ザッケローニの後任が誰になるか、マスコミは早くもそんなことばかり取り上げているが、ロシア大会は勿論、その先を見据えて日本サッカーの将来を考えるためにも、まずはしっかりと総括をしてもらいたい。この4年間における問題点の一つは本当の意味で「若手」が台頭しなかったことだ。確かに「ロンドン世代」はW杯メンバーに入っていたが、主力は香川を含む「北京世代」で、南アフリカの時ほどの融合はできていなかったのではないか?柿谷・大迫・青山・山口をもう少し前に使っていたら結果は多少異なっていたのではないか?この辺については特に総括して欲しい。
新監督の下、まずは来年1月のアジアカップ連覇が目標になる。何人か「代表引退」が予想される中、9月の親善試合では国内の若手を招集し、経験させることが必要ではないだろうか?4年後はアジアの出場枠が削減される可能性があるので、これまで以上に厳しい予選を覚悟する必要がある。今大会の教訓を生かし、海外組・国内組、ベテラン・中堅・若手、様々な組み合わせができ、かつここ一番で結果を残せる。そんな代表を作り上げて欲しい。
読了:
「歴史家が見る現代世界」(入江昭)
- ハーバードの名誉教授である著者には今の世界・日本がどのように映るのか。グローバル化が進む世界では、従来のパワーゲームが成り立たなくなると国家の役割が変わることや、国家主義・地域主義を超えたトランスナショナリズムが説かれるなどリベラルな観点からの一冊。保守化する日本への批判となっている。(評価A)
「非線形科学 同期する世界」(蔵本由紀)
- 17世紀にホイヘンスが発見した振り子の同期化エピソードに始まり、ホタルの明滅など自然界に存在する同期化、体内時計や心臓のメカニズムなど生理的な現象、更には同期化メカニズムが街の交通管制システムにつながっている話など、様々な事例を基に同期(シンクロ)の研究の最前線が描かれている。(評価A)
「数学は世界をこう見る」(小島寛之)
- 素数の見方から始まり、方程式の解の公式、整数と多項式の考え方、更には写像の考え方まで、数学の考え方とはどのようなものかが解説されている。ただ、中学数学がベースになっているとはいえ、残念ながら全てを一度で肚に落ちるというところまで理解はできなかった。(評価B)
「『本質直観』のすすめ」(水越康介)
- なぜスティーブ・ジョブズはマーケットリサーチをしなかったのか?ビッグデータがあったら全てが解決するのか?自らの直観を疑い、問い直す作業が重要である。著者はキットカットやレッツノートなどの成功(&失敗)例も交えながら、マーケティング・経営における「本質直観」の重要性を説いている。参考にすべき一冊。(評価A)
「社会保障亡国論」(鈴木亘)
- 厚労省は本書を「発禁」にしたいのではないだろうか?それとも「この先ホントのことが言えるようになる」と案外歓迎するのだろうか?社会保障財政が如何に危機的なものか、「100年安心」とされる年金の危うさ、待機児童対策や失業保険など現在の制度の問題点と経済学的にマトモな対策が説かれている。(評価A+)
購入:
「なぜローカル経済から日本は甦るのか」(冨山和彦)、「法務の技法」(芦原一郎)、「サイエンスの発想法」(上杉志成)、「職場の人間科学」(ベン・ウェイバー)、「ビジネスゲームセオリー」(御立尚資、柳川範之)、「経営参謀」(稲田将人)