2014年7月27日日曜日

Godzilla

Godzilla見ました。評判通りの面白さ。1954年オリジナル版をRespectしているというスタッフが手掛けただけあって、当時の水爆実験の映像に背びれが映っているというスタートをはじめ至る所にゴジラっぽさが満載だった。ローランド・エメリッヒ版が酷過ぎたせいかもしれないが、何倍も良いできで、エンディングから続編の制作意欲も感じられた。

F.マリノスはミッドウィークのヴィッセル戦で1対1の引き分け。ドゥトラのホーム最終戦ということで、どうしても勝ちたいところだったが、後半線続けたもののゴールが遠かった。勝ち点差で8位に浮上したものの、首位レッズとは勝ち点差が更に開いてしまった。再開後3試合で得点は5点取っているが、いずれの試合も先制点を献上しているのが気になる。決定力を嘆くより、ここを修正するのがマリノスっぽいのではないだろうか。今晩はアウェーでグランパスだ。

代表監督がハビエル・アギーレ氏に決まった。ブラジルW杯では、ザッケローニ時代の後半再三指摘されていた守備の弱さが放置され、結局根本から修正されないまま本番を迎え、予選敗退という結果になった。堅守速攻が得意というアギーレ氏には、強豪とやっても簡単に点を与えないような守備の構築から入って欲しい。初戦からウルグアイ、ベネズエラと日本が苦手としてきた南米勢との対戦になるが、結果に一喜一憂するのではなく、1月のアジアカップや更にその先を見据え、どんなメンバーを選び、どのようなサッカーを目指すのかを見ていきたい。

読了:
「イノベーションの最終解」(クレイトン・M・クリステンセン、スコット・D・アンソニー、エリック・A・ロス)
  • 2004年に刊行された"Seeing What's Next"の日本語訳。かつて「明日は誰のものか」というタイトルで出ていたが、翔泳社の手で改めて訳されたことで、「イノベーションのジレンマ」など他の日本語訳と整合が取れたものになっている。内容はDestructive Innovation"がどこでどのように起こるかを分析するための理論。初版から10年経過しているので、教育など著者が取り上げた業界で予言が現実のものとなっていることが分かる。(評価A)
「はじめる戦略」(ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)
  • 「リバース・イノベーション」などの著者が、イノベーションを実行するためにマネジメントは如何に対応すべきか寓話の形式で説明したもの。ジョージ・オーウェルの「アニマル・ファーム」とジョン・コッタ―の「カモメになったペンギン」を参照にしているというが、その通り分かり易いものになっている。既存事業担当部門と新規事業担当部門をどう折り合わせるか、日本企業がイノベーションをモノにできない一つの問題であり、参考とすべき企業は多いのではないか。(評価A)
「プロフェッショナル・ファシリテーター」(ラリー・ドレスラー)
  • ファシリテーションのノウハウではなく、ファシリテーターが守るべき心構えを説いている点でユニーク。著者自身の経験(多くは失敗例)から学んだ教訓を正直に語っている所は共感が持てる。しかし、内容がミーティングのファシリテーションが中心となっているので、プロジェクト・ファシリテーションでどこまで活用できるかは疑問。(評価B)
購入:
「資本主義の終焉と歴史の危機」(水野和夫)、「海賊と呼ばれた男」(上)(下)(百田直樹)、「『レジリエンス』の鍛え方」(久世浩司)、「知の訓練」(原武史)、「エネルギー問題入門」(リチャード・ムラー)、「難題解決の達人たち」(カール・オノレイ)

2014年7月19日土曜日

J1再開

F.マリノスは15日のサンフレッチェ戦で逆転勝利、9位に浮上した。ACLの関係で未消化となっていたゲームはロスタイムの齋藤と伊藤のゴールで勝ち点3を獲得できた。齋藤のゴールはJ・ロドリゲスのようなワントラップ→反転→シュートで、W杯の鬱憤を晴らすようなものだったし、引き分けで良しとせず、栗原を上げてパワープレーを仕掛けたことが伊藤の決勝点につながった。

19日のセレッソ戦も柿谷・南野抜きの相手に先制点を許す展開。一時は齋藤の2戦連続ゴールで逆転したが、前節と逆でロスタイムにロングボールから同点とされて終了。9位は維持したもののレッズとの勝ち点差は10と開いてしまった。7月はあと2試合中3日でヴィッセル、グランパスと上位対戦が続く。他のチームより厳しいスケジュールの中で、昨日のようなモッタイナイ試合をしないようにするには、相変わらず遅すぎる選手交代を改める必要があるだろう。

読了:
「お金と感情と意思決定の白熱教室」(ダン・アリエリー)

  • 我がFuquaの名物教授が遂にNHKに登場。シリコンバレーで行った講義の再録で、内容は過去の著作とオーバーラップするが、改めて人間はそれほど合理的でない生き物だということを理解した。本書を入門書として行動経済学を勉強するというのがおすすめだ。(評価A)

「なぜ『異論』の出ない組織は間違うのか」(宇田左近、黒川清)

  • 元マッキンゼーのコンサルタントで、郵政改革に取り組み、福島原発事故の国会事故調査委員会に参加した著者が経験をベースに説いた組織論。前例主義、年功主義といった日本的な組織文化が、現在において如何に時代遅れで有害であるかが分かる。こうした習慣は官庁や郵政・東電だけでなく所謂大企業に広くしみついている。「オジサン問題」と共に日本の後進性の象徴だ。(評価A)

「選択の法則」(ショーン・エイカー)

  • IQもEQもSQも全てが必要。現実をしっかり見た上でのポジティブ思考が重要だということが説かれている。成功が約束されるか否かは別として、自分に最も価値ある現実を選択することや自分が力を発揮できるXスポットを発見すること、更にノイズを消去し、他者にポジティブな視点をInceptionするというステップは意識する価値がある。(評価A)

「ビジネスモデル分析術2」(望月実、花房幸範、三木孝則)

  • 前作に引き続き、同種の業務を展開するGlobal企業と日本企業とを戦略面、財務面などから対比し分析している。国内で有数の企業であってもGlobalのトップクラスと比べると規模が異なるのは勿論だが、その他の財務指標で見ても勝っている所がほとんどない。今回取り上げられた企業で、唯一世界で勝負できそうなのはソフトバンク1社というのが、日本企業の現実だと改めて感じた。(評価A)


購入:
「プロフェッショナル・ファシリテーター」(ラリー・ドレスラー)、「天下統一」(藤田達生)、「精神論抜きの保守主義」(仲正昌樹)

2014年7月12日土曜日

3度目の決勝 ドイツ対アルゼンチン

ブラジルW杯もいよいよ決勝。開催国を完膚なきまでに叩きのめしたドイツとオランダとの「神経戦」に勝ったアルゼンチンという86年、90年に次ぐ3度目の顔合わせになった。これまでのジンクスからするとアルゼンチンということになるのだが、今回のドイツは南米開催のハンディキャップを乗り越える可能性を持つチームだ。日程的にも有利だし、アルゼンチンは準決勝のような耐える形からメッシの一発という形でしか勝てそうにない。10戦したらドイツが7~8勝というくらいだろうが、そこは一発勝負。果たして結果はどうなるだろう。

F.マリノスは2か月ぶりの実戦。天皇杯でホンダロックFCと戦った。結果は3対0。ベガルタ、アントラーズ、ヴィッセルがGiant Killingされた中、中澤・俊輔らを温存しての勝利は意義がある。15日にはアウェーのサンフレッチェ戦。ここで勢いをつけて逆襲開始だ!

読了:
「法務の技法」(芦原一郎)
  • 普段仕事を一緒にしている著者から「べた褒め」を要求されているが、それを抜きにしても内容のある1冊と評価する。法務という切り口から「小技」のあれこれが紹介されているが、仕事の進め方はどうすべきか、実践的なリスクマネジメントのあり方とは、「困ったちゃん」顧客の対応方法とは、といった観点から整理できるノウハウ集にもなっている。最後に芦原さんの小説家としての才能にも座布団1枚!(評価A+)
「ビジネスゲームセオリー」(御立尚資、柳川範之)
  • 経営戦略とゲーム理論。コンサルタントと東大教授の経済学者とのやり取りを通じ、実際の戦略をゲーム理論ではどのように説明できるか明らかになっている。囚人のジレンマとかナッシュ均衡とかお馴染みの言葉はあるが、1対1の戦いが主として扱われるゲーム理論がどこまで実践に役立つだろうと疑問があったが、1社の行動をどう規定するかという観点でみれば有効だと再認識した。(評価A)
「職場の人間科学」(ベン・ウェイバー)
  • ビッグデータは職場の活性化、生産性向上にも活用できる。人間の行動を測定し、分析することを通じ、非公式な職場内コミュニケーションの重要性が証明できるという著者らのアプローチはアメリカにおいては勿論、日本企業であっても有効だろう。日本企業での勤務経験があるためか、日本企業の事例が多い。(評価A)
「経営参謀」(稲田将人)
  • 前作「戦略参謀」同様に小説の形を通じ、企業改革を阻む「憑き物」とは何か、どう戦うべきかが語られている。本書では加えて購買活動を捉えるRVAPSや、「価格」・「利便性」・「何か楽しいもの」という差別化の3要素といったフレームワークも紹介されているので、B-to-Cマーケティングの観点でも使える内容になっている。(評価A)

2014年7月5日土曜日

準々決勝スタート

日本代表の敗退から1週間余、問題点の総括はどうなったのだろう?新監督人事ばかりが先行していて、今朝は専務理事が離日し、アギーレ氏と交渉すると報道されている。オシム就任ですべてウヤムヤになった8年前とそっくりだ。大目標(2050年までのW杯制覇)を見据え、4年後(ロシアW杯)、6年後(東京オリンピック)、8年後(カタール?W杯)で何を目指すかを描き、そのために必要な人材=監督を選ぶというステップがあるべき姿だ。仮にアギーレ氏になるとしても、W杯予選終了までの契約とし、その段階できちんとあるべき姿とのギャップがないか評価する。そうした進め方ができないと、いつまでたっても強豪の仲間入りはできない。協会は説明責任を果たすべきだ。

W杯は決勝ラウンドに入り、奇しくも予選グループ首位通過の8チームが準々決勝に残った。準々決勝初日はヨーロッパ同士、南米同士の戦いになり、ドイツとブラジルが残った。ブラジルの試合は前半途中から生で見たが、グループリーグとは比べ物にならない激しい戦いだった。勝ち残ったブラジルだが、準決勝はチアゴ・シウバが出場停止、ネイマールも背中を蹴られ腰椎骨折で今後の出場は絶望的だ。残るメンバーが一丸となれるか?

F.マリノスはラフィーニャを獲得。ガンバの時どうだったか思い出せないが、マルキーニョスのようなタイプだろうか。Jを経験している強みを活かしてうまくフィットしてくれるよう期待する。いよいよ来週末の天皇杯から再開だ!


読了:
「天体衝突」(松井孝典)

  • 昨年チェリャビンスクでの隕石落下は人類史上エポックメーキングな出来事だったという。恐竜の絶滅が天体衝突によるものとされるが、最近の学説ではそもそも地球に生命が誕生すること自体に天体衝突が関わっているらしい。世界中の人がビデオを通じ目撃したチェリャビンスクの隕石を研究することで、更に多くの進展がみられることを予感させる。(評価A)

「生命誕生」(中沢弘基)

  • 著者は生命の宇宙起源論に関わる問題を指摘し、科学的な実験を通して地球起源で生命が誕生することを証明しようとする。海から誕生したという通説を否定し、地下で発生したという立場からアミノ酸生成まで成功している。生命の起源ではないとする説においても天体衝突が重要な役割を果たしていることが面白かった。(評価A)

「なぜローカル経済から日本は甦るのか」(冨山和彦)

  • グローバル経済に直接かかわる企業が一部で、大多数の企業(主としてサービス業)はローカル経済の中で存在している。これら2つの経済モデル(GとL)を明確に区別すべきという著者の考え方は通説には反するだろうが、自らバス会社グループを運営する実践に基づいたものであり、一考の価値がある。地方再生を考える上で参考とすべきだろう。(評価A)

「サイエンスの発想法」(上杉志成)

  • 京大教養学部の人気講義の書籍版。アイデア発想法の定石SCAMPER(Substitute, Combine, Adapt, Modify/Magnify/Minify, Put to other uses, Eliminate, Reverse/Rearrange)が具体例と共に紹介されているが、まさにサイエンスの発想法であり、ビジネスにも十分役立つものだ。 人気講義だということが良く理解できた。(評価A)
購入:
「イノベーションの最終解」(クレイトン・M・クリステンセン、スコット・D・アンソニー、エリック・A・ロス)、「はじめる戦略」(ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)、「ビジネスモデル分析術2」(望月実、花房幸範、三木孝則)、「お金と感情と意思決定の白熱教室」(ダン・アリエリー)、「なぜ『異論』のない組織は間違うのか」(宇田左近、黒川清)、「選択の法則」(ショーン・エイカー)