2014年10月26日日曜日

2連勝で定位置から脱出

F.マリノスは先週末のエスパルス戦に続き、ミッドウィークのアルディージャ戦にも勝利。勝ち点43でやっと定位置だった10位から8位へとランクアップした。

前節に続き、降格を逃れようと必死のチームと目標が作れないF.マリノスの対戦だったが、アルディージャ戦ではここのところ深刻な得点不足だったのがウソのような攻撃を見せた。珍しい撃ち合いは俊輔の2アシストで佐藤・藤田が決めて3対2で逆転勝ち。NACKスタジアムでの初勝利というオマケまでついた。今節も下位に低迷するセレッソが相手。しかもここのところ勝てていない「苦手」でもあるが、「平等に」勝ち点3を加えて欲しい。怪我人続出に対応する苦肉の策で兵藤がボランチに入ったことで、攻撃にメリハリがついてきている。フィニッシュも改善の気配があるので、俊輔が直接FKで得点を決められれば賞金圏内確保が可能になってきた。

読了:
「ソロモンの偽証」(4)(宮部みゆき)

  • 学校裁判開始に向け、少しではあるが「真実」が見えてきた。新聞によると文庫版には主人公たちの「その後」が追加されたとのこと。そちらも含め楽しみだ。
「Thinkers 50マネジメント」、「Thinkers 50ストラテジー」(ともにスチュアート・クレイナー、デス・ディアラブ)
  • 世界で最も影響力のある経営学者&経営者を毎年ランキング形式で発表しているThinkers 50(ちなみに2013のランキングはクレイトン・クリステンセンが第一位)が各分野の発展の歴史と最新理論をまとめたシリーズの翻訳。著名な学者(中には日本では知られていない人、例えばHypercompettionのリチャード・ダベニなどもいる)へのインタビューを通じ、著書の裏側が少しではあるが理解できる。Leadershipなど他の本の翻訳も期待する。(評価:ともにA)
「ブランド論」(デービッド・アーカー)
  • ブランド論の第一人者アーカー教授が自らの著書のエッセンスを20のポイントとして纏めた一冊。ブランドをどのように資産化し、顧客にとりRelevantなものと育て、拡張するか、アメリカだけでなく各国企業の実例を交えて解説している。(評価A)
「Zero to One」(ピーター・ティール with ブレイク・マスターズ)
  • 「Pay Palマフィア」と呼ばれ、その後You Tube、テスラ・モーターズなどの企業を立ち上げてきた起業家の中心人物である著者がスタンフォード大学で行った講義録。ゼロからワンを生み出すことに挑戦することの重要性、そのために何が必要か、起業後に注意すべきことなどなどが自身の経験から説かれている。内容は万国共通だ。(評価A)
購入:
「キャズム2」(ジェフリー・ムーア)、「組織が動くシンプルな6つの法則」(ボストン・コンサルティング・グループ イヴ・モリュー、ピーター・トールマン)、「大統領のリーダーシップ」(ジョセフ・S・ナイ)、「フラッシュ・ボーイズ」(マイケル・ルイス)、「経営の失敗学」(菅野寛)、「How Google Works 私たちの働き方とマネジメント」(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル)、「合理的なのに愚かな戦略」(ルディー和子)、「現場論」(遠藤功)、「英エコノミスト誌のいまどき経済学」(サウガト・ダッタ)

2014年10月18日土曜日

ブラジル戦・・・U-19・・・F.マリノス勝つには勝ったが、また1対0

フル代表のブラジル戦は良い所なく、結局ネイマールの引き立て役に終わった。4試合で1勝1分2敗となったことに加え、ブラジル戦で「ベストメンバー」を出さなかった事で、早くもアギーレ批判が始まっている。ブラジル戦の交代カードの切り方を見て、この監督は攻撃の引き出しが少ないのではないか、と不安になったのは事実だ。11月の2試合でも新戦力探しをしているようでは、アジアカップ連覇は厳しい。アジアはそんなに甘くない。

そのアジアでの闘いに参加していたU-19代表は南野の活躍で韓国に勝って希望を繋いだが、準々決勝で北朝鮮にPK戦負け。4大会連続でU-20ワールドカップ出場を逃した。前回書いたことを繰り返すつもりはないが、このまま育成世代が世界大会を逃し続けるようなら、フル代表のW杯連続出場にも早晩黄色信号が付くだろう。サッカー協会が一刻も早く根本的な対策に乗り出さないと手遅れになる。どこまで危機意識を持っているのか?覚悟を示してもらいたいと思うのは私一人ではないはずだ。

F.マリノスは代表ウィークにカップ戦がなかったため2週間ぶりのエスパルス戦となった。結果は藤本のシュートがディフェンダーに当たりコースが変わったというラッキーな1点で、9月23日以来の勝利を挙げた。ただ、シュートが枠にさえ行けば、というシーンがいくつもあり、フラストレーションが解消するような訳にはいかなかった。どんなに精力的にボールをチェイスし、チャンスを作っても、ゴールという結果がなければムダになるのがサッカーです。プロなんだから、もっと正確に蹴れるよう練習しましょう!これで勝ち点が40になったので、まず残留は確実になった。次は賞金圏内を目指しましょう。

読了:
「ハーバード・ビジネス・レビューBEST10論文」(Diamondハーバード・ビジネス・レビュー編集部)

  • クリステンセン、ドラッカー、キム&モボルニュ、コッタ―、ポーター、ミンツバーグ、ハメル&プラハラードなどの執筆陣は確かにBest 10と呼べるメンバーだ。また、全て読んだことのある論文だが、今読み返しても改めて考えさせられた。しかし選ばれている論文は必ずしも「代表作」ではないし、もっとインパクトのある論文集が作れたのではないかと思うと残念だ。(評価A-)
「エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論」(ヘンリー・ミンツバーグ)
  • 上の論文集に掲載された「マネジャーの仕事」から約40年。ミンツバーグは今でもマネジャーの重要性を誰よりも考えているのだ、と本書を読んで感じた。本書ではマネジメントの多様性、マネジャーの抱えるジレンマなどが29人の様々な階層のマネジャーの実例から解説されていて、明日からの役割を考え、実践するのに大いに参考となった。(評価A)


2014年10月11日土曜日

A代表ジャマイカ戦

アギーレに代わって3戦目のジャマイカ戦。日本はオウンゴールの1点どまりだったが新体制での初勝利となった。先月の2戦で4失点と問題のあったディフェンスは、長友の考えられないミス以外は無難な出来。相手が弱かったこともあるが、森重と塩谷のCFに細貝のアンカー、更にGKの西川は合格点だろう。MFでは細貝に加え柴崎が不動の位置を獲得した。香川も後半は良かったが、脳震盪の影響もあってか、決定機を外したのはマイナス。一方FWは全員追試。本田はシュートを打つも判断がイマイチ、岡崎も同様。柿谷は見せ場作れず、このままでは11月は呼ばれないのでは?ブラジル戦にだれが使われるかでアギーレの評価が分かるだろう。

代表ウィーク前のサガン戦を落としたF.マリノスはここしばらく10位のまま。ラフィーニャのケガが長引き一時帰国という中で、5試合でPK1得点どまりの攻撃陣では残り6戦で賞金獲得圏内まで這い上がるのはほぼ不可能だろう。現実的な目標が一試合も早い残留確定とは・・・、何とも情けない・・・

U-19はW杯出場はおろか、アジア予選グループリーグ敗退の危機にある。(先ほど終了した格下のベトナム戦もロスタイムの2得点で辛うじて勝つという状況だった。)この状況はクラブレベルにおけるACL敗退と同様に、近い将来日本サッカーの地盤沈下をもたらしかねない。リーグ戦でアンダー世代の出場枠を設けるなど試合経験を積ませることは勿論だが、精神力の弱さはどうやったら克服できるのだろう?先日ニュースで見たシンクロの井村コーチのような人(=昔いた「鬼コーチ」のように厳しいが、ちゃんと理論を学んでいるし、愛情に溢れている人)が必要なのではないか?「若いからこそ無理をする。100%の力を出すことで満足するのではなく、常に120%を出す。」という教えが、復帰から半年という短い期間で選手たちの体型からして見違えるような逞しさを生んでいた。実際アジア大会では中国に僅差まで迫るという結果にもつながっている。個人スポーツであるが、テニスの錦織圭にとってのマイケル・チャンも同じような存在だ。基礎練習の反復が体力・精神力を鍛え、今やトップ5に手が届く位置まで上がってきた。この先サッカーで世界一を目指すのであれば、A代表だけでなく、アンダー世代からこうしたコーチを、国内にいないのなら海外から呼んできてでも立て直すべきではないのか?

読了:
「不祥事は、誰が起こすのか」(植村修一)

  • 最近の日本企業の不祥事での第三者委員会報告書の記載を基に、それらが起こるメカニズム、特に企業文化に焦点を当てて解説、また、不祥事を予防するためのポイントについて説いている。人間は弱いものである、ということを前提に考える事がいかに大事か。上に立つものほど高い倫理観、インテグリティが求められるのだということを再確認しなければならない。(評価A)

「ビジネスモデル全史」(三谷宏治)

  • 「経営戦略全史」に次ぐ1冊。ビジネスモデルとは何ぞやについての著者の定義を踏まえ、古くはイタリア・メディチ家や三井越後屋から始まり、最近の企業まで、ビジネスモデルがどのように革新してきたかがまとめられている。ビジネスモデルを革新するために必要なリーダーシップ、企業文化などが説かれている最終章は素晴らしい。本書もベスト経営書の有力候補だろう。(評価A+)

「グッドワークス!」(フィリップ・コトラー、デビッド・ヘッセキエル、ナンシー・リー)

  • 昔ながらの寄付から最近よく耳にするコーズ・リレイテッド・マーケティングまで、企業がいかにして社会的責任を果たすのか、アメリカ企業中心に成功事例がどのような点に留意して実践されているか、落とし穴は何かといった点がまとめられた実践ガイド。社会との共存なくしては企業経営が成り立たない時代だということが良く分かる。(評価A)


購入:
「ビジネススクールで身につける会計力と戦略思考力ビジネスモデル編」(大津広一)、「60分で名著快読 クラウゼヴィッツ『戦略論』」(川村康之)、「戦略思考ワークブック【ビジネス編】」(三谷宏治)

2014年10月4日土曜日

不満&不安なアジア大会の結果

アジア大会のサッカーは前回期待した結果を得られなかった。U-21で臨んだ男子は準々決勝で地元韓国に敗れ、また国内組のなでしこは決勝で北朝鮮に完敗し男女とも連覇を逃してしまった。

男子は「リオ五輪予選突破」が目標とはいえ、イラクに勝てず、韓国にも防戦一方では先が思いやられる。特にしばらくU-20W杯出場を逃している中、若手の国際経験のなさが心配だ。予選では「各チーム1名」などど言ってはいられない。協会とリーグは一体になり、勝ち点の補償も含め真剣に考えなければならない。

なでしこの方がまだ希望がある。今回何人かの「若手」は代表として定着可能だということが証明されたのではないか。しかし来年のカナダW杯で連覇を狙うには大儀見や熊谷など海外組がいなければ厳しいということも現実として突きつけられた。ベテラン依存が続くようでは「その先」はない。若手の奮起を期待する。

F.マリノスは今節サガンとのアウェー戦。小椋、齋藤の故障はあるが、俊輔が戻れそうなので、監督交代後苦しんでいるサガンには勝って、取りあえず残留圏内を確保して欲しいところだ。

読了:
「ソロモンの偽証」(3)(宮部みゆき)

  • いよいよ学校内裁判に向けた準備が始まった。まだまだ紆余曲折がありそうだ・・・
「競争戦略」(加藤俊彦)
  • 経営戦略の基本ロジックを明確にし、5フォースモデルを基にして業界構造を分析し大口顧客への依存度を下げる事、「買い手の買い手」のニーズまで把握する必要があることなど、、競争に勝つためにはどこに目をつけるべきかが明快に説かれている。新書ではあるが、内容が濃い一冊。(評価A)
「ハーバード流ソーシャルメディア・プラットフォーム戦略」(ミコワイ・ヤン・ピスコロスキ)
  • Facebook、Twitter、LinkdiInなどのソーシャルメディア自身は勿論、NikeやAmex、ハーバード・ビジネス・レビューなどの企業がソーシャルメディアを如何に自社の戦略に取り込んでいるかについて新たな分析フレームワークが提供されている。これまでの「リアル」の経営戦略をいかに進化させるべきか、一般企業にとっても有効な戦略論だ。タイトルがミスリーディングで本書の価値を下げているのが残念だ。(評価A)
購入:
「Thinkers 50 ストラテジー」(スチュアート・クレイナー、デス・ディアラブ)、「Thinkers 50 マネジメント」(スチュアート・クレイナー、デス・ディアラブ)、「熟断思考」(籠屋邦夫)

その他:
錦織圭の快進撃が続いている。マレーシアの優勝に続き、楽天ジャパンオープンでも決勝進出を決めた。臀部の痛みに耐えながらの闘いなので無理はして欲しくないが、ツアーファイナル出場への正念場なので、来週の上海マスターズまでは頑張って欲しい。