2015年12月29日火曜日

投稿No.400!

気づいたら400本目の投稿ということだった。これが今年最後になるので、いろいろ纏めてみたい。

まず、DukeのFootballから。7勝5敗でレギュラーシーズンを終え、ヤンキースタジアムで行われたPinstripe Bowlでインディアナ大と対戦。延長戦の末44対41で勝利!これが何と1961年以来54年ぶりのボウルゲーム勝利ということだ。最後のインディアナのフィールドゴールが微妙な判定といううのもあり、歴史に残る試合となったのではないだろうか。

Dukeバスケットボールはユタ大に敗れ、久々にAPランキングのトップ10から脱落した。敗戦後初戦のElonには圧勝したが、4年生アミール・ジェファーソンの欠場が響いているようだ。若いチームがどれだけ頑張れるか・・・年明けからはいよいよACCリーグ戦開始だ。

次はF.マリノス。年末になって奈良輪のベルマーレ移籍が発表されてビックリした。天野(貴)と比嘉の契約が解除になった上に奈良輪までいなくなり、補強ポイントが増えてしまった!他のニュースは社長交代で、仕事納めまで獲得の情報もアデミウソンとのレンタル契約の結末も報じられていない。動いてはいるのだろうから、年明けに吉報が届くことを期待する他ない。

澤穂希が引退した。しかも、最後に皇后杯タイトルを自らの決勝点で引き寄せるという凄い事をやってのけた。流石というべきだろう。彼女の引退と聞いてボンバーと俊輔の引退がちょっと現実感を増した。特に春先にNHKの番組で対談した俊輔がどう感じたのか聞いてみたい。

読了:
「フォーカス」(ダニエル・ゴールマン)

  • 「EQ」の著者の最新作。最近の研究を基に集中力・注意力について解説しているが、そこから始まり、自らを知り・他者を知り・大きな文脈を読むことの重要性、更にはリーダーとして必要な集中力についても触れられている。事例のいくつかは他の書籍にオーバーラップするものではあるが、後半(Part 6および7)は示唆に富んでいる。(評価A)

「IoTは日本企業への警告である」(齋藤ウィリアム浩幸)

  • IoTはもはや必ずやってくる未来だ。来たるべきSmartな社会に向けて、「自動運転は普及するのか?」といった愚問を投げかけたり、リスクばかりを過大に取り上げるようなこれまでと同じ対応をしていては日本企業はサバイブできない。果たして何人の経営者が著者のこの警告をキチンと受け止められるだろうか?(評価A+)

「21世紀の不平等」(アンソニー・B・アトキンソン)

  • 「トマ・ピケティの師」という触れ込みの著者が、経済的不平等がどのように拡大してきたかを解説、また、イギリスにフォーカスされてはいるが、不平等を緩和するための施策を様々提案している。ピケティのグローバル課税に比べると、はるかに実現性が高く、また財源的な裏打ちについても試算されている点でも実践的だ。経済格差は欧米に比べ小さい日本だが、いくつかの施策は検討に値するものと思う。(評価A)

購入:「スーパーパワー」(イアン・ブレマー)、「ロボットの脅威」(マーティン・フォード)、「ウォール街のアルゴリズム戦争」(スコット・パタースン)、「企業家としての国家」(マリアナ・マッツカート)

今年読んだのは合計160冊。例年より科学に関する本、歴史に関する本を意識して読んだ1年だった。

映画。今週「クリード チャンプを継ぐ男」を見て今年は合計16本。スターウォーズ・ターミネーター・ジュラシックパークといったヒット作の続編に加え、奥さんがヒアリング・マラソンをやっている関係で、毎月のテキストで取り上げられた作品5本を見たので、近年にない鑑賞本数になった。

来年も読書・映画に加えマリノスとDukeを追いかける日々となりそうだ・・・


2015年12月20日日曜日

MもNもいなかったけど、バルサは強かった(CWC準決勝 広州恒大戦)&スターウォーズエピソード7

どうもメッシとは相性が悪いようだ。9年前はケガでそもそも来日できず、今回は急病で試合直前に欠場となってしまった。大混雑の菊名駅で何気なくスマホでニュースを見たときは一瞬「帰っちゃおうかな」と思った。結局MSNがSだけになってしまったが、それでもバルサはバルサ。やっぱり見たかいがあった。
 ボール支配率75%というスタッツが示すように一方的な試合だったが、バルサは守備の意識が強いチームだと思った。パス回しも無理すべきでないところはピケとマスチェラーノまで戻し展開し直すし、たまにカウンターをくらうと一斉に戻って火を消す。ただ、セットプレーに弱点があるのではと感じたのが前半終了間際、GKのブラボが片手でセーブしたシーンだ。
 攻撃では勿論スアレスの決定力は言うまでもないが、イニエスタとラキティッチが素晴らしかった。1点目はラキティッチのシュートをGKが弾いたところを押し込んだものだし、2点目はスアレスの動きを正確に読んだイニエスタのパス(こういうのをキラーパスというのだろう)がすごかった。最後のPKは「あれ??とっちゃった!!」という判定ではあったが、GKの予測が当たったにも関わらず防げないキックの速さに脱帽。その他にもジョルディ・アルバのありえないスピードなど生ならではの迫力があった。(ちなみにキクマリで見たF.マリノスユース和田の得点がスアレスの2点目にそっくりだった。)
 広州恒大はパウリーニョらブラジル人助っ人に助けられACLを取ったが、結局何もできなかった。サンフレッチェだったら?やはり結果は同じだったろう。残念ながらアジアは世界トップクラスのチームとまだまだ実力差が大きいのを再認識した。

「スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒」を見た。毎度おなじみのA long time ago, in a galaxy far, far awayで始まるオープニングから全く飽きることなく一気に突っ走った感じだ。ストーリーに共通した「親子」というテーマは今回も意外な形で繋がっていて、随所に過去のシリーズを連想させる場面があったり、エピソード6からの30年に何が起こったのかを感じ取れるセリフがあったりとまさに「待ったかいがあった」内容になっている。ラストは次作がどのようなものになるか暗示されており、また楽しみだ。

読了:
「ハイデガー哲学入門『存在と時間』を読む」(仲正昌樹)

  • 20世紀最大の哲学者という評価がある一方、ナチスに加担していたことで批判されるハイデガー、その著作である「存在と時間」とはどのような内容なのか。存在するとはどのようなことなのか、デカルトへの批判、から始まり死、良心、時間と解説が進むが、正直消化不良のまま終わった。解説書にしてこの難解さ。恐るべき一冊。(評価B)

「日本の論点2016-17」(大前研一)

  • プレジデント誌連載記事をテーマ別に再集録した日本の論点も3冊目。IS、TPP、大阪都構想住民投票などこの1年余りの時事問題を大前氏はどう読み解いているか。改めて読み直すと、日本に決定的に欠けているのが大戦略というか国家のグランドデザインであるということを毎度の事ながら認識させられる。(評価A)

「ソーシャル物理学」(アレックス・ペントランド)

  • サブタイトルにある「良いアイデアはいかに広がるか」という点で、「職場の人間科学」と似ているなと思ったが、やはり著者同志が繋がっていた。本書の著者ペントランド氏が先駆者ということのようだ。内容は所謂集団の知恵に関するものということで特段の目新しさはなかったが、それよりも「パンくず」のようなデータの蓄積および解析に意味を見出すという研究方法がユニークだった。(評価A)

「輪廻する宇宙」(横山順一)
「宇宙の始まり、そして終わり」(小松英一郎、川端裕人)

  • 2冊とも宇宙がどのように始まったのか、インフレーション理論を中心において解説、更にダークマターやダークエネルギーに関する研究の最先端を紹介している。また、後者は更にこの先宇宙がどうなっていくのかについても触れられている。2冊を比較すると、正直なところ後者の方が読んでいて面白かった。一人が世界最先端の宇宙物理研究施設で活躍している学者で、その対話を通じて小説家が筆を進めるというタッグが上手くいっている為だろう。今後10年以内に更なる発見が予想されるという話を読んでワクワクしてきた。(評価:前者B、後者A)
購入:
「ギリシア人の物語Ⅰ」(塩野七生)、「戦略がすべて」(瀧本哲史)、「銀河系惑星学の挑戦」(松井孝典)

2015年12月13日日曜日

CWCバルサ来日!

アビスパの昇格決定で来シーズンのJ1の編成が確定した。これで井原監督のアビスパとマリノスの対決という楽しみがひとつ増えた。

今週はCWC準決勝で9年ぶりにバルサが見られる!残念ながらネイマールがケガをして準決勝の欠場が決まってしまったが、それでも9年前見られなかったメッシを今度こそ生で見られそうだ。ここ3試合白星なしと少し調子を落としているが、横浜では良い試合を見せてくれると期待する。

読了:
「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」(入山章栄)

  • 3年前の「世界の経営学者はいま何を考えているのか」から始まり、「経営学」の最新トレンドを紹介している著者が、日本に帰国後の経験を踏まえ改めて日本人が理解していない経営学の研究成果を紹介している。「両利きの経営」といった前作でも紹介されている理論や、リアルオプションのように、今のビジネススクールで学べる(であろう)ポピュラーな理論なども紹介されている。今回の方がより経営者・マネジャーを読者として意識しているように思われた。(評価A)
「限界費用ゼロ社会」(ジェレミー・リフキン)
  • IoT、3Dプリンター、クラウド・ファンディングなどの進化により、限界費用が限りなくゼロとなり、様々なモノがほぼタダ(Free)で手に入るようになる社会が到来する。著者の描く未来のキーワードはコモンズであり、シェアである。新たに書き下ろされた章で、中途半端な状態にあるとされた日本に住んでいると、こうした未来の到来は現実味がないというのが正直なところだ。しかし、ドイツがはっきりとそうした社会の到来を国家戦略と位置付けているのと対比されると、日本の将来が不安にならざるを得ない。その意味で恐るべき予言の書といえよう。(評価A+)
購入:
「輪廻する宇宙」(横山順一)、「宇宙の始まり、そして終わり」(小松英一郎、川端裕人)、「IoTは日本企業への警告である」(齋藤ウィリアム浩幸)、「私たちはどこまで資本主義に従うのか」(ヘンリー・ミンツバーグ)、「21世紀の不平等」(アンソニー・B・アトキンソン)

2015年12月5日土曜日

リーグチャンピオンシップ

Jリーグチャンピオンシップはサンフレッチェの優勝で決着した。準決勝で延長を戦ったガンバに対し日程的に優位だったサンフレッチェだが、アウェーの初戦は1点ビハインドでアディショナルタイムに突入。しかしそこから奇跡のような逆転で勝利を掴んだ。第二戦も今野に先制を許し、なかなかチャンスが作れなかったが、第一戦で決勝点を挙げた柏のクロスから浅野がヘディングシュートを決めて引き分けに持ち込んだ。
 
いろいろと議論のあったチャンピオンシップだったが、準決勝も含め3試合とも良いゲームだった。いずれの試合も交代選手が決勝点に絡む活躍を見せたのが印象に残った。今回残った3チームのサッカーの質ではやはりサンフレッチェが頭ひとつ抜けていたし、一番チャンピオンに相応しかった。ちなみに、マリノスとの対戦成績でも1勝1敗のレッズ、2分けのガンバ、2敗のサンフレッチェという結果だ。来年はマリノスがここに残ってシャーレを掲げられる事を夢見よう。


読了:
「戦略思考トレーニング 経済クイズ王」(鈴木貴博)

  • 戦略思考トレーニングも4冊目。今回は何気なく見ている日経の記事をどう読むか、それによってコンサルタントがどのように経済のトレンドを見ているか、という観点からのクイズ50問が出題されている。富士重工が収益率ではトヨタをはるかに上回っている、とか吉野家の仮想敵はコンビニであるといった日本企業のクイズからベトナムのコーヒーがどこで使われているかといったグローバルなクイズまで、解説を読んで「なるほど」という題材が多い。日経新聞は侮れないという事も再認識。(評価A)
「ハウス・オブ・デット」(アティフ・ミアン、アミール・サフィ)
  • リーマンショックという名前がついていることからも分かるように、2008年の経済危機は金融機関の問題というのが定説。しかし、本書の著者たちは、かつての世界危機の前には家計債務の負担が重くなり、個人消費が減少するという前触れがあったことを指摘し、今回の対策で家計債務への対応が不十分だったと批判する。サマーズやクルーグマンらが評価するという本書の示唆は、特にいアメリカにおける今後の不況対策にどう生かされるだろうか、と興味深い。(評価A+)
「BOLD突き抜ける力」(ピーター・H・ディアマンディス、スティーブン・コトラー)
  • 自らも起業家の著者(ディアマンディス)が「エクスポネンシャル起業家」とは誰か、イーロン・マスク、リチャード・ブランソン、ジェフ・ベゾス、ラリー・ペイジから何を学べるか、そうした起業家を助けるシステム(例えばクラウド・ファンディング)をどう活かしたら良いか、といったノウハウを1冊に取りまとめた。先日の日本版フォーブスで日本の起業家ランキングを見て、日本でも多くの起業家が出ていることを知ったが、本書を読むと、「エクスポネンシャル起業家」と呼べるのは何人いるだろうか、と少し寂しく感じたが、解説を読んで「日本人もちゃんと頑張っているじゃないか」と安心した。(評価A)
「メイカーズ進化論」(小笠原治)
  • 「BOLD」と続けて読んだことで、日本におけるメイカーズの現状が良く理解できた。日本の起業家もクラウド・ファンディングを活用している例があったり、大企業とのパートナーシップが一部だが始まっていること。更には大企業で「埋もれかかった」技術がメイカーズにより日の眼をみた例も紹介している。と同時に、毎度のことであるが、欧米のコンセプトの「誤訳」がまた潜在的な問題となりそうなことに危惧した。著者はIoTを「モノのインターネット」と和訳したことに警鐘を鳴らすが、本書を読んで納得。(評価A)

2015年11月28日土曜日

チャンピオンシップ決勝にはガンバが進出

J1チャンピオンシップ準決勝は年間順位3位のガンバが1stステージ優勝のレッズを延長戦で破り決勝に進出した。いろいろ議論のあったプレーオフだが、今日のような試合内容であれば少なくとも興行的には良かったのではないだろうか。ガンバは宇佐美を途中交代させた直後に同点に追いつかれ、長谷川監督の采配ミスではないかと思ったが、結果的にこれも途中交代で入った米倉のアシストから藤春が見事なボレーの決勝点を決めた。日程的にはサンフレッチェが有利だが、ガンバがそれを跳ね返せるだろうか・・・

F.マリノスは長いオフに突入。5人の選手と契約を更新しない旨発表されたが、正直端戸以外は「仕方ないだろう」というメンバーだった。新天地での活躍を祈りたい。今後も契約更新ではドラマがやってきそうだ。キクマリでのインタビューに対する回答を見る限り、アデミウソンの残留はなさそうなので、新たな助っ人がどうなるか含め当面ヤキモキということになるだろう。

読了:
「国家興亡の方程式」(ピーター・ターチン)

  • タイトルを読んだときは、今後の地政学を考える際に参考になる方程式が提示されるのか?と思ったが、流石にそこまでのものではなかった。しかし、少なくとも19世紀までの国家興亡に辺境、宗教、人口動態などの点である種パターンが存在し、数学的なモデリングで説明できるというのは極めて興味深かった。簡単に読めるレベルの本ではなかったので、通勤時間ほぼ3日を要した。(評価A)
購入:
「フォーカス」(ダニエル・ゴールマン)

2015年11月23日月曜日

最終節スコアレスドローで終戦・・・

2ndステージ最終節松本山雅戦。木曜日から体調不良が続き、スタジアム行きを断念。TV観戦となった。結果はある意味今年を象徴するスコアレス・ドローで終わった。TV観戦後の今でさえ具合が悪くなったので、見に行っていたら、しばらく寝込むことになったかも・・・前半は相手に危ない場面を作られる時間もあり、攻撃がなかなかカタチにならなかった。後半は相手の出足が鈍り、伊藤・齋藤の惜しいシュートがあるなど圧倒したが、ゴールをこじ開ける事は出来なかった。これで最終的に2ndステージは5位、年間順位は7位でシーズンを終了。上位の顔ぶれを見ると、残念ながらここらあたりが今のF.マリノスの実力ということなのだろう。

これで約3か月の長いオフに入る。アデミウソンや齋藤がいなくなるかもしれない前線に(新助っ人を含め)どんな顔が加わるのだろうか?守備陣に変更はあるのだろうか?

読了:
「生命の星の条件を探る」(阿部豊)

  • なぜ地球に生命が誕生したのか、宇宙に生命が存在する星はあるのか。著者は水・地面が動くこと・大陸・酸素が生命存在の条件と考える。興味深かったのは、地球のような「海惑星」よりも、水の量が少ない「陸惑星」の方が生命存在の期間が長いとか、現在発見されている巨大地球型惑星「スーパーアース」では生命存在が難しいという記述だ。地球の条件が宇宙の規模からは特殊とは言えないが、ハードルはそれなりに高いと思った。人類は地球に生命が存在できなくなる10億年先までに移住先を見つけられるのだろうか?それともそれを待たずに絶滅するのだろうか?(評価A)
「ヒトラーとナチ・ドイツ」(石田勇治)
  • ヒトラーが30歳で政治活動を始めてから1945年のナチ・ドイツ滅亡までの歴史はこれまで教科書以上のことは知らなかった。本書を読むと、ヒンデンブルク大統領がなぜ1933年に、得票率33%に過ぎなかったナチ党党首のヒトラーを首相に選んだのか、その後どうやって独裁体制を築いたのか、ヒトラーの反ユダヤ主義の本質は何か、更には当時のドイツ人は何故ヒトラー時代を評価したのかといった点が理解できる。(評価A)
「スキン・コレクター」(ジェフリー・ディーヴァ―)
  • リンカーン・ライムシリーズの最新作。ウォッチ・メーカーが刑務所で死亡したとのニュースを受けたリンカーンの前に毒針でタトゥーを入れるシリアル・キラーが現れる。刺青に示された数字の意味は?ボーン・コレクターの影響を受けているのか?これらが全て伏線となっていて、事件が解決したときに、「そういうことだったのか」と納得する。シリーズの中でも傑作と言える一冊だ。次の展開を予想させる結末で、自作が待ち遠しい。(評価A+)
購入:
「メイカーズ進化論」(小笠原治)、「ハイデガー哲学入門『存在と時間』を読む」(仲正昌樹)、「ソーシャル物理学」(アレックス・ペントランド)、「BOLD突き抜ける力」(ピーター・H・ディアマンディス、スティーブン・コトラー)、「限界費用ゼロ社会」(ジェレミー・リフキン)、「日本の論点2016~17」(大前研一)、「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」(入山章栄)

その他:
日本時間水曜日朝の試合でDukeバスケットボールチームはケンタッキー大に完敗。開幕2試合とも好調だったアレンが抑えられ、現時点での力の差を見せつけられたようだ。しかし勝負は来年3月。それまで悔しさをバネにしてチーム力向上に取り組んで欲しい。

クラブ・ワールド・カップのチケットGet!残念ながら決勝戦のチケットは残っておらず、準決勝(バルセロナ出場)を購入した。2006年に見たときはメッシがケガをしていて不在だったので、今回はたとえ短時間でも良いから生で見たい!マラドーナ、ジーコ、プラティニ、C・ロナウド、ルーニー・・・これまでトヨタカップなどで見ることのできたスーパースターたち。このリストに今回是非MSN(メッシ・スアレス・ネイマール)の3人を加えたい。クラシコでの圧勝を見て一層楽しみになった。

2015年11月15日日曜日

ヴィッセル戦に敗れ今年の無冠決定・・・

天皇杯の4回戦、アウェーでのヴィッセル戦は後半の失点でリーグ戦アントラーズ戦から連敗。パリでのテロ事件の後の試合、モンバエルツ監督たちスタッフとの連帯を掲げたサポーターの努力もむなしく、毎度の事ながらゴールは遠く、結局今シーズンの無冠が確定してしまった。来週はアデミウソンや齋藤にとって文字通りの最終戦となる可能性がある。是非とも勝って有終の美を飾ろう!

代表のシンガポール戦。3対0では物足りないと思うのは私だけではないだろう。金崎や柏木はよくやったが、常連組は・・・所属チームでレギュラーを取れていなくてもポジションが確保されている選手さえいる。監督は言行不一致と言われても仕方ない。就任当初の印象とこんなに変わった監督がいただろうか?最終予選までにこの監督の下でチームを作れるか非常に心配だ。

カレッジバスケットボールのシーズンが開幕した。ディフェンディング・チャンピオンのわがDuke、初戦・2戦目とも快勝でシーズンをスタートした。日本時間水曜日朝にはケンタッキーとの大一番。シーズン終盤まで見据え、しっかり勝っておきたいところだ。

読了:
「資本主義に希望はある」(フィリップ・コトラー)

  • マーケティング研究の大家である著者が、貧困・格差など資本主義の抱える課題を明らかにし、そこにどう対応すべきかを説いている。個々の課題に対して様々な立場で書かれた多くの経済書が引用されており、極めて公平な立場に立っているところに好感を覚えた。最終章で資本主義の希望を守るのにマーケティングの果たすべき役割について触れているのは、流石にマーケティングのGuruというべきだろう。(評価A)

「アメリカの世紀は終わらない」(ジョセフ・S・ナイ)

  • アメリカの一極集中化、中国の世紀の始まりといった俗説を排し、今後もアメリカの地政学的優位が変わらないことを説いている。アメリカに対抗する勢力としてヨーロッパ、日本、ロシア、インド、更には中国の現状と課題を整理している。ソフトパワーの違いを強調するのは著者ならではのポイントだ。日本が今後アメリカ、中国、ロシア、インドなどの国々とどういった関係づくりに励めば良いかについても、本書は有益な示唆を与えてくれている。(評価A)

「【戦後史の解放Ⅰ】歴史認識とは何か」(細谷雄一)

  • 世界史と日本史の分離という戦後教育の問題点を踏まえ、改めて20世紀初頭から世界の平和主義と日本との関係を解説している。本書を読むと、日露戦争の捕虜に対する対応を世界から高く評価され、国際法を順守していた日本が、その後国際協調路線から次第に脱線し、世界の流れを読めないままに軍部の暴走を許し、遂には開戦へと突き進んだかが一層理解できる。続編が楽しみだ。(評価A)

2015年11月7日土曜日

リーグ戦11試合ぶりの敗戦

8月~10月の3か月間負け知らず、その間俊輔が8月・9月とベストゴール賞を連続受賞し、更には月間MVPを8月は齋藤、10月は俊輔が獲得するという快進撃を続けてきたF.マリノスだったが、今節リーグ戦11試合ぶりの敗戦でプレーオフ進出の望みが絶たれる結果となった。

この試合で勝てなければ2ndステージの優勝の可能性も年間3位以内の可能性も消滅という瀬戸際の試合にも関わらず、ここのところ4連敗中のアントラーズを前に怯んだのだろうか、イレブンからは気迫が伝わってこなかった。前半開始早々に先制点を許し、後半にもカイオに追加点を奪われて0対2で敗れた。サイドで遠藤とカイオに主導権を握られ、守備に追われていた上、俊輔に対する小笠原と柴崎のプレッシャーがきつく、攻撃は単発。ただ一人齋藤だけが孤軍奮闘していた。残念ながら力の差を見せつけられた試合になってしまった。

これで唯一残った獲得可能なタイトルは天皇杯となった。次週アウェーのヴィッセル戦では是非意地を見せて欲しい。

読了:
「CSV経営戦略」(名和高司)
  • マイケル・ポーターが2011年に提唱したCSV(Creating Shared Value)。「社会価値と経済価値の両方を創造する次世代の経営モデル」として注目されているコンセプトの内容を深掘りし、ネスレやGEなど海外での実践事例を紹介すると共に、ユニクロや三菱ケミカルなど日本企業の実例も紹介されている。日本企業経営者の「CSVは日本企業がやってきたこと」という安易な考えを否定し、改めてポーターの考えをアレンジした日本的なCSVの在り様を説いている。内容の濃い一冊。(評価A)
「ジオエコノミクスの世紀」(御立尚資、イアン・ブレマー)
  • 地政学(ブレマー)と経営(御立)という組み合わせは今までなかったものではないか。グローバルな経済活動が益々前提となる企業経営を考える上で、地政学的な観点もまた重要になってきていることが本書を通じ改めて理解できる。米中関係の行方、イスラム圏におけるサウジアラビアとイランの関係、「Gゼロ後」の世界で日本はどうすべきなのか、また企業はどう立ち回る必要があるのか、など参考となる点が多い。(評価A)

購入:
「戦略思考トレーニング 経済クイズ王」(鈴木貴博)、「ハウス・オブ・デット」(アティフ・ミアン、アミール・サフィ)

2015年11月1日日曜日

マリノスの試合のない週末は・・・2つのニュース

今週はナビスコ杯決勝でリーグ戦は休み。ただ、マリノスに関しては2つのニュースがあった。一つはU-22候補合宿に参加していた喜田の負傷。全治6週間ということなのでリーグ戦は絶望で、順調でも天皇杯の準々決勝(当然勝ち進むのが前提)からの復帰ということになるだろう。土曜日のFC東京との練習試合ではレギュラー組に熊谷が使われていたので代役は決まり?もうひとつは富樫の入団決定。彼に活躍して欲しいのは勿論だが、シーズン終了後には「世代交代」という名前で戦力外となる選手がもう一人加わるということも意味している。もうすぐ寂しい季節がやってくるのを痛感。

読了:
「インテル 世界で最も重要な会社の産業史」(マイケル・マローン)

  • とにかく面白い。集積回路発明者の一人ボブ・ノイス、「ムーアの法則」で知られるゴードン・ムーアという「創業者」と社員番号4番で後のCEOアンディ・グローブ。三人がいかにインテルを築き、様々な困難に立ち向かい、会社を発展させてきたか。三人の間にある愛憎関係ともいえる関係も含めて語られる歴史はある意味でシリコン・バレーの歴史そのものとも言える。会社経営に対するヒントも豊富で、間違いなく今年のベスト経営書の一冊だ。(評価A+)
「財務省と政治」(清水真人)
  • 自民党一党支配の終焉から始まり、住専処理、小泉改革、リーマンショック、そしてアベノミクスまで、1990年代初頭から四半世紀の政治史と、そこに大蔵省・財務省が如何に関わってきたか、関わり方が変わってきたかが語られている。関係の濃淡が政権ごとに異なってはいるが、財務省は依然として「最強官庁」であることは間違いないのだろうが、その力はかつてのようなものではなくなっているということが本書を読んでの感想。(評価A)
購入:
「国家興亡の方程式」(ピーター・ターチン)

その他:
Dukeのバスケットボール新シーズンが練習試合でスタートした。11月17日(日本時間18日)にはケンタッキー大(UK)との試合が予定されている。かつてNCAA史に残る試合を戦い、今年4月のNCAAトーナメント決勝で当たることを期待された両チーム。シーズン初めだが、注目試合だ。
一方Footballはマイアミ大に負けて6勝2敗に。次節UNCには何としても勝っておきたい。

2015年10月25日日曜日

フロンターレも撃破。10戦負けなし!

F.マリノスは神奈川ダービー、アウェーのフロンターレ戦を1対0で勝利。10戦負けなし(8勝2分)となった。押し込まれ続ける展開の苦しい試合だったが、しっかり固めた守備で決定的な場面を作られることはなく、逆に俊輔のFK→ファビオのヘディングという必殺技1発で決めた。遅きに失した感はあるものの、前節同様こういう試合を勝ちきれるようになったのは収穫だ。これで2ndステージは3位をキープ、年間通算順位は5位に浮上となった。リーグ戦はあと2試合。可能性が残る限り勝ち続けよう。天皇杯も相手がヴィッセルに決まった。アウェー戦になるが、今の勢いがあれば負けることはない!

読了:
「戦略・マーケティングの名著を読む」(日本経済新聞社[編]」
  • 掲載されている11冊のうち読んでいなかったのは「BMW物語」だけだったが、コンサルタント・経営学者の手による解説が加わったことで、忘れかけていたポイントを再認識することができた。「フラット化する世界」と「lコークの味は国ごとに違うべきか」のように異なる主張が説かれている本を対比できるのも、本書のようなダイジェスト版のメリットだろう。(評価A)
「世界を破綻させた経済学者たち」(ジェフ・マドリック)
  • 本書で批判されているのはアダム・スミスにはじまり、ミルトン・フリードマン、アセモグル&ロビンソン(「国家はなぜ衰退するのか」、ラインハート&ロゴフ(「国家は破綻する」)などの面々。批判の対象から見る通り、本書はどちらかというとケインジアンの立場から書かれているように思われるが、経済学を「科学」と見做すことはできないとまで手厳しく問題点を指摘している。(評価A)
「ブロックバスター戦略」(アニータ・エルバース)
  • 著者はHBSで"Strategic Marketing in Creative Industries"という講義をもつ教授。本書はスポーツビジネスおよびエンターテインメント業界においてBlockbuster戦略が如何に有効であるかを実例を使って説いている。個人的にはレアル・マドリーとバルサやボカ・ジュニオールズの戦略の違いを経営学の観点から説明している点が興味深かった。「選択と集中」と考えれば、アップルの戦略などにも通じているという点も面白い。(評価A)
購入:
「資本主義に希望はある」(フィリップ・コトラー)、「CSV経営戦略」(名和高司)、「ジオエコノミクスの世紀」(イアン・ブレマー、御立尚資)、「アメリカの世紀は終わらない」(ジョセフ・S・ナイ)、「歴史認識とは何か」(細谷雄一)、「ヒトラーとナチ・ドイツ」(石田勇治)、「財務省と政治」(清水真人)、「生命の星の条件を探る」(阿部豊)

その他:
Dukeのフットボールチームは今年も好調。今節もヴァージニア工科大との4Overtimeという大接戦を制して6勝1敗となった。バスケットボールも開幕間近。楽しみな冬になる!

2015年10月18日日曜日

ヴィッセルに劇的な逆転勝利。天皇杯も4回戦へ

11日から17日まで香港出張のため3試合ともネットで結果を確認しただけだが、8月からの無敗は継続した。天皇杯は延長戦の連続だが、何とか勝ち上がった。今週次の相手が決まるが、何とか2年ぶりの制覇を期待したい。一方2ndステージは3連勝で3位に浮上。勝ち点差6では勝ち続けるしかないギリギリのj状況ではあるが、先月のFC東京戦や今節のような試合で勝ちきれるようになったのはチームに実力がついてきた証拠だ。次節は開幕戦で完膚なきまでに叩きのめされたフロンターレ戦。しっかり倍返しだ!




2015年10月10日土曜日

シリア戦勝利でも前途は「?」

W杯2次予選折り返しの「アウェー」シリア戦、日本は3対0で勝ちE組首位に出た。結果からは「快勝」ということになるのかもしれないが、前半の出来の悪さにはスコアレスドローを覚悟したほどだった。チャンスはほとんどなく、香川のFKから原口・本田がシュートを打った場面ぐらいしか可能性を感じなかった。攻め上がりの中で安易なパスミスが多く、前半終了前にはそこから逆襲をくらいあわや失点という場面もあった。ハーフタイムでのハリルホジッチの修正を評価する記事が多い中、杉山茂樹氏がサイドバックのポジションの低さ、センターバックの間隔の狭さといった問題を指摘しているのを読んで、その通りと感じた。このままでは最終予選突破は難しいと言わざるを得ない。次戦イランとの戦いでは、むしろ負けて現在の実力が浮き彫るくらいが望ましいのではないか。

読了:
「経済は『予想外のつながり』で動く」(ポール・オームロッド)

  • 合理的経済人を基礎におく経済学理論では、現在の諸問題を解決することはできない。ハーバート・サイモンに始まる限定合理性の考え方を入れることが必要だ。筆者は日本の「失われた20年」、フーリガンの行動、マンチェスター・ユナイテッドが今のようなビッグクラブになったのはなぜ、といった興味深い話題を含む様々な事例を交えて、ネットワーク理論の有効性を説いている。(評価A)

「なぜデータ主義は失敗するのか?」(クリスチャン・マスビェア、ミゲル・B・ラスムセン)

  • レゴはいかにして低迷から脱出したか、インテルやアディダスの企業戦略再構築の背後にあるものは何かといった事例を基に、こうした転換は単にデータを分析しているだけでは達成できない、というのが本書の主張だ。これらの企業が行ってきたプロセスには納得できるところが多い。ただし、タイトルは若干ミスリーディング。著者はセンスメイキングの重要性を説いているが、そのステップの中でもデータ活用は不可欠だ。(評価A)

「日本人の歴史観」(岡崎久彦、北岡伸一、坂本多加雄)

  • 黒船来航から現在に至る歴史をたどりながら、薩長史観、東京裁判史観といった偏向史観の問題点を明らかにしている。本書の基となった討論が行われたのは2002年5月だというが、所謂安全保障法案の国会審議が終わった現時点で読んでも、マスコミの偏向は今に至っても根深いものがあることを改めて理解できる。(評価A)

「『超』集中法」(野口悠紀雄)

  • 世の中には正規分布ではなく、べき乗則で動いている事例が多くあるのだということを踏まえ、2割に集中することの意義が説かれている。20対80の法則に関する書物は多いが、本書はどうやって集中すべき2割を見つけるのか、まで解説しているのが特徴。また、ロングテールやブラックスワンといった新たな考え方についてどのように捉えるべきか、決して本書の説く集中法と矛盾しないことにも触れられている点も良い。(評価A)
購入:
「スキン・コレクター」(ジェフリー・ディーヴァ―)

2015年10月2日金曜日

Oktoberfest! 苦手ベガルタに勝利!Gothamシーズン1終了!

今日は赤レンガ倉庫のオクトーバーフェストで昼間からビール!たぶん5年ぶりぐらいに行ったが、こんなに盛況だっただろうか?ビールよりも料理を持ってくるのに時間がかかるというのがこのイベントの特徴かも。

帰宅後F.マリノスの試合を後半途中からTV観戦。1対1になった直後からだったので、ベガルタに押される状況が続く中、俊輔のブレ球シュートから小林が勝ち越し点。更にアデミウソンのドリブルで得たゴール前FKを再び俊輔が決めて突き放した。終盤のパワープレーを跳ね返し、3対1で勝利、チャンピオンシップ進出に微かな望みをつなげた。インタビューで俊輔が語っていたように、ここに来て先発以外の選手層が厚くなった。今節も天野純が初先発し、矢島も帰ってきた。残り4試合全勝でチャンピオンシップを目指すのは勿論だが、再開後の天皇杯2回戦をきっちり勝ちきって、こちらのタイトル獲得も目指して欲しい。

「ゴッサム」のシーズン1の放送が終わった。我が家でこの種のTVをシリーズ通して見たのは「24」(シーズン1だけだけど)以来、ハマったという点では実に「ツイン・ピークス」から20数年ぶりだ。まだまだ多くの謎が残されたままシーズン2に突入する。アメリカでは先月下旬に放送が開始し、日本では来年AXNでの放送が決定している。毎週録画するのはキツイが、楽しみだ。

読了:
「グレートカンパニー」(リッチ・カールガード)
  • McKinseyがかつて提唱した7SフレームワークでStyleとかShared Valueと呼ばれていたSoft面の重要性が、新たな経営環境を踏まえ再度強調されている、というのが本書を読んだ感想。信頼・知性・チーム・テイスト、そしてストーリーという5つのSoft Edgeだが、これを単純に「日本企業が得意としている要素」と考えるのは誤りだろう。本書が言っているのは戦略的基盤とHard Edgeと併せ3つ揃った企業であるべきということで、そこが欠落している今の日本企業がいくらSoft Edgeを磨いても競争には勝てない。(評価A)

「[新版]ブルー・オーシャン戦略」(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ)
  • 10年ぶりの新版ということで改めて読んだ。「分かったつもり」になっていたブルー・オーシャン戦略だが、なかなか奥が深い、と再確認した。戦略キャンバス、事業ポートフォリオのPMS(Pioneer‐Settler‐Migrator)マップ、ブルー・オーシャン・アイデア・インデックスといったツールがあるため、表層的な考え方でこれらを埋めて「戦略作成完了!」となってしまうリスクが大きい。今回追加された「10の罠」をしっかり考えることが必要だ。(評価A+)
購入:
「インテル 世界で最も重要な会社の産業史」(マイケル・マローン)

2015年9月26日土曜日

SKYシリーズ。ベルマーレ戦

アウェーのベルマーレ戦。F.マリノスは伊藤のゴールで先制したが、ベルマーレの永木に素晴らしいFKを決められ1対1で引き分けた。7試合負けなしとなったが、ここに来てペースダウン。特に「湘南」になって常に勝ち続けていたお得意様に引き分けたのは残念だ。心配は毎度のことながら今月の3試合いずれも1点しか決められていない攻撃陣だ。次節は苦手のベガルタ戦1点はもぎ取れるだろうが、2点目をどう取って突き放せるか、交代選手の使い方も含め立て直す必要がある。
(2ndステージ順位は8位に後退、通算順位は7位)

読了:
「シンギュラリティ大学が教える 飛躍する方法」(サリム・イスマイル、マイケル・マローン、ユーリ・ファン・ギースト)

  • 指数関数的(Exponential)に成長している企業(Uber、Airbnbなど)の戦略・組織・プロセスを分析し、新たに起業する際のみならず既存の企業が同様な成長を成し遂げるには何が必要かが解説されている。野心的な変革目標(Massive Transformative Purpose)、SCALE、IDEASというフレームワークで語られる要素は日本の既存企業では採用しづらいものばかり。益々日本企業がグローバル化に取り残されるのではないかという危機意識を強めた。余談になるが、著者らが属するシンギュラリティ大学は未来の教育機関の方向性を示しているようだ。(評価A+)
「解」(堂場瞬一)
  • 政治家を目指す大江と小説家を目指す鷹西。大学の同級生である二人はやがてそれぞれの分野で成功するが、その過程で起こる殺人事件が二人を意外な形で対決させることになる。平成元年(1989年)から23年(2011年)まで、言い換えるとバブル崩壊から東日本大震災までの社会情勢が二人の進路にどう影響するか。大江が何人かの著名なIT起業家に見えたり、周りにも「モデルはあの人?」という人物がいたりするのは少し都合が良すぎるような点もあるが、それはそれで面白く読んだ。(評価A)
購入:
「経済は『予想外のつながり』で動く」(ポール・オームロッド)、「なぜデータ主義は失敗するのか?」(クリスチャン・マスビェア、ミゲル・B・ラスムセン)、「世界を破綻させた経済学者たち」(ジェフ・マドリック)、「日本人の歴史観」(岡崎久彦、北岡伸一、坂本多加雄)、「戦略・マーケティングの名著を読む」(日本経済新聞社[編])、「『超』集中法」(野口悠紀雄)、「ブロックバスター戦略」(アニータ・エルバース)

2015年9月20日日曜日

ニュー・ヒーロー誕生!再び連勝街道へ(FC東京戦)

.マリノスにもう一人新たなヒーローが誕生した。今節のFC東京戦は特別指定選手である富樫のJ初ゴールで勝利を収めた。
  
試合は正直なところあまり面白いものではなかった。マリノスはポゼッションするもののパスミスが多く、前半はいくつか「ヒヤリ」とする場面も。シュートも枠を外れたミドルが多く、唯一可能性を感じたのはハーフタイム直前の齋藤のシュートだけだった。このまま終了かと思った88分、俊輔のクロスを途中交代の富樫がニアで合わせゴール!そのまま逃げ切り勝ちきった。これで暫定5位に浮上したが、フロンターレとアントラーズも勝ったので年間順位は7位のまま。この2チームとのアウェー戦を含む残りは6試合。戦力は益々充実してきたので勝利あるのみ!それにしても7月終了時との違いが何と大きい事か!! 

ラグビーのW杯が始まり、日本は世界ランク3位で優勝候補の一角である南アフリカに34対32で歴史的な勝利を挙げた。次回(2019年の自国開催)に向けても大きな前進だ。これで油断せず、是非初めての決勝トーナメント進出を果たして欲しい。


読了:
「昭和陸軍全史」(1~3)(川田稔)

  • 満州事変の始まりから第二次大戦の敗戦までの期間、日本陸軍の方向性を実質的に決定してきた4人、永田鉄山、石原莞爾、武藤章、田中新一がどのような世界観・戦争観を持ち、どう実行してきたのかを通し、敗戦までの陸軍史を描いている。本書を通して読むと、改めて、当時の日本には国家としての大戦略(Grand Strategy)がなかったこと、そのため「現場」が暴走し、中央はコントロールできなかったということが明らかだと感じた。4人それぞれは戦略を描いていたが、それが昇華されて国家戦略まで高まることはなかった。対米戦争についても、こうした戦略の欠落のため、開戦を避けられる可能性が消滅していったことも再確認した。残念ながらこうした大戦略の欠如は今も全く変わっていない・・・読み応えのある3冊だった。(評価A+)

「その場しのぎの会社が、なぜ変わったのか」(内山力)

  • 日立の復活とソニーの凋落、アサヒとキリンのNo.1を巡る戦い、みずほのシステムトラブルなどの事例に加え著者が直接関わっている企業のストーリーを通じ、著者のいうところの「マネジメント3.0」(変革・イノベーション)とはどのようなものか説かれている。本書を読むと、改めて、万能な戦略など存在せず、自社の置かれた環境下で、自社の企業理念を貫くために何が必要かを考え抜いた経営者が結局勝ち抜いているという事がわかるのではないか。「まさか」と「なるほど」を再確認した。(評価A)

2015年9月13日日曜日

連勝ストップ

F.マリノスの5連勝はならなかった。アルビレックスとのアウェー戦、前半は若干マリノスのペースと思ったが、決定機はアルビレックスの方が多く、アディショナルタイムにFKから先制を許してしまう。後半一人退場となったアルビレックスを押し込む展開になり、アデミウソンの見事なミドルシュートが決まって同点になる。その後も俊輔の惜しいFKがバーを叩いたりしたが、最終的にレオ・シルバまで退場となった相手に追加点を奪えず1対1のまま試合終了。8年ぶりアウェーの勝利とはならなかった。これで2ndステージは7位に一歩後退。勝ちきれなかった事、なぜ俊輔?という交代の不可解さでスッキリしない結果だが、仲川のリーグ戦デビューは好材料。後半へばった相手に仲川のスピードが脅威になることが証明されたのではないか。次節はホームでFC東京戦。連勝街道再スタートの1戦にして欲しい。

話は前後するが、天皇杯2回戦(MIOびわこ滋賀戦)は豪雨で試合中断。10月11日に1対1の後半28分過ぎから再開が決まった。選手は一緒でも豪雨まで再現されないだろうし、中2日でトリニータとの3回戦を迎えられるよう、延長まで戦うことなく後半残り時間の中でしっかり勝ちきって欲しい。

読了:
「黙示」(真山仁)
  • 農薬・遺伝子組み替え・食糧危機・・・小説ではあるが、日本の農業を巡る現実が見えてくる。また、著者の他の作品同様、政界・官界、マスコミへの強い問題意識が見られ、更に本書ではマスコミ等に操られる「無知」で正義感の強い市民に対しても批判的な目が向けられている。近々「ハゲタカ」新シリーズの連載が始まるというので楽しみだ。(評価A)

「企業価値4倍のマネジメント」(火浦俊彦+べイン・アンド・カンパニー)
  • コア事業でいかに勝つか、M&A成功のカギは何か、オペレーティング・モデルで勝つにはどうするか、ネット・プロモーター・システムと顧客ロイヤルティ。べイン・アンド・カンパニーのコンサルタントが様々な角度からマネジメントに対するヒントを与えている。「企業価値」をいかに増すか、というタイトルが最近の日本企業を取り巻く環境変化を言い表している。(評価A)

「ALLIANCE」(リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ)
  • リンクトイン創業者による人材マネジメント論。キャリア進展の段階に応じてローテーション型、変革型、基盤型という3つのコミットメント期間を設定し人材を育てる。社外のネットワークを業務上の課題解決に積極的に活用させる。更に、他社に異動した後も卒業生ネットワークを通じ関係を継続する。こうした雇用関係がアメリカ、特にシリコンバレーの活力になっていることを認識する。日本企業では到底考えられない世界だろう。(評価A)

「市場は物理法則で動く」(マーク・ブキャナン)
  • 経済学の理論が市場をどのように捉えているか、それが「科学の常識」からすると問題だらけであることを、リーマンショックおよびその後のフラッシュ・クラッシュがどのようなものだったかを通じて解説している。単に批判するだけでなく、物理学の理論を取り入れた研究が進んでいることも紹介されている。(評価A)

購入:
「[新版]ブルー・オーシャン戦略」(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ)、「グレートカンパニー」(リッチ・カールガード)、「飛躍する方法」(サリム・イスマイル、マイケル・マローン、ユーリ・ファン・ギースト)

2015年9月5日土曜日

勝ったものの・・・W杯予選カンボジア戦

木曜日のカンボジア戦。34本のシュートを放った日本が3対0で勝利したが、拙攻の連続で全く面白くなかった。前回のシンガポール戦もそうだったが、FWが中央に絞り込むのでスペースがなくなり、余裕のないカタチでシュートする→枠に飛ばない、相手にブロックもしくはセーブされるというシーンが続いた。そのシュートだが、どうしてインステップできちんと蹴れないのだろう?唯一インステップで蹴った「強い」シュートだったのが本田の先制点というのはあまりにお粗末。CKも香川が蹴るようではNo chanceだし、岡崎がトップの前線に精度の低いクロスを上げ続けるというのは戦術と選手選考がチグハグという事以外ないだろう。それでいて自虐コメントを連発するハリルホジッチはもっとおかしい。アフガニスタン戦の結果如何では更迭もやむを得ない。

リーグ戦4連勝中のF.マリノスは日曜日に天皇杯初戦を戦う。去年はディフェンディング・チャンピオンとして臨んだにも関わらず早々に敗退。リーグ戦上位進出がまだまだ厳しい状況の中なので、今年は2年ぶりの優勝を狙ってほしい。

読了:
「新・100年予測」(ジョージ・フリードマン)
  • 「予測」というタイトルとは異なり、ヨーロッパ各地・主要国の歴史、特に1914年から1945年(第一次大戦勃発から第二次大戦終結)まで31年に何が変わったのかが丁寧に記述されている。主要国以外の国々が地政学的にどんな意味を持っているかをしっかり捉えることが、現在のギリシャ危機であったり、近未来のヨーロッパを考え・予測するのに有効だということが納得できる。(評価A)

「大東亜戦争 敗北の本質」(杉之尾宜生)
  • 「失敗の本質」の執筆者の一人で元陸上自衛隊員という著者が、情報と兵站という2つの点から日本軍敗戦に至る過程での問題点を説いている。本書を読むと、陸軍ばかりでなく海軍も情報と兵站では同様の問題点を持っていたことが分かる。また、東日本大震災の対応や最近のオリンピック組織委員会を見ていると、失敗の原因を追求し、責任を明確にするという姿勢が不足しているのは、残念ながら日本組織の未だ直らない欠点であることが分かる。(評価A+)



2015年8月30日日曜日

俊輔完全復活!レッズに快勝!!

久々に良いものを見せてもらいました。2ndステージ9節ホームのレッズ戦はF.マリノスが4対0で勝利、4連勝となった。思い起こすとレッズ戦を見るのは確か2000年以来。その時は敗戦だったので、個人的には15年ぶりのリベンジ達成というところだ。

試合は序盤からF.マリノスが優勢。CKからファビオが放ったヘディングシュートは枠を捉えたが、さすが西川というセーブに防がれた。しかし28分に俊輔が自ら得たFKはどんなGKでもセーブは無理という完璧なコースに飛んで通算19点目のゴール!5分後には齋藤が追加点を挙げて2対0で折り返した。前半全く良いところのなかったレッズも、後半立ち上がりは攻勢に転じたが、ゴールを脅かすようなシュートはズラタンの1本だけ。前掛かりになったところでカウンターを仕掛けやすくなったマリノスが齋藤の2点目とファビオのヘッド(俊輔のCKから2戦連続ゴール!)を追加し快勝した。俊輔が1G1Aという結果を残し、ほかにも惜しいセットプレーがあったり、守備面でも頑張りを見せたり、完全復活を印象付けたのが何より嬉しかったし、今後の事を考えると、今節の勝利は大きな意味を持ってくると思う。喜田が途中出場(イエローをもらった俊輔と交代)し、戻ってきたので、これでラフィーニャと兵藤が戻れば、更なる上位進出も見えてくる。次は天皇杯を挟んでアウェーのアルビレックス戦。今季最長を更新し5連勝といきましょう!

(おまけ)レッズ戦を観戦したハリルホジッチ氏が、「彼がもっと若ければ」と俊輔のプレーを評したそうだ。前号のサッカーダイジェストでもファンタジスタの後継が育っていないことを指摘していたが、「俊輔の後に俊輔なし。」そんな簡単に後継者など出るはずがないと改めて感じた。

読了:
「ザ・セカンド・マシン・エイジ」(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー)

  • 「機械との競争」でテクノロジーがもたらす雇用への影響について著した2人が、テクノロジー発展の歴史から始まり、人工知能がもたらす影響(格差拡大など)、さらにそうした状況を踏まえた個人・社会としての対応について説いている。楽観論でもなく、かといって悲観論とも一線を画している視点からの解説なので、「負の所得税」の必要性といった政策提言にも説得力がある。(評価A+)

「WORK RULES!」(ラズロ・ボック)

  • グーグルの人事(ピープル・オペレーションズ)トップである著者が、同社を「世界最高の職場」たらしめている施策について採用・育成・評価・福利厚生全て明らかにしている。雇用環境の異なる日本企業では到底まねできない内容だろうが、ポイントは各施策の背景にある、「人を大切にする」、「オープンな」企業文化の構築だろう。グーグルがGEなどのような人材輩出企業になっているのも肯ける。(評価A)
購入:
「ALLIANCE」(リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ)、「市場は物理法則で動く」(マーク・ブキャナン)、「昭和陸軍全史1~3」(川田稔)、「その場しのぎの会社が、なぜ変わったのか」(内山仁)、「黙示」(真山仁)、「解」(堂場瞬一)

2015年8月23日日曜日

3連勝!勢いに乗ってレッズ戦へ!

16日(日)のヴァンフォーレ戦。豪雨の中、三門とラフィーニャのゴールで快勝。2ndステージ2勝目を挙げた。アデミウソンとラフィーニャ2人でディフェンダーをかわすなど、コンビネーションが整ってきたし、齋藤の切れは変わらず良い。2点差になってヴァンフォーレが前掛かりになったところで、途中交代の俊輔からピンポイントのロングパスが入ってカウンターを展開したあたり、狙い通りの試合になったのではないか。この調子で22日(土)のサガン戦と思ったところに喜田とラフィーニャの欠場という痛いニュース。これを撥ね退けて3連勝を飾れるだろうか?

ダイジェストで見た試合は、前半早い時間帯に谷口に決められ3試合ぶりに失点。その後俊輔のヘディングシュートなど惜しい場面もあったが得点できず後半に。後半は伊藤の見事なミドル同点弾のあと、俊輔のCKからファビオが決めて逆転、ロスタイムの猛攻をしのいで勝利。何とか3連勝を飾った。これで2ndステージは9位、通算順位も7位に再浮上してきた。次週は同じ3連勝中のレッズとホーム戦。各上との対戦を制し、連勝を伸ばして欲しい。久々(生観戦では4月のベルマーレ戦以来)に目の前で勝利を見せてくれ!

読了:
「最高知『古典』に学ぶ、成功の戦略」(江上剛)
  • 「論語」や「孫子」は勿論、その他の中国古典から成功のための教訓を集めて解説した一冊。交渉術、リーダーシップ、社内処世術などヒントは古典に沢山存在していることを改めて確認できる。銀行員当時の著者の経験を交えている点はユニークだが、多くのこの種「解説本」との差別化が図れたかは疑問。(評価A-)
「権力の終焉」(モイセス・ナイム)
  • 「マーク・ザッカ―バーグ主宰のブッククラブ第一回選出」という帯の文面に興味をそそられて購入。政治・戦争・企業・・・あちこちの世界で権力の交代が起きている。筆者は、それは単にパワー・シフトを意味するのではなく、権力がかつてのように強大なものではなくなっている事(=権力の劣化)を意味しているのだ、という。TPP交渉におけるニュージーランドの動きなどを見ると、政治・外交の世界では確かに権力の劣化が起こっていると考えるべきなのかもしれない。(評価A)
「出現する未来から導く」(C・オットー・シャーマー、カトリン・カウファー)
  • 「U理論」の著者の新作。自然・労働・資本・技術・リーダーシップ・消費・調整・所有という各要素がどのように進化し、次にどこに向かうのかを考える必要があること。そのためには出現する未来を捉える必要がある、と著者は説く。ここで描かれている未来像は社会民主主義的、下手するとユートピア的に思われ、個人的にはしっくりこなかった。著者によると、過去に囚われているから、という事になるのだろうが・・・(評価B+)

2015年8月15日土曜日

危機感だけが収穫?東アジアカップ。10試合ぶり勝利のF.マリノス、だが、俊輔システムの終焉か?

東アジアカップの最終戦、アウェーの中国戦でなでしこは勝利を収めたが、男子は1対1のドロー。初めての最下位という屈辱的な結果に終わった。新戦力発掘が目的だった女子もそうだが、中途半端なゴール設定で何も成し遂げられなかった男子こそ、選手・スタッフ全てが本当に危機感を持たなければ明るい未来図は到底描けない。その意味で残念だったのは、帰国後ミッドウィークのリーグ戦に先発した代表選手が少なかったことだ。危機意識を本当に持っているのであれば、悔しい結果に終わったからこそ、リーグ戦にしっかり出て暴れて欲しかったというのが正直な思いだ。その中で、代表戦3試合フル出場の森重、槙野、遠藤航が先発し、いずれのチームも勝利したということは評価したい。

そのリーグ戦。F.マリノスは3対0でアウェーのグランパス戦に勝利した。リーグ戦では5月23日の松本山雅戦以来10試合ぶりだ。齋藤が1ゴール1アシストと活躍、アデミウソン、伊藤にもゴールが生まれた。特に齋藤が輝きを見せたことは今後に繋がるだろ。また、グランパスの攻撃、特に後半永井・川又出場後の攻勢を凌ぎ、クリーンシートに終わったことも評価したい。しかし、一方でこのカタチで勝ったことで、俊輔の出番が今後益々限定されることが予想される。俊輔にはまたピンチだが、是非これまでのように努力を重ね、復権して欲しい。

そのF.マリノスだが、日本クラブユース選手権(U-15)で優勝した。先日はU-18でも優勝しているので、ユースの充実度が窺われる。ここから将来を背負って立つ選手が多く出てきてほしい。

読了:
「原発所長」(上)(下)(黒木亮)
  • 福島第一原発の故吉田元所長がモデルの小説。主人公の歩みを日本の原発政策の歴史と重ね合わせるのは著者一流の手法。ここでもヒントから「あの政治家か」と分かる登場人物が暗躍し、安全神話が形作られていった過程など原発事業・電力事業の「ウラの世界」が改めて描かれている。クライマックスの3.11後の状況は再現ドラマのようで、時の政府・東電首脳の無能ぶりが改めて明らかにされている。主人公の死の場面では涙が出そうになった。本書はフィクションではあるが、「死の淵を見た男」同様のドキュメンタリーとしても評価したい。吉田調書の誤報で問題となった朝日新聞社グループの本というのが皮肉だ。(評価A+)
「『歴史認識』とは何か」(大沼保昭 聞き手 江川紹子)
  • 東京裁判、戦後の賠償問題、従軍慰安婦問題などいわゆる「歴史認識」に関わるテーマについて、帯にあるように正に「自虐でも、独善でもなく」冷静に説明されている。事実(不戦条約への違反、平和条約や韓国・中国との国交正常化において何が決まったのか、韓国以外の慰安婦問題)に基づき議論する必要性、相手の立場を理解する重要性など、本書からは問題解決のヒントが得られるのではないか。余談だが、大学3年の時、国際法を担当していた助教授になりたての著者の講義を受け、カール・シュミットの「大地のノモス」という難解なテキストで苦労したのを思い出した。(評価A+)
購入:
「企業価値4倍のマネジメント」(火浦俊彦、べイン・アンド・カンパニー)、「新100年予測 ヨーロッパ炎上」(ジョージ・フリードマン)、「Work Rules!」(ラズロ・ポック)、「大東亜戦争 敗北の本質」(杉之尾宜生)

2015年8月8日土曜日

収穫乏しい東アジアカップ

東アジアカップは男女とも中国との最終戦を残し優勝の可能性が消滅した。

なでしこは2連敗で、今回のメンバーが海外組はじめW杯カナダ大会レギュラークラスとの差が全く詰まっていない=世代交代が進められない状況を改めて露呈した形だ。アンダー世代の世界大会で結果を残しているのに、その後の成長がストップしているのは残念だ。リオ五輪予選突破まで危機とは思わないが、それ以降のフル代表をどう強化するのか、大きな課題が再確認された。

男子は北朝鮮に逆転負けの後、韓国戦何とか引き分けた。リオ世代の遠藤がどうやらフル代表でもポジションを作れそうなのと、山口蛍の「復活」は好材料。しかし、直前までリーグ戦を戦って現地入り後もほとんど練習なしで臨むこの大会について日本協会はどんな位置づけをし、どんな目標を立てたのだろう?今更ながら大きな「?」だ。前回優勝できたから、今回も行けるだろうといった程度の認識ではなかったのでは?と感じざるを得ない。ハリルホジッチの泣き言は見苦しいが、彼の言う事が実は正論なのではないだろうか?

いずれにしても、男女とも完全アウェーの中国戦で勝利するぐらいの気持ちを見せて欲しい。

読了:
「〈未来〉のつくり方」(池田純一)

  • なぜシリコンバレーから画期的なイノベーションが出てくるのか。著者は、(シリコン)バレーの歴史、そこで育った起業家たちがどのような役割を果たしているか、更にはバレーにそうした環境を作るに至ったアメリカ社会論まで展開している。改めて日本ではこのような環境を作り出すことがほぼ不可能だということを確認するにつけ、バレーに渡った日本人から破壊的なイノベーションが生まれることを期待したい。(評価A)
「宇宙を創るダークマター」(キャサリン・フリース)
  • 宇宙の26%を構成するダークマターとは何か?ダークマター研究の第一人者による宇宙論。筆者が物理学者になるきっかけが日本での入院生活にあった話をはじめ、研究者仲間のエピソードもちりばめられているのがユニーク。ダークマターに関するMachoとWimpの争いなど最新研究を読むにつけ、20世紀以降この分野の研究が加速度的に進化しているという事実に驚かされる。人類が宇宙の全てを理解する日も近いかもしれない。(評価A)
「人工知能」(ジェイムズ・バラット)
  • 副題の「人類最悪にして最後の発明」が示すように、筆者はASI(人工超知能)がもたらすのは、シンギュラリティーで有名なカーツワイルが描くようなバラ色の未来ではなく、スティーブン・ホーキングやビル・ゲイツ、イーロン・マスクなどが警鐘を鳴らすように「ターミネーター」の世界であり、人類破滅だという。AIの進化を止めるのが難しいのであれば、どうすれば良いのか?本書を読み進むと、既に後戻りできないところまで来てしまっているのではないか、とやや絶望的になる。果たして2045年(30年後)何が起こるのだろう?(評価A+)

2015年8月2日日曜日

リーグ戦中断期間で立て直せるのか???

ミッドウィークのリーグ戦、F.マリノスはエスパルスに1対2で逆転負け。これで9戦勝利がなく、2ndステージは17位。年間総合順位でも9位に後退した。この試合、俊輔がトップ下に戻ったが、途中交代。兵藤・藤本も交代して後半35分以降はパスの出し手もセットプレーのキッカーも不在となってしまった。ここのところのモンバエルツのマネジメントには「?」を付けざるを得ない。降格圏の年間総合順位16位と勝ち点7まで差が縮まった状況を踏まえ、この中断期間には、残り試合で何をすべきなのか、どうしたら打開できるのか、危機感持って取り組んで欲しい。

土曜日から東アジアカップが開幕した。ディフェンディング・チャンピオンの男子について、前回(2013年)は柿谷、大迫、青山、森重といったメンバーがその後のA代表常連にステップアップするきっかけとなった。今回ハリルホジッチの眼に止まるのは誰だろう?なでしこに関しても、カナダW杯の主力(海外組など)を今後押しのけてリオ五輪メンバー入りする選手が一人でも多く出てきてほしい。

読了:
「マスタリー」(ロバート・グリーン)

  • 世の中の達人は凡人とどこが違うのか?本書ではダーウィン・アインシュタインといった「偉人」から、ボクシングの名トレーナー、ロボット工学の研究者(日本人女性)など現代の「マスター」に共通するのは、人生でやるべきことを見つけ、修業を積み、メンターを超え、あるがままに人を見(社会的知性)、創造的活動期を経てマスタリーへと到達するというステップを踏んでいる事と説く。So what?と片づけるのではなく、今更ながらかもしれないが、少しでも意識して生きよう。(評価A)
「リーン・スタートアップを駆使する企業」(トレヴァー・オーエンス、オービー・フェルナンデス)
  • エリック・リースが著した「リーン・スタートアップ」手法は既存の大企業でも役に立つのか?少なくとも本書が取り上げたGE、グーグル、クアルコムなどの有名企業では、イノベーション推進の手法として活用されている。ただ、スタートアップを立ち上げようとする人材を社内に留めるためのしくみづくり、企業文化として定着させるには大胆な戦略転換が必要となるケースが多いだろう。日本企業が採用するにはアメリカ企業以上に高いハードルがいくつも待ち受けている。(評価A)
「選択と捨象」(冨山和彦)
  • 産業再生機構のCOOとして、また、それ以降もJALのタスクフォースメンバーとして企業再生に取り組んできた著者が、カネボウ・ダイエー・鬼怒川温泉・JALなどの再生物語の内幕を初めて明かした点で、本書は読みごたえのある1冊となった。大切なのは企業ではなく、事業だという著者のメッセ―ジは、実は著者が否定するMBA的発想に他ならないと思うが、そのことを差し引いたとしても、日本の企業ムラでは重く受け止められるべきだ。余談だが、本書を読んで、私自身がかつての職場で本書で取り上げられたいくつかの企業と関わった記憶も甦った。(評価A+)
「『昭和天皇実録』の謎を解く」(半藤一利、保坂正康、御厨貴、磯田道史)
  • 今年3月に最初の2巻が発行された「昭和天皇実録」の全61冊を検証した結果見えてくる昭和天皇の姿は、いくつかの点でこれまで考えられてきたものと異なっていた。また「実録」を読み解くことで、天皇が太平洋戦争の開戦をいつ決意したのか、敗戦・終戦をどの時点から考えていたのかといった点も検証されている。間もなく70年目の終戦の日を迎えるタイミングで改めて昭和史を考えた。(評価A+)
購入:
「最高知『古典』に学ぶ、成功の戦略」(江上剛)、「出現する未来から導く」(C・オットー・シャーマー、カトリン・カウファー)



2015年7月26日日曜日

マリノス浮上せず・・・

F.マリノスはアウェーのサンフレッチェ戦0対2で敗戦、これで8試合勝ちなしとなった。前半はどちらも攻め手を欠き、このまま終了と思われたところでPKを与え失点。後半にも追加点を与えて敗戦。後半ラフィーニャが入って若干の可能性が出たが、結局無得点に終わった。これで2ndステージ16位は変わらず、年間通算順位は8位に後退した。せっかく前節ロスタイムの俊輔のゴールで流れが変わることを期待したのだが、何だかドンドン泥沼に嵌っていく嫌な予感がする・・・次節エスパルス戦もこの分だと厳しそうだ・・・

読了:
「日経スペシャル ガイアの夜明け 挑む100人」(テレビ東京報道局 編)

  • ユニクロ(柳井氏)、トヨタ自動車(豊田氏)、日産自動車(C.ゴーン氏)など著名な企業・経営者から、世間には知られていない地域密着企業やNPOまで、従来の常識への挑戦、危機からの回復などに「挑む」100社・100人のストーリーがコンパクトに纏められている。いずれもかつて番組で取り上げられているので、見た記憶がある人もあり、改めてその発言を読むと、「やるべきことを見極め、愚直に取り組む」という共通項(極めて当たり前だろうが)が見えるし、それが経営の王道なのだろうと再認識する。(評価A)

「プロフェッショナルマネジャー・ノート2」(プレジデント書籍編集部 編)

  • 「プロフェッショナルマネジャー」を読んだのはもう10年以上前。かつて学んだビジネススクールの講堂が「ジェニーン」という名前だったのは、この名経営者にちなんだものだった。今回改めてローソン玉塚氏の解説が加わった「ノート」を読むと、「目標から逆算して考える」、「リーダーシップは歩みながら学ぶ」といった「ジェニーン氏の経営論がいかに実戦的か再確認できる。(評価A)

「こうして、世界は終わる」(ナオミ・オレスケス、エリック・M・コンウェイ)

  • 「24世紀の歴史研究者の視点で西洋文明がどうして2093年に滅んだか分析する。」本書の設定はとてもユニークだ。筆者はこうした設定を使って、地球温暖化への歯止めが一刻も早く実行されなければ、文字通り地球規模の危機は免れない、と警告する。市場に任せる事の危険性について、2093年の危機を乗り越えられたのが中国だった、というアメリカ人にとっては受け入れがたいだろう仮説を置くことで指摘している事は重く受け止められるべきだろう。(評価A+)
購入:
「『歴史認識』とは何か」(大沼保昭)、「ザ・原発所長」(上)(下)(黒木亮)、「権力の終焉」(モイセス・ナイム)、「人工知能」(ジェイムズ・バラット)

2015年7月19日日曜日

厳しい2ndステージ序盤戦。俊輔の初ゴールで上昇気流に乗れ!

F.マリノスのミッドウィーク対レイソル戦は0対1で敗戦。早くも2ndステージ優勝の「ノルマ」が赤信号となった。ハイライトで見る限り試合はモンテディオ戦同様マリノスペース。しかし課題のセットプレーから失点すると、そのまま追いつけずに終了となった。ホームの連戦で勝ち点1、俊輔のプレー時間が長かったことがプラス材料というのは情けない。次節はガンバとのアウェー。予想では俊輔はファビオと組んでボランチとされているが、トップ下に起用してアデミウソンとの距離を近くするのが得点力アップの鍵のように思われる・・・

という中でのガンバ戦。2点ビハインドから後半35分過ぎにアデミウソンのゴールで追い上げ、アディショナル・タイムに俊輔が直接FKから劇的なゴールを決めて追いついた。連敗は免れたが、2ndステージ3試合未勝利は3チームのみということで、厳しい状況は変わらない。次節はレッズの無敗記録を止めたサンフレッチェ戦。昨年までは相性の良かった相手なので、アウェーではあるが一泡吹かせてもらいたい。俊輔の得点がきっかけにあると信じよう!

読了:
「佐治敬三と開高健 最強の二人」(北康利)

  • ドラマ「マッサン」でスポットライトがあたったウィスキー業界の王者サントリー。その2代目社長である佐治敬三氏と「スーパー平社員」開高健氏。二人のある意味肉親以上の関係が、サントリーの社史と共に描かれている。読んでいるうちに「やってみなはれ」、「断絶の決定の鎖」というサントリーの企業文化を語る言葉の意味について理解できる。やや鳥居信治郎の話が長いが、なぜ佐治家の養子となったのかを探る上ではやむを得ない所もある。(評価A)

「量子コンピューターが本当にすごい」(竹内薫 丸山篤史)

  • 量子力学の原理を用いたコンピューターとはどのようなものか。本書は一方でコンピューターの歴史を繙き、他方で量子力学の進化を説明することで、その特徴を明らかにしている。チューリング、フォン・ノイマン、アインシュタイン、シュレディンガーなど多くの「天才」たちの研究成果が基になってついに実用化された量子コンピューターは、我々にどのようなメリットをもたらすのだろうか、と考えずにはいられなかった。(評価A)

「政治の眼力」(御厨貴)

  • 第二次安倍政権の内外で存在感を示す政治家および引退した後もその言動が注目される「元」政治家まで、合計25人について、筆者ならではの切り口で評価している。ポスト安倍を狙うであろう自民党の面々だけでなく、連立パートの公明党や民主党などからも選ばれているのが面白い。小泉内閣以降の自民党首相は全員登場するのに、民主党の首相経験者3人が漏れている事自体も筆者の評価なのだろうか。(評価A)

「反資本主義の亡霊」(原田泰)

  • 「資本主義は格差・貧困・戦争をもたらす」という反資本主義論の誤りを、歴史・統計などから丁寧に説いている。また、この流れでトマ・ピケティ「21世紀の資本」についても、資産格差にのみ着目している点で狭すぎる議論と反論を加えている。いわゆる「リフレ派」の立場での議論なので、反論もあるだろうが、アベノミクス以前と以降では間違いなく景気のトレンドが変わってきていることだけでも、筆者の立場は支持できる。(評価A)
購入:
「リーン・スタートアップを駆使する企業」(トレヴァー・オーエンス、オービー・フェルナンデス)、「選択と捨象」(冨山和彦)、「宇宙を創るダークマター」(キャサリン・フリース)、「『昭和天皇実録』の謎を解く」(半藤一利、保坂正康、御厨貴、磯田道史)

2015年7月12日日曜日

2ndステージ開幕。勝ち点2を失った再スタート

F.マリノスの2ndステージ初戦はモンテディオ相手のホームゲーム。ゲーム前にはジェフへの移籍が決まった冨澤を送り出すセレモニーがあり、ちょっとウェットな気分に・・・前半齋藤の得点が入ったあたりでは、楽勝ムードだったのだが、前半終了間際に失点し、結果は1対1のドロー。ステージ優勝を狙うために落としてはならない初戦を落としてしまった。今季初先発の俊輔が入った3列目と前との距離が遠く、次第に効果的なパスが供給されなくなった印象がある。後半はシュートミス(あえて厳しい表現を使う)連発で勝ち越し点を奪えなかった。これで5戦勝利なし。個人的には昨日のような戦い方をするくらいなら、俊輔トップ下、三門と喜田のボランチの方がベターだと思う。次戦レイソル戦ではどんな戦い方になるのだろう。前回書いたノルマ達成には負けられない。。。

読了:
「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦)

  • 少し前まで、宇宙の始まりはビッグ・バンだと思っていた。だがビッグ・バンをもたらしたものがあるのであれば、それ以前があったはずだ・・・本書は宇宙論の変遷を示すことで、宇宙創成論の変遷について説いている。参加型宇宙とかトップダウン型宇宙(ホーキング)などに加え人間原理のような一見「?」といった宇宙論が紹介されているが、本書のタイトルの疑問は、極めて哲学的でもあるということを再認識できる。(評価A)

「技術大国幻想の終わり」(畑村洋太郎)

  • 戦後の「奇跡の50年」を経て、自ら目標を定めなくてはならなくなって20年。本書では、サムソンやアップルとの比較などの事例を踏まえ、日本企業の技術力過信が現在の低迷の一要因であることを指摘している。また、「価値」の追求にスタンスを変えるべきという第3部の内容は今後の進むべき途を正しく示している。「失敗学」で著名な工学者である著者による「『技術では負けていない!』という思い込みを捨てるべき」という警鐘は重い。(評価A+)

「シフト&ショック」(マーティン・ウルフ)

  • ファイナンシャル・タイムズ(FT)の論説主幹である筆者が、リーマンショックとそれに続く欧州金融危機の根本原因を解説、今後に備えるために何が必要かを説いた一冊。グローバルエコノミーにおける「世界的な過剰貯蓄」、「グローバル・インバランスの拡大」とそれを促した自由化・テクノロジー・高齢化といったトレンドまで捉えることが重要だということが理解できる。今まさに進行中のGrexit(ギリシャのEuro圏離脱)を考える上でも、本書のEuro危機分析は極めて有効だ。(評価A+)
購入:
「マスタリー」(ロバート・グリーン)、「プロフェッショナルマネジャー・ノート2」(プレジデント書籍編集部 編)、「こうして、世界は終わる」(ナオミ・オレスケス、エリック・M・コンウェイ)、「量子コンピューターが本当にすごい」(竹内薫)、「反資本主義の亡霊」(原田泰)、「政治の眼力」(御厨貴)、「ガイアの夜明け 挑む100人」(テレビ東京報道局 編)

2015年7月5日日曜日

なでしこ決勝へ。2ndステージに向けて。Gotham(ゴッサム)

なでしこジャパンはW杯カナダ大会準決勝イングランド戦をあまりに劇的なオウンゴールで勝利、2大会連続の決勝進出を決めた。日本時間月曜朝の決勝戦は前回同様アメリカ戦。ここまで唯一全勝で勝ち進んだ日本だが、アメリカとの実力差はかなりあると言わざるを得ない。更に日程的にも中3日の日本は不利だ。そのあたりを承知してか、佐々木監督のコメントもこれまでよりややソフトになっている。正直今大会は組み合わせに恵まれていたが、それでも決勝まで進んできた事は評価できる。なでしこにはいのない戦いをやって欲しいし、誰より澤には是非ピッチで試合終了のホイッスルを聞いてほしい。

来週土曜日から2ndステージが始まる。1stステージは一度も上位を窺うことなく、最終的にレッズと勝ち点15という大差をつけられて6位で終了した。アデミウソンという武器を得たこと、三門・喜田の台頭でケガ人だらけの状態を何とかしのいだ、というのはポジティブに捉えたいところではある。しかし、1stステージ1位~5位のレッズ、サンフレッチェ、FC東京、ガンバ、フロンターレに3敗2分、しかもホームで2敗2分という状況が示すように、上位との差は大きかったと言わざるを得ない。
 
2ndステージに向けては、攻撃陣は言うまでもなく、守備でも解決すべき課題が多い。まず、戻ってくる俊輔をどう使うのか。速攻重視の戦法ではトップ下で起用することは可能だろうか?守備力にある程度目を瞑って一列下げて使うのか?1stステージではアデミウソンと俊輔がピッチで共演した時間はほとんどなかったが、ここが機能すれば得点力が大きく増す。 
 一方守備では何と言ってもセットプレーの失点をいかに減らすかだ。単にポジショニングをどうするかではなく、ガンバ戦のように、与えてはいけないエリアでFKを与えないためにどうするか、までしっかり考えて欲しい。栗原が戻るので、アンカーにファビオか冨澤を置いて、4-1-4-1という形で俊輔を活かすというのはどうだろう?
 上位との勝ち点差を考えると、通算の勝ち点1位はすでにほぼ不可能だろう。2ndステージ優勝というのが目指すべき目標となる。そのためには7月の5試合で3勝2分がノルマだ。ガンバとサンフレッチェとのアウェー戦は厳しいが、敗戦は許されないという位の意気込みで戦ってもらいたい。まずはモンテディオ戦で圧勝するところを見たい!

このところAXNで放映中の「ゴッサム(Gotham)」にはまっている。バットマン誕生のはるか前のゴッサムシティが舞台で、若き日のゴードン署長が主人公という設定に、ダークナイトシリーズ大好きの身としては見ないわけにはいかなかった。実際に見はじめると、ゴードンとブルース・ウェインだけでなく、ペンギン、キャット・ウーマン、エニグマ、さらにはハービー・デントといった「悪役」たちも結構意外な姿で登場する。ブルースの両親は何故殺されたのか?果たして真相は明らかになるのだろうか?毎週楽しみだ!

読了:
「ハーバード流最後までブレない交渉術」(ウィリアム・ユーリー)

  • 交渉術の古典"Getting to Yes"の共著者であるユーリー氏が、これまで欠けていたピースとして、「自分との交渉」=ぶれない自分でいるという事の重要性について説いている。自分の奥底にある願望を知り、インナー・バトナを養う。人生に対するイメージをリフレーミングし、ゾーンにとどまる。相手を尊重し、与え合う。自分にYesというための6つのステップが経営・政治などの局面でどう活かされるか実例も多く、参考となる。(評価A)

「新1分間マネジャー」(ケン・ブランチャード、スペンサー・ジョンソン)

  • 社会人になって間もないころ読んだ「1分間マネジャー」が34年ぶりに改訂された。1分間目標設定、1分間称賛はオリジナル通りだが、これまで1分間叱責としていたところが、1分間修正に変わったという。80年代と現在とではマネジャーと部下の関係が変化してきたことを反映している。ただ、本書を読むと、マネジメントの基本的な原理はその当時も今も変わっていないということに改めて気づかされる。(評価A)

「1分間意思決定」(スペンサー・ジョンソン)

  • やるか、やらないかの2つに選択肢を絞り込むことで、決断しやすくなる。「チーズはどこへ消えた」の著者でもあるジョンソン氏は、ストーリーを通じて、自分なりの意思決定のマップ策定が重要であることを説く。本書で印象に残ったのは、自分に正直か、直観を信じているか、自分の価値を信じているか、という自分に対する3つのと問いかけだ。交渉術でもそうだったが、自分自身をしっかり持つことが如何に重要であるかの証拠だろう。(評価A)

「捏造の科学者」(毎日新聞科学環境部 須田桃子)

  • 昨年大きな騒動を巻き起こした「STAP細胞事件」について、当初の記者会見から11月までの経緯を取材メモから改めて整理している。須田氏と養老氏との対談(「文系の壁」)を読んで、やはり読もうと思い本書を購入した。本書を読むと、このような事件が起こる背景や、極めて日本的、それも「日本の官僚的」な組織の対応が問題の徒な長期化・複雑化をもたらした様子も理解できる。本書を読んで、結局STAP細胞はなかったのだということが納得できた。(評価A+)

2015年6月28日日曜日

1stステージは6位で終了。なでしこベスト4!

J1ファーストステージ。F.マリノスの最終戦はアウェーでヴィッセルと対戦し、1対1で引き分け、6位で前半戦終了となった。ハイライトだけでしか見ていないが、相変わらず効果的な攻撃はできていないように思われた。後半33分から俊輔が登場し、アディショナル・タイムにFKの見せ場を作ったのはセカンドステージに向け明るい材料だ。11日のモンテディオ戦は今年4試合目の観戦。ファーストステージ開幕はフロンターレにボコボコにされたし、モンテディオにはアウェーで敗れている。是非今回は快勝して良いスタートを決めたい。

女子W杯カナダ大会。なでしこジャパンは岩淵の決勝点でオーストラリアに勝利、2大会連続のベスト4を決めた。オランダ戦もオーストラリア戦も1点差勝利だが、決勝トーナメントに入り、チームの連動性が高まってきているのが頼もしい。準決勝はイングランドが相手になる。前回予選リーグで負けた相手であり、勿論難敵だが、決勝進出・さらには連覇も十分期待できる。


読了:
「ラプラスの魔女」(東野圭吾)
  • 竜巻で母親を亡くした脳神経外科の娘と父親が手術を担当した無理心中の生き残りの青年。二人が持つ極めて特殊な能力が事件を起こし、解決してゆく。その中で、7年前の事件の真相が明らかになると・・・「そこまではありえないだろう!」と突っ込みを入れたくなるような前提の小説ではあるが、著者のデビュー30周年記念作品に相応しい読み応えのある作品になっている。(評価A)
「21世紀の日本最強論」(文芸春秋編)
  • GDPに代わる指標でみると日本は世界有数の豊かな国であり、近年のノーベル賞受賞者数の増大や都市の安全などまだまだ捨てたものではない。「日本最強論」というタイトルではあるが、本書の肝は、未だに残る弱点(イノベーションを奨励する経営環境の脆弱さ、ブラック企業が発生する構造的な問題など)を意識し、克服すべきという第二章にある。いわゆる「第三の矢」が着目すべき政策課題だろう。(評価A)
「文系の壁」(養老孟司)
  • 「バカの壁」等の著者が、4人の理系出身者との対談を通じ、「理論と言葉」、「バーチャル・リアリティ」、「『唯脳論』と社会」、「STAP細胞『事件』とジャーナリズム」というテーマを論じる。文系の方がデジタルとか細胞が持つ記憶とか本書を読見進めるうちに様々な新鮮な知的刺激を受けることができた。「なめらかな社会とその敵」と「捏造の科学者」の2冊は是非購入しようと思った。(評価A)
「MBAビジネスデザイン」(早稲田大学ビジネススクール)
  • ビジネススクールの講義を基に、WBSの講師陣(McKinseyやBCGのAlumniを含む)が事例討議なども含めビジネスデザインについて解説。「俺の・・・」チェーンを事例としたビジネスモデル論、B-to-B組織営業のコンサルティング例からM&A、ゲマワット教授のCAGEやAAAといったフレームワークを含むグローバル戦略論まで解説が分かり易いのが特徴。日本のビジネススクールのクオリティを示すと言えるだろう。(評価A)
「世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠」(ジョセフ・E・スティグリッツ)
  • 所謂リーマン・ショックへの対応策はどこが問題なのか、ピケティの示したアメリカの資産格差拡大はどのような社会問題に影響しているか。著者は、「えせ資本主義」が今やアメリカを最早世界でも有数の不平等国としてしまっている、と指摘する。本書を通じ、経済問題は政治問題でもあるということを改めて確認できる。面白かったのは著者がスタート直後のアベノミクスを評価していること。現時点での評価を聞いてみたいと思った。(評価A+)
「禁断の魔術」(東野圭吾)
  • ガリレオシリーズ最新作。元々は作品集「禁断の魔術」収録の中編。文庫化に際し、事件の詳細な背景等が加えられて厚みが増している。湯川の高校の後輩が自らの周囲で起きた事件の復讐を計画し、湯川に指導を受けた技術を武器として利用しようとする。後輩を信じたい湯川がどのような行動をとるのか?「シリーズ最高のガリレオ」と著者が断言する苦悩に満ちた湯川が良い。(評価A+)

購入:
「捏造の科学者」(須田桃子)、「シフト&ショック」(マーティン・ウルフ)、「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦)、「技術大国幻想の終わり」(畑村洋太郎)、「ハーバード流最後までブレない交渉術」(ウィリアム・ユーリー)、「新1分間マネジャー」(ケン・ブランチャード、スペンサー・ジョンソン)、「1分間意思決定」(スペンサー・ジョンソン)、「佐治敬三と開高健 最強のふたり」(北康利)


2015年6月20日土曜日

W杯予選はいつもこんなもの!?アントラーズ戦

火曜日のW杯予選シンガポール戦はスコアレスドローに終わった。圧倒的に攻めていても点が取れずジリジリする。前回・前々回と全く同じ動きだったが、ただ一つ違ったのは、何が何でも勝つという執念の差だろうか・・・色々な人が指摘している事だが、サイドからの崩しの工夫がなく、本田と香川で中央突破ばかり狙ったこと、香川がディフェンスの間に入りギャップが作れていてもボランチ2人から縦に入らなかったこと、結局イラク戦と同じメンバーとなってやはり固定化されてしまったこと等々、結局ハリルホジッチになっても日本代表の悪癖は直っていなかったということだろう。今後の戦い方・選手起用を考え直す必要を迫られる結果となったのではないか。

F.マリノスは1stステージホーム最終戦のアントラーズ戦で2009年以来のホームでの勝利を狙ったが、0対3で完敗。6位に後退した。これで6試合負けなしもストップ。まだまだ課題が多いということを体感して最終節、更には2ndステージに向かってほしい。

読了:
「新しいグローバルビジネスの教科書」(山田英二)

  • グローバル化とは何かという解説から始まり、グローバルビジネスの変遷、更には今後日本企業が取るべき途は何かまで、まさに「教科書」と言える内容の1冊。「オープン化」、「モジュール化」が進む中で「閉じたクラスタ」で生きてきた日本企業が苦戦しているのはある意味必然でもある。GEのリバースエンジニアリングの取り組み、ヤクルトの「土着化」モデルなど学ぶべき先進事例から学ぶ企業が何社あるだろうか?(評価A)

「リーダーシップの名著を読む」(日本経済新聞社 編)

  • 取り上げられているのはコッタ―、D・カーネギー、S・コヴィーなどそうそうたるGuruによる名著11冊。10冊は読んでいたが、改めて識者の手による解説を読むとそれぞれのバリューを再認識する。逆にこれだけ様々な角度で議論できるほどリーダーシップをモノにするのが難しいという事だ。(評価A)

「新1分間リーダーシップ」(ケン・ブランチャード、パトリシア・ジガーミ、ドリア・ジガーミ)

  • 「1分間マネジャー」シリーズの最新刊。状況対応型リーダーシップⅡという理論の進化を踏まえ改訂されている。自分でも目標設定の際に言っているSMARTはかつてSpecific-Measurable-Attainable-Relevant-Time boundという5つだったが、MがMotivatingにTがTrackableに変わり、動機づけがより強調されているのが興味深かった。(評価A)

「リーダーシップの哲学」(一條和生)

  • 典型的な日本企業から外資系まで12名のリーダーへのインタビューで語られるそれぞれが歩んできたリーダーシップ・ジャーニー、それを踏まえて浮かび上がるのは、「あなたらしいリーダーシップ」を育まなければならないという一見当たり前な結論だ。しかし、12名のリーダーのストーリーを読むと、その意味が良く理解できる。知識創造論とリーダーシップ論を研究してきた著者ならではの「哲学書」だ。(評価A)
購入:
「21世紀の日本最強論」(文芸春秋編)、「世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠」(ジョセフ・E・スティグリッツ)、「MBAビジネスデザイン」(早稲田大学ビジネススクール)、「文系の罠」(養老孟司)

2015年6月13日土曜日

日本4対1でイラクに快勝・・・KAMAKURA

木曜日は久々のA代表戦。ロシアW杯第二次予選初戦を控えてのイラク戦は、前半10分までに獲得した2点で勝負あり。結局4対0で勝ったが、喜んでばかりはいられないのではないか。攻撃陣についてはスタメンの4人(岡崎・本田・宇佐美・香川)は連携できていたし、柴崎との相性も良さそうだが、途中交代で入ったメンバーは強引な突破ばかりで、イラクに試合の主導権を渡してしまった。もっとヤバいのがGKだ。CBとの連携もダメだし、判断ミスもあり、試合勘の欠如はどうしようもないと感じた。シンガポール戦は西川か権田で行くべきだし、最終予選まで展望すると、この状態ならそもそも招集すべきではないだろう。

金曜日は休暇を取って久々に鎌倉へ小トリップ。由比ヶ浜駅近くの店で美味しいお蕎麦を食べ、長谷寺のアジサイを見てきた。朝の「めざましTV」で紹介されていた店を確認しつつ歩き回ったので、結構良い運動になった。奥さんとは「また来よう」という事になりました。

読了:
「メンバーの才能を開花させる技法」(リズ・ワイズマン、グレッグ・マキューン)

  • メインの著者(ワイズマン氏)は「Thinkers 50」に選ばれるGuru、共著者(マキューン氏)は今年上期のベストセラー「エッセンシャル思考」著者でもある。「才能のマグネット」、「解放者」、「挑戦者」、「議論の推進者」、「投資家」という「増幅型リーダー」の要素を「消耗型リーダー」との対比で説明しているので、あるべきリーダーの姿が明確になっている。自分の現状を振り返ると、最近特に消耗型に傾斜している事を自覚した。(評価A)
「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(エマニュエル・トッド)
  • 先日読んだ「逆流するグローバリズム」でもEU危機の根本原因の一つとされていたドイツについて、その台頭・突出に懸念を持つ著者のインタビュー再録からなる世界事情の解説書。EU内で一人勝ちするドイツと本来対抗勢力として機能すべきフランスの体たらく。ピケティへの評価やギリシャ危機の解決はデフォルトによるべきといった著者の金融嫌い・金持ち嫌いがフランスの知識人らしい。(評価A)
「入門 組織開発」(中村和彦)
  • プロセス・コンサルテーションとかAI(Appreciative Inquiry)といったツールに関する解説書はあるが、本書のような組織開発の解説書は著者の指摘するように少ない。本書では組織開発の進化やGEなどの組織開発先進企業での取り組みと、実践するためにツールをどう使っていくかが述べられている。新書という限界があるので、入門書と割り切っているが、参考となる部分が大きかった。(評価A)
購入:
「ラプラスの魔女」(東野圭吾)、「禁断の魔術」(東野圭吾)

2015年6月6日土曜日

ナビスコカップ最終戦の勝利の意味は?

ミッドウィークのナビスコカップ。敗退が決まっていたF.マリノスは予選リーグ最終節でモンテディオに2対0で勝った。デビュー戦となったGK鈴木、FB北谷をはじめ若手中心の先発メンバーで戦い、ラフィーニャとアンドリューがゴールを決め、かつ無失点で勝ったのは大きな収穫ではないか。俊輔や栗原はまだ別メニューのようだが、選手層が一層厚くなることが必ずプラスにつながる筈だ。

日曜日は代表戦による中断前最後のヴァンフォーレ戦)だ。ミッドウィークのレイソル戦でレッズが引き分けたことで1stステージの優勝はなくなったが、2ndステージに向け良い流れを作り、更には年間1位を狙うためには負けられない1戦だ。予想スタメンはほぼ前節通りだが、ラフィーニャをトップに、アデミウソンをセカンドストライカーとするなど攻撃的な布陣も是非試して欲しい。


読了:
「創造する破壊者」(フランク・ライアン)
  • 韓国でのMERSウィルスの感染拡大がトピックになっている中で読むと極めて不思議な思いを抱かざるを得ない。ウィルスと人間とは共生関係にあるとか、ダーウィンの進化説は必ずしも全てを説明できないとか、本書を読むまで常識だと考えてきたことが根底から覆された。逆に、最新の研究でこんなところまで(たとえば「初期の現生人類とホモ・エレクトスとの間には異種交配があった」!)解明しているのだ。長いが非常に面白い一冊。(評価A+)
「ブラインド・サイド」(マイケル・ルイス)
  • サンドラ・ブロックがオスカーを受賞した事でも知られる映画「しあわせの隠れ場所」の原作。現役のNFLプレーヤーであるマイケル・オア―の大学入学までのエピソードは映画と同じだが、原作は彼のポジションであるレフト・タックルがどうして重要性を増したか(タイトルのブラインド・サイドの意味でもある)がNFLのゲームの進化と重ねて描かれている。NCAAでプレーする学生の実態も良く分かる。(評価A)
「プロフェッショナル・リーダー」(野田務)

  • 主人公健太が、上海・シリコンバレー・東京での3つのミッションを通じてプロフェッショナル・リーダーとして成長していくストーリーを基に、リーダーに求められる9つのスキルを説いている。ストーリーに登場する中国企業、アメリカ企業、投資ファンドと日本企業との経営スタイルの違いとそれをどのように克服するかも大きな課題だ。健太のような社員=「出る杭」を大切にできる日本企業がどれだけあるだろうか?現実感が湧かなかった。(評価A)

2015年5月31日日曜日

地震・・・5連勝はならず・・・5位後退

ミッドウィークのナビスコカップ、フロンターレ戦は1対2で敗戦しF.マリノスの予選リーグ敗退が決定した。「すべてのタイトルを取る」と豪語していた中での予選敗退で、今季のナビスコカップの戦い方については批判もあるだろうが、ケガ人続出の中、新監督がリーグ戦をより重視し、カップ戦は出場機会の少ない選手の見極めに使うというのは現実的な選択だったと思う。その中から三門のようにレギュラーを掴んだ選手が実際に出てきているし、戦力全体の底上げにはなったのではないか。ただ、選手が戦う意識、チーム内の競争に勝とうとする意識を持って臨んだかについて不満は残らざるを得ない。

土曜日のガンバ戦は1か月ぶり3試合目の生観戦。前半立ち上がりはペースの奪い合い。ガンバがポゼッションに対しマリノスはカウンターと今シーズンならではの戦い方。ガンバゴール前でのハンドで得たPKをアデミウソンがしっかり決めてからは、マリノスペースの時間帯が続き、惜しい場面が続くも追加点は奪えずハーフタイムに。
 後半ややガンバが盛り返す中、突然スタジアムが揺れた!小笠原沖を震源とするM8.5の巨大地震が起こり試合は10分余り中断した。揺れの激しさはともかく・長さは3.11を思い出させるものだった。(写真は地震直後の日産スタジアムの様子。掲示板には注意を促す文言が・・・)



再開後も惜しいチャンスを外し続け、リンスの退場で10人になったガンバが押し込むようになり、たまらずFKを与え、アディショナルタイム最後のプレーで押し込まれドローに終わった。
 「たられば」論だが、押し込んでいた時間帯でのゴール前における集中力がもう一つだった。アデミウソン外し過ぎ!レッズがサガンに大勝したことで1st Stageの優勝はほぼ絶望となったが、6月の4試合(ナビスコカップのモンテディオ戦含む)は2nd Stageや天皇杯につなげられる戦い及び結果を残して欲しい。

読了:
「変わらないために変わり続ける」(福岡伸一)

  • かつてポスドクとして学んだロックフェラー大学に客員教授として25年ぶりに戻った著者が、最新科学に関するエピソードとニューヨークでの生活にまつわる話をまとめた週刊文春連載記事の再録。山中教授の講演、STAP細胞に関する話も興味深かったが、やはりNYの様子を読むとワクワクさせられる。(評価A)
「逆流するグローバリズム」(竹森俊平)
  • ここにきて懸念が再浮上しているギリシャ危機(Grexit問題)、膠着しているウクライナ情勢という欧州の問題へのEU・ECB、アメリカ・IMFの対応を通じ、ユーロの問題点、IMFの失敗などが解説されている。ドイツが内在的に抱える矛盾については今後欧州経済情勢を考える上で有効なヒントになる。日本の立ち位置に関する最終章を読むと、いかに日本人、特にマスコミの鈍さが良く分かる。(評価A+)
「戦後リベラルの終焉」(池田信夫)
  • 昨年大きな話題となった一連の朝日新聞による誤報問題はなぜ起こり、なぜ放置されたのか。その構造的な矛盾を明らかにする中で、「リベラル」と呼ばれる人々の地盤沈下がどのようにして拡大していったのかが説かれている。イギリスにおける労働党の大敗北の原因にもある種通じるトレンドなのかもしれないと思いながら読んだ。(評価A)
「チームの力‐構造構成主義による”新”組織論」(西條剛央)
  • 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げた実践経験を踏まえ、チームを運営するために必要なものは何か、自身が提唱した構造構成主義の立場から解説している。「価値」・「方法」・「人間」という3つの原理の重要性は、かつてのようにガチガチに硬直した組織運営では立ち行かなくなった現状を考えると一考すべきものだと思う。(評価A)
「従属国家論」(佐伯啓思)
  • GHQによる憲法制定時のプロセスの問題点と今だに残るディレンマと、新たな段階に入った「日米同盟」の意味など考えさせられるテーマの1冊。戦後の日本はアメリカの価値観を無批判に受け入れている。著者は日米構造協議とそれ以後の構造改革のブームを例に日本が依然としてアメリカの従属国家だと問題提起する。保守もリベラルも角度は違うが同じだという指摘は重いものがある。(評価A)
購入:
「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(エマニュエル・トッド)、「新しいグローバルビジネスの教科書」(山田英二)、「入門 組織開発」(中村和彦)、「リーダーシップの名著を読む」(日本経済新聞社編)、「新1分間リーダーシップ」(ケン・ブランチャード、パトリシア・ジガーミ、ドリア・ジガーミ)、「リーダーシップの哲学」(一篠和生)

2015年5月24日日曜日

4連勝!暫定4位!!

ミッドウィークのナビスコカップ。ボンバー以外10名のスタメンを交代したF.マリノスは、ヴィッセル相手に2点ビハインドの状況から一端は追いつくも、直後に突き放されて2対3で敗戦。グループB6位に沈んだままで、準々決勝進出はほぼ絶望となった。中島のデビュー、伊藤の復活などポジティブな材料もあったので、これはこれで良しと割り切って、松本山雅戦で4連勝を目指そう!

という中で始まった松本山雅戦。早々にアデミウソンの見事なボレーが決まり、主導権を握った。その後齋藤のドリブル突破から放たれたシュートがこぼれたところを中町が決め、前半は2対0で終了。後半もっと点が取れそうな予感があったのだが、齋藤が「これを決めなきゃ・・・」というシュートを外したあたりから試合全体がつまらなくなった。松本山雅はロングボール一辺倒で、マリノスもややそれに合わせて大味なゲーム運びになった。最後に藤本が決めて締めてくれたので、やっと溜飲を下げた感じだ。これで4連勝&暫定4位浮上だ!次週はミッドウィークにカップのフロンターレ戦、さらにガンバをホームに迎えてのリーグ戦と負けたくない試合が続く。伊藤に加えラフィーニャもベンチに復帰、俊輔も戻ってくるだろう。総力上げて公式戦3連勝(&リーグ戦5連勝)で5月を締めくくって欲しいものだ。

読了:
「ハーバード流 逆転のリーダーシップ」(リンダ・A・ヒル、グレッグ・ブランド―、エミリー・トゥルーラブ、ケント・ラインバック)

  • イノベーションを導くリーダーシップの役割とは?ピクサー・グーグルなどイノベーティブな企業のリーダーたちが実際にどのようにチームを率いているのかを分析することにより、イノベーションのプロセスとしてコラボレーション・発見型の学習・統合的な決定という3つが重要であること、また、リーダーがそれぞれに対応する形で「創造的な摩擦」、「創造的な敏速さ」、「創造的な解決」という3つの能力を育てていることが説かれている。日本的なリーダーシップとの大きな差を改めて実感させられる。(評価A)

「なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?」(ケリー・レオナルド、トム・ヨートン)

  • 著者はジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドなど有名なコメディアンを輩出したシカゴの名門コメディ劇団「セカンド・シティ」の役員。彼らのインプロビゼーションでのノウハウが企業におけるコミュニケーション能力向上にいかに役立つかが分かり易く解説されている。また、顧客と共創することの重要性や彼ら自身が失敗から多くを学んでいることなど、単なるテクニック以外の教訓も示されている。(評価A)

「IGPI流 ビジネスプランニングのリアル・ノウハウ」(冨山和彦、経営共創基盤)

  • 冒頭の新規事業計画失敗例には多くの日本企業が、「うちの事例では?」と思ったのではないだろうか?著者はコンサルティングや実際の企業経営の経験から、まともな事業計画とはどのようなものなのか、また、その基となる事業戦略策定の勘所が何なのかをコンパクトに説明している。事業計画を作成する際にPLだけでなく、BSやキャッシュフローを意識するアプローチは参考にすべきところだ。「勝ちパターンとは『顧客と企業が太い糸で一直線につながっている状態』」というのが印象に残った。(評価A)


2015年5月17日日曜日

リーグ戦3連勝で暫定5位に浮上

F.マリノスは今節「お得意様」のエスパルスとアウェーで対戦し、三門と藤本のゴールで勝利。これでリーグ戦3連勝となった。ハイライトを見ただけなのだが、前節同様に試合のペースを握ることができなかったようだ。それでも勝てているので取りあえず良しとするか・・・ここからミッドウィークにナビスコカップが入ってくる。正直決勝トーナメント進出は厳しい状況だし、ホームでの試合なので、ここは割り切って故障者の回復状況を見ながらコンディション調整を優先に戦って欲しい。

読了:
「低欲望社会」(大前研一)

  • 若者が欲を失くしているという日本固有の現象を踏まえて経済を見る必要がある。著者が「心理経済学」の続編と言えそうな本書を読むと、アベノミクスの限界が真の姿を現すように思われる。ピケティとは違った形での資産課税や、移民政策などの従来発想にない政策転換も含め、この国のカタチをどうするのか。本書をヒントとすべき点は多い。(評価A)
「意思決定のジレンマ」(ラッシュワース・M・キダ―)
  • コンプライアンスを考える上で極めて有意義な「参考書」ではないか。単純な「正」対「悪」の選択ではない、「どちらも正しいが両方を取ることができない」ジレンマの状態に陥った時、どうやって判断するか、本書は頭の「フィットネス」に相応しい一冊である。監訳の中島茂弁護士による日本での事例など解説が入ったことで、ちょっと古い(2009年版)原書がアップデートされている点も良い。(評価A+)
「HARD THINGS」(ベン・ホロウィッツ)
  • 著者はネットスケープに勤務の後、CEOとして会社設立から売却まで経験。現在はその経験を活かしてネットスケープ創業者のアンドリーセン氏とベンチャーキャピタルを運営している。本書を読むとCEOとは本当に大変な職業なのだと納得させられる。規模や難易度は全く異なるが、チームをマネージする際に役立つヒントも多く、本書がアマゾンの売り上げ上位にいることが良く理解できる。(評価A+)
購入:
「メンバーの才能を開花させる技法」(リズ・ワイズマン、グレッグ・マキューン)、「プロフェッショナル・リーダー」(野田務)、「従属国家論」(佐伯啓思)

2015年5月9日土曜日

3バックでグランパス戦勝利!これからも継続?気づいたら映画6本も見ていた・・・

ミッドウィークのグランパス戦。F.マリノスは2対0で今シーズン水曜日では初となる勝利を挙げた。ここに来て俊輔の肉離れなどまたまたケガ人続出という状況で、苦肉の策ともいえる3バックが上手くはまった。1点目は相手のミスからのゴール、2点目は相手が一人少なくなった中で生まれたゴールで、もっと点が取れていたと思われるのはいつものF.マリノスらしさということだろう。ただ、グランパス選手の疲労度を考慮しても、小林と下平が高い位置をとり、相手のストロングポイントであるウィングバック(特に永井)をしっかり押さえたあたり3バック採用は成功といえるのではないか。日曜日はアルビレックス戦。レッズ戦からの(ナビスコカップ含む)7連戦、残念ながら2勝4敗と負け越しは決まっているが、最後は連勝で締めくくって欲しい。

GWが終わり3月から続いていた映画・舞台鑑賞も一段落となった。そこで感想を纏めると・・・

映画編:

  • 「君が生きた証」:大学内の銃撃で息子を亡くした父親が、生前に残した曲を人前で披露したところ反響が大きくなるという流れが、途中で「なるほど、そうだったのか」という展開になる。これが原因で見終わった後少し気分が重かった。
  • 「ジュピター」:ラナ&アンディ―ウォシャウスキーによるぶっ飛んだ発想のファンタジー。ミラ・クニス演じる、シンデレラにも通じるようなヒロインの設定が面白かった。
  • 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」:カメラワークが見事。個人的にはブロードウェイのマジェスティック劇場が何度も映るので、「オペラ座の怪人」良かったなあ、などと思いながら見ていた。アカデミー作品賞を取ったのだから、マイケル・キートンが主演男優賞でも良かったのでは?
  • 「パレードへようこそ」:ゲイ&レズビアンの集団が、サッチャーの政策に反発しストを決行した炭鉱労働者の支援に立ち上がるというUKでの実話が題材。元気が出る映画で、何故か「フル・モンティ」と同じ匂いがした。
  • 「グッド・ライ」:こちらもスーダンの難民がUSに移住するという実話が基になっている。こちらは見た後、心があったかくなる映画。
  • 「セッション」:映画通の中でアカデミー作品賞に推す声も大きかった作品。音楽学校でのレッスンの場面など主人公と鬼教師とのやり取りに途中息苦しくなるようなところもあったが、ラストの「キャラバン」は凄かった。
舞台編:
  • 「レ・ミゼラブル」:新たな演出(映画と同じ)になってからは初めて見た。名曲の数々はやはり何度聞いても良かった。隣で見ていた奥さんに「『民衆の歌』の時は歌いだしそうだった」と言われてしまった・・・
読了:
「素数はなぜ人を惹きつけるのか」(竹内薫)
  • 出現の仕方がランダムなだけでなく、素数には興味深い性質があるということ。名前だけは聞いたことがったリーマン予想がどんなものであるか。また、素数の年に生まれるセミといった自然界での不思議。更には超ひも理論と素数との関係。本書はこれらのテーマをできるだけ分かり易く、「素人向け」に解説してくれている。使えそうなネタが多かった。(評価A)
「日本財政『最後の選択』」(伊藤隆敏)
  • 日本の財政赤字がいつまで持ちこたえられるのか。著者は楽観論・悲観論のいずれに与することなく、様々なシナリオをシミュレートすることにより未来を予測している。その上でこのままでは避けられない2020年代半ばでの危機回避には消費税率20%への引き上げが必要との結論が導き出されている。単に財政再建のための増税を主張するだけでなく、成長戦略の必要性を説くなど非常にバランスのとれた説明に納得できた。(評価A+)



2015年5月3日日曜日

水曜日はダメなF.マリノス。土曜日は・・・

29日(水)のサンフレッチェ戦、F.マリノスは1対2で敗戦。相性の良い相手に対し前半早々伊藤のゴールが決まり、その後齋藤が惜しいチャンスを逃したあたりまでは、「今日も完勝!」と思っていたが、そこから先は全く良い所がなかった。小林が出場停止となった右サイドから何度も良いクロスを上げられ、中盤ではプレスがかからず、セカンドボールも拾えない。前半途中で追いつかれてからは見ていられない状態だった。俊輔・ラフィーニャが入り、豪華メンバーの攻撃陣でも追いつけずタイムアップ。これで今シーズンナビスコカップ2試合を含め水曜日は3連敗となった。ベルマーレ戦も結局は相手の出来が悪かったということなのだろうか?GWに入り連戦が続く中、モンテディオ戦に向け切り替えがどこまでできたか?

用事があって試合は見られなかったが、結局0対1で連敗。首位レッズとの勝ち点差を考えると早くもステージ1の優勝は絶望的となった。負傷者が帰ってきたことでスタメンが固定しないのは連戦を考えると悪い事ではないのだが、却って連係不足という悪循環に陥っていないか?GW最後のグランパス戦も相手の永井・川又が好調なだけに苦しい戦いになるだろう。そんな時こそ俊輔のスタメン起用という手はありだろう。

Dukeバスケットボールの一年生トリオ(Okafor、Winslow、T.Jones)は予定通りNBAドラフトにエントリーした。Tyus JonesのDepartureで来季の戦力ダウンが危惧されたが、何とかPoint Guardの補強ができたことで、タイトル連覇の可能性が少し高くなった。来季はUNCがタイトル候補の最右翼と言われているが、Dukeには是非永遠のライバルを倒してback-to-backを果たして欲しいものだ。


読了:
「戦略の歴史」(上)(下)(ジョン・キーガン)
  • 原題は”A History of Warfare”で、内容も戦略史というより戦争の歴史そのもの。クラウゼヴィッツの「政治の継続としての戦争」という考え方は戦争の歴史の中では一般化できない、ということが客観的な事実を積み上げる形で論じられている。石器、馬、鉄、火薬という道具の変遷がいかに戦術を変えていったかも良く理解できる。日本のサムライについて記述されているところもユニーク。20年近く前の本だが、現在各地で行われている戦争を語るにも役立つと思った。(評価A)
購入:
「なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?」(ケリー・レオナルド、トム・ヨートン)、「変わらないために変わり続ける」(福岡伸一)、「逆流するグローバリズム」(竹森俊平)、「戦後リベラルの終焉」(池田信夫)

2015年4月26日日曜日

俊輔の帰還(ベルマーレ戦)

今シーズン2回目の生観戦、ベルマーレ戦は3対0で日産スタジアムでの久々の勝利となった。前半9分に良いパス回しからアデミウソンに待望の初ゴールが生まれ、これは思いのほか楽勝か?と思ったが、その後は何本か惜しいシュートはあるものの1対0のまま前半を終わった。後半は前半に比べベルマーレにボールを持たれる時間が増えたが、交代出場したラフィーニャとアデミウソンがカウンターの切れを見せゴールを脅かした。そして後半36分、ついに俊輔がJ1リーグ戦に復帰すると、その後齋藤と冨澤がゴールネットを揺らし、終わってみればスコアは「完勝」だった。

アデミウソンは初めて生で見たが、Jリーグに慣れたこととフィジカルも万全になったためだろう、TVで見ていた時以上に味方とも連携するし、自分でも突破を試みたりとMOMといえる活躍をしていた。残念ながら期待していたアデミウソンと俊輔の競演は持越しとなったが、これからが益々楽しみになった。

読了:
「21世紀の貨幣論」(フェリックス・マーティン)

  • 古代メソポタミアから現代まで貨幣がどのように「進化」してきたかを通じ、貨幣の真の価値とはなにかを説いている。「物々交換の不便さを解消するために貨幣が生まれた」という通説の誤りやジョン・ロックが与えた影響、更には最近のリーマン・ショックへの対応に関する記述など「そうだったのか」と改めて理解した。最終章での経済学再構築の議論がピケティの問題意識と近いことが面白かった。(評価A+)
「MBAマネジメント・ブックⅡ」(グロービス経営大学院 編著)
  • 「グロービスMBA」シリーズの最新刊。第三版まで出ているマネジメント・ブックを補足する形で最近のトピックスであるアントレプレナーシップ、テクノロジー、グローバルなどについて理論がコンパクトに整理されている。エコノミクスについても一つの章が加わっているのも特徴。内容自体はそれぞれに関する本で読んだことのあるものがほとんどであるが、こうやって纏めてくれるのは毎度の事ながらありがたい。(評価A)
「イノベーションの誤解」(鷲田祐一)
  • なぜ携帯電話がケータイに進化したのか、SUV市場拡大はなぜ起こったのか、更にはなぜ日本企業の製品が魅力をなくしてきたのか、これらの根本原因はイノベーションを誤解していたからだ。著者はユーザー・イノベーションのメカニズム、日米の比較などを通じ、日本企業の問題点を明らかにしている。ユーザー・イノベーションが全てではないとは思うが、第5章での著者の主張、例えば商品開発局面でのマーケティング軽視を改める事などは重く受け止められるべきだろう。(評価A)
「今こそアーレントを読み直す」(仲正昌樹)
  • 2009年の著作だが、アーレントという名前に興味を覚えたのが最近だったということで、「入門」として読んでみた。「わかりやすい政治」というコンセプトと真逆のスタンスをとり、アメリカの独立を評価する一方でフランス革命には批判的、左右両方の立場から評価されるというアーレントの思想の一端が著者の解説を通じ理解できた。アーレントが生きていたとすれば、今の日本の「反知性主義」的な政治状況をどのように見るだろうか。(評価A)
購入:
「戦略の歴史」(上)(下)(ジョン・キーガン)、「ハード・シングス」(ベン・ホロウィッツ)、「日本財政『最後の選択』」(伊藤隆敏)、「意思決定のジレンマ」(ラッシュワース・M・キダ―)、「破壊する創造者」(フランク・ライアン)、「IGPI流ビジネスプランニングのリアル・ノウハウ」(冨山和彦、経営共創基盤)、「素数はなぜ人を惹きつけるのか」(竹内薫)、「低欲望社会」(大前研一)、「ハーバード流逆転のリーダーシップ」(リンダ・A・ヒル、グレッグ・ブランドリー、エミリー・トゥルーラブ、ケント・ラインバック)

2015年4月19日日曜日

悔しい敗戦(レッズ戦)

F.マリノスはレッズとのアウェー戦。伊藤のゴールで先制したものの、前半終了間際に2失点し1対2で敗戦、11位に後退した。ダイジェストしか見ていないが、得点シーン以外にも後半アデミウソンの惜しいシュートがあったりしたので、悔しい負け試合だった。ここからナビスコ杯含め週2回とスケジュールがタイトになるが、俊輔・ラフィーニャ・端戸とケガ人が復帰しつつあるので、コンディションを視つつ戦っていって欲しい。

読了:
「日本―喪失と再起の物語」(上)(下)(デイヴィッド・ピリング)

  • 明治維新から現代までの日本史について、黒船・敗戦・バブル崩壊といった出来事とそこからいかに立ち直ったかという観点で描かれている。執筆の動機になったという東日本大震災からの復興状況についても様々な角度と多くのインタビューから記されている。インタビュー相手も左右のバランスが取れており、例えば小泉改革についても「格差拡大が生まれただけ」という通説にとらわれないで評価すべきところをしっかり評価している所が良い。(評価A+)

2015年4月11日土曜日

Duke Blue Devils5年ぶり5回目の全米チャンピオン!

在校生が羨ましかった。我が第二の母校Duke大学バスケットボールチームが日本時間火曜日に行われたNCAAトーナメント決勝戦でWisconsin大に68対63で勝利、5年ぶり5回目の全米チャンピオンとなった。今年のチームは期待の1年生(J. Okafor, T. Jones, J. Winslow)が中心の若いチーム。1月には短期間で3敗した上にメンバー1名が追放されるという異常事態となったが、そこからはACCトーナメント準決勝で敗れたのみ。守備が強化されたことが優勝への鍵となった。先に上げた3人はおそらくNBAに行くことになるので、NCAA連覇は厳しいだろうが、新たなメンバーを迎え、コーチKの下、次シーズンはこのところ果たせていないACCリーグ、トーナメントの優勝を目指して欲しい。

F.マリノスは日曜日にベガルタとのホームゲーム。しかしもっと大きなニュースは俊輔の動向だ。22日のナビスコ杯グランパス戦あたりで復帰という話がでてきた。次回生観戦は25日のベルマーレ戦なので、そこで今季リーグ戦初登場が見られそうだ。

読了:
「フューチャー・オブ・マインド」(ミチオ・カク)

  • 「ひもの場の理論」創始者のひとり(理論物理学者)である著者が、テレパシー、念力、夢、意識と精神疾患、人工知能など「心」を巡る様々な観点での最新理論を紹介する一冊。500ページ近い書物だが、映画に言及する箇所が多かったりするので読んでいて全く飽きなかった。また、人間の探求心に毎度の事ながら感心させられた。著者が心を宇宙と並ぶ大きな謎として取り上げているのにも十分肯ける。(評価A+)

「AIの衝撃」(小林雅一)

  • 「フューチャー・オブ・マインド」でも言及されていたAI。本書ではAIがディープ・ラーニングと呼ばれる技術により急速に進化していて、人間から仕事を奪い合う状況になるという「衝撃」に加え、Googleなどの企業との対比で日本企業のAIへの取り組みの違いと遅れが指摘されている。経済へのインパクトはこちらの方が大きいが、既存の大企業では機敏な方向転換は難しいだろう。(評価A+)

「日本戦後史論」(内田樹、臼井聡)

  • 哲学者である内田氏と「永続敗戦論」著者の白井氏が、現政権やその根本にある反知性主義に批判的な立場から日本戦後史の問題点を説いている。読んでいて違和感を感じるところも多いが、敗戦を終戦と言い換え、戦時中も政権を担っていた立場の人間により復興してきた日本の特異性が、現時点でも隣国との関係を拗らせる要因であることはその通りだと思う。フランスやドイツとの対比で考えるという視点は有効だろう。(評価B)


購入:
「イノベーションの誤解」(鷲田祐一)、「MBAマネジメント・ブックⅡ」(グロービス経営大学院 編)、「今こそアーレントを読み直す」(仲正昌樹)

2015年4月5日日曜日

ウズベキスタン戦 F.マリノスはレイソル戦 DukeはFinal 4

ハリルホジッチ体制になって二戦目のウズベキスタン戦は5対1で圧勝で終わった。青山の素晴らしいボレーシュート、岡崎の岡崎らしいゴール、宇佐美の技術の素晴らしさが出た代表初ゴールなど、親善試合と割り引いても攻撃陣は良かった。一方、守備に関してはセットプレーからの失点など相変わらず課題として残るだろう。珍しい事にこの2試合で招集したフィールドプレーヤーが全員ピッチに送り出されたが、個人的には、2試合とも出場したメンバー、特にプレー時間の長かったメンバーが今後の主軸になると予想する。これまでの常連といえども安閑とはできない良い緊張感が生まれたと思う。

先ほど読んだ記事によると、日本の戦い方がこれまでと変化していることがデータで明らかになったという。確かに、見ていてイライラするような「無駄な」横パスが減って、縦への速さを意識するところがアギーレ時代より更に強まった印象を受けた。特にフル代表の後で見たU-22が相変わらず横パスばかりだったので、余計にそう感じたのかもしれないが・・・いずれにせよ、ウズベキスタン戦での戦い方を極めて行ければ、W杯予選も怖くないと期待できる。

F.マリノスは今節アウェーで”苦手中の苦手”レイソルと対戦した。前半カウンターからレアンドロに先制を許し、今回もダメかと思ったが、エスパルス戦同様に後半伊藤を投入して流れが良くなり、右サイドバックに移った三門の2アシストから逆転し、リーグ戦では2008年以来の勝利を掴んだ。これで公式戦3連勝、特に昨年勝てなかったサガンとレイソルにリーグ戦で勝てたのは大きい。ケガ人もそろそろ戻ってくるだろうし、希望が徐々に大きくなってきた。

NCAAバスケット―ボールトーナメントもいよいよFinal 4に突入。Duke Blue DevilsはMichigan Stateに81対61で勝利、5年ぶりに決勝に進んだ。一年生4人と他のメンバーとの息もここにきて益々合ってきたようだ。日本時間火曜日に行われる決勝の相手は今シーズン初めにアウェーで勝ったWisconsinに決まった。ここまで無敗だったKentuckyに勝った相手なので油断はならないが、ここまで来たので優勝して欲しい。


読了:
「アクション・バイアス」(ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール)

  • かつて「意志力革命」というタイトルで翻訳されていたスマントラ・ゴシャール氏最後の著作。マネジャーが目の前の仕事に忙殺され、組織の重要な課題への取り組みが疎かになったり先送りされる「アクティブ・ノンアクション」を回避し、組織を変革していくために必要な行動を明らかにしている。変革を起こすには意志の力が必要だというメッセージは益々重要性を増している。(評価A+)

「カール教授のビジネス集中講義 マーケティング」(平野敦士カール)

  • ビジネス集中講義シリーズ第三弾。マーケティングについて「古典的」なSTPや4Pから始まり、ITマーケティングの様々な手法・用語までがコンパクトに解説されている。本書を読むと自分がビジネススクールを卒業してから今日までの約20年で、ITの発展と共にマーケティング手法が大きく様変わりしていることを改めて考えた。ただ、依然として根本はSTPや4Pなのだということも再確認した。(評価A)

「競争しない競争戦略」(山田英夫)

  • 競合と真正面から戦うだけが競争戦略ではない。既存企業が手をだせないようなニッチ戦略・不協和戦略を取るか、それとも協調戦略を取って共生していくのか。多くの成功例、さらには市場を大きくし過ぎて大手の参入を許した失敗例などを紹介することにより、こうした競争しない戦略のポイントを明らかにしている。思考の軸を少しずらすことが重要なのだと理解した。(評価A)

「リーダーは最後に食べなさい!」(サイモン・シネック)

  • 前作「Whyから始めよ!」に引き続きリーダーのあるべき姿を語っている。本書のポイントはいかに「サークル・オブ・セーフティー」を保つかということのようだが、それがタイトル(現題)の"Leaders Eat Lats"とどう関係するのか。パーツは理解するが、読んでいてあまりスッキリしなかった。(評価B+)

「火花」(又吉直樹)

  • 掲載された純文学の雑誌「文學界」が初めて増刷されたことや、いきなり数十万部も売れたことで注目を浴びた一冊。売れない若手漫才師とその先輩の10年間の出来事を淡々と描いたものだが、読み始めて数ページで風景の描写のきめ細かさに驚いたところから始まり、一気に読んでしまうのは惜しいと思うような出来だった。個人的にはラスト約10ページが勿体無いと感じたが、傑作と言えるのではないか。(評価A-)


購入:
「日本-喪失と再起の物語」(上)(下)(デイヴィッド・ピリング)、「21世紀の貨幣論」(フェリックス・マーティン)、「日本戦後史論」(内田樹、白井聡)

2015年3月29日日曜日

チュニジア戦、エスパルス戦、ユタ大戦

ハリルホジッチ新監督の初戦チュニジア戦は、評価の難しい試合になったのではないか。スタメンには初召集の藤春はじめアギーレ時代に招集されていなかった新顔が並んだ。予定がありまだ録画をチェックできていない前半はチャンスも少なかったが、しっかり守れていたようだ。TV観戦できた後半は本田・香川・岡崎と常連組がしっかり連係して2点を取ったが、逆に守備面ではところどころ気が抜けたようなプレーもあった。チーム内の競争という点ではチュニジア戦は常連組に軍配が上がった。次のウズベキスタン戦はもう少しタフな試合になるだろう。韓国がホームで引き分けた相手にどんなメンバーを先発させるのか、更にはどのような戦いができるのか。新顔(=国内組)がしっかり結果を出して欲しい。

F.マリノスは代表ウィークの今週エスパルスとナビスコカップ第二戦を戦い、2対0で勝利した。ハイライトを見ただけだが、前半から後半立ち上がりまではエスパルスの方が押していた。オウンゴールとファビオのCKからの得点で勝利はしたが、退場のため急造GKになった後で決定機を外しまくったのはいただけない。まだまだ修正が必要だ。

Duke Blue DevilsはNCAAトーナメントでUtah大学を破り2年ぶりのベスト8(Elite Eight)進出を決めた。次はGonzaga大学とFinal 4をかけた戦いとなる。頑張って欲しい。

読了:
「戦略経営論」(マイケル・A・ヒット、R・デュエーン・アイルランド、ロバート・R・ホスキソン)

  • 米国のビジネススクールで広く使われている戦略論テキスト。使用されている事例はソフトバンクのM&A戦略など欧米企業だけでなく、グローバルな視点で収集されているのがこの種の戦略論テキストとしては特徴と言える。「戦略経営論」というだけあって、戦略立案だけでなく、ガバナンスやリーダーシップまで網羅されているので、辞書のように使うのも良いだろう。(評価A)
「雨に泣いてる」(真山仁)
  • かつて阪神淡路大震災の取材で苦い経験を持つ主人公は、東日本大震災直後の東北で行方不明になっている新人記者の捜索という任務を与えられる。この記者は無事発見されるのだが、そこから物語が大きく展開する。新聞社内部のドロドロとした政治力学だったり、新聞記者のモラルへの問いかけがあったりとサイドストーリーも面白かった。ラストで嫌な余韻が残るのがこの著者らしかったが、その分マイナス評価。(評価A-)
「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?」(ロッシェル・カップ)
  • 異文化コミュニケーションと人事管理を専門とするコンサルタントである著者が、自らの経験も踏まえ、日本企業の組織・人事戦略の問題点を鋭く指摘している。正社員・非正規社員という区分をなくすとか、日本で働く社員も「現地社員」と位置付け、「グローバル経営幹部」と明確に区分すること、また残業問題からダイバーシティまで、著者の提案している「世界の常識」を実行できる日本企業がでてこなければ、日本の地盤沈下は続くだろう。(評価A)
購入:
「AIの衝撃」(小林雅一)、「リーダーは最後に食べなさい!」(サイモン・シネック)、「競争しない競争戦略」(山田英夫)

2015年3月22日日曜日

新生日本代表メンバー発表。NCAAトーナメントスタート

ハリルホジッチ監督になって初めての日本代表メンバーが発表された。2試合を戦うだけなのに大量の31名を招集、しかもバックアップ12名まで選んでいる。6月のW杯予選初戦まで時間が限られている中で、チームコンセプト・方針を徹底しておきたいという意欲の表れと評価したい。27日のチュニジア戦で、どんなメンバーがピッチにたつのか楽しみだ。

全米大学(NCAA)バスケットボールのトーナメントが始まった。Dukeは辛うじてSouthのNo.1シードとなり、Robert Morris大学との初戦を突破した。ここのところFinal 4(準決勝)に進めていないが、今年は対抗馬として前評判が高かったIowa Stateが一回戦で負けたので、優勝した2010年以来のFinal 4進出を期待したい。

F.マリノスはベガルタとのナビスコカップ初戦も敗戦し、公式戦未勝利が続いている。サガンとのリーグ戦では泥臭くていいのでまずは初勝利といきたい。

読了:
「戦略の実行とミドルのマネジメント」(坂本雅明)

  • 著者の坂本氏にはかつて戦略ワークショップのファシリテーションをお願いしたことがあり、その際にも「地に足の着いた考え方をされる」というイメージを持ったが、本書を読んで改めてそう感じた。アンケートやインタビューを通じて得たミドル(部長・課長)の職務の違いや、それを踏まえた「方向づける」、「力を引き出す」という二つの課題への取り組みアプローチには派手さはないが、納得感がある。(評価A)
「反知性主義」(森本あんり)
  • 日本でのネガティブな意味合いでの使われ方から本書に興味を持ったが、反知性主義がアメリカの歴史や思想を語る上で重要な意味を持つイデオロギーだということが理解できた。まさに副題の「熱病」という表現がしっくりきた。「もうひとつのアメリカ史」を読むようで面白い一冊でだった。(評価A)
「なぜ日本企業は強みを捨てるのか」(小池和男)
  • アメリカ企業だけが企業経営のモデルではない、日本企業が従来培ってきた強み、とりわけ長期視点での人材育成の良さを再確認し、最終的に本書ではドイツがその代表である、経営への労働者代表の参画を提言している。ガバナンスの観点での労働者代表の参画には同意できる部分もあるが、前半の各産業での日米比較は文献の参照という手法の限界からか、あまり説得力がなかった。(評価B+)
購入:
「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか」(ロッシェル・カップ)、「カール教授のビジネス集中講義 マーケティング」(平野敦士カール)、「アクション・バイアス」(ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール)、「フューチャー・オブ・マインド」(ミチオ・カク)、「火花」(又吉直樹)

2015年3月15日日曜日

アデミウソンのデビュー戦はスコアレスドロー

今節F.マリノスはFC東京と対戦。期待のアデミウソンは先発し後半39分まで出場した。後半兵藤の惜しいシュート2本が権田のファインセーブにあったこともあり、結局ゴールを奪えずスコアレスドローに終わった。ダイジェストを見る限りだが、アデミウソンは一人で突破することも、周りを活かすことも可能なプレーヤーのようだ。連係が良くなり、俊輔たちが戻ってくれば、得点力は間違いなく上がるのではないか。守備はどうやら修正できたようなので、今後に期待しよう。

読了:
「成功するイノベーションは何が違うのか?」(ネイサン・ファー、ジェフリー・ダイアー)

  • イノベーションを成功に導くためにはMBA流の「ビジネスモデルありき」の戦略ではうまくいかない。インサイト→課題→ソリューション→ビジネスモデルそして拡大という著者の説くイノベーション実現メソッドは本書に取り上げられた企業の戦略から導かれており、その応用範囲がITに限られていない点でも評価できる。新たな問題解決のメソッドとして捉えることで日々のマネジメントにも活用可能だ。(評価A)
「道端の経営学」(マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、スコット・シェーファー)
  • ロードサイドムービーを見ながら経営のポイントを学べる、というユニークな一冊。事業規模拡大、商品差別化、価格戦略、ブランド構築、交渉、人事関連と各章様々な「成功例」のポイントを整理しているが、本書の最も良いのは、すべての戦略的課題の答えは「場合によりけり」である、というマイクの法則を証明している点だ。先の「成功するイノベーションは何が違うのか?」も本書も日本企業にありがちな「me-too症候群」に対する警告の書と受け止めるべきだ。本書は現時点で今年No.1の経営書だ。(評価A+)
「ネット社会の『正義』とは何か」(西垣通)
  • 本業はコンピューター研究者である著者が、「集合知とは何か」の続編的な位置づけでこれからの民主主義の話をしている。前作に引き続き、「みんなの知恵が正しい」のは正解がある問題についてで、正解のない問題に応用するには適さないと説き、サンデルの議論(およびその中に出てくるロールズの正義論)からネット集合知のありかたに一つのアイデアを示している。(評価A)

2015年3月8日日曜日

開幕戦はフロンターレに完敗。厳しい序盤戦になりそうだ・・・

いよいよJ1ファーストステージが開幕。F.マリノスはホームでフロンターレと対戦、1対3で敗れた。攻撃陣にけが人の多いマリノスは齋藤が1トップという布陣で臨んだが、開始3分であっさり失点。小林のゴールで一端は追いつくも、すぐに突き放され、後半にも大久保に「デス・ゴール」を決められるという最悪の展開。榎本のファインセーブがなければもっと失点していても不思議のない試合だった。前の選手はサイドに開いたり、CBの裏を狙ったりしているのだが、パスの精度が低くカットされるだけだったし、たまにサイドを崩しても中央に同じタイミングで飛び込むため、そこから逆襲を食らったり・・・攻撃の意図が通じているように見えなかった。先が思いやられる・・・まあ17分の1が終わって、悪い所がはっきりした(数が多いけど・・・)と割り切ろう!

Duke Blue Devilsはレギュラーシーズン最終戦(UNC戦)も勝ち11連勝、28勝3敗でポストシーズンを迎えることとなった。今週末のACCトーナメントで早期敗退しなければ、NCAAトーナメントの第一シードになるだろう。2010年に優勝して以来となるファイナル4は十分可能jだし、できればここまで無敗のケンタッキー大学に勝って5度目のチャンピオンを勝ち取って欲しい。


読了:
「変革の知」(ジャレド・ダイアモンドほか)
  • 「朝鮮日報」経済版で行われた学者・経営者18名へのインタビューを編集・再録したもの。日本で同様の企画を行ったら選ばれないだろうと思われるような「新進気鋭」の学者がいるところが興味深かった。田坂広志氏による序文にある、変革を進めるために必要な5つの視点、特に「深い問いを求めながら読む」という習慣を身につけたい。(評価A)

「0ベース思考」(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー)
  • Freakonomics(「ヤバい経済学」)の著者による新刊。出版社が変わったので、タイトルも変わったが、多少アドバイス的な要素が増えただけで、原題のThink Like a Freakの方がしっくりする。ホットドッグの早食いチャンピオン小林尊氏のエピソードなどおよそ経済学とは縁遠い話題があり、今回も楽しく読んだ。(評価A)

「カール教授のビジネス集中講義 ビジネスモデル」(平野敦士カール)
  • 「経営戦略」に続くシリーズ第二弾。ビジネスモデルを考えるステップが細かく紹介されているが、そのパターンが各ステップ10以上ある。これだけを取っても如何にビジネスモデルは千差万別であるがが分かる。分かり易さは「ビジネスモデル・イノベーション」、面白さは三谷先生の「ビジネスモデル全史」に軍配を上げる。(評価A-)

「全員経営」(野中郁次郎、勝見明)
  • JAL再生、ヤマト運輸「まごころ宅急便」・「セブンプレミアム」・ダイハツ「ミラ イース」といった商品開発、メガネ21や未来工業のようなユニークな経営で知られる中堅企業までカバーした実例を基に、日本における全員経営が如何に実践されているかが、野中教授一流の賢慮(フロネシス)や知識創造論を踏まえ解説されている。(評価A)

2015年3月1日日曜日

ついに待望の新戦力!アデミウソン入団決定!

J1開幕1週間前にしてついに新戦力が発表された。それも新聞記事によると「次世代のセレソンの10番」との評価もあるというアデミウソンだ。各年代ブラジル代表に選ばれ、U-21でリオ・オリンピックを目指す将来のスター候補のようだ。来年マンチェスター・シティに移るまでの期限付き移籍だとされているが、シティ・フットボールクラブとの提携はこういうプラスがあるということだ。この移籍はラフィーニャは勿論日本人FWに大きな刺激になる筈だ。得点力不足解消に大きな期待ができる。

Duke Blue Devilsバスケットボールチームは28日(現地時間)ホームのSyracuse戦に勝って9連勝。レギュラーシーズンはあと2戦。現地7日のアウェーUNC戦が最後の山になるが、これを乗り越えてNCAA(全米大学)トーナメントNo.1シードを確実にしたいところだ。

錦織圭がまた世界ランク自己最高位を更新した。本人が意識しているのは年末時点でのランクだと冷静なのが頼もしい。昨年1回戦で敗れた全仏オープンと欠場したマスターズ1000シリーズで今年ポイントを稼げれば年末でのトップ3入りは可能だ。こちらも一喜一憂しないで行こう。

読了:
「知のトップランナー149人の美しいセオリー」(ジョン・ブロックマン編)

  • リチャード・ドーキンス、リサ・ランドール、ナシーム・ニコラス・タレブ、ジャレド・ダイアモンド等様々な分野での第一人者が、「あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか?」という共通のお題に其々の立場から回答している。ダーウィンの進化論、ボルツマンのエントロピーの法則、ワトソン・クリックの二重らせんといったメジャーなものばかりでなく、聞いたこともなかったようなセオリーまで、回答者による解説で知的興奮を味わうことができた。(評価A+)
「オートメーション・バカ」(ニコラス・G・カー)
  • 「知のトップランナー」にも登場していたニコラス・G・カーが、オートメーションの発展は本当に素晴らしい未来を実現させるのか、という楽観論に対し警鐘を鳴らす一冊。自動操縦装置の発達によりパイロットの危機回避能力が却って低下している点、Computer Aided Design(CAD)ソフトにより建築家の創造性が阻害されかねない状況など実例を踏まえた問題指摘に考えさせられる。(評価A+)
「21世紀の資本」(トマ・ピケティ)
  • ようやく話題の一冊を読み終えた。著者ピケティ氏はいまや有名になった不等式r>gがもたらす格差の拡大を問題とし、世界的な資本への累進課税を提唱している。著者自ら認めているように経済学というより政治経済学の書という趣が強い。日本についても過去の統計を示しているが、将来的な課題認識はしても現状はアメリカなどとはまだ異なっていると見た方が良いだろう。(評価A)
購入:
「なぜ日本企業は強みを捨てるのか」(小池和男)、「道端の経営学」(マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、スコット・シェーファー)、「ネット社会の『正義』とは何か」(西垣通)、「反知性主義」(森本あんり)、「雨に泣いてる」(真山仁)、「戦略経営論」(マイケル・A・ヒット、R・デュエーン・アイルランド、ロバート・E・ホスキソン)、「戦略の実行とミドルのマネジメント」(坂本雅明)

2015年2月22日日曜日

Pre-season Match(対 松本山雅)

ホームでのPSM初戦。俊輔はじめ攻撃陣に故障者続出のF.マリノスは2種選手登録したての和田が1トップで先発し、また喜田もスタメンに入ることでモンバエルツ監督の意向が垣間見えた気がする。結果は終了間際の失点で悔しい敗戦だったが、課題が変わっていないことをしっかり認識できたと前向きにとらえよう。

Dukeは現地水曜日夜に永遠のライバルUNCと対戦。後半残り約3分で10点差を追いついてオーバータイムに持ち込み92対90で劇的勝利を納めた。ここ何試合か厳しい試合をものにして、チームには自信ができたのではないか?続くClemson戦はエースのOkaforが足首の捻挫で欠場したが、他のメンバーがカバーし20点以上の差をつけて圧勝した。レギュラーシーズン残り4試合、しぶとく勝ち抜いてVirginiaを追いかけて欲しい。

2月第三土曜日は恒例の大学クラス会。大企業の役員、高級官僚、弁護士に裁判官、コンサルタントまで久々に28名も参加した。役職抜きで色々話せる仲間がいることの価値を再認識した。何となく明るい顔が多かったのは、アベノミクス効果のようだ。

読了:
「世界はシステムで動く」(ドネラ・H・メドウズ)

  • 「世界がもし100人の村だったら」の原案を書いた著者によるシステム思考の入門書。執筆されたのが90年代初めということもあり、引用されている例は古いが、システム・ダイナミクスをどのように捉えるか、システムをよりよくするためのレバレッジ・ポイントの見つけ方など本質を見極める思考法は今も新鮮だ。(評価A)
「トマ・ピケティの新・資本論」(トマ・ピケティ)
  • 「20世紀の資本」のピケティ氏がリベラシオン紙に連載していたエッセイが収録されている。もっとリベラルな考え方が強いかと思っていたが、意外にバランスの取れた内容だった。中には有名になったr(資本収益率) > g(経済成長率)にも言及されている。フランスと日本との制度の違いはあるが、成長政策や税制を考える上で日本政府も参考にすべき点が多いと感じた。(評価A)
「ゲーム・チェンジャーの競争戦略」(内田和成)
  • AmazonやGoogleなどのゲーム・チェンジャーが如何に既存勢力に挑み成功したか、任天堂やソニーはなぜ苦境に陥ったのか、など多くの実例から、儲けの仕組みと製品・サービスという二軸の組み合わせでプロセス改革型、市場創造型、秩序破壊型、ビジネス創造型という4類型で競争ルールの変化を説いている。著者も認めているように4パターン複合型の戦略を展開している企業もあるが、競争環境の整理、新規事業検討にあたって参考となるフレームワークだと思う。(評価A)
購入:
「0ベース思考」(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー)、「全員経営」(野中郁次郎、勝見明)、「成功するイノベーションは何が違うのか?」(ネイサン・ファー、ジェフリー・ダイアー)、「カール教授のビジネス集中講義 ビジネスモデル」(平野敦士カール)

2015年2月15日日曜日

日本サッカー協会(JFA)の変わらない体質

JFAが今回のアギーレ監督解任の責任を討議したらしいが、結局会長、専務理事および強化委員長の責任が問われることはなく、報酬の自主返納で決着ということになった。結局今回も問題点をきちんと総括することがないままになったことは個人的に全く気に入らない。問題が発生したら原因分析を行い「再発防止策」くらい明らかにするのが世の中の常識だろう。正直誰が監督になろうが、こうした微温湯に幹部が浸かっているうちは世界との差は益々広がり、アジア各国からは更に追い上げられてしまうだろう。非常に残念だ。

F.マリノスは14日でキャンプを終了。FW陣および俊輔のケガで攻撃の不安が解消されないまま21日にはプレシーズンマッチが始まる。ただ、13日のガンバとの練習試合にはラフィーニャが出場したのは良いニュースだ。

Duke大バスケットボールチームはSyracuse大にアウェーで勝利し5連勝。このままレギュラーシーズン残り6戦勝ち続け、良い流れでポストシーズンを迎えて欲しい。

読了:
「失敗は『そこ』からはじまる」(フランチェスカ・ジーノ)
  • コカ・コーラ、サムソン、ヤフーなどの企業が下した意思決定の誤りはどこに問題があったのか。HBS准教授である著者がFuquaのダン・アリエリー教授など著名な行動経済学者と共に過去行ってきた様々な心理学の実験結果から、意思決定の局面における誤りを防ぐ9つの原則を説いている。自分の内面に由来するもの、他者との関係に由来するもの、外の世界に由来するもの、9つの原則全て思い当るところであり、意識しなくてはと改めて考える。(評価A+)
「救国の政治家 亡国の政治家」(中西輝政)
  • タイトルからはうかがえなかったが、本書は3年3か月にわたる民主党政権がいかに日本の国益をそこなったかを鋭く批判している。もちろん返す刀で自民党についても問題点を指摘しているが、一番興味深かったのは、政官界に対する海外特に中国や北朝鮮の隠れた影響力の大きさだ。著者が期待しているように現政権がぶれないで、これまでやりきれなかった政策を推進してくれることを期待しようと思う。(評価A)
「マネジメントの名著を読む」(日本経済新聞社 編)
  • ミンツバーグ、ポーター、ドラッカーら経営学のGuruによる名著に加えウェルチ、ガースナー、ジェニーンといった名経営者の著作を紹介することで、経営理論と実践とがどのように影響しあい、進化していくかが本書を通じ読み取れる。紹介されている12冊全て読んではいるが、改めて経営学者・コンサルタント各位の解説で理解を深めることができた。(評価A+)
購入:
「変革の知」(ジャレド・ダイアモンドほか)、「大前研一ビジネスジャーナルNo.1~No.3」

2015年2月8日日曜日

アギーレ監督解任

日本代表のアギーレ監督との契約解除は唐突に発表された。先週末のTVに原専務理事および霜田強化委員長が出演したときの印象では、3日の技術委員会で続投決定というシナリオと思えたが、スペインでの八百長疑惑の動きで事態が一変したという説明だ。しかし、裁判所の告発状受理という事態、は告発された時点で一定想定済みだっただろうから、別の力が働いた可能性は否定できない。今回の決定の問題点は、アジアカップの総括という踏むべきプロセスがどこかへ行ってしまったことだ。毎度の事と言ってしまえばその通りなのだが、メンバー固定、戦術の不徹底(サイドからの崩しが指示通りできなかった事など)、その他にも今回明確になった課題がある筈だ。そこをキッチリ検証しないまま解任というのは今後に禍根を残しかねない。いずれにしても後任を決める必要があり、6日の説明では5人程度の外国人に候補が絞られたということなので、成り行きを見守りたい。

Dukeバスケットボールチームは先々週ノートルダム大に敗戦の後、それまで無敗だったバージニア大にアウェーで土をつけ、現地土曜日にはホームでノートルダム大に90対60の大差で雪辱を果たした。レギュラーシーズンも残り8試合。ここからは永遠のライバルUNCとの2戦くらいしかランキング上位校との戦いはないので、取りこぼすことなくバージニア大を追いかけて欲しい。

読了:
「カール教授のビジネス集中講義 経営戦略」(平野敦士カール)

  • 戦略論の歴史、戦略的思考の解説から始まり、全社戦略・事業戦略・機能別戦略まで戦略論の「古典」から最新理論までをコンパクトに繙いている。かなりの参考図書は読了しているので新しい発見はなかったが、字引きとしては「経営戦略全史」よりコンパクトなので使いやすいかもしれない。(評価A)

「本質思考」(平井孝志)

  • 著者は自らがMITで学んだシステムダイナミクスをベースに、思考のくせを自覚し、本質から考える習慣を身につけるべきと説く。先日も会社で感じたのだが、問題の裏返しで解決策を考えている事は確かに多い。「モデル」と「ダイナミズム」で本質を捉えるというフレームワーク、さらにレイヤーを考えるというフレームワークは日ごろから心掛ける必要がある。(評価A)

「第二次世界大戦 陰の主役」(ポール・ケネディ)

  • 「大国の興亡」の著者であるケネディ教授が、第二次世界大戦における5つの戦略テーマ(輸送船団の保護、制空権の掌握、電撃戦への対応、上陸作戦、距離の克服)について連合国・枢軸国それぞれの対応がどのようなものだったか、最終的に連合国が勝利に至る道筋を丁寧に解説している。特に現場がどのように新兵器の機能を改善してきたかという他では見過ごされている視点を取り入れている点で、会社経営にも有効な一冊になっている。(評価A+)

2015年1月31日土曜日

盛り上がらない週末・・・

サッカー日本代表に続き、全豪オープンの錦織も準々決勝で敗退。Dukeのバスケットボールも、コーチKの1,000勝達成のあとノートルダムに敗れ、更に選手1名が学業不振でチームを去った(アメリカの大学スポーツでは今でも文武の両立が求められている)というイマイチの状態。個人的には盛り上がらない週末を迎えた。

思い切って椅子を買い替え、金曜日に配送された。座り心地が非常に良い。もっと早く買えば良かった・・・

読了:
「ハイパフォーマー彼らの法則」(相原孝夫)

  • 人事コンサルタントとして豊富な経験を有する著者が、ハイパフォーマーへのインタビューを通じて得た知見から成功法則をまとめた。「失敗から学ぶ」、「小さな行動を続ける」、「身近な人を支援し成功を助ける」、「たまたまの成果を喜ばない」、「環境が変わっても瞬時に溶け込む」という行動もさることながら、これらが好循環を呼ぶ(これができないと悪循環に陥る)というメカニズムが興味深い。(評価A)

「格差と民主主義」(ロバート・ライシュ)

  • かつてクリントン政権で労働長官だった著者が2012年の大統領選を前に、共和党をけん引する逆進勢力が如何にアメリカに悪影響を及ぼしているか、その問題点を明らかにしている。格差の拡大、中間層の購買力低下、政治権力の上への移行、税収の減少、政府予算の圧縮、競争の激化、政治の無力化という著者が指摘する7つの問題は確かにアメリカでは問題だろう。しかしながら、日本ではむしろ少し逆進した方が経済の活性化につながるのではないか。(評価A-)

「時間資本主義の到来」(松岡真宏)

  • テクノロジーの発達はすきま時間の使い方を変え、公私の区分を曖昧にしていく。かつて”Blur"という本でも取り上げられていたテーマだが、本書は時間価値という物差しを取り入れてそうした変化の全体像と、そこに生まれる新たなビジネスの可能性を説明している。プライベートとパブリックの使い分けが上手い人が勝つという示唆は納得できる。(評価A-)

「人と企業はどこで間違えるのか?」(ジョン・ブルックス)

  • オマハの賢人バフェットがビル・ゲイツに「最高のビジネス書」と推奨したという一冊。オリジナルから2つのエピソードが除かれ、10のストーリーが展開されるが、時代背景を抜きにして、反面教師を含むビジネスの在り様、リーダーの姿が描かれている。コミュニケーションの問題、ビジネス倫理など日本でも十分学ぶべきところがある。(評価A)


購入:
「救国の政治家 亡国の政治家」(中西輝政)、「マネジメントの名著を読む」(日本経済新聞社編)、「ゲーム・チェンジャーの競争戦略」(内田和成)、「オートメーション・バカ」(ニコラス・G・カー)、「知のトップランナー149人の美しいセオリー」(ジョン・ブロックマン編)

2015年1月24日土曜日

アジアカップ準々決勝敗退

アジアカップ日本代表は準々決勝でUAEと対戦。35本のシュートを放ったが柴崎の1点にとどまり、PK戦では本田と香川が外して敗退した。過去のアジア大会でも準々決勝は鬼門。イラクに快勝した2000年の時でさえ先制を許していた。今回も前半早い段階での失点が結局最後まで効いてしまった。結果論だが、前回心配したようにグループリーグ突破がイラク戦で決められなかったツケが回ってきたカタチだ。

今大会、日本の「ノルマ」は最低ベスト4だったと個人的には思うので、監督交代も含め問題点を総括すべきだ。勿論選手選考も重要なポイントになる。確かにアギーレの采配は良かったと思うし、ホーム&アウェーのW杯予選では今回のような事にはならないだろうから、きちんと総括した上での続投は選択肢として現実的だろうが、一方で八百長問題で告発状が受理されたことで今後制約が出ることは忘れてはならない。そうしたステップを踏まないうちに出された大仁会長の「アギーレ続投宣言」は協会の事勿れ体質を現わしており、批判されるべきだと考える。

F.マリノスの新体制発表会をネット中継で見た。社長のプレゼンでやろうとしている事は理解できたが、それならば何故FWという最後のピースの補強をしなかったのか、という疑問が残った。一番のサプライズがゴールドのアウェーユニフォームというのはさびしい限りだ。モンバエルツは現有戦力を見てどう考えるだろう?

Dukeバスケットボールはルイビル大のアウェー戦で連敗を止め、シャシェフスキーコーチ(コーチK)の通算勝利数も999に伸ばした。現地日曜日マジソン・スクエア・ガーデンでのSt. John's戦で大記録が誕生することを期待する。ディフェンスが機能するようになったので、31日のバージニア大との一戦が楽しみになってきた。

読了:
「地球進化46億年の物語」(ロバート・ヘイゼン)

  • 地球が誕生してから今日まで46億年、そもそも地球はどのように生まれたのか、月がどのようにできたのか、生命の誕生・進化、その間地球にどんなドラマがあったのか、更にはこの先どんな事が待ち受けているのか。46億年に亘る「歴史」が様々な科学分野の最新理論をベースに語られている。ここまで解明してきた人類の叡智の素晴らしさも実感できる1冊。(評価A+)

「信頼マネジメント」(スティーブン・M・R・コヴィー、グレッグ・リンク、レベッカ・R・メリル)

  • 「7つの習慣」を著したコヴィー博士の息子である著者が、スマート・トラストというコンセプトにより盲目的信頼や不信からいかに脱するのか、それがビジネスにどうポジティブな影響を及ぼすか、様々な実例を基に説いている。1)信頼がもたらす効果を信じる、2)まずは自分から始める、3)自分の意図を明確にし、他者の意図を好意的に捉える、4)やると言ったことを実行する、5)自分から率先して他者に信頼を与えるという5つの行動、また信頼性向と分析力という考え方は実践したい。(評価A)


購入:
「21世紀の資本」(トマ・ピケティ)、「トマ・ピケティの新・資本論」(トマ・ピケティ)、「人と企業はどこで間違えるのか?」(ジョン・ブルックス)、「カール教授のビジネス集中講義 経営戦略」(平野敦士カール)。「世界はシステムで動く」(ドネラ・H・メドウズ)、「本質思考」(平野孝志)、「失敗は『そこ』からはじまる」(フランチェスカーノ・ジーノ)

2015年1月17日土曜日

パレスチナ・イラクに連勝 So far so good?

アジアカップ予選グループD組、日本代表はパレスチナ(4対0)・イラク(1対0)に連勝し、予定通り首位に立った。残るヨルダンも侮れないが、ブラジルW杯予選でホームとはいえ6対0で勝っている相手に負けるわけにはいかない。2試合無失点の守備は安定感があるが、攻撃は相変わらず最後で決めきれていない。カタチは作れるようになっているので、次はもう少し行けるでしょう。

今後へ向けての心配は先発メンバーが固定されている事。準々決勝は中2日と日程が厳しいし、UAEもしくはイラン相手では延長戦にもつれることも想定しなければならない。ヨルダン戦を如何に「楽して」勝ちきるかが鍵だ。

F.マリノスは土曜日夕方まで新入団選手の発表なし、新体制発表会でのサプライズはあるのだろうか?まさか欧州の移籍期限ギリギリで大物助っ人の移籍発表なんてことになるのか?まあ期待しないで日曜日の発表を待つことにしよう。

Duke Basketballはここにきてまさかの連敗。ディフェンスが機能しなくなっている。次も強豪ルイビル大。しばらく忍耐の日々か?ここで踏ん張れれば一皮むけて、シーズン後半には更に良いチームになれると期待する。

読了:
「なぜ大国は衰退するのか」(グレン・ハバード、ティム・ケイン)

  • 「国家はなぜ衰退するのか」では政治経済体制が国家の繁栄に如何に影響するかが説明されているが、本書はローマ帝国から始まり現代の日本、ヨーロッパ、カリフォルニア州まで、衰退の原因を権威の中央集権化、個人の自由の後退、創造的破壊を妨げるレントシーキング集団の強大化などで説明している。「アメリカが衰退しないためにどうするのか」という視点で描かれている点を割り引く必要があるが、本書における日本の衰退に関する説明は的を射ている。(評価A)

「使える経営学」(杉野幹人)

  • 「経営学は使えない」という”通説”に対し、「経営持論」のアンラーニングを行い、新たな環境下での適切な経営判断を行うために経営学が使える、と著者は反論している。引用されている経営理論は最新のものもあり、「世界の経営学者はいま何を考えているのか」にも通じるところがあるが、本書の方がより現場の実践に即したものだ。思ったより使える。(評価A)

「宇宙を創る実験」(村山斉 編著)

  • 日本(北上山地)への誘致計画が進む国際リニアコライダー(ILC)について、ヒッグス粒子を発見したCERNにある円形加速器(LHC)との違い、宇宙創造の謎に迫るため期待されている役割、更には日本の研究者・企業がいかに大きな貢献を果たしているかが多面的に説明されている。「日本の実力」に希望が持てるという意味で元気が出る一冊。(評価A)

2015年1月10日土曜日

アジアカップ開幕

アジアカップが開幕した。開幕戦で地元オーストラリアはクウェートに4対1で快勝、良いスタートを決めた。日本の初戦は12日(月)のパレスチナ戦。前回の初戦(対ヨルダン)はしまりのない試合で、終了間際の吉田のヘッドでやっとドローに持ち込んだ。結果的にはこの試合で目が覚めて、優勝まで上り詰めたのだが、今回はどうだろう?10人の前回経験者が同じ轍を踏まないよう引き締めてくれると信じたい。

新体制発表会まで1週間だが、F.マリノスから新戦力獲得の発表は未だにない。サプライズ演出でも狙っているのだろうか?

読了:
「東京ブラックアウト」(若杉冽)

  • 前作「原発ホワイトアウト」で原発の安全対策に問題があることを指摘した現役官僚が、今度は原発事故発生時の避難対応策がいかにいい加減なものか小説のカタチをとって内部告発している。既得権保護の岩盤規制や役所間の縄張りなど日本の問題点を再認識させられた。東京オリンピック開催中止という本書の結末もあながち絵空事に思えなくなってくる。(評価A)
「ケインズの逆襲 ハイエクの慧眼」(松尾匡)
  • 「リスク・決定・責任の一致が必要」、「予想は大事」というプリンシプルを通じて見ると、新自由主義推進の側も反対の側も共にハイエクの主張を誤解している、という著者の主張には肯かされるところがある。ここにきてのケインズの復権についても同様。アベノミクスの2本の矢(金融緩和と公共投資)が前政権から出てこなかったというのが、日本の政官界のレベルを示している。(評価A)
「国家経営の本質」(戸部良一、寺本義也、野中郁次郎 編著)
  • 「失敗の本質」、「戦略の本質」という2冊で戦時の戦略のありかたを説いてきた研究者が、今回は1980年代~90年代初めに各国を率いた6人の政治家(サッチャー、レーガン、中曽根康弘、コール、ゴルバチョフ、鄧小平)の業績と問題点をレビューし、国家経営の在り方を明らかにしている。「理想主義的プラグマティズム」と「歴史的構想力」とに集約されたリーダーシップの方法論で見ると現在の国家リーダー(本書で取り上げた人物の後継者)が小粒に見える。(評価A+)
「エッセンシャル思考」(グレッグ・マキューン)
  • 「全てをやらなくては」という受け身のパラダイムから「大事なことに集中しよう」という能動的なパラダイムへの転換こそが著者のいうエッセンシャル思考の本質だろう。本書を読みながら自分自身の仕事の仕方を振り返ると、「大事なことだけやる」という段階にはまだまだ遠いことを実感した。(評価A+)
「賢者の戦略」(手嶋龍一、佐藤優)
  • 「インテリジェンス業界の両巨頭」による対論第三弾。今回はウクライナ、イスラム国、東アジア、そして集団的自衛権がトピックとして取り上げられている。いずれの章も日本のマスコミだけからは知りえないインテリジェンスに溢れている。ウクライナもイスラム国も発端が第一次世界大戦にあるという事を知り、「歴史から学ぶ」ことの重要さを痛感させられた。また、日本の現政権の危うさも再認識した。(評価A+)
「ザ・ファーストマイル」(スコット・D・アンソニー)
  • クレイトン・クリステンセンとイノサイトを経営し、共著者でもあるアンソニー氏が、過去イノセント社でのコンサルティング経験を通じ、いかに新事業スタートの第一歩が難しいものか、どうやって乗り越えるのかを解き明かしている。自社のツールだけでなく、ビジネスモデルキャンバスの活用、ファイナンシャルプランへの過度な依存への戒め、など起業家でなくとも有用な示唆がある。(評価A)

2015年1月2日金曜日

俊輔が今年もやってくれました

謹賀新年

今年の元日は天皇杯決勝がない異例の一日。ただ、F.マリノスのサポーターは今年も俊輔に注目したはず。2012年の走行中のバスへの「ゴール」が今年再現された。今回は軽トラックの屋台の窓に、25メーターの距離から(編集がなければ)4球目で見事に放り込んで見せた。しかも新たな障害物が設置された直後に決めたのはアッパレでしょう。今年のリーグ使用球に初めて触れたにも関わらず、感覚のズレをすぐに修正した能力は頼もしい限りだ。良いものを見せてもらいました。

Duke Footballは暮のサン・ボウルでランキング15位のアリゾナ州立に惜敗。今回もボウルゲーム勝利とはならなかった。しかし、かつてと比べ格段に強いチームになってきているので、(ちょっと早いが)今年も期待したい。

一方のバスケットボールは全勝でACC (Atlantic Coast Conference) 開幕を迎える。引き続きOkafor, Jones、Winslowの一年生トリオに加え4年生のCookが健在だ。5年ぶりのFinal 4更に全米チャンピオンに期待は高まる。

読了:
「アレックスという女」(ピエール・ルメートル)

  • 昨年の各種ミステリーランキング全てでNo.1にランクされただけの事はあった。パリの市内で発生した若い女の誘拐事件。解決にあたるのは自らの妻がかつて誘拐殺人の犠牲者となった警部。途中で被疑者が自殺したことで俄かに難事件の度合いを高めた事件はやがて悲しい真相へとつながっていく。警察のチーム一人一人のキャラが濃く、またこのチームの物語を読んでみたいと思った。(評価A+)
「夢をかなえるゾウ3」(水野敬也)
  • 前2作以上にギャグのさえ?も含めパワーアップしたガネーシャ様が帰ってきた。今回はシリーズで初めてヒロインとの「同棲生活」を送ることになる。釈迦と貧乏神の個性も際立っていて、今回もあっという間に読めた。人生を送る上での教訓だけでなく、商売のコツについてにもガネーシャ様は彼一流のやり方で教えてくれる。ラストシーンは今シリーズ一番良かった。(評価A+)
ちなみに昨年は一年で185冊読了となった。

購入:
「第二次世界大戦 影の主役」(ポール・ケネディ)、「時間資本主義の到来」(松岡真宏)、「格差と民主主義」(ロバート・ライシュ)、「ハイパフォーマー 彼らの法則」(相原孝夫)