2014年4月26日土曜日

ACL敗退から何を学ぶのか?またもホームで敗戦

残念ながらF.マリノスはJリーグ勢で唯一ACL決勝トーナメントに進出できなかった。チームの経営陣には何が足りなかったのか真剣に考えて欲しい。毎年主力を抜かれながらJ1を連覇、今季も首位争いをしつつACLでも予選を突破したサンフレッチェの運営に学ぶべきところは多い筈だ。一方千府にとっては、昨年のチャンピオンである広州恒大などとアウェーで戦えたことがこの先財産となる。リーグ戦に集中してここから逆襲だ!

という意気込みで観戦に出かけたのだが、結果はまたも敗戦。これでホーム3連敗、おまけに4試合無得点という為体。とにかくシュートが枠に飛ばない。というかそもそも決まりそうなシュートを打つところまで崩せない。連携もチグハグだし、クロスを上げてもGKにキャッチされるだけで能がない。ACLから中3日などという言い訳は聞きたくない。このままでは降格圏まで一気に落ちるのではないかと思う。そのぐらいの重症だ。今日特に悪かったのは俊輔。パスミスが多く、セットプレーも意図が感じられないぐらい精度が低い。4年前、南アフリカW杯前の絶不調だった頃を思い出すぐらい後ろでのプレーに終始していた。次節レッズ戦はショック療法で俊輔(プラス中澤)を休ませた方が良いのではないか???

読了:
「コモンウェルス」(上)(下)(アントニオ・ネグり、マイケル・ハート)
  • 21世紀における「革命の書」である。現状アメリカによる一極集中の試みが失敗し、世界秩序がまた混沌としてきている中で、著者がいうところの「マルティテュード」の動きが活発化している。この新たな革命(ジャスミン革命やウォール街占拠など)の特徴はネットの世界と連動している点だろう。帝国側にいる自分にとって、敵を知るために重要な一冊だ。(評価A)
「Win-Winタイム・マネジメント」(竹村富士雄)
  • いつもつかっているFranklinのPlannerだが、まだまだうまく使う余地があることを再認識した。緊急性と重要度のマトリクスで構成される四つの領域について自分に誤解があった点も分かってかなりスッキリした。連休で立て直して仕事に生かそう。(評価A)
購入:
「戦略思考トレーニング3柔軟発想力」(鈴木貴博)

2014年4月20日日曜日

ACL予選リーグ突破の可能性は残ったが・・・。Fuqua Thursday!

ミッドウィークのACL全北現代戦は齋藤の2ゴール(特に1点目は素晴らしかった!ゴラッソ!)で逆転勝ち。これで4チームが同勝ち点(2勝1分2敗)で並ぶという珍しい展開になったが、得失点差で相変わらずF.マリノスは最下位。試合前同様予選リーグ突破は最終節アウェーで昨年のACL王者広州恒大に勝つ以外に道がない。残念だが実際に突破できる確率は低いと言わざるを得ない。頑張って欲しいが、現実的な選択を行い(J1重視)、以降のリーグ戦への反動・悪影響を最小限にするという方策をすべきではないか。果たして監督の戦略は?

今節のレイソル戦はスコアレスドロー。昨年未勝利だったここ5戦の相手に対し今回も0勝2分3敗で、順位をじわじわと下げている。次節は今季2度目の生観戦。ホーム2連敗中かつ生観戦2連敗中という悪い流れを断ち切ってもらいたい。俊輔が復調してきていることと、淳吾が戻ってきたのが好材料だ。

先週木曜日は久々にFuqua(ビジネススクール)の同窓会があった。世界各地で一斉にFuqua Thursday(本来はFuqua FridayなのだがEasterで金曜日が休講なので木曜日になったとか)という「飲み会」を行うというユニークな催しだった。在学生や今年入学予定者まで集まってキャンパスやDurhamの話をするうち、改めて「再来年のReunionに絶対行こう」と決意を新たにした。

読了:
「まだ誰も解けていない 科学の未解決問題」(竹内薫)

  • 「ソファ問題」から「リーマン予想」、「不確定性原理」、「超ひも理論」など12の未解決問題について解説されている。量子物理学や数学の世界だけにそうした問題があるのではなく、うなぎはどこで生まれるのか、麻酔はなぜ効くのかも未解決というのは改めて知った。科学発展の余地がまだまだ大きい事を再認識した。記述も分かり易い。(評価A)
「原発敗戦」(船橋洋一)
  • 福島第一原発の事故対応、特に政府・東電本社のそれが第二次大戦で日本を敗戦に導いたのと同様の問題であることが理解できる。吉田氏、増田氏という2人の現場責任者がいなかったら本当にワーストケースシナリオまで至ったのではないか、と背筋が寒くなった。ワーストケースシナリオを作れず、歴史から学べない日本で、今後原発を再稼働して大丈夫なのか不安になる。(評価A)
「記者たちは海に向かった」(門田隆将)
  • 自らの命を犠牲に他人を助けた記者、救えなかったことが大きなトラウマとして残る記者、新聞発行の危機に直面した本社。「死の淵を見た男」の著者による福島民友新聞を巡る3.11のアナザーストーリー。前作「狼の牙を抜け」同様、多くの関係者へのインタビューを通じて構成されているので、現実が目の前で再現されるくらいの臨場感があった。(評価A+)
「ウェブとはすなわち現実世界の未来図である」(小林弘人)
  • 雑誌ワイアード日本版発刊に携わり、その後も「フリー」、「シェア」、「パブリック」というベストセラーの日本語訳・解説を手掛けた著者による社会論。ネットが現実世界に先行するという著者の主張の背景・意義をきちんと理解する指導者がいない日本では益々ガラパゴス化が進行するのではないか、と危機感を強めた。(評価A)
「ビジネスモデルの教科書」(今枝昌宏)
  • 「ビジネスモデル・ジェネレーション」のフレームワークをベースに、どの要素の差別化を出発点に他の要素をいかに構成しモデル化するか、という考え方で31のビジネスモデルが整理され、それぞれの特徴・落とし穴などが解説されている。ただ、「グローバル化」や「ソリューション」、「デファクト・スタンダード」、「ブルー・オーシャン」が果たしてビジネスモデルと言えるかは疑問。類書である「ビジネスモデル・イノベーション」(ラリー・キーリーほか)の方が実戦的だろう。(評価B+)
購入:
「真実を見抜く分析力」(トーマス・H・ダベンポート)、「独裁力」(木谷哲夫)、「世界で一番大切にしたい会社 コンシャス・カンパニー」(ジョン・マッキー、ラジェンドラ・シソーディア)

2014年4月12日土曜日

今シーズン初生観戦(ベガルタ仙台戦)

ベガルタ仙台戦を見てきた。ベガルタはこの試合前に監督が交代し、社長が辞任を発表するという大波乱の一週間を経験してきた。去年は相手(アルディージャ、レイソル)がこのような状態だったとき苦戦したが、今年は・・・(ここまでは土曜日の朝の記述)

やはり今年もダメだった。ベガルタに今季初勝利を献上してしまった。ネット記事の見出しは「相性の悪さ露呈」とあったが、とにかく勝てそうな気がしなかった。先日のヴァンフォーレ戦もそうだったが、立ち上がり方が悪い。パスミスが連発し、相手に良い位置でボールを奪われ攻め込まれることが続く。攻撃になっても連動していないので、後ろへ下げる事が多く、フィニッシュで終えられない。かなり重症に見えた。この敗戦で10位以下に落ちることが決定。これから中断までハードな連戦が続くことを考えると心配だ。

読了:
「デザインする思考力」(東大EMP)

  • 東大エグゼクティブ・マネジメント・プログラム講師へのインタビューをまとめた第二弾。素粒子物理学、植物病理学、イスラム政治思想、情報通信工学、西洋経済史そして有機合成化学という各分野での最先端研究だけでなく、各講師がどのように思考しているかを知ることができる点で有意義な一冊。(評価A)
「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」(上)(下)(アンドリュー・ロス・ソーキン)
  • JPモルガンによるベア・スターンズ買収に始まり、リーマン破綻、AIG国有化、ひいてはTARPの成立と銀行への直接投資実施まで、5年半前の危機が詳細にレポートされている。当時感じていたよりはるかに危機の度合いは深刻だったかが、脚色はあろうが極めて詳細に、かつ生々しく伝わってきた。取り上げられている金融機関のうちいくつか(リーマン・ブラザースもそのひとつ)には仕事の関係などで訪問したことがあり、変な言い方だが懐かしかった。また、かつて2006年までAIGで働いた身として、なぜあの巨大企業がおかしくなったのかも理解できた。今度はリーマンの海外部門を買ったノムラやモルスタとの関係を強化した三菱UFJからのストーリーを聞いてみたいと思った。とにかく面白かった。(評価A+)
購入:
「コモンウェルス」(上)(下)(アントニオ・ネグリ・マイケル・ハート)、「叛逆」(アントニオ・ネグリ・マイケル・ハート)、「ほんとうの構造主義」(出口顯)、「知の英断」(ジミー・カーターほか)

2014年4月5日土曜日

祝 リトルなでしこU-17W杯優勝!

U-17女子ワールドカップで日本が初優勝した。前々回は決勝でPK戦の末 韓国に敗れ、前回は予選リーグを圧倒的な強さで突破したにも関わらず準々決勝で敗退したので、「やっと」優勝できたという感じもする。そのような感じを抱かせるのも、それだけこの世代における日本女子の力は突出しているし、育成が優れているということだろう。試合を見ていると、やはり連戦の疲れか細かなミスは多いが、随所で光るプレーがあったし、何より選手の「大人っぽさ」が印象に残った。なでしこリーグで戦っている選手が含まれていると聞いて納得!この世代から2020年東京オリンピックの中心選手が何人選ばれるか楽しみだ。

F.マリノスは明日新潟でアルビレックスとアウェー戦。天候が気になる。メルボルン・ビクトリー戦で公式戦の連敗を止めたので、今度はアルビレックス戦での連敗を止めよう!

読了:
「ひるまないリーダー」(ジョセフ・L・バラダッコ)
  • 著者は時代を超える5つの質問に真剣に取り組むことがリーダーシップに必要だとする。「自分は現状を取り巻く環境を十分に把握しているか」、「自分の真の責任とは何か」、「いかにして重大な決断をくだすか」、「核となる正しい価値観を持っているか」、「自分はなぜこの人生を選んだか」という5つの質問は重い。ただ内容は正直面白くはなかった。(評価B)

「イノベーション戦略の理論」(原田勉)
  • イノベーションを成功する確率を最大にすること、能力活用戦略偏重ではなく、能力構築戦略が重要であること。著者の主張するポイントだ。ただ、米国流コーポレート・ガバナンス論が間違いというのは正確ではない。事実本書でも3Mなどアメリカ企業が取り上げられているし、一方シャープのように今苦戦している企業もある。国籍ではなく、いかに戦略を実行できるかが重要なのだ。(評価A)

「ネグり、日本と向き合う」(アントニオ・ネグリ他)
  • イタリアの政治哲学者、というより行動家ネグリ氏が初来日で語った事、そこから感じたことが紹介され、かつ日本の「知性」による論文も収録されている。リベラルな思想に必ずしも共鳴するものではないが、ネグリ氏がマイケル・ハート氏と著した一連の著作を読んでみようかなと触発された。(評価A)

「ライアーズ・ポーカー」(マイケル・ルイス)
  • やっと読んだ。ビジネススクールの時にその一部が資料集にあったマイケル・ルイスの出発点。内容はハチャメチャで、最近見たディカプリオの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にも通じるもの。ブラックマンデー前夜の投資銀行の生態が理解できるし、結局「リーマン・ショック」まで本質は何も変わっていなかったことが窺える。今度「「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」を読むとそのあたりがもっと明確に実感できるだろう。(評価A)


購入:
「記者たちは海に向かった」(門田隆将)、「現代思想のパフォーマンス」(難波江和英、内田樹)