2010年3月28日日曜日

審判の力

 マリノスはまたもロスタイムでの失点でアウェイゲームの勝利を逃した。ホームでの2試合と異なり、マークを気にしたためであろう俊輔が中へ入りがちで、外でタメを作れなかったのが苦戦の原因ではなかったかと思う。ただ、主審の判定が、フロンターレ戦でも感じたように、この試合でも酷かった。最後のFKの判断が典型だが、とにかくちょっとでも手が触れて倒れると全て笛が吹かれたように感じられるほどで、あれでは「流れ」が切れてしまいスペクタキュラーな試合など望めるべくもない。専門誌に書かれていたように、もうしばらくはこのような状態が続くのだろう・・・

 膝の調子がいま一つで、診てもらった。靭帯などの問題ではなさそうで一安心。

先週の読了:
「コトバの戦略的思考」(梶井厚志)
  • 飲食店の「パート言葉」や「ら抜き」などの「乱れた」日本語について、その背景などを経済学者が書いたという点でユニークな本。やや強引に経済学に持ち込んでいる章もあるが、全般的に共感できたのはこちらの年齢の所為?(評価B+)
「社長の教科書」(小宮一慶)
  • 経営とは何か(筆者によると、①企業の方向付け、②資源の最適配分、③人を動かすの3つ)について最近メディアの露出が多くなった筆者が解説している。ただ、想定はしていたが、「社長力養成講座」とかぶる点も多かった(たとえば社長が「明るく、元気、大雑把で見栄張り」の会社が倒産するといった記述)。それでも参考にすべき点が多い。(評価A-)
「カスタマー・マニア」(ケン・ブランチャード、ジム・バラード、フレッド・フィンチ)
  • KFCやタコベルを運営するYUM(ヤム ブランズ)がいかにして顧客志向の会社を育ててきたかが著者の考える理想との対比で描かれている。社会の中でどちらかと言えば低いほうに位置づけられる、こうしたフランチャイズの社員が生き生きと仕事をする仕組みの構築は、正に今自分が達成する事を求められている課題とオーバーラップした。マネジャーレベル皆で読んで取り入れられる事がないかを考えてみたい。(評価A)
「マンU対バルサ 『世界最高の一戦』を読み解く」(杉山茂樹)
  • 昨年5月に行われたチャンピオンズリーグ決勝戦を題材に、世界最高峰のレベルと日本サッカーの現在地点を解説している。あの試合は銀婚式旅行出発の当日朝で、メッシのシュートをしたくしながら見た事、ロンドンについてバルサの優勝パレードをBBCで見たことなども思い出した。サッカー番長の言うとおり、ポスト岡田はヨーロッパの最高レベルのサッカーを熟知した人に監督を勤めて欲しい。せめてサッカーは、「辺境」ではなくメインストリームに入りたいと思う。(評価A)
購入:
「実践力を鍛える戦略ノート 戦略立案編」(原田勉)、「日経 経済教室セレクションⅠ、Ⅱ」(いずれも日本経済新聞社編)、「戦略思考のフレームワーク」(西村行功)、「利益思考」(グロービス 嶋田毅)

2010年3月21日日曜日

マリノスVSフロンターレ

 二年ぶりにJを生で見た。強風でゴールキックが明後日の方角に飛んでしまうような状況の中、マリノスの良さばかりが目立った試合になった。ベルマーレ戦でもそう思ったが、俊輔のところで良い意味のチェンジオブペースができて、周りの良さが引き立った。運動量も多くなかったし、ミスも多かったが、決めるところは決めるので、安心できた。クラブW杯で見たマンUの時のクリスティァーノ・ロナウドが俊輔と同じようなポジションで「待機」していたのを思い出した。これが欧州のポジショニングなのではないか。それにしても、昨年は山瀬・兵藤・狩野と並ぶとパス交換ばかりで点を取る臭いがしなかったのに、3人同時に起用して4点取れた(おまけにバーやポストに嫌われたシュートも他にあった)のは俊輔効果?和司効果?このままのサッカーが続けられれば、かなり良い線までいけると確信した。(逆にフロンターレとガンバを心配できる余裕ができている!)

読了:
「第5の競争軸」(ピーター・D・ピーターセン)
  • サステナビリティが第5の競争軸になるという事だが、正直その他の4つの軸がMECEになっていないと思われ、読んでいる間中気持ちの悪さが付きまとっていた。この種の本を読むたびに感じるのは日本企業の意思決定の遅さとガラパゴス化への危機感。うちでも本社とのやり取りを通じて感じるのは、日本以外はマーケットも企業も真にグローバル化しているということ。日本だけが特殊だと言うだけでは最早取り残されるばかり。Japan PassingどころかJapan Nothingになるだろう。(評価B)
「野村総合研究所はこうして紙をなくした」(野村総合研究所ノンペーパー推進委員会)
  • うちも業務でペーパーレス化に取り組んでいて苦労しているので、参考になるところが多かった。第一に感じたのは紙がなくなるのはあくまでチェンジマネジメント(業務変革)の結果だという事。これまでの仕事の仕方が変わらないとシステム導入は余計な作業を増やすだけだ。羨ましかったのは現場が問題意識を共有し、自らも解決案を提言していること。こうした状況に如何に近づける事ができるだろうか?(評価A)
「ビジネス・ツイッター」(シェル・イスラエル)
  • ツイッターの可能性が良く理解できた。企業はこれまで基本的に1対多のコミュニケーションしかして来なかった。ツイッターはある意味初めて企業と個人がオープンの場で1対1(one-to-one)のコミュニケーションをするという世界だと思う。アカウンタビリティの弱い企業がこれにより淘汰されてしまう脅威すら感じた。逆にオピニオンリーダー(=ソサエティメディア)との関係をどう構築できるかがマーケティング・顧客サービス部門の課題と認識した。(評価A)
「ジェフ・イメルト GEの変わりつづける経営」(デビッド・マギー)
  • ジェフ・イメルトはジャック・ウェルチほどメディアに登場する事がないし、出てきてもM&Aやスピンオフの時ばかりなので、どういう人物かいまひとつ分からなかったが、この本を読むとひょっとするとウェルチよりも大物ではないかと思えた。少なくとも懐の深さでは勝っているようだ。また、この本を通じ改めてGEの人材輩出の仕組みのすごさを感じた。(評価A-)
購入:
「「その科学が成功を決める」(リチャード・ワイズマン)、「エセ理詰め経営の嘘」(伊丹敬之)、「バルサ対マンU 『世界最高の一戦』を読み解く」(杉山茂樹)

2010年3月14日日曜日

俊輔復帰

 昨日のような事を「格の違い」というのだろう。俊輔が入っただけでFC東京戦とベルマーレ戦では別のチームのような連携ができていたように見えた。俊輔が持ったところでタメができるので、他の選手のフリーランニングが生きた。これまでのマリノスはただ前に走るだけのチームだったが、昨日は効果的なサイドチェンジもあったし、緩急メリハリが効いていた。また、俊輔がスタメンに入ったためにはじき出された狩野の「意地の一発」と試合後のコメントからは、早くも「俊輔加入の副次的効果」も感じられた。俊輔個人は積極的にシュートも打っていたし、基本はサイドに張って、ピッチを広く使おうという意識が強く感じられた。ただ、後半途中から、運動量が低下し、中でプレーする時間が多くなったのは課題だろう。20日(土)のフロンターレ戦はスタジアムで見るので、もっと色々な点が見えると思う。

読了:
「リスク・リテラシーが身につく統計的思考法」(ゲルト・ギーレンツァー)
  • ベイズ推定の考え方が良く分かる1冊。有名なモンティ・ホール・プロブレムだけでなく、O.J.シンプソンケースなど裁判で如何にいい加減な統計が用いられているかなど、数字に敏感でないとどんなに損をするかが書かれている。ただ、例が医学の話に偏っているという難点もある。(評価B+)
「結果を出すリーダーになる」(スティーブン・R・コヴィー、ロバート・A・ホイットマン、ブレック・イングランド)
  • 今のような予測不能な時代において結果を出すには①最優先課題を実行する、②信頼がもたらすスピードを活用する、③時間と資源を集中する、④不安を和らげるという4つの原則を守る事が必要というのがメッセージ。印象に残ったのはBクラス社員(2-6-2の中間層)の業績を引き上げる効果が思いのほか大きいと言う事。ちょうどシステム導入中でもあり、この点は意識したい。(評価A-)
「センスメーキング・イン・オーガニゼーションズ」(カール・E・ワイク)
  • Amazonの書評は非常に高かったが、難解な1冊。ただ、読み進む中で、何となく理解というか自分でのセンスメーキングが出来たように思う。リーダーとして自分の思いをどのように伝え、部下がmake senseできるようにしていくかが課題。(評価B+)
購入:
「ジェフ・イメルト GEの変わりつづける経営」(デビッド・マギー)、「コトバの戦略的思考」(梶井厚志)、「カスタマー・マニア」(ケン・ブランチャード、ジム・バラード、フレッド・フィンチ)、「社長の教科書」(小宮一慶)、「日本経済復活一番かんたんな方法」(勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之)、「中国名参謀の心得」(守屋洋)、「野村総合研究所はこうして紙を無くした」(野村総合研究所ノンペーパー推進委員会)

2010年3月6日土曜日

バーレーン戦・Jリーグ開幕

 バーレーン戦はロスタイムの1点が余計だった他はほぼ予定通りの結果だった。ただ、内容は韓国戦までの4戦と比べると全く異なっているように見えた。俊輔と松井が入ったためサイドの使い方が格段に良くなった。その分チャンスも多かった。あのまま松井を残すような選手交代であれば多少希望が持てたのだが・・・結局そうしなかったのでバランスが崩れた。こんな采配をやっているから内閣より低い支持率なんだと思った。まさか本番は大久保先発????

 今日はマリノス対FC東京を家で見た。結果は0対1ではあったが、マリノスの攻撃的な姿勢はGood!来週から俊輔をどのように起用するか楽しみになってきた。20日のフロンターレ戦は是非スタジアムで見ようと思う。一方相手ながらFC東京では石川と平山で決勝点というのが良かった。この二人は是非W杯のメンバーに残ってもらいたいと個人的には思う。

今週の読了
"Resource-based Theory"(Jay B. Barney and Delwyn N. Clark)
  • リソースベース理論に関する論文集。コアコンピテンス論やダイナミックケイパビリティ論とのオーバーラップについては、これを読んでも明確にはならなかった。また、結局のところ持続的な競争優位を生み出すリソースというのは相対的なものであること(それ自体は自明だろう)以上のものでないように感じた。(評価B)
「マーケティングマインドのみがき方」(岸本義之)
  • BMW、ユニクロなどの事例からマーケティングマインドの必要性を説いた本。コンサルタントの本ではあるが、理論に偏っていなかったので読みやすかった。基本は自社の顧客は誰なのかを本当に理解する事に尽きると改めて思う。(評価A)
「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト)
  • 9.11がなぜ事前に防げなかったのか、といった実例から問題を発見する事、問題の予兆を見極める事の重要性が説かれている。トヨタの問題にも繋がるかもしれないが、やはり現場力の弱さとトップの器量の大きさが肝心だと思う。(評価A)
「赤い指」(東野圭吾)
  • 加賀恭一郎シリーズの1冊。単行本で出版されたときに買おうかと思ったのだが、シリーズ1作目でなかったという理由で買わなかった。今回「新参者』を読んだので、遡って購入した。犯人が当初から読者に分かっているというパターンは違うが、「親子」のあり方がここかしこに登場する点は似ている。読後感はやや重い。(評価B+)
「カッコウの卵は誰のもの」(東野圭吾)
  • これも「親子」がテーマの1冊。被害者が犯人でもあるという事が段々分かってきて、それでも最後には意外な結末が待っていた。モチーフになっている日本のアマチュアスポーツ界の有り様が、ちょうどバンクーバーオリンピック直後という事もあり、なるほどと思うところが多かったような気がする。(評価A-)
「持続可能な未来へ」(ピーター・センゲ、ブライアン・スミス、ニーナ・クラシュウィッツ、ジョー・ロー、サラ・シュリー)
  • ピーター・センゲはいつから環境問題専門家になったのだろうというのがまず第一の感想。ただ、いたる所で「学習する組織」に関する理論・ツールが登場してはいる。もうひとつ感じたのは、日本の企業はグリーン革命への対応で本当にトップランナーと言えるのか?ということ。コカコーラの取り組みなどを読むと、米国企業は侮れない。気づいたときには1週遅れになっていないと良いが・・・(評価B+)
購入
「ロスト・シンボル」(上・下)(ダン・ブラウン)、「第5の競争軸」(ピーター・D・ピーダーセン)、「結果を出すリーダーになる」(スティーブン・R・コヴィー)、「ビジネス・ツイッター」(シェル・イスラエル)、「MBA事業開発マネジメント」(グロービス経営大学院編著)