2011年12月30日金曜日

F.マリノス:責任の所在はどこに?

昨日の天皇杯準決勝。後半アディショナル・タイムに追いついたF.マリノスが延長で決勝点、というシナリオを思い描いていたのだが、カウンターから2点取られて万事休す。ACLの夢は完全消滅した。俊輔が目覚めた一瞬とパワープレーでしかチャンスが作れない試合内容では「ACL出場は早すぎる」とサッカーの神様が判断したのだろう。J2同志の決勝を招いた責任は重い・・・という内容を考えていたら、今日になって監督解任という話になった。確か社長が「ACL出場を逃したら辞任する」と言っていたはずと各紙のWebを見ていたら、役員報酬50%カットで続投だという。おそらくサポーターは納得しないだろうし、いずれ近い将来社長交代とならざるを得ないと思う。

そもそも、昨シーズン末に松田をはじめとする主力の多くが流出し、外国人を含む十分な補強も予算の都合でできずにいた中で、「今シーズンACL出場圏内を目指す」という目標を設定した事に無理がなかったかを考えるべきではないか?「そのように言わなければサポーターの納得を得られなかった」などと考えているとしたら経営者失格だ。和司監督が与えられた戦力の中で、守り重視の「アンチサッカー」を選択し、最終盤まで上位に食い込んだことはそれなりに評価されるべきだろう。問題はフロント、チーム経営トップが負うべきだ。今後の動きを注視したい。

読了:
「クラウド『超』仕事法」(野口悠紀雄)
  • スマートフォンが仕事環境を大きく変えたことが良く理解できた。超整理手帳のPR部分が多かったのは残念だが、やはりスマホ購入しなければと考えた。パスワードや薬の保存方法はさっそくやってみようと思う。(評価A-)
「伝える力2」(池上彰)
  • 仕事上、部下へのニュースレターを出すことがあり、どうしたら理解してもらえるだろうかという課題に直面する身としては、わが意を得たりと思うところもあり、また参考にしなければならないと考えさせられるところもあった。基本は「自分が理解していること以上は伝えられない」というシンプルなことなのだろう。(評価A-)
「伸びる会社には理想のリーダーがいる」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 過去の著作からリーダーシップに関する「名言」をピックアップした内容。失敗から学ぶという点が繰り返されるあたり、実践的だし、ある意味アメリカ的。MISTAKESやTRUSTの分解などどこかに記録して意識しようと思う。いつもながら、この著者の本の読了後はやる気がでてくる。(評価A)
購入:
"Think Again" (Sydney Finkelstein)、「Plus 会社が分かる」(日本経済新聞社出版局編)、「3-4-3」(杉山茂樹)

その他
年末なので、今年も「今年読んだ本のベスト10」を記録したい。震災を受けて、益々「この国の形」を考えた1年になった。ベスト10にも単純な経営書でなく、今後の日本をどうするのか、特に戦後の政財官の在り様をどう変革していくのかを説く本が多く入った。(順位:読んだ順)
  1. 「戦略と実行」(清水勝彦)
  2. 「本物のリーダーとは何か」(ウォレン・ベニス)
  3. 「日本中枢の崩壊」(古賀茂明)
  4. 「日本の未来について話そう」(マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集)
  5. 「資本主義と自由」(ミルトン・フリードマン)
  6. 「どうする?日本企業」(三品和弘)
  7. 「経済成長は不可能なのか」(盛山和夫)
  8. 「新自由主義の復権」(八代尚宏)
  9. 「下町ロケット」(池井戸潤)
  10. 「決断できない日本」(ケビン・メア)



2011年12月24日土曜日

FCWC、天皇杯準々決勝

FIFAクラブワールドカップ(FCWC)はバルサの強さを印象付けた。サントスは何もできずバルサの「ゼロトップ」に翻弄された形だった。ビジャが怪我をして、アレクシス・サンチェスも不十分ということから取られた「緊急避難」だったと思うが、結果としては完璧と言って良いだろう。今後リーガでもこのフォーメーションが採用されるかもしれないと思った。大会MVPはメッシだったが、決勝を見て改めてこのチームにおけるシャビの重要性を認識した。1点目につながるトラップや2点目の素早いシュートなどは「すごい」の一言しかなかった。リーガ後半でレアルを捉えられるのか、ますます注目だ。

今日は天皇杯準々決勝。F.マリノスはグランパスにPK戦で勝利。日程的にも恵まれたし、相手にケネディ・闘莉王たちがいなかったこともプラスに働いたと思う。準決勝はサンガなので、油断さえしなければ決勝が見えてきた。反対側はFC東京とセレッソ。勢いはFC東京だが、地の利はセレッソというところだ。(個人的にはセレッソの方が良いかな?)むかし「日産」だったころは天皇杯にやたら強かったのだから、そのことを思い出してACL最後の1枠を勝ち取って欲しい。

読了:
「スリーピング・ドール」(上・下)(ジェフリー・ディーヴァ―)
  • 買ったのはしばらく前だったが、やっと読み終えた。リンカーン・ライムシリーズからのスピンオフだが、負けない位面白かった。最初は時間がかかったが、途中から引き寄せられるように読むスピードが速くなった。伏線が幾重にも巡らされているし、犯人(カルト首領)が死んだのがえらく早かったのも理由があって・・・リンカーンとアメリアの登場も面白かった。でも毎度ディーヴァ―の長編は「読もう」と意気込まないと読み進めない。何故だろう?(評価A)
「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?」(マックス・H・ベイザーマン、マイケル・D・ワトキンス)
  • 9.11とエンロン破綻を主な題材に、後から振り返ると「予測可能」と思われた事態がなぜ防げなかったのか、認知要因、組織要因、政治要因という3つの問題が明らかにされている。リーダーがこの3つを単独で克服するのは相当困難であるように思う。特に政治要因を打破するのは難しいように思う。(評価A-)
「パブリック」(ジェフ・ジャービス)
  • パブリックであることの意味、「プライバシー」とは何か・・・重たいテーマを提起している本だと感じた。それ(定義と言い換えられるか)は世代間でも大きく異なっている。今まさに日々の仕事を進める中で、SNSとの付き合い方を考えさせられているので、非常に参考になった。とにかく「世の中」が変わったのは確かだ。(評価A)
購入:
「エスケープ・ベロシティ」(ジェフリー・ムーア)、「日経プレミアシリーズPLUS日本経済がわかる」(日本経済新聞出版社編)、「多様性とイノベーション」(デヴィッド・スターク)

2011年12月17日土曜日

天皇杯&FCWC

今週は出張疲れ?で後半ダウン。1日+α寝込んでようやく8割回復といったところ。体調管理には気を付けていたつもりだったが・・・やはり歳かな。

今日はF.マリノスと松本山雅が対戦。松本山雅のプレッシャーが効いている間はしんどかったが、裏へ抜けた選手を有効に使えるようになったことで良い時間に先取点が取れた。後半相手がバテてからは思うとおりのサッカーができたのではないか?結果は4対0だが、今日のような試合の入り方では準々決勝(グランパスがFCWC疲れのレイソルに勝って進んでくるのでは?)は勝てない。日程的にはF.マリノスの方が有利なので、しっかり勝って準決勝・決勝に進んで欲しい。
準々決勝に残ったのはJ1が5チーム(グランパスとレイソルの勝者もカウント)、J2が3チーム。J2からは少なくとも1チームが準決勝に進むことも決まった。これを実力差縮小と喜んで良いのか疑問だ。

明日はFCWC決勝。バルサとサントス、メッシとネイマール・・・普通ならクラシコ大勝の勢いそのままにバルサが圧勝してもおかしくないが、ビジャの故障、A.サンチェスの疑問符とバルサに悪い材料が出ている。それでも最後はバルサに勝ってほしい。

今週は読了なし・・・(初めてかも)

購入:
「伝える力2」(池上彰)、「クラウド『超』仕事法」(野口悠紀雄)

2011年12月11日日曜日

クラシコ(3-1で今回もバルサ)

今朝はテニスに出かける支度をしながらクラシコを見た。前半開始早々レアルに先制されたバルサだったが、アレクシスのゴールで前半のうちに追いつくと、後半ダニ・アウベスを上げて3-4-3として主導権を握って3対1で勝利した。オウンゴールになったが2点目が効いて、セスクの完璧なゴールで止めを刺した。15連勝でクラシコを迎えたレアルについて、モウリーニョも選手も「今回こそは勝てる」という自信があったと思うので、この完敗は後をひくのではないか?次節のセビージャ戦(アウェー)で分かるだろう。一方バルサはフルメンバーでクラブW杯に臨む。予想されるサントスとの決勝戦@YOKOHAMAは本当に楽しみだ。

デューク・ブルー・デビルズはオハイオ州立の敗戦から立ち直ったようだ。今週はホームで2連勝だった。この分なら、年内残りを全勝して年明けからのACCチーム戦を迎えられるだろう。

読了:
「カテゴリー・イノベーション」(デービッド・A・アーカー)
  • 原題の「ブランド・レレバンス」が示すように、ユーザーが製品と用途とにどれだけ関係性を感じるか、サプライヤーとしてはどうやってその関係性を構築したり拡張したりするかが競争を左右するのはその通り。ただ、ブルー・オーシャン戦略をブランドの面から見ただけのように思われた。日本企業の例が多いのは良かったが・・・(評価B+)
「ボトムアップ・マーケティング戦略」(アル・ライズ、ジャック・トラウト)
  • マーケティングのGuru二名による著作らしく、市場に近いマーケターの戦術から戦略を構築・推進すべしと主張されている。アメリカでは珍しい「現場主義」ではあるが、日本ではある意味常識。逆に日本企業がイノベーションできない一因とも思われる。割り引いて考える必要があると思う。(評価B+)
「日本破綻を防ぐ2つのプラン」(小黒一正、小林慶一郎)
  • 政治機能が正常に働かなければ、財政再建を果たすための正攻法は実行できず、日本は破綻する。そうであれば、ある意味奇策(「嘘つきのクレタ人」は絶妙な喩だ)で事態を先送りにすることも視野にいれるべきという著者の考えは参考とすべきだろう。ただ、実質的に金融機関の資産が既に国債に回っている中で、この策を実施できるだけの資産は残っているのだろうか?(評価A)
購入:
「十字軍物語3」(塩野七生)、「動的平衡2」(福岡伸一)

2011年12月4日日曜日

J1終戦

J1はレイソルの優勝で終幕。最終節は上位3チーム揃ってアウェーで勝利。レイソルは相手がレッズだったので、もっと苦戦するかと思ったが、予想に反して快勝。最後に勝ちきったのは優勝するに相応しい実力があったということだろう。レイソルにはクラブワールドカップでも勝ち進んでサントスと戦ってほしいと思う。

F.マリノスは最後に力尽き5位でリーグを終えた。最後にベガルタに逆転された原因は得点力不足に尽きるのではないか。失点は40でベガルタの25(38試合で失点25はできすぎでは?)、グランパスの36に次ぐ3位。でも得点が46で8位で、トップ3の他、アントラーズ・サンフレッチェ・ジュビロ・フロンターレ・セレッソより下だ。チーム最多得点が大黒の10点では・・・俊輔という「武器」を生かし切れなかった結果だろう。来シーズン最大の強化ポイントであることは間違いない。それにしてもフォワードが育たないチームだ。

Duke Blue Devilsはオハイオ州立に85対63で惨敗。アウェーであることを差し引いても寂しい点差だ。コーチKがどう立て直すかが見ものだ。

読了:
「チーズは探すな」(ディーパック・マルホトラ)
  • タイトルが示す通りスペンサー・ジョンソンの「チーズはどこへ消えた」への異議が示されている。外から与えられた変化に対応するだけで良いのか?というのがその疑問で、登場するネズミを見ていると、ジョン・コッターの「カモメになったペンギン」に近い考え方のようだ。チーズを動かすのは自分自身だと意識することは改革実行後の持続性を考えると重要だと思うので、その点では著者の言うとおりだと思う。(評価A)
「告発 ニッポンの大問題30!」(竹中平蔵、中田宏)
  • 「改革派」の二人が民主党政権に対して突きつけた「レッドカード」と言える1冊。「初めに増税ありき」では問題の解決にならないということはその通り。本書で評価されていた橋下改革については、先週の大阪W選挙でポジティブな判断が下された。毎度のことながら国家戦略のない国の行く末がただ思いやられる。(評価A)
「プロの知的生産術」(内田和成)
  • アウトプット面からのアプローチという点で、他の「知的生産術」とは一味違っていた。情報を収集し、整理するのは何のためか突き詰めるとアウトプットの質を高めるためという著者の考え方は、全くその通りだ。(ただ、多くは他の著書で紹介されていたのが残念。)目新しいガジェットの紹介もなかなか面白かった。(評価A-)
「国債・非常事態宣言」(松田千恵子)
  • 日本の国家債務の状況、日本国債安心理論の危うさやPIIGSとの違いなど、家計との比較で極めて分かり易く解説されている。問題は先送りできないところまで来ている。今度は国民も肚を括って痛みに耐えなければならない。消費税増税とセットで国家資産(郵政株や公務員住宅)の売却、所得税捕捉率のアップ(トーゴーサンの解消)、社会保障の切り下げなど全てやらないとダメだ。でもこれを実行できる可能性は限りなくゼロで、2~3年後の破綻可能性が益々増えているように思う。来年は真剣に老後の海外移住(=日本からの資産逃避)を考えようと思った。(評価A)
「マックスウェルの悪魔}(都筑卓司)
  • 永久機関の話から始まって、空気は何故たまらないかといった事象の解説や統計が物理学とどのように結びつくかなどなど初心者にも分かり易く解説されている。東洋経済(11月26日号)で「教養人の必読書40」に取り上げられているだけのことはある。(評価A)
「宇宙は本当にひとつなのか」(村山斉)
  • 人類が観測できていない暗黒物質と暗黒エネルギーが宇宙の96%を占めていることや、多元宇宙の考え方など宇宙に関する最先端の理論が分かり易く解説されている。「宇宙は何でできているか」よりはやや専門性が高いが、素人でもよく理解できた。(評価A)
購入:
「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス)、「パブリック-開かれたネットの価値を最大化せよ」(ジェフ・ジャービス、「伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる」(ジョン・C・マクスウェル)、「日本破綻を防ぐ2つのプラン」(小黒一正、小林慶一郎)

2011年11月27日日曜日

優勝決定せず

J1は最終節まで3チームが優勝の可能性を残す結果になった。最終節はレイソルがレッズ、グランパスはアルビレックス、ガンバがエスパルスとのアウェーを戦う。相手のモチベーションという点で、一番不利なのはレイソルだろう。ヴァンフォーレが勝ちそうなので、レッズは最終戦も高いテンションで臨むことになる。最後はグランパスという感じか?マリノスは4位がかかっているし、天皇杯の事も考えて次節は勝ちきってもらいたい。

スペインではレアル・マドリーがダービーに快勝。バルサがヘタフェにまさかの黒星で勝ち点差が6に広がった。2週間後はサンチャゴ・ベルナベウでのクラシコ。今年もバルサの逆襲がここから始められるか?見ものだ。

今晩はU-22のシリア戦。マッチレースを優位にするためには、大量点が欲しい。日程は有利なので、FW勢(大迫、永井、大津、山崎)に期待。

デューク・ブルー・デビルズはマウイでの大会で優勝。来週は現在ランキング3位のオハイオ州立とのアウェー戦が待っている。シーズンはまだ序盤なので、改善すべきポイントが明らかになる方が勝ち負けより重要かも。

読了:
「スティーブ・ジョブズ」(Ⅱ)(ウォルター・アイザックソン)
  • 唯一ジョブズ本人が制作に関わったというだけあって、ジョブズの長所・短所とも詳しく描かれている。彼の凄さは、世界を変えるプロダクトづくりにとことん拘った事、マーケットが欲しているものではなく、その一歩先を行っていたところなどだろう。すべてが成功ではなく、失敗も数多くしているところも経営者として成功するには必要だったのだろう。ただ、彼の下で働けるか考えると、答えはNOだ。(評価A)
「ガイアの夜明け 復興への道」(テレビ東京報道局 編)
  • このシリーズを読むと、「日本の企業も捨てたものではないな」と思う。今回取り上げられていた企業も復興のために何ができるかという観点(=真のCSR社会的使命といっていいだろう)から様々なステークホルダーの利益を最大化するよう努力しているように思われる。こんな「良い企業」が栄えるにはどうするのか、改めて「この国をどのような国にTransformするのか=国家戦略」の必要性を感じた。(評価A)
「インフォーマル組織力」(ジョン・R・カッツェンバック、ジア・カン)
  • カッツェンバック氏はマッキンゼー時代から組織・リーダーシップのGuruだっただけに、久々の著書に期待した。インフォーマルな組織を重視するという事はかつての日本企業では「当然」だったと思う。その意味ではあまり得るものがなかったように思う。しかし、「インフォーマルな組織の活用」を実践しようとすると本当に難しい。特に「速いシマウマ」を探すのが大変だ。(評価A)
購入:
「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?」(マックス・H・ベイザーマン、マイケル・D・ワトキンス)、「ボトムアップ・マーケティング戦略」(アル・ライズ、ジャック・トラウト)、「カテゴリー・イノベーション」(デービッド・A・アーカー)

2011年11月20日日曜日

コーチK 903勝

先週は代表が北朝鮮に負けたり、F.マリノスが「J1終戦」を迎えたりとサッカーでは良い事がなかった。しかし、デュークのバスケットボールチームは予定通り(初戦は接戦だったが)開幕から3連勝で、Mike Kzyzewski(マイク・シャシェフスキー)コーチ(コーチK)が監督としてのNCAAディビジョン1での最多勝利記録を書き換えた。YouTubeを見るとオバマ大統領までが祝福している。このあたりが、いかにカレッジバスケットボールがアメリカ人の生活の一部になっているかを示していると思う。ついでに言うと、コーチKにちなんで、スペルがKonguratulationsとなっている。もっとついでに言うと、リーダーシップの本でコーチKに言及している事があるが、正しい和訳(シャシェフスキー)ができている本にお目にかかった事がない。翻訳家は本当にアメリカの文化が分かっているのか、と疑問に思う。さて、本題に戻るが、今年のチームは主力3人が抜けたため、事前評価ではUNCに負けている。しかし新人のリバースがシーズン通して活躍できれば2年ぶりのFinal 4も十分可能だと期待している。

F.マリノスは今節で4位以下が確定し天皇杯に優勝する以外ACLの目が無くなった。その天皇杯では「マツつながり」の次戦、松本山雅との対戦が興味深いし、組み合わせ上、ここで勝つとグランパスかレイソルとの対戦が待っている。難敵が多いブロックだが、ある意味目標が明確になったので、今度こそ自力でACL切符をもぎ取って欲しい。

読了:
「変化の時代、変わる力」(御立尚資)
  • タイトルのとおり、「経営思考の『補助線』」と同様、日経ビジネスオンラインの連載コラムの再録。リスクテイクが一つのキーワードとなっている。「リスクを取っている」との反論があったそうだが、外資に努める者の目にはギャンブルにしか見えない。もう少しまともな戦略家が出てこないと失敗の山が高くなるだけだろう。(評価A)
「『空気』の研究」(山本七平)
  • 戦艦大和の沖縄への出撃やイタイイタイ病の話など、日本人の行動を規定する「空気」とは何かが、それを打破するためのに差される「水」と対比する形で解き明かされている。読んでいて改めて感じるのは、戦前から一貫してマスコミが「空気」の形成に大きな役割を果たしていること。そのマスコミのレベルが益々低下している中で、「空気」に流されることのリスクが大きくなっていることだ。(評価A)
「訣別‐大前研一の新・国家戦略論」(大前研一)
  • 内容は「サピオ」や他の著書で述べられていることと重複していたが、こうやって全体を統括すると、いかに今の政権が(というか自民党時代も含め)国家戦略を構築できていないかが見えてくる。著者の戦略の一部だけをコピーしても、全体最適にはならない。せっかく国家戦略室があるのだから、本当に政治主導で(というか官民総力あげて)国家戦略を策定してほしい。TPP参加問題など、きっちりした戦略があればこんな幼稚な議論が起こる筈もない。(評価A+)
「スティーブ・ジョブズ(1)」(ウォルター・アイザックソン):(2)読了後に纏めて感想を述べる。

「リーダーシップ」(山内昌之)
  • 前首相、前々首相が如何にリーダーシップという点で「首相の器」でなかったかが良く分かる。というか、本書を読むと、政治家がどんどん小粒になってきて、最早本書で取りあげたレベルの宰相など現れないのではないか、と暗くなった。与野党問わず、本書を読んで少しでも真似してもらいたい。(評価A)
「ゲーム・ストーミング」(デーブ・グレイ、サニ・ブラウン、ジェームズ・マカヌフォ)
  • 問題の特定、解決策の策定の局面で議論を活発にしていくため、特に日本では、本書に書かれた数々のゲームが有効だろうと思う。もっとこうしたテクニックを取り入れて「楽しく」仕事をしていくようにしなければと思う。(評価A)
購入:
「告発 ニッポンの大問題!」(竹中平蔵、中田宏)、「プロの知的生産術」(内田和成)、「国債・非常事態宣言」(松田千恵子)、「チーズは探すな!」(ディーバッグ・マルホトラ)、「マックスウェルの悪魔」(都筑卓司)、「宇宙は本当にひとつなのか」(村山斉)

2011年11月12日土曜日

第三次予選突破

予定通り日本とウズベキスタンがいち早く最終予選進出を決めた。日本のいるC組は「2強2弱」という構図が強かったが、他の組ではヨルダンだけが全勝で勝ち抜きを決めただけだ。オーストラリアがオマーンに取りこぼしたのが意外だった。このままで行くと、既に決まった3ヵ国以外で最終予選に残るのは、A組がイラク、B組が韓国とレバノン、D組がオーストラリアとサウジアラビア、E組がイランとカタールという感じだろうか。クウェートも可能性が残っているが、過去の対戦成績を考えると個人的にはここで消えてほしい。

北朝鮮が敗退し、中国も厳しいので、最終予選では韓国と同じ組にならないと相手が中東4か国という可能性が出てきた。ウズベキスタンとまた同じ組になるのであれば、欧州組が多い日本としては中東4ヵ国の方が「アウェイで移動時間が短い」とポジティブに考える必要があるかも・・・日本にとって理想の組み合わせは韓国、サウジアラビア、レバノン、イラクというところだろうか。自国開催を控えるカタールとはやりたくないかも。ただ、日本代表には組み合わせがどうであれ、「不動の本命」と言われるよう、残る2試合も、控え組の充実と勝利という両方の課題を克服してもらいたいと願う。

読了:
「日本の大転換」(中沢新一)
  • 著者は日本で「緑の党」的な活動を開始するという。復旧ではなく転換という考え方はその通りだが、自分の考えている方向とはあまりにかけ離れているので、正直なところ途中から読むのが苦痛だった。「贈与」が原理となる経済???(評価B-)
「歴史は『べき乗則』で動く」(マーク・ブキャナン)
  • 地震予知はなぜ困難か、株価変動のメカニズムなどが実は「べき乗則」で説明できる。そうした事例は原題のとおりUbiquity、つまりどこにでも存在し得る、ということが非常に分かり易く説明されている。人間もまた自然界の法則の中でしか生きられないのだ。(評価A)
「『上から目線』の構造」(榎本博明)
  • 「上から目線」というのはひとつの象徴的な現象であって、日本人の対人能力が「退化」しているのだと思うと恐ろしい。そう考えてみると、本書で書かれているような「病巣」は、ビジネスの関係で遭遇する「クレーマー」などにも通じるところがあるように思う。若手社員との付き合い方が難しい訳だ。(評価A-)
「日本経済の底力」(戸堂康之)
  • グローバル化と産業集積によって日本経済を復興・成長させようという著者の考え方は、日本以外の各国では恐らく「まっとう」な意見として受け入れられるだろう。残念ながら我が国では「TPP参加への事前協議入り」という出発点に立つだけで一苦労だ。ますます先が思いやられるばかり。来年の今頃には現在のギリシャやイタリアのようになってしまうのではないか?(評価A)
購入:
「インフォーマル組織力」(ジョン・R・カッツェンバック、ジア・カン)、「スリーピング・ドール」(上・下)(ジェフリー・ディーヴァ―)

2011年11月5日土曜日

Phantom of the Opera

今日は「オペラ座の怪人」25周年記念講演(映画)を見てきた。ニューヨークのマジェスティック劇場で2回見たり、映画で見たりでストーリーも曲も良く分かっているミュージカルなのに、またまた感動した。冒頭シャンデリアに灯がともり、テーマ曲が流れ始めたら涙が出てきた。今回はカーテンコールでサラ・ブライトマンが登場し、歴代のファントムと歌うという「おまけ」もあり特別料金の価値は十分あった。好きなものは好きなので、またNYで見ようと思った。

F.マリノスは本当に久々のリーグ戦勝利。ハーフナーに点を取られた時は「まただめか?」と思ったが、何とか逆転できた。3強の一角を崩すのは他力本願の状況だが、このまま4位を維持すれば、天皇杯の結果次第でACLに出場できる可能性も残る。今節のような泥臭い試合を続けて何とかあと3試合勝ち切って欲しい。

読了:
「As One」(ジェームズ・クィグリー、メルダッド・バグハイ、近藤聡、木村伸幸)
  • デロイトのコンサルティング部門が共同で行ったリーダーシップに関する調査・研究の集大成の一冊。ある意味当然だろうが、リーダーとフォロワーとの関係(アーキテクチャ)が、組織の置かれている環境や課題にマッチしていなくては機能しない事、逆に機能させるために求められることが説かれている。(評価B+)
「人間と国家」(上・下)(坂本義和)
  • 「ある政治学徒の回想」というサブタイトルのように、坂本先生の回想録。学生の時、先生の講座は必修ではなかったが、有名教授の話はどのようなものかと興味本位で学期初めのの講義だけ聴講した記憶がある。その時から「リベラル」という評判はあったし、今の自分のスタンスとは違う戸いう事も知っていたつもりだったが、本書を読んで改めて先生が単なる理想主義者とは違うのだと理解した。学生当時教わった教授が沢山登場してノスタルジックな気分になった。(評価A)
購入:
「スティーブ・ジョブズ」(Ⅰ、Ⅱ)(ウォルター・アイザックソン)、「空気の研究」(山本七平)、「リーダーシップ」(山内昌之)、「ガイアの夜明け 復興への道」(テレビ東京報道局 編)、「訣別」(大前研一)

2011年10月30日日曜日

ナビスコ杯

アントラーズの優勝で終わったナビスコ杯。決勝は満員の国立競技場で行われたが、位置づけを明確にしないといけないだろう。元来は「若手育成」の意味合いがもっと強かったが、「ベストメンバー規程」とやらで変わってきてしまった。毎年試合形式が異なるし、代表戦が行われるミッドウィークの開催ということを考えると、観客動員は難しいし、やる側にもインセンティブが今一つ弱いように思う。本当にベストメンバーでの勝負を望むのであれば、いっそ勝者はJ1の3位チームとACLの枠を争うぐらいにしても良いのでは?来年からはJ2が加わるということなので、「リーグカップ」としての重みが加わるような変化を加えてほしい。

読了:
「マーケティング戦略の未来」(クリストファー・ヴォルマー、ジェフリー・プレコート)
  • 「マーケティングを取り巻く環境の変化」については語られているが、必ずしも「マーケティング戦略」について説かれているとは思われなかった。テクノロジーの発展は4PのうちPromotionにも大きな変化をもたらしているということは良く分かる。ところが日本では、広告業界などに欧米のような変化は起きていない。広告主企業側にマーケティングのプロを育ててこなかった事の影響だろう。(評価B+)
"Innovator's DNA" (Jeff Dyer, Hal Gregersen, Clayton V. Christensen)
  • イノベーションを継続的に起こすリーダーに共通するDNA(この場合には行動パターンとかコンピテンシーというべきかもしれない)から始まり、それが企業にどのような影響を及ぼしているかまで説明されている。必ずしも個人の資質ばかりではなく、ネットワークを通じて必要な情報を得たり、実験してみたりという点に着目すれば、少しはスティーブ・ジョブズのマネができそうだ。(評価A)
購入:
「ゲーム・ストーミング」(デーブ・グレイ、スンニ・ブラウン、ジェームズ・マナヌフォ)、「『上から目線』の構造」(榎本博明)、「日本経済の底力」(戸堂康之)、「変化の時代、変わる力」(御立尚資)

2011年10月22日土曜日

レッズにまで・・・

F.マリノスは今日もレッズに負けてACLほぼ絶望。先制したが、その後はここ数試合同じ展開で、レッズにボールを支配される。逆転された後もセットプレー以外に見せ場なし。残念ながら次節には5位以下に転落する可能性が大きくなってしまったと思う。レッズと一番の違いは中盤。頼みの俊輔が悪い時の典型でずるずる下がり、谷口と兵藤とのバランスが悪かった。一方レッズは原口と梅﨑がワイドに開いて、ドリブルで仕掛けるという形が徹底されていた。あと4試合、立て直すのは相当厳しいのではないか?

読了:
「いまこそハイエクに学べ」(仲正昌樹)
  • ハイエクの思想について最近「はやり」の正義論にも言及して解説されている。社会的秩序の2分論(コスモスとタクシス)や「ノモスとテシス」という法律の2分論の考え方など、ハイエクのいう「自由主義」は自分自身の考え方に近いということが分かった。ただ、正直前半は難解。(評価A-)
「危機の思想」(西部邁、佐伯啓思 編)
  • 保守の言論人が3.11を受け日本をどうしていくべきがを論じているが、現実経済からかけ離れた「ユートピア」思想と思わざるを得ない。グローバル経済で日本だけが改革を否定し、かつての共同体に戻ることなど有り得ない。改革を中途半端な形で止めたことの罪がどんなに大きいか・・・(評価C)
「リーダーシップ6つの試練」(ディーン・ウィリアムズ)
  • リーダーが直面する課題(試練)を6つのカテゴリーに分け、それぞれの状況でどんなスキル・戦術が求められるかが多くの事例を基に語られている。また、明治天皇や西郷隆盛といった日本のリーダーが多く取り上げられている点が特徴的な一冊。実務では6つのうちいくつかの試練を同時(連続的)に解決しなければならない事についても明確にされている。(評価A)
購入
「歴史は『べき乗則』で動く」(マーク・ブキャナン)、「日本の大転換」(中沢新一)、「人間と国家」(上)(下)(坂本義和)

2011年10月15日土曜日

Old Friend

今週は木曜日にFuquaの同級生(Alfredo)と15年ぶりに再会した。プライベートでの日本旅行という事だったが、何より連絡してくれたのが嬉しかった。お互いの生活(彼はUSの後イタリアに行き、今はメキシコシティに住んでいる)や、3.11の事、最近の経済情勢など、話は取り留めもなかったが、考え方が似ているように思うのは同じ教育を受けたからか?次回5年後のReunionで会おうという約束で別れた。

前後するが、火曜日のタジキスタン戦は憲剛という本田に代わるピースが見つかったことで収穫大だったと思う。ハーフナーの高さはこれから相手にとり脅威になるだろう。中国のメディアがC組は日本以外の3チームにとり「死のグループ」と報じたらしい。是非その位の圧勝劇を見てみたいものだ。


F.マリノスは今日のサンフレッチェ戦でJの連敗はストップ。しかし前半俊輔抜きのチームはサンフレッチェに押され気味で攻撃に迫力が感じられなかった。このままでは3位との差がまた開き、それどころか仙台に抜かれかねない。俊輔が先発に復帰すればもう少しましになるだろうか???

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読了:
「コラプティオ」(真山仁)
  • 「ハゲタカ」シリーズ以外の著書を読むのは初めて。素直に面白かった。どこか小泉純一郎を思わせる首相が3.11後に打ち出した驚くべき「産業再生策」、その裏にある腐敗(コラプティオ)。一方で既存のマスコミに対するシニカルな目、脱皮してほしいと願う著者の意図のようなものが感じられた。(評価A)
「もうダマされないための『科学』講義」(菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸、飯田泰之プラスSYNODOS)
  • 3.11以後の放射線量を巡る話ばかりかと思っていたが、食品の安全性に関する報道のお粗末さ、というかマスコミやそれを利用する政治家などの愚かしさがしっかり書かれていた。ますます日本のマスコミは信じないようにしようと思う。逆に放射性物質を巡るチャプターは正直あまり面白くなかった。(評価A-)
「エクセレントな仕事人になれ!」(トム・ピーターズ)
  • トム・ピーターズらしい1冊。ここに書かれていた「エクセレントになるための方策」のいくつか(MBWAなど)を丁度再徹底しようと実行に移し始めたところだったので、GURUからお墨付きと「頑張れ」という応援を貰ったような気分だ。(評価A+)
購入:
「危機の思想」(西部邁、佐伯啓思 編)、「マーケティング戦略の未来」(クリストファー・ヴォルマー、ジェフリー・プレコート)、「リーダーシップ6つの試練」(ディーン・ウィリアムズ)、「As One」(ジェームズ・クィグリー、メルダッド・バグハイ、近藤聡、木村伸幸)、"The Innovator's DNA" (Jeff Dyer、Hal Gregersen、 Clayton M. Christensen)

2011年10月8日土曜日

猿の惑星・創世記

久々に映画館で「猿の惑星・創世記」を見た。初めて「猿の惑星」が制作されたのが1968年ということなので、43年ぶりに「謎」が明らかになったということだ。人類が滅亡する理由というのはいくつか考えられるが、なぜ猿が人間に代わって地球を支配できたのかについては、今回の映画での理由づけで結構納得できたし、映画自体も面白かった。タダ券確保のためには11月末までにあと1本見る必要がある。「マネーボール」かな?

昨晩の「日本VSベトナム」は飲み会のためオンタイムで見られず、まだ録画も見ていない。結果(報道)を見る限りではイマイチだったようだし、正直メンバー選定の意図が良く分からない。タジキスタン戦には「ベストメンバー」で臨むのだろうが、遠藤・長谷部とも本調子ではなさそうなので、やや不安だ。

読了:
「コトラーのイノベーション・マーケティング」(フェルナンド・トリアス・デ・ベス、フィリップ・コトラー)
  • マーケティングよりも、「どうやってイノベーションをマネージするか」に重点が置かれた1冊。提唱されているのはアクティベータ、ブラウザ、クリエータ、デベロッパ、エグゼキュータ、ファシリテータのA-Fが適時・適切に連関することでイノベーションを進めるというモデルだ。多くの日本企業でイノベーションが進展しないのは、このような各役割がサイロ構造になっていて、ファシリテーションが難しいのではないか?(評価A)
「決断できない日本」(ケビン・メア)
  • 著者は「沖縄はゆすりの名人」と語ったということで国務省の日本部長を更迭された。しかし、本書で語られた「事実」を見ると、別に間違ったことを言ったとは思えない。むしろ、毎度ながら日本の官僚のリスク回避・事勿れ主義の酷さ。特に3.11のあと、アメリカが送ろうとした支援物資に対し、枝葉末節・意味不明の質問を返したというエピソードは笑うことすらできないほど「哀れ」だ。ほかにも福島第一原発の4号機について何故専門家が危険と認識しているかも良く分かったし、いかに政府を信じてはいけないか痛感させられた。(評価A+)
「イノベーションとは何か」(池田信夫)
  • イノベーションを経済学的に説いた点が新しい。ちょうどスティーブ・ジョブズの訃報が伝えられたばかりだったし、アップルなどのイノベーティブな海外の企業とソニーの違いなど納得しながら読んだ。NIH(Not Invented Here)症候群、ガラパゴス化・・・日本企業が克服すべき課題は大きいと思う。(評価A)
購入:
「もうダマされないための『科学』講義」(菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸、飯田泰之、SYNODOS)、「エクセレントな仕事人になれ」(トム・ピーターズ)、「いまこそハイエクに学べ」(仲正昌樹)

2011年10月1日土曜日

10月早々・・・

今日からBS放送が拡充されて、これまで以上に楽しめると思った矢先、実はうちのマンションのインフラ(スカパー光)が対応できないという事が分かった。重要な話なのに事前にマンションの管理組合に連絡がなかったということで、何年かぶりにカスタマーサービス窓口で苦情を申し立てた。言うべきことを論理立てて言っていたと思うが、釈然としない一方で後味が悪かった。うちもクレームを受ける立場なので、改めてこうした思いをする人を一人でも少なくしなければと感じた。代替案は取ったが、今節のリーガエスパニョーラは見られそうもない・・・

F.マリノスはアルビレックスに完敗。どうやらエンジン切れか?何とかACL圏内には留まって欲しいが厳しかな??

再来週のタジキスタン戦に向けた代表が発表されたが、ここ3戦の主役である清武の怪我が悪化したようだ。出場が難しいとなると香川にパスを出せる相棒はいるのだろうか?U-22の山村も骨折ということで、せっかくここまで来た流れに暗雲という感もあるが、逆に他の選手がチャンスを掴めるようなら選手層に更なる厚みが加わる。風はどちらに吹くのか?

読了:
「自分を超える法」(ピーター・セージ)
  • アンソニー・ロビンスの門下生(最年少トレーナー)による自己啓発本。やらなくてはいけない事は理解するが、How-toは「?」がつくところも多い。(特に「お金の作り方」)(評価B)
”Strengths Based Leadership" (Tom Rath, Barry Conchie)
  • とかく日本人は弱みの克服に目が行きがちだが、本書のように強みを最大限レバレッジして部下を指導するという方が自分らしいように思われた。戦略的なところやディシプリンを重んじるところをベースにして早く自分らしいリーダーシップスタイルを構築しなければ。(評価A)
「危機を超える経営」(伊藤邦雄)
  • サムソンができてことが何故日本企業でできないのか?著者の説く戦略はグローバル経済を前提にすれば当然のものだt思うが、果たしてどれだけの経営者に決断できるだろう?本書に取り上げられている企業を見るとオーナー企業が多く、リーダー自身にSense of urgencyがきちんと備わっている。伝統的なローテーションで社長を選び続けていてはこうした危機感の醸成などできるはずもない。衰退する企業ばかりになるのではないかと危機感をますます強めた。(評価A-)
「『リーダーの条件』が変わった」(大前研一)
  • SAPIOに連載されている記事の再編集版ではあるが、改めて読むといかに日本(特に政界)のリーダーが弱いか痛感させられる。「どじょう」総理も本書で期待されているようなリーダーシップを発揮できるかは大きな疑問だ。絶望感が更に大きくなった(評価A)
「日本経済 今度こそオオカミはやってくる」(竹中平蔵、冨山和彦)
  • 一部の人には罪人扱いされるくらい評判の悪い2人による対話形式の本。しかし新自由主義者としては「よく言ってくれた」という内容ばかり。ここまで大胆な政策が実現できれば日本経済も復活するだろう。しかし実現可能性は限りなくゼロパーセント。ますます絶望感・・・(評価A+)
「下町ロケット」(池井戸潤)
  • 読了感の爽やかな1冊。さすが直木賞受賞作と言える。主人公畑の苦悩、大手企業(およびその社員)の倫理観など「あるよなぁー」といちいち思いながら読んだ。TV作品は多少重点の置き方が違うようだが、せっかくなので再放送された時には見ようかな。(評価A+)
購入:
「コトラーのイノベーション・マーケティング」(フェルナンド・トリアス・ベス、フィリップ・コトラー)、「イノベーションとは何か」(池田信夫)、「決断できない日本」(ケビン・メア)

2011年9月24日土曜日

20年目の同期会(IIST)


昨日・今日は貿易研修センター(IIST)22期の同期会。20周年記念ということで、懐かしの富士宮キャンパス(現在は大原富士宮ビガークラブ)に行ってきた。参加者は10名と少なかったが、久々に再会した友人もいて楽しむことができたし、何より9か月間を過ごしたドームで皆と話をできたことが有意義だった。今度戻るのは何年後だろうかと思う。

F.マリノスはベガルタに完敗。前半少ししか見ることができなかったが、俊輔と小椋の欠場で中盤が機能不全に陥っていたように思う。栗原を左SBに使うのであれば、いっそ3-4-3を試して欲しかった。

読了:
"Strengthfinder 2.0" (Tom Rath)
  • 本自体よりも、StrengthfinderのWebで自己診断できたのが良かった。「やはり」というべきか、DisciplineやSignificance、Strategicといった点が強みとされた。この点については引き続き活かしていきたいが、周りは必ずしも同じではないという事をより強く意識しなければと感じた。”Strength Based Leadership"を購入したので、そちらを読んで実践に移したい。(評価A)
「国家は破綻する」(カーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴス)
  • ベスト経済書に選ばれた1冊をようやく読み終えた。経済危機のパターンを整理し、過去数百年遡って資料を分析した事で、”This time is different"ということはないのだと説得力ある指摘をしている。対策にはあまり言及されていないが、金融規制の緩和が引き金を引くというパターンについては何らかの手を打つことは可能だろう。(評価A)
「ジェノサイド」(高野和明)
  • ハリウッドが映画化を考えても良いくらい「ぶっ飛んだ」ストーリーで一気に読めた。登場人物のつながりも良く描かれている。また、合衆国大統領のキャラはその当時(舞台は2004年)現職だったB氏を思わせて面白かった。ただ、南京虐殺の記述については、昔の通説をそのまま引用したようで残念だった。(評価A-)
購入:
"Strengths Based Leadership" (Tom Rath, Barry Conchie)、「リーダーの条件が変わった」(大前研一)、「危機を超える経営」(伊藤邦雄)、「日本経済今度こそオオカミはやってくる」(竹中平蔵、冨山和彦)、「コラプチオ」(真山仁)



2011年9月19日月曜日

何とか踏ん張った(マリノス1:ガンバ1)



昨日、今季(ようやく)初めて日産スタジアムに行った。先制して逃げ切るといういつものパターンは首位のガンバ相手では通用しなかった。後半は完全に足が止まり、前半消えていた遠藤にやりたい放題でやられた感がある。また、ラフィーニャとイ・グノは威力十二分で、特にイのスピードはすごかった。渡邉と小野も頑張ってはいたが、一人で何とかするという点ではまだまだだった。総括:引き分けで良しとしよう!











この週末は欧州で細貝、香川、森本、阿部といった日本人プレーヤーがゴールを挙げた。長友も復活したし、この調子なら10月のタジキスタン戦は本田不在を感じさせないプレーが期待できる。

欧州と言えば、スペインではバルサが8点取って快勝(セスクがイニエスタ不在を感じさせない活躍だった。)した一方でレアル・マドリーがレバンテに敗戦。プレミアではマンUがチェルシーに勝ち、アーセナルは泥沼。まだ序盤とはいえ、明暗がくっきり分かれた週末だった。

読了:
「新自由主義の復権」(八代尚宏)
  • ミルトン・フリードマンを代表とする新自由主義はリーマンショック以後日本で影が薄い思想だったが、本書は社会保障や復興対策にまで新自由主義の立場から試案を示している。また、小泉改革についても、不十分という立場での批判を行っている。個人的にはこの立場が今後のあるべき姿だと信じている。「経済成長は不可能なのか」と並んで、今リーダーが熟読すべき経済書だと思う。(評価A+)
「自分の小さな『箱』から脱出する方法」(アービンジャー・インスティテュート)
  • 人間関係を良くするのも悪くするのも実はこちら側に問題がある。単純すぎる整理だが一理ある。自分自身の「箱」について意識してみよう。(評価A-)
「ドラゴンフライ・エフェクト」(ジェニファー・アーカー、アンディ・スミス)
  • SNSを使うと「普通の人」でも大きなうねりを作り出すことができる。少なくともアメリカではそれが可能だということが証明されている。監修者のコメントのように日本の例が2つしかないのと対照的だ。自由主義・民主主義がそれだけ成熟しているのだろう。実例のいくつかが、不治の病と闘いながらも大きな事をやり遂げた人の話であり、涙が出そうになった。(評価A)
「リーダーシップの真実」(ジェームズ・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー)
  • 名著「リーダーシップ・チャレンジ」の共著者が多くのリーダーの行動を分析した結果たどり着いた「真実」。結局のところ多くの「指南書」で語られていることが証明されたともいえる。間違いないのは、リーダーは信頼されていなければそのポジションにいることができないということだ。自分はいまどうなのだろう?(評価A)
読了:
「下町ロケット」(池井戸潤)、「ジェノサイド」(高野和明)


2011年9月11日日曜日

9.11と3.11。プラスなでしこ、マリノス&バルサ

10年目の9.11だ。昨日見たドキュメントで、当時の国務長官のラムズフェルドがペンタゴンの負傷者を皆と一緒に救助していたために、大統領がなかなか連絡できなかったという事を初めて知った。危機管理においては日本のはるか上を行っていたはずのアメリカが如何にパニックになっていたか理解できる。

もうひとつ、今週のニューズウィーク日本版の特集記事には考えさせられた。東日本大震災直後に出ていた「戦略的な復興」とか「日本を変えていこう」とかいう雰囲気が消えつつある。このままでは復旧しても復興にはならないだろう。電力、原子力、法人税などの課題が解決せぬまま緩やかに第二次産業の空洞化が進展していく姿が容易に想像できるのに・・・経産相が就任9日で辞任する政府に何か期待することなどあきらめるしかない。

話は一変!なでしこジャパンはベストシナリオと言っていい状況でオリンピック出場権を獲得した。試合内容については選手の疲労を差し引いても物足りなさを感じたが、それでも勝ち抜けたのはやはりW杯の経験の差だろう。ロンドンまでには今の「異常」な状態も少しは収まるだろう。今回はメダルなしでは許されないプレッシャーとの戦いになる。(ここまで書いた時、6か月目の2時46分になった)

マリノスは2位に浮上。次節はガンバとの直接対決@日産スタジアムだ。正直昨夜の試合を見るとガンバの攻めの方が優位に思われるが、ホームで負けるわけにはいかない。3連休中日の開催なので、今度こそ見に行こう。

バルサはリーガ2戦目で早くも引き分け。ミッドウィークのACミラン戦に不安というところだ。

読了:
"Good Strategy, Bad Strategy" (Richard Rumelt)
  • しっかりした戦略は単なる数字でも、施策のリストでもない。しっかりとしたデザインがあり、流れがある。というのが著者の主張。「ストーリーとしての競争戦略」にも重なるように思えた。ボリュームのある1冊だが、きっと早晩翻訳されるだろうなと思いながら読んだ。今年の戦略本ベスト3には入るだろう。(評価A+)
「プランB」(ジョン・マリンズ、ランディ・コミサー)
  • アマゾンやグーグルといった企業も、成長の途は単純なものではなく、設立当初の姿からは大きく変貌してきているという事から、「プランB」の必要性を説いている。ただ、当初からビジネスプランの失敗を前提として、バックアッププランを用意するのとは全く異なっている。ただ、留意すべきとされるポイントはある意味で当たり前の事でもある。(評価A)
購入:
「自分の小さな『箱』から脱出する方法」(アービンジャー・インスティテュート)、「ドラゴンフライ・エフェクト」(ジェニファー・アーカー、アンディ・スミス)、「リーダーシップの真実」(ジェームズ・M・クーゼス、ハリー・Z・ポズナー)

2011年9月3日土曜日

初戦はこんなもの!?

昨夜の北朝鮮戦はロスタイムの1点で「劇的」勝利。ただ、時間はかかったが負ける気がしない一戦だった。フィニッシュの精度があればプラス2~3点できたし、実力差はそのくらいあったと思う。チャンスでミドルシュートが枠に飛ばない(昔は「宇宙開発」って呼んでいた)、わざわざ利き足と逆で打ってみたり・・・あれだけ攻め込んでいてシュート20本?ピッチの状態を考えたシュートやクロスを蹴ればもっと楽だったのではないか?W杯予選は厳しいのだということを選手が実感したので、次はもう少しやってくれるでしょう。ウズベキスタン戦では柏木でなく清武が先発では?またハーフナーは今後も昨夜のように「残り少ない時間で1点必要」という場面の切り札になるだろう。

今週「報道災害【原発編】」を読んだ直後に福島原発事故による土壌汚染の状況が公表された。34地点でチェルノブイリの時の「移住基準」を超えた高濃度の汚染が確認されたという。そもそも6月14日の観測結果が今頃出てくるのもおかしいし、それほど土壌が汚染されているのなら、3月の時点での住民(特に半径20キロ圏外の住民)の被曝量は相当のものだったと推定できるのでは?しかしそうした点に言及したマスコミはあったのだろうか???

読了:
「報道災害【原発編】」(上杉隆、烏賀陽弘道)
  • 日本には、少なくとも大新聞やTVなどのマスコミには社員はいてもジャーナリストは存在しないということが確認できた。官僚の構造と全く同じで国民の利益より自分の属する組織の利益が優先するのだろう。3.11の直後は海外メディアの伝え方がヒステリックに見えた時期もあったが、今振り返ると間違いなく彼らの方が真実に近かった。改めてこれからは一層海外のメディアを参考にバランスを取らなくてはと思う。(評価A+)
"Exit, Voice, and Loyalty" (Albert O. Hirschman)
  • 顧客が不満を持った時の行動は市場・競争環境などで異なること。今読むと当たり前に思えるが、そうしたことを論理的に、しかも40年以上も前に示していたという点で価値が高い1冊。ただ、最近あまり使わないボキャブラリーが頻出するので正直読みづらかったのも事実。(評価A)
購入:
"Strength Finder 2.0" (Tom Rath)、「新自由主義の復権」(八代尚宏)、「プランB」(ジョン・マリンズ、ランディ・コミサー)

2011年8月27日土曜日

民主党代表選挙・・・

来週の月曜日には「次の首相」が決まる。政策論が不在、親小沢(=マニフェスト見直し拒否)と反小沢(=マニフェスト見直し)という対立軸しか見えてこない。震災後この国のグランドデザインをどうするのかが問われるべきなのに、誰からも発信されてこないと思う。このままでは、ますます世界における日本の地位が低下するばかりだ。今週読んだ「経済成長は不可能なのか」を評価するのは、4重苦(デフレ・財政赤字・円高・少子化)に対し、どのような順番で取り組むのかが整理されていることだ。新首相には是非こうした工程表を含む国家戦略を示してもらいたい。それができそうな人は誰かな?

マリノスは水曜日にも何とか勝利。俊輔の怪我という代償は痛いが、ACL圏内に戻った。今の各チームの状態を考えると現在のトップ4を脅かすチームが見えないし、マリノスは手堅く戦い続ければ結果がついてするように思えてきた。今夜はエスパルス戦だ!

ヨーロッパチャンピオンズリーグの組み合わせが決まった。32チーム中に日本人プレーヤーが5人。今年最後まで戦い続けるのは誰か?決勝に出場できる選手は現れるか?楽しみにしたい。

読了:
「逆境を生き抜くリーダーシップ」(ケン・アイバーソン)
  • ニューコア(全米屈指の鉄鋼メーカー)の伝説的な経営者のリーダーシップ論。フラットな組織・地域密着・従業員重視の姿勢といったところはかつての「良き日本企業」のイメージにオーバーラップするところもある。ただ、現在のように様々な内部コントロールを求められる中で、果たしてここまで従業員を信じる経営スタイルが可能かという点は疑問がある。(評価A)
「これからのリーダーに知っておいてほしいこと」(中村邦夫 述、松下政経塾/PHP研究所 共編)
  • パナソニックにおける松下幸之助がいかに「絶対的存在」であるかを垣間見ることができる一冊。創業者の「負の遺産」ともいうべき経営危機に敢然と立ち向かった中村氏の力量も良く分かる。「創業者と同行二人」というのは、流行の経営学用語だとリフレクションということになるのだろう。創業者だったらどうするだろう、ということを自問自答しながら道を模索したのではないだろうか。ここのところ仕事で大きな変革の必要に迫られている身として、内容とともに方法論も参考にしたい。(評価A)
「日本企業にいま大切なこと」(野中郁次郎、遠藤功)
  • 序章の「リアリズムなき日本政治は『失敗の本質』を繰り返した」という記述が一番良かった。正直本編は過去の2人の著作のポイントを、震災後の現実に即して再整理したものなので、目新しいものではなかった。帯の「『アメリカ型』はもう古い」というのは極めてミスリーディング。成功しているグローバル企業はすでに「グローバル型」の経営になっている。それをいまだに気づかずに「日本型経営」を礼賛するようなマスコミは時代遅れも甚だしい。(評価A-)
「学習する組織」(ピーター・M・センゲ)
  • 現在の経営学を語る上で不可欠な一冊。原書(初版)はFuquaの頃買ったが読了せずじまいだったので、やっと読了した喜びが大きかった。ビアゲームのくだりはただ懐かしく、また、最近の著者の思考を反映した後半は初版と趣を異にしている。うちの部門はどうすれば「学習する組織」に変えられるか?チャレンジは続く。(評価A)
「経済成長は不可能なのか」(盛山和夫)
  • 日本経済の課題を整理し、そこで語られる理論を評価、さらに上にも書いたように対応の「工程表」まで新書版に集約されている。著者の考えに100%Agreeという訳ではないが、それでも今年読んだ経済関連の本ではOne of the bestsだと思う。(評価A+)
購入:
"Good Strategy/Bad Strategy" (Richard Rumelt)、"Exit, Voice, and Loyalty" (Albert O. Hirschman)、「自分を超える法」(ピーター・セージ)

その他:
来週はW杯第三次予選や「なでしこ」のオリンピック予選が始まる。チャンピオンのプライドは持ちつつ、更なる高みを目指すという意気込みがあれば、決して難しい挑戦ではない。油断せずに戦ってもらいたい。

2011年8月21日日曜日

スーペルコパ、なでしこVSなでしこ、3試合ぶりの勝利

スーペルコパはバルサの勝利。プレシーズンの状態を考えると、ここでレアルが勝てなったということは重いのではないか?今年もかなりの確率でリーガの2試合以外にも国王杯やチャンピオンズリーグでも両雄が激突するだろうが、ここで勝てなかったレアルは余程のことがなければバルサの天下を崩せないだろう。2戦目のロスタイムにはここのところすっかりお馴染みになったレアル選手によるハードタックル→退場→乱闘がまたも繰り返された。モウリーニョの限界を見た気がする。


金曜日の「なでしこジャパン対なでしこリーグ選抜」は3月の「代表対J選抜」に並ぶ面白さだった。リーグ選抜にもかつての代表(というか去年の広州アジア大会の優勝メンバー)や今後代表を十分狙える若手がいて、女子サッカーのレベルが本当に上がっているのを実感した。現代表も、油断するとポジションを奪われかねないという緊張感があれば、浮かれ気分でオリンピック予選に臨んだりはしないだろう。

昨日のマリノスは毎度の展開、ボール支配率では圧倒してもアタッキングサードでの工夫不足でフラストレーションが溜まった。俊輔自身は久々に機能していたが、彼が一つ前になったことがまだ十分活かされていない。ただ、小野の決勝点はなかなかのものだった。川口のポジションを見て冷静にコースを狙うところが技術の高さを証明している。ついでに言うと、この試合の直後にアーセナルのベンチにいる宮市を見て、この世代が日本の中心になるのもそう遠くないと思った。

読了:
「スマート・パワー」(ジョゼフ・S・ナイ)
  • 国際政治におけるソフト・パワーの重要性が強調されているが、本書を読んでいくと、ハード・パワーを一定示せない国がいくらソフト・パワーといってもやはり相手にされないということが再認識させられる。日本については、民主党政権になって一層ハード・パワーが弱くなっていると思う。政治家には(おそらく無理だろうが)政争に明け暮れる中で日々国際政治におけるポジションを失いつつあることを自覚して欲しい。(評価A)
「現代文明論講義」(佐伯啓思)
  • 現代をニヒリズムが支配する時代と定義し、その中で正義・政治をとりまく様々な立場を学生との議論を通じ考えていく一冊。日本の大学でも「白熱教室」は可能だということもわかる。考えることの重要性を教えてくれる。(評価A)
「戦略の断層」(古我知史)
  • ケース→理論の解説という手法で、企業の成長ステージに沿って様々な戦略論・フレームワークを一通り知ることができる。ケースも日本企業が多いので、戦略の入門書としては価値が高い一冊だと思う。(評価A)
「どうする?日本企業」(三品和広)
  • 今回も「通説」にチャレンジし、日本企業の戦略に対する警鐘をならしている。利益を犠牲にした成長、雇用対策以外何物でもない多角化や、わが身(未だに非関税障壁で外資を制約していること)を忘れての新興市場進出など、通説に従っての過ちから日本企業が何を学ぶべきなのか?著者のリ・インベントは答えなのか?外資に努める身としてはお手並み拝見というところか。(評価A+)
「ジョブズ・ウェイ」(ジェイ・エリオット)
  • 元アップルのHR担当役員が近くから見たスティーブ・ジョブズの伝記であり、リーダーシップ・マネジメントスタイルの解説本といえる。細部への拘り、チーム作りの方法など参考としたい点が沢山あった。(評価A)
購入&読了
「人事部は見ている」(楠木新)
  • 日本企業における人事部の仕事がどのようなものかは分かる。ただ、正直私が日本社から離れて17年、基本的に何も変わっていないなと思う。冒頭の定期異動発表の光景など20年以上前のものかと錯覚してしまった。(評価B)
購入:
「逆境を生き抜くリーダーシップ」(ケン・アイバーソン)、「日本企業にいま大切なこと」(野中郁次郎、遠藤功)、「報道災害【原発編】」(上杉隆、烏賀陽弘道)、「経済成長は不可能なのか」(盛山和夫)

2011年8月13日土曜日

日本3:韓国0

水曜日の日韓戦は、去年のデンマーク戦とどちらが一番スッキリしたかを争う位の出来だった。少なくともレギュラー陣、とりわけ攻撃陣についてはアジア最強を証明できたと思う。香川と本田がきちんと共存できたし、清武という新兵器も発掘できた。3次予選に向けて自信になっただろう。ただ、後半遠藤が引っ込んでからはリズムが全く崩れ、韓国のコンディションが良かったら1~2点取られてもおかしくない状況だったことは忘れてはならない。遠藤に代わって試合のリズムを変えられる選手はいるのか?個人的には俊輔が代表に復帰するのがベストだと思うけど・・・(オシムは今でも「ブラジル大会の中心は俊輔と考えている」のだろうか?)

ヨーロッパからは宮市のビザ取得とセスクのバルサ移籍がセットのように伝わってきた。宮市には特例での交付が間違いではないということを証明してほしい。また、セスクの入るバルサがレアル・マドリーとどのようなストーリーを展開するか、今シーズンの新たな楽しみができた。

読了:
「事業戦略3.0」(野口吉昭 HRインスティテュート)
  • 地球環境とどう向き合うか、自社の事業を通じ社会にどんなインパクトをもたらしたいのか。本書で展開される事業生態系が意味するところだ。日本企業が違いを生むには確かにそのような視点が必要になってくるのだとは思うが、グローバルな市場を席巻するような企業が生まれ得るかは疑問だ。(評価A-)
「新・堕落論」(石原慎太郎)
  • 著者が小説家だったことを改めて認識した1冊。石原氏なりの見方から日本の将来を大いに憂いていることがビンビン伝わってきた。負担は嫌だが便益は享受したいという我儘な国民と、彼らに対して正面切って正論を吐けない政治家。省益追求に終始し、過ちを認めない官僚組織。とことん落ちないと直らないとあきらめ始める今日この頃だ。(評価A)
「HPウェイ」(デービッド・パッカード)
  • HPがどのように誕生し、HPウェイがどのように発展してきたか。創業者の一人による回想だが、自慢話に終わっていないところは流石だ。ベストビジネス書に選ばれるのは当然と思った。「イノベーションへのこだわり」、「顧客の声を聴くこと」、「人への信頼」、「目標による管理」。いずれもエクセレント・カンパニーに共通する経営手法だと思う。また、社会への貢献が既に意識されているのはアメリカだからだろう。(評価A)
「資本主義と自由」(ミルトン・フリードマン)
  • 大学生の時、「選択の自由」を読んで大いに刺激を受けた。経済危機で「市場主義」が散々叩かれた今でも、自分の考えは本書に近い。フリードマンは決して市場万能主義者ではないし、負の所得税といった社会政策の必要性はきちんと認識している。借金まみれの日本だからこそ、今一度、市場のもつ意味と政府が行うべき役割を議論すべきだ。国政選挙でそうした点(=かつて大前研一氏がA案・B案と整理したような政策論)が論点となることを期待しているのだが・・・(評価A+)
購入:
「戦略の断層」(古我知史)、「国家は破綻する」(カーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴフ)、「どうする日本企業」(三品和広)、「これからのリーダーに知っておいてほしいこと」(中村邦夫)、「ジョブズ・ウェイ」(ジェイ・エリオット、ウィリアム・L・サイモン)

その他:
取ってつけた「退陣3条件」が整う見通しで、やっと「6月初めにやめるべきだった総理」が退陣することになりそうだ。しかし政権党はもはや烏合の衆と化し、野党も弱体化。いい機会なので、ガラガラポンしたらと思うのは私だけ?

2011年8月7日日曜日

マツ、首位陥落、ブンデスリーガ開幕

NHKがニュースのトップに持ってくるほど松田直樹死去のニュースはインパクトが大きかった。マリノスの一員というだけでなく、近所のショッピングモールで見かけたことがあったことで、個人的にも重いニュースだった。冥福を祈るばかりだ。

昨夜のレイソル戦だが、仮にマツ死亡の影響がなかったとしても勝てなかったのでは、と思わせるぐらいにマリノスの出来が悪かった。レアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルをつかまえられず、チャブられてしまった。(ついでながら、「マツにささげるゴール」もヴィッセルの吉田に持って行かれてしまった。)これで2位(ガンバとグランパスが1試合未消化なので実質的には3位か4位)になったが、レイソルは開幕当初ほどの勢いはないので、十分逆転は可能だ。次節のヴィッセル戦までに立ち直って欲しい。

欧州トップリーグの先陣を切ってブンデスリーガが開幕した。ただ、スタメン入りしたのは香川と長谷部の二人だけ、岡崎はゴールしたが途中出場という状況で、日本人プレーヤーがピッチで鎬を削るというところまで行ってはいないのが現実だ。シーズンが佳境をむかえるまでに、他の選手がレギュラーをつかむことを期待する。

読了:
「余震 アフターショック」(ロバート・B・ライシュ)
  • 富の集中→中間層の購買力低下→景気後退という「資本主義の暴走」がこのまま続けば、アメリカが再び「孤立主義」を選択するという極端なシナリオまで想定できる、という本書で描かれた懸念は今回の米国債発行上限を巡る混乱とS&Pによる格下げで一段階大きくなったのではないか?Fuquaにいたとき、著者がゲスト・スピーカーとしてやってきて、ユーモアたっぷりの講演をしたことをまた思い出した。(評価A)
「『新しい働き方』ができる人の時代」(セス・ゴーディン)
  • これからはアーチスト、価値を生み出す人にならなければならない。という著者の主張はリチャード・フロリダ氏の「クリエイティブ・クラス」という考え方に近いと思う。そうした価値を生み出す人になるためには、やはり考え抜くことが必要だ。最終章の「頭ひとつ抜け出す人」になるためのTipsは参考になる。(評価A-)
「プロフェッショナル・リーダーの教科書」(経営者ブートキャンプ 編)
  • 自らが会社経営の経験を持つ5人がそれぞれの観点からリーダーへのアドバイスを展開している。一部は結局自慢話になっており、何かレッスンを学べるかというと怪しい。4つのジンザイ(財、在、材、罪)などは視点として面白い。(評価B)
「スペンド・シフト」(ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ)
  • 経済危機の中で人々の購買パターンが如何に変化してきているかをアメリカの実例で解説している。自分を賢くする・地域が潤うように・絆を強めるため・信頼を重視・自ら創造する、という5つのシフトは大震災後の日本にそのまま当てはまるのではないか。事業戦略を考える上で重要な示唆を与える1冊だと思う。(評価A)
「科学的とはどういう意味か」(森博嗣)
  • 「理系人間」と「文系人間」はどこで分岐するのかから始まって、考えることを放棄したともいえる多くの日本人(特にマスコミを意識しているように思われるが・・・)にさりげなく、かつ重要な警鐘をならしている。法律や経済だって論理思考・科学的思考ができなくては正しい結論を導けない。「絶対的存在」を創って思考が止まらないようにする必要性を再認識した。(評価A+)
「アウト・バーン」(深町秋生)
  • アクションについては映画「ダイ・ハード」のジョン・マクレーンのようなヒロイン、でもやることはもっと「えげつない」。裏社会に一目置かれているし、警察内部の弱みにも精通している。姫川玲子とは正反対の新ヒロイン誕生というところだ。次章ではいよいよ夫の死の真相に迫っていくのだろう。今から楽しみだ。(評価A)
購入:
「新・堕落論」(石原慎太郎)、「現代文明論講義」(佐伯啓思)、「HPウェイ」(デービッド・パッカード)、「資本主義と自由」(ミルトン・フリードマン)、「スマート・パワー」(ジョセフ・S・ナイ)

その他:
来週水曜日は韓国戦。なでしこフィーバーに男も乗れるか、第三次予選を控えて欧州組を大量召集したのだから、フォーメーションに拘るのではなく、勝負に拘って欲しい。

2011年7月31日日曜日

ブラジルW杯3次予選組み合わせ決定

今朝は4時少し前の地震で飛び起きた。涼しくて熟睡していたところだったので残念。7時過ぎに改めて起きだしたら、W杯の予選組み合わせが決まったとニュースで報じていた。
 日本の対戦相手はウズベキスタン、シリアと北朝鮮。FIFAのランクでは日本と差があるが、厳しい戦いになることは間違いない。ウズベキスタンは南アフリカ大会の最終予選で当たったが、本大会出場を決めたアウェー戦はヒヤヒヤものだったと記憶している。シリアには今年のアジアカップで逆転勝ちだったが、結構苦戦した。更に北朝鮮はランクに関係なく手ごわい相手だ。韓国のようにオール中東勢になるよりましという考え方もあるが・・・地力は間違いなく日本が一番なので、取りこぼす事なく、というか本戦で前回同様の成果を残したいのなら、圧勝で最終予選に進むくらいであった欲しい。 
 他の大陸でも予選の組み合わせが決まった。ヨーロッパではスペインとフランスが同じ組になったほか、ドイツとオーストリアとかポーランドとウクライナとか結構隣人が戦う事になっている。まだ前回から1年2か月ほどなのに、早くも予選か・・・

マリノスはまたまた今シーズンを象徴するような勝ち方で首位をキープ。だんだん形になってきたかな・・・谷口が代表候補になったのも朗報だ。

読了:
「リーダーの危機突破力」(佐山展生 編著)
  • 一橋MBAコースの講義の集約も今回で3回目。楽天の三木谷氏、BCGの御立氏などが自身の経験談や経営観などを話しているが、今回改めて思ったのは、ほぼ全員が職場を変わっていることだ。また、海外での経験があることも共通している。今のような時代でピンチをチャンスに変えるためには、ボーダレスな発想が求められるのだという、月並みだが、重要なレッスンではないだろうか?(評価A)
「経営戦略の教科書」(遠藤功)
  • コンサルタントが書いた戦略本らしい1冊。多くのケーススタディが掲載されており、実際の講義ではこれらを使って活発に議論をしているのだろうと感じられた。ただ、やはりいろいろな理論を深く語るには新書では限界がある。(評価A-)
「成功者は皆、ストーリーを語った。」(ピーター・グーバー)
  • ソニー・ピクチャー・エンターテインメントなどのCEOを務め、「レインマン」などの映画製作に関わり、更にベースボールやバスケットボールのチームを経営するという著者が、様々な経験を通じて体験したストーリーテリングのポイントが凝縮されている。戦略を肚に落としたり、難しい交渉を成功させるために、ストーリーを通じ、相手の頭に「絵」を描かせるというのは確かに有効な手段だ。自分として、このあたりを向上させていきたいと思う。(評価A+)
「スマート・プライシング」(ジャグモハン・ラジュー、Z・ジョン・チャン)
  • 「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」や、「サブスクライブ・アンド・セーブ」などの具体的なプライシング手法が紹介されており、実践的な価格戦略論が展開されている。個人的には日本企業の弱みの一つがプライシングだと思うので、こうした本の価値は大きいものがあると感じる。うちのビジネスでもベンダーとの価格交渉に役立つのではないか。(評価A)
購入:
「アウトバーン」(深町秋生)、「科学的とはどういう意味か」(森博嗣)、「プロフェッショナルリーダーの教科書」(経営者ブートキャンプ編)、「スペンド・シフト」(ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ)、「『新しい働き方』ができる人の時代」(セス・ゴーディン)、「事業戦略3.0」(野口吉昭 編、HRインスティテュート著)

2011年7月24日日曜日

マリノス首位キープ

マリノスはヴィッセルに完封勝ちで首位をキープ。試合は今年を象徴するような「渋い」内容で、終盤は毎度のことながらハラハラした。それでも昨年までのように追いつかれないで勝ち切れているのは、意識が統一されているからなのだろう。「継続は力なり」というところか。

読了:
「組織を脅かすあやしい『常識』」(清水勝彦)
  • 本書は「その前提が間違いです。」の再構成・加筆版だが、忘れていた事が多かった。問題点(と思われていること)の反対が解決にならないということを日頃実践しなければならないと思う。(評価A)
「世界の運命」(ポール・ケネディ)
  • この種の本を読んで毎度思うことは、欧米人(特にヨーロッパのエリート)の教養の広さ・深さだ。多くの話題(時事)について的確なコメントを伝えられるのは、そうした教養のなせる業だろう。本書も内容が経済からオリンピックまでおよび、それぞれにユニークな切り口で見解が語られている。(評価A)
「未曾有と想定外」(畑村洋太郎)
  • 政府の「原発事故検証委員会」委員長に選ばれた著者が、失敗学の見地から東日本大震災と福島第一原発事故の教訓をまとめた一冊。東北の津波は決して未曾有ではなく、過去の事象から学んだ三陸の人が多かった事、逆に原発事故は未曾有だが、原子力ムラの閉鎖性が「想定外」の事態にしてしまった事など重い教訓だと思う。首都圏大洪水のシナリオについては行政を頼らず、会社として何か手を考えなければとも思った。(評価A)
購入:
「余震 アフター・ショック」(ロバート・B・ライシュ)

2011年7月18日月曜日

なでしこJapan優勝

結果として時差ボケで眠れなかったのだから、観戦すれば良かった・・・
とにかく目出度い。ビデオ見ているだけで泣きそうになったのは久しぶりだ。FIFA主催の大会で日本が決勝まで進んだのは3回目。初めて頂点に立った!韓国の方が先にU-17女子W杯で優勝したけど、こちらはフル代表での優勝なので、こっちの方が優位だ!(と今日はいつになく愛国心に燃えている)延長の最後で追いついてPK戦での勝利だったが、実力差を考えるとこれしかない!という勝ち方だったと思う。今後はこれまで以上に(特にアジアの各国からは)追われる立場になる。今回は体格差を技術と精神力でカバーできたが、更に進化するためには今以上に技術を高め、文字通り「女子サッカーのバルセロナ」になって欲しい。

マリノスも何とか引き分けて首位に浮上。こっちはいつまで続くかな?

購入:
「スマート・プライシング」(ジャグモハン・ラジュー、Z・ジョン・チャン)、「リーダーの危機突破力」(佐山展生 編著)

2011年7月17日日曜日

Orlando旅行

9日から丸1週間オーランドに行ってきた。ユニバーサル・フロリダとウォルト・ディズニー・ワールドのテーマパーク6つを5日間で回ったが、映画好きのわが夫婦はユニバーサル・スタジオとディズニー・ハリウッドが他を圧倒して面白かった。夏休みにはまだ少し早いし、震災の後だという事はあるものの、日本人があまりに少なかったのは驚きだった。現地のツアー会社のスタッフも旅行者数がかなり減ったと話していた。TDRやUSJができた事に加え、直行便がないので一日がかりの行程になるし、オーランドまでの乗り継ぎ便は全て英語になるというのも、敬遠される要因かもしれない。しかし、ハリ・ポタのようなアトラクションができたり、スター・ツアーズがリニューアルされていたりと、日本では味わえない経験をするにはやはり本場にいくべきだと思う。

約5年ぶりのアメリカで感じた事。まず、観光地という土地柄のせいかもしれないが、料理がおいしくなった。もちろんボリュームには圧倒されるし、「失敗した!」と思うようなケースもあったが、総じて及第点だった。また、日本人が減った分(それ以上に?)中国人の旅行者が増えていた。更に驚いたのは、ホテルのTVが韓国製になっていたこと。Made in Japanはどこにいった?一方で変わらないのが、メディアのカバーの偏り。日本のメディアも偉そうなことは言えないが、期間中のニュースは子供殺しの嫌疑が晴れて保釈される母親の話ばかりだった。(たまたまオーランドで起きていた事件だが、ローカルメディアだけでなく、全国ネットでも持ちきりだった。)

行きの飛行機から始まって、昨日帰ってくるまで一貫して思ったのは、日本の地盤沈下はもう相当のスピードで進んでいるのではないかということだ。ビジネスマンも留学生も中国人・韓国人の方が多かったし、WSJが載せていた外務省による職員の大韓航空使用自粛のニュースは韓国人が書いていて、竹島も括弧書きの扱いだった。こんな状況を打破するには、皮肉な話だが、今の政権の場当たり的な電力政策が進んで、製造業の「空洞化」が進んで、結果「グローバル化」が進展する(しかし本国はますます衰退する)というシナリオしかないかもしれない・・・そんな事を感じていたところだったので、旅行中に読んだマッキンゼー編集の「日本の未来について話そう」が余計に心に刺さってきた。ここに書かれている提言は、既得権者には「小泉改革」以上の痛みを伴うだろうが、日本を再生するには絶対不可欠なものだ。逆にこれができなければ、日本は、堺屋太一氏の「平成30年」の世界に向かっていくのみだろう。

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なでしこジャパンとマリノスはともに旅行中勝ち続け、なでしこはついに決勝まで進んだ。ESPNでは女子W杯を中継していて、アメリカの試合については何度もVTRが流れていた。ついでに日本もいいチームだとオマケのように報じられるのは、ちょうど日本の真逆で面白かった。一方マリノスは今晩アルディージャに負けなければ5年ぶりの首位浮上だ。明日朝の目覚めが良い事を願う。

読了:
「アメリカ陸軍 リーダーシップ」(リーダー・トゥー・リーダー研究所)
  • 以前に読んだ海軍の類書に比べると民間企業への応用可能な範囲が多かった気がする。最近アメリカの企業で軍隊経験のあるリーダーが求められているというが、この本を読むとうなずける。AARの実践など、学ぶべき点・やるべき点が多かった。(評価A)
「会社は変われる!ドコモ1000日の挑戦」(魚谷雅彦)
  • 本書を読んで思い返したら、確かにある時点からdocomoの製品がシリーズになり、CFが変わったことを思い出した。コカ・コーラのマーケティング指向が影響していたのだと思うと興味深い。docomoが「うちの業界は食品業界と違う」というありがちな拒絶反応を示すのではなく、Consumer goodsという共通点に着目し、マーケティング戦略を取り入れていく様子が生き生きと描かれていて好印象をもった。(評価A)
「3.11後 日本経済はこうなる!」(池田信夫)
  • 池田氏が4人の識者(主として経済学者)との議論を通じ、今後の日本経済の在り様を語っている。印象に残ったのは、実際に被災地に足を運んだ小幡氏が語る福島の避難所と岩手・宮城の避難所の雰囲気の違いだ。まさに天災と人災の違いなのだ。本書の言わんとしているのは、結局のところ3.11以前の日本に戻すのでは先行きが暗いということだ。(評価A)
「真の指導者とは」(石原慎太郎)
  • 石原氏の本を読むのはおそらく、「Noと言える日本」シリーズ以来だったろう。リーダー論としてはすぐれた1冊と思う。目指している方向性は時に賛成できないが、著者の一貫している姿勢と構想力・実行力にはいつも感服する。「脱・官僚」というのであれば、このくらい「自分で考え・決断する」必要がある。延命のための思い付きを連発するだけの首相は爪の垢を煎じて飲むべきと思う。(評価A)
「柳井正の希望を持とう」(柳井正)
  • この著者も強いリーダーとして尊敬すべき人物だと思う。その著者がめずらしく政治についての考えを語っている点でも面白く読んだ。帯にある、「『ビジネスで成功する人』の条件」が「持っている人の条件」とオーバーラップするところが多いのは、結局ジャンルを問わず成功するための王道は一つだということを示しているのだろう。それにしても柳井氏のようなグローバルな視点を持つ経営者のなんと少ない事か!(評価A)
「日本の未来について話そう」(マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集)
  • 上にも書いたが、日本がどう進むべきかに関する総合的な処方箋と言える1冊。面白いのはここでも小泉改革を積極的に評価している論者の多い事だ。本当の意味での日本再生を果たすためには、実は一人ひとりが「いざとなったら国に泣きつく」という姿勢(国、お上への依存体質)を改めて、文字通り自己責任でリスクを取っていける世の中を創らなければいけないのだ。そのためにも逆に一刻も早く解散・総選挙→政党の再編を行う必要があると強く感じた。(評価A+)
購入:
「成功者は皆、ストーリーを語った。」(ピーター・グーバー)、「未曾有と想定外」(畑村洋太郎)、「経営戦略の教科書」(遠藤功)

2011年6月26日日曜日

U-17W杯決勝トーナメント進出!

U-17日本代表が18年ぶりに決勝トーナメント進出を決めた。試合を見る限り結果(2勝1分けで首位)ほど抜けてはいない。個々の力はプラチナ世代よりは弱いかもしれない。それでも決勝トーナメントに進出したことで、最強以上の最強世代になる可能性ができた。次のニュージーランドにはしっかり勝って、準々決勝はPK戦でもいいから勝つ!目標は最低でもベスト4だ!

U‐22は最終予選でのシードが決まった。やはり運はまだ味方についている!プラチナ世代を融合させて中東勢を撃破じゃ!

読了:
「真夏の方程式」(東野圭吾)
  • 管轄外の草薙と内海が協力したり、最初から湯川が「すべてお見通し」だったり小説っぽさがあちこちにあるが、それでも「子供嫌い」の湯川が少年と真摯に向き合う姿が良かった。そのうち湯川の恋愛というのがあるのかな?(評価A-)
「近代哲学の名著」(熊野純彦 編)
  • 副題のとおり、デカルトからマルクスまでの哲学者による24の本がコンパクトに紹介されている。近代の末期になるにしたがって、社会とのあり方に重点が置かれてきた事が分かった。また、現代の哲学にどんな影響を与えているかも理解できた。(評価A)
「守りつつ攻める企業」(井上潤吾)
  • 「日本企業は攻めに転じなければガラパゴスの中で死滅する」というメッセージというか危機感が伝わってきた。事業のポートフォリオをしっかり考え、選択と集中を徹底することなしには成長はない。現状のインフラや規制を考えると、多くの企業は国外脱出まで考えざるを得ないと思う。(評価A)
「創発的破壊」(米倉誠一郎)
  • 本書を読んで元気になった。日本の技術者はやはりすごい。復興を論議する中で、本書のようなスマートシティといったイノベーティブな考えが、復興会議の提言と並んでSNSで論じられることだろう。そうした中で日本流のジャスミン革命まで進めると良いな。(評価A+)
購入:
「コーチングの神様が教える『前向き思考』の見つけ方」(マーシャル・ゴールドスミス)、「「危急存亡時のリーダーシップ」(トーマス・コルディッツ)、「アメリカ陸軍リーダーシップ」(リーダー・トゥー・リーダー研究所ほか)

2011年6月19日日曜日

オリンピック予選

今晩いよいよロンドンオリンピックの予選がスタート。ワールドカップより狭い門を突破する必要がある。文字通り「負けられない戦い」が始まる。クウェートにホームで圧勝してアウェーを有利に進めたい所であるが、心配は永井のけがの状態だ。関塚監督が相手を欺く作戦を取っているのであれば「あっぱれ」だが、実際のところはどうなのだろう?後半の勝負どころでスーパーサブ的に使うのか、それとも前半から行けるところまで引っ張るのか。いずれにせよ鍵になるのは間違いない。

昨日はX-menを見た。Professor Xとマグニートが時に(X-メン2のように)共同戦線を張ったりするほど「近い」のは何故か、これを見て納得した。これからも続編やスピンオフが作成されるようだが、スターウォーズのようになれるのだろうか?

マリノスは大阪二連戦終了。1勝1敗は最低限の結果に見えるが、アドリアーノの移籍が決まったガンバ相手に負けたのは痛い。フロンターレの強さが「本物」になってきているので、ACL出場権争いは益々厳しくなってきた。

読了:
「最強マフィアの仕事術」(マイケル・フランゼーゼ)
  • 著者はかつて本当にマフィアの幹部として「ビジネス」を仕切っていた人物。その著者がマキャベリの「結果がすべて」のリーダーシップ論を礼賛するのではなく、ソロモン王のような聖人君主に学べというのが意外だった。基本を学べとかおしゃべりは禁物とかいった原則は、下手をすると命取りになるというエピソードの凄味の分面白かった。(評価A-)
「古典で読み解く現代経済」(池田信夫)
  • アダム・スミス「国富論」、マルクス「資本論」、ナイト「リスク・不確実性・利潤」、ケインズ「一般理論」、ハイエク「個人主義と経済秩序」、フリードマン「資本主義と自由」。古典とされるこれら6つの著書・論文はいずれも現代経済を語る上で重要というのが良く分かる。その中で、フリードマンを一番評価しているのが面白かったし、自分の思いと著者の考え方に共通点が多かったので、読んでいて気持ち良かった。(評価A)
「三国志」(渡邉義浩)
  • 三国志演義や小説を読んだこともなく、映画「レッドクリフ」も見ていないが、三国志には興味があったので、読んでみた。諸葛孔明の活躍がすべてではないこと、「正統」をどこに置くかで見方が変わることなど、「三国」それぞれの事情を極力史実に沿って解説されている点がよかった。依然として誰が誰やらはっきりしていないところが残るので、いつか誰かのバージョンの「三国志」を読んでみたいと思う。(評価A)
「『持ってる人』が持っている共通点」(小笹芳央)
  • イチロー、本田圭祐、斉藤祐樹に代表される「持っている人」は他人を意識せず、感情的にならず、過去にとらわれず行動しているという。そのうえで、著者は「社会で愛され、信頼を築く」というのを行動原理としているが、これは成果を出し続けた結果出来上がるもので行動原理にするのには無理があると思う。(評価A-)
購入:
「日本人の誇り」(藤原正彦)、「創発的破壊」(米倉誠一郎)

2011年6月12日日曜日

3-4-3、U-22、完敗

先週、世の中は首相がいつ辞めるかの駆け引きとAKB48の総選挙が2大トピック。震災から3か月で、被災地以外は元の「平和ボケ」にすっかり戻ったようだ。

そんな中での自分的なサッカー3題。
  1. 代表のチェコ戦:3-4-3をテストしたいザッケローニだったが、またもやスコアレスドロー。何しろゴールが遠い!初戦のアルゼンチン戦のように縦にいく力が弱く、見ていてフラストレーションが溜まるばかり。今の状況では、実質1バック(プラスサイド2枚=内田+長友)で守れば十分な時(その位相手が弱い時)以外使えないだろう。
  2. U-22:宇佐美、宮市、指宿が落選。宇佐美は態度で選ばなかったとか・・・永井のスピードだけに賭けるように思われてならない。
  3. マリノス対レイソル:結局見に行けなかった。シュート数は16対4、でもスコアは0対2。アントラーズやレッズの時にマリノスがやったのを逆にやられた。レイソルの強さは本当だろう。去年のセレッソやその前のサンフレッチェそうだったが、J2からじっくり外国人監督の下でチーム作りをしているチームが昇格後すぐに上位にくるというのは、J1のチーム作りの根本的な問題を浮かび上がらせていると思う。
読了:
「日本中枢の崩壊」(古賀茂明)
  • 本当に腹を括らなければ現役の官僚がここまで書くことはできなかっただろう。でも本書を読むと、霞が関の論理が如何に時代遅れか、一刻も早く、「政治主導」(まともな意味の)を実現しなければならないかが理解できる。役所だけが「成長産業」という実態を変えられない不満を解消できる政治家が求められる。古賀氏自身が「過去官僚」として政治家になったら面白いのになどと考えながら読んだ。(評価A)
「エンパワード」(ジョシュ・バーノフ、テッド・シャドラー)
  • SNSの台頭に象徴される「グランズウェル」(前著のタイトルでもある)に企業が対応するには、従来の組織体系では困難で、エンパワーされた社員が必要だというのが本書の主旨。出る杭を打つのが企業文化のトラディショナルな日本企業には高いハードルだ。うちはまだ可能性はあるな・・・(評価A-)
「アイデアを形にして伝える技術」(原尻淳一)
  • 著者が意図したように、現代版の「知的生産の技術」といった趣のある1冊。フィールドワークの方法から、情報の整理、プレゼンのノウハウなど、企画を担当する若手にしっかり読ませたいと思う。(評価A)
「自由市場の終焉」(イアン・ブレマー)
  • リーマンショック以降、市場の欠陥ばかりが喧伝され、(特に日本では)市場規制の強化ばかりが語られる。そうした国家の介入や新興国の国営企業台頭がどこまで続くのか?本書は一定の考え方を示してくれている。市場に必要なのは有効な規制であって、強い規制ではないはずだ。(評価A)
「コンサルタントの『ひと言』力」(野口吉昭)
  • コンサルタントでなくても、経営者・リーダーなら部下に対して使えなければならない「ひと言」、また、言われてはならない「ひと言」が詰まっていた。発想を広げたり、変革を実現したりするには、更に応用していかなければならない。(評価A)
「伸び続ける会社の『ノリ』の法則」(遠藤功)
  • 毎度ながら遠藤さんらしい1冊。ザッケローニが出てくるのもサッカーから学ぼうとしている著者らしい。日本企業の勢いが良かったころはリーダーは神輿に乗って、部下のノリに任せていれば良かった。いつしかバウルが崩壊し、コンプライアンスとかいう面倒が出てきて、ノリの良い社員が生きる場は少なくなってきた。今回の震災からの復興おいて、こうした行き過ぎた面が取り除かれて、企業が活性化されればいいなと思う。(評価A)
購入:
「守りつつ攻める企業(井上潤吾)、「『持っている人』が持っている共通点」(小笹芳央)、「真夏の方程式」(東野圭吾)

2011年6月4日土曜日

6月1日 日本対ペルー戦

6月1日はMy birthday。半世紀を超えること4回目の誕生日なので、特段のお祝いもなし。ちょっと早く帰ってきて日本対ペルー戦を見た。3-4-3の並びに気を使うあまり全く良い所のなかった前半では、長谷部のパスで西がサイドを抉った時だけが唯一の見せ場。後半本田の投入でやっと活気が出たが、最後は押し込まれ川島のセーブでやっとのことドロー。負けなかったのが収穫の寒い試合に見えた。来週火曜日のチェコ戦には現時点でのベストメンバーで臨めるので、より攻撃的な3-4-3を見たい。

今週は菅外しに明け暮れた1週間。鳩山氏の迷言(「こんな民主党にしたつもりはない」とか、「ウソをついてはいけません」とか・・・)ばかり報道された。被災地の復旧を最優先にすべきなのは当然だが、それをリードできないリーダーをいつまで支えなければならないのか?これ以上の遅延を発生させない為には菅抜きの大連立しかないだろう。退陣時期が明確になってきたので、早期に次の政権枠組みを論議すべきだ。

読了:
「プラチナ世代のW杯」(安藤隆人)
  • 読み終わって、宇佐美、宮市、柴崎など92年組が早くアテネ組や北京組を追い抜いてほしいと率直に思った。それがW杯における次の壁(ベスト16の壁)を打ち破るための絶対条件だろう。本書を読んだのと時を同じくして宇佐美が代表に選出され、バイエルン・ミュンヘンへの移籍も現実味を帯びてきた。(評価A-)
「敗者の錯覚」(鈴木信行)
  • 中小企業の社長向けに、守ってはいけない「常識」40を紹介している。その「教え」は経営に携わる者すべてに共通する実践的なものだ。「経営に盲点などない。見えていないだけ」、「社員のやる気がないのは社長が引き出せていないから」などは耳が痛かった。(評価A)
「脱『コモディティ化』の競争戦略」(リチャード・A・ダベニー)
  • 日本語訳されてないが、この著者の”Hypercompetition"という本は競争戦略を語る上で重要な1冊だ。本書もこの”Hypercompetiton"でのフレームワークである「価格・ベネフィット分析」が随所に出てくる。うちの商品はまさにコモディティ化しているので、本書に描かれている対応策の考え方は参考になる。(評価A)
「本物のリーダーとは何か}」(ウォレン・ベニス、バート・ナナス)
  • 約20年前に「リーダーシップの王道」を読んだときは、こんなに「刺さって」きていただろうか?それだけ今の方がリーダーシップを求められているということだろう。ビジョンを定め、意味を伝え、ポジションを固め、自己を研鑚する。言葉にするとシンプルだが、重たい役割だ。(評価A+)
「分析力を駆使する企業」(トーマス・H・ダペンポート、ジェーン・C・ハルス、ロバート・モリソン)
  • 前作「分析力を武器にする企業」で示されたモデル企業になるための要素をDELTA(Data, Enterprise, Leader, Target, Analyst)の5つに分解、それぞれステップ1からステップ5(分析力を武器にしている企業)に至るための条件が何か解説している。当社の場合はシビアに見るとまだまだステップ2といったところだろうか。(評価A-)
購入:
「最強マフィアの仕事術」(マイケル・フランゼーゼ)、「アイデアを形にして伝える技術」(原尻淳一)、「伸び続ける会社の『ノリ』の法則」(遠藤功)、「コンサルタントの『ひと言』力」(野口吉昭)、「古典で読み解く現代経済」(池田信夫)、「三国志」(渡邉義浩)、「「近代哲学の名著」(熊野純彦)、「昭和天皇」(古川隆久)

2011年5月29日日曜日

梅雨入り

関東の梅雨入りは史上3位の早さとか。一昨日の夕方からずっと雨。明日の午後には止んで欲しい。この状態が7月中旬まで続くのかと思うと憂鬱だ。

チャンピオンズリーグ決勝はバルサの快勝。今晩再放送で内容をチェックするつもりだが、マンUは今回も正攻法で戦って負けたという。最強リーグのプレミアのチャンピオンでもバルサには歯が立たなかったということだ。これで12月のクラブW杯でバルサを見られる。もしペップが続投し、セスクが加わっていたら本当にドリームチームが完成する。是非見てみたい。

マリノスは何とかベガルタと引き分けて代表戦ウィークを迎えた。次節はレイソル@日産スタジアム。果たしてレイソルの勢いを止められるか?ここは是非とも叩いておきたいところだ。

読了:
「断捨離思考のすすめ」(田崎正巳)
  • 話題の「断捨離」の考え方は著者がかつて在籍したBCGの戦略論(戦略とは捨てること)に近いということだ。タイトルからは想像できないが、経営者・戦略マネジャーは必読の1冊だと思う。外圧がないと変われないのは企業も日本という国も一緒。本当に変わるには、小泉改革のようにしがらみのないリーダーが引っ張ることしかない。それでも抵抗勢力が強いと郵政のように後戻りしてしまう・・・(評価A)
「緊急提言 日本を救う道」(堺屋太一)
  • 堺屋太一が各界の専門家と震災後の日本のあり方を論議し、一冊にまとめたものとなっている。ソフトブレーン創業者の宋文洲氏の指摘が一番共感できた。なぜ「復興=モノづくり」という製造業の論理から抜け出せないのかという点、政府を信じてはいけないということから出発した中国人の知恵などは、参考になる。官僚主義をいかに打破できるか。日本が真に成熟した国になるための高いハードルだ。ただ、その他の論者からはここまでのアイディアはうかがえなかったのが残念。(評価A)
「大震災後の日本経済」(野口悠紀雄)
  • マクロ経済学の理論で、客観的に大震災がどんなインパクトを持ち、復旧のための方策、特に財源捻出方法がどのような結果をもたらすか分析されている。リーマンショックとはどう違うか、阪神淡路大震災とはどう違うかの説明は分かり易かった。また、どんな形にせよ国民負担が増えざるを得ないことも説得力ある説明がなされている。ただ一点、円相場の動向(非常な円高になる)という点については生活感覚からは納得しがたい所がある。(評価A-)
「『PULL』の哲学」(ジョン・ヘーゲル三世、ジョン・シーリー・ブラウン、ラング・デイヴソン)
  • SNSのようなツールを最大限活用し、成功を導くためのマニュアルのような一冊。ビジネス書でもあり、自己啓発書のようでもあり・・・アクセスし、必要なものを引き寄せ、目的を達成する。言葉にすると非常にシンプル。でも意外に真実かもしれない。思い起こすと社会人になりたての頃から社内の人脈を生かして仕事をするよう意識させられたし、実際に成果を上げている人ほど「顔が広い」のも事実。リアルでもバーチャルでも同じということなのだろう。(評価A)
購入:
「本物のリーダーとは何か」(ウォレン・ベニス)、「脱『コモディティ化』の競争戦略」(リチャード・A・ダベニー)、「エンパワード」(ジョシュ・バーノフ、テッド・シャドラー)、「分析力を駆使する企業」(トーマス・H・ダベンポート、ジェーン・G・ハリス、ロバート・モリソン)、「自由市場の終焉」(イアン・ブレマー)、「日本中枢の崩壊」(古賀茂明)

2011年5月22日日曜日

映画

ここのところ2週続けて映画を見に行った。(先週は「私をはなさないで」、昨日は「ブラック・スワン」)あと2本近々見に行く予定だ。パイレーツ・オブ・カリビアンやXメンといったシリーズものはやはり外せない。

マリノスはヴァンフォーレに快勝。4点とったことより今季ホームで初めて無失点で終わったことが大きい。後半をTVで見ただけだったが、小椋が良かった。このあとベガルタ、レイソルと続くので、ここが最初の踏ん張りどころだ。昨日のような守備力があれば首位浮上も可能だ!

読了:
「ブルー・オーシャン戦略を読む」(安部義彦)
  • ブルー・オーシャン戦略の構成要素や策定に際して使うツールなどをコンパクトに説明している。単に新規市場を開拓することとイコールではないこと、一気に進めるべき戦略であることなど、オリジナルを読んだ時に分かったつもりになっていた項目を再確認した。(評価A)
「存亡の条件」、「『日本人』原論」(ともに山本七平)
  • 前者はユダヤ人の滅亡を説く一方、日本人の指導者感、背後にあるものを解説している。また、後者では日本人が如何に「まともな」議論ができないかを語る最終章が印象に残る。これらが30年以上前に書かれていたということ、一方3・11以降の政府・マスコミなどの動きを見ると、結局日本人が滅亡(それも自滅)に向かってまっすぐ進んでいるように思われてならない。著者が喝破したように、我々は自分の頭で考えることをはじめなければ!(評価A)
「最強リーダーシップの法則」(ブルース・ボダケン、ロバート・フリッツ)
  • 「現実を確かめる」、「原因を分析する」、「改善計画を立てる」、「フィードバックの仕組みをつくる」という4つのステップはシンプルだが、意外にパワフルかもしれない。出版されたときにすぐに読まなかったのは、まるで"The Fifth Discipline"の続編のようなデザインが気に入らなかったからだが、読んでみるとUSでそれなりに評価されている本だけのものだった。(評価A)
購入:
「緊急提言 日本を救う道」(堺屋太一)、「大震災後の日本経済」(野口悠紀雄)、「敗者の錯覚」(鈴木信行)、「『PULL』の哲学」(ジョン・ヘーゲル三世)、「プラチナ世代のW杯」(安藤隆人)

2011年5月15日日曜日

J1 6試合消化

昨日のマリノスは李ひとりにやられた感じだ。まだ6試合だし、ACL組の未消化試合もある中だが、レイソル、サンフレッチェの2チームは上位に留まる力が十分にあるよう思われる。マリノスは今の現実路線が定着すれば良い所まで行けるだろう。ACL組ではグランパスとアントラーズが苦しいように思われる。グランパスは選手層(特にMF)の薄さ、アントラーズは運動量の少なさが気になる。レッズとエスパルスは早くも正念場という感じ。いずれにせよ、今年のJ1は大混戦必至で戦前予想のようにグランパス・アントラーズ一騎討ちにはならないだろう。

現時点でまとめると
Aクラス:レイソル、サンフレッチェ、マリノス、ガンバ、セレッソ、アルビレックス
Bクラス:ベガルタ、アルディージャ、フロンターレ、ジュビロ、レッズ、グランパス
Cクラス:アントラーズ、ヴァンフォーレ、エスパルス、モンテディオ、ヴィッセル、アビスパ
という感じかな?

読了:
「イシューからはじめよ」(安宅和人)
  • 思ったほどの内容ではなかった。「脳科学×マッキンゼー×ヤフー」かもしれないが、マッキンゼーの影響が一番大きいようだ。考えを他人に伝えるときの方法(主語と動詞を入れる)などは参考になるが・・・(評価B+)
「ゼロのちから」(ナンシー・ルブリン)
  • これまでドラッカーのように「営利企業のやり方を踏まえて非営利企業を経営すべし」という本ばかりだったが、本書は正反対。NPOのやり方から営利企業が学ぶべき点も多いのだという事が示されている。その意味で極めて面白い1冊だった。(評価A)
「ストレスフリーの仕事術」(デビッド・アレン)
  • やるべきことを手帳に記録すると心理的に安心するのは確かだ。ここはもう一歩進めて、とにかくやらなければならないことを書き出してみようと思う。思わなければ実現しないというのも一面の真理だし・・・それでどのくらいストレスを軽減できるか。(評価A)
「日本経済 こうすれば復活する!」(竹中平蔵)
  • やるべきことについて、著者の意見にはほぼAgree。ただ、この時点での更なる国債発行はリスクがあるように思う。いつものように小泉改革の弁明という色が強いのは致し方ないか?(評価A-)
購入:
「ブルーオオーシャン戦略を読む」(安部義彦)、「存亡の条件」(山本七平)、「『日本人』原論」(山本七平)、「最強リーダーシップの法則」(ブルース・ボダケン、ロバート・フリッツ)、「断捨離思考のすすめ」(田崎正巳)

2011年5月8日日曜日

GW終わり

カレンダー通り出勤したし、金曜締切の仕事があったりしたので、休んだような休まなかったような中途半端な10日間でした。でもそれなりにEnjoyはできたかも・・・

昨日も当初日産スタジアムへ行こうと思ってたが、諸般の事情で見送り。行っていたら却ってストレスが溜まっただろう。それでも勝ったのはツキ?実力?小野・渡辺・大黒3人がここ2試合で合計5点取ったのは苦手(に見える)サンフレッチェ戦に向けてGood News。

ヨーロッパでもリーグ最終盤で岡崎・阿部が初得点。「来シーズンも残っていいよ」という神様のメッセージだろう。ただ、南米選手権への招集がその分難しくなるという問題も出てくるだろう。こんな状況で本当に海外組15人集められるかな???

読了:
「日本復興計画」(大前研一)
  • 3・11以後改めて大前氏はその輝きを増したように思う。被災地域の「復興」を考えるなら、きちんとした青写真を早く作成する必要があるが、今の政府は全てが先送りで何も決められない。そのくせ「超法規的」に何の法的根拠もなく、一民間企業である中部電力に半ば脅しのように原発の運転停止を「要請」したりするから始末に負えない。本書のような「まともな」計画が一刻も早く出来上がることを望むし、そのためには大前氏に正式なポジションを与えることを期待する。(評価A)
「お金の科学」(ジェームス・スキナー)
  • ある意味とてもキリスト教的な本かもしれないなと思う。自分が周囲に与えている価値が結局のところ自分の「価格」であり、それがお金という形で見えるのだ。そう考えると、スッキリしてきた。「成功の9ステップ」と併せて読むと著者が言わんとすることが一層明確になる。タイトル以上に内容があると思う。(評価A)
「逆パノプティコン社会の到来」(ジョン・キム)
  • ウィキリークスやフェイスブックが如何に既存のジャーナリズムに影響を与え、またジャスミン革命に繋がっているかが良く理解できた。日本のジャーナリズムの状況を見ると、ウィキリークスなどはキワモノ扱いで、その破壊力が全く理解できていないようだ。NY Timesなどと比べると元々質には雲泥の差があったが、こうした新「メディア」への対応で一層差がついたのではないか。こうした旧体制に挑む上杉隆氏に期待したいと一層思う。(評価A-)
購入:
「イシューからはじめよ」(安宅和人)、「ゼロのちから」(ナンシー・ルブリン)、「ストレスフリーの仕事術」(デビッド・アレン)、「日本経済こうすれば復興する!」(竹中平蔵)

その他:
チャンピオンズ・リーグファイナルは2年ぶりのマンU対バルサになった。一昨年の決勝はちょうど英仏への旅行の出発日早朝で、メッシのゴールを見て出発、到着したロンドンでバルサの優勝パレードを生で見た。今年は「ホーム」のマンUが有利?バルサはどれだけけが人が復帰できるかがカギだろう。

2011年5月1日日曜日

GW前半

昨日は久々に実家で母や弟に会った。地震の時の話で終始したが、それだけインパクトが大きかったということだ。実家は停電が数時間続いたし、鶴見川も1Mほどの津波が数キロ上流まで到達していた。日経ビジネスで、”今回の海外がとった対応を『大げさ』というなら狂牛病の時のアメリカ産牛肉への対応はどうか、日本人の態度は不遜ではないか”という趣旨の記述を読んだ。全く正しいし、あの時の状況や政府の頼りない説明を聞いていた日本人だって本当は逃げ出したかったのではないか?少なくとも自分自身を振り返ると「大阪に行ってほしい」と聞いた時は正直何となく安堵したし、1か月やそこら帰ってこられないだろうとも覚悟した。このところの記事を読むと、偶然の爆発で事態の悪化が免れていた点もあったようだ。これまでのような幸運はいつまで続くか分からない。最悪の事態を防ぐためにどうするか、しっかりとした戦略構築を求めたいが、今の政府・東電では期待できない・・・

チャンピオンズリーグ準決勝の疲れかバルサ・レアルともリーグで敗戦。メッシは負傷という噂があったがフル出場したようなので、火曜日も出場できるだろう。決勝はどうやら2年ぶりのバルサ対マンU@ウェンブリーになりそうだ。

読了:
「生き残る企業のコ・クリエーション戦略」(ベンカト・ラマスワミ、フランシス・グイヤール)
  • 最近の戦略論の本では珍しく日本企業の事例が多く取り上げられていた。企業間の連携(何となく系列を思い出した)だけでなく、顧客・社員ともコ・クリエーションは可能だという点で、従来のAllianceと異なる。グローバル経済で成功するには、一人ですべてやることは不可能と肝に銘じ、積極的にパートナーと組んでいくということなのだろう。(評価A)
"Business Model Generation" (Alexander Osterwalder & Yves Pigneur)
  • 今年これまで読んだ中でもトップ3に入る。Strategy Canvasはビジネスモデルの要素を整理するのに強力なツールだと思う。新規事業の構築だけでなく、既存事業の収益がどこから来るのかをキチンと議論するのにも適している。これはkindleやi-Padで読むのは難しい紙ならではの本だと思う。(評価A++)
「ビジネススクールで学ぶ101のアイデア」(マイケル・W・プライス、マシュー・フレデリック)
  • 「ビジネスの単語帳」という記述がぴったりの1冊。MBAの授業で学ぶ表面的な理論ではなく、「生きた知恵」的な項目が並んでいる。表現も分かり易いので、あっという間に読めてしまう。それが良い点でもあり、物足りなさでもある。(評価A-)
購入」
「日本復興計画」(大前研一)、「逆パノプティコン社会の到来」(ジョン・キム)

2011年4月24日日曜日

テニス振替レッスン消化

今朝は7時過ぎから2レッスンぶっ続けでテニスをした。現在足腰に筋肉痛。2週間ぶりにしてはショットがまずまずだったので良し!

購入:
"Business Model Generator: A handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers" (Alexander Osterwalder"、「ビジネススクールで学ぶ101のアイデア」(マイケル・W・プライス)、「お金の科学」(ジェームス・スキナー)、「生き残る企業のコ・クリエーション戦略」(ベンカト・ラマスワミ、フランシス・グイヤール)

2011年4月23日土曜日

英国王のスピーチ&J再開

ようやくアカデミー賞受賞作を見た。いつも行っているシネコンは、当初上映しておらず、今週1週間限定での公開を待っていた。「ソーシャル・ネットワーク」も見たが、「英国王のスピーチ」の方が断然素晴らしかった。どうも男同士の友情には弱い。ジョージ6世が、最後にすべてのプレッシャーを撥ね退けて行う開戦演説は、感動的で不覚にも涙が出てしまった。

Jも再開。仙台が勝ったのは集中力の差?マリノスはアントラーズに完勝。去年は歯が立たなかった上位との2試合で1勝1分の結果で開幕前の不安を今のところ払拭している。5月には見に行くぞ。

読了:
「十字軍物語2」(塩野七生)
  • 物語パート2は、十字軍国家誕生ののち、サラディン率いるイスラムがイェルサレムを「奪還」するまでが描かれている。著者が書いているように、この間優れたリーダーを輩出したのはイスラム側であり、ヨーロッパ勢は関心すら薄かったように思われる。テンプルと聖ヨハネ病院という二つの騎士団の分析も面白かった。(評価A)
「エクサバイト」(服部真澄)
  • 人間が見た風景を眉間に埋め込んだカメラがそのまま撮影し、メモリに記憶したり、他人(専門家)の目線で観光案内する、などといった発想が奇抜で、更に毎度のことながら政府の企みがあったりで、一気に読んだ。ただ、主人公の母、「ヨウコ」の若返りの秘密はいただけなかった。(評価A-)
"Seven Strategy Questions" (Robert Simons)
  • 戦略の実行成果を上げるには、正しい顧客認識や社員のコミットメントなど、著者の挙げている質問にきちんと答えられるかにある。Execution段階や新戦略構築前のレビューに活用すべき1冊。分量も少なく、読みやすい。(評価A)
「新ソーシャルメディア完全読本」(斉藤徹)
  • フェイスブックやグルーポンなどを如何にビジネスに取り込み、使いこなすか考えるためにヒントを与えてくれる。「新マーケティング理論」を学ぶ1冊と言っていいかもしれない。どうやればうちの業界でパイオニアになれるか、関係者を集めて議論しなければと思った。(評価A)
「新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」(牧野雅彦)
  • 大学の頃読もうかなと思いつつも、そのまま30年が経過したヴェーバーの原著を、マルクスやニーチェ達との関連も含め解説してくれた。多少薀蓄を語れるくらいにはなった。(評価A)
「仕事オンチな働き者」(山崎将志)
  • 前作「残念な人の思考法」同様一気に読んだ。仕事はベクトルのようなもので、方向が間違っていれば、どんなに長くても(=頑張っても)目的の場所には達しない。これが仕事オンチなのだろう。ましてリーダー・マネジャーが方向感覚を失った日には・・・どうしたらオンチにならずに済むか。Want>Must>Shouldという不等式は参考になる。(評価A)
その他
クラシコ4戦は現状バルサの1分1敗。モウリーニョの術中に嵌ったといっていいだろう。来週からの残り2戦でペップがどう出るか?



2011年4月16日土曜日

ゆったり・サッパリ

久々にゆったりと週末を過ごしている。床屋に行ってサッパリした。

チャンピオンズリーグでの日本人対決は、内田・長友両選手の評価を高める結果となった。これで更にビッグネームを含む各チームが日本人選手に注目することになるだろう。ただ、韓国はすでにパク・チソンが「あの」マンUでしっかりレギュラーを獲得し、CL準々決勝の決勝点を挙げているということを忘れてはならない。世界ランク13位を「過大評価」とさせないよう、欧州組の更なる向上に期待する。

明日はクラシコ第一弾。アビダル、マスチェラーノ、ボジャンらを欠くバルサは、モチベーションの点でも不利。それでも勝ったら、残り3戦も全勝ということになるだろう。タコの予想ではレアルの1勝1分だそうだ。(レアル勝利を予想したのが「イニエスタ」というのには笑った。)

来週末からはJが再開。マリノスは「ボランチ俊輔」でやるのだろうか?いつ見に行こうかな?

読了:
"The Talent Masters" (Bill Conaty, Ram Charan)
  • 人材を大切にするのはGEの専売特許ではない。他の優良企業でも同様の取り組みが行われているということが示されている。ただ、これは必要条件であって、逆(人材を大切にするから優良企業)は成り立たないのも事実では。学ぶべきは、日本人の感性に逆らうことがあったとしても、グローバル市場で戦うためには優秀な人材の発掘・選抜・育成というファストトラックを創るべきだということ。これなくして、本書でも挙げられているLGはじめ韓国企業にも差をつけられるだろう。(評価A)
「数学的思考の技術」(小島寛之)
  • 確かに数式はなくても数学的な思考が重要であることが理解できる1冊。そんな本であるにも関わらず、ケインズと宇沢弘文への尊敬があちこちから伝わる。さらに著者は村上春樹の小説を数学的に読み解いてみせている。「1Q84」の世界について「成程」と思った。(評価A)
購入:
「新書で名著をモノにする『プロテンスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」(牧野雅彦)、「新ソーシャルメディア完全読本」(斉藤徹)、「仕事オンチな働き者」(山崎将志)

2011年4月10日日曜日

Back to Normal

久々にテニスをやった。出張やら緊急の休日出社やらで4週間ぶりだった。体重が減った分動けたけど、やはり体中痛い。

サッカー日本代表の南米選手権参加問題は15日まで再検討ということなった。各クラブの経営が苦しくなるというJリーグ側の事情は理解できるが、海外組プラスα(この際、大学生やユースの有望選手の動員で良いと思う)でのメンバー編成で参加すべきだ。リーグに関してはサポーターがプラス1回~2回、南米選手権開催中にスタジアムに足を運んでサポートするという運動を起こしてはどうか。柔軟な発想で評価を上げているサッカー協会には、ここでも頑張ってもらいたい。

読了:
「”結果”の出ない組織はこう変えろ!」(森時彦)
  • 「ファシリテーションを通じたリーダーシップ」を解説した1冊。先週は自分自身フレームワークの活用で難しかった議論をまとめるという経験をしたが、多少は昔学んだファシリテーションの技術が役立った。この本の内容も、今後の参考になると思う。(評価A)
「ホワイトスペース戦略」(マーク・ジョンソン)
  • かつてこの著者も執筆に加わっていた、「イノベーションへの解」を読んだ時にも感じたが、これは「ブルー・オーシャン戦略」とどこが異なるのであろう?企業がホワイトスペースに挑むにはビジネスモデルを再構築する必要があり、そのためには既存のケイパビリティが活用できないというリスクを負うことになる。現実的な戦略なのか疑問を持ちながら読んだ。(評価A-)
「なぜ『改革』は合理的に失敗するのか」(菊澤研宗)
  • 取引コスト理論、エージェンシー理論、所有権理論、プロスペクト理論からなぜ改革が失敗するのかを分析した1冊。改革をプランする段階から、自らもこうした理論から問題ないかを考え、また周囲の心理面への配慮も行おうと考えた。(評価A)
購入:
"The Talent Masters" (Bill Conaty, Ram Charan)、"Seven Strategy Questions" (Robert Simons)、
「数学的思考の技術」(小島寛之)、「エクサバイト」(服部真澄)

その他:
家長初ゴール!来週はクラシコ2連戦。CL準決勝での対決もほぼ決定。今月はスペインが熱い!

2011年4月2日土曜日

チャリティーマッチ

29日のチャリティーマッチは開催して本当に良かったと思う。Jリーグ選抜にもあわよくば代表の座を勝ち取ろう(復帰しよう)というメンバーが多かったので、代表の紅白戦を見ているような錯覚を感じるほどだった。カズのゴール以外でも、俊輔が一瞬みせる輝きや闘莉王の熱さはザックジャパンにないものが見られた。久々に時間が経つのが早く感じられた。明るい話題を被災地に提供できたことで、Jの社会的貢献度合いでも開幕でゴタゴタしているプロ野球に大きな差をつけることができたのではないか。

読了:
「戦略と実行」(清水勝彦)
  • 先日ゼロックス教育研究所のセミナーで聞いた、著者の講演内容を思い出しながら読んだ。「戦略のコモディティ化」はうちでも起こっている。表面的な分析から生まれるのは表層的な戦略以外の何物でもない。これから実行するプロジェクトでしっかり固めなければと再認識した。(評価A+)
「変化を生み出すモチベーション・マネジメント」(小笹芳央)
  • 解凍→変化→再凍結の各ステップで有効な戦術が網羅されている。意識して使うことで、大きな違いを生み出すことができるだろう。デスク備え付けにしたいと思う。(評価A)
「なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか」(パトリック・レンシオーニ)
  • 匿名性、無関係、無評価。仕事をつまらなくする3要素として著者が挙げている。Timeなどでも取り上げられているベストセラーだけあって、切り口はシンプルだが奥が深いと思う。ノートにはさっそく3要素を記入しておいた。(評価A)
「時代の”先”を読む経済学」(伊藤元重)
  • 著者は、現実の世界で起こっていることを経済学に分かり易く結びつけて解説することに長けていると改めて感じる。TPPや農業にかかわる議論には大いに賛同する。また、業界内の競合を考えると、韓国の1社当たり国内市場が実は日本より大きいといった、ちょっと驚く記述があったりして、楽しんで読めた。(評価A)
「本田宗一郎 やってみもせんで、何がわかる」(伊丹敬之)
  • 経営学者が書いた伝記だが、読み物としても十分評価に耐えられる高品質だったと思う。ホンダのDNAがどのように生まれたのか、本田宗一郎と藤澤武夫の関係、2度の経営危機がなぜ起きたかなど、興味深い内容で、リーダーのあり方という点からも本書から学べる点が多かった。(評価A)
購入:
「”結果”の出ない組織はこう変えろ!」(森時彦)、「ホワイトスペース戦略」(マーク・ジョンソン)、「なぜ『改革』は合理的に失敗するのか」(菊澤研宗)

2011年3月27日日曜日

BCP

ここ2週間は地震後のBCP対応に追われた。想定していた事態(=地震で止まったオペレーションの復旧)とは異なり、できるだけ既存のビジネスができるようオペレーションを移すというシナリオだった。今まで必要性は理解されても予算がつかなかった計画ができたのも、それだけ非常事態だということを示していると思う。とにかく大阪のオペレーションが多少落ち着いたので、昨日一旦戻ってきた。明日の夜から金曜までもう一回出張だ。

横浜に帰ってきて、ショッピングモールの電気が薄暗いのと、食料や日用品の品薄を見て、生活へのインパクトの大きさを再認識した。水道についていえば、ここは西から引いてきているので、影響度は全くことなる筈なのに、そのような正確な情報が伝わっていないのではないか。納豆のように工場が罹災しているのとは訳が違う。

課題は今回から何を教訓として学ぶかだ。一個人のレベル、企業のレベル(うちの場合は日本支店レベルと本社レベル双方)に留まるのではなく、国家レベルにおいても同じだ。日本では従来の延長線上の考え方から、いかなる事態でも罹災しないような街づくりが求められるのだろうが、今回のような1,000年に1度というような事態に対応すると、社会コストがただ高くなるだけだ。発想を転換して、非常時に如何に最悪の結果を避け、復旧を早くするシステムづくりに励めるか?そこまでの考え方ができるだろうか????情報の伝達も同じ。正しい情報を早く現場に伝える、現場の事態を如何に早く理解し判断を下せるか。Agilityが必要だ。

読了:
「麒麟の翼」(東野圭吾)
  • 帯にあるように、「赤い指」と「新参者」を融合したような1冊。謎解きも、事件そのものだけではなく、被害者のダイイングメッセージの裏にあるストーリーが絡んだ展開で一気に読める。今年はこれからガリレオシリーズ新作もでるようなので、楽しみだ。(評価A)
購入&読了:
「いま、目の前で起きていることの意味について」(ジャック・アタリ編著)
  • 政治・経済・社会のさまざまな論点について欧州の論者が解説。そこに編著者が補足を行う形をとっている。何よりもジャック・アタリの見識に脱帽。ここまで幅広い論点にきちんと考えを述べられる人は日本にはいない。(評価A)
購入:
「戦略と実行」(清水勝彦)、「十字軍物語2」(塩野七生)、「なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか」(パトリック・レンシオーニ)、「時代の”先”を読む経済学}(伊藤元重)、「変化を生み出すモチベーション・マネジメント」(小笹芳央)

その他:
1.NCAAでわがDukeはベスト8に進めなかった。連覇のチャンスだっただけに残念。
2.明後日は日本代表対Jリーグ選抜のチャリティマッチだ。リーグ選抜はジーコが作ったようなスター軍団。これがきちんとまとまれば金星もありだ。楽しみな一戦。




2011年3月12日土曜日

地震

地震は会議中にやってきた。今まで経験したことのない揺れ方だった。家族は無事だったし、帰路も途中でタクシーに乗れたので、比較的早く家についた。家でメールをチェックしていると、多くの同僚はオフィスに残っているようで、非常に申し訳ない気持ちだった。もう一点、今回とても嬉しかったのは、この2年半一緒に仕事をしてきた多くの同僚が、文字通り世界中からメールで連絡してくれたことだ。うちの会社の良い所を再発見できたと思う。月曜からは、顧客対応で一段と忙しくなるだろう・・・

読了:
「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)
  • 大衆文化論のようでもあり、社会学の本のようでもあり、新たなネットビジネスモデル解説書のようでもあり、でも、そのいずれでもないという感じの本。キュレーション、ビオトーブという考え方はビジネスを考える上で一つのカギになりそうだということは理解できたと思う。(評価A)
「戦国武将のマネジメント術」(童門冬二)
  • 戦国の武将も今の経営者と同様で人心を如何に掌握するか、苦労していたのだろう。そんな事が良く分かる1冊。現在のマネジメント論を語るときに、「あの武将もこうやっていた」というのは一つのコミュニケーションスタイルとして考えて良いかも。(評価A)

2011年3月6日日曜日

J開幕&UNCに負けた

昨日は外出のため開幕戦はハイライトで見ただけだったが、マリノスについては「よくやった」と「勝ちきれなかった」という二つの評価ができるだろう。「俊輔のチーム」が機能するか否かは来週のホーム開幕戦(VSフロンターレ)で明らかになる。そういえば去年は俊輔の復帰初得点などで4対0で快勝したっけ。他のチームではレイソルが去年のセレッソのような台風の目になるような予感をさせた。逆にエスパルスは降格危機かも・・・

デューク・ブルー・デビルズはUNCに負けてACCのレギュラーシーズンタイトルを逃がした。SinglerとSmithだけではこれからのトーナメントを勝ち抜くのは厳しい。他が頑張らないとNCAAの連覇は黄色だ・・・

とうとうFacebookに登録した。何人かの知り合いを発見。果たしてこれから何が起きるやら・・・

読了:
「判断と決断」(中竹竜二)
  • 著者は元早大ラグビー部監督。「普通の人」がリーダーになるために、過去を正しく振り返り(=判断)、未来に向けて踏み出す(=決断)事が重要であることがキチンと説明されている良書。(評価A)
「ハンニバルに学ぶ戦略思考」(奥出阜義)
  • ハンニバルについては、かつて「ローマ人の物語」でローマ側から見た歴史に触れたが、戦略家として如何に優れていたかは本書を読むと良く分かる。ただ、前提が1対1(1社対1社)の戦いに限定されているようで、応用できるかは正直疑問。(評価B+)
「国家対巨大銀行」(サイモン・ジョンソン、ジェームズ・クワック)
  • アメリカにおける金融行政の歴史を、如何にうまく機能していなかったかという批判的な立場で記述した一冊。読みながら、オリバー・ストーンはこの本を参考にして「ウォールストリート」の一場面(金融界の首脳陣が集まって危機対応を議論しているシーン)を作ったのではないかと思った。ただ、本当に解体してしまうのが良いかは疑問。(評価A-)
「メッシュ」(リサ・ガンスキー)
  • 同じテーマを語った「シェア」よりも、著者が起業家として実績のある分説得力があった。ビジネスモデルとして成功するための要素も十分吟味されている。(評価A)
「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ)
  • 原題(”The Invisible Gorilla”)が示す有名な心理学の実験を行った2人による1冊。人間の脳はコンピュータの記憶装置とは違うという事が色々な事件・実験等を通じ説明されている。脳トレブームに痛い一撃を与える内容だが、きわめて面白い。(評価A+)
購入:
「麒麟の翼」(東野圭吾)、「戦国武将のマネジメント」(童門冬二)、「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)


2011年2月27日日曜日

ヨーロッパに渡ったサムライたち

ここのところ毎週、ヨーロッパの各国リーグに所属する選手の動向が必ずニュースで報じられるようになった。ただ、多くは途中交代出場で、本当にトップクラスのリーグでレギュラーの座を確保したといえるのは香川と内田ぐらいだというのが今の日本の実力なのだろう。(本田はCSKAモスクワから出られないのが評価の現実)ただ出ていくのではなく、活躍が評価されてレアル、インテル、マンU、バイエルンなど「真のトップチーム」に移籍してレギュラーになるくらいの意気込みで頑張ってほしい。長友はあと一歩だ。香川、内田、宮市にも十分可能性がある。そうなることでサッカー人気がバブル状態を脱して本当に定着する。

マリノスは相変わらず不振。攻撃陣が固定できていない。グランパスとの差は明確だ。リーグ序盤で早くも大手術が必要になるような嫌な予感がする。

読了:
「ザ・ベロシティ」(ディー・ジェイコブ、スーザン・バークランド、ジェフ・コックス)
  • 今年からリーンプロジェクトを開始したところなので、本書から学ぶところは大きかった。ビジネススクールの課題として「ザ・ゴール」を原書で読んで、TOC(制約理論)を知った時、トヨタ生産システムとの類似性と違いについて悩んだことを思い出した。TOCの方がプロセス全体を眺めていくのに対し、リーンやシックスシグマは個々のプロセスを詳細に見て改善に取り組むのだと思う。トヨタはサプライチェーン全体のばらつきが小さいので、TOCを考える必要が少ないのだろう。(評価A+)
「ベストリーダーの極意」(ブライアン・トレーシー)
  • この著者らしく、様々なリーダー論を統合して分かり易く示してくれている。7つの責務(1.事業の目標を定めて達成する。2.革新し売り込む。3.問題を打開し、決断を下す。4.優先順位を決め、重要な仕事に集中する。5.人の手本になる。6.部下に希望を与え、やる気にさせる。7.実践し、結果を出す。)を実行するために必要な事がまとめられている。「当たり前の事」と一蹴するのではなく、常に実践できているかどうか確かめたい。(評価A)
「一歩先のクラウド戦略」(遠藤功 監修、大野隆司 著)
  • ローランドベルガ―らしくというか遠藤さんらしく、現場力を高めるためにシステムをどう最適化するかまとめられている。自社のシステムとクラウドをどう融合して使うかという観点やCIOの役割再定義の必要性はその通りだと思うが、第二部の実践編はうちのようにグローバルで展開している会社ではMS以外のソリューションは無意味。(評価B+)
「ストーリーで学ぶ経営の神髄」(マーシャル・ゴールドスミス、ビバリー・ケイ、ケン・シェルトン)
  • リーダーシップ論の権威ともいえる「賢人」たちにも人としての歴史があり、ストーリーがあることは理解するが、果たして経営の神髄かどうかは大いに疑問。むしろ原題のように、読者がストーリーから何をどう学ぶか(Learn Like a Leader)が重要。(評価B+)
購入:
「国家対巨大銀行」(サイモン・ジョンソン、ジェームス・クワック)、「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ)、「メッシュ」(リサ・ガンスキー)

2011年2月20日日曜日

大学卒業30周年記念クラス会

昨晩は大学のクラス会で痛飲。今も少し頭が痛い。今回は過去最高の出席率で合計29名が集まった。この年齢になってくると、たとえ東大卒であっても、出世街道をひた走る奴がいる一方で、片道切符を渡されて長年勤めた会社(主に銀行)を離れる奴に分かれてくる。それでも昨夜のような集まりでは自分の置かれているポジションに関係なく、素直に仲間が偉くなってくれるのを楽しみにしている。今年は他にも語学研修から20周年、MBA取得から15周年と色々な節目がある。こうした社外の仲間を大切にしようと改めて思う。

読了:
「BCG流 経営者はこう育てる」(菅野寛)
  • 著者が優れた経営者になるための条件に挙げる「意志」、「勇気」、「インサイト」、「しつこさ」、「ソフトな統率力」を自分はどれだけ持っているだろう?科学系スキル(マネジメント知識、ロジカルシンキング)に比べるとまだまだ要開発だ。以前読んだ時より自分に置き換えて考えている分、自分自身の地位が経営者に近くなったのだろう。(評価A)
「『事務ミス』をなめるな」(中田亨)
  • 日々事務ミスの報告を受けている身としてはタイトルを見たときから読まずにいられなかった1冊。内容についても、フローチャートの問題、デザインの重要性など参考になる点も多かった。業務プロセスの見直しを行うプロジェクトに読ませようと思う。(評価A)
「国家債務危機」(ジャック・アタリ)
  • PIIGSの債務危機は他人事ではないと再確認。前半の「国家債務の歴史」を読んで、ソブリン・クライシスは実はこれまでも数多くあったのだと驚いた。日本の現状に対する評価も非常にフェアだと思う。著者の言うところに従うなら、いち早く成長戦略を明確にして軌道に乗せなければならないはずだが・・・今の政権の体たらくでは「?」である。(評価A)
「松下幸之助に学ぶ経営学」(加護野忠男)
  • 単に松下幸之助礼賛ではなく、事業部制の問題点なども含め、組織論、戦略論としてよく整理されている。「血の小便」は勘弁願いたい気もするが、とにかく徹底的に考えることの必要性、チャレンジングな目標への挑戦など自分もやらなくてはと思う。(評価A)
「シンメトリー」(誉田哲也)
  • 姫川玲子シリーズの短編集。グロテスクな現場描写もあるが、時にコミカルで、著者が楽しんで執筆している様子が窺われる。『左だけ見た場合』の謎解きも面白かった。近々新作(スピンオフ)が出るらしく、そちらも楽しみになってきた。(評価A+)
購入:
「ベストリーダーの極意」(ブライアン・トレーシー)、「ストーリーで学ぶ経営の神髄」(マーシャル・ゴールドスミス、ビバリー・ケイ、ケン・シェルトン)、「判断と決断」(中竹竜二)、「一歩先のクラウド戦略」(遠藤功 監修、大野隆司 著)、「ハンニバルに学ぶ戦略思考」(奥出阜義)

2011年2月12日土曜日

Wall Street

「5回見ると1回タダ」というクーポンの関係で、映画づいている。昨日はWall Streetを見た。前作の「ウォール街」が87年の作品だから、24年も経っている。ゴードン・ゲッコーが出所するところから始まり、サブプライム問題からリーマンショックあたりの「マネー史」が語られているが、二組(ゲッコー、ジェイク)の親子の物語と見ても(個人的にはその方が)面白いと思う。今月中にあと1本、何を見ようかな?

三連休の予定を変更する必要はあったが、都心の雪がひどくならなくて良かった。振替で入ったテニスクラスでは大いに走らされたが、何とか無事に帰還した。明日はアウトレットに行く予定。

マリノスは栃木・岐阜とJ2相手に連敗。チーム力が上がらない。3月の開幕に間に合うのか???

読了:
「なぜリーダーは『失敗』を認められないのか」(リチャード・S・テドロー)
  • フォード、グッドイヤー、シアーズ、IBMといった名だたる企業の興亡を通じ、変化に対するリーダーの判断ミス(=「否認」)がなぜ起こり、どういう影響をもたらすのか語られている。一方でインテルとジョンソン&ジョンソンを対極に置いて、否認を回避するためにリーダーがしなかえればならないことも説かれている。「窓の外を見る」こと、それも自分の立場をいったん離れてプレーンに見ることができるリーダーにならなければと思った。(評価A+)
「挫折力」(冨山和彦)
  • 著者のこれまでの経歴を表面的に見るだけでは、これだけの「挫折」を味わっていることは到底理解できないと思う。また、贅沢な挫折という批判もあるだろう。それでも本書で書かれている項目は、リーダー/マネジャーに必要な点だろう。それにしてもCorporate Direction(CDI)は良い人材を輩出していると思う。(評価A)
「マネジャーの実像」(ヘンリー・ミンツバーグ)
  • かつての名著「マネジャーの仕事」の36年ぶりの続編。同じ手法を用いたリサーチの結果でも、マネジャーの仕事は当時と本質的には変わっていない。「リーダーシップはマネジメントの一部」、「マクロリーダー(『丸投げ』と言っていいと思う)」の横行など多くのレッスンが含まれている。"Managing"というシンプルな原題からは想像できないほど、やるべき仕事は複雑で困難なものだ。(評価A+)
購入:
「BCG流 経営者はこう育てる」(菅野寛)、「国際債務危機」(ジャック・アタリ)、「ザ・ベロシティ」(ディー・ジェイコブ、スーザン・バーグランド、ジェフ・コックス)、「『事務ミス』をナメるな!」(中田亨)、「松下幸之助に学ぶ経営学」(加護野忠男)、「シンメトリー」(誉田哲也)

2011年2月5日土曜日

戦略とは・・・

先週から今週にかけて様々な行事があり、改めて戦略とは何か考えた。先週のセミナーで慶応の清水勝彦教授(帰国されていたことに 驚いた)の話で印象的だったのは、日本では戦略という言葉を本当に理解せず、徒に現場を疲弊させているという指摘。今週うちのマネジャー会議に出席したのだが、外資系の日本支店であるにもかかわらず、残念ながら日本社と変わらなかった。他社と違うことをやりたいのか、それとも同じことを違った形でやりたいのかが明確ではない。また、オペレーションのプロセスをしっかり眺めて、どこでマージンを稼ぐのかを考えて計画が立てられていないという点も問題だ。今年はすでにスタートしてしまっているが、必ずどこかで軌道修正が必要になる時が来る。その時にはSpeak Upして修正させようと思う。

読了:
「ハーバードの人生を変える授業」(タル・ベン・シャハ―)
  • ひとつひとつの項目は当たり前だが、52項目すべてやるのは大変。「全部できるのなら、人生は変わるよな」とへたな突っ込みを入れたくなる。ただ、こうやって毎週1回、(たとえ題材はサッカーがメインでも)考えをまとめるという習慣を続けることなど、実践している事も結構あるのを再確認した。(評価B+)
「日本経済の不都合な真実」(辛坊治郎、辛坊正記)
  • 辛坊兄弟による日本経済解説の第二弾。マスコミ受けしない内容だと思うし、今の政治家では実現が困難な政策だが、本当に日本を復活させたいのであれば、このくらいの戦略があってしかるべきだと考える。(評価A)
「フォールト・ラインズ」(ラグラム・ラジャン)
  • 昨年のBusiness Book of the Yearがついに翻訳された。著者はグリーンスパンの目の前でサブプライム問題を「予言」する講演をおこなったことで有名な経済学者。今回の危機が決して一過性のものでなく、真因(フォールト・ラインズ)は残ったままだという分析は大いに議論されるべきだろう。著者の金融改革は現実的なものだと評価する。(評価A+)
「グレート・リセット」(リチャード・フロリダ)
  • 「クリエイティブ・クラスの世紀」や都市論でベストセラーを連発している著者の最新作。今回の経済危機を19世紀終盤と大恐慌に次ぐ三つ目の「グレート・リセット」と位置付け、都市がどう変貌するかを「予言」している。著者のクリエイティブ・クラス論、都市論を今回の危機に紐付けて補強していると言い換えた方が良いかもしれない。(評価A)

2011年1月30日日曜日

アジアカップ優勝・SNS

アジアカップは予想通りに韓国とオーストラリアを破って優勝!予選リーグの組み合わせに恵まれたことでチームが熟成したこと、「控え組」の活躍(代表初ゴールでどんなに救われただろうか)、厳しい戦いを「負けずに」終わることができた点など大きな成果があったと思う。さらに(予選を勝ち抜くことが前提ではあるが)、次回大会の予選免除によるW杯準備へのプラスの影響やコンフェデ杯参加など、代表の強化にも非常に大きなメリットを得ることができた。本当に良かった!めでたしめでたし!!

昨日は「ソーシャル・ネットワーク」を見た。大きなドラマがあるということもなく、比較的淡々と話が進む印象だが、アメリカの大学の風景は懐かしかったし、”facebook"の成り立ちが良く理解できて面白かった。おじさんでも楽しめるかな?

読了:
「組織エスノグラフィー」(金井壽宏、佐藤郁哉、ギデオン・クンダ、ジョン・ヴァン・マーネン)
  • エスノグラフィーという手法がどのようなもので、著者がどう実践してきたかが語られている。読み始めて、「ああそうか!」と思ったが、クンダ氏の「洗脳するマネジメント」はエスノグラフィーの成果物だった。改革を進めるうえで、企業文化は大きな障害になる。その深層を探ることで改革をやりやすくなるのだろうか・・・(評価B+)
「ドラッカー先生のリーダーシップ論」(ウィリアム・A・コーン)
  • ドラッカーが色々な著作で語ってきたリーダーシップ論を集約した一冊。ドラッカーが軍隊のリーダーシップを高く評価していたことや、リーダーシップとマーケティングの類似性などユニークな分析は参考になる。(評価A)

「悪名の棺 笹川良一伝」(工藤美代子)
  • 「戸締り用心、火の用心」というCFを見て育った世代には、笹川良一は小佐野賢治や児玉誉士夫とならび得体のしれない人物のひとりだった。今回この本を読んで多少クリアになったように思う。それにしても日本のマスコミがいかにステレオタイプに憑りつかれているかが良く分かる。(評価A)
購入:
「挫折力」(冨山和彦)、「なぜリーダーは『失敗』を認められないのか」(リチャード・S・テドロー)、「グレート・リセット」(リチャード・フロリダ)、「フォールト・ラインズ」(ラグラム・ラジャン)、「マネジャーの実像」(ヘンリー・ミンツバーグ)、「iPad x Business Perfect Bible」(田中裕子、池田冬彦)



2011年1月23日日曜日

風邪ひいた

先週金曜日から風邪の症状が出て、昨日は最高38度まで熱が上がった。今も咳が出るし、頭痛もする。木曜日のイベントが終わって気が緩んだのかもしれない。今日中に直して重要会議だらけの今週に臨まなければ・・・

アジアカップについては、イラクが予選リーグを勝ち残った以外、今のところ予想通りの展開になっている。カタール開催にもかかわらずベスト4に中東勢が残らなかったことが、現時点でのアジアの力関係を的確に示している。金でチームを強くするには限界があることがここでも証明されたように思う。今後ますますこの傾向は強くなり、FIFAは2022年のW杯開催地決定を後悔することになるだろう。さて、肝心の準決勝だが、日本代表はカタール戦での守備のミスを修正すれば韓国に勝てる。一点目はラインコントロールのミスだし、2点目はFKの壁の作り方に問題があった。いずれも十分に修正可能だ。日程的にも有利だし、中東勢よりもむしろ戦いやすいだろう。あと2試合しっかり戦って、チームの骨格を更に強固にしてもらいたいものだ。

読了:
「経営戦略の巨人たち」(ウォルター・キーチェル三世)
  • BCG、マッキンゼー、べイン&Co.という戦略コンサルティングファームがいかに成長してきたかが中心だが、戦略論の歴史の解説にもなっている。最近経営戦略に関する良い論文がHBRなどにも見当たらないと思っていたが、本書を読むとその理由が何となくわかるように思われる。もう一つ面白かったのは、マッキンゼーが戦略コンサルティングにシフトしようとした時、戦略を語ることができたのが大前研一氏だけだったというエピソードだ。(評価A)
「面白がる思考」(山梨広一)
  • 左脳思考の典型と思われるマッキンゼーのディレクターが書いただけあって、単なる「思い付き礼賛」と違う趣になっている。「できる」と最初に考え、そこから出発するというのは、自分の経験からしても有効な思考法だと思う。(評価A)
「繁栄(上・下)」(マット・リドレー)
  • シンプルに面白かった。FTがなぜビジネスブック・オブ・ザ・イヤーに選んだか分かる。人間の知恵はこれまでも様々な困難を克服してきたし、これからも克服するだろうという思考は、悲観論全盛の現在では貴重だ。今の閉塞的な日本だからこそ、「明日は今日より良い日になる」と思って生きていこうと思う。(評価A+)

2011年1月15日土曜日

1勝1分け

アジアカップのここまでの成績は、予想以下と言わざるをえないだろう。ヨルダンとシリアの実力があったというよりは、日本チームの熟成度が低い結果と見るべきだ。Jリーグと代表のスケジュールを如何に総合的に考えるか、協会が本腰を上げざるを得ない状況に追い込まれたのは、長い目で見ればよかったのだろうが・・・2試合戦って良かったことは、ザッケローニが中東勢のやり方を経験できたこと。これは今年後半からのW杯予選を考えると大きなプラスあろう。さて、これからだが、フィジカル・コンディションが戻ってきたスタメンはもう大丈夫だと思うので、サウジ戦では、前半に勝負を決めて、これまで2試合で使えなかった選手を使うという理想を追求してほしい。準々決勝はおそらくカタール、準決勝は韓国で決勝はオーストラリア。優勝はして欲しいが、よれよりも今回は7試合戦ってチーム全体の熟成を図って欲しい。

読了:
「バランスシートで考えれば世界のしくみが分かる」(高橋洋一)
  • 「埋蔵金」の存在を指摘したことで有名になった著者がB/Sのコンセプトを用いて財政のしくみを解説。今のマスコミはB/SとP/Lの違いなど財務を理解していないのは、数年前の「かんぽの宿」売却を巡ってのドタバタでも感じた。本書では年金の会計の説明が非常に明快で良かった。逆に、著者の専門という最終章での国際政治分析は、底が浅いようで、正直不要だと感じた。(評価A-)
「超MBA進化論」(大中忠夫)
  • 面白かったのは、デミングが改善を導入した際のコンセプトはPDCAではなく、PDS(STUDY)Aだったという一箇所だけだった。単純なグローバル経済限界論、金融悪玉論に基づく理論構成は受け付け難く、何が進化論か!と思った。(評価C)
「野村総合研究所のやる気を引き出すチーム改革」(野村総合研究所品質管理本部)
  • システム保守・運用という「地味」なファンクションでいかに強いチームを作るか、苦労している状況は理解できるし、うちの参考にならないかと思ったが、そもそも人材の質が違う同社のやり方は参考になりそうもない。(評価B)
「企業戦略白書Ⅸ」(沼上幹+一橋MBA戦略ワークショップ)
  • ユニクロ、餃子の王将、ユニ・チャームといった個別企業の打ち手の解説が増えたが、So What?という感じだった。また、自動車産業の解説はポーターのファイブ・フォーシズで充分な内容。業界の外の人間に対してはあまりインパクトを持たない。ちょっとがっかりの1冊。(評価B)

2011年1月9日日曜日

アジアカップ初戦

いよいよアジアカップ初戦、ヨルダン戦だ。ディフェンス陣にけが人が多い中、果たしてどんなスタメンになるのだろう。若い選手が多いので、しっかり勝って弾みをつけたいところだ。思いのほかA組の中東勢はだらしなかったが、B組の3チームはどうだろう?

読了:
「ストレスフリーの整理術 実践編」(デビッド・アレン)
  • やり方自体は現在自分がやっている方法と大きな差はなかった。やるべきことを徹底的に洗い出し、構造化することで効率は上がるので、本書のやり方を参考にして徹底してみようと思う。(評価A)
「シェア」(レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース)
  • 太平洋ゴミベルトの話から始まった時は、いったいどこへ進むのかと思った。読み終わって、本書が語っているコラボ消費が進展するのは先進国だけなのではないか、と考えた。途上国ではまだまだ「所有」するニーズが満たされてはいない。コラボ消費の段階に進むのはその先だろう。正直なところ、「ロングテール」や「Free」ほど共感できなかった。(評価B+)
「プロフェッショナルマネジャー・ノート」(プレジデント書籍編集部 編)
  • 「プロフェッショナルマネジャー」のエッセンスがコンパクトに纏まっている。「終わりから始める」こと、「業績がすべてである」こと、「結果を出すためにはあらゆることをやること」、「セオリーで経営できない」など、単純な言い回しではあるが、深くて重たい言葉だと思う。(評価A)
「『人を動かす人』になるために知っておくべきこと」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 「自信」+「ヴィジョン」=人を動かすパワー、常勝チームを作るためには絶対勝利を旗印とし、リスクを取り、あくまでも成長を求める、など当たり前のようだが、できないことが本書でも多く書かれている。「世界一のメンター」はそれでも優しく、また辛抱強く私の成長を見守っていてくれている。マクスウェルの著書を読むたびにやらなければと思うが、今回もまた同様だった。(評価A)
購入:
「ドラッカー先生のリーダーシップ論」(ウィリアム・A・コーン)

2011年1月2日日曜日

2011年はどんな年????

昨日は2年ぶりにNew York、Times SquareのカウントダウンをCNNで見た。Durhamに住んでいた時1度しか経験しなかったアメリカでの年明けだったが、やはり懐かしい。寒さはきついけど、いつか(数年のうちに)あの場所に行ってみたいと思う。

2011年をどんな年にしたいか、少し考えた。仕事ではかなり大がかりな改革をやる!うちのような外資にとって、今の日本は「今後成長は期待できない、成熟期から衰退期の」市場だ。きちんと利益は出ると証明しないと事業の縮小・撤退という結論を出されかねない。そんな危機感を現場リーダーたちとしっかり共有して実行するつもりだ。自分の仕事の仕方ももう少し効率化(部下への権限移譲も推進)して考える時間を増やしたいと思う。

日本のサッカー界にとり、今年も重要なイベントがある。アジアカップでは、前回を上回るベスト3(次回予選免除)がノルマになるし、U-23はオリンピック予選を勝ち抜かないといけない。どちらもワールドカップ予選より厳しい目標だが、今後10年の計が今年にあるという位の強い思いで「勝って」欲しい。更にA代表は南米選手権を経由して秋からはブラジルW杯予選も始まる。。ついでにマリノスはACL出場権確保がノルマ!去年は1試合しか日産スタジアムに行かなかったので、プラス何試合か足を運んで応援しよう。ついでに12月のクラブワールドカップにも3年ぶりに行ってみたい。

先週の読了:
「お金の流れが変わった」(大前研一)
  • 世界のホームレスマネーをいかに日本が取り込むか。ボーダーレス経済でいかに生き残るかを考えるとき、好き嫌いを選べる余裕はない。大胆な維新を行う必要があるはずだが、この国の政府は相も変わらず羅針盤のない風任せ・運任せ。そんな政権を選択したのは自分たちなので、余計に歯がゆい限りだ。(評価A)
「新版MBAビジネスプラン」(グロービス経営大学院)
  • 起業のために限らず、ビジネスプランは社内で新たな取り組みを計画するには必然の文書なのに、きちんと書ける日本人のなんと少ないことか!うちも残念ながら例外ではない!今回の「新版」はビジネスプランとはどんなものか、どうやって作成するのかが丁寧に解説されている。(評価A)
"Strategy from the Outside In"(George S. Day, Christine Moorman)
  • WhartonとFuquaの教授による「市場志向」の戦略論。自社のケイパビリティから発想する戦略のリスクと、Outside In戦略の要諦が示されている。顧客を理解し、顧客理解を事業展開のベースとする、当然ではないかと反論が出そうな点ではあるが、表面的な理解はしていたとしても本当の意味でCustomer Insightを持っている企業がどれほどあるだろうか?真摯に振り返り、検討する価値のある戦略論だと思う。(評価A+)