2016年3月26日土曜日

YNCフロンターレ戦。代表アフガニスタン戦。ヨハン・クライフ・・・

代表ウィークの水曜日、ヤマザキ・ナビスコ・カップが開幕。F.マリノスはサガン鳥栖戦から先発全員交代でフロンターレ戦に臨んだ。結果はスコアレスドローだったが、負けていておかしくない試合を引き分けに持ち込んだと言えるのでは。再開後のスタメン争いがどこまで熾烈になるかは「?」だが、カップ戦出場メンバーの「試合勘」が戻るのは良い事だ。更にニュースがもう一つ飛び込んできた。オランダでユース世代の代表経験を持つマルティノスの入団が決まった。この補強も現メンバーに刺激となるだろう。また、統括本部長が退任し、スポーティング・ディレクターなるポジションの人が就任するようだ。昨年・今年と補強で後手に回ったが、新体制ではこのような「失態」を失くして欲しい。

金曜日のW杯2次予選アフガニスタン戦。結果は5対0だったが、前半は攻撃のチグハグさばかり気になった。相手の治療時間を利用して円陣を組むなどというのは、意思疎通ができていない証拠ではないのか?最終予選に向け、次のシリア戦ではもう少し「チャンとした」試合をしてもらいたい。

ヨハン・クライフ氏が亡くなった。高校2年だった1974年W杯西ドイツ大会で初めてオランダ代表14番をつけたクライフを見た以上の衝撃は40年以上経過しても色あせていない。予選リーグアルゼンチン戦でのキーパーをかわしたシュート。ブラジル戦のジャンピングボレー。何よりスウェーデン戦での「クライフターン」は凄い!の一言だった。彼の魂はこれからもアヤックス、バルセロナで生き続けるだろう。ご冥福をお祈りする。

NCAAトーナメント3回戦。DukeはOregonに敗れシーズンを終えた。11敗という結果が示す通り、昨年ほどの実力がなかったということだ。これでPlumleeに加えNBA行きが確実視されるIngram、Allenはチームを去ることになるが、新1年生は今年以上に有望株が揃う。残ったチームメンバーと融合できれば来年タイトル奪回も決して夢ではない!

読了:
「サイロ・エフェクト」(ジリアン・テット)

  • ソニーはなぜ凋落したのか。「堅い」と評されていたUBSはなぜリスク管理に失敗したのか。著者はその原因としてサイロの壁を打ち破ることができなかった事があると分析する。本書では、これらの企業と対比する形でFacebookやブルーマウンテン・キャピタルといった企業・組織がいかにしてサイロ・エフェクトを防いでいるかも紹介されている。サイロの壁が厚くなる兆候は本書を読むといくつか学べるだろう。例えば、社内の一部門・一個人が英雄視されるようになるというのもその一つだろう。ソニーの分析がしっかりしていると感心していたが、あとがきでかつて読んだ「セイビング・ザ・サン」の著者であったと知り、なるほどと納得した。(評価A)
「21世紀 日本の格差」(橘木俊詔)
  • 日本における格差問題を長年研究してきた著者の手による日本版「21世紀の資本」であり「21世紀の不平等」といえる一冊。本書では、ピケティの研究を評価しつつも、日本における問題は健康格差や老々格差といった側面があることを指摘する。また、格差是正と経済成長の両立を図るには低所得者層対策の方が有効であるといった提言もなされている。アベノミクスが踊り場にあると言われ、消費増税先送り論が強くなっている中、検討に値する政策かもしれない。(評価A)
購入:
「21世紀 地政学」(船橋洋一)、「迷走する民主主義」(森政稔)、「ダークマターと恐竜絶滅」(リサ・ランドール)

2016年3月20日日曜日

ホーム初勝利、富樫2戦連続ゴール

J1ファーストステージ第4節。F.マリノスはサガン鳥栖と三ツ沢で対戦。外出の関係で前半途中からのTV観戦となったが、スイッチを入れたらいきなり画面に「富樫の2戦連続ゴール」の字幕があって驚いた。ハーフタイムのハイライトで見ると1対1の局面でも落ち着いた対応でゴールしていた。しかし前半のシュートはその1本のみで、どちらかというと押し込まれる展開が続いた。
 後半になっても流れは変わらず、63分には金民友のFKから谷口に押し込まれ今節も1失点。しかし、今回はすぐに突き放すゴールが生まれた。下平が前節と同じような縦パスを伊藤に通し、このシュートは外れたが、こぼれたところを中町が冷静に決め勝ち越しゴール。後は何とか凌いで勝ちきった。
 今日の結果連勝&ホーム初勝利となったが、正直喜んでばかりいられない。点は取れているが、遠藤は消えている時間が長く、齋藤もドリブルの切れは良いがシュートに持ち込めていない。俊輔もまだ本調子ではなさそうだし・・・まあ攻撃陣についてはカイケが刺激になるだろうからまだ救いがあるが、毎試合1失点の守備には不安が多い。特にセットプレーの守備は心配だ。次節からガンバ・レッズ、ジュビロ戦を挟んでサンフレッチェとACL組との試合が待っている。代表ウィークでしっかり立て直さないと1失点では済まない。アタッキングサードで不用意なファウルをするのだけはすぐにも修正してもらいたい。

全米カレッジ(NCAA)バスケットボールトーナメントが始まった。ディフェンディングチャンピオンのDukeはWestの第5シード。初戦のUNCWには後半逆転勝ち。2回戦のYaleには逆に後半追い上げられたが逃げ切って、Sweet 16入りを果たした。今年のDukeは強いのか弱いのか分かりづらいチームだ。この先どこまで進めるか、次はおそらく第1シードのOregonだろう。

読了:
「日本 呪縛の構図」(上)(下)(R・ターガート・マーフィー)

  • 在日40年の筑波大学大学院教授でウォルフレンやファローズと並ぶリビジョニストである著者から見た日本の過去・現在。日本人、特に組織人としての日本人の気質に江戸時代の影響が色濃く残るという著者の見方は極めて面白かったし、55年体制に関する解説にも納得できるところが多かった。一方で2009年からの民主党政権について「まともな」政権になる可能性をつぶされたと評価しているなどは、「Really?」と思うところだ。(評価A)

2016年3月13日日曜日

苦しみながらも今季初勝利(アルビレックス戦)

J1第3節。早くも全勝チームがいなくなるという混戦模様の中、F.マリノスは9年間勝利のないアウェーでのアルビレックス戦。2試合で1得点の攻撃陣は1トップを富樫、右サイドのMFに遠藤という「新人」を起用してキックオフ。ボールポゼッションはアルビレックスに握られていたが、しっかりブロックを形成してカウンター狙いだった前半25分、下平のパスから抜け出した富樫が見事なシュートを放って先制。その後もボンバーの惜しいヘディングシュートなどがあり1対0で前半を終了。
 後半ラファエル・シルバに同点ゴールを許したが、そのラファエルがシミュレーションで退場となり、その後はF.マリノスが攻勢の時間が続く。しかし、齋藤・遠藤そして交代出場の仲川の個人技からチャンスを作るが得点できない。今節も初勝利お預けかと思ったが、最後は俊輔のCKからボンバー、齋藤と渡り堅いゴールをこじ開けた。3戦目の1stステージ初勝利は褒められたものではないが、ここまでで富樫・仲川・遠藤が戦力になり得ることが分かり、攻撃陣に一層の競争意識が芽生えたとすれば今後に大きなプラスだ。一方で3試合とも失点し、特にこの2試合セットプレーからゴールされた守備陣には不安を感じる。

先週待ちに待ったFWの獲得が内定した。カイケが加入することで、FWの争いが一層激しくなるのは更なる好材料だが、見方を変えると、難しいことは承知で、来日すぐに大活躍を期待せざるを得ないほど得点力不足が重症だということだ・・・今は膝の問題がなく正式契約できることを祈ろう。

Duke Blue DevilsはACCトーナメント準々決勝でノートルダムに敗れ、今年もリーグ・トーナメントを制することができなかった。今週末にはNCAAの組み合わせが決まる。March Madnessもいよいよ佳境に入る。ジェファーソンが今季復帰絶望という中で、どこまで戦えるか・・・

読了:
「中曽根康弘」(服部龍二)

  • 「三角大福中」のしんがりとして首相になり、その誰よりも長くその宰相の座にとどまった「大勲位」中曽根氏。本書はその生い立ちから政治家としての足跡をたどり、「風見鶏」と評されながらも首相となり、国鉄民営化などを成し遂げた一方、靖国参拝を後の内閣での外交問題化するきっかけを作ったといった功罪を明らかにしている。戦後政治史のテキストにもなりそうな内容で、新書版ながら読み応えがあった。(評価A)
「戦略にこそ『戦略』が必要だ」(マーティン・リーブス、クヌート・ハーネス、ジャンメジャヤ・シンハ)
  • BCGのコンサルタントによる経営戦略本。新たな戦略論を展開するというより、すべての業種・企業に万能な戦略などなく、自社の環境(外部環境だけでなく、ケイパビリティまで)を「戦略パレット」のフレームワークに落とし込んで正しく評価し、実践すべき戦略を選択することが重要だと説き、その上で各戦略アプローチの要諦に関しても解説されている。久々の戦略本らしい一冊だが、日本企業が実践するにはハードルが高そうだ。(評価A)
「マイナス金利」(徳勝礼子)
  • 長年外資系金融機関でマーケット・アナリストを勤める著者ならではの一冊。市場で何が起こってきたのか、一般紙などでは知りえない現状の分析から、黒田総裁による導入のはるか前から実質的にマイナス金利状態が起こっているというある意味衝撃的な内容が明らかにされている。専門的な用語の解説があっても100%理解するのは難しかったが、日銀の狙いとは逆の結果を招くリスクについて、本書を読むことで理解できた。(評価A)

購入:
「ハーバードでいちばん人気の国・日本」(佐藤智恵)、「スティグリッツ教授のこれから始まる『新しい世界経済』の教科書」(ジョセフ・E・スティグリッツ)、「成長企業の法則」(名和高司)

2016年3月6日日曜日

なでしこ まさかの失速。マリノスは引き分け

女子サッカーのリオ五輪予選。地元開催の日本は3試合終えて勝ち点1、ほぼ予選突破は絶望という事前には考えられなかった結果となった。澤の引退が「終わりの始まり」だったとは考えたくないが、この3試合から見えてくるのは、メンバーが固定されたなでしこは研究し尽くされたばかりでなく、進歩もしていないという惨状だ。監督交代は当然だが、若手の起用を含めチームを一から作り直すことが必要になるだろう。男子がドーハを経験したように、是非とも今回の「大阪の屈辱」を次への教訓として欲しい。

F.マリノスはJ1ファーストステージ第二戦でアビスパと対戦。開始早々警戒していたセットプレーで先制を許し、前節同様追いかける展開に。攻撃陣はこの日も全く良い所なく前半を終了。シュートこそ許さなかったものの、ボールの取られ方が悪すぎて、しばしばカウンターを食らった。後半アビスパの足が止まりようやく攻撃がカタチになり始めたが、それでも伊藤のクロスから齋藤が飛び込んでもシュートはポストにあたり決まらない。ジリジリする展開が続いて、今週もヤバいと思ったところ、俊輔にFKのチャンスが到来。セルティックス時代のVTRを再生したような軌道のシュートが見事ニアに決まった。しかし結局この1点どまりで引き分けがやっと、初勝利はお預けになった。ただ、次節アルビレックスはホーム初戦だし、2試合で5得点と攻撃陣が好調だ。厳しい試合になるだろう。このままでは隠れ降格候補から「隠れ」が取れてしまう。選手の奮起を期待する。

読了:
「危機と決断」(上)(下)(ベン・バーナンキ)

  • FRB前議長のバーナンキ氏が、いわゆる「リーマン・ショック」から欧州危機にどう対応してきたのかを語る回顧録。10年近く経った今だから見えてくるのは、どれほど緊迫した状況だったのか、なぜリーマン・ブラザーズは破綻し、AIGが救済されたのか、その真実の姿だ。本書を読み、まさに進みつつある米大統領選を見ていると、本書にも登場するような経済音痴が世界のリーダーになってしまうかもしれないという大きなリスクだ。(評価A+)
「2020年世界経済の勝者と敗者」(ポール・クルーグマン、浜田宏一)
  • ノーベル経済学賞受賞者とアベノミクスの理論的指導者が、アメリカ・日本・欧州そして中国の経済状況および現在進行中の経済政策を評価する。バーナンキ氏も本書の著者もMITで学んだという共通点があるので、おのずとFRBと日銀との金融政策を比較し、アベノミクス以前の金融政策に対する批判がそこここにちりばめられている。今週読み終わったこれらの本を通じ、ネオ・ケインジアンに対する評価を改めなければと思った。(評価A)