2016年12月29日木曜日

準決勝の壁は厚かった(0-2アントラーズ)

2016年最後の試合、F.マリノスは天皇杯準決勝アントラーズ戦で0対2で敗戦。3年ぶりの決勝進出とはならなかった。
 前半はマリノスが攻勢をかけ、惜しいチャンスも多かったが、アントラーズの守備は固く、逆に安易なパスミスから柴崎に絶妙なクロスを上げられ土居に決められてしまう。後半18分に俊輔を投入し、FKから金井がゴールを決めたと思われたが、判定はまたもオフサイド。すると再びパスミスから柴崎→遠藤のコンビで追加点を奪われた。終盤に斎藤のシュートなど惜しい場面はあったが、結局マリノスがゴールを上げることはできなかった。
 準々決勝のガンバ戦と今回のアントラーズ戦では今季リーグ戦の消極的・斎藤&マルティノスのスピード頼りとは異なり積極的でしっかり組み立てる場面が増えてきた。また、俊輔は短い時間ながら「モノが違う」プレーを見せた。しかしながら内容は良いがやはりプロは結果が伴わなければ評価されない。なぜ準決勝の壁を破れないのか?最後のシュートチャンスで決めきるために何が必要なのか?アントラーズとの差は何か?等々。富樫・前田・天野・新井といった面々には多くの課題が見えた試合だったろう。俊輔や学の去就が依然不透明な中、来シーズン主力として更に飛躍するためにそうした課題をしっかり克服して欲しい。

読了:
「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)

  • 人間(ホモ・サピエンス)は如何にして地球を支配するに至ったのか。本書は単なる歴史書を遥かに超えて生物学・政治学・経済学様々な観点からこの問いに答えている。更にサピエンスは今後どこに向かおうとしているのかと読者に問いかける。極めて内容が濃い1冊。(評価A+)

2016年12月25日日曜日

ホーム最終戦を劇的な勝利で飾る(天皇杯準々決勝 ガンバ戦)

天皇杯準々決勝。F.マリノスは今季5回目のガンバ戦。1勝3分けと負けてはいないが、ルヴァンカップで「アウェーゴール差での敗退」の借りを返したい1戦。マリノスのスタメンでは新井がボンバーと組んでCBに入り、喜田がアンカー気味のポジションで天野・前田・斎藤・マルティノスが中盤を形成、トップには富樫が入る。サブにFWはなし、ただ俊輔が久々にベンチ入りした。

試合開始早々に前田がゴール前に迫り、いつになく良い入り方をしたマリノスのペースと言っていい前半。斎藤のボレーなど枠内シュートもあり、得点できそうだったが、今日は無得点で折り返す。
すると、後半ガンバが攻勢に出てきてマリノスはカウンター狙いになる。一進一退という状況が斎藤のドリブルで動くのは後半15分過ぎ。エリア内で切り返した斎藤をガンバCBがレフェリーの目の前でトリッピング!誰が蹴るのか?と思ったら斎藤が自ら決めて先制する。そのすぐ後にも天野がミドルシュートを決めるが、これはオフサイドで取り消されてしまう。

1対0のまま40分を経過し、待ちに待った俊輔投入直前、CKのこぼれ球から今野に押し込まれて同点にされ、今日も90分での決着はできないのか、と思ったが、アディショナルタイム6分も終わろうとしたとき、天野が今度こそというミドルを突き刺して終了!F.マリノスがアントラーズとの準決勝に進んだ。

あと2試合!大阪で勝ち切って3年ぶりのタイトルを勝ち取って欲しい!

読了:
「人工知能が金融を支配する日」(櫻井豊)

  • AIによって金融機関の「専門職」が置き換わる日が遠くない事がよくわかる。日本の会社は毎度のことながら世界の潮流を様子眺めの状況で、支配的な地位は得られないだろう。(評価A)

2016年12月17日土曜日

天皇杯準々決勝まで1週間

天皇杯へ向けたF.マリノス宮崎キャンプが終わった。榎本・小林・伊藤・パクとケガ人に加え体調不良が続出する状況だったが、木曜日の練習試合では俊輔も後半出場しセットプレーでは「流石」の動きをしたようだ。現時点ではまだ先発する可能性は少ないと思うが、ここ一番で「違い」を作って準決勝に導いて欲しい。

キャンプ中は移籍情報も休みかと思っていたが、サンフレッチェが伊藤にオファーしたとのニュースが入ってきた。年末まで時間が限られている中、そろそろ動きが確定してくるだろう。

FCWCではアントラーズが見事決勝進出を果たした。準決勝は押される展開だったが、決めるべき時にしっかり決める力を持っているところがマリノスとの大きな差になっている。この大会で少なくとも4億円の賞金を手にしたアントラーズは更に選手補強に努めるという。今ですらサッカーの質で負けているのに、このままでは追いつくのがさらに困難になる・・・

購入:
「人工知能が金融を支配する日」(櫻井豊)

2016年12月10日土曜日

天皇杯チケット購入&年間チケット更新

相変わらずネガティブなニュースの多いF.マリノス。水曜日の練習で見当たらなかったファビオの一時帰国で驚かされ、(同じく練習のミニゲームで軽快に動いていた)俊輔の契約がらみでの統括本部長の発言と当の俊輔の「聞いてないよ」に「またか!」とあきれかえり、Kリーグ得点王や扇原、更には泉澤が獲得ターゲットになっているというニュースに「何がしたいのだろう?」と首を傾げたりとついつい反応してしまった。そうそう、1月に行われるタイでの試合にJチャンピオンのアントラーズと共にマリノスが出場するという話もあったな。。。

まだまだ先が不透明な状況ではあるが、天皇杯準々決勝のチケットを購入し、先延ばしにしていた年間チケット更新の手続きもした。まずは宮崎キャンプでしっかり練習してガンバとの最終決戦に臨んでもらいたい。来シーズンのことは・・・今は考えすぎないようにしよう・・・

読了:
「サファイヤ」、「高校入試」、「Nのために」(湊かなえ)

購入:
「インターネットの次に来るもの」(ケヴィン・ケリー)、「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)、「進化は万能である」(マット・リドラー)、「いま世界の哲学者が考えていること」(岡本裕一朗)、「ビッグ・ピボット」(アンドリュー・S・ウィンストン)

2016年12月5日月曜日

カナロコの記事の感想・・・

カナロコの記事をYahoo Newsで読んだ。サポーターの視点から見たクラブの問題点がどの記事より一番きちんとまとめられている。CFGとの提携が決まった時、少なくとも私は先々大きなプラスをもたらすものと期待した。しかしながら、現状を見るとマイナスの影響ばかりクローズアップされている。

20年近く外資系企業で働いてきた経験からすると、問題の根幹は日本サイドに明確な戦略がないか、あってもそれを適切にシェアできていないことにあると思う。一般的な認識とは逆に、多くの「ちゃんとした」グローバル企業の本社は現地のやりたいことを尊重するし、成功できるようサポートしたいと考えている。こちら側がきちんとロードマップを示し、(ここは難しいところだが、)理路整然と伝達することができれば日本サイドのやりたいことを実行することは可能だ。説明しても「何を言っているのかわからない→本社の言うことを聞け」となるのは、日本側の能力が不足していてロジックが破綻しているためだ。

もう一つ。マリノスサポーターへの批判のロジックである「海外のチームがドライ」だというのも必ずしも正しくはない。ローマのトッティ、ユベントスのデル・ピエロ、マンUのギグス、バルサのプジョルといった面々はクラブのレジェンドとしてリスペクトされ、特に後者2人は最後までチームにとどまったままキャリアを終えている。俊輔とボンバーはマリノスに彼らと同等の貢献をしていると多くのサポーターは考えているのだ。これも、クラブの戦略と同様「話せば分かる」レベルの話だろう。

今年初めの就任時、「社長のプロ」だと高らかに自らを称した人であれば、私の戯言など百も承知だろう。是非とも常にトップ3入りできるチーム、ファン・サポーターに愛されるチームを作るための戦略およびロードマップを明らかにして欲しい。

2016年12月4日日曜日

CSが終わり、益々にぎやかになるオフシーズン・・・

J1リーグのチャンピオンシップ(CS)決勝はアントラーズの勝利で終了した。レギュラーシーズンで勝ち点差15あったレッズは、第一戦アウェーでの勝利に加え先制点という2つのアドバンテージを生かせなかった。ここ一番に勝ち切れないのは監督の問題なのだろう。ただ、こうした場に出られることすら望めないF.マリノスの現状を見ると羨ましいばかりだ。

そのレッズが榎本にオファーを出したことがまたまた報道された。更にアビスパが栗原にオファーしたことも明らかになった。カイケは事実上の戦力外通告だし、ファビオの退団も決定的?とされる。レンタル中の選手(北谷以外)はどうなるのか?その他選手の契約更改状況はどうなのか???天皇杯の士気にかかわるのは理解しつつも、そろそろ何かオープンにできないのだろうか?

Duke Blue Devilsはここまで8勝1敗。Maine大との試合で2人のFreshmen、TatumとBoldenがケガから復帰、待望のデビューを果たした。Gilesはまだ回復途上だが、6-7人でRotationをせざるを得なかった緊急事態は脱した。6度目のNCAAタイトルに向け突き進んでほしい。


2016年11月22日火曜日

火に油!?

モンバエルツ監督の続投が正式決定したが、F.マリノスのゴタゴタは収まる気配を見せていない。報道によると社長および統括本部長が練習後の選手に続投を説明したところ、選手から反発をうけたという。以下報道から気になった点を列挙する:

  • 成績が下がったチームなのに監督の年棒が上がった
  • 契約解除されたスタッフの挨拶に対し、ねぎらいの言葉もなく練習を開始した
  • 来シーズンの目標・戦い方について質問されしどろもどろになった
  • あやふやな状況のままミーティングは打ち切られた
  • 俊輔について聞かれた監督が、「彼にとってよりよい状況・環境を願っています」と発言した
  • 報道陣への対応を広報に「丸投げ」した
もし、これらが言われている通りなら、監督・フロントに対する選手の反発は当然だろう。また、最後の一つは多くのファン・サポーターから「移籍容認」と解釈され反発を受けるだろう。

マネジメントに携わる者は誰も、時には自分の意に反する決定を受け入れざるを得ない事がある。また、その判断の背景を言えない事もある。それでも前へ進まなければいけないのであれば、思う通りの結果が得られない時は自らの地位を辞する覚悟を持ち、誠意を尽くしてチームメンバーと話すしかない。また、第三者(マスコミなど)から不正確な事実が回りまわってチームメンバーに届く事態は避けるにはトップ自らが自分の言葉で話すのが「常識」だ。残念ながら今回のマリノスの監督・フロントのコミュニケーションでは事態を却って悪化させるだけだ。

同じ事がファン・サポーターとのコミュニケーションについても言える。監督続投発表における社長のコメントには相変わらず「心」が感じられない。「これからもファン・サポーターの皆さま、ホームタウンの皆さまに愛されるクラブを目指し邁進して参ります」とあるが、小林との契約満了発表からの約3週間やっていることは、結果的に全く逆効果になっている。「強いマリノス」どころか「グランパスの次の」降格候補と揶揄される始末だ。

こうした事態を収めることができるのはトップしかいない。「経営のプロ」のお手並みを拝見したい。

2016年11月19日土曜日

サウジアラビア戦勝利はターニングポイント?モンバエルツ続投で新たな火種か?

W杯最終予選。今季最後の試合はB組トップであるサウジアラビアとの対戦。大方の予想通りハリルホジッチ監督は本田・香川・岡崎に代え久保・清武・大迫をスタメンに起用した。
 立ち上がりから日本の出足が良く、サウジに仕事をさせない状況が続くが、シュートを焦る悪癖は変わらずなかなか得点できない。結局前半は終了間際に「疑惑の判定!?」で得たPKを清武が決めた1点のみで終了。
 後半も開始早々は変わらない流れが続いたが、香川が入ったあたりからリズムが悪くなり、サウジが盛り返してきた。それでも左サイドを崩し原口が2点目を決めたことで勝利はほぼ確実と思ったが、やはりこの試合も無失点では終えられなかった。ロスタイムに1点を返され、更にクロスからヘディングシュートを打たれ西川がセーブするという場面まで作られてしまった。結果的にこの失点が効いてグループ首位での折り返しにはならなかった。
 11月の2戦で一層明らかになったのは、従来の主力と遜色ない働きができるメンバー(「ロンドン組」更には「リオ組」)が揃ってきたこと。これでメンバーの序列が崩れ、チーム全体の底上げが図れるのは間違いない。試合に出られていないメンバーは出場機会を求め移籍を考えるだろうし、新たな「スタメン組」も益々頑張るだろう。監督の采配には「?」のつくところも多いが、アウェーのオーストラリア戦、ホームでのサウジ戦を経てようやく選手が監督のやりたいことを体現できるようになったと思う。来年3月にはUAEとのリベンジマッチが控える。そこには更に逞しくなったサムライがそろうことを期待する。

F.マリノスは今週2人の「リオ世代」SB獲得を発表した。下平の長期離脱と三門の移籍で手薄だったSBは補強ポイントの一つではあった。大卒ルーキーの高野を含め切磋琢磨してマリノスのために頑張ってほしい。さて、次はどんな発表があるのだろう?
・・・という中で監督の続投が決定的という報道が入ってきた。記事を読むとここでも「中澤問題」同様フロントの方針がぶれまくっている様子がうかがわれる。内容が事実なら俊輔の動向が非常に気がかりだ。今のチーム戦術(リトリートした守備からのカウンター一辺倒)は俊輔がやりたいサッカーとは異質だし、ジュビロが良いオファーを出してきた時に「マリノス愛」だけで残留してくれるだろうか?これがはっきりするまで年チケ更新手続きはやらないことにする。改めて書くがフロントはチームの「顧客」が誰かしっかり考えて対応してほしい。シティグループは断じて顧客ではない!

2016年11月12日土曜日

アルビレックスに苦戦もガンバとの準々決勝に進出!(天皇杯4回戦)

金曜日のA代表オマーン戦。15日に控えるサウジアラビアとの大一番へのテストマッチに斎藤が2年半ぶりに出場。他にも大迫・永木と会場だったカシマに縁のある選手が先発した。結果は4対0だったが、出来が良かったと思えたのは大迫と清武ぐらい。斎藤を持ち上げるスポーツ紙もあるが、ボールタッチが今一つの時があったり、周りとの連携だったり、普段リーグ戦を見ている眼からは、正直もっとできたのではないか、と思う。「本番」での注目はこの試合でも出来の悪かった本田が先発で起用されるかどうかだ。

ここ2週間ピッチの外ばかり騒がしかったF.マリノスは天皇杯4回戦でアルビレックスと対戦。所要で生観戦できずダイジェストを見ただけだったが、開始早々から危ない場面を作られ、シュートミスで助かっていた印象だ。内容的には厳しい試合だったが、アディショナルタイムのラストプレーで天野の公式戦初ゴールが決まった。兎にも角にもこれで準々決勝進出。ガンバと今季5度目の最終決戦に臨むことになる。試合会場は今後決まるのだろうが、マリノスがホーム扱いになるので、恐らく日産スタジアムでの開催ではないか。今度こそ決着を付けて3年ぶりの天皇杯制覇を目指そう。(ただし、その前に契約のゴタゴタはきれいに処理して欲しい。)

NCAAバスケットボールのシーズンが始まった。Pre-season Ranking No.1の我がDuke Blue Devilsは初戦を快勝した。期待の1年生3人(皆来年のNBAドラフト上位指名候補)がケガをしていても、今季の選手層の厚さがあればこのくらいは当たり前という強さだ。来週早速No.2にランクされるKansas大との試合がある。「飛車角落ち」のチーム状態でどこまでできる楽しみだ。

2016年11月11日金曜日

スポーツチームにとっての「顧客第一主義」とは

シーズン終了直前から始まった一連の報道に対し、F.マリノスHPに社長声明が掲載された。内容に注目すべきところはないし、明日のアルビレックス戦を前に「付け焼刃」的に出した印象を持たざるを得ない。

今回の件については、6年前の教訓が組織として継承されていなかったことが本質ではないかと考える。最終節を前にして突然HPに背景説明のないまま「小林と契約更新せず」と出たり、ベテラン3選手に紙一枚で減俸が通告されたと報道されたりすれば、ファン・サポーターがどういう反応を起こすか予測できなければ会社経営としては失格だ。

チームにとって出資者・スポンサーは大事だということに異論はない、スポーツクラブにとっての「顧客」とは誰かと考えるとき、それはファンであり、サポーターだ。経営陣が「顧客第一」と考えるのであれば、日常からもっとファン・サポーターと向き合い、Voice of Customer(VoC:顧客の声)を拾い上げていくべきだ。そうした努力が不足していたことが今回のドタバタだの本質と思う。大多数のF.マリノスサポーターは、いくら優勝争いをしても契約のもつれから俊輔や中澤が去ったチームには満足感を覚えないだろう。これが代表的なVoCのはずだ。チーム経営陣にはそのあたりをしっかり理解してほしいと考える。

2016年11月5日土曜日

早くも嵐が吹き荒れる。

小林との契約終了に続き、中澤・俊輔・栗原へ大幅減俸提示とのニュースが伝わってきた。今シーズンの貢献度を考えて俊輔と栗原に減額提示がされるのは一定理解できるが、中澤に対する提示には首をかしげざるを得ない。「外へ行ってくれという意味なのか!」というボンバーの怒りは尤もだ。そんな中、俊輔にはジュビロが獲得の意思を示し、今朝はレッズが榎本獲得検討とも報道されている。ファビオの移籍は決定済みのようだし、斎藤の去就も不透明になっている。レギュラークラスのこれだけのメンバーが動揺する事態は異常だ。この状況下それでも天皇杯優勝を目指せとは言いづらくなってしまった。

若手が成長したことは確かにチームの将来を考えるとプラスだが、来シーズン優勝争いに絡むことを目標にするのなら戦略は異なるだろう。前回書いたように、今年出てきた若手の何人がJ1上位チーム(レッズ・フロンターレ・アントラーズなど)との対戦で機能しただろうか?最終節の状況を見ると甚だ心許ない。やはりチームの骨格には確実なパフォーマンスを期待できるベテラン・中堅を据えて戦うのが常道だろう。

フロントは現場としっかり意思疎通しているのだろうか?マツの時のドタバタ劇を繰り返すつもりなのか?闘莉王を切って最終的に降格したグランパスの迷走から学ぶべきところは大きいはずだ。

この先どうなってしまうのだろうか???



2016年11月3日木曜日

13勝12分9敗でシーズン終了(レッズ戦)

11月3日J1リーグ最終戦が行われ、F.マリノスは年間王者がかかるレッズとアウェーで対戦した。試合前日にまさかの小林退団決定のニュースが流れたことで、何となく暗い気持ちでのTV観戦が始まった。スタメンはトップ下に兵藤、天野がボランチで、事前に伝わっていた4-3-3には見えなかったが、それは一方的にレッズがボールを支配する展開だったからだろう。マリノスは跳ね返すのがやっとで、セカンドボールを拾われてまた攻め込まれるという状況。ただ、レッズのフィニッシュが精度を欠いてくれたおかげで0対0で折り返す。

 後半、天野がボールを持つ回数が増え、そこから斎藤へ渡ってチャンスを迎えるなどマリノスにも攻撃の機会が生まれてきた。しかし先制点はレッズ。ゴール前でパスをつながれ関根がシュート、こぼれ球を柏木に決められた。これで終わりか?と思ったが、後半40分ハーフライン付近でボールを得た伊藤からマルティノスへのパスが通り、これをマルちゃんがうまく流し込んで同点に追いついた。フロンターレが負けているとの情報が入ったレッズは時間稼ぎに入りそのまま試合終了。試合には負けなかったが目の前で年間1位に喜ぶレッズを見ることになった。

 これでマリノスのリーグ戦全日程が終了した。結果は13勝12分9敗の勝ち点51で年間10位。ここ数年で最悪の順位で終わることになった。引き分けの多さ、特にホームで勝てなかった要因は何なのか?ケガ人が続出したこととマリノスタウン閉鎖に因果関係はないのか?表面上若手は台頭したが、主力として引っ張っていける人材はいるのか?他にも課題は山積している。一方で天皇杯獲得に全力を尽くすのはもちろんだが、J2への降格が決まったグランパスのようにならないため、クラブ経営陣にはしっかりと総括し、しかるべき補強をおこなってほしい。

2016年10月30日日曜日

早くも移籍情報ばかり報道される状況に・・・

F.マリノスはアウェーのサガン戦でまたも引き分け、チーム通算400勝はまたもお預けとなった。前節のガンバ戦同様この試合の2点目はミドルシュートがディフェンダーに当たりコースが変わってしまったもの。マリノスのラインが低いことが研究され相手にとってはミドルを打ちやすくなっているのだろう。0対2から追いついたこと、斎藤の二桁得点を評価したいが、勝ち切れない状況から如何に脱するか、残念ながら悩みは深い。次節最終戦は年間1位がかかるレッズとのアウェー戦。正直勝てる気はしないのだが、たとえ勝ち点1でももぎ取って波乱を起こしてほしい。

リーグタイトルの可能性がなくなったチームでは、移籍情報が盛んに報道されている。フロンターレが斎藤を獲得候補とするという驚きのニュースがあったと思うと、逆にマリノスが大久保獲得に乗り出したとか・・・香川がマリノス入りなんていうのもあったりして・・・来年DAZNマネーが期待できるせいか例年に比べ全般に選手の出入りが激しくなりそうだ。マリノスもガンバ行きが決定的とされるファビオをはじめ中堅どころが他チームから狙われるだろう。自称「社長のプロ」と新任SDが初めて本格的に関わるチーム作り。サポーターにしっかり説明のつかないような補強だけはしないでほしいと強く願う。

11月になるとNCAAバスケットボールチームのシーズンが始まる。今年のDukeは2年ぶりに全米王座獲得が狙えるチームなので、個人的に大いに盛り上がりたい。

2016年10月22日土曜日

ホーム最終戦も勝ち切れず・・・(ガンバ戦)

F.マリノスの今季J1リーグホーム最終戦は今月3度目のガンバ戦。ルヴァンカップの雪辱を果たしたいマリノスは伊藤に代わって富樫がトップに入り、2列目は斎藤・天野・前田で構成。ボランチと最後列は前回対戦と同じメンバーでスタート。

開始からいつもと違ってマリノスがそれなりに攻勢を仕掛けるが、最後のところでシュートに結びつかない状況が続くと、ガンバもマリノスのパスミスを拾いサイドからチャンスを作る。一進一退が続く中、30分過ぎにマリノスが先制する。素早いパス交換から富樫がシーズン5ゴール目を冷静に決めた。しかしこのままハーフタイムを迎えられないのが今年のマリノスで、前半終了間際に中途半端なクリアを拾った井手口に強烈なミドルを叩きこまれてしまう。

後半も前半同様の展開が続いたが、30分にバックパスを斎藤がかっさらい、GKをかわして2点目をゲットする。しかしまたしても井手口にミドルを決められて2対2で終了。ホーム最終戦も勝ち切れなかった。

これで今シーズンの観戦はひとまず終了。合計14試合の結果は4勝8分け2敗(ルヴァンカップの引き分け1試合を含む)。ホームで4勝8分けという数字が何よりもチームの課題を表している。試合終了後の挨拶で長谷川社長は2桁得点を期待できるFWの獲得を上げていた。チャンスは作れるが得点できない現状の攻撃陣であったとしても、かつての堅守マリノスなら1対0で勝ち切れただろうが、堅守とはお世辞にも言えない今の状況を考えると、チャンスを決めきれるFWを取るという方針は良いだろう。アデミウソン・カイケ・マルティノスと「点を取れるFW」とは言いきれないセカンドトップやウィンガーがシーズン開幕後に合流するというお粗末な補強だったこの2年から学んで、同じ轍を踏まないことを期待する。

チームにとってはまだ天皇杯獲得の可能性が残っているので、リーグ残り2試合、特にレッズ戦を勝ちきって11月の天皇杯4回戦アルビレックス戦につなげてほしい。私用でこの試合は観戦できないので、この試合に勝利して是非とも12月24日の準々決勝を観戦する機会を作ってほしい。

読了:
「山女日記」(湊かなえ)

  • 本書でも湊ワールドが展開されるが、ここでは殺人事件も誘拐事件も発生しない。人生の節目で悩みを抱えた女性たちが、目的地の山を目指す中で自ら進むべき途を決めていくというストーリーだ。それぞれの短編の登場人物がお互いに他のエピソードに登場するというのが著者らしいところだ。めずらしく?読み終えてスッキリした。(評価A)



2016年10月9日日曜日

日本代表イラク戦。ルヴァンカップ準決勝2nd Leg

まずは木曜日の代表戦。結果は勝利だったが、W杯出場のハードルがまた上がってしまったというのが率直な感想だ。ハリルホジッチは結局この日も所属チームで出場機会が限られているベテラン(北京オリンピック組)を頼った。香川に代わって清武が入ったのが唯一の変更で試合開始。イラクがいきなり攻め込んできて、CKからのヘディングシュートがポストを叩くというピンチを迎え、その後も日本はなかなかエンジンがかからなかった。しかし徐々にペースをつかむと清武が良いシュートを放つ。そして先制点。清武はオフサイドを取られても仕方ない位置にいたが、逆に言うと本田のパス出しが一歩遅かったということだ。その後も本田(および岡崎)は良いところなく前半を終える。

後半も同じようなユルーい試合展開だったが、15分につまらないファウルで与えたFKから前半3分同様またも酒井(高)が競り負けて同点ゴールを許してしまう。その後山口が入って少し試合は落ち着いたように見えたが、ゴールは奪えず終盤に。吉田を上げてパワープレーに持ち込むと、その吉田が得たFKから山口が本当に見事なゴールを決め、何とか勝ち点3を確保した。しかし、オーストラリアがサウジと引き分け、UAEがタイに勝ったため、日本は4位に後退することになった。

この試合でよかったのはロンドン組(世代)の清武、原口、山口。逆に監督が期待していたベテラン勢は機能しなかった。火曜日にはもう少し海外組、特に出場時間の短い「レギュラー組」のコンディションが上がることを期待していたが、長友は脳震盪で離脱、岡崎も別メニュー調整という状況だ。この先の闘いを考えると、次のオーストラリア(W杯予選で未勝利の相手)に勝利しないとグループ内での優位は確保できないが、引き分けに持ち込めれば上出来というのが現実だろう。敗戦となれば監督解任が現実味を増す。

ルヴァンカップ準決勝。第1戦のアウェーで榎本の神がかりセーブでスコアレスドローに持ち込んだマリノスは第2戦のホームで勝利を狙った。第1戦ベンチ外だった遠藤と同じく途中出場だったアデミウソンが先発したガンバはこの二人がタクトを振るい攻撃を組み立てる。一方のマリノスもマルティノスが突破するが、決定機は作れない。そんな状況の前半最大のピンチはアデミウソンが抜け出し、榎本をかわしてシュートを放った場面。戻ったパクが何とか体に当てて失点を防ぎスコアレスで後半に。

後半も同じような入りをしたが、マリノスは中町のパスから伊藤がラインの裏に抜け出して冷静にシュート。GKの脇をすり抜けてゴールに決まった。これで「よしっ!」と思ったのも束の間、あっさり遠藤に決められて同点に。その後マリノスは攻勢を強めたが、結局そのまま終了。アウェーゴールの差で15年ぶりの決勝進出を逃した。悔しい結果にはなったし、課題はたくさんあるけれど、俊輔と学を欠き、守備陣でも栗原・ファビオ(今日は負傷から回復してベンチに入った)不在という状況で頑張った選手にはありがとうと言いたい。2週間後ガンバとのリマッチではキッチリ今日の借りを返しましょう!

2016年10月2日日曜日

素直に喜びたいが・・・(ヴァンフォーレ戦)

前節の死闘の後遺症ということではないだろうが、今週のF.マリノスには重いニュースが多かった。俊輔の再離脱、カイケの無期限練習参加禁止処分。ポジティブなニュースは遠藤のU-19代表選出だったが、これもただでさえ薄くなっている選手層を考えると素直に喜びにくかった。

そんな中で迎えたアウェーのヴァンフォーレ戦。ベンチには久々に喜田の名前が!TV観戦できない状況だったので、ハイライトを見たのみだが、いつも以上に斎藤が躍動し、4得点すべてに絡む文句なしのMOM!また喜田も途中出場で復帰を果たした。上位との勝ち点差は埋まらずにステージ6位、年間順位9位のままではあるが、重たいニュースを吹き飛ばすようにアウェーでなかなか勝てなかったヴァンフォーレに圧勝できたのはチームにとって大きい。

これでルヴァンカップは何とか戦えるだろうと思ったのも束の間、マインツ武藤とアウクスブルク宇佐美がケガで代表を辞退し、斎藤が追加招集されてしまった。斎藤が代表戦で活躍するのを期待する反面、カップ戦を考えると厳しくなったなというのが正直な思いだ。ただ、前田・天野・和田・中島といったメンバーにはアピールできるチャンスなので、大いに暴れてほしい。

2016年9月26日月曜日

死闘の結末は・・・(フロンターレ戦)

F.マリノスは木曜日の天皇杯3回戦を4対0で快勝し、日曜日のSKYシリーズ、フロンターレ戦に臨んだ。後半アディショナルタイムに2点差を追いつくも、最後にフロンターレ小林に決められ2対3で敗れた。

天皇杯の相手はヴェルディ。奇しくも新たなプロリーグのBリーグ開幕日にJリーグ開幕カードが8年ぶりに行われた。何故か高知での開催になりTV中継がなく、ネットで途中経過を見たらいきなり3対0の文字、しかも俊輔が得点!YouTubeやキクマリで見るととんでもないFKを決めていた!ゴール左側からニアに左足で決めるあたり、流石の一言。最終的にフル出場し4対0での勝利に貢献したが、代償も払うことになってしまった。左ひざを負傷したとのことで、ダービーは欠場となってしまった。

そのダービー。狩野と三好に決められ後半40分。アウェーでも無得点かと思ったところだったが、相手GKの負傷でロスタイムが9分あったことでドラマティックな展開に。右サイドを前田と天野で突破して上げたクロスを伊藤がヘッド。GKが弾いたところに中町が詰めて1点差。さらに抜け出した斎藤から出たパスを伊藤が決めて追いつく。ピンクのアウェーユニフォームの無敗記録更新!と思ったのだが・・・最後の最後に小林に決められて悔しすぎる敗戦。公式戦の連勝が5でストップした。

この敗戦でセカンドステージ6位に後退し残り4試合で勝ち点差8となり、セカンドステージ優勝の可能性は事実上消滅したと言わざるを得ない。残るタイトルはルヴァンカップと天皇杯。リーグ戦よりカップ戦に焦点を絞って戦うのもアリではないか。


2016年9月17日土曜日

5試合ぶりのホーム白星(アルビレックス戦)

リーグ戦久々のホームゲーム。F.マリノスは俊輔がベンチ入りという嬉しいニュースがある反面、斎藤が先発から外れマルティノスが入った4-1-4-1のフォーメーションで試合開始。今回も毎度おなじみのフワッとした入り方で開始早々に危ない場面を作られる。序盤は押し込まれる流れだったが、CKからの伊藤のシュートあたりからマリノスも攻撃のエンジンがかかると、左サイド金井のクロスから兵藤が冷静に決め先制する。
 前半を1対0で折り返すと後半立ち上がりに中町が決めて2対0とリードを広げた。その後1点を返されるが、カウンターから前田が決めて突き放し、3対1でセカンドステージホーム5試合ぶりの勝利となった。
 守備では危なっかしい場面はあるが、パク・ジョンスのアンカー起用で兵藤と中町が生きているので、斎藤・マルティノスのスピード頼りだった攻撃にバリエーションが加わったのが大きい。相変わらずフィニッシュの精度が低いのでため息のシーンが多いけど、そこまで行けるようになったのだから、と割り切ろう。ミッドウィークの天皇杯ヴェルディ戦では俊輔が見られるかもしれない。故障者続出で台所は苦しいが、ここで更なる勢いをつけて次週フロンターレとのアウェー戦に臨んでもらいたい。

読了:
「望郷」(湊かなえ)

  • 瀬戸内海の「大綱島」という架空の島をめぐる6つのストーリーが展開する。「島」という閉じた社会と、橋の向こう側にある「本土」との関係、世代間の関係が絡み合ってそれぞれのストーリーを生み出している。日本推理作家協会賞を受賞した「海の星」はもちろん、そのほかのストーリーもさすがと思わせる内容だ。(評価A)

2016年9月10日土曜日

いろいろあった1週間。マリノスは4試合ぶりのリーグ戦勝利(ベガルタ戦)

W杯最終予選第二戦。初戦の敗戦で益々負けられなくなったアウェーでのタイ戦は2対0で日本の勝利に終わった。結果は良いだろうが、課題は解決されないまま10月に持ち越され、暗雲は立ち込めたままというところではないか。
 様々なジャーナリストが指摘するところだが、本田が中に入ることで香川の良さを消しているのは事実だろう。タイ戦でも後半運動量が落ちた本田はまるでトップ下のように振る舞っていた。もっと早い時間で交代させるべきだったろう。また、守備陣の余計なファウル→カードも極めて深刻な事態だ。タイ戦の主審については情報があっただろうにも関わらず、森重がボールの空気圧が足りないとアピールしたためにイエローをもらっているし、西川はあわやレッドカードという反則を犯している。スカウトは一体どんな指示を出していたのだろう???手倉森氏がコーチに加わるというのはプラスになるだろうが、次のイラク・オーストラリアとの対戦で思い切った選手起用を求めるのは無理だろう。ボールは保持するが、得点の匂いがしないイライラはまだ当分続く。

同じく得点の匂いがしないマリノスは、それでも何とかJ3福島ユナイテッドに延長戦で勝利し天皇杯3回戦へ進んだ。次は久々のヴェルディ戦。ファビオと喜田の復帰は望めないだろうし、なぜか高知での対戦、二日後にはフロンターレとのダービーと日程的には厳しいが、何とか乗り越えてほしい。俊輔が全体練習に加わったというのが本当なら、このあたりでの復活を期待したい。

15日間で5試合というハードな日程もリーグ戦ベガルタ戦で終わった。(都合でTVで前半終了直前から観戦。)F.マリノスはカイケとマルティノスをベンチに置き、兵藤・中町・前田が先発。左サイドには新井が入った。解説によると前半はラインを低くしたマリノスに対し、ベガルタがボールを支配するが、決定的なシュートには至らないという状況。双方枠内シュートゼロというのが何よりも実態を表していた。後半になるとマリノスのエンジンがかかり、右サイドの前田から伊藤がシュートを放つなど良い攻撃が見られるようになる。それでもなかなか得点にならないのはいつも通り。ルヴァンカップでもそうだったが、前田はせっかく敵陣に侵入できてもシュートが枠に飛ばない・・・しかしこの試合では83分に斎藤が左サイド深くまで持ち込みクロス。相手に当たったこぼれ球を兵藤がきっちり決めて決勝点を挙げて逃げ切ることができた。後半を見る限り、兵藤と中町の同時起用は効果があったと思うし、前田もここ何試合かのマルティノスよりは良い動きを見せていた。シュートが枠に飛ぶようになるだろうという希望的観測を前提であれば、次節アルビレックス戦に俊輔が間に合わなくてもこの布陣で凌げそうな感じがする。

2016年9月4日日曜日

辛勝で勝ち上がり。これが今の実力(ルヴァンカップ準々決勝アルディージャ戦)

ミッドウィークの情けない試合から中3日。ホームでのセカンドレグ。負傷者続出のF.マリノスは喜田に代わりパク、ファビオに代わり栗原が入る。攻撃陣も天野に代わりカイケがスタメンに戻っての2トップでキックオフ。すると開始早々から押し込まれ、マテウスのクロスからあわや失点かというピンチを迎えるが、ここは榎本が右手で防ぐ。ファーストレグと比べ前からの圧力が小さかった分マリノスが攻撃する時間も増え、斎藤からいくつかチャンスを作る。このままハーフタイムかと思った終了直前、カイケが目の覚めるようなミドルを決めマリノスが貴重な先制点を挙げる。
 
久々にリードして迎えた後半も早々にマルティノスと伊藤が決定機を外すと、押し込まれる展開に。ただ、家長がいなかった分アルディージャの攻撃が鋭さを欠いたし、シュートも榎本がファーストレグ同様に見事なセーブで防ぐ。終了間際に交代出場の天野のシュートがポストにあたり、同じく途中交代の前田がフリーのシュートを外すという致命的なミスを犯したが、何とかそのまま試合終了。アウェーゴールの差でマリノスが準決勝進出を果たした。

タフな試合を勝ち抜いたことは喜びたいが、準決勝を勝ち抜き、更にタイトルを勝ち取る事が出来るとは残念ながら考えられない。俊輔のいない攻撃陣は相変わらずカウンターからの個人技頼みで、ゴール前でチャンスを迎えても肝心のシュートが枠に飛ばない・・・ディフェンスは寄せが甘いのでミドルシュートでゴールを脅かされる・・・全体に故障者が増えている中、途中交代した栗原の状態如何では天皇杯も始まるとスタメン選びに苦労しそうだ。

2016年9月2日金曜日

消せない記憶(ルヴァンカップ アルディージャ戦、代表UAE戦)

水曜日・木曜日と見たくない結果を見せつけられた・・・

水曜夜のルヴァンカップ準々決勝1stレグ。F.マリノスはアルディージャと今季3回目の対戦。カイケと天野に代わり伊藤と前田を入れたスタメンのマリノスは、序盤からアルディージャに支配されて防戦一方に。23分にはマテウスに左からカットインされ、ミドルシュート→ゴールと今回も先制を許す。その後ファビオが負傷し栗原に交代するというアクシデントも発生、全くいいところなしで前半を終える。後半はボールを奪う位置が高くなり、アルディージャのプレスが弱くなったことからマリノスの攻撃も見られるようになる。26分に小林のクロスから金井が決め同点になると、今回もドロー?と思ったが、最後は家長に決められて1対2で試合終了を迎える。榎本の働きがなかったら少なくともあと2点は決められていたのでは?というほどの酷い試合。こんな状況では日曜日のホーム戦に向け、アウェーゴールをポジティブに捉えるという気分にはなれない。特にこの試合のワーストプレーヤーのマルティノスはしばらく見たくない・・・

木曜日の代表戦もアジアカップのデジャヴのような試合。監督が自分で「何でこの選手を選んだのか?」と自問していると聞くと情けない。確かに判定が問題だったのは間違いないが、私にはゴール前の動きが淡泊で、ゴールにねじ込んでやろうという気迫が感じられなかった。(あったなら、浅野のシュートはGKを弾くぐらい勢いがあったのでは?)1986年メキシコ大会以降のアジア最終予選で初戦に敗れたチームの出場はゼロ。日本が最初にこのジンクスを破ってほしいのは勿論だが、選手の序列ばかりに拘る監督はこの敗戦ショックから立ち直れるだろうか?ショック療法ではないが、W杯に出られないのが如何に寂しいことか日本全体で再認識すべき時期なのかもしれないとまで思ってしまう。

消してしまいたい記憶だ・・・

読了:
「少女」(湊かなえ)

  • 10月公開予定の映画の原作。「人が死ぬ瞬間を見てみたい」と思った少女2人が、お互いには内緒で始めた夏休みのイベント。やがて登場人物相互の関係性が明らかになって・・・2人それぞれの視点で物語が展開するのもいつもの湊ワールド。ハッピーエンドのようで実は読後感が重くなるようなエンディングを迎えるのもまた同じ。(評価A)

「不平等との闘い」(稲葉振一郎)

  • ルソーとアダム・スミスから始まりピケティまで、経済学では格差・不平等をどのように取りあげて来たのかがコンパクトに解説されている。本書を読むと古典派経済学からマルクス経済学・新古典派経済学と進むにあたり、関心事の中心がどこに置かれてきたか理解できる。ピケティの「21世紀の資本」に関する評価も一読の価値があった。(評価A)

「情報参謀」(小口日出彦)

  • 本書を通じ、2009年の総選挙で下野した自民党がその後政権を奪還し、更に2013年の参院選挙で捻じれを解消するまでの間、舞台裏で行われていた情報戦略が明らかになった。また、この間SNSはじめネットが政治に一定の影響力を持つに至った状況も理解できる。一人マスメディア(とりわけ新聞)はこうした流れに乗れず、今日でも旧態依然としたままだなあというのが率直な感想。余談だが、新都知事のネット活用はこの期間に自民党の広報本部長を経験したからなのだろうと妙に納得した。(評価A+)

「フィンテック 金融維新へ」(アクセンチュア)

  • フィンテックとは何か、金融ビジネスにどんなインパクトを与えるのか、迎え撃つ金融機関はこの「金融維新」をどうやって乗り切るべきなのか。欧米の事例から日本の金融機関が学ぶべきヒントが盛りだくさん集められている。確かに書かれていることは正論だが、実践するには相当の覚悟(特にこれまでの人事制度をご破算にするくらいの覚悟)が要るし、踏み切れる金融機関はほとんどないのではと思う。(評価A)

2016年8月27日土曜日

また勝てなかった・・・(アントラーズ戦)

J1セカンドステージも後半戦に入り第10節を迎えた。F.マリノスは6連敗中の苦手アントラーズをホームに迎えた。マリノスはボランチ2枚が前節と代わり兵藤と喜田に、また出場停止のマルティノスに代わり天野が右に回り、伊藤とカイケの2トップという布陣でキックオフ。
 前半はアントラーズが両サイドから攻勢をかけ、マリノスは単発でカウンターといういつもの展開。これもいつものように、右サイドから崩されて先制点を許す。ただ、今節のマリノスはこれまでよりもボールが回った。いくつかチャンスらしいチャンスも作れたし、前半終了間際には斎藤のシュートを伊藤がゴール前でコースを変えてゴール!同点で終了する。
 後半も基本は同じ展開だが、植田のいないアントラーズ守備陣のミスからマリノスがカウンターを仕掛ける場面が多くなり、ついに後半35分斎藤のシュートが決まる。これで久々の勝利か!?と思った矢先、あっという間に同点弾を決められ、今節も勝ち点1を加えたにとどまった。これで7位に後退。フロンターレとレッズが負けてくれたので、勝ち点差は5になったのだけが救いとは情けない・・・

審判の判定に熱くなっていた試合後少し時間がたち、冷静になってみると、アントラーズとはチーム戦術の完成度にかなり開きがあったと認めざるを得ない。攻撃の際にはサイドバックがMFを「追い越す」動きが多く、マリノス守備陣は最後体を張って止めるようなシーンが度々あった。一方マリノスは結局のところ「個」(=斎藤)の力に頼らないと決定的なチャンスを作れなかった。これでリーグは中断、代表ウィークのカップ戦準々決勝となる。今節はそれでもここのところの酷い状態から脱する気配は見えたので、流れをしっかりとしたものにして欲しい。

読了:
「中央銀行が終わる日」(岩村充)
  • タイトルはショッキングだが、本書は中央銀行の持つ機能のうち、成長と物価安定という役割については最早限界にきていると指摘する。一方ビットコインについて、かつてハイエクが展開した議論をヒントに、中央銀行の通貨発行権に挑戦するものと位置づけ、その可能性を検討している。新しい金融論の方向性を示唆する一冊といえるのではないか。(評価A)

「悪いヤツほど出世する」(ジェフリー・フェファー)
  • 世の中にあふれているリーダーシップ論を鵜呑みにすると失敗する。ひとことでいうとこれが本書の結論。現実のリーダーは決して教科書に書かれているような「立派な人」ではない、むしろそうしたリーダーは少数派だ。リーダーに求められるのは、職場の現実を見て臨機応変に対応すること、時には「イヤな奴」を演じることすら必要なのだ。極めて説得力のある一冊だ。(評価A)

2016年8月21日日曜日

収穫なしの初黒星(FC東京戦)

ここまで何とか無敗で凌いできたF.マリノスだったが、今節のFC東京戦でセカンドステージ初黒星。出場停止の喜田に代わりパクがボランチに入ったマリノス。良かったのは前半の半ばの時間だけ。いつものようにチャンスはあってもシュートがNG。そのうち隙をつかれて東に先制を許す。後半もラインが低いままなので、カウンターすら打てない。結局「惜しい」というチャンスすら作れずに試合終了を迎えた。
 俊輔の不在をカバーすべき天野の出来は試合を重ねるごとに低下。マルティノスは機能不全のままで次節は出場停止。斎藤も一人で全てを変えられるはずもなく、今節もまたサポーターのフラストレーションが溜まっただけ・・・次はアントラーズ戦。このままでは引き分けすら望めない状態と危惧する。年チケに切り替えたのを後悔し始めている・・・

読了:
「リーダーの本義」(門田隆将)

  • 福島第一原発の吉田所長を始め、過去の著作で取り上げてきたリーダーたちはどこが違うのか。著者は彼らが「本義」を理解し、それに則って行動していることにあると言う。一方で最終章で取り上げられた三菱自動車や東芝に対しては、会社自体が本義を取り違えていると手厳しい。(評価A)

2016年8月14日日曜日

またしてもホームゲームで勝ち点2を失う(アルディージャ戦)

J1セカンドステージ第8節。F.マリノスは日産スタジアムがももクロコンサートに使用されたこともあって、ニッパツでのアルディージャ戦。俊輔不在のトップ下に天野をが入り、けがが心配された斎藤はスタメンで試合開始。いつも以上に「ふわーっ」と入ったマリノスはいきなり危ない場面を迎えるが相手のシュートミスに救われる。前半の攻撃はグランパス戦のデジャヴのような酷さでスコアレスのままHTに。後半天野に決定機が来るが、コースを狙ったシュートは勢いがなくGKに防がれる。何となく嫌な流れだなと思うとそれが的中し、ジュビロ戦のようなミドルシュートを決められてしまう。さらに伊藤を投入しツートップにした直後、喜田が家長へのファウルで一発退場。10人になったマリノスは両サイドバックを遠藤と前田に交代し同点を狙うと、ロスタイムにカイケのクロスを前線に上がったファビオが決めて何とかドローに持ち込む。

この試合喜田(退場前)・カイケ・小林にイエローが出たり、明らかに見えたゴールエリア内のハンドがスルーされたり、審判との相性も悪いせいかイレブンが全体にイライラしていた。こういう時に試合を落ち着かせることができなかったのも勝てなかった要因の一つに思われる。

セカンドステージ無敗とは名ばかり、トップとの勝ち点差がまた広がった。次節はアウェーのFC東京戦。俊輔はまだか?喜田の穴は誰が埋める?

読了:
「夜行観覧車」(湊かなえ)
  • 新興住宅地に向かい合って住む2家族。一方は娘の家庭内暴力を抱えている。ある日もう一軒で医者である主が妻に殺されるという事件が発生して・・・いつものようにそれぞれの視点で語られる物語から真実が見えてくる。ドラマ化された時に断片的に見た場面に遭遇して、「ああ、ここだったのか!」と思いながら読み終えた。(評価A)
「レッドチーム思考」(ミカ・ゼンコ)
  • 「自分の宿題は自分で採点できない」から組織が独善的な意思決定を行わないようにするために内部に反対者(=レッドチーム)を置く。これだけ聞くと「悪魔の代弁者」の話のようだが、本書は安易な形で「悪魔の代弁者」を選ぶような対応を戒め、レッドチームが本当に機能するための条件を整理する。取り上げられた失敗例を読むと、日本でも空港やオフィスビルのセキュリティ、システムセキュリティがどれだけ安全だろうか、と怖くなる。本書の考え方自体は日本企業の弱いところであり、大いに学ぶべきところだと考える。(評価A)
その他:
  • リオ・オリンピック開始から1週間が経過した。サッカーは残念ながら予選リーグ敗退。ナイジェリアが報酬未払い問題でコロンビア戦を果たして全力で戦ったのだろうか?と突っ込みを入れたくなるような点はあったが、強敵ぞろいの予選リーグを突破するには力不足だったと素直に認めざるを得ない。選手にはフル代表の常連になれるよう更に頑張ってほしい。
  • 体操・競泳・柔道・ラグビー・卓球・テニスなどその他の競技における日本人選手の活躍は頼もしい。東京オリンピック誘致成功の効果だろう。
  • 前回触れたアメリカ男子バスケットボールチームは予想以上に苦戦している。それでもセルビアに何とか勝利し全勝を守ったのは底力なのだろう。



2016年8月7日日曜日

4試合ぶりの勝利(レイソル戦)。2ndステージ無敗は続く!

今節のレイソル戦。Jリーグプランを契約していない我が家はスカパー無料放送のお陰で(結果が分かった後ではあったが)TV観戦となった。
 前節のあまりの酷さを反省?したマリノスは、天野を起用して4-2-3-1でスタート。前半10分過ぎまでにクリスティアーノのヘッドと、FKの処理ミスで決定的なピンチを迎えたが、喜田のクリアなどで事なきを得る。その後は徐々に攻撃が噛み合いはじめ、カイケのシュートがポストを叩くなど惜しい場面を作る。
 スコアレスで折り返した後半早々、天野のクロスを相手がオウンゴールしマリノスが先制する。前節と違い、クロスの精度が高かったことが良かったのではないだろうか。その後FKから追いつかれるが、再び天野のCKから中町が勝ち越しゴール!その後はしっかり守って勝ち切ったが、カウンターから決定的なチャンスがあっただけに、願わくは3点目を取って欲しかった。
 
この勝利で3位に浮上したが、フロンターレとレッズが共に勝ったため、勝ち点差は4のまま。次節も苦手アルディージャ戦だが、この勝利の勢いとニッパツという地の利を生かして連勝しよう!


読了:
「母性」(湊かなえ)
  • 自殺を図って意識不明の女子高生とその母親が事件までの日々を回想する中で、悲劇がなぜ起こったのかが明らかになってくる。一方で新聞報道に関心を持つある人物が、真相に迫ろうとする。毎度のことながら途中「あれ、これは・・・」とわかってきて、全てが明らかになる最終章で救われるという展開も著者一流のものだ。「花の鎖」と並ぶ一冊。(評価A)
「あなたの会社が理不尽な理由」(清水勝彦)
  • 個人的に日本人には数少ない「本物の経営学者」と思っている著者が、気になっている書籍・影響を受けた論文などを読み解く。「組織を脅かすあやしい『常識』」などの著作で示されたように、通説に与するのではなく、独自の見方から経営を観察しているであろう著者の考え方を構成する要素を見たように思う。(評価A+)
その他:
リオオリンピックが開幕した。サッカーをはじめ日本選手の活躍は当然期待するが、個人的には、今回最後のオリンピックとなるコーチK率いるアメリカの男子バスケットボールにも注目している。レブロン・ジェームズやステファン・カリーといった超スーパースターはいないが、今回も勝ってくれるだろう。

2016年7月31日日曜日

またしても勝ち点2を失う(グランパス戦)

J1セカンドステージ第6節。F.マリノスはホームにグランパスを迎えた。オリジナル10のうち降格を経験していないのはこの両チームにアントラーズを加えた3チームのみ。相手は前回のマリノス戦以来13試合勝利なしで降格圏まで後退しており、しかも過去6連勝の「港北サンクスマッチ」。たとえ俊輔不在でも勝利は絶対条件だったはず。しかし、セカンドステージ最悪の内容を見せられ、スコアレスドローに終わってしまった。

シモビッチの高さと永井のスピードを警戒したためか、相変わらずディフェンスのラインが深い。このためせっかく良いパスが出てもアタッキングサードに入るころには息切れしてフィニッシュの精度を欠く。せっかく金井や小林が高い位置をとっても、各駅停車のパスでは効果はない・・・ボランチのポジションも低いのでカイケや富樫が中盤まで下がってパスをもらっている・・・マルティノスは周囲をまったく使わない上に後半はバテバテ・・・いつまで同じことを繰り返すのだろう?????試合終了時にブーイングが起こるのは当然の酷さだ。先週・今週と勝ち点4を失った結果、セカンドステージ5位、年間順位7位に後退。こんな状況ではセカンドステージ制覇など夢のまた夢!

(追記)試合後の斎藤のインタビュー内容を見て愕然。この試合を「前向きに捉える」なんて言っているようでは全くNG。エースなら昨晩のような結果は他人事ではなく、自分事として考えてほしい。

読了:
「Attention」(ベン・バー)
  • 人を動かすには「注目」させることが必要。本書では、Facebook、Amazon、ビヨンセ、AKB48など様々な事例をもってその重要性を説いている。関心を集める、長期の信頼につなげるために「無意識」、「フレーミング」、「破壊」、「報酬」、「評判」、「ミステリー」、「承認」という7つの戦略があるとされているが、いずれも今後マーケティングを考えるうえで有効なものだと思う。strategy & businessのベストビジネスブックに選ばれたというのも頷ける。(評価A+)

「境遇」(湊かなえ)
  • 共に生みの親を知らず、児童養護施設で育った2人。陽子は県会議員の妻で童話がベストセラーになり、その童話のヒントを与えた晴美は新聞記者に・・・ある日陽子の一人息子が誘拐されたことでから事態が急変する・・・2人それぞれの視点で並行して物語が進む作者一流のストーリーテリングが本書でもはまっている。(評価A)

「Originals」(アダム・グラント)
  • 実現は困難と思われていた眼鏡のネット通販を成功させた起業家。博士課程に在籍したままでGoogleを始めたブリンとペイジ。世紀の発明と言われたセグウェイへの投資を見送った投資家。黒人初のメジャーリーガーであるロビンソン。本書で取り上げられているOriginalsだ。リスクに対する考え方、周りの巻き込み方などなどOriginalsはどこが違うのか?長男である自分自身はOriginalsにはなれそうにないなと思う。(評価A-)
購入:
「フィンテック 金融維新へ」(アクセンチュア)、「不平等との闘い」(稲葉振一郎)、「情報参謀」(小口日出彦)、「少女」(湊かなえ)

2016年7月24日日曜日

首位陥落。ちょっと前の「残念な」マリノスに逆戻り(1対1 ジュビロ戦)

総得点の差で首位となったマリノスは今節ジュビロ戦。ホーム3連勝ならず悔しい引き分けに終わり、一週間で首位を明け渡した。

 立ち上がりから攻勢に出たマリノス.。俊輔が2トップの一角に入るように高い位置をとったマリノスは、その俊輔がボールを奪取し、カイケとマルティノスのワンツーから先制する。その直後ビッグチャンスがジュビロに。クロスがピタリとあってヒヤッとしたが、榎本が止めた。その後マリノスは度々チャンスは作るのだが、フィニッシュの精度を欠き、1対0で折り返す。
 後半はジュビロが押し返し、マリノスはカウンター狙いに。そうした中、相手の同点弾が唐突に決まる。見ていて「えっ!入っちゃった!?」という感じだった。その後は押し込んだが、斎藤のヘッドなど最後まで得点できずドローで終わり、セカンドステージ3位、年間順位6位に後退した。

見ていて歯がゆい試合だった。押し込んでいたと思っていたのに、スタッツを見るとシュート数は15本対16本で相手のほうが多かった。ここにマリノスの問題点がある。例えば俊輔。見せ場は作るが、シュートは1本のみ。それも正直「いつ打ったっけ?」と思うほど印象に残っていない。他の攻撃陣も然り。今季たぶん1試合複数得点した選手はいないはず。斎藤やマルティノスのドリブルがありながら、ゴール前でファウルをもらっていないのも疑問だ。もっと貪欲にゴールを奪う意識がなければステージ優勝など夢のまた夢だ。一方守備も後半ズルズルと下がる悪い癖が出ていた。それで相手が(多くはノーチャンスだったが)マリノスを上回るシュートを打てたのだろう。次節はグランパスとのホーム戦。連敗中の相手に勝利をプレゼントしてしまうマリノスの悪い癖だけは出さないでしっかり勝ち点3を挙げてほしい。

読了:
「アリエリー教授の人生相談室」(ダン・アリエリー)
  • 行動経済学の立場から人生のさまざまな悩みを解決しようとするとどうなるのか。本書を読むと、「使える経済学」というフレーズがぴったりとくるが、よく考えると、行動経済学は心理学がベースにあるのだから、人生の心配事に対する何らかの示唆は十分可能ともいえる。母校Fuquaの教授なのでますます活躍してほしいし、できれば5年後のReunionでは記念講演を聞いてみたいと思う。(評価A)

購入&読了:
「花の鎖」(湊かなえ)
  • 奥さん用に買った一冊だが、一日で読んでしまった・・・東京から新幹線で1時間余、そこから更に在来線で行くという町を舞台に3人の女性のストーリーが展開する。この3人のストーリーがどう結びつくのか?鍵を握るのは「K」なる人物・・・いたるところに伏線が張られているので、全て明らかになると、「なるほど!」と納得できる。(評価A)
購入:
「母性」、「夜行観覧車」(共に湊かなえ)


2016年7月17日日曜日

4連勝はならず。しかしアウェーで勝ち点1拾う(サンフレッチェ戦)

J1セカンドステージ第4節。F.マリノスはアウェーでサンフレッチェと対戦した。スタメンには5試合ぶりに俊輔が復帰して試合開始。ここ何試合かと異なり、立ち上がりからプレスが効いて攻勢に出る。いくつかチャンスを作ると30分過ぎに獲得したCKからファビオが決めて先制し、1対0で折り返した。
 後半前がかりになった相手に対し、カウンターのチャンスがあったが、ことごとく外してしまい、嫌なムードになると、交代出場のミキッチにチャンスを作られ、立て続けに失点、逆転を許す。それでも小林のクロスを伊藤が豪快に決めて追いついて試合終了となった。
 この結果ステージ開幕4連勝はならなかったが、同じ3連勝のフロンターレとレッズも引き分けたため、得点数の差で単独首位となった。逆転されても追いつけたことを収穫とし、次節からのホーム2連戦できっちり勝ち切ろう!

2016年7月15日金曜日

3連勝(何とか勝った・・・)、セカンドステージ首位キープ!

水曜日のF.マリノス対ヴィッセル戦。初めてのニッパツ観戦試合はマリノスが劇的勝利、セカンドステージ首位をキープした。
 この試合も毎度のことながら試合の入りが不安定で、早々にCKから失点してしまう。その後もブラジル人トリオの動きの良いヴィッセルに攻め込まれる場面が続き、マリノスはボールが繋がらず「ヤバイ!」と思わざるを得ない状況でハーフタイムを迎える。
 さすがにベンチも動き、後半頭から俊輔を投入する。これで流れが変わるかと思う間もなく追加点を奪われたのは計算外だったが、すぐにカイケが決めて1点差にすると、そこからはヴィッセルは足が止まってマリノスの一方的な試合に。再三チャンスを迎え、ついに80分過ぎにマルティノスがPKを獲得。やり直しも含め俊輔がキッチリ決めてアディショナルタイムになると、今度は斎藤がライン際まで突破し、最後はマルティノスが決めてついに逆転!苦しい試合だったが、この勝利は大きな意味を持つのではないか。 この試合では前半と後半でまったく別チームではないか、と思われる程に出来が違った。やはりこのチームは「俊輔仕様のチーム」であることが明らかになったと考える。次節サンフレッチェ戦からは俊輔が先発に復帰するだろう、いや、して欲しい。

読了:
「経営戦略概論」(波頭亮)

  • 経営戦略論のスタートから現在に至る変遷を辿り、それをいくつかの角度から整理・分析している。俗に言われるポジショニングVSリソース・ベースだけではなく、「システマティックからヒューリスティック」、「ハードからソフト」、「スタティックからダイナミック」という3つの潮流で整理し、かつ実際の経営戦略構築の局面ではどちらか一方だけでは不足で、双方の要素を適宜活用する必要があると説いている。この点に本書の意義があるのではないか。(評価A)


購入:
「悪いヤツほど出世する」(ジェフリー・フェファー)、「ORIGINALS」(アダム・グラント)、「レッドチーム思考」(ミカ・ゼンコ)、「アリエリー教授の人生相談室」(ダン・アリエリー)、「リーダーの本義」(門田隆将)

その他:
ついにKndleを買った。本棚のスペースを気にせず読書できるぞ!


2016年7月10日日曜日

セカンドステージは連勝スタート

J1セカンドステージ第二節はホームのアビスパ戦。俊輔がベンチスタートのF.マリノスは前節と同じスタメンで試合開始。立ち上がり早々金森にゴールを脅かされ、その後もフワッとした感じでなかなかボールが繋がらない状態が続いた。30分前後から徐々にペースを握るとカイケがFKから直接シュート。これはGKに防がれるが、続く斎藤の強引なドリブル突破からのシュートがゴールイン!前半を1対0で折り返す。ここ数試合ポストに嫌われ続けた斎藤のシュートがやっとネットを揺らしたのは何よりの収穫だ。

 後半早々には富樫がディフェンダーと競り合いながら技ありのゴールを決めて突き放す。久々の俊輔投入で活気づいた攻撃は更に何度となくアビスパゴールに迫るがシュートが決まらずちょっと嫌な流れに・・・しかし相手に得点を許さず、アディショナルタイムには伊藤が決めて今節も3対0での勝利となった。これでセカンドステージはフロンターレと並んで首位、年間順位も7位に上がった。

 結果は連勝となったし、FW陣がゴールを決めたこと、俊輔の復活などプラス材料はあるが、守備面はまだまだ不満かつ不安だ。クリーンシートが続いた事に満足せず、「堅守」を取り戻してほしい。次節はミッドウィークのヴィッセル戦。勢いを止めることなく勝ち切ろう!

読了:
「贖罪」(湊かなえ)

  • 小学生時代、同級生の殺人事件に遭遇し、被害者の母から十字架を背負わされて生きる4人の運命がある日大きく動く。一人に起こった事件はドミノ倒しのように次々と他の3人にも起こっていく。そしてこの4つの事件を通じて15年前の事件の真相も明らかになっていく。。。著者一流のストーリー展開は若干無理はあるが、それでも一気に最後まで読みたくなる。本書もWOWOWでドラマ化されたが、著者の作品が次々と映像化されるのも頷ける。(評価A)
「ストラテジー・ルールズ」(デイビッド・ヨッフィー、マイケル・クスマノ)
  • ビル・ゲイツ、アンディ・グローブ、スティーブ・ジョブズ。Microsoft、Intel、Appleという現代を代表する3社を率いたカリスマ経営者に共通する戦略的思考。著者らはこれを5つのルールに纏めた。未来のビジョンから逆算する、大きな賭け、プラットフォームとエコシステムの重視、パワーとレバレッジの活用、個人の強みを核にした組織づくり。強弱はあるし、すべてが成功ではないが、この3人の思考は日本企業の経営者が真似できないものだ。(評価A)

2016年7月3日日曜日

マルティノス、カイケ、中町。。。2nd Stage初戦は勝利(@ベルマーレ戦)

J1 2nd Stageが始まった。F.マリノスの初戦は前回19年ぶりに敗れたベルマーレが相手。俊輔不在のマリノスは今季初めて4-4-2でスタートしたが、試合の入りは毎度のことながら「軽く」て押し込まれる展開が続く。それでも前節までと見違えるような動きを見せるカイケをはじめ攻撃陣が徐々にペースを取り戻す。先制点もカイケがうまく左サイドに流れ、折り返したところをマルティノスが詰めたものだった。後半も基本的にマリノスのペース。25分には齋藤のシュートがポストに当たりこぼれたところをカイケが押し込む。更に途中出場の前田のCKを中町が決め3点差にすると、反撃を何とか抑えクリーンシート達成。年間順位8位に浮上した。
 
今日はこのところの試合に比べると、監督のやりたい事が出来たように見えたし、カイケ・マルティノス両選手がやり易そうに思えた。そう考えると、俊輔復帰後ももしかすると2トップの方が結果につながるようにも思われる。その場合にはセントラルMFは中町・喜田ではなく、アンカータイプの選手が俊輔と組むのが良いだろう。次節どんなメンバーでスタートするか楽しみだ。

読了:
「福島第二原発の奇跡」(高嶋哲夫)

  • 福島第一原発事故の裏で語られることは少なかったが、実際には3.11の大津波により福島第二原発も同様の危機にあった。本書では当事者のインタビューを基に増田所長以下のメンバーどうやって危機を切り抜けたかが描かれている。電源が全喪失しなかったためメルトダウンしなかったという表面的な知識はあったが、本書を読むと、第二原発でもベントが真剣に検討されていたことなど、本当に一歩間違えたら第一と同じ運命を辿っていた可能性がある事を改めて知った。(評価A)
「戦後政治を終わらせる」(白井聡)
  • 「永続敗戦論」著者による日本政治論。所謂55年体制が如何にして生まれたか、その成り立っていた基盤(=冷戦構造)がなくなった今、どのように「戦後レジーム」から脱却すべきかといった点については耳を傾けるべき点がある。しかしながら地政学的な不確実さが増大する現状を考えると、次の展望を示せない勢力が政権に参加することの方が怖い。著者もそのあたりは認識しているのではないか?(評価A-)
「往復書簡」(湊かなえ)
  • 手紙のやり取りの形を取りながら、学生時代の出来事の真相が暴かれていく。3つのエピソードいずれも面白いが、映画「北のカナリア」の原案になった「二十年後の宿題」を読むと、一つの「事件」が、たとえ当事者であっても関わり方の強弱や視点の違いで「十人十色」の見え方をするということが面白い。文庫版に収録された「一年後の連絡網」により2つのエピソードが完結しているので、読後感が良かった。(評価A)
購入:
「経営学者の読み方 あなたの会社が理不尽な理由」(清水勝彦)、「中央銀行が終わる日」(岩村充)、「花の鎖」(湊かなえ)

2016年6月26日日曜日

攻撃も守備もNG・・・このままでは危ない(FC東京戦)

6勝4分7敗 勝点22、得点21・失点19で11位。F.マリノスのファースト・ステージ最終成績だ。最終節のFC東京戦がこの成績に終わった問題点を浮き彫りにしていると思う。

立ち上がり。試合の入り方が悪い。俊輔を欠くチームは強風を言い訳にしたくなるほどボールが繋がらない。相手もミスしてくれているので助かっていたが、上位チーム相手ではもっとピンチになっていただろう。攻撃の起点が低いし、連携なく個の力(齋藤とマルティノスの突破)頼り。終了間際にせっかく1対1のチャンスを迎えても齋藤のシュートは枠に・・・後半は前半よりも少しましになり、徐々に良い流れは来ていたが、カイケが最後仕留められないチャンスが2回。このままスコアレスドローと思った終了間際、CKから平山に決められ敗戦。今節も勝ち点3を逃した。

守備も攻撃も課題山積。上背のないGKは前には強いがハイボールの処理が不安。CBは1対1には強いがラインが低すぎてビルドアップに苦労。ボランチは無駄なファウルでピンチを招く。攻撃陣はスピード頼み。自陣の低い所からのカウンターではシュートチャンスまでに息切れでシュートの精度を欠き、CFにはボールが収まらない・・・セカンド・ステージが来週から始まるが、このままでは降格争いに巻き込まれてしまう可能性すらあると危惧する。当然リスクは伴うが、思い切ったメンバー交代ではないか?

読了:
「マスカレード・イブ」(東野圭吾)

  • 「マスカレード・ホテル」の主人公である新田と山岸が知り合うまでのエピソードが描かれている。最後にはちゃんと「本編」への伏線が張られているので、時間軸通りこちらを先に読んでもストーリーは繋がる。ただ、個人的にはやはり「本編」を読んだうえで、本書で2人がそれまでどのような道を辿り成長してきたかを知る方がベターではないかと思う。(評価A)
「Who Gets What」(アルビン・E・ロス)
  • ノーベル経済学賞受賞者である著者が、受賞理由ともなった「マッチ・メイキング」、「マーケット・デザイン」について、実例を基にどのようなものかを説いている。例として取り上げられている学校選びや就職活動のように、「見えざる手」に委ねるだけでは効率的な解が得られない市場をデザインしていくことで、使える経済学になっている点が面白い。(評価A)
「去年の冬、きみと別れ」(中村文則)
  • 2人の女性を焼き殺した死刑囚と、それを題材に本を書こうとする「僕」の出会いからスタートし、その取材活動を通じて事件の真相が徐々に明らかになっていく。「僕」は最終的に真実にたどり着くが、それは・・・そして最後に謎のメッセージ・・・時間が前後しまくるので読みづらい所もあるが、面白い1冊ではある。(評価A)

2016年6月19日日曜日

もったいない引き分け(1対1 アルディージャ戦)

J1ファーストステージも大詰め。憲剛不在のフロンターレがアビスパと引き分けて首位をアントラーズに明け渡し、レッズは3連敗で優勝争いから完全に脱落した。そんな中F.マリノスはアウェーのアルディージャ戦で引き分け、9位へと一歩後退した。

 ハイライトのみからの感想だが、勿体無い試合だった。相手のGKが当たっていたこともあるが、前半の齋藤のシュート、後半の俊輔のFKなど何で入らなかったのか?家長一人の技術にやられた失点シーンもマークの受け渡しがきちんとされていれば別にやられることはなかっただろう。とにかく勿体無い。こうしたところを修正するのは難しいのだろうが・・・次節はFC東京とのホーム。セカンドステージに繋がる勝利で終わろう!

読了:
「現代思想史入門」(船木亨)

  • 19世紀後半から現在までの約150年間に出現した様々な思想(実存主義・構造主義・ポストモダン思想等など)を、単純に年代別に整理するのではなく、生命・精神・歴史・情報・暴力という5つのカテゴリーから整理しているのが本書の特徴。iPS細胞やITの発展といった現在進行形の課題をどう考えるか、についての示唆もある。入門ということで、個々の考え方についてコンパクトに整理されているのが良い。こうした現状を100年後、200年後の人々はどう整理するのか、と考えると面白い。(評価A)
「硝子の太陽Rouge」(誉田哲也)
  • 「姫川玲子」シリーズの最新刊。捜査一課に戻ってきた姫川が新たに直面したのは、アイドルグループのメンバー一家3人が残虐な手口で殺害されたという事件。手詰まりになった捜査を打開する可能性が出てきたところで、鍵を握りそうな人物が殺されて・・・<ジウ>サーガとのコラボレーションということなので、本書だけだと完全決着とはいかないが、菊田・ガンテツといった毎度おなじみのメンバーが期待通りの働きを見せる。もう一冊(Noir)の方も読むことにしよう。(評価A)
購入&読了:
「マスカレード・ホテル」(東野圭吾)
  • 入院中だった奥さんから「東野圭吾の本何か買ってきて」というリクエストがあって、これまで気になっていた本書を購入した。都内で連続して発生した殺人事件の現場に残されていたメッセージから割り出した次の殺人予告を未然に防ぐため、場所と考えられるシティホテルに刑事たちが潜り込む。フロントマンとして潜入した刑事と教育係のフロントクラークは如何にして真相に近づき、事件を防げるか・・・奥さんが読み終わって「面白かった」というので、読み始めたが、期待通りの面白さで一気に読み終えた。続編の「マスカレード・イブ」も買ってしまった。(評価A+)
購入:
「マスカレード・イブ」(東野圭吾)、「去年の冬 きみと別れ」(中村文則)、「硝子の太陽Noir」(誉田哲也)

2016年6月12日日曜日

これが現状

土曜日のフロンターレ戦。事情があって観戦できず、スカパーのザッピングで時々チェック+ハイライトで見るにとどまる。基本押し込まれる試合で、前半27分にミスから失点。ゴール前の混戦状態からつないでいくという判断はやはり誤りだろう。いずれにしてもシュート0本では・・・後半は少し良い時間も増えたが、喜田が小林を倒してPK献上。大久保にしっかり決められて0対2で敗戦。残念ながらこれが現状の実力差だろう。フロンターレの攻撃は長年熟成させてきたもので、両サイドのスピードと俊輔のパス頼みのマリノスでは歯が立たないという事だ。

前後するが、火曜日のキリンカップ決勝。日本代表はボスニア・ヘルツェゴビナに逆転負け、ここでも現在の実力を思い知らされた。相手はユーロ本選出場を逃し、来日したのも必ずしもフルメンバーとはいえないチーム。それでもゴール前の迫力は素晴らしいものがあった。対する日本は本田・香川抜き。それでも宇佐美と清武が絡むとゴールの予感がしたので攻撃陣は問題が少ない。課題は守備陣。アジアではなんとかなるだろうが、本大会を見据えるならCBをどうするか・・・

読了:
「王とライオン」(米澤穂信)

  • ネパールの国王一家が身内に銃撃され死亡する、2001年に実際に起こった悲劇の裏で起こったもう一つの殺人事件。新聞社を辞めてフリージャーナリストとなったばかりのヒロインがその謎を解いていく・・・カトマンズの街に行った気になる情景描写とタイトルの意味が分かる最終章の意外な展開。「満願」でもそうだったが、今回も「オチ」で驚かされた。流石に2年連続でミステリー3冠を制しただけのことがある。(評価A+)
購入:
「アテンション‐『注目』で人を動かす7つの新戦略」(ベン・バー)

2016年6月5日日曜日

代表はブルガリアにまさかの大勝!F.マリノスはグループステージ突破!!

2011年以来久々に開催されたキリンカップ準決勝。日本代表はブルガリアに7対2で勝利。7日にボスニア・ヘルツェゴビナと戦うこととなった。
 本田が欠場した日本は香川と清武が同時に先発、久々に川島が戻って試合開始。すると4分には柏木がオフサイドぎりぎりで飛び出した岡崎にピンポイントのパス。これを岡崎がしっかり決めて先制。その後ブルガリアが押し返し、きわどいヘディングシュートを放たれたが、川島がはじき出す。前半25分過ぎからは日本のゴールラッシュ。長友のクロスを香川が決めると、岡崎→小林悠→清武(スルー)→香川とつながり3点目。更にはショートコーナーから前線に挙がっていた森重が折り返し吉田が4点目を挙げて試合を決定づける。
 後半も清武・酒井宏が右サイドを崩し(どちらの動きも素晴らしかった!)、吉田(CBが2得点!)・宇佐美が決めて6対0とここまでは完璧だったが、この後プレスが効かなくなり2失点。終盤は双方にPKが与えられたが、浅野が決め、川島がストップと日本にとってはこの上もない結果に。欧州のチーム相手に7得点というのはもしかすると最多?
 この試合を見ると、常連とそれ以外の差は相変わらず埋まっていないのではないかと感じた。結果を出したのは、先発でなくても多くの試合に出ていた清武と宇佐美で、小林もまずますだったが、金崎と原口の二人は、偏見かもしれないが、闘志が空回りしていて、今回も「俺が俺が!」が出過ぎているし、余計なファウルで良いリズムを壊していた印象が強い。最終予選で使うのは「?」ではないか。また、浅野・遠藤航の「リオ組」も浅野のPK獲得シーン以外見せ場を作れなかった。火曜日は香川も使えない可能性がある中で、こうした選手が結果を出せるか注目だ。

日曜日はYNCグループステージ最終戦。ベガルタにアウェーで勝ってグループステージ突破を決めた。
 俊輔不在のリーグ1stステージ開幕戦をホームで落としたマリノスとしては、「雪辱戦」ともいえる重要な試合。ただ、「毎度の事」ながら前半は立ち上がりから押し込まれ、長い距離を走ってのカウンター以外攻撃の形が作れない。遠藤も齋藤も最後まで攻めきれず、伊藤のシュートはポスト直撃。このままスコアレスで折り返しか、と思ったところで今度は俊輔が飛び出し、相手のファウルを誘ってPKを獲得する。これを自ら決めて今日もリードして折り返す。
 後半も前半同様の展開になったが、伊藤のパスから齋藤が冷静に流し込んでリードを広げると、あとはマリノスらしく相手の攻撃を抑えて今週もクリーンシートで勝ちきった。
 これで2年ぶりの準々決勝進出が決まったのはめでたいが、今後ノックアウトステージを勝ち進むにはまだ力不足だ。守備陣のブロックが低いので、前線との距離が大きく、セカンドボールを納められないのは要改善だし、攻撃陣が結局「個の力」頼みになっているのも同様。カイケは出場機会すら得られないし、マルティノスはこのままではカードが怖いので使えない・・・まあ当面は安易に失点しなくなったのを良しとしよう。

購入:
「ストラテジー・ルールズ」(デイビッド・ヨッフィー、マイケル・クスマノ)、「経営戦略概論」(波頭亮)

2016年5月29日日曜日

やっと日産スタジアムでの今季初勝利(レイソル戦)

ミッドウィークのナビスコ杯。F.マリノスはアウェーでアルビレックスと対戦し、1対1で引き分けた。「リーグ戦メンバー」の中澤、下平、マルティノスが先発したが、開始早々に下平のサイドを突破され先制を許してしまう。その後はペースを握り攻め込むのだが、得点はFKから仲川が押し込んだ1点のみに終わった。サイドからの崩しでカイケが惜しいヘッドを放つなど、このメンバーでも戦える目途が立ったのは良かったが、連勝が途切れたのは残念。これでB組はサガン以外の6チーム全て勝ち抜けの可能性が残るという大混戦になった。6月5日のグループステージ最終戦でベガルタに勝てば準々決勝進出が決まる。ベストメンバーで勝利しよう!

そして日曜日のリーグ1stステージ14節はレイソルとの1戦。今季4回目の生観戦のこの試合、スタメンでは出場停止のマルティノスに代わりU-19遠征から帰国した遠藤が入り、ベンチには飯倉とファビオが戻ってきた。試合の入りはまずまずだったが、レイソルの鎌田にクロスバー直撃のミドルシュートを打たれた時と栗原が危ない位置でFKを与えた時には正直ヒヤリとした。一方攻撃ではサイドから崩そうとするが、中で詰めきれないといういつもの状況が続いた。このままハーフタイムかな?と思っていた前半終了直前、俊輔のCKから中澤のヘッドが決まり先制!1対0で折り返した。

いつ追加点を取れるかだろうか、1対0で終盤まで行くのかなと後半開始を迎え考え始めたところ、後半2本目のCKから齋藤が決めて突き放した。レイソルがオフサイドではないかと詰め寄った微妙な得点だったが、流石齋藤という得点だった。この2点目で楽になったのか、レイソルの攻めをいなしつつ、カウンター狙いという感じの状況が続く。中町のボレーが枠に飛ばなかったことで、少し嫌な感じだな、と思っていたが、終盤またまた俊輔のCKが起点となってパクジョンスがプロ入り初ゴール!結局3対0で終了となった。


リーグ戦は連勝できたが、これが今シーズン日産スタジアムでの初勝利というところに、チーム力の現状が現れている。しかし、ネガティブな材料は消えつつある。ファビオのケガの間栗原が穴を埋めたのは当然として、パクと新井が成長したことで、ディフェンス陣の厚みが増した。U-23組の喜田・富樫・前田も復帰する。カイケとマルティノスにはまだ不安なところがあるが、開幕当時と比べると、総合力はだいぶ上がってきているように思う。2ndステージで優勝争いできるよう、残り3試合全勝で行きたい。


読了:
「満願」(米澤穂信)

  • 2014~2015のミステリー「三冠」受賞作品。「王とサーカス」を読む前に読んでおこうと一緒に購入した1冊。月並みな言い方になるが、6つのストーリーいずれも捻りが効いている。意外な展開の連続でも、なるほど!と思わせる筆力が素晴らしく、三冠受賞の理由が納得できる。表題作も良いが、個人的には「夜警」、「柘榴」が面白かった。(評価A+)
「ヤバすぎる経済学」(スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー)
  • 2人のスティーヴンが「ヤバい経済学」刊行後に始めたブログ記事を再編集し、まとめた1冊。「ヤバい経済学」(”Freakonomics”)を最初に読んでから10年経つのか!著書で取り上げたトピックのフォローがあったり、ゲストによる書き込みがあったり、取り上げられるテーマも麻薬、ギャンブルやセックス、果ては銀行強盗をするならいつが良いかなど・・・ハチャメチャなようだが、実はしっかり経済学的な考え方で物事を捉えているのが良い。(評価A)
「<日本哲学>入門講義」(仲正昌樹)
  • 明治維新によって西洋哲学が一気に日本に流れ込んできた。そうした状況下、如何にして日本の哲学は「誕生」し、「進化」してきたのか。本書では西田幾多郎(「善の研究」)と和辻哲郎(「人間の学としての倫理学」)という2つの著作を解説することで日本哲学が西洋哲学をどのように受け入れてきたか併せ説いている。(評価A)
その他:
先日生まれて初めて”生きている”パンダを観た。平日の朝早い時間ということで、混んでいなかったので、しっかり写真も撮れた。

2016年5月22日日曜日

カップ戦&リーグ戦連勝!悪い流れは断ち切れた!!

ミッドウィークのナビスコ杯アビスパ戦は世代別代表の5名が不在の一方、中島が戦列復帰を果たした。前半は毎度のパターン。押し込むが仲川のシュートがクロスバーに当たるなどしてゴールならず、逆に31分に失点してしまう。それでも後半齋藤を投入し攻勢を強め、兵藤のPK、アディショナルタイムの伊藤のゴラッソで公式戦6試合ぶりの勝利を勝ち取った。勝利はめでたいが、TV解説の清水氏が言っていたように、仲川はじめ若手(+カイケ)がゴールを挙げられなかったところはなお課題だ。

そして1stステージ12節、アウェーのヴィッセル戦。アントラーズ戦で負傷した飯倉に代わり榎本が入った以外前節と同じスタメンで試合開始。ハイライトでしか見られなかったが、前半俊輔のFKから栗原のヘディングで挙げた1点を守りきりリーグ戦6試合ぶりの勝利、しかもリーグ戦では今シーズン初めての完封勝利となった。栗原の得点が初めてのシュートで、試合を通じてもシュートは5本のみという状況でも1対0で勝ちきれた意義は大きい。まだまだ課題はあるが、勝利は何よりの良薬。アビスパ戦とヴィッセル戦の2試合で何とか悪い流れが断ち切れたのではないか。水曜日ナビスコ杯のアルビレックス戦、日曜日レイソルとのリーグ戦と相性は決して良くない2チームとの試合になるが、どちらも今後の方向を決める重要な戦いになる。是非連勝でナビスコ杯準々決勝進出圏内への浮上、そして日産スタジアムでの今季初勝利を果たして欲しい。

読了:
「世界のエリートが学ぶ マクロ経済入門」(デヴィッド・モス)

  • HBS教授である著者が経済学を学んだことのない読者(MBA入学者が念頭にあるようだ)を対象に、産出高(GDPの算出)、貨幣、期待という経済を考える上の3要素から始まり、これらが現実の経済を考える時にどう関わってくるかまで丁寧に解説している。コンパクトな入門書だ。あまり専門用語を用いていないこともあるのか、タイトルが「マクロ経済」入門になっていないところが味噌。(評価A)
「夢幻花」(東野圭吾)
  • 久々に東野作品を読んだ。幻の花が開花し、それを育てた一人の老人が殺害される。そして第一発見者の孫娘が協力者と事件の謎に迫っていく。この協力者の家族設定など無理があるところはあるが、いつもの通り科学的な知識を背景に、いくつも伏線が張り巡らされているのが著者らしい。更に、見方によっては主人公の青春小説と捉える事もできる。(評価A)
「政治家の見極め方」(御厨貴)
  • 著者がオーラル・ヒストリーのインタビューや「時事放談」を通して感じた「20世紀の」政治家と、小泉政権以降「小粒化」した政治家を対比しながら、政治家論という観点から現在の政治状況を解説している。著者が挙げた「ゲーム」、「コストパフォーマンス」、「等身大化」というポイントは、今の政治家を見ていると「なるほど」と納得できる。(評価A)
購入:
「硝子の太陽Rouge」(誉田哲也)

その他:
また一人全米トップクラスのプレーヤーが来シーズンDuke Basketball Teamに加わることになった。これでClass of 2016上位20名のうち4名がメンバーとなることが決まった。A. Jefferson、M. Jones、G. Allenといった上級生も戻ってくるので、この2年間6名とか7名でやりくりしていた(それでも昨年は全米チャンピオン、今年はSweet 16まで行けた)チーム状況と様変わりするだろう。来シーズンの期待が益々高まった。

2016年5月15日日曜日

アントラーズ戦は今回も完封負け

F.マリノスは今節苦手中の苦手アントラーズとの対戦。ケガから回復したマルティノスが先発に戻った一方、ファビオが負傷、喜田が出場停止ということで栗原が中澤とCBを組みパク・ジョンスがボランチに入った。
 試合はアントラーズペースで始まり、9分にFKから金崎に決められあっという間に失点してしまう。その後前半20分過ぎまでは全く攻撃ができなかったが、齋藤の初シュートで流れが変わる。そこからはほぼ互角の試合ができたが得点には至らず前半終了。後半は齋藤とマルティノスからチャンスを数多くつくり一方的に攻め込む状況だったが、惜しいシュートはあったものの最後までゴールはならず、ここ5試合で4敗目を喫した。
 これでアントラーズには6連敗となったが、ホームでヴァンフォーレ相手に二度追いつかれた前節よりは希望が持てる内容だったと思うのは私だけだろうか?懸案の守備で栗原もパクも使える事が分かったのは収穫だ。特に喜田がU-23で不在になる期間、パクが穴を埋められる目途が立ったのではないだろうか。攻撃面ではマルちゃんも齋藤も好調で、問題はフィニッシュだけなので、今は(いつかドバっと出るという)ケチャップ理論を信じよう。ミッドウィークのカップ戦(アビスパ戦)を挟み次節ヴィッセルとのアウェーでは久々の白星が挙げられると信じる。

三菱自動車が事実上日産自動車の傘下入りすることが決定した。これによりレッズが間接的に日産の影響を受けることになることになり、Jリーグの規定上問題になってくる。日産の三菱自動車株保有割合34%(1/3超)というのは会社法の観点で結構意味のある重たい比率なので、Jリーグとしてスルーはできないだろう。「お荷物」の自動車を救ってもらうのだから、他の三菱グループ企業が株を買い取って肩代わりするのがベストだと思うが、それほどの余裕のある企業があるだろうか?経緯を注視したい。

読了:
「スーパーボス」(シドニー・フィンケルシュタイン)

  • 自らハードワーカーで、部下への要求も半端ない。しかし何故か部下たちからは慕われ、そうした部下から多くのタレントを輩出する。著者の描く「スーパー」な上司のイメージだ。マイルス・デイビス、ラルフ・ローレン、ロバート・ノイス、ラリー・エリソンのような著名なボスを含む18名の「スーパー」なボスはどこが違うのかが説かれている。本論とはズレるが、面白かったのは、次期アメリカ大統領候補の2人が対照的に描かれていること。ヒラリー・クリントンはスーパーボスの資質があるとされ、ドナルド・トランプは対照的に自意識過剰で横柄な「ボス然としたボス」とされている。どちらが次期大統領に相応しいか、ボスとしての適性では勝敗が明らかなようだ。(評価A)

2016年5月8日日曜日

連敗はとまったけど(ヴァンフォーレ戦)

2週間アメリカに行っている間にF.マリノスはリーグ戦3連敗。特にホームでベルマーレに今季初勝利を献上したり、苦しんでいるグランパスにミスからの失点で落としたりと良くない負け方が続いていた。

今節はヴァンフォーレ戦を生観戦したが、結果は2対2のドロー。連敗は一応止まったが、不満ばかり残る試合になった。ヴァンフォーレといえば守備的なチームという定評があるが、今日は両チームとも守備的で、マリノスも結構押し込まれる時間があった。中町が俊輔のFKからゴール、いったん同点に追いつかれたが、前半終了間際に齋藤のゴールで突き放してハーフタイムに。後半も「これは!」というシーンが少なくとも3回はあった。齋藤のシュートがポストにあたり、カイケが押し込めなかったり、ファビオのヘッドが少し合わなかったり、極め付きは速攻から俊輔が送ったラストパスを遠藤が決められなかったところだ。その直後に同点にされたのだから余計に悔しい。カイケも遠藤も「持っていない」!

だが、今のマリノスでもっと深刻な問題点は守備だ。今ステージで無失点はスコアレスドローに終わったレッズ戦1試合のみ。ここ2試合で5失点。もはや堅守のチームなどとお世辞にも言えない状況だ。今日の失点はどちらも強風にハイボールの処理を惑わされ、ボールを失った結果だ。これ以外でも結構ミスパスから逆襲を食らいそうな場面があった。ヴァンフォーレに2失点では他のチーム相手で勝てそうな気がしない。そろそろ不動のメンバーを崩す「ショック療法」が必要ではないだろうか?今日の観客数は18000人少し。サポーターが今のチームに期待できない現れに他ならない!

購入:
「福島第二原発の奇跡」(高嶋哲夫)、「戦後政治を終わらせる」(白井聡)

2016年5月5日木曜日

20年目の同窓会でアメリカ旅行

約2週間Fuqua School of Business (Duke University)のReunion出席と併せアメリカに行ってきた。サンフランシスコでは念願だったアルカトラズ島に上陸できたし、マウント・ラシュモアやデビルズ・タワーを観光し、29日~2日はダーラムで同窓会出席&懐かしい場所の探訪と充実した旅行だった。





29日の金曜日にはキャンパスでベン・バーナンキ前FRB議長とDeanの対談があって、リーマン・ショックの際の対応に関する話が聞けた。余談になるが、多分その日の朝食で我々の後ろに座っていたのがバーナンキ夫妻だったようだ。


まだ時差ボケで辛い・・・

2016年4月21日木曜日

カップ戦初勝利。でも・・・(サガン鳥栖戦)

ミッドウィークのナビスコ杯グループステージ。ここまで未勝利のF.マリノスは今節もリーグ戦からスタメン全員を入れ替えて臨んだ。対するサガンは熊本大地震の影響でリーグ戦が中止となったため、ベストメンバーが先発しており、試合はスタートから攻め込まれる展開になった。前半途中でサイドからのクロス中心の攻撃にアクセントをつけていたMF鎌田がアクシデントで交代してからは攻撃の局面ができ、20分過ぎには左サイドに入った高野のクロスがハンドとなりPKを獲得。これを伊藤がしっかり決めてマリノスが先制する。この1点を最後まで守りきったF.マリノスがリーグ戦に続き1点差でサガン鳥栖を破った。
 結果は勝利したものの、今日のメンバーからリーグ戦の先発メンバーが出てくるかとなると「?」だ。守備では終盤危ない場面がポストに救われたこともあり今季2回目のクリーンシート達成も、ゴール前の横パスをカットされてピンチを作る場面が(特に終盤)見られたし、攻撃面でも確かにボール回しはできるがゴール前に入っていく迫力に物足りなさを感じざるを得なかった。皆、「ここでアピールしてリーグ戦で先発する」という覚悟を持っていただろうが、結果は「?」。サンフレッチェ戦のメンバーは前節と同じでしょう。。。

読了:
「迷走する民主主義」(森政稔)

  • 民主党政権はどのようにして生まれ、どのようにして消えて行ったのか。政策面および政権運営面での失敗を改めて整理しつつ、民主主義が直面している問題点を解説している。ロールズやサンデルにも言及し、政治哲学と現実の政治との「ねじれ」を明らかにしたり、民主主義を維持していくための教育の必要性に関する議論を整理したりしているので、読み応えがあった。(評価A)

2016年4月16日土曜日

「らしくない」快勝は快進撃の始まり?(ジュビロ戦)

熊本での大地震の影響で2試合が中止となったJ1第7節。F.マリノスはアウェーのジュビロ戦。外出していたので後半30分過ぎからTV観戦。それまでは経過をネットで確認するだけだったが、チェックする都度得点が増えるというマリノスらしからぬ状況に驚いた。最終的には5対1で完勝。カイケと喜田のJ初ゴールというオマケまでついた「おいしい」試合になった。カイケとマルティノスが合流して3試合目、ようやく攻撃が噛み合いだしたようだ。ナビスコカップ戦を挟み次節はホームでのサンフレッチェ戦。今度こそ日産スタジアムでの初勝利といきたいものだ。

今週は代表の試合日程が次々決まった。
まずは、フル代表のロシアW杯最終予選。オーストラリア、サウジアラビア、UAE、イラクそしてタイ。アジアカップ4強のうち3チームと対戦することになったが、イラン・韓国・中国との対戦が避けられたのをプラスと捉えたいし、簡単でないのは承知の上でも、本選でベスト8以上に残りたいなら、ここでは圧倒的な差を見せつけて勝ち抜いてほしい。

また、リオ・オリンピックに出場するU23チームの対戦相手も決まった。ナイジェリア、コロンビア、スウェーデンと強豪揃いだ。3連敗もあり得る相手だが、厳しいと思っていたアジア予選を優勝で飾ったチームの伸びしろに期待しよう。

読了:
「ダークマターと恐竜絶滅」(リサ・ランドール)
  • 6600万年前、恐竜絶滅をもたらした彗星はダークマターの作用で地球への衝突軌道を進み始めた!?SFのようなタイトルだが、本書を読むと「なるほど、そういう事が起こるのか」と納得させられる。恐竜絶滅の原因についてどのように考えられてきたのか、ダークマターについての研究はどこまで進んでいるのか(WIMPとMACHOという二つの候補は言葉の選び方からして面白い)、といった解説も充実している。著者らが提唱する「二重円盤モデル」について今後どんな検証結果が出てくるのかにも注目。(評価A+)
「21世紀 地政学入門」(船橋洋一)
  • 日本人が自らには無縁と考えがちな地政学だが、最近の世界情勢、すなわちウクライナ、特にクリミア半島をめぐる欧州とロシアの関係、IS・シリア・更にはイランとサウジの対立といった中東をめぐる緊張の高まり、そして中国の海洋進出・北朝鮮の動きといった日本の周辺における状況を考える上で欠かせない常識になった。本書はそうした情勢を考える上での示唆に富んでいる。(評価A)
購入:
「夢幻花」(東野圭吾)、「ヤバすぎる経済学」(スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー)

2016年4月10日日曜日

レッズ相手の無失点を良しとしよう!?

J1ファーストステージ第6節は今季2回目の生観戦。去年夏の対戦での快勝を再現!と行きたかったところだが、試合は開始早々飯倉のファインセーブから始まり、最後まで押されっ放しだった。マリノスはボール奪取の位置が低く、カウンターに出ても長い距離を走るという毎度ながらの状況。今節は齋藤が欠場し、遠藤が代わりに出たが、やはり実力差は歴然。カイケやマルちゃんとの連携も今一つで攻撃は単発。点を取れそうな気がほとんどしなかった。守備も結構危ない場面の連発で、前節から「当たっている」飯倉がいなければ失点していただろう。という訳で、今日は勝ち点1を儲けた、と前向きに捉えましょう。

NCAAトーナメントがVillanova大の優勝で終わって数日、Dukeバスケットボールで大きなニュースがあった。NBAドラフト挑戦が予想されていた2年生Grayson Allenが来季もBlue Devilsの一員としてプレーすることが正式に発表されたのだ。シーズン途中のケガで今季大部分を棒に振った4年生Amile Jeffersonも特例措置を申請して来季プレーできる見込みだ。ここに優秀な新人3人が加わるので、2年ぶりの全米王座奪還への期待が益々高まってきた。

読了:
「スティグリッツ教授のこれから始まる『新しい世界経済』の教科書」(ジョセフ・E・スティグリッツ)

  • 先日来日し、安倍首相に消費税引き上げの延期を提言したノーベル賞受賞者スティグリッツ教授が、これ以上の格差拡大を抑え、世界経済が成長軌道を取り戻すにはどうすべきかを説いた1冊。提言は主にアメリカを意識したものではあるが、その内容は、議会における共和党の影響力で政策が思うとおりに進められないアメリカよりも、失速気味のアベノミクスを何とかしたい日本の方が実現可能かも、と思われる。(評価A)

「ハーバードでいちばん人気の国 日本」(佐藤智恵)

  • ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のケースで取り上げられている日本企業および日本経済の事例紹介を通じ、日本の実力はまだまだ捨てたものではない、と著者は説く。確かにHBSだけでなく、我がFuqua School of BusinessやWhartonなどのJapan Trekは人気のようで、日本に対する関心が高いことはうかがわれる。しかしながら取り上げられたケースの中身を見ると、テッセイ(新幹線お掃除劇場)のような新しい事例はあるが、岩崎弥太郎やホンダのアメリカ進出といった過去のケースが多い事を考えると、先が思いやられる。(評価A)

「成長企業の法則」(名和高司)

  • Fortune 500のような世界企業のランキングがある中、著者は売上1兆円以上のグローバル企業(非上場会社、規制業種は除く)を売上高成長率・企業価値成長率・平均利益率の3点で評価しランキングを付けた。ランキング自体もさることながら、様々な事情でランクから漏れた企業も含めた成長戦略(著者はLEAPというフレームワークから分析している)が、日本企業に示唆するところが多いのではないか。個人的には著者が古巣McKinseyへの批判を展開している点も面白かった。(評価A+)
購入:
「スーパーボス」(シドニー・フィンケルシュタイン)、「世界のエリートが学ぶ マクロ経済入門」(デヴィッド・モス)、「<日本哲学>入門講義」(仲正昌樹)、「政治家の見極め方」(御厨貴)、「現代思想史入門」(船木亨)

2016年4月3日日曜日

俊輔・マルティノスそして飯倉(F.マリノス2-1ガンバ)

今節のJリーグ、ガンバ戦は花見ディナーから帰宅後前半15分から観戦。直後にアデミウソンに決められて今節もクリーンシートはならず。F.マリノスはカイケ・マルティノスともあまり機能しているように見えずジリジリとしていたが、そのマルちゃんが得たFKを俊輔が決めて同点に追いつく。その前に足場が滑って大きく枠を外していたというから、修正力の素晴らしさを讃えよう。
 後半マルティノスと齋藤のサイドを変えたあたりから攻撃が機能し始め、その学の突破からカイケがヘディングシュートを放つ。ガンバ宇佐美が負けじとシュートを放ち飯倉が防ぐと、そのCKからカウンターアタック、マルティノス→学→マルティノスとわたり、冷静に決めたマルちゃんが来日初ゴール!これで逃げ切りと思っていたが、今回もロスタイムに小林が宇佐美を倒しPKを献上してしまう。しかし遠藤のシュートを読み切った飯倉が弾きだして、ようやく決着。マリノスは3連勝を飾った。
 新外国人2人同時のデビューはリスクもあったと思うし、まだ連動した攻撃とまではいかなかったが、攻撃力アップの手応えが感じられた事で、次節ホームのレッズ戦が楽しみになってきた。今季日産スタジアムでの初白星を期待する!

読了:
「B面 昭和史1926年-1945年」(半藤一利)

  • 「昭和史」の著者である半藤氏が、いわゆる歴史本に描かれている政治・経済の動き(これをA面と呼ぶ)ではなく、その裏側で庶民はそうした出来事をどのように捉えていたのかを当時の新聞記事や(永井荷風らの)日記から繙いている。本書を読むと軍部の暴走はマスコミが煽り、庶民がそれを熱狂をもって受け入れてきた面があること、ひいては「空気」に左右される日本人には今後もポピュリズムを無批判に受け入れる大きなリスクがあることなどを考えさせられた。(評価A)

「中東複合危機から第三次世界大戦へ」(山内昌之)

  • シリア内戦、ISの台頭、イランとサウジアラビアの関係悪化、もうひとつのイスラム大国であるトルコの実情、さらにはこれらの事態に対する米欧・ロシアの思惑。本書を読むとこれらが複雑に絡まっている(Interlinkしている)事が良く理解できる。イスラムの教え自体についても分かり易く解説されているので、報道の裏を読むのに必要な知識を得られた。最近またクローズアップされている地政学の入門書的な要素もある。(評価A+)

2016年3月26日土曜日

YNCフロンターレ戦。代表アフガニスタン戦。ヨハン・クライフ・・・

代表ウィークの水曜日、ヤマザキ・ナビスコ・カップが開幕。F.マリノスはサガン鳥栖戦から先発全員交代でフロンターレ戦に臨んだ。結果はスコアレスドローだったが、負けていておかしくない試合を引き分けに持ち込んだと言えるのでは。再開後のスタメン争いがどこまで熾烈になるかは「?」だが、カップ戦出場メンバーの「試合勘」が戻るのは良い事だ。更にニュースがもう一つ飛び込んできた。オランダでユース世代の代表経験を持つマルティノスの入団が決まった。この補強も現メンバーに刺激となるだろう。また、統括本部長が退任し、スポーティング・ディレクターなるポジションの人が就任するようだ。昨年・今年と補強で後手に回ったが、新体制ではこのような「失態」を失くして欲しい。

金曜日のW杯2次予選アフガニスタン戦。結果は5対0だったが、前半は攻撃のチグハグさばかり気になった。相手の治療時間を利用して円陣を組むなどというのは、意思疎通ができていない証拠ではないのか?最終予選に向け、次のシリア戦ではもう少し「チャンとした」試合をしてもらいたい。

ヨハン・クライフ氏が亡くなった。高校2年だった1974年W杯西ドイツ大会で初めてオランダ代表14番をつけたクライフを見た以上の衝撃は40年以上経過しても色あせていない。予選リーグアルゼンチン戦でのキーパーをかわしたシュート。ブラジル戦のジャンピングボレー。何よりスウェーデン戦での「クライフターン」は凄い!の一言だった。彼の魂はこれからもアヤックス、バルセロナで生き続けるだろう。ご冥福をお祈りする。

NCAAトーナメント3回戦。DukeはOregonに敗れシーズンを終えた。11敗という結果が示す通り、昨年ほどの実力がなかったということだ。これでPlumleeに加えNBA行きが確実視されるIngram、Allenはチームを去ることになるが、新1年生は今年以上に有望株が揃う。残ったチームメンバーと融合できれば来年タイトル奪回も決して夢ではない!

読了:
「サイロ・エフェクト」(ジリアン・テット)

  • ソニーはなぜ凋落したのか。「堅い」と評されていたUBSはなぜリスク管理に失敗したのか。著者はその原因としてサイロの壁を打ち破ることができなかった事があると分析する。本書では、これらの企業と対比する形でFacebookやブルーマウンテン・キャピタルといった企業・組織がいかにしてサイロ・エフェクトを防いでいるかも紹介されている。サイロの壁が厚くなる兆候は本書を読むといくつか学べるだろう。例えば、社内の一部門・一個人が英雄視されるようになるというのもその一つだろう。ソニーの分析がしっかりしていると感心していたが、あとがきでかつて読んだ「セイビング・ザ・サン」の著者であったと知り、なるほどと納得した。(評価A)
「21世紀 日本の格差」(橘木俊詔)
  • 日本における格差問題を長年研究してきた著者の手による日本版「21世紀の資本」であり「21世紀の不平等」といえる一冊。本書では、ピケティの研究を評価しつつも、日本における問題は健康格差や老々格差といった側面があることを指摘する。また、格差是正と経済成長の両立を図るには低所得者層対策の方が有効であるといった提言もなされている。アベノミクスが踊り場にあると言われ、消費増税先送り論が強くなっている中、検討に値する政策かもしれない。(評価A)
購入:
「21世紀 地政学」(船橋洋一)、「迷走する民主主義」(森政稔)、「ダークマターと恐竜絶滅」(リサ・ランドール)

2016年3月20日日曜日

ホーム初勝利、富樫2戦連続ゴール

J1ファーストステージ第4節。F.マリノスはサガン鳥栖と三ツ沢で対戦。外出の関係で前半途中からのTV観戦となったが、スイッチを入れたらいきなり画面に「富樫の2戦連続ゴール」の字幕があって驚いた。ハーフタイムのハイライトで見ると1対1の局面でも落ち着いた対応でゴールしていた。しかし前半のシュートはその1本のみで、どちらかというと押し込まれる展開が続いた。
 後半になっても流れは変わらず、63分には金民友のFKから谷口に押し込まれ今節も1失点。しかし、今回はすぐに突き放すゴールが生まれた。下平が前節と同じような縦パスを伊藤に通し、このシュートは外れたが、こぼれたところを中町が冷静に決め勝ち越しゴール。後は何とか凌いで勝ちきった。
 今日の結果連勝&ホーム初勝利となったが、正直喜んでばかりいられない。点は取れているが、遠藤は消えている時間が長く、齋藤もドリブルの切れは良いがシュートに持ち込めていない。俊輔もまだ本調子ではなさそうだし・・・まあ攻撃陣についてはカイケが刺激になるだろうからまだ救いがあるが、毎試合1失点の守備には不安が多い。特にセットプレーの守備は心配だ。次節からガンバ・レッズ、ジュビロ戦を挟んでサンフレッチェとACL組との試合が待っている。代表ウィークでしっかり立て直さないと1失点では済まない。アタッキングサードで不用意なファウルをするのだけはすぐにも修正してもらいたい。

全米カレッジ(NCAA)バスケットボールトーナメントが始まった。ディフェンディングチャンピオンのDukeはWestの第5シード。初戦のUNCWには後半逆転勝ち。2回戦のYaleには逆に後半追い上げられたが逃げ切って、Sweet 16入りを果たした。今年のDukeは強いのか弱いのか分かりづらいチームだ。この先どこまで進めるか、次はおそらく第1シードのOregonだろう。

読了:
「日本 呪縛の構図」(上)(下)(R・ターガート・マーフィー)

  • 在日40年の筑波大学大学院教授でウォルフレンやファローズと並ぶリビジョニストである著者から見た日本の過去・現在。日本人、特に組織人としての日本人の気質に江戸時代の影響が色濃く残るという著者の見方は極めて面白かったし、55年体制に関する解説にも納得できるところが多かった。一方で2009年からの民主党政権について「まともな」政権になる可能性をつぶされたと評価しているなどは、「Really?」と思うところだ。(評価A)

2016年3月13日日曜日

苦しみながらも今季初勝利(アルビレックス戦)

J1第3節。早くも全勝チームがいなくなるという混戦模様の中、F.マリノスは9年間勝利のないアウェーでのアルビレックス戦。2試合で1得点の攻撃陣は1トップを富樫、右サイドのMFに遠藤という「新人」を起用してキックオフ。ボールポゼッションはアルビレックスに握られていたが、しっかりブロックを形成してカウンター狙いだった前半25分、下平のパスから抜け出した富樫が見事なシュートを放って先制。その後もボンバーの惜しいヘディングシュートなどがあり1対0で前半を終了。
 後半ラファエル・シルバに同点ゴールを許したが、そのラファエルがシミュレーションで退場となり、その後はF.マリノスが攻勢の時間が続く。しかし、齋藤・遠藤そして交代出場の仲川の個人技からチャンスを作るが得点できない。今節も初勝利お預けかと思ったが、最後は俊輔のCKからボンバー、齋藤と渡り堅いゴールをこじ開けた。3戦目の1stステージ初勝利は褒められたものではないが、ここまでで富樫・仲川・遠藤が戦力になり得ることが分かり、攻撃陣に一層の競争意識が芽生えたとすれば今後に大きなプラスだ。一方で3試合とも失点し、特にこの2試合セットプレーからゴールされた守備陣には不安を感じる。

先週待ちに待ったFWの獲得が内定した。カイケが加入することで、FWの争いが一層激しくなるのは更なる好材料だが、見方を変えると、難しいことは承知で、来日すぐに大活躍を期待せざるを得ないほど得点力不足が重症だということだ・・・今は膝の問題がなく正式契約できることを祈ろう。

Duke Blue DevilsはACCトーナメント準々決勝でノートルダムに敗れ、今年もリーグ・トーナメントを制することができなかった。今週末にはNCAAの組み合わせが決まる。March Madnessもいよいよ佳境に入る。ジェファーソンが今季復帰絶望という中で、どこまで戦えるか・・・

読了:
「中曽根康弘」(服部龍二)

  • 「三角大福中」のしんがりとして首相になり、その誰よりも長くその宰相の座にとどまった「大勲位」中曽根氏。本書はその生い立ちから政治家としての足跡をたどり、「風見鶏」と評されながらも首相となり、国鉄民営化などを成し遂げた一方、靖国参拝を後の内閣での外交問題化するきっかけを作ったといった功罪を明らかにしている。戦後政治史のテキストにもなりそうな内容で、新書版ながら読み応えがあった。(評価A)
「戦略にこそ『戦略』が必要だ」(マーティン・リーブス、クヌート・ハーネス、ジャンメジャヤ・シンハ)
  • BCGのコンサルタントによる経営戦略本。新たな戦略論を展開するというより、すべての業種・企業に万能な戦略などなく、自社の環境(外部環境だけでなく、ケイパビリティまで)を「戦略パレット」のフレームワークに落とし込んで正しく評価し、実践すべき戦略を選択することが重要だと説き、その上で各戦略アプローチの要諦に関しても解説されている。久々の戦略本らしい一冊だが、日本企業が実践するにはハードルが高そうだ。(評価A)
「マイナス金利」(徳勝礼子)
  • 長年外資系金融機関でマーケット・アナリストを勤める著者ならではの一冊。市場で何が起こってきたのか、一般紙などでは知りえない現状の分析から、黒田総裁による導入のはるか前から実質的にマイナス金利状態が起こっているというある意味衝撃的な内容が明らかにされている。専門的な用語の解説があっても100%理解するのは難しかったが、日銀の狙いとは逆の結果を招くリスクについて、本書を読むことで理解できた。(評価A)

購入:
「ハーバードでいちばん人気の国・日本」(佐藤智恵)、「スティグリッツ教授のこれから始まる『新しい世界経済』の教科書」(ジョセフ・E・スティグリッツ)、「成長企業の法則」(名和高司)

2016年3月6日日曜日

なでしこ まさかの失速。マリノスは引き分け

女子サッカーのリオ五輪予選。地元開催の日本は3試合終えて勝ち点1、ほぼ予選突破は絶望という事前には考えられなかった結果となった。澤の引退が「終わりの始まり」だったとは考えたくないが、この3試合から見えてくるのは、メンバーが固定されたなでしこは研究し尽くされたばかりでなく、進歩もしていないという惨状だ。監督交代は当然だが、若手の起用を含めチームを一から作り直すことが必要になるだろう。男子がドーハを経験したように、是非とも今回の「大阪の屈辱」を次への教訓として欲しい。

F.マリノスはJ1ファーストステージ第二戦でアビスパと対戦。開始早々警戒していたセットプレーで先制を許し、前節同様追いかける展開に。攻撃陣はこの日も全く良い所なく前半を終了。シュートこそ許さなかったものの、ボールの取られ方が悪すぎて、しばしばカウンターを食らった。後半アビスパの足が止まりようやく攻撃がカタチになり始めたが、それでも伊藤のクロスから齋藤が飛び込んでもシュートはポストにあたり決まらない。ジリジリする展開が続いて、今週もヤバいと思ったところ、俊輔にFKのチャンスが到来。セルティックス時代のVTRを再生したような軌道のシュートが見事ニアに決まった。しかし結局この1点どまりで引き分けがやっと、初勝利はお預けになった。ただ、次節アルビレックスはホーム初戦だし、2試合で5得点と攻撃陣が好調だ。厳しい試合になるだろう。このままでは隠れ降格候補から「隠れ」が取れてしまう。選手の奮起を期待する。

読了:
「危機と決断」(上)(下)(ベン・バーナンキ)

  • FRB前議長のバーナンキ氏が、いわゆる「リーマン・ショック」から欧州危機にどう対応してきたのかを語る回顧録。10年近く経った今だから見えてくるのは、どれほど緊迫した状況だったのか、なぜリーマン・ブラザーズは破綻し、AIGが救済されたのか、その真実の姿だ。本書を読み、まさに進みつつある米大統領選を見ていると、本書にも登場するような経済音痴が世界のリーダーになってしまうかもしれないという大きなリスクだ。(評価A+)
「2020年世界経済の勝者と敗者」(ポール・クルーグマン、浜田宏一)
  • ノーベル経済学賞受賞者とアベノミクスの理論的指導者が、アメリカ・日本・欧州そして中国の経済状況および現在進行中の経済政策を評価する。バーナンキ氏も本書の著者もMITで学んだという共通点があるので、おのずとFRBと日銀との金融政策を比較し、アベノミクス以前の金融政策に対する批判がそこここにちりばめられている。今週読み終わったこれらの本を通じ、ネオ・ケインジアンに対する評価を改めなければと思った。(評価A)

2016年2月28日日曜日

ゴールが遠い。俊輔抜きの開幕戦(0対1 vsベガルタ仙台)

移籍した選手の事は考えまい。インフルエンザでの俊輔欠場と併せても、昨年の開幕戦と一緒じゃないか!代役が頑張ってベガルタに勝ってくれるだろう。と期待してスタジアムに行ったのだが・・・
 期待は裏切られました。前半19分に先制され、こちらはシュートすら打てない状態。ファビオが遠目からシュートを打っても六反に簡単にキャッチされ・・・全く良い所なしでハーフタイム突入。
 後半はこちらのペースになり、特に仲川&富樫の2枚替えからは前への推進力が増したが、それでもゴールは遠かった。伊藤の惜しいシュート、ファビオのCKからのシュートはあったが・・・それでもゴールをこじ開ける事が出来ずタイムアップ。デジャヴを見ているような試合で、フラストレーションが溜まる初戦でした。

得点力を如何に上げるかが課題だということは皆が承知。ラフィーニャがケガをしなかったとしても、補強が必要だったのではないか?なぜいつも後手に回るのか!待ち人の情報は今年もブラジルのメディアが先に報じた。昨年との大きな違いは契約に至っていないという点。隠れ降格候補とさえ言われ始めているチームなのに、フロントは本当に危機感を持っているのだろうか?

読了:
「戦後経済史は嘘ばかり」(高橋洋一)

  • 第二次大戦後の奇跡の復活、高度成長、オイルショック、バブルと失われた20年。それぞれのイベントがなぜ起こったかが語られる際の「通説」は誤っている。戦後の産業復興において通産省が果たした役割とは何か、ニクソン・ショックやプラザ合意の正しい理解、バブル期における日銀の政策や小泉改革、更にはアベノミクスの評価など、官僚として政策にも関わってきた著者は「真実」を語っている。(評価A+)
「西日本大震災に備えよ」(鎌田浩毅)
  • 3.11によって日本列島を取り巻く地球科学的な環境が一変し、1000年に一度の変動期を迎えている、今後首都直下地震、南海トラフ大地震、更には富士山噴火といった事態が高い確率で発生すると予測されている。これらの災害から逃げるすべはなさそうだ、と考えると希望も何もなくなってしまうが、著者はこうした災害をこれまで日本人が如何に「活かして」きたかに注目し、快適過ぎない生活、ストックからフローへの転換を提唱する。(評価A)
購入:
「日本 呪縛の構図」(上)(下)(R・ターガート・マーフィー)、「B面 昭和史1926-1945」(半藤一利)、「マイナス金利」(徳勝礼子)、「サイロ・エフェクト」(ジリアン・テッド)、「21世紀日本の格差」(橘木俊詔)、「中東複合危機から第三次世界大戦へ」(山内昌之)

2016年2月21日日曜日

開幕まで1週間

金曜日に今年のトリコロールメンバーズ会員証が届いた。いよいよ27日はベガルタとの開幕戦。昨年とほとんど変わらないスタメンになるだろうが、逆に連携の不安がないと前向きに捉えよう。キクマリで見たが、イベントで長谷川社長が外国籍FWの獲得間近だと明言したことで、伊藤をはじめとするFW陣が闘争心を掻き立ててくれれば更にプラスだ。

Duke Blue Devilsバスケットボールチームはアウェーで”宿命のライバル”UNCに1点差で勝利。Facebookで見たところキャンパスは相当盛り上がったようだ。選手層の薄さは相変わらずだが、それでも去年は全米チャンピオンになった。今年はそこまで強くないかもしれないが、レギュラーシーズン残り5戦良いカタチで終わって欲しい。

昨夜は年に一度の大学クラス会。世間を騒がしている組織のお偉いさんになった同級生も、このときは30数年前にタイムスリップ!楽しい会でした。


読了:
「ものづくりの反撃」(中沢孝夫、藤本隆宏、新宅純一郎)

  • 「失われた20年」の中で苦戦を強いられてきた日本の製造業だが、安易な戦略(ここでは海外への生産拠点移転)をせずに現場力を磨いてきた企業が、海外との賃金格差が縮小したこともあり復活してきた。3名の経営学者は日本のものづくりの潜在力を高く評価する。ドイツのIndustry 4.0に対しても冷静に分析しているし、本社部門の問題などを指摘することで、単純な日本的経営礼賛論にもなっていない点を評価する。(評価A)
「経済学の宇宙」(岩井克人)
  • とにかく面白かった。一人の経済学者の研究生活を通じ、アリストテレスからピケティまで、マルクス経済学も新古典派経済学も、更に法人論や会社統治論までの幅広い分野の理論が素人向けに解説されている。経済学の入門書としても有益な1冊。東大時代に教わった教授が何人か被っていて懐かしかったし・・・昨年のベスト経済書に選ばれただけのことがある。もっと早く読めばよかった、と久々に感じた。(評価A++)
購入:
「戦略にこそ『戦略』が必要だ」(マーティン・リーブス、クヌート・ハーネス、ジャンメジャヤ・シンハ)

2016年2月14日日曜日

マリノス沖縄&宮崎キャンプで練習試合無得点

J1開幕まで2週間。F.マリノスは沖縄・宮崎のキャンプを終了した。宮崎での2次キャンプではアビスパ、レノファ、サンフレッチェとの練習試合が組まれていたが3試合とも無得点という結果に終わった。沖縄の2試合も含めると5試合ゴールが生まれていない。「本番ではない」などといったExcuseはいくらでも考えられるが、結果が出なかった以上フィニッシュの問題点が解決できていないのは明らかだ。補強の話はどうなっているのか?GK2名を含むユース選手3名の登録しか聞こえてこない状況に危機感を募らせているのは私一人ではないだろう。水沼や阿部など移籍選手が溌剌とした働きを見せてACL本選に進んだFC東京や完全移籍で金崎を復帰させたアントラーズを見ると不安&不満だらけだ。昨年のアデミウソンでさえ真価を発揮できたのは1stステージ中盤だったことを考えると、一刻も早い補強を求めたい。

Dukeバスケットボールチームが復活してきた。先月まさかの失速でTop 25から9年ぶりに消えるところまでいったが、ここにきてLouisvilleとVirginiaというランキング校に連勝した。いずれもホームゲームの勝利ということだし、4年生Jeffersonが復帰していないこともあるので、完全復活とは言えないが、今週のランキングでは25位以内に返り咲けそうだ。次はいよいよUNCとの今季第一戦。UNCは今シーズン全米王座を十分狙えるチームだし、アウェーだが、思う存分暴れて欲しい。

今年に入って3本の映画を見た。結構ハイペースだ。
一本目の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(原題" Flights Up")は地味な映画だが、モーガン・フリーマン、ダイアン・キートンというオスカー俳優が魅力を発揮した良品。人種問題・LGBTといったアメリカの社会問題にさりげなく言及されていたのも印象的。上映館が限定されているせいか、場所(二子玉川)のせいか、土曜日朝から満員だったのも驚き。
二本目は「オデッセイ」(原題"The Martian")。火星に一人取り残された主人公が科学知識を生かし生き延びようとする。現在分かっている火星に関する情報をきちんと踏まえた内容なので、現実感が半端ない。随所にユーモアが鏤められているのもGood!マット・デイモンにジェシカ・チャスティンなので「インターステラ―」みたいだなと思うところもあったが、あそこまで哲学的ではない。宇宙映画の傑作と言えるだろう。
この週末は「スティーブ・ジョブズ」(原題"Steve Jobs")を見た。Macintosh、NEXT、iMacという3つの商品の販売イベント開始直前という3幕構成で、ウォズニアック、スカリー、娘のリサといった人物とジョブズとのやり取りを通じてSteve Jobsとは何者だったのか、その実像が浮かび上がってくる。映画のエピソードに出てくる小澤征爾氏が語ったという「指揮者とはオーケストラの演奏者」という表現が、Steve Jobsの本質を衝いている。

読了:
「プラグマティズム入門」(伊藤邦武)

  • 19世紀後半のパース・ジェイムズから現代に至るまで、プラグマティズムがどう誕生し、一時期の「低迷」からどう復活したかが13人の思想で浮かび上がる。著者が”はじめに”で触れたように、プラグマティズムは哲学思想というより生活の中での”実用主義”という意味合いで使用されているが、本書を読むことで、哲学としてのプラグマティズムがどのようなものであるか、またなぜアメリカなのかといった概要がつかめる。(評価A)



2016年2月7日日曜日

あと3週間・・・

マリノスは沖縄キャンプを終え宮崎に移動、3週間後の開幕に向かってチーム戦術徹底に取り組む段階を迎えた。元々手薄だった攻撃陣からラフィーニャが長期離脱、いよいよ緊急事態になってしまったが、いったいどうするつもりなのだろう?

読了:
「地球の履歴書」(大河内直彦)

  • 8章それぞれが独立した読み物になっている。海底の謎、化石燃料誕生、ノアの方舟伝説といったテーマと学術研究の結果とが結び付けられているのがユニーク。素直に面白かった。(評価A)

「シャルリとは誰か?」(エマニュエル・トッド)

  • 昨年1月7日の”シャルリ・エブド”襲撃と”私はシャルリ”の動き、背後に広がるイスラム恐怖症。著者は過去の国民投票の結果分析などを使い、フランスの憂慮すべき状況を明らかにしている。出版当初相当な批判を巻き起こしたというのも納得できる内容だが、それは逆に真実を衝いているからなのだろう。(評価A)

「宇宙背景放射」(羽澄昌史)

  • 素粒子物理学の実験現場で活躍していた著者がどうして宇宙背景放射(CMB)観測に携わるようになったのか、という話からスタートし、宇宙創成の謎の解明がどこまで進んだのか、研究の最先端ではどのようなことが行われているかが理解できる。著者は文春による「日本を元気にする逸材125人」にも選ばれているが、是非インフレーション理論の証明に大きな貢献を果たして欲しい。(評価A)

2016年1月31日日曜日

U-23 AFC選手権優勝。アジアチャンピオンとしてオリンピック出場!

塾のCMではないがYDK(やればできる子)だったのが今回のU-23代表だ。AFC選手権準決勝、アディショナルタイムの得点で見事にイラクに勝利して6大会連続のオリンピック出場を決めた。ここのところU-20ワールドカップ出場を逃し続けている日本だったので、大会前は出場権を逃すことも覚悟していた。しかしグループリーグ初戦の北朝鮮戦を勝ちきったことで流れを掴み、5戦全勝・失点2という見事な戦いを見せた。守りから入る「弱者の戦略」という面はあり、圧倒的な力の差を見せて勝つという事はできなかったかもしれないが、今回のチームには勝利という結果に拘り、チーム全員を分け隔てなく出場させるという手倉森監督のチームマネジメントがフィットしたと言えるだろう。

(1/31)
決勝戦も2点を追いかける展開から逆転で勝利。アジアチャンピオンとしてオリンピックに臨むことになった。この試合も後半途中での浅野の投入が功を奏したという点で采配が的中したと言える。
本大会に向けてはオーバーエイジをどうするか、が焦点になるが、それ以外でも鎌田、関根、前田、喜田等など最終予選に選ばれなかった選手の頑張りにも期待したい。予選と本大会は全く別の戦いになる。メンバー争いを通じてこの世代の選手たちが大きく成長することを期待しよう。それが前回獲得できなかったメダルにもつながる筈だ。

読了:
「リーダー論」(高橋みなみ)

  • 20代前半で数百名の総監督を務めただけの事がある、というのが率直な印象。メンバーを理解する、ほぐして・つなぐ、導く、手本を示す、任せるという5つがリーダーの仕事とさらっと書いているが、経営学者や企業のCEOの手によるリーダー論に負けない内容だと思う。ポジションが人を作るという典型例だろう。(評価A)

「大変化 経済学が教える2020年の世界と日本」(竹中平蔵)

  • 2020年までが勝負で、そこを逃すと衰退の一途をたどるのみ。いつもながら本書を読み終えて著者の意見に自分の考えが極めて近いことを確認した。ちょうど経済再生担当大臣の交代劇が起こったところであり、日銀がマイナス金利を導入したタイミングでもある。ここ数か月のうちに日本が本当に再生できるかを決定するイベントが生じるかもしれない。著者が考える方向に進むことを期待する。(評価A+)

「イスラム化するヨーロッパ」(三井美奈)

  • 本書を読むと、パリやロンドンで事件を起こしたホームグロウン・テロリストがどのようにして生まれてきたのか、その背景にある根深い問題が理解できる。中東での取材経験が多く、最近までパリの駐在員であった著者のレポートは、ヨーロッパ各国が極めて難しい問題の舵取りを迫られているということを明らかにする。タイトルがミスリーディングなのが残念。(評価A)

「スーパーパワー」(イアン・ブレマー)

  • 「Gゼロ時代」という造語の作者である著者が、そうした新たな世界秩序の中でアメリカがどのような立ち位置を取るべきかを論じた1冊。歴代の大統領がどのような判断をしたか等にも言及し、「独立するアメリカ」、「マネーボール・アメリカ」、「必要不可欠なアメリカ」という3つのシナリオが用意され解説されたのち、著者は「独立するアメリカ」を選んだ。時期大統領がどのシナリオに立つにしてもアメリカが演じる役割はこれまでのような決定的なものにならないのは確実だ。翻って日本はどうするべきか考えなくてはならない。(評価A)


購入:「宇宙背景放射」(羽澄昌史)、「シャルリとは誰か?」(エマニュエル・トッド)、「プラグマティズム入門」(伊藤邦武)、「ものづくりの反撃」(中沢孝夫、藤本隆宏、新宅純一郎)、「戦後経済史は嘘ばかり」(高橋洋一)、「経済学の宇宙」(岩井克人)、「危機と決断」(上)(下)(ベン・バーナンキ)、「2020年 世界経済の勝者と敗者」(ポール・クルーグマン、浜田宏一)

2016年1月23日土曜日

U-23オリンピックまであと1勝!

U-23は準々決勝でイランと死闘を演じ、延長戦の末3対0で勝って準決勝に進んだ。ここのところ代表で続いた準々決勝敗退の連鎖にピリオドは打てた。おそらく準決勝の相手はイラクになるだろう。これまでこの世代が乗り越えられなかった壁に挑戦者として挑んでもらいたい。準々決勝では延長戦まで戦ったが、火曜日の準決勝まで相手より1日多く間隔があくのでマイナスにはならない。手倉森監督の采配もここまで的中しているので、是非次戦をスッキリ勝ってオリンピック6大会連続出場を決めて欲しい。

F.マリノスの新体制発表会。新助っ人の発表はなかった、というか先送りになったようだ・・・懸案の得点力アップについては発表されるまで(というか助っ人が馴染むまで)は伊藤とラフィーニャ、富樫の頑張り、そして青山学院との練習試合でハットトリックを決めた和田の大化けに期待することになる。モンバエルツ監督は母国フランスで若い世代の監督の実績を持つので、うまく若手の成長を引き出して欲しい。

Dukeがここのところ9年ぶりの3連敗と不調だ。このままではランキングも25位以下に落ちる可能性がある。次戦はNC Stateとのアウェー。まだまだ苦闘が続くのか?昨年は危機を乗り越えて全米王座まで駆け上がった。今年は厳しいが、それでもここで踏ん張ってもらいたい。

読了:
「宇宙を動かす力は何か」(松浦壮)

  • 数式を使わずに引力や相対性理論を説明するというのが本書の特徴。AKB48の総選挙という俗っぽい話題からスタートし、一歩一歩「宇宙を動かす力」に迫っていく。ただ、いまこうやって月曜日に読んだ本の記述内容を思い出すのに苦労しているので、著者の試みがどこまで成功したかは「?」だ。(評価A-)

「ロボットの脅威」(マーティン・フォード)

  • 今世紀に入って「雇用なき経済成長」というフレーズが当たり前になってきたが、本書を読むと、将来はそんな生易しいものではないと痛感した。シンギュラリティが到来するか否かに関係なく、ますます多くの仕事がロボットに置き換わり、かといって新たな雇用が生まれることもなく、却って経済が衰退する。もはやテクノロジーの発展を無邪気に喜ぶことはNGだ。(評価A+)

「企業家としての国家」(マリアナ・マッツカート)

  • 著者は国家がリスクを取って開発した技術や投資、更には産業保護の政策なしにはAppleやGoogleの成功はなかったと言う。この主張には一理あるし、こうした企業が税金という形で母国に十分な貢献にしていない、という点も理解できる。また、ベンチャー・キャピタルが近視眼的という批判も当たっていると思う。しかしながら、それでも本書は国家の役割について過大評価しているように思うし、ジョブズのような目利きができなければ、いくら国家が新技術を生み出しても日の眼を見ずに終わるのではないだろうか。(評価B)



2016年1月17日日曜日

リオ五輪予選。1位通過確定

オリンピック予選でもあるAFC U-23選手権で日本は初戦の北朝鮮に続きタイに勝利、サウジアラビア戦を残して1位通過を決めた。今回は正直オリンピック出場の可能性は50%程度と思っていたので、ここまでは事前予想以上の良い流れになっている。このチームは守備に関しては安定しているので、課題は攻撃力だった。初戦は植田の1点にとどまったが、2戦目でFWの軸で得ある鈴木武蔵と久保裕也が得点したことが大きい。スピードスターの浅野も動きは良いので、これで南野が絡めれば決勝トーナメントを盤石な体制で迎えられる。今回も鬼門は準々決勝になるだろう。ここのところの嫌なジンクスを突破して、アトランタから続くオリンピック出場を掴んで欲しい。

マリノスが始動して約1週間。藤本と矢島の移籍が決まった一方、ボンバーの契約更改や外国人助っ人の話は未だ聞こえてこない。23日の新体制発表会までには安心させてほしい。できればサプライズも・・・

読了:
「ギリシア人の物語Ⅰ民主政のはじまり」(塩野七生)

  • 「ローマ人の物語」以前のヨーロッパにおいて中心の位置づけにあったギリシア。今回本書を読んで、高校世界史で扱われているのが極めて表層的な「歴史」だという事を改めて痛感。民主政が確立する中で、名前だけは受験用に記憶していた陶片追放がどのように実践されたのか、ペルシア戦役でのマラトンの戦いやサラミス海戦がどのようなものだったのかなどが理解できた。(評価A)
「ウォール街のアルゴリズム戦争」(スコット・パタースン)
  • マイケル・ルイスの「フラッシュ・ボーイズ」で描かれた金融取引の実態。本書はここに至るまでにどのような過程を経たのか、その中での主役でありながら一般的には全く知られていないジョシュア・レヴィンやヘイム・ボディックといった面々がどのような役割を演じたのかが語られている。アルゴリズム/人工知能の今後を考えると、金融取引がどうなってしまうのだろうか、と不安になる。(評価A)

2016年1月9日土曜日

アデミウソンはガンバへ、新戦力は?契約更新は??

アデミウソンは戻ってこなかった。何と新たなレンタル先はガンバ!本人のコメントがなかなか興味深いものではあるが、いずれにしてもマリノスとの契約は延長できなかったという事だ。宇佐美・パトリックとトリオを組むことになるアデミウソンは脅威だ。ガンバは今年も優勝候補に挙がるだろう。一方、これで外国人枠が一つできたマリノスだが、11日の始動を前にするも新戦力の発表はないし、年明けの契約更新情報も4名のみ(栗原と更新できたのが何よりだが・・・)と心許ない事甚だしい。今は待つのみか・・・

読了:
「私たちはどこまで資本主義に従うのか」(ヘンリー・ミンツバーグ)

  • 経営戦略論のGuruの一人である著者による経済社会論。民間セクター(企業)・政府セクターに多元セクター(社会)が加わりバランスの取れた構造が今後の経済社会のあるべき姿であるとの主張だ。日本のように問題を政府に丸投げしがちな状況を顧みると、環境問題・格差などの問題を解決するのにコミュニティーの関与が必要という考え方には一定の理解はできる。(評価A)
「銀河系惑星学の挑戦」(松井孝典)
  • かつての地球物理学から惑星物理学への進歩にアポロ計画が大きな役割を果たしている事、冥王星の準惑星への格下げの背景、太陽系以外の惑星発見の歴史、更にはそこから見えてきたのが太陽系の特殊性であること等、面白い話が盛り沢山の一冊。こうした本を読むと、毎回様々な分野の科学がどこかで繋がっている事、また日本の科学者の貢献の大きさを思い知らされる。(評価A)
「戦略がすべて」(瀧本哲史)
  • ヒットコンテンツの仕掛け、労働市場の現状、「革新」の必要性、更にはネットやリベラルアーツ、教育や政治といった分野における「成功の方程式」を紹介することで、戦略的思考がなければ勝者になれない事が説かれている。題材の選び方からして戦略的な一冊。特に政治を社会を動かすゲームとして捉えるというのは面白い発想だ。(評価A)


2016年1月3日日曜日

2016年スタート

今年は「区切りの年」とする。年末にそう決めて年明けを迎えた。元日はガンバの天皇杯連覇をチェック、2日は箱根駅伝往路を気にしつつ日枝神社へ初詣へ出かけ、帰りは武蔵小杉に途中下車し、モールを見て回った。そして3日はワークアウト初めと我ながらなかなか充実した三が日だ。

F.マリノスは年末に2選手獲得を発表。奈良輪の想定外?の移籍で手薄になったサイドバックに金井が復帰。またヴェルディから昨シーズン松本山雅でプレーした前田直輝を獲得、アデミウソン・齋藤の去就が「?」の攻撃陣に刺激を与える存在になってくれそうだ。それにしてもレンタル期限を過ぎたアデミウソンはどうなるのだろう?残留という予想もあるようなので発表が待ち遠しい。

DukeバスケットボールはACC開幕戦アウェーのBoston College戦を81対64で勝利。幸先良いと言えそうだ。4月のReunionの時にはバスケットボールチームメンバーと交流する機会があるようなので、ACC・NCAAでの好結果を楽しみにしている。


購入:
「リーダー論」(高橋みなみ)、「地球の履歴書」(大河内直彦)、「イスラム化するヨーロッパ」(三井美奈)、「大変化 経済学が教える2020年の日本と世界」(竹中平蔵)、「宇宙を動かす力は何か」(松浦壮)