2011年3月27日日曜日

BCP

ここ2週間は地震後のBCP対応に追われた。想定していた事態(=地震で止まったオペレーションの復旧)とは異なり、できるだけ既存のビジネスができるようオペレーションを移すというシナリオだった。今まで必要性は理解されても予算がつかなかった計画ができたのも、それだけ非常事態だということを示していると思う。とにかく大阪のオペレーションが多少落ち着いたので、昨日一旦戻ってきた。明日の夜から金曜までもう一回出張だ。

横浜に帰ってきて、ショッピングモールの電気が薄暗いのと、食料や日用品の品薄を見て、生活へのインパクトの大きさを再認識した。水道についていえば、ここは西から引いてきているので、影響度は全くことなる筈なのに、そのような正確な情報が伝わっていないのではないか。納豆のように工場が罹災しているのとは訳が違う。

課題は今回から何を教訓として学ぶかだ。一個人のレベル、企業のレベル(うちの場合は日本支店レベルと本社レベル双方)に留まるのではなく、国家レベルにおいても同じだ。日本では従来の延長線上の考え方から、いかなる事態でも罹災しないような街づくりが求められるのだろうが、今回のような1,000年に1度というような事態に対応すると、社会コストがただ高くなるだけだ。発想を転換して、非常時に如何に最悪の結果を避け、復旧を早くするシステムづくりに励めるか?そこまでの考え方ができるだろうか????情報の伝達も同じ。正しい情報を早く現場に伝える、現場の事態を如何に早く理解し判断を下せるか。Agilityが必要だ。

読了:
「麒麟の翼」(東野圭吾)
  • 帯にあるように、「赤い指」と「新参者」を融合したような1冊。謎解きも、事件そのものだけではなく、被害者のダイイングメッセージの裏にあるストーリーが絡んだ展開で一気に読める。今年はこれからガリレオシリーズ新作もでるようなので、楽しみだ。(評価A)
購入&読了:
「いま、目の前で起きていることの意味について」(ジャック・アタリ編著)
  • 政治・経済・社会のさまざまな論点について欧州の論者が解説。そこに編著者が補足を行う形をとっている。何よりもジャック・アタリの見識に脱帽。ここまで幅広い論点にきちんと考えを述べられる人は日本にはいない。(評価A)
購入:
「戦略と実行」(清水勝彦)、「十字軍物語2」(塩野七生)、「なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか」(パトリック・レンシオーニ)、「時代の”先”を読む経済学}(伊藤元重)、「変化を生み出すモチベーション・マネジメント」(小笹芳央)

その他:
1.NCAAでわがDukeはベスト8に進めなかった。連覇のチャンスだっただけに残念。
2.明後日は日本代表対Jリーグ選抜のチャリティマッチだ。リーグ選抜はジーコが作ったようなスター軍団。これがきちんとまとまれば金星もありだ。楽しみな一戦。




2011年3月12日土曜日

地震

地震は会議中にやってきた。今まで経験したことのない揺れ方だった。家族は無事だったし、帰路も途中でタクシーに乗れたので、比較的早く家についた。家でメールをチェックしていると、多くの同僚はオフィスに残っているようで、非常に申し訳ない気持ちだった。もう一点、今回とても嬉しかったのは、この2年半一緒に仕事をしてきた多くの同僚が、文字通り世界中からメールで連絡してくれたことだ。うちの会社の良い所を再発見できたと思う。月曜からは、顧客対応で一段と忙しくなるだろう・・・

読了:
「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)
  • 大衆文化論のようでもあり、社会学の本のようでもあり、新たなネットビジネスモデル解説書のようでもあり、でも、そのいずれでもないという感じの本。キュレーション、ビオトーブという考え方はビジネスを考える上で一つのカギになりそうだということは理解できたと思う。(評価A)
「戦国武将のマネジメント術」(童門冬二)
  • 戦国の武将も今の経営者と同様で人心を如何に掌握するか、苦労していたのだろう。そんな事が良く分かる1冊。現在のマネジメント論を語るときに、「あの武将もこうやっていた」というのは一つのコミュニケーションスタイルとして考えて良いかも。(評価A)

2011年3月6日日曜日

J開幕&UNCに負けた

昨日は外出のため開幕戦はハイライトで見ただけだったが、マリノスについては「よくやった」と「勝ちきれなかった」という二つの評価ができるだろう。「俊輔のチーム」が機能するか否かは来週のホーム開幕戦(VSフロンターレ)で明らかになる。そういえば去年は俊輔の復帰初得点などで4対0で快勝したっけ。他のチームではレイソルが去年のセレッソのような台風の目になるような予感をさせた。逆にエスパルスは降格危機かも・・・

デューク・ブルー・デビルズはUNCに負けてACCのレギュラーシーズンタイトルを逃がした。SinglerとSmithだけではこれからのトーナメントを勝ち抜くのは厳しい。他が頑張らないとNCAAの連覇は黄色だ・・・

とうとうFacebookに登録した。何人かの知り合いを発見。果たしてこれから何が起きるやら・・・

読了:
「判断と決断」(中竹竜二)
  • 著者は元早大ラグビー部監督。「普通の人」がリーダーになるために、過去を正しく振り返り(=判断)、未来に向けて踏み出す(=決断)事が重要であることがキチンと説明されている良書。(評価A)
「ハンニバルに学ぶ戦略思考」(奥出阜義)
  • ハンニバルについては、かつて「ローマ人の物語」でローマ側から見た歴史に触れたが、戦略家として如何に優れていたかは本書を読むと良く分かる。ただ、前提が1対1(1社対1社)の戦いに限定されているようで、応用できるかは正直疑問。(評価B+)
「国家対巨大銀行」(サイモン・ジョンソン、ジェームズ・クワック)
  • アメリカにおける金融行政の歴史を、如何にうまく機能していなかったかという批判的な立場で記述した一冊。読みながら、オリバー・ストーンはこの本を参考にして「ウォールストリート」の一場面(金融界の首脳陣が集まって危機対応を議論しているシーン)を作ったのではないかと思った。ただ、本当に解体してしまうのが良いかは疑問。(評価A-)
「メッシュ」(リサ・ガンスキー)
  • 同じテーマを語った「シェア」よりも、著者が起業家として実績のある分説得力があった。ビジネスモデルとして成功するための要素も十分吟味されている。(評価A)
「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ)
  • 原題(”The Invisible Gorilla”)が示す有名な心理学の実験を行った2人による1冊。人間の脳はコンピュータの記憶装置とは違うという事が色々な事件・実験等を通じ説明されている。脳トレブームに痛い一撃を与える内容だが、きわめて面白い。(評価A+)
購入:
「麒麟の翼」(東野圭吾)、「戦国武将のマネジメント」(童門冬二)、「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)