2011年12月30日金曜日

F.マリノス:責任の所在はどこに?

昨日の天皇杯準決勝。後半アディショナル・タイムに追いついたF.マリノスが延長で決勝点、というシナリオを思い描いていたのだが、カウンターから2点取られて万事休す。ACLの夢は完全消滅した。俊輔が目覚めた一瞬とパワープレーでしかチャンスが作れない試合内容では「ACL出場は早すぎる」とサッカーの神様が判断したのだろう。J2同志の決勝を招いた責任は重い・・・という内容を考えていたら、今日になって監督解任という話になった。確か社長が「ACL出場を逃したら辞任する」と言っていたはずと各紙のWebを見ていたら、役員報酬50%カットで続投だという。おそらくサポーターは納得しないだろうし、いずれ近い将来社長交代とならざるを得ないと思う。

そもそも、昨シーズン末に松田をはじめとする主力の多くが流出し、外国人を含む十分な補強も予算の都合でできずにいた中で、「今シーズンACL出場圏内を目指す」という目標を設定した事に無理がなかったかを考えるべきではないか?「そのように言わなければサポーターの納得を得られなかった」などと考えているとしたら経営者失格だ。和司監督が与えられた戦力の中で、守り重視の「アンチサッカー」を選択し、最終盤まで上位に食い込んだことはそれなりに評価されるべきだろう。問題はフロント、チーム経営トップが負うべきだ。今後の動きを注視したい。

読了:
「クラウド『超』仕事法」(野口悠紀雄)
  • スマートフォンが仕事環境を大きく変えたことが良く理解できた。超整理手帳のPR部分が多かったのは残念だが、やはりスマホ購入しなければと考えた。パスワードや薬の保存方法はさっそくやってみようと思う。(評価A-)
「伝える力2」(池上彰)
  • 仕事上、部下へのニュースレターを出すことがあり、どうしたら理解してもらえるだろうかという課題に直面する身としては、わが意を得たりと思うところもあり、また参考にしなければならないと考えさせられるところもあった。基本は「自分が理解していること以上は伝えられない」というシンプルなことなのだろう。(評価A-)
「伸びる会社には理想のリーダーがいる」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 過去の著作からリーダーシップに関する「名言」をピックアップした内容。失敗から学ぶという点が繰り返されるあたり、実践的だし、ある意味アメリカ的。MISTAKESやTRUSTの分解などどこかに記録して意識しようと思う。いつもながら、この著者の本の読了後はやる気がでてくる。(評価A)
購入:
"Think Again" (Sydney Finkelstein)、「Plus 会社が分かる」(日本経済新聞社出版局編)、「3-4-3」(杉山茂樹)

その他
年末なので、今年も「今年読んだ本のベスト10」を記録したい。震災を受けて、益々「この国の形」を考えた1年になった。ベスト10にも単純な経営書でなく、今後の日本をどうするのか、特に戦後の政財官の在り様をどう変革していくのかを説く本が多く入った。(順位:読んだ順)
  1. 「戦略と実行」(清水勝彦)
  2. 「本物のリーダーとは何か」(ウォレン・ベニス)
  3. 「日本中枢の崩壊」(古賀茂明)
  4. 「日本の未来について話そう」(マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集)
  5. 「資本主義と自由」(ミルトン・フリードマン)
  6. 「どうする?日本企業」(三品和弘)
  7. 「経済成長は不可能なのか」(盛山和夫)
  8. 「新自由主義の復権」(八代尚宏)
  9. 「下町ロケット」(池井戸潤)
  10. 「決断できない日本」(ケビン・メア)



2011年12月24日土曜日

FCWC、天皇杯準々決勝

FIFAクラブワールドカップ(FCWC)はバルサの強さを印象付けた。サントスは何もできずバルサの「ゼロトップ」に翻弄された形だった。ビジャが怪我をして、アレクシス・サンチェスも不十分ということから取られた「緊急避難」だったと思うが、結果としては完璧と言って良いだろう。今後リーガでもこのフォーメーションが採用されるかもしれないと思った。大会MVPはメッシだったが、決勝を見て改めてこのチームにおけるシャビの重要性を認識した。1点目につながるトラップや2点目の素早いシュートなどは「すごい」の一言しかなかった。リーガ後半でレアルを捉えられるのか、ますます注目だ。

今日は天皇杯準々決勝。F.マリノスはグランパスにPK戦で勝利。日程的にも恵まれたし、相手にケネディ・闘莉王たちがいなかったこともプラスに働いたと思う。準決勝はサンガなので、油断さえしなければ決勝が見えてきた。反対側はFC東京とセレッソ。勢いはFC東京だが、地の利はセレッソというところだ。(個人的にはセレッソの方が良いかな?)むかし「日産」だったころは天皇杯にやたら強かったのだから、そのことを思い出してACL最後の1枠を勝ち取って欲しい。

読了:
「スリーピング・ドール」(上・下)(ジェフリー・ディーヴァ―)
  • 買ったのはしばらく前だったが、やっと読み終えた。リンカーン・ライムシリーズからのスピンオフだが、負けない位面白かった。最初は時間がかかったが、途中から引き寄せられるように読むスピードが速くなった。伏線が幾重にも巡らされているし、犯人(カルト首領)が死んだのがえらく早かったのも理由があって・・・リンカーンとアメリアの登場も面白かった。でも毎度ディーヴァ―の長編は「読もう」と意気込まないと読み進めない。何故だろう?(評価A)
「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?」(マックス・H・ベイザーマン、マイケル・D・ワトキンス)
  • 9.11とエンロン破綻を主な題材に、後から振り返ると「予測可能」と思われた事態がなぜ防げなかったのか、認知要因、組織要因、政治要因という3つの問題が明らかにされている。リーダーがこの3つを単独で克服するのは相当困難であるように思う。特に政治要因を打破するのは難しいように思う。(評価A-)
「パブリック」(ジェフ・ジャービス)
  • パブリックであることの意味、「プライバシー」とは何か・・・重たいテーマを提起している本だと感じた。それ(定義と言い換えられるか)は世代間でも大きく異なっている。今まさに日々の仕事を進める中で、SNSとの付き合い方を考えさせられているので、非常に参考になった。とにかく「世の中」が変わったのは確かだ。(評価A)
購入:
「エスケープ・ベロシティ」(ジェフリー・ムーア)、「日経プレミアシリーズPLUS日本経済がわかる」(日本経済新聞出版社編)、「多様性とイノベーション」(デヴィッド・スターク)

2011年12月17日土曜日

天皇杯&FCWC

今週は出張疲れ?で後半ダウン。1日+α寝込んでようやく8割回復といったところ。体調管理には気を付けていたつもりだったが・・・やはり歳かな。

今日はF.マリノスと松本山雅が対戦。松本山雅のプレッシャーが効いている間はしんどかったが、裏へ抜けた選手を有効に使えるようになったことで良い時間に先取点が取れた。後半相手がバテてからは思うとおりのサッカーができたのではないか?結果は4対0だが、今日のような試合の入り方では準々決勝(グランパスがFCWC疲れのレイソルに勝って進んでくるのでは?)は勝てない。日程的にはF.マリノスの方が有利なので、しっかり勝って準決勝・決勝に進んで欲しい。
準々決勝に残ったのはJ1が5チーム(グランパスとレイソルの勝者もカウント)、J2が3チーム。J2からは少なくとも1チームが準決勝に進むことも決まった。これを実力差縮小と喜んで良いのか疑問だ。

明日はFCWC決勝。バルサとサントス、メッシとネイマール・・・普通ならクラシコ大勝の勢いそのままにバルサが圧勝してもおかしくないが、ビジャの故障、A.サンチェスの疑問符とバルサに悪い材料が出ている。それでも最後はバルサに勝ってほしい。

今週は読了なし・・・(初めてかも)

購入:
「伝える力2」(池上彰)、「クラウド『超』仕事法」(野口悠紀雄)

2011年12月11日日曜日

クラシコ(3-1で今回もバルサ)

今朝はテニスに出かける支度をしながらクラシコを見た。前半開始早々レアルに先制されたバルサだったが、アレクシスのゴールで前半のうちに追いつくと、後半ダニ・アウベスを上げて3-4-3として主導権を握って3対1で勝利した。オウンゴールになったが2点目が効いて、セスクの完璧なゴールで止めを刺した。15連勝でクラシコを迎えたレアルについて、モウリーニョも選手も「今回こそは勝てる」という自信があったと思うので、この完敗は後をひくのではないか?次節のセビージャ戦(アウェー)で分かるだろう。一方バルサはフルメンバーでクラブW杯に臨む。予想されるサントスとの決勝戦@YOKOHAMAは本当に楽しみだ。

デューク・ブルー・デビルズはオハイオ州立の敗戦から立ち直ったようだ。今週はホームで2連勝だった。この分なら、年内残りを全勝して年明けからのACCチーム戦を迎えられるだろう。

読了:
「カテゴリー・イノベーション」(デービッド・A・アーカー)
  • 原題の「ブランド・レレバンス」が示すように、ユーザーが製品と用途とにどれだけ関係性を感じるか、サプライヤーとしてはどうやってその関係性を構築したり拡張したりするかが競争を左右するのはその通り。ただ、ブルー・オーシャン戦略をブランドの面から見ただけのように思われた。日本企業の例が多いのは良かったが・・・(評価B+)
「ボトムアップ・マーケティング戦略」(アル・ライズ、ジャック・トラウト)
  • マーケティングのGuru二名による著作らしく、市場に近いマーケターの戦術から戦略を構築・推進すべしと主張されている。アメリカでは珍しい「現場主義」ではあるが、日本ではある意味常識。逆に日本企業がイノベーションできない一因とも思われる。割り引いて考える必要があると思う。(評価B+)
「日本破綻を防ぐ2つのプラン」(小黒一正、小林慶一郎)
  • 政治機能が正常に働かなければ、財政再建を果たすための正攻法は実行できず、日本は破綻する。そうであれば、ある意味奇策(「嘘つきのクレタ人」は絶妙な喩だ)で事態を先送りにすることも視野にいれるべきという著者の考えは参考とすべきだろう。ただ、実質的に金融機関の資産が既に国債に回っている中で、この策を実施できるだけの資産は残っているのだろうか?(評価A)
購入:
「十字軍物語3」(塩野七生)、「動的平衡2」(福岡伸一)

2011年12月4日日曜日

J1終戦

J1はレイソルの優勝で終幕。最終節は上位3チーム揃ってアウェーで勝利。レイソルは相手がレッズだったので、もっと苦戦するかと思ったが、予想に反して快勝。最後に勝ちきったのは優勝するに相応しい実力があったということだろう。レイソルにはクラブワールドカップでも勝ち進んでサントスと戦ってほしいと思う。

F.マリノスは最後に力尽き5位でリーグを終えた。最後にベガルタに逆転された原因は得点力不足に尽きるのではないか。失点は40でベガルタの25(38試合で失点25はできすぎでは?)、グランパスの36に次ぐ3位。でも得点が46で8位で、トップ3の他、アントラーズ・サンフレッチェ・ジュビロ・フロンターレ・セレッソより下だ。チーム最多得点が大黒の10点では・・・俊輔という「武器」を生かし切れなかった結果だろう。来シーズン最大の強化ポイントであることは間違いない。それにしてもフォワードが育たないチームだ。

Duke Blue Devilsはオハイオ州立に85対63で惨敗。アウェーであることを差し引いても寂しい点差だ。コーチKがどう立て直すかが見ものだ。

読了:
「チーズは探すな」(ディーパック・マルホトラ)
  • タイトルが示す通りスペンサー・ジョンソンの「チーズはどこへ消えた」への異議が示されている。外から与えられた変化に対応するだけで良いのか?というのがその疑問で、登場するネズミを見ていると、ジョン・コッターの「カモメになったペンギン」に近い考え方のようだ。チーズを動かすのは自分自身だと意識することは改革実行後の持続性を考えると重要だと思うので、その点では著者の言うとおりだと思う。(評価A)
「告発 ニッポンの大問題30!」(竹中平蔵、中田宏)
  • 「改革派」の二人が民主党政権に対して突きつけた「レッドカード」と言える1冊。「初めに増税ありき」では問題の解決にならないということはその通り。本書で評価されていた橋下改革については、先週の大阪W選挙でポジティブな判断が下された。毎度のことながら国家戦略のない国の行く末がただ思いやられる。(評価A)
「プロの知的生産術」(内田和成)
  • アウトプット面からのアプローチという点で、他の「知的生産術」とは一味違っていた。情報を収集し、整理するのは何のためか突き詰めるとアウトプットの質を高めるためという著者の考え方は、全くその通りだ。(ただ、多くは他の著書で紹介されていたのが残念。)目新しいガジェットの紹介もなかなか面白かった。(評価A-)
「国債・非常事態宣言」(松田千恵子)
  • 日本の国家債務の状況、日本国債安心理論の危うさやPIIGSとの違いなど、家計との比較で極めて分かり易く解説されている。問題は先送りできないところまで来ている。今度は国民も肚を括って痛みに耐えなければならない。消費税増税とセットで国家資産(郵政株や公務員住宅)の売却、所得税捕捉率のアップ(トーゴーサンの解消)、社会保障の切り下げなど全てやらないとダメだ。でもこれを実行できる可能性は限りなくゼロで、2~3年後の破綻可能性が益々増えているように思う。来年は真剣に老後の海外移住(=日本からの資産逃避)を考えようと思った。(評価A)
「マックスウェルの悪魔}(都筑卓司)
  • 永久機関の話から始まって、空気は何故たまらないかといった事象の解説や統計が物理学とどのように結びつくかなどなど初心者にも分かり易く解説されている。東洋経済(11月26日号)で「教養人の必読書40」に取り上げられているだけのことはある。(評価A)
「宇宙は本当にひとつなのか」(村山斉)
  • 人類が観測できていない暗黒物質と暗黒エネルギーが宇宙の96%を占めていることや、多元宇宙の考え方など宇宙に関する最先端の理論が分かり易く解説されている。「宇宙は何でできているか」よりはやや専門性が高いが、素人でもよく理解できた。(評価A)
購入:
「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス)、「パブリック-開かれたネットの価値を最大化せよ」(ジェフ・ジャービス、「伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる」(ジョン・C・マクスウェル)、「日本破綻を防ぐ2つのプラン」(小黒一正、小林慶一郎)