している。エピソードに出てくるが、「ビジョナリーカンパニー」を読んだことがないのは日本人マネジャーだけ、というのが典型だろう。ともすると現場主義が横行して、理論を馬鹿にしがちなのが日本人マネジャー。しかし、ロジカルでない自分勝手な考えでこれからの経済を乗り切ることは絶対に不可能だ。いつになったら「日本特殊論」を止められるのか?せめて自分はそういう狭隘な思考に陥らないよう改めて心がけたい。

「ファシリテーター 甦る組織」(芦崎治)
  • ありがちなビジネス小説ではあるが、きちんと理論的なまとめもあり、部下に読ませたいと思う1冊。ここに描かれている企業は当に典型的な日本企業。実際にはこんなに簡単に考えが変わるとは思えないが、うちの職場も何とか3割の変革容認層を見極めてリードしていこうと決意した。

購入:

「ソフトパワー」(J.ナイ)、「ビジネス三国志」(石井淳蔵ほか)

2009年5月6日水曜日

GW終了

今日で5連休終了。中盤までに映画2本を見て、後半は家でゆっくりできた。「バーン・アフター・リーディング」はコーエン兄弟作品らしく、お馬鹿ではあるが、政府への皮肉たっぷりの1本、「スラムドッグ$ミリオネア」は流石オスカー受賞作という見事なお手並みだった。どちらも正解。今月後半からは「天使と悪魔」、「T4」、「トランスフォーマーリベンジ」などこれも楽しみなラインアップがそろう。益々週末が忙しくなりそう。

読了:
「レッドゾーン」(上・下)(真山仁)
  • 「ハゲタカ」シリーズ最新作。相変わらずタイムリーなテーマをテンポ良くまとめた作品で、個人的には「バイアウト」より好きかも。ソース会社のM&A防衛策に関する判決、ソブリン・ウェルス・ファンドやUSの自動車産業救済策等への批判的な見解は合意できるものであり、如何に「神の見えざる手」からほど遠い市場になっているか考えた。毎度ではあるが、単に「日本的な資本主義礼賛」にならないのが本シリーズのいい所で、NHKがドラマ化しても描けなかったところだと思う。ただ、今回芝野の役回りは「?」(映画化が決まっているので、柴田恭平に何らかの役割を与えたかったとしか思えない。)また、アランの死の真相究明は余計だった。さて、ハゲタカは次に何を狙うのか?

購入:

「サバイバル脳」(河合太介)

その他:

心配したクラシコはバルサの圧勝。如何にバルサが現在のリーガで頭抜けた存在かが証明されたのではないか。明日朝のチェルシー戦も圧倒して、マンUとの決勝を見たい。

2009年5月2日土曜日

GW初日

昨夜テニスの振り替えレッスンがあったので、筋肉痛のGWスタート。朝「昭和史」を読みきり、O/Lで旅行代金を処理、昼は奥様の買い物にお付き合いで、夜は久々モンスーンカフェで食事。それなりに充実していたと思う。マリノスは連勝で一桁順位まで上がってきた。勢いが出てきたと思うので、このまま負けずにいって欲しい。

今週の読了:
「リーダーシップ行動の源泉」(ケン・ブランチャードほか)
  • 著者のSituational Leadership論がどう展開されるか期待したのだが、見事に「肩透かし」を喰らった気持ち。DISCの診断は他所でやってという感じなので、自分はどうするかという観点では何のプラスにもならない。せめてURLくらいReferされていてもよさそうに思う。

「なぜ世界は不況に陥ったのか」(池尾和人、池田信夫)

  • 経済危機解説本ではあるが、過去30年ほどを3つの周期に分け、今回の危機はそうした歴史の結果と分析しているところが良い。面白かったのは現在の日本の大学(学部レベル)で教えられているマクロ経済学に対する批判。これがそのまま所謂「リフレ」派に対する批判になっていた。水曜日には思わず本屋で最近のマクロ経済学のテキストを見てしまった。また、単純な投資銀行=悪という図式にも組していないことも評価したい。

「ビジネスで失敗する人の10の法則」(ドナルドR.キーオ)

  • コカコーラ元COOの実践的なビジネス論。後でコメントする「マネジメント・バイブル」とは「成功した経営者によるビジネス書」という共通点はあるが、本書の切り口はリーダーシップ重視。リスクに対する恐れ、裸の王様となること、コンプライアンス軽視など当たり前ではあるが重要なポイントが整理されている。自らの失敗(ニューコーク発売など)にも触れている(ただし、結果オーライ的な切り口であるのは残念)。

「マネジメント・バイブル」(ヘルムート・マウハー)

  • こちらはネスレ元CEOの著書。切り口は異なるが、トップが考えなくてはならない項目を機能別に整理している。

「昭和史」(半藤一利)

  • 昭和初期から終戦までの日本史がよくわかる1冊。この人は「海軍礼賛」の傾向があると思っていたが、案外海軍の愚行もきちんと述べられていた。日本人は本当に歴史に学んでいるのか自問させられる。郵政選挙の投票行動など、戦争に自ら追い込んでいった戦前の世論形成とどこが違うのか?知的衰退一方のこの国の将来が益々心配になった。

購入:

「レッドゾーン」(真山仁)、「よみがえる組織」(芦崎治)、「ザ・チェンジ」(門田由貴子)、「ビジネス・インサイト」(石井淳蔵)

その他:

明日朝はクラシコ。ここのところ結果が出ていないバルサは、チェルシーとのセカンドレグに良い流れを作れるか興味深いところだ。