2012年2月25日土曜日

ひとまずノルマ達成!

U22もフル代表も前回ノルマとした「勝利」はクリアした。U22では直前に大津の招集がNGとなったし、試合開始直後はピッチコンディションの悪さに順応できず、「これではマレーシア相手にまた1~2点どまりではないか?」と危惧したが、何とか4点をもぎ取ることができた。扇原と山口のセレッソコンビが良く動いたことが最大の勝因だと思う。シリアが敗れるという「嬉しい誤算」で、最終戦は引き分けでも良くなったが、バーレーンは芽が出たことでモチベーションが高いまま日本にやってくるということを忘れてはならないだろう。また、大迫が出場停止になったトップに誰を置くのかが、鍵になる。相手が守備を固めることを想定すると永井ではなく、杉本?可能なら大津や宇佐美などを招集してベストに近い布陣で臨めるよう協会(原さん)に頑張ってもらいたい。

フル代表も国内組だけでアイスランドに勝ったが、相手のスローインが一番盛り上がったことで、試合内容の乏しさが示されているように思う。ウズベキスタン戦には海外組が入るが、常連ではない乾と宮市に期待したい。こちらも万全の態勢でウズベキスタンに快勝し、3月9日の最終予選での第一シードを確実なものにして欲しい。

もうひとつ、デューク・ブルー・デビルズもフロリダ州立にリベンジし、ACCレギュラーシーズンチャンピオンへの関門をまたひとつクリアした。来週末にはホームでのUNC戦がある。J-Sportsで録画放送するので、しっかり勝って欲しいものだ。

読了:
「グーグル ネット覇者の真実」(スティーブン・レヴィ)
  • Googleに長年密着して取材した内容で、同社が覇者となるまでの軌跡が詳細に描かれている。AppleやFacebookなどにも言えることだが、こうした会社を社会が育てていくアメリカはやはり根っこでは日本と比べ物にならないくらい強靭だと思う。「妬みの文化」、「出る杭が打たれる文化」ではマスコミに叩かれてここまでには成長しなかっただろう。この差は残念ながら縮まりそうにない・・・(評価A)
「グローバルで勝てる組織をつくる7つの鍵」(後藤将史)
  • 本書で描かれているような組織の在り様は、うちのような「外資系」企業では当たり前に存在していて、問題はそうしたグローバルなプラクティスを当てはめられる日本人の人材層が薄いことにある。企業側がいくら形を整えようと、今の日本の教育制度(平均の意味が分からない大学生が多数存在するという恐ろしい記事を見た)からはグローバル人材が多く輩出できるとは思えない。発想を変えて外国人人材を集めるというのであれば話は別だが・・・(評価A-)
「レーガン」(村田晃嗣)
  • 共和党のニュート・ギングリッジ氏が大統領選のCFでレーガンとの関係をアピールしたところ、対立候補から「レーガンは回顧録で2回しか言及していない」といった趣旨の反撃を受けたとニュースで見た。本書を読むとレーガンが如何に人々の心を掴んだのかが良く分かる。ブッシュ親子との関係をはじめ共和党内の人間関係が面白かった。(評価A)
「成熟社会の経済学」(小野善康)
  • 著者は菅政権の経済ブレーンと紹介されていたが、本書を読むと、前政権の経済音痴は必然だったとさえ思う。成熟社会では既存の経済理論と違うことが起きるというのが著者の主張だが、増税で経済成長などというのは「トンデモ経済学」と言われても仕方ないのではないだろうか。今の日本経済の問題点は基本的な経済学に逆らって財政・金融政策を行っているからではないだろうか?日銀が1%の「インフレターゲット」をセットした途端に円が80円台まで戻ったということを著者はどのように説明するのか?(評価C)
購入:
「国家の恥」(上杉隆)、「日本経済の真相」(高橋洋一)、「IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ」(冨山和彦 経営共創基盤)

2012年2月19日日曜日

今週はU22マレーシア戦&フル代表アイスランド戦

U22のマレーシア戦に大津が参戦できるようだ。清武、山崎、山田と攻撃陣に故障者が出ているので、原口とともに大きな役割が期待される。セントラルMFでは扇原を使うことでセットプレーを生かせるかがカギだろう。2位の日本には大量得点での勝利あるのみ。

FIFAのランクが30位に下がったことで、2月の2試合(アイスランド戦とウズベキスタン戦)の持つ意味が変わった。特に今年初戦のアイスランド戦は勝利がMUSTになった。サンガの久保やアントラーズの柴崎といった若手を招集したことが話題になっているが、24日は手堅く結果を残してほしい。ウズベキスタン戦は相手の主力5人が出場停止ということなので、こちらも海外組をきちんと使ってグループ1位を掴まなければならない。たとえ本田、香川がいなくても勝利は最低限の目標だ。そのウズベク戦には宮市が呼ばれたようだ。FAカップで結果を出したので、その勢いでスーパーサブとしての役割を期待したい。

読了:
「君臨する企業の『6つの法則』」(マイケル・A・クスマノ)
  • 主として自動車産業とソフトウェア産業の研究をしてきた著者がStaying Power(原題)のために必要な「法則」を上げている。プラットフォームの重視、戦略とケイパビリティの重視、「柔軟性」の重視などは自動車やソフトウェアだけにとどまらず、汎用的な法則だと思う。日本企業についての考察がしっかりしているのも好印象。(評価A)
「プロフェッショナルの働き方」(高橋俊介)
  • ピラミッド組織を年功序列に従い上っていくというキャリアモデルが崩壊していく中、プロフェッショナルとしてどう自らを成長させるべきかが、内外の企業の働き方をモデルに説かれている。ここにあげられている10の条件は、かなりハードルが高いものである。こうしたことを組織のリーダーが意識しなければ、部下をプロフェッショナル化することは不可能だろう。その意味ではむしろリーダーがしっかり読むべき本のように思う。(評価A)
「ブーメラン」(マイケル・ルイス)
  • 「世紀の空売り」の続編といった感じだが、描かれている危機が未だ進行中であるため、読了後のインパクトはこちらの方がはるかに大きい。最終章のカリフォルニアの悲惨な状況を見ると、「明日は我が身」だと思う。”増税”と聞くとすぐに拒否反応を起こすこの国の民はあまりギリシャと変わらないのではないか?グローバルな世の中だからこそ、欧州危機から賢く学びたいと思う。(評価A)
「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」(Ⅰ、Ⅱ)(リチャード・ムラー)
  • ワールド・トレード・センターが崩壊した理由、炭疽菌テロの状況、チェルノブイリ(そして福島第一原発)における炉心溶融の様子。これらのことが極めて分かり易く説かれている。また、地球温暖化に関する様々な誤解と対策の実現可能性なども良く分かった。一般人向けの科学入門書としては最高の本と言っても過言ではないと思う。非常にためになった。(評価A+)
「アメリカ最優秀教師が教える 相対論&量子論」(スティーヴン・L・マンリー)
  • 多くのイラストを使い、分かり易く説明しようと試みているとは思うが、相対論についても量子論についても中途半端な内容になっているように思う。意外に分かりづらかったというのが正直な感想。もう少し期待していたので残念。(評価B)
購入:
「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」(上杉隆)、「眠れなくなる宇宙の話」(佐藤勝彦)、「ますます眠れなくなる宇宙の話}(佐藤勝彦)


2012年2月12日日曜日

Duke UNCに劇的勝利

デューク大学ブルー・デビルズ バスケットボールチームが劇的な3ポイントシュートで宿敵UNC(ノースカロライナ大学)ターヒールズにアウェーで勝った。Dukeはその前にマイアミ大にまさかの敗戦を喫していたので、この試合を落とすとACCリーグ戦の優勝が消滅するというぐらい追い詰められていた。この試合も終了2分15秒前時点では82対72と10点差をつけられていたので、そこからの大逆転勝利(最後は1年生オースティン・リバースのブザー・ビーターが決まり85対84)は、YouTubeで映像を見ただけで鳥肌ものだった。まだ、UNCとのリマッチ@キャメロンやアウェーでのフロリダ州立大との対戦があり、気を抜けないが、チームがあの試合でまとまると思うので、いい結果を期待したい。

U22がシリアに負けて、グループ2位に後退した。アテネ、北京、ロンドンと3大会連続で「予選4戦目で敗戦し、2位に後退」という結果になった。ただ、これまでと比較すると今回の方が深刻のように思われる。シリアが残り2試合に負けるというのは期待できないし、マレーシアとの最終戦は、仮に日本戦と同様にホームでできなくても、日本戦の結果を踏まえて戦える。加えて日本は海外組の招集が難しいし、Jリーグ各チームも開幕直前・直後の招集には抵抗するだろう。「2軍」と悪口を言われてもアジア大会を制した時のように、「奇跡」を起こせるか、見守りたい。

バルサはオサスナに負けて、リーグ4連覇の可能性は限りなくゼロになった。アウェーで勝てないバルサには金子達仁氏が金曜夜の「Foot」で語ったように、「終わりの始まり」が来たのだろうか・・・

読了:
「略奪大国」(ジェームス・スキナー)
  • アメリカ人だから書けた本ではないか、というのが結論。政府の役割を過小評価しているところもあるかもしれないが、資本主義経済においては「より高いリターンを生むところにしか投資してはいけない」のが当然の帰結であり、そのことからすると日本政府が今のような「社会主義」を続ける限り発展はありえない。(評価A)
「円高の正体」(安達誠司)
  • 為替相場のメカニズムを易しく解説し、現状の円高の問題点を明らかにして、事態を好転させるためには最低28.8兆円のマネタリーバース拡大が必要であることを論理的に明らかにしている。「世界の最先端をいっている」らしい日本銀行はFRBが事実上インフレターゲットを置いたことを「時代遅れ」とするのだろうか?It's Economy, Stupid!と言いたくなる。(評価A)
「突き抜ける人材」(波頭亮、茂木健一郎)
  • 人材面から日本が世界に取り残されている状況を憂う著者2人は、スティーブ・ジョブズの”Stay Hungry. Stay Foolish."の意味するところを彼らなりに明らかにし、「突き抜ける人材」輩出に自ら乗り出そうとしている。同年代の自分としては是非応援したい取組だ。読んでいて意外だったのは、民主党政権、および小沢一郎氏に対する評価の高さだ。(評価A)
「WHYから始めよ!」(サイモン・シネック)
  • WHYを中心にWHATとHOWが周囲を囲む「ゴールデン・サークル」について、コンセプトは理解するが、使われている事例のすべてが本当にWhyから始めているかは若干疑問だった。スティーブ・ジョブズやサム・ウォルトンは確かにWhyをクリアに説明できそうだが、実際のところではWhatが先でWhyを後付していても、ストーリーさえ綺麗であれば成功できるように思う。(評価B)
購入:
「官報複合体」(牧野洋)、「グローバルで勝てる組織うをつくる7つの鍵」(後藤将史)、「レーガン」(村田晃嗣)、「成熟社会の経済学」(小野善康)

2012年2月4日土曜日

麒麟の翼/移籍市場閉まる・・・


先週の土曜日に映画「麒麟の翼」を見たり、TV(「ゴチになります)で「たいめいけん」が紹介されたりしたので、久々に日本橋に行った。思えば30年前、最初に配属されたのも、奥さんと初めて会ったのも日本橋だった。そのビルが近く取り壊されるので、その前に見ることができて良かった。
小説を読むまでは日本橋に麒麟像があり、しかも翼があるなんて知らなかった。行ってみると、流石に「旬」のスポットらしく、多くの人が立ち止まって写真を撮っていた。また、「たいめいけん」ではお客さんがあちこちで「ゴチ」の話をしているのが面白かった。

欧州の移籍市場が閉まり、結局本田の移籍は実現しなかった。宮市はボルトンで出場機会が増えそうなので「○」、宇佐美は完全移籍ならず「☓」、家長は「微妙」というところか。阿部、伊野波は帰国が正解のようだ。いくつかのケースで結局国内残留という結論が出たように、今後もしばらくは経済危機の影響でヨーロッパのリーグへの移籍は厳しい状況になると思う。昨年のような「海外組誕生ラッシュ」は収束するだろう。

読了:
"Great by Choice" (Jim Collins, Morton T. Hansen)
  • "How the Mighty Fall" が日本では「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の5段階」となっているが、研究の手法からはこちらの方が「3」に相応しい。長期にわたる繁栄を成し遂げた企業は「ウサギとカメ」で言えば「カメ」のように身の丈にあった着実な成長をしていること、ディシプリンの重要性など当たり前と思えることをやれる企業しかGreatになれないということが、今更ながら確認できる。 10XerとかSMaCとか本書でも流行りそうなBuzz wordsがあった。(評価A)
「動的平衡2」(福岡伸一)
  • TVのコメンテータとしての著者は、はっきり言って「嫌い」だが、この本は前著同様非常に面白かった。科学(生物学)の最前線がどのようなものかが分かり易く語られている。「利己的な遺伝子」を読んだ直後だったので、「エピジェネティックス」の話などがすんなり入ってきた。(評価A)
「PLUS 世界がわかる」(日本経済新聞社 編)
  • 冒頭の山内昌之氏によるリーダー論が良い。3部作の最後ということで、連載ものが中途半端な形で終わる印象はあるが、このシリーズは「プレミアシリーズ」のPR本として大成功だったのではないか?山崎将司氏の小説といった「意表を突いた」点も買える。(評価A)
「十字軍物語3」(塩野七生)
  • 11世紀末から2世紀に及ぶ十字軍のストーリーが完結した。この間で宗教(法王)と政治(皇帝)との力関係が逆転するという結果は法王庁にとっては極めて皮肉なものだったに違いない。また、本書を読むと、現状の中東問題も更に良く理解できるように思える。もうひとつ言うと、やはり国が如何に繁栄するかは今も昔もリーダー次第ということなのだろう。今は間接的にせよリーダーを選べるだけましなのかもしれない!?(3冊総合で評価A+)
購入:
「ブーメラン」(マイケル・ルイス)、「アメリカ最優秀教師が教える 相対論&量子論」(スティーヴン・L・マンニー)、「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」(Ⅰ、Ⅱ))(リチャード・ムラー)