2013年12月29日日曜日

21年ぶり天皇杯決勝へ!

今日は天皇杯準決勝。F.マリノスは毎度おなじみになったジリジリする展開に耐え、終盤の兵藤の先制点とロスタイムの俊輔のダメ押しでサガン鳥栖に勝利。かつて6度制した天皇杯決勝にF.マリノスとして初めて臨むことになった。兵藤の1点目は、F.マリノスらしいというより何だかザック・ジャパンの崩しを見ているような美しいパス回しから生まれた。2点目は言う事なし、のゴラッソ。残念ながら藤田を累積警告で欠くことになるが、端戸がやってくれるでしょう。

先週から来シーズンに向けた動きが目立ってきた。グランパスから藤本淳吾、アルディージャから下平匠の加入がほぼ決まったようだ。齋藤の移籍とドゥトラの引退に対する布石ができた。


読了:
「シナリオ・プランニング」(ウッディ―・ウェイド)
  • 大判で写真や絵が多い。”Business Model Generation”に代表されるこの手のビジネス書は実はなかなか侮れない。本書は単にシナリオプランニングの手法を示すだけでなく、実際の場面でいかに使われているかが詳しく説明されているのが特徴。未来は計画するのではなく予測するのだというポイントに納得。(評価A)
「マクロウィキノミクス」(ダン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ)
  • 前著「ウィキノミクス」から3年でいかに多くの分野でウィキノミクス化が進んでいるか、金融・産業・教育・行政などの実例を幅広く紹介している。5つの原則(コラボレーション・オープン・共有・倫理・相互依存)を実践することで更に多くのビジネスモデルが生み出されていくことを予感させる。(評価A)
「血の轍」(相場英雄)
  • 警察OB殺しから浮かび上がる深い闇。そこに公安と刑事部という警察内部の醜い抗争が絡む。主人公たちの過去に何があったのがも次第に明らかになって、結末まで飽きさせない。公安VS刑事の対立をここまで書いた小説はなかったのではないだろうか?実際の事件でも報道されない裏事情があるのではないか、と考えさせられた。WOWOWはどんなドラマに仕立てるのだろう。そちらも楽しみだ。(評価A)
購入:
「政治の起源」(下)(フランシス・フクヤマ)、「維新の後始末」(野口武彦)、「知的創造の作法」(阿刀田高)、「気が遠くなる未来の宇宙の話」(佐藤勝彦)、「ヤバい予測学」(エリック・シーゲル)

2013年12月22日日曜日

日本でのクラブワールドカップがない12月

モロッコでクラブワールドカップ(CWC)が開催中だが、日本開催でないと正直ピンとこない。アトレチコ・ミネイロが地元のチームに負けた大番狂わせがあったが、昨夜Footで小澤一郎氏が語っていたところでは、モロッコはユース世代がすごいらしい。近々アフリカの強豪になっていくのかもしれない。決勝はその地元ラジャ・カサブランカがバイエルン・ミュンヘンに挑む。(試合は結局2対0でバイエルン・ミュンヘンが勝利)

前身のトヨタカップを含み数回観戦したCWC。ジーコ、プラティニ、クリロナなどスーパースターを生で見て、その凄さに感動した。今のように毎週ヨーロッパ各国リーグが中継されるようになったとしても、たとえ半分観光気分が抜けきらないゲームだとしても、トップクラブを生で見る迫力は違う。2015年から2年間の開催に立候補したようだが、是非実現してほしい。

読了:
「歴史をつかむ技法」(山本博文)
  • 歴史はどう学んだらいいのか、というFrequently Asked Questionに答える一冊。時代小説と歴史小説の違い、司馬遼太郎の著作をどうとらえるか、「歴史観」など読んでいてためになる前半。後半は古代から近代までの日本史について著者の技法を応用するとどう捉えられるか、という実践編。中学・高校で学んだ知識が古いことに気づいたし、帯にあるように日本史の流れをつかむことができた。(評価A)
「政治の起源」(上)(フランシス・フクヤマ)
  • 著者が「政治制度の発展と衰退のメカニズム」に挑む2部作(日本では全4巻になるらしい)の第一弾。上巻ではウェーバーの定義による近代国家、「広範な公共の利益に奉仕することを目指す。支配者との個人的なつながりではなく、資格や能力に基づいて選抜された官吏が政府の役職に就く」国家が中国の秦王朝に始まるとして、原始から中世までの各地域における国家の状況を比較している。下巻が待ち遠しい。(評価A)
「宇宙が始まる前には何があったのか?」(ローレンス・クラウス)
  • 「無から始まった宇宙」という原題どおり、最新の量子論から宇宙の創成に迫る。自らの理論だけでなく、広く最新理論についても言及されているので、それらに若干基礎知識があった方がより面白い。今、このタイミングにいるからこそ多くの銀河を観測でき、宇宙の謎に迫れるのだという指摘は興味深い。タイトルはちょっとミスリーディングだが、内容の濃い一冊。(評価A)
購入:
「知の武装」(手嶋龍一、佐藤優)、「現場主義の競争戦略」(藤本隆宏)、「ホワイト企業」(高橋俊介)、「数学的決断の技術」(小島寛之)

2013年12月14日土曜日

MVP俊輔

火曜日のJ League Awardsで予想通り俊輔がMVPに選出された。監督・選手の投票で選ばれた事は意味があるし、何より史上初である2回目の受賞に価値がある。優勝してほしかった。優勝させてあげたかった、と改めて思う。「この2試合何が悪かったのか修正できる試合があるのは救い」といいう趣旨の発言をしていたので、22日の天皇杯トリニータ戦でどんな戦いをしてくれるか楽しみだ。

そんな状況でマルキーニョスの退団が決まった。天皇杯を待たずに帰国してしまったらしい。残念ではあるが、トップに起用されるであろう藤田に期待しよう。齋藤にも移籍の話が出ているが、それなら尚更天皇杯できっちり成果を出して移籍→W杯代表へ道筋を付けて欲しい。

CSKAモスクワの本田のAC Milan移籍が決まった。現在リーグ戦9位と低迷しているチームにどんなインパクトを与えられるだろうか。過去フリット、ルイ・コスタ、セードルフ、ボアテングがつけていた背番号10となった事に期待が現れている。1月のデビューが楽しみだ。

読了:
「インフェルノ」(上)(下)(ダン・ブラウン)

  • 前作「ロスト・シンボル」から3年。ロバート・ラングトン活躍の舞台はヨーロッパに戻った。ダンテの「神曲・地獄篇」がカギとなり、人類のこれ以上の増加を抑えようとする「マッド・サイエンティスト」の仕掛けた攻撃阻止のため、フィレンツェ、ヴェネツィアそしてイスタンブールへと物語が展開する。17年前に行ったフィレンツェやヴェネツィアの風景が思い出されて懐かしかった。前作よりはベター。2015年映像化も楽しみだ。(評価A)
「日本代表がW杯で優勝する日」(中西哲生)
  • かつてのJリーガーでジャーナリストの著者が「日本代表はどうすればW杯優勝までたどり着けるのか」という視点でフットボール・インテリジェンスの重要性を語る。目先の勝敗に一喜一憂するマスコミの問題にも言及している点が良い。俊輔と遠藤保仁という最もフットボール・インテリジェンスの高い2選手とのインタビューは内容が濃い。(評価A)
購入:
「政治の起源」(上)(フランシス・フクヤマ)、「マクロウィキノミクス」(ドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ)、「宇宙が始まる前には何があったのか?」(ローレンス・クラウス)

2013年12月8日日曜日

J1優勝ならず。W杯組み合わせ決定

F.マリノスは最終節も敗戦。サンフレッチェに逆転を許す結果となった。先週の敗戦を目撃して以来、何となくこの結果を予感していたので、こわくて中継を見られなかった。結局のところここ何試合も2点以上取れなかったことが最後に効いてしまった。良い意味でも悪い意味でも今年のマリノスは俊輔のチームだった。その俊輔が胆のう炎に倒れたことが運命を決めたように思われる。

優勝は逃したが、今年の俊輔の価値は揺らぐことはないだろう。誰よりも広くピッチを駆け、守備では一番ユニフォームを汚し、仲間を鼓舞し、自らも得点を挙げた。今年の俊輔を生で4試合見ることができたのはジーコ、マラドーナ、プラティニ、そしてクリロナを見たように一生の思い出になる。

土曜日の早朝ブラジル大会の組み合わせが決まった。日本はC組で初戦コートジボアール、第二戦ギリシャ、そしてグループリーグ最終戦がコロンビアになった。楽な相手ではないが、ベスト16入りは十分可能な組み合わせではないか。ただ、ここを突破してもベスト8を狙うにはD組のウルグアイ、イタリア、イングランドのいずれかを破らなければならない。あと半年でどこまでチーム力を高められるだろうか?最終メンバー争いも残り枠は少なそうだがこれからの注目だ。

読了:
「ロードサイド・クロス」(上)(下)(ジェフリー・ディーヴァ―)
  • 「人間嘘発見器」キャサリン・ダンスシリーズの第二弾。リンカーン・ライムシリーズと違い、文庫化まで待って読んだ。ディーヴァ―の作品はどれも展開が目まぐるしいのが特徴。本当に一日24時間でここまでやれるの?と突っ込みを入れたくなるような動きの連続だ。また、著者一流の「ひねり」も随所に見られて楽しめた。今回はSNSで「いじめ」にあっている高校生に容疑がかかるが、真犯人は意外なあの人物・・・(評価A)
「ウォール・ストリート・ジャーナル ザ・マネジメント」(アラン・マーレイ)
  • 現代のマネジャーに求められる経営スキルが一冊にまとまっている。ウォール・ストリート・ジャーナルの記者が書いた本なので、もっと生々しい経営者の「生態」が描かれれているかと期待したが、何故かゴーンとストリンガーという日本企業の外国人CEOばかり目立っていた。(評価B)
「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」(ケビン・ワーバック、ダン・ハンター)
  • うちの会社でも施策定着の手法として取り入れ始めたゲーミフィケーション。ポイント・バッジ・リーダーボード(PBL)を如何に組み込むかという技法よりも、何を達成するか、経営目標を明確にすることが必要と説く。ゲーミフィケーションは今後益々重要になってくるだろうという思いを強くした。(評価A)
「原発ホワイトアウト」(若杉冽)
  • 現役覆面官僚による自爆テロ的な小説。経産省・警察庁といった役所、電力業界、マスコミ、政党・・・日本を牛耳る岩盤がどのようなものかこれを読むと理解が深まる。登場する参議院議員、県知事などは実在の人物を連想させる。本書の結末を読むと、小泉元首相の原発撤廃を支持したくなる。(評価A)
「シグナル&ノイズ」(ネイト・シルバー)
  • 解説によると本書の著者は昨年のアメリカ大統領選の結果を正確に予想したという。本書がカバーするのはメジャー・リーグやNBA、ウォール・ストリート、ポーカーやチェス、インフルエンザから果ては巨大地震や地球温暖化まで。統計学と予測に関する多くの事例(成功も失敗も)が語られている。非常に面白かった。(評価A+)
「感染遊戯」(誉田哲也)
  • 「ストロベリーナイト」シリーズのスピンオフ中編集。一見関連のない事件が裏で繋がっている。元高級官僚が狙われるという実際に起こった事件を思い出さずにはいられなかった。ガンテツをはじめとするキャラクターは生き生きと活躍。姫川玲子も要所要所で顔を出し、なかなか面白い仕上がりだった。(評価A)

購入:
「血の轍」(相場英雄)、「日本代表がW杯で優勝する日」(中西哲生)、「歴史をつかむ技法」(山本博文)


2013年11月30日土曜日

残念!厳しい戦いは続く・・・

今日はF.マリノスのホーム最終戦に行ってきた。いつもとは比べ物にならない混雑の中スタジアムへ到着。レ・ミゼラブルのキャストによる「民衆の歌」から始まる選手紹介は鳥肌ものだった。

試合開始からアルビレックスの方が優勢で、どうもF.マリノスのイレブンは動きが硬かった。時間が経つにつれ落ち着きを取り戻し、サイドからいくつか惜しいチャンスを作り結局スコアレスで前半終了。これは勝てると思えたし、事実後半は20分過ぎまでペースを握っていた。ただ、ここで先制できなかったことが敗因。川俣に決められ、前掛かりになったロスタイムには鈴木武蔵に2点目を取られて万事休した。

この結果F.マリノスは勝ち点62で足踏み、今日勝ったサンフレッチェとアントラーズに優勝の可能性がでてきた。この2チームが最終節直接対決するので、F.マリノスが3位以下になることはない。整理すると、

  • サンフレッチェが優勝できるのは自らが勝利して、かつF.マリノスが引き分け以下の時
  • アントラーズは勝ったうえでF.マリノスが敗れ、かつ得失点差9を逆転した時
  • それ以外はF.マリノスが優勝

ということになるが、ここまで来た以上、他力に頼るのではなく、「優勝を決めるのは自分たちだ」、という強い思いを持って次節のフロンターレ戦に臨んで欲しい。

読了:
「流れとかたち」(エイドリアン・べジャン、J・ペダー・ゼイン)

  • 「樹木・河川・動物の構造からスポーツの記録に至るまで、全ては「良く流れるかたちに進化する」という新たな物理法則(コンストラクタル法則)が説かれている。著者がデューク大学特別教授ということでまたビックリ。「トンデモ科学」かと間違うほどシンプルだが、その適用範囲の広さを思うと、ここから研究はどのように進んでいくのかと興味深い。(評価A)
「劣化国家」(ニーアル・ファーガソン)
  • 「国家はなぜ衰退するのか」で謂わば「勝者」として扱われている西欧とアメリカ、更には日本がどうして衰退しているのか。民主主義、経済、法律、社会の4つの視点から分析されている。一般的な「通説」からすると逆の立場での議論が展開されているが、納得できる点が多かった。(評価A)
「狼の牙を折れ」(門田隆将)
  • 昭和49年8月の「三菱重工ビル爆破事件」をはじめとする企業爆破事件の犯人たちを警視庁公安部はどのように特定し、逮捕したか。多くの関係者への取材を通じ、生き生きとした映像が浮かぶような描写で記録された1冊。比較的短期間で逮捕に至った背景で、これだけ凄まじい捜査が行われていたとは・・・「死の淵を見た男」に続き非常に面白く読んだ。(評価A+)
購入:
「インフェルノ」(上)(下)(ダン・ブラウン)、「シグナル&ノイズ」(ネイト・シルバー)

2013年11月23日土曜日

ベルギー戦、天皇杯・・・そしてマジックナンバー1!

日本時間水曜日朝に行われた日本代表のベルギー戦は3対2で勝利。先制点の取られ方はオランダ戦同様悪く、反省材料。セットプレーから2点目を取られたことも同様。しかし攻撃面は日本らしいパスワークから得点できたことで、良いイメージが繋がったのではないだろうか。先発メンバーを入れ替えても一定のレベルが維持できることが明らかになったことで、今年最後の欧州遠征でようやくチームとして厚みができてきた。ザッケローニ解任やむなしと考えていたが、オランダ戦を含むこの2戦で本大会まで続投ということだろう。
今後は本大会メンバー23名への生き残りだ。当面代表の試合はないので、各チームでどれだけ結果を出せるかが重要になる。12月の組み合わせ抽選結果も影響するだろう。ヨーロッパ相手では一定結果が出せるが、ラテンアメリカ(中南米)には苦戦が続いている。いっそ3月の代表戦はヨーロッパで南米チームと対戦するというのはどうだろうか?

水曜日夜の天皇杯。F.マリノスは延長戦でパルセイロを破りベスト8に残った。天皇杯においてすべての試合を90分で勝ち抜いて優勝するというのは結構難しい。ここで苦戦したのが良かったという結果を期待する。次戦はアウェーでトリニータだ。ここで勝つと日産スタジアムで恐らくフロンターレとの準決勝になるだろう。

32節のアウェー、ジュビロ戦。俊輔と齋藤が戻ってベストメンバーで臨んだ。天皇杯の疲れが心配されたが、ジュビロにはチャンスらしいチャンスを作らせることもなく中盤から圧倒した展開になった。しかしゴールが遠い。前半マルキのFKがGKの手をかすめバーに当たったり、多くのCKを掴んでも点にはつながらなかった。同時刻に行われていた2位~6位の試合経過を気にしながらハラハラTV観戦するなか、後半ようやく中澤のゴールが決まった。終盤は少し押される場面もあったが、最後までゴールを許すことなく1対0で勝利。レッズもサンフレッチェも更にはアントラーズまでもが敗れるというF.マリノスにはこれ以上ない「おまけ」までついた美味しい1勝となった。これで次節は勝利するのみ。目標が明確になった。

読了:
「なぜ人と組織は変われないのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー)

  • 変化に抗うメカニズムは個人も組織も同じ。表面上「こうしなければ」と考えていても、それと反対の思い(というか固定観念)が行動を妨げているというメカニズムを明らかにし、どうやって克服するかまでを解説した1冊。「免疫マップ」をしっかり作り、パイロット実施を通じてPDCAサイクルを回すという方法は斬新。(評価A)
「歴史主義の貧困」(カール・ポパー)
  • マルキシズムなど全体主義を批判する著者が、「歴史的運命への信仰は全くの迷信であり、人間の歴史の行く末を科学的方法または何らかの合理的方法により予測することはできない」ことを説いた1冊。久々に骨の折れる1冊だった。巻末の黒田日銀総裁による解説が分かり易かった。(評価B)
「行人坂の魔物」(町田徹)
  • 目黒雅叙園のある行人坂を巡り江戸時代から現代に至るまで、波乱万丈の物語(ノンフィクションだが)が展開される。「お七の井戸」のトラブルなど知らなかったこともあったり、実際何年か前にアルコタワーの某社を訪問したことを思い出したり・・・でも一番の驚きというか「やはり」というのは、某メガバンクのビジネスの杜撰な現状だ。3メガバンク一斉FSA検査の引き金となった反社対応の甘さだけではないのだと再確認。(評価A)
「日本サッカー スカウティング127選手」(ミケル・エチェリ、小宮良之)
  • レアル・ソシエダで長年スカウトを務め、シャビ・アロンソを発掘したというエチェリ氏が日本代表およびJリーグの試合で行った日本選手のスカウティングレポート。各選手の長所・短所だけでなく、守備意識の低さという日本チームに共通する弱点まで鋭く衝いている。欧州遠征の2試合の結果を見ても「なるほど」と納得させられる。(評価A)
購入:
「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」(ケビン・ワーバック、ダン・ハンター)、「ウォール・ストリート・ジャーナル ザ・マネジメント」(アラン・マーレイ)、「原発ホワイトアウト」(若杉冽)、「狼の牙を折れ」(門田隆将)、「劣化国家」(ニーアル・ファーガソン)

2013年11月17日日曜日

オランダ戦は久々に良い出来で・・・

代表のオランダ戦は2対2のドロー。前半立ち上がりに攻勢をかけ、「あれ?今日は違うぞ」と思い、2点取られたときは、正直「やはり変わらないな。今日もダメか?」と思ったが、昨夜の代表はここからが違った。前半のうちに大迫が1点返し、後半スタートから遠藤と香川が入ったことで、攻撃がスムーズに行くようになった。特に、F.マリノスでの俊輔のように、ピッチ全体を見渡せる遠藤の良さが昨日ほど明らかになった試合はないのではないか。流れるようなダイレクトパスから本田が同点のシュートを決めてからも香川と柿谷が惜しいシュートを放ち、最後は完全に日本ペースの試合になった。やればできるじゃん!ただ、前半非常に効いていたナジェル・デ・ヨングが交代したことで、オランダがゲームメークできなかったという要因は割り引いて考える必要があるし、やはり勝ちきれないという課題は残った。次のベルギー戦はどうなるだろうか?

F.マリノスは前節辛うじて首位をキープ。贔屓目かもしれないが、残る3戦のうち最低2勝して勝ち点65を確保できれば優勝の可能性は高い。レッズ・サンフレッチェ・アントラーズいずれもセレッソとの試合が残っているので、3連勝は厳しいだろう。得失点差で考えてもF.マリノスは若干優位。ただ、さらに確実にするには2点差以上の勝利を挙げておきたい。金曜夜の「キックオフF.マリノス」で俊輔が「相手の試合経過が気になるようではダメだ。」と言っていた。やはり次節彼が戻ってくるのは頼もしい。ケガだけはしないようにお願いします!
ところで、天皇杯で苦手レイソルがトリニータに敗れた。これで決勝までの道筋が見えてきた。めったにないチャンスだ。この際2冠達成を狙おう。

Dukeバスケはカンザス大に敗れたが、この時期にランキング上位校と戦ったのは意味がある。気が早いが2014年にリクルートランキング1位(Jahil Okafor)と5位(Tyus Jones)の2選手が入学をコミットした。奇しくも(?)カンザス大に競り勝っての勝利だ。今年の1年生Jabari ParkerがNBAに入った後も大丈夫な補強になった。
一方フットボールは強豪マイアミ大にも勝利。年末のボウルゲームへの出場にまた一歩近づいた!

読了
「新訳7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)

  • 何年振りかで本書をすべて読んだ。改めてそれぞれの習慣がどのように結びついていくかを確認し、また時間管理をどうすべきか考えた。自分自身では「やっているつもり」の習慣が多いのを反省した。やはり名著である。(評価A)

「知の最先端」(フランシス・フクヤマ他)

  • 心理学、経営学、政治学などの著名な研究者およびカズオ・イシグロがまさにそれぞれの専門分野における最先端の理論を語っている。イシグロ氏以外の著作は読んだことがあるので、内容は目新しいものではなくても、インタビューを通じて、日本をどう見るか、という視点が加わっているのが良い。(評価A)

「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」(山口周)

  • 日本人がイノベーティブでないというのは嘘。問題はイノベーションをつぶす日本企業の組織構造にある。著者の考えに大きく頷かされた。「新参者」、「素人」が持つイノベーティブな考え方をつぶさずに伸ばす。日本企業およびその中のリーダーにとって一番難しい仕事だが、ここが変えられなければ衰退以外ない。(評価A)

「失われた20年の勝ち組企業100社の成功法則」(名和高司)

  • 伝統的な「J型」(現場のオペレーション力だけで勝負する)企業をいかに事業モデル構築力と市場開拓力を備えた「X型」企業にするか。この20年間の「勝ち組企業」からユニチャーム、ダイキン、味の素、さらにはランキング対象外だが圧倒的存在のファースト・リテイリングなどを例に実践的な戦略論が展開されている。(評価A)

「その科学があなたを変える」(リチャード・ワイズマン博士)

  • 「AS IF理論」行動が意識を変えるという理論をベースに、様々な実験結果からいかに自己変革をしていくかが説かれている。それにしても心理学者は酷い実験をやるものだ、というのも本書を通じ明らかにされる。巻末の「体を使って脳を変えるための10の方法」は実践してみようと思う。ただ、読みながら本を破くことができなかったので、ちょっとハードルは高そうだ。(評価A)


購入:
「流れと形」(エイドリアン・べジャン、J・ペター・ゼイン)、「行人坂の魔物」(町田徹)、「シナリオ・プランニング」(ウッディ―・ウェイド)、「日本サッカースカウティング127選手」(ミケル・エチャリ、小宮良之)

2013年11月10日日曜日

俊輔抜きは・・・(グランパス戦)

今節は予想通り俊輔抜きの闘いとなった。中継が見られなかったのでネットで経過を確認するだけだったが、結果は1対2で24節以来の敗戦だった。まだレッズの試合が始まる前の投稿だが、首位を明け渡す可能性が出てきた。救いはサンフレッチェも引き分けに終わった事で、一気に3位転落ということは事態は避けられた。その他ではアントラーズが勝利し、勝ち点を56に伸ばし、セレッソもFC東京を下し勝ち点53となった。セレッソは残り3試合がサンフレッチェ(ホーム)・アントラーズ(ホーム)・レッズ(アウェー)となるので、タイトル争いの台風の目だ。セレッソの勝利はF.マリノスに追い風をもたらしてくれるので、期待したい。

F.マリノスは残り3戦負けられなくなった。次節ジュビロ戦には俊輔も戻るだろうから、心機一転勝利を目指して欲しい。また、ホーム最終戦のアルビレックス戦は今季4回目の観戦だ。

この2週間は今年最後の代表ウィーク。オランダ・ベルギーとの戦い方次第では、今度こそブラジル本大会の戦術を見直さなければならなくなるだろう。香川の調子が上がってきたのは好材料ではあるが・・・

読了:
「祈りの幕が下りる時」(東野圭吾)

  • 加賀恭一郎シリーズの最新作。「新参者」からの日本橋三部作の最終作という位置づけで、一つの殺人事件が、加賀が何故今の職場への異動を希望したかや彼の母親の秘密まで明らかにしていく。推理としては途中で犯人の検討はつくのだが、それでも最後まで読ませるのはストーリーがしっかり作られているからだろう。「原子力ムラ」の現場の実態が描かれたり、仙台を舞台にするところは震災を意識している。エンディングは次の展開を暗示しているようだ。(評価A)
「BCG未来をつくる戦略思考50」(マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローズ、ジャンメジャヤ・シンハ)
  • ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の創立50周年を記念し、過去から現代に至る同社の戦略コンセプトが50のテーマに集約されている。古典の経験曲線(Experience Curve)やタイムベース競争、デコンストラクションに関する論文がまとめられており、戦略論の進化を再確認できた。日本人の手による論文がなかったのが残念だった。(評価A)
「日本の論点」(大前研一)
  • プレジデント誌で掲載されている「日本のカラクリ」からの抜粋で、日本が直面している課題をいかに著者が考えているかが再確認できる。必ずしも個々の課題に関する著者の解決策全てに賛成するものではないが、「この国をどうするのか」というグランドデザインの欠如という根本的な問題認識はその通りだ。安倍氏の限界も見え始めてきたし、本書を読んでこの先どうなるか心配が大きくなってきた。(評価A)
「日本経済論の罪と罰」(小峰隆夫)
  • 旧経済企画庁出身のエコノミストによるアベノミクスなど日本の経済政策評価が展開されている。脱成長論、反TPP論、雇用慣行、財政再建などいずれの章についても、俗論のいい加減さが経済学的に論破されていて、読んできて気持ちの良い一冊だった。小泉改革の評価など今の政権が本書から学ぶべき点は多い。(評価A)
購入:
「その科学があなたを変える」(リチャード・ワイズマン博士)、「なぜ人と組織は変われないのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー)、「ロードサイド・クロス」(上)(下)(ジェフリー・ディーヴァ―)、「感染遊戯」(誉田哲也)

最後に久々Dukeのネタ。
昨年1995年以来のボウルゲーム出場を果たしたフットボールチームは今季も好調。日本時間今朝のノースカロライナ州立大戦にも勝って7勝2敗。昨年の6勝を上回った。また、バスケットボールのシーズンも開幕。初戦は期待のHood、Parker2人をはじめ5人が二けた得点を挙げての快勝。こちらは昨年ルイビルに阻まれたファイナル4進出を目指して欲しい。

2013年11月2日土曜日

残り4試合。俊輔入院!!!!!!

前節F.マリノスはアウェーでトリニータと対戦。俊輔が記録づくめの直接フリーキックを決めて1対0で勝利、首位を守った。TVで生中継を見られなかったので、ダイジェストでしか見ていないが、「流石!」というシュートだった。他の上位チームもセレッソが敗れた以外波乱はなかった。残りは4試合。対戦相手を見るとレッズはベガルタ・フロンターレ・セレッソとの試合を残し、サンフレッチェもセレッソ・アントラーズのアウェー戦が残っている。日程はF.マリノスが有利だ。守備陣が5試合完封を続けているので、点さえ取れれば優勝できる。今週はしっかり休んで10日のホーム、対グランパス戦に備えてほしい。

と、ここまで金曜日の午後書いていたら「俊輔が胆のう炎で入院」というニュースが入ってきた。数日間入院・加療が必要、という公式発表からすると幸い重症ではなさそうだが、次節100%の動きは到底期待できないだろう。これまで俊輔に引っ張ってもらってきた攻撃陣は勿論チーム全体で穴を埋めて欲しい。突然次節が正念場になった。

前回取り上げた「96ジャパン」はカウンターからの2失点でスウェーデンに敗れた。75%のボール支配率でも負けるという事実をどう受け止めるか。良いサッカーをしている事は誇って良いので、是非次の世代98ジャパンに繫げて欲しい。

今週一番のお粗末はJ1の2ステージ制再検討というニュース。小手先の金欲しさに詳細を詰めずに走ったツケが出た。再度マーケティングの4P(Product, Price, Place, Promotion)から考えてはどうか?もう10年以上前だが、マーケティングの自主勉強会でテーマとして取り組んだことがあったことを思い出した。その時に出たアイディアは:
  • (しばしば言われているように、)Jの開催日は学校・地域サッカー部の活動を控え、子供たちが観戦できるようにすること。
  • 代表とのセットでリーグ戦を売ること。(日本協会がJ軽視になっていないか?)
  • (始めてはいるが)他国リーグとの協力関係構築。(オランダリーグが海外リーグの若手有望株を「輸入」・育成してトップリーグに返すような事をJではできないだろうか?)
  • 観戦チケットの価格体系見直し、 などなど。
やれることはまだ沢山ある筈だ。


読了:
「ハーバード・ビジネススクールが教える顧客サービス戦略」(フランセス・フレイ、アン・モリス)
  • 先週読んだ「ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」にも共通しているが、すべてを完璧にこなそうというのは、そもそも戦略ではない、と教えてくれる。きちんと顧客が誰か把握し、意味のある差別化を図る。必要あればコストを顧客に負担してもらうなど有効なサービス戦略を構築するためのステップは納得できるものだ。(評価A)

「そして日本経済が世界の希望になる」(ポール・クルーグマン)
  • 数々の著作で知られ、ノーベル経済学賞受賞者でもある著者から見たアベノミクスの評価は如何にもリフレ派らしい。金融緩和(第一の矢)および財政出動(第二の矢)の評価が高く、規制緩和(第三の矢)の効果は限定的という。また、インフレターゲットも4%であるべきとか、増税はNGとも主張されている。消費増税を決定したことがどう影響するか?いずれにせよアベノミクスはまだ道半ばだ。(評価A)


「BCG流 最強の思考プロセス」(リュック・ド・ブラバンデール、アラン・イニー)
  • 改革・改善のプロジェクトを進める上でよく部下に"Out of Box Thinking"を奨励するが、実践は極めて難しい。まず新しい「箱」を作ることから始めるという本書が説く5つのステップは理想的なものだ。(ここで「しかし」と書いて止めた)だからうちのチームでどうやれば実践・定着できるかしっかり考え・トライしてみよう。(気分が前向きになってきた・・・)(評価A)


購入:
「失われた20年の勝ち組企業100社の成功法則」(名和高司)

2013年10月27日日曜日

96ジャパン

U-17ワールドカップに出場している「96ジャパン」の評価がとても高い。前回「94ジャパン」はセレッソの南野等を有し準々決勝まで進出、ブラジルには敗れたが今回同様高い評価を受けた。引き続き吉武氏が率いた今回のチームは予選リーグを初めて3連勝で1位通過した。フロント・ボランチやゼロトップといった流動的なポジション配置を実行するなど画期的で、結果だけでなく、内容から見ても前回以上に凄いチームだ。懸念は選手の身長が総じて低い事。決勝トーナメント1回戦のスウェーデン相手にいか対応するか見ものだ。決勝トーナメントで勝ち進んで欲しいのは勿論だが、この中から2020年東京オリンピックや2022年カタール大会の主力が一人でも多く生まれる事を期待したい。

読了:
「業務改革の教科書」(白川克、榊巻亮)

  • 業務改革全般についてではなく、いかにプロジェクトを立ち上げるか(=トップにGoサインをもらうか)に重点を置いた内容がユニーク。至る所に「岩盤」が存在する日本社で丁寧に周りを巻き込みながら進めるには良いだろうが、外資系のスピード感からは遥かに遅いのではないか。使用しているツールは参考になる。(評価B+)
「民主党政権 失敗の検証」(日本再建イニシアティブ著)
  • 3年3か月迷走を続けた民主党政権。裏で何が起こっていたのか、がかなり客観的に分析されている。小沢一郎氏に関しても、単に「壊し屋」と切り捨てていない点など分析の切り口は評価できる。ここで描かれている問題点の多くはそのまま自民党にも当てはまる。今の政権が同じ轍を踏まないことを願う。(評価A)
「競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」(フレッド・クロフォード、ライアン・マシューズ)
  • ”The Myth of Excellence”という洋書がアマゾンの推薦書リストに上がっていたが、これがその翻訳だったのか、というのが第一の感想。「価格・サービス・アクセス・商品・経験価値」の5つの要素全てにおいて5段階の5(最高)を目指すのではなく、一つの5(Excellent)、もう一つの4(差別化)を達成し、その他は3(平均)で良い、というポジショニングは追求する価値がある戦略ではないか。ただ、本書に取り上げられている企業の中でもその後衰退している所がある。持続的な競争優位を実現するというのは別の努力が必要だという事だろう。(評価A)
「最強のシナリオプランニング」(梅澤高明)
  • A.T.カーニーによる「最強の・・・」シリーズ最新作。シナリオプランニングは不確実性が益々大きくなる企業経営環境下では必須のケイパビリティだろう。本書のフレームワークと分析の進め方は実務上もそれほど無理なものではないので参考にしてみたい。取り上げられているケースは直接仕事に関係のないものもあるので、やや退屈だった。(評価B+)
購入:
「日本経済論の罪と罰」(小峰隆夫)、「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」(山口周)、「知の最先端」(フランシス・フクヤマほか)

2013年10月19日土曜日

1位VS2位直接対決に勝利。またまた首位奪還!おまけ:ベラルーシ戦

今節は1位と2位が直接対決。日産スタジアムへ行ってきた(今季3回目)。天皇杯から中二日のF.マリノスに対し前半はサンフレッチェがやや押し気味。石原が抜け出して1対1になった場面が一番危なかったが榎本がうまく対応した。F.マリノスも俊輔の良いシュートはあったが、両チーム無得点でハーフタイムを迎えた。後半になるとF.マリノスが相手ペースを掴んでボールが回るようになり、齋藤の得点につながった。代表から帰ってきたばかりだったが、プレーは切れていた。終盤サンフレッチェの反撃を何とかかわしF.マリノスが3試合ぶりの勝利で首位を奪回した。ドゥトラの穴は奈良輪が、そして兵藤の穴は佐藤がしっかり埋めた。選手層は薄いが、若手が成長してきたのが大きい。また、これで現時点での「上位陣」との対戦が終わり、直接対決を残す他のチームに対し優勝争いで優位に立ったと言える。しかし次節は勇蔵が出場停止でホーム初勝利に燃えるであろうトリニータとの対戦。まだまだ油断はできない。あと5試合!

ところで火曜日の日本対ベラルーシ。後半30分まで見て寝ました。日本が良かったのは前半の立ち上がり、内田のシュートまで。その後はベラルーシの守備に手を焼き攻撃はモタモタ。香川の調子の悪さは論外だが、長谷部・遠藤の方がもっとダメ。ここを変えない限り攻撃のテンポが単調で、メリハリが効かない。効果的なサイドチェンジもない。齋藤たちは結局出番なしで帰国。ヨーロッパの中堅相手でこれではブラジル大会予選リーグ敗退は必至だろう。11月はメンバーを変えるか戦い方を変えるかしないと・・・今でも思うが、東アジア大会オーストラリア戦が今年イチバンの試合だった。ザッケローニ就任当初の理想的とも思われるサッカーができていたのはあの試合だけだったのではないか?????

読了:
「世界最高MBAの授業」(佐藤智恵)

  • HBS、スタンフォード、ウォートンなど欧米トップビジネススクールでどんな授業が行われているか日本人留学生の目を通してレポートされている。もちろん我が母校Fuquaについても懐かしいManagement Communicationクラスが紹介されている。「現Apple社CEOティム・クックも受けた授業」というのが謳い文句になっていた。18年経ったんだ、と改めて実感。(評価A)
「ありえない決断」(バーン・ハーニッシュ、フォーチュン編集部)
  • スティーブ・ジョブズを呼び戻す決断、J&Jのタイレノール事件への対応、古くはヘンリー・フォードが労働者の賃金を大幅に引き上げた決断。これら18のビジネス上の決断はどのようにしてなされたかを紹介した1冊。紹介された企業もすべてがその後順風満帆ではない(HP、フォードなど)、というのがオチのようでもある。一方で企業の寿命をも考えさせられる。(評価B+)
「次世代リーダー育成塾 経営の作法」(伊藤邦雄、石井淳蔵、価値創造フォーラム21編)
  • グローバル化にどう挑むのか、企業価値の創造にはどう取り組むべきか、の2つのテーマで経営者・経営学者が持論を展開している。「良い仕事」に象徴されるように至る所で社会にどのような価値を提供できるか、が語られているのが最近の流れなのだろう。その意味でスピーカーに金融機関経営者がいないのも象徴的だ。(評価A)
購入:
「祈りの幕が下りる時」(東野圭吾)

2013年10月12日土曜日

日本代表はこれでも大丈夫?

欧州遠征第一戦のセルビア戦は0対2で敗戦。ボールは一定支配するが攻撃のテンポが単調で迫力に欠けるといういつもながらの展開。セットプレーからの素早い動きについていけなかった先制点のシーンも、自分たちのミスからカウンターを決められたロスタイムのシーンも、悪い時(最近は毎度の事で見慣れてきたのが残念!)の再現Videoを見たような試合だった。W杯予選敗退が決まっている相手にアウェーとはいえ無得点はいただけない。ザッケローニは今回も故障上がりの遠藤を最後まで使った。余程序列が大切なのか?次戦のベラルーシ戦で結果が残せないようなら、11月のオランダ&ベルギー(たぶん)の連戦前に荒療治も考えなければならないのではないか?オーストラリアはブラジルに続きフランスにも惨敗してオジェックを解任した。日本も考えるべきだ。

ナビスコカップ準決勝セカンドレグは2対0でF.マリノスが勝利。しかしファーストレグの4失点はハンディキャップとしては重すぎた。しばらく勝てなかったレイソルに勝った事とマルキーニョスが久々に得点した事が19日サンフレッチェ戦に向けた好材料と割り切ってリーグ戦に集中してもらいたい。(次節は今シーズン3回目の日産スタジアムだ。)

読了:
「宇宙は無数にあるのか」(佐藤勝彦)
  • 「インフレーション理論」の提唱者による宇宙論。ビッグバンだけでは宇宙の起源の説明には不十分であること。インフレーション理論を突き詰めるとマルチバースの存在が導かれるといったこと。さらにマルチバースを考えるなら、人間理論の根拠が成り立たなくなることなどが丁寧に解説されている。(評価A)

「生命はどこから来たのか?」(松井孝典)
  • 物理・化学・生物・地学すべてを統合した学問がある。アストロバイオロジーという分野があること自体、本書を通じて知ったが、地球物理学が専門であったはずの著者が研究していることで、また驚いた。最古の生物は何か、地球外生命体はどこに存在するかといった謎がここまで解明できていることに更に驚いた。非常に興味深い1冊。(評価A)
「決定力!」(チップ・ハース、ダン・ハース)
  • 人間として生活を送る上で何かを決めることは避けられない。本書が提唱するWRAP(選択肢を拡げる、仮説の現実性を確かめる、決断の前に距離を置く、誤りに備える)というフレームワークの有効性は直感的にも理解できる。単一の選択肢を「やるか否か」という事態をできるだけ防ぐことから意識しよう。(評価A+)
購入:
「BCG未来をつくる戦略思考」(マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローズ、ジャンメジャヤ・シンハ)、「BCG流最強の思考プロセス」(リュック・ド・ブラバンデール、アラン・イニー)、「そして日本経済が世界の希望になる」(ポール・クルーグマン)、「日本の論点」(大前研一)

2013年10月5日土曜日

代表ウィーク前のヴァンフォーレ戦

F.マリノスは今節ヴァンフォーレとのアウェーゲーム。先にサンフレッチェとレッズが勝利した後の試合となった。試合はヴァンフォーレに押され守備に追われる展開。前半はシュート1本に抑えられた。後半はいくつかチャンスができたが決めきれず、最後ロスタイムの決定機も逃して万事休す。2戦連続のスコアレスドローの結果同勝ち点ながら得失点差で2位に一歩後退となった。ただ、このアウェー2試合で負けなかったことが最後に効いてくると信じる。次戦はサンフレッチェとの直接対決。ホームでは負けない!

今月の欧州遠征(セルビア戦&ベラルーシ戦)メンバーが発表された。欧州組の最終テスト?と報道されている通り、細貝・乾・ハーフナーが復帰した。F.マリノスからは唯一齋藤が選ばれたが、大迫や工藤が外れた中でのメンバー入りは若干意外だった。出場時間は短いだろうが、是非結果を残して生き残って欲しい。11月のオランダ戦プラス1試合(ベルギー戦?)のメンバーが恐らく本大会の中核になるだろう。サプライズはなさそうだ・・・

読了:
「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」(青木薫)
  • 人間理論という新たな見方が加わったことで、宇宙観が大きく変わった。古代ギリシャの宇宙論から始まり、人間は宇宙をどのように理解してきたのかが整理されている。もちろんマルチバースなどの最新理論も解説されている。ヒッグス粒子の存在が間違いないというニュースも伝わったが、本書を通じ自分の宇宙への興味がまた深まった。(評価A)
「自分が変わるための15の成長戦略」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 「世界最高のメンター」と言われる著者が自己実現・成長のために何が必要か15のポイントで整理している。常に自己最高記録を更新する、「安全地帯」から一歩抜け出すなど響く言葉がある。人間「これで限界」と自分で決めつけてはいけないと分かってはいる。意識を高めて行動あるのみ。(評価A-)
「イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則」(スティーブン・ジョンソン)
  • 経営だけでなく科学や医学に至る様々なイノベーションの元となったアイデアはどのようにして生まれるのか。また、時代と共にどのように変わってきたか。ダーウィンなどの実例からカギとなる項目が解説されている。「隣接可能性」、「ゆっくりとした直感」、「セレンディピティ」、「間違いの効用」などなど・・・でも結局のところ粘り強く考え続ける事をしなければアイデアが生まれることはない。(評価A)
「USERS not Customers 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」
(アーロン・シャピロ)
  • 顧客より広い概念である「ユーザー」にいかに「ササって」いくか。伝統的な企業であればこそ考えなければならない課題だ。顧客からユーザーにフォーカスを変えて展開される戦略論は新鮮だ。ペプシのキャンペーンの話やTCPF(Trust, Convenience, Price, Fun)セールスの5つのパターンが印象に残った。各章末のまとめが良くできている。(評価A)
「倫理の死角 なぜ人と企業は判断を誤るのか」
(マックス・H・ベイザーマン、アン・E・テンブランセル)
  • 今朝も某メガバンクの反社取引をめぐるニュースが流れていたが、このようなコンプライアンス違反がなぜ後を絶たないのかを「行動倫理学」という立場から説いた一冊。読んでいるうちに、自分もそれほど倫理的な人間ではないと考えさせられた。たばこ業界、Accounting Firmなどの事例は重いものがある。経営に携わるメンバーは必読の一冊だ。(評価A+)
購入:
「次世代リーダー育成塾 経営の作法」(伊藤邦雄、石井淳蔵、価値創造フォーラム21)、「最強のシナリオプランニング」(梅澤高明 編著)

2013年9月29日日曜日

一歩前進。

F.マリノスは今節アウェーのベガルタ戦でスコアレスドロー。勝ち点差は2に詰まったが、今節も首位をキープした。用事のためTV観戦もできずダイジェストを見ただけだが、出場停止の齋藤に加え、マルキーニョスが欠けたことで、堅固なベガルタの守備を崩すことができなかった。両チームのシュート5本ずつという数字が示す通り、俊輔が言うところの「お互いの長所を消し合う」戦いだったようだ。

他ではアントラーズ、FC東京、セレッソ、フロンターレと4位~7位が揃って勝利。上位が益々詰まってきた。日程的には若干F.マリノスは有利に思えるが、ベテランの体力が持つかという点とカード累積による出場停止の可能性でまだまだ油断できない。次節は15位ヴァンフォーレ。前回対戦ではホームで勝ちきれなかったが、対戦成績は優位な相手なので、堅く勝利を欲しいところだ。警戒するのはパトリックだ!

香川が今季プレミアで初出場した。いくつかのチャンスに絡んでいたが前半で交代。苦闘が続く。モイーズが監督である限り今後も出場機会は限られるだろう。吉田もそうだが、香川も1月の移籍市場でレンタルを本気で考えるべきではないだろうか?

この週末は「そして父になる」を見た。カンヌ映画祭受賞から引っ張って、満を持しての公開だったが、「まあ こんなものか」というのが率直な感想。リリー・フランキーと真木よう子が良かった。福山雅治も頑張っていました。でも感動とまではいかなかった。血と一緒に過ごした時間、どちらが親子にとってより重要なのか、というテーマなのに、一旦生まれの親に戻すという結論に至ったのかが不明確で、唐突に別れがやってくるように見えるためだろう。ハリウッドでリメイクが決まったとの報道がある。そちらはどのように描くだろうか?

読了:
「30の闘いからよむ世界史」(上)(下)(関眞興)

  • 著者はかつて予備校で教えていたというが、同時代の各地の動きをコンパクトに伝える手法は、受験のために世界史を学ぶのにも似ていてある意味懐かしかった。個々の戦争がどのような背景を持ち、結果どのように世界が変わってきたのか。第二次世界大戦後70年近く大国同士の戦争がないというのは世界史上稀有な事である。本書は改めて戦争と平和を考えるきっかけとして有意義。(評価A)


「経営者が語る戦略教室」(日本経済新聞社編)

  • 製造業・サービス業・金融業、また老舗企業から90年代以降に設立された企業まで。様々なジャンルの会社の経営者が企業再生、IT、グローバル化などの課題に如何に取り組んでいるかを語り、関連する最新の経営理論が紹介されている。一番感じたのが人のマネジメントへの取り組み方が伝統的な大企業で「甘い」のではないか、ということだ。日本人の人口が減少する中、この中でも消えていく企業が出てくるだろうと考える。(評価A)


「稲盛和夫 最後の闘い」(大西康之)

  • 稲盛和夫がどのような経緯でJALの再生に巻き込まれ、どのように再上場まで成し遂げたのか。世間で報道されているのとは違う実像が描かれている。社員の幸せを第一に考えるという稲盛氏の経営哲学は素晴らしいし、それなくしてはJALの再建がここまで早く進まなかったのも事実だろう。ただ、本来潰すべきであったゾンビ会社を生かしたこと、また、ANAとの競争条件が再生の結果JALに極めて有利になったこと(=ANAにとって不公平になったこと)は、今後同様のケースが出たときの悪しき先例となることを危惧する。(評価B+)


購入:
「決定力!」(チップ・ハース、ダン・ハース)、「宇宙は無数にあるのか」(佐藤勝彦)、「生命はどこから来たのか?」(松井孝典)、「世界最高MBAの授業」(佐藤智恵)、「業務改革の教科書」(白川克、榊巻亮)、「ありえない決断」(バーン・ハーニッシュ、フォーチュン編集部)

2013年9月22日日曜日

エスパルスに苦戦も首位キープ

F.マリノスはニッパツでのエスパルス戦に1対0で勝利。首位をキープした。今シーズン9点目となる決勝点を挙げた俊輔が試合後のインタビューで答えていたように、前半早い時間帯で先制したことで難しくなった1戦と言える。ピッチの状態が悪いのでパス回しに苦労し、エスパルスの「放り込み」にピンチが続いた。それでも今シーズンはこういう試合を勝ちきれる。終盤に同点とされ引き分けたレッズとの差はこういうところだろう。次節はベガルタとアウェー戦。齋藤が出場停止となるが、総力戦で勝ち点3をもぎ取って欲しい。

先週は「ウルヴァリンSAMURAI」と「エリジウム」を見た。

ウルヴァリンは日本が舞台。変なところはあるが、ストーリーは「X-Men」シリーズらしく楽しめた。ただ、エンドロールにはビックリ。まさか「教授」が???来年次回作が公開されるようなので楽しみはまだ続く。

「エリジウム」の設定は「トータル・リコール」にオーバーラップする。貧富の差で2極化された世界に住む主人公が立ち上がって・・・という共通点だ。ただ、今回のマックスの方がキリスト教の世界観に沿った生き方になっていた。

やっぱり映画は良い。今週末は「そして父になる」を見よう!

読了:
「稼ぐ力」(大前研一)

  • 週刊ポストやSAPIOの連載を纏めて再構成したお馴染みのスタイル。今回は日本人の働き方に焦点が当たっている。いつもながら著者の主張は世界の常識だし、それだけに日本の非常識を打ち破れないもどかしさを覚える。安倍政権でどこまでできるか期待したいところだが、オリンピック招致が決まり、既得権益集団がまたぞろ張り切り始めたのがとても気になる。(評価B)
購入:
「イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則」(スティーブン・ジョンソン)、「USERS 顧客主義の終焉と企業の運命を左右する7つの戦略」(アーロン・シャピロ)、「倫理の死角」(マックス・H・ベイザーマン、アン・E・テンブランセル)

2013年9月15日日曜日

日本VSガーナ戦。Cerezo戦行ってきた

火曜日の日本代表VSガーナは会食があって見られず、ハイライトのみ見た。結果は3対1と良かったし、この2試合でやっと自らを取り戻せたというのが選手たちの実感ではないだろうか。マッチメークにいろいろ問題のあるホーム戦はこれで終了。10月(と恐らく11月)は遠征となるので、欧州組の多い今のフル代表にとっては「良い」強化試合ができるだろう。セルビアとの試合は本番での旧ユーゴスラビア勢との対戦のシミュレーションになる。まだカードが未定の11月の遠征では是非世界ランク上位でW杯出場が決まった相手との対戦を期待しよう。

土曜日のセレッソ戦。柿谷、山口蛍、扇原といったセレッソの若手にF.マリノスの「おっさん」がどんなレッスンをしてくれるか期待して、久々に生観戦してきました。ここのところ土曜日のアウェー戦で3連敗していたのが心配でしたが、結果は1対1のドロー。前半早々に失点したのでいやな感じだったが、ドゥトラが目の覚める一発を放って同点に。(この瞬間が昨日一番の盛り上がりだった)F.マリノスは毎度ながら俊輔が中町・冨澤と中盤で絡みながら攻撃を演出。ただフィニッシュのところでディフェンダーやGKに阻まれてゴールできない状況。それでも後半あわや失点という場面を何とかしのいで引き分けに持ち込んだ。レッズとサンフレッチェ、さらにアントラーズまで2位~4位が揃って負けたので、勝ち点差を一つ増やし首位を守った。あと9試合。次節はエスパルス。アウェーでは快勝したが油断は禁物だ。


読了:
「1日で学び直す哲学」(甲田純生)

  • ピタゴラスからはじまり、ソクラテス・プラトンなどギリシア哲学、デカルトに代表される近現代フランス哲学、カントなどドイツ観念論、そして20世紀の哲学(ハイデッガーなど)まで、その哲学のエッセンスがコンパクトにまとめられている。哲学と数学との関係、キリスト教tの関係といった点も理解しやすかった。(評価A)

「戦略参謀」(稲田将人)

  • Aから始まる紳士服チェーン店を思わせる企業を舞台に2代目社長に雇われた経営企画室長とその部下、さらに社外の敏腕コンサルタントがどうやって企業の「憑き物」と立ち向かい・退治するか。ストーリーを辿りながら経営戦略のポイントが整理されている。「創業者社長ならどう考えるか?」という視点はユニークで、単に欧米の経営論を紹介するのではなく、実際にどう適用するかに比重を置いた点が良い。(評価A+)


「MBB:『思い』のマネジメント実践ハンドブック」(徳岡晃一郎、舞田竜宣)

  • 著者の一人である徳岡氏が野中郁次郎教授などと著した「MBB:『思い』のマネジメント」を如何に展開・実践していくか解説している一冊。いわゆるMBOや成果主義に対する批判的な内容は終身雇用を前提とする「古い」日本企業向けではあっても、中途採用・人材の入れ替えが前提となるような外資系企業や「若い」日本企業でどこまで当てはまるかは極めて疑問。マネジメントの立場からすると、「思いばかり語られても、成果がついてこなければ空論」と言わざるを得ない。(評価B)
購入:
「稲盛和夫 最後の闘い」(大西康之)、「稼ぐ力」(大前研一)、「自分が変わるための15の成長戦略」(ジョン・C・マクスウェル)

2013年9月8日日曜日

2020年東京オリンピック決定!グアテマラ戦、ナビスコ杯レイソル戦

2020年夏のオリンピックおよびパラリンピックの開催都市が東京に決定した。スポーツ界は勿論だが、久々に国民共通の目標ができたことで、日本全体が元気になることが期待できる。被災地の復興にもタイムリミットが設定でき、事業が加速されるのではないか。
サッカーで言えば、女子は勿論フルメンバーでの金メダル獲得が現実的な目標となり、男子はメダル獲得とその先カタール大会以降での世界一実現を見据えた強化が期待される。7年後のU-23ということは今のU-16以下の年代が主力となるが、もっと下の年代からどんなタレントが生まれるのか、今から楽しみだ。

金曜日のグアテマラ戦は久々の快勝。相手が守備的で、カウンターの怖さもない状態で完封はある意味当然だった。前半は何度か良い崩しからシュートは放つものの無得点。後半頭から柿谷と本田が入ったことで更に攻撃が鋭くなり3点が生まれた。香川を含むトリオが近い距離で絡んだときの中央突破は素晴らしかったが、強豪相手では懸念の方が大きい。本田は相変わらず守備で手を抜いていて、柿谷の方が自陣まで追いかける有様。また香川も毎度おなじみの中央よりポジションにとどまったまま。この二人の意識は変わらないだろうから、「それでも戦える」布陣を考えるしかないだろう。その意味で10日のガーナ戦が楽しみだったが、来日するのはエッシェンもボアテングもいないチーム。期待する試合ができるだろうか???

土曜日のナビスコカップ準決勝。F.マリノスはアウェーで相性の悪いレイソルと対戦。ネルシーニョ辞任騒動が落ち着いた相手は本来の強さを示し、F.マリノスは0対4で完敗した。ホームのセカンドレグが残ってはいるが、余程の事がないと決勝進出は望めない状況となった。事実上全てのタイトルに挑むというチャレンジは断念せざるを得ないので、ここは気持ちを切り替えて、俊輔はじめ主力は再開後のリーグに集中して欲しい。


読了:
「『論語と算盤』と現代の経営」(守屋淳 編著)
  • 論語や渋沢栄一の著作が現代の経営者にどのように響いているのか。様々な分野の経営者とのインタビューを通じ紹介されている。およそ論語と遠のなさそうなアクセンチュアの程さんやスクウェア・エニックスの和田社長が多くを学んでいる所が興味深かった。三浦藤沢信用金庫の平松理事長による岩崎弥太郎、安田善次郎、大倉喜八郎と渋沢栄一の比較が的を射ていた。(評価A)
「バカと笑われるリーダーが最後に勝つ」(松山淳)
  • トリックスター・リーダーシップとは何か、「しなやかなリーダーシップ」とは?最初は「そんなことできるわけない」と言われながらも自分の信念を貫き時代を動かしたリーダーの行動が事例を通じ明らかにされている。マキャベリ、織田信長、坂本龍馬、本田宗一郎、スティーブ・ジョブズ、稲盛和夫といったリーダーにAKBの高橋みなみが加わっているが、あのグループの躍進における彼女の役割を見ると納得できる。(評価A)
「世界は宗教で動いてる」(橋爪大三郎)
  • キリスト教(カトリック、プロテスタント)、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教、仏教などの宗教が欧米、中東、インド、中国そして日本の生活にいかに根を張っているか。グローバル時代を生きるために必須ともいえる知識がStep by Stepで説かれていて非常に分かり易かった。日本人自身もまた宗教から無縁ではないのだと改めて考えた。(評価A)
「明治国家をつくった人々」(瀧井一博)
  • 伊藤博文、山形有朋、井上毅といった「有名人」からアメリカ彦蔵、渡辺洪基(初代帝国大学総長)など教科書では登場してこない人物、さらに日本人に影響を与えたヨーロッパの法学者など・・・それぞれの立場から明治憲法、帝国議会という国家の形ができるまでいかに貢献したかが理解できる。新書だが中身の濃い一冊だった。(評価A)
購入:
「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」(青木薫)、「経営者が語る戦略教室」(日本経済新聞社 編)、「30の戦いからよむ世界史」(上)(下)(関眞興)

2013年8月31日土曜日

何とか首位キープ・・・

水曜日のレッズ戦。都合があって見られなかったが3対0で快勝。俊輔の右足でのゴールはビデオで見たが、好調さを裏付ける一撃だった。後半のピンチも榎本がファインセーブで切り抜け完封できたのが大きい。サンフレッチェの敗戦で首位に再浮上した。

続く土曜日のアルディージャ戦は、首位固めに加え鬼門のNACK5での初勝利がかかった。結果は8連敗中の相手に抑えられ0対1で敗戦。5月のベガルタ戦以来となる無得点に終わってしまった。残念ながら今回もNACK5で初勝利とはいかなかった。ただ、サンフレッチェが連敗してくれたお蔭で2位に浮上したレッズに勝ち点差1で何とか首位を守った。正念場だった8月の6試合を4勝2敗で乗り切ったことは後に効いてくると信じたい。


読了:
「共震」(相場英雄)

  • 東日本大震災からの復興途上の東北で、一人の県職員が殺害されるという事件は、その解決過程で、復興事業でさえ利権にするという日本の闇を明らかにしていく。3.11の直後から現地を取材したという著者の描写は生生しいが、それだけに復興を食い物にする悪への怒りを増す効果がある。「震える牛」に次ぐ傑作だ。(評価A)
「ポーカー・レッスン」(ジェフリー・ディーヴァ―)
  • 原題通り"More Twisted"な短編集。お馴染みのリンカーン・ライムばかりでなく、シャーロック・ホームズまでが登場して事件を解き明かす。途中で「こいつが犯人だ!」と分かったとしても、最後まで読むとそこにもうひとひねりが加わっていて飽きることなく読了した。そろそろキャサリン・ダンスシリーズが文庫になると思うので、次はそれを読もう!(評価A+)
購入:
「完訳 7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)、「戦略参謀」(稲田将人)、「1日で学び直す哲学」(甲田純生)

2013年8月25日日曜日

7試合ぶりの敗戦。2位転落・・・

今節のF.マリノスはアントラーズに逆転負け。1週間で首位を明け渡した。先制はしたものの、チャンスはアントラーズの方が多く、特に後半は押される一方だった。アントラーズでは大迫がキレキレで、ボンバーが振り回される形で2点取られた。昨晩は暑さがそれほどでもなかったのが「おじさん軍団」にはネガティブに働いたかもしれない。次のレッズ戦はホームだが守備陣が奮起しないとちょっと厳しい。サンフレッチェが引き分けだったので、勝ち点差がつかなかったのが救いだ。

セリエAが開幕し、欧州のサッカーシーズンが本当に始まった。前節・今節で気になったのはサウサンプトンの吉田が2試合続けてベンチ外となっていることだ。その他でもシャルケ内田が筋肉系の問題(って何?)で今節は欠場、チームも未勝利と苦戦しているし、長谷部は出場したもののプレーしたおは6分間という寂しい状態が続く。ただでさえ「守備の崩壊」が問題となっている中、欧州組を取り巻く雲行きが益々怪しくなっている。こういう状況なので、9月のホーム2戦はコンディションの悪い海外組はチームに残りレギュラー奪取を優先課題とさせ、国内組の底上げを図るべきだ。今の吉田や長谷部なら、森重、山口(蛍)や高橋の方が期待できる。

読了:
「できるリーダーは部下の『感情』を動かす」(田辺康広)

  • EQを如何に生かすか、はリーダーに益々求められるスキルだ。本書はEQの鍛え方実践編といった内容で、ポイントがコンパクトにまとまっている。特に「6秒」をうまく使って感情をコントロールする方法は自分も含め実践したい。そういえば、今年初めにEQに関する自己診断を受けたことを思い出した。(評価A)


「ストラテジック・イノベーション」(ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)

  • 新規事業(ニューコ)を立ち上げたとき、それまでの中核事業(コアコ)との軋轢を如何にマネージするかは各国企業に共通の課題だ。本書はアメリカの成功例・失敗例を基に10の提言をまとめている。本書の著者による「リバース・イノベーション」でもこの考え方は根底に流れている。毎度のコメントだが、イノベーションのマネジメントは日本企業の一番苦手なところであり、本書を実践できる企業がいくつあるかは疑問だ。(評価A)


「戦略思考トレーニング2」(鈴木貴博)

  • 前作に引き続き、戦略的思考を実践できる。特に本書ではウェルチ、ガースナー、アイズナー、ゴーンといった名経営者が下した戦略的判断に関する問題があったり、既成概念から飛び出さないと思いつかない判断があったりと問題の幅が一層広くなっている。バックグラウンドも含め「小ネタ」になりそうな話が多いので、使わせていただこう。(評価A)


購入:
「MBB:『思い』のマネジメント 実践ハンドブック」(徳岡晃一郎、舞田竜宣)、「明治国家を作った人びと」(瀧井一博)、「世界は宗教で動いてる」(橋爪大三郎)

2013年8月18日日曜日

ウルグアイ戦は・・・。F.マリノス首位浮上!

ウルグアイ戦は現時点での代表チームの課題を改めて浮き彫りにした。

南アフリカの時より悪い、というセルジオ越後氏ほど悲観的ではないが、攻守ともに今の実力はW杯で予選リーグを突破できるかどうかというレベルだと思う。実際、今年欧米相手のの対戦で勝てたのはカナダだけ、ブルガリア、ブラジル、イタリア、メキシコ、そしてウルグアイに負けている。カナダはW杯予選敗退、ブルガリアとウルグアイも本選出場を確保できていない。その2か国にホームで負けていることをしっかり受け止めなければならない。

思い切った打ち手が必要だが、9月の2試合はおそらく現状通りだろう。10月のヨーロッパ遠征で何かが変わることを期待したいが・・・

一方F.マリノスはFC東京に2:0で快勝。サンフレッチェがグランパスと引き分けたので、久々に首位に浮上した。兵藤のゴールも素晴らしかったが、後半終了間際の俊輔のゴールは凄かった。キックフェイントでディフェンダーを翻弄し、最後はズトンと一発。とどめを刺すというのはこういうゴールのことだろう。勝手にヤマ場と位置付けた8月の上位対決。あと3試合この調子で頑張れ!次はアントラーズだ。

読了:
「会社を変える分析の力」(河本薫)

  • 流行の「データアナリスト」を備えるだけでは日本企業を「分析力を武器にする会社」にすることはできない。必要なのは問題を発見でき、解決策を利益に結び付けられる「分析プロフェッショナル」だ、という著者の主張は明確だ。問題解決をするために必要なスキルは何か、という観点で幅広い社員に読ませたい良書だ。(評価A)
「ディープ・チェンジ」(ロバート・E・クイン)
  • 組織変革を実現するには、まずリーダー自らが変わらなければならない。それも「ディープ・チェンジ」が必要だ。深い自己洞察のプロセスを経ないとそれは達成できない。ビジネススクールの学長のエピソードをはじめ様々な企業での実例は自己変革のむずかしさを示している。分かってはいるが・・・というタイプの理論。でもやっぱりなんとかしなきゃ・・・(評価A)
購入:
「戦略思考トレーニング2」(鈴木貴博)、「できるリーダーは部下の『感情』を動かす」(田辺康広)、「ストラテジック・イノベーション」(ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル)、「『論語と算盤』と現代の経営」(守屋淳 編著)、「共震」(相場英雄)、「バカと笑われるリーダーが最後に勝つ」(松山淳)、「ポーカー・レッスン」(ジェフリー・ディーヴァ―)

2013年8月11日日曜日

ウルグアイ戦代表決定・J1第20節

8月14日のウルグアイ戦の代表メンバーが発表された。欧州組は10名で東アジアカップで新たに招集されたメンバーも豊田、柿谷、工藤、山口、青山が選ばれた。F.マリノスからは常連組だった栗原が漏れ、齋藤も選出されなかったので久々代表ゼロとなった。香川など何人かは直前の合流なので、東アジアカップ組の出場機会は多そうだ。ウルグアイもカバーニ、フォルラン、スアレスらが揃ったので良い試合を見られるのではないか。

今節F.マリノスはサガンと対戦。俊輔のめずらしいヘディングシュートで先制。一端追いつかれるという毎度おなじみの展開を経たが、マルキーニョスのオーバーヘッドシュートが決まり2位を守った。レッズとアルディージャが敗れたので勝ち点差が若干開くというおまけもついた。次節はFC東京。ここから試練の4番勝負だ。


読了:
「ようこそ、我が家へ」(池井戸潤)

  • 「半沢直樹シリーズ」で注目度が高まった池井戸潤の新刊。といっても雑誌連載は2005年~2007年というものだ。主人公が港北ニュータウンに住んでいて、中野に職場がある、というのは自分と同じだという事もあり購入した。会社で起こる「事件」はいつもの事だが、本作では家庭にも事件が起こるという点でユニーク。定年間近になった銀行員の悲哀もよく描かれている。(評価A)
「戦略読書日記」(楠木健)
  • 「ストーリーとしての競争戦略」、「経営センスの論理」が如何に生まれてきたか、著者の読書記録を通じ考えの一端が見える。幅広いジャンルの本を読んでいるのだなあ、と感心するが、紹介されている本に絶版となっているものが多いのと、著者一流の「グダグダ」「だらだら」という感じ(特に巻末の対談・・・)は好みの分かれるところだろう。私はちょっと辟易した。(評価B+)
「リーダーシップ・マスター」(マーシャル・ゴールドスミス、ローレンス・S・ライアンズ、サラ・マッカーサー)
  • タイトルは「リーダーシップをマスターさせるためのコーチングは如何にあるべきか?」という風に読み替えないと内容を誤解する。コーチングのAからZまでをまとめた本というと若干言い過ぎかもしれないが、リーダーシップ研究、コーチングの第一人者がこれだけそろってまとめた本書は、「コーチングの辞書」といった形で使うのがよさそうだ。個人的にはマイクロソフトの人材開発プログラムが興味深かった。(評価A)
「金融依存の経済はどこに向かうのか」(池尾和人+21世紀政策研究所)
  • 欧米の金融危機の原因は何か、日本のバブル崩壊以降学んだ教訓は生かされたのか、グリーンスパンはどのような判断をしてきたのか、アベノミクスの行方は?などの疑問に答える内容で、新書だが、内容が濃い。5つの「日本化現象」(資金フロー、金融政策、金融機関運用、クレジット市場、金融規制)という纏め、最終章での財政再建への提言が印象に残った。(評価A)



2013年8月4日日曜日

東アジア杯優勝。J1再開・2位浮上

東アジア杯は男女とも最終戦で韓国と対戦。なでしこは流石に中一日はきつかったようで、まさかの敗戦。一方男子も押し込まれる一方的な展開だったが、柿谷の2ゴールで勝利し、初タイトルとなった。結果が示す通り、男女で明暗が分かれた大会になった。

なでしこはスランプ状態に見える。今年になってアルガルべカップ、ヨーロッパ遠征いずれも今一つの結果で、今回も3連覇を逃した。アメリカはじめ各国が日本の良さを取り入れようとしており、従来のs根術では勝ちきれなくなっている。加えて、11年W杯、昨年のロンドンオリンピック代表と若手との融合が図れていないというか、思ったほど若手が伸びていない。U-20組が台頭してレギュラーを脅かすようでないと、この先は厳しい。もう一度戦法の立て直しが必要だ。

一方男子はJ1選抜でもそこそこやれることが証明された。今回の代表、特に初代表組などが何人常連を押しのけてウルグアイ戦に選ばれるかが見ものだ。個人的には8月、9月はレギュラーが約束されていない海外組の招集は控え、国内組の経験値を上げるべきだと考える。特に本田、香川のウルグアイ戦招集は反対だ。ザッケローニには来年6月までをしっかり展望した対応をして欲しい・・・

J1が水曜日から再開。「東アジア杯効果」で観客が増えているようだ。F.マリノスは水曜日に苦手レイソルに惜しい引き分けの後、昨日はベルマーレに勝って2位に浮上。首位サンフレッチェと勝ち点差1につけた。マルキーニョスが引き続き好調なのは頼もしいが、齋藤をはじめ他のアタッカーが点を取れていないし、相変わらず無失点でないのも先々心配だ。アルディージャが4連敗とガス欠になってきた一方、底力のあるアントラーズが上がってきた。F.マリノスはサガンのあとFC東京(A)、アントラーズ(A)、レッズ(H)、アルディージャ(A)と上位との直接対決が続く。3試合がアウェーだし、レッズとのホーム戦は何故か連敗中なので、試練の4戦だ。

読了:
「コネクト」(Dave Gray、Thomas Vander Val)

  • 新たな企業の形は企業と顧客が相互接続されたもの。というのが本書の伝えるコンセプト。社内の「つながり」という点ではかつての日本企業に似たところがあるが、同様の接続が社外・顧客にまで広がっているのが違い。NPS(Net Promoter Score)のようなコンセプトがどう活かされるかといった事も分かる。参考となる点が多い。(評価A)
「慶喜のカリスマ」(野口武彦)
  • 大政奉還の「主役」である15代将軍慶喜はその時何を考えていたのか。一見不可解な行動は何故起こったのか。本書は慶喜が明治維新後に語った内容だけでなく、周囲が見聞きした内容を踏まえて推測しており、その作業を通じ、慶喜のカリスマ(のなさというべきか?)の実像を明らかにしている。慶喜が本当にやりたかったことが見えてくるし、彼の失敗から学ぶべき点も理解できる。(評価A)
購入:
「会社を変える分析の力」(河本薫)、「ディープ・チェンジ」(ロバート・E・クイン)

2013年7月27日土曜日

東アジア杯/マンUプレシーズンマッチ

東アジア杯は2戦を終え1勝1分で日本がトップに立った。期待と不安が入り混じった「J1選抜」は思いのほか健闘しているのではないか。

初戦の中国戦はモッタイナイの一言。代表経験のあるメンバーで固めたバックラインが破たんし、2点のリードを守りきれないでドローに終わった。柿谷と工藤の代表初ゴール&アシストは収穫だし、セントラルMFの山口蛍は流石のプレーで可能性を感じた。

第二戦目のオーストラリアで先発全員を入れ替えたのには驚いたが、相手の出来の悪さもあって中国戦より却って良かったぐらいだった。FBの鈴木・千葉やセントラルMFの高橋・扇原から前線への縦パスが入り、「一軍」の時より攻撃のスピードが速かった。豊田が本領を発揮、大迫とのコンビが良かったし、齋藤のゴールはMarvelous!だった。守備は相変わらずだが、勝利が何よりだ。

日曜日の韓国戦は中国戦のメンバーが中心となるだろうが、できれば豊田と柿谷が同時に入ったところを見たい。

代表ウィークで中断中のF.マリノスは火曜日にマンUと対戦。「俊輔vs真司」の直接対決が見られなかったのは残念だが、F.マリノスは良いサッカーで見事逆転勝利を挙げた。選手層が多少なりとも厚くなってきたので、8月を乗り切れればACL圏内確保ができるのではないか、と期待が大きくなった。

逆にマンUは金曜日のセレッソ戦も引き分けに終わった。高温多湿の日本の気候にやられたところもありそうだが、プレミア開幕までにどこまで仕上げられるだろうか。ただ、その中で香川は存在感を増しつつある。頼もしい限りだ。

読了:
「稼ぐ力を取り戻せ」(冨山和彦)

  • コーポレイト・ディレクション、産業再生機構、経営共創基盤での経験を通じ、日本企業・とりわけ製造業がとるべき途を説いた1冊。内容は正しい。とりわけ前半の「日本企業が陥りがちな5つの罠」は必読だ。しかし、言われている内容をExecuteすることは可能だろうか?目先の円相場で一喜一憂しているように見える日本企業には高いハードルだ。(評価A-)
「天佑なり」(上)(下)(幸田真音)
  • 首相・蔵相・日銀総裁を歴任した高橋是清の生涯を、「日本国債」などのベストセラー作家が小説化した。日銀が大規模な金融緩和を行っているタイミングで読んだが、日露戦争の戦費調達のための国債発行がいかに大変だったかを知り、日銀の使命とは何か考えさせられた。アメリカでの奴隷生活やペルーの鉱山開発失敗などのエピソードを見ると逆に明治時代のダイナミズムが感じられた。(評価A)
「銀行王 安田善次郎 陰徳を積む」(北康利)
  • 「天佑なり」の高橋是清とは日銀本店建設の「プロジェクト」を通じて知り合うことになる安田善次郎の伝記。渋沢栄一と並び評されるべき人物だというのを改めて理解した。若いころ、東京都関係の仕事をしていた際に、「あそこは芙蓉グループの牙城だ」と言われたが、本書を通じ改めてそうなった背景等が分かった。(評価A)
購入:
「金融依存の経済はどこへ向かうのか」(池尾和人+21世紀政策研究所)

猛暑

暑い!今年は寝る時もエアコンをつけないとダメだ!こんな中2週間に4試合、しかも上位との3連戦。「年寄り」F.マリノスは厳しい。水曜日のセレッソ戦も先制されたのが痛かった。後半押していたがゴールに結びつかないのは毎度おなじみ。しかし開幕当初と違い勝ちきれなくなっている・・・結局1対2で敗戦し、4位に後退となった。

土曜のアルディージャ戦はマルキーニョスと齋藤の得点で勝利。前半は相手の出来が悪かったので押し込めたが、さすがに首位チーム、後半は立て直してきた。カウンターからドゥトラや俊輔、兵藤の惜しいシュートがあったので、決まっていればもっと楽な戦いになったのではないか?まあ直接対決で勝ち点差を詰められたので良しとしよう。次節レッズ戦に勝てばACL圏内に復帰できる。東アジア杯前4連戦の最後をしっかり飾って欲しい。

その東アジア杯のメンバーが月曜日に発表される。国内組・若手中心ということなので、ザッケローニが海外組のどのあたりを補強したいのか分かるだろう。

読了:
「アウトサイダー」(深町秋生)

  • 組織犯罪対策課 八神瑛子のシリーズ第3弾。ついに夫の死の真実にたどり着いたが、そこに見たものは・・・「アウトバーン」、「アウトクラッシュ」ときて今回は「アウトサイダー」。インサイダーがカギとなるのはこの手の小説のパターンだ。誰が誰にとってアウトサイダーなのか、結末まで読むと理解できる。果たして第4弾以降があるのか?(評価A)
「戦略プロフェッショナル 増補改訂版」(三枝匡)
「増補改訂版 V字回復の経営」(三枝匡)
  • コンサルタント、企業再生スペシャリストからミスミの経営者に転身した三枝氏のベストセラー2冊が同時に(しかも別の出版社から)増補改訂版として出版された。前者はアンダーセンコンサルティングに入ってすぐ「戦略コンサルタントの必読書」と教わって読んだので懐かしく、また後者も丁度プロジェクトにかかわっていたころに読んだのを思い出した。「創って、作って売る」というシンプルだがパワフルなコンセプトを実践することが日本企業の再生にMustだが、アベノミクスに浮かれ始めた経営者では到底期待できない。三枝氏がこのタイミングでこれら2冊を出したのは、そのような経営者に対する「足下を固めよ」というメッセージではないか。(両者とも評価A+)
「ライク・ア・ヴァージン」(リチャード・ブランソン)
  • ヴァージングループ総帥で冒険家、であるブランソン氏による起業家・マネジャーへのアドバイス集。経験に基づいた内容で、成功だけでなく失敗にも多く言及しているのが特徴。「小さな組織のススメ」は三枝氏の主張とも一致していて面白い。MBA的なフレームワークなどはないけれど、会社経営には有効な内容だ。(評価A)

2013年7月21日日曜日

ACL圏内へ再浮上/東アジア杯代表決定

F.マリノスは水曜日のレッズ戦に逆転勝利。3位に浮上した。レッズ戦は何故かアウェーチームの勝利が続いていたが、今回もその「ジンクス」が継続した形となった。守備は相変わらず安定感イマイチだが、ここにきて齋藤の出来がすばらしい。マルキーニョスは引き続き好調だし、セットプレーからの得点も生まれたので、後半戦もこの調子なら3位以内も夢ではない。

前後するが、東アジア杯代表が発表され、F.マリノスからは栗原に加え齋藤が初召集された。今回のメンバーを見ると優勝よりも代表候補層の拡充が優先されているようだ。勝ちにこだわるなら俊輔や闘莉王でしょう!まあ、柿谷や山口蛍、扇原といった「2018組」が今大会で輝いて、代表の序列を崩しブラジル大会のメンバーに割り込むことを期待しながら見ることにしよう。ただ、ラフプレーによるケガには注意!

ミニ中断期間にマンUとアーセナルが来日し、Jチームと戦う。香川と宮市にとっては凱旋試合になるが、Jの各チーム・選手にとってもアピールの場なので、本気で負かしにかかってもらいたい。

読了:
「偶然と必然の方程式」(マイケル・J・モーブッシン)

  • いわゆるデータサイエンスの解説書だが、対象となっているのがスポーツから投資・経営と幅広い。結果に対する運と実力の貢献度合いを軸にして各種スポーツなどをプロットするというのは面白いアイディアだ。「マネーボール理論」などについても言及されていて、入門書としては質の高いものだ。(評価A)
「人を動かす、新しい3原則」(ダニエル・ピンク)
  • 「モチーベーション3.0」の次はセールス?原書が出版されたとき素朴な疑問を持った。内容は名著「影響力の武器」と被っているように感じたが、広い意味で相手に自分の考えを理解させ、最終的に売り込むという点で、著者の言うとおり皆セールス(To Sell is Human.)という事なのだと納得した。ただ、これまでの著作に比べインパクトが弱いように感じる。(評価B+)
「C・クリステンセン経営論」(クレイトン・M・クリステンセン、DIAMONDハーバードビジネスレビュー編集部編)
  • 1995年の「イノベーションのジレンマ」から最新論文までHarvard Business Reviewに掲載された15の論文が再録された一冊。余りにも有名になった破壊的イノベーション(Disruptive Innovation)とは何か、から始まり、どうやってイノベーションを起こすのか、既存プレーヤーはどう対処すべきかと理論が展開していくステップが良く分かった。(評価A+) 
購入:
「慶喜のカリスマ」(野口武彦)、「コネクト」(Dave Gray + Thomas Vander Wal)、「戦略読書日記」(楠木建)、「リーダーシップ・マスター」(マーシャル・ゴールドスミス、ローレンス・S・ライアンズ、サラ・マッカーサー編著)

2013年7月7日日曜日

J1再開

コンフェデ杯は予想外の点差でブラジルが勝利。1日早く90分で勝ち切ったブラジルと翌日PK戦までもつれたスペインとの差は想像したより大きかった。本番でもこのカードが見られるだろうか、楽しみだ。また、ネイマールはバルサのチームメートだけでなく、レアルなどリーガのライバルの選手にも大きなインパクトを与えることができた。メッシとの競演も楽しみだ。

今週号のサッカーマガジンを見て、日本代表はボール奪取力が不足しているという指摘に目が留まった。他にもネイマールは誰よりもファウルを受けるが、コミットするファウルも多いというコメントも聞いた。3試合9失点を繰り返さないために一番必要なポイントではないか?

昨晩からJ1が再開。F.マリノスはトリニータと引き分けに終わり勝ち点2を損した。アルディージャが引き分けただけに、勝ちきりたかった。後半放った惜しいシュートが枠に飛んでいれば、と悔やむ試合で、これによってナビスコカップからの流れが切れなければ良いが・・・これからセレッソ、アルディージャ、レッズと続く3連戦でマリノスがACLに行けるだけの(=トップ3でシーズンを終了できる)実力を持つチームなのか分かるだろう。

読了:
「国家はなぜ衰退するのか」(上)(下)(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)

  • 包括的(Inclusive)な政治経済制度が経済発展のカギであり、文化などではないというのが著者たちの結論。ジャレド・ダイアモンドなどとはかなり異なるが、国境を挟んだアメリカとメキシコの町の発展度合いがなぜ異なるか、といった点に関しては説得力がある。明治維新に対する評価も嬉しいが、中国の発展の行方や欧米の今後の進展(衰退?)などを待たないと著者の理論の妥当性は検証できないのではないだろうか?(評価A-)


「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」(クリス・マチェズニ―、ショーン・コヴィー、ジム・ヒューリング)

  • 戦略の実行(Execution)にフォーカスが充てられている点がユニーク。4つの規律(4Dx:最重要目標にフォーカスする、先行指標に基づいて行動する、行動を促すスコアボードをつける、アカウンタビリティのリズムを生み出す)はシンプルだが、とてもパワフルだ。しかし本書でも意識されているように、チーム・組織で導入・定着させるにはかなり大きな意識改革も必要だ。(評価A)


「『信用』を武器に変えるマーケティング戦略」(平久保仲人)

  • 現代のマーケティングの在り様は如何にあるべきか。本書は多くの事例を交え分かり易く解説している。「信用」、「信頼」できる企業でないと顧客のロイヤリティは生まれない。マーケティングの基礎を学んだ上で読むべき1冊。(評価A)


購入:
「アウトサイダー」(深町秋生)、「偶然と必然の方程式」(マイケル・J・モーブッシン)、「人を動かす、新たな3原則」(ダニエル・ピンク)、「稼ぐ力を取り戻す」(冨山和彦)、「C・クリステンセン経営論」(クレイトン・M・クリステンセン著 DIAMONDハーバードビジネスレビュー編集部編訳)、「ようこそ、わが家へ」(池井戸潤)

その他:
先週はサラ・ブライトマンのコンサートに行ってきた。3年ぶりの来日で、かつ、近々宇宙飛行に挑戦するということで、バックがやたら星空だの宇宙飛行だのとにぎやかだった。これを割り引いても歌の方は素直に「良かった」。

2013年6月30日日曜日

日本代表の現在地

コンフェデの決勝は期待通りブラジル対スペインとなった。ブラジルはウルグアイを下し、スペインは大健闘のイタリアにPK戦で辛勝し決勝に進出した。明日朝の決勝は日程的にはブラジルが優位だが、スペイン相手なので丁度良いハンディキャップという感じもする。結果はどうあれ日本にとって「世界のトップとの差」を見ることができる一戦になるだろう。

「Foot」の特別版でのマリーニョさんのコメントがこの大会における日本代表およびマスコミの浮かれ方を示していた。日本はまだまだチャレンジャーなのに、何となく行けるという空気になっていたという趣旨で、まさにおっしゃる通りだと膝を叩いた。欧州チャンピオンズリーグの常連であるビッグクラブにいるのは香川と長友の2人だけ。仮にシャルケを常連に加えても内田までだし、実際インテルは来季の出場権を逃している。本田にしても「動く動く」と報道が先行するが今はまだそうした常連クラブのメンバーですらない。今回4強に残ったチームの主力メンバーとは「格」が違う。優勝するという夢は重要だが、現実との差を認識してどのように達成するか道筋を立てられるまでのレベルには残念だがまだ至っていない。我々もその点を認識したうえで、暖かく&厳しく代表を見ていきたいと改めて考えた。

読了:
「西郷隆盛 命もいらず名もいらず」(北康利)

  • 明治維新の立役者の中で、なぜ西郷隆盛は未だに愛されているのか分かっただけでなく、どのような思想を持っていたのかが理解できた。歴史に「タラレバ」は禁物だが、西郷が残っていたら明治政府はどうなっていただろうか?と考えずにはいられなかった。ただ、おそらく日本の近代化のペースは却って遅くなっていたのではないか、逆にいうと大久保利通のやり方でないと維新以後の日本は回らなかったのだろう、というのが自分の答えだ。(評価A)
「不格好経営 チームDeNAの挑戦」(南場智子)
  • DeNAという会社のDNAは創業者である南場氏のDNAなのだろう。マッキンゼーを辞めて会社を立ち上げて以降今日までの歩みが初めて明かされたのではないか。また、コンサルタントと経営者の違い、MBAの価値など著者の考え方も明かされている。日本にもメグ・ホイットマンやシェリル・サンドバーグにも負けない女性経営者がいることが証明されている一冊だ。思わずDeNAの株を買って応援したくなった。(評価A+)
購入:
「増補改訂版 戦略プロフェッショナル」(三枝匡)、「増補改訂版 V字回復の経営」(三枝匡)、「『信用』を武器に変えるマーケティング戦略」(平久保仲人)、「ライク・ア・ヴァージン」(リチャード・ブランソン)、「天佑なり」(上)(下)(幸田真音)、「銀行王 安田善次郎」(北康利)

2013年6月23日日曜日

3戦全敗(イタリア戦&メキシコ戦)

コンフェデレーションズ杯A組の3試合が終了。日本は準決勝進出を逃し、結局3戦全敗でブラジルを去ることになった。

イタリア戦は本当の強豪と日本との差を明らかにした。ブラジル戦の反省から日本のパフォーマンスが上がるのは予想できたし、イタリアよりも1日インターバルが多かったこともプラスしていた。その意味では今回ほどイタリアに勝てる可能性が高かったゲームはない。その試合で2対0から逆転負けを喫したことを「惜しかった」で片づけてはならないだろう。長友や香川が「勝たなければ何も意味がない」と言っていたのが救いだ。ゲーム運びの拙さをこれから1年で修正するのは難しいが、「ドーハの悲劇」から学んだように次へつなげていかなければならない。

メキシコ戦は消化試合とはいえ何としても勝ちたい試合だったが、ロンドンオリンピックをはじめ世代別の大会(U-17やU-20)で世界トップクラスの結果を残してきたメキシコは流石に強かった。後半立ち上がりやセットプレーといった日本の弱点をしっかり突いて2得点。日本には追いつき逆転する力はなかった。

来年の本大会で今回のような組み合わせになることはないが、ブラジル&メキシコもしくはイタリア&メキシコと一次リーグで同じ組になることは考えられる。しかもコンフェデよりも体力的には楽な日程で戦うことになる。今回分かったことは、世界との差が依然として大きいということであり、今のメンバーの実力では本大会は戦えないという事だ。今後1年で必要なのは、欧州組は自らのチームで万人が認めるレギュラーを確保することであり、国内組はまず7月の東アジアカップで、中途半端な欧州組より自分を選べとアピールし、ひいては初優勝することだ。ザッケローニにもプレッシャー&ノルマを与えるべきだ。東アジアカップ優勝とウルグアイ戦の勝利、9月欧州遠征後のFIFAランク30位以上復活ぐらいを合格ラインとするのはどうか?韓国は(契約満了であったとはいえ)W杯出場を決めても監督交代に踏み切った。仮にザッケローニを解任しても今の日本代表監督なら立候補者がいるはずだ。協会がこのぐらいの姿勢を見せて欲しい。来年再び3戦全敗するのは見たくない!


読了:
「人類20万年 遥かなる旅路」(アリス・ロバーツ)

  • アフリカで誕生した人類がいつごろどのようにして世界各地に移り住むようになったのか?ネアンデルタールや北京原人との関係は?といった興味深い質問に関する最新理論の到達点が、著者の旅とともに説かれている。本のオリジナルになったBBCのドキュメンタリーが近々放送されるので併せてみようと思う。(評価A)
購入:
「国家はなぜ衰退するのか?」(上)(下)(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)、「戦略を実行できる会社、実行できない会社」(クリス・マチェズニ―、ジム・ヒューリング、ショーン・コヴィー)



2013年6月16日日曜日

コンフェデ開幕

ワールドカップブラジル大会まで1年を切り、コンフェデレーションズカップが始まる。この時期にブラジル・イタリア・メキシコと本大会の会場で3試合できるのは、貴重な経験であるのは勿論だが、前回も書いたようにブラジル以外「本気」の国はないので、日本にもチャンスはある。更に、この大会を通じ、来年まで代表に残れる選手がある程度選別されるだろう。

ということで期待したブラジル戦だったが、結果は0対3と惨敗。前半3分の得点がなかったらとは思うが、昨年10月ポーランドで戦った時よりもダメだった。ワールドカップ常連国を相手にするときには、まだ2010年のような守備的な戦い方しかできないのかもしれない?イタリア戦でどう立て直せるか?



読了:
"The End of Competitive Advantage" (Rita Gunther McGrath)

  • Hypercompetitveな環境の中では従来の競争戦略理論が掲げていたSustainable Competitive Advantage(持続的競争優位)は望めない。これからはTransient Advantage(変化に適合して競争優位構築する能力)が競争を決するという著者の指摘は鋭い。Yahoo Japanを含む10社のケーススタディも参考になる。我々の働き方にも変化が求められていることを理解すべきだろう。(評価A)
「ファスト&スロー」(上)(下)(ダニエル・カーネマン)
  • 行動経済学のGuruでノーベル経済学賞受賞者である著者が、エイモス・トヴェルスキーとの共同研究を含むこれまでの成果や、発展の歴史、最新の研究結果までを一般向けに分かり易く解説した一冊。行動経済学はこれ一冊読めば分かるといえる内容。直観のシステム1、熟考のシステム2という整理が様々な局面での我々の意思決定を解き明かす上で有効であることが理解できる。(評価A+)
購入:
「不格好経営」(南場智子)、「西郷隆盛 命もいらず 名もいらず」(北康利)

2013年6月9日日曜日

ブラジル行き決定

火曜日のオーストラリア戦は仕事のため見ることができず、電車の中ネットで経過を追いかけていた。後半押し気味に見えたので、そろそろ日本が得点するだろうと思っていたところ、センター北に着く直前0-1の表示。事故みたいな失点に違いないが、これでイラクの結果待ちになるのか・・・と考えながら家のそばまで歩いてきたら、どこからか大きな歓声がもれてきた。これは日本の得点に間違いないだろう・・・気を取り直して家に着くと1-1で試合終了だった。

試合結果は物足りないが、今回も予選突破一番乗り達成。ここから1年、最終メンバー23名の争いが始まる。ザッケローニが「クラブの日程かと思った」とジョークを飛ばすぐらい代表戦が組むことが出来たし、アジアカップ予選免除で欧州遠征もできる。本田や長友の言うとおり本大会で優勝するためには「強い個」が23人集まらなければならない。欧州組は勿論、国内組がクラブでどれだけ活躍できるか、がカギだ。東アジアカップでは柿谷、大迫、柴崎あたりが招集されるのでは?FW、Central MF、CBは最終メンバー入りに大きなチャンスがある。

来週はイラク戦を終えるといよいよコンフェデだ。ブラジル以外は各大陸の予選が重要なので、本気度は低いはず。準決勝・決勝進出、更には優勝も決して夢ではない。(実際2001年は決勝まで進んだではないか!)前回スペインを破ったアメリカのような旋風を巻き起こして欲しい。

読了:
「会社の老化は止められない」(細谷功)

  • 先週読んだ「崩壊する組織にはみな『前兆』がある」にも通じるが、組織も発足時から成長段階を経るにつれ社内の利害関係者が増え、スタンプラリーが始まり、官僚主義がはびこるようになる。人間の動脈硬化みたいなものだ。こうした劣化は止められないというのが著者の主張。ではアンチエイジングは?社内の「子供」への期待?もう少し聞いてみたい。(評価A-)
"Playing to Win" (A.G. Lafley, Roger L. Martin)
  • 最近復帰が発表されたP&GのCEOとコンサル出身の経営学者による経営戦略立案の手順書。ポーター等のポジショニング理論とバーニー等のリソースベース理論を組み合わせる事で有効な戦略を構築するステップは大いに参考になる。スタートが「ヤル気」というのは経営者らしい。(評価A+)

2013年6月2日日曜日

ブルガリア戦は・・・

木曜日のブルガリア戦は日本代表にとってどんなインパクトをもたらすのだろう?セットプレーからの2失点と無得点という結果、3-4-3へのチャレンジをこの時点で、しかも長友を使わずに行ったこと、さらに相変わらずのメンバー編成。ザッケローニ限界説も大きくなってきた。。。全ての回答はオーストラリア戦に???

ブルガリアは強かったが、日本のリズムの時間帯もそれなりにあった。香川ー清武ー乾のトリオはパス交換だけなら良いのだが、全員が足下にボールを受けるタイプなのでゴールに迫る迫力に欠けた。岡崎と本田がいるときのようなバリエーションがないとこのレベルの相手には通用しないのが改めて証明されてしまった。

オーストラリアはこの試合を見て「引き分けでOK」から「勝てる!」と意識が変わったのではないか?そこを突くだけの精神力があるか???

全ては6月4日に分かるだろう。

今日は久々に映画「オブリビオン」を見てきた。映像が美しく、出てくるメカのデザインも「カッコよく」、ストーリーも意外性があって十分楽しんだ。やっぱり映画は良いものだ。

読了:
「経営戦略全史」(三谷宏治)

  • テイラー・メイヨ―から始まりドラッカー・チャンドラー、更にポーター・バーニーを経て最新の戦略論まで、20世紀初めからの経営戦略論進化が網羅されている。意表を突いた「もしも・・・」対談やエピソードの数々。読みやすいし、抑えるべきポイントは全て抑えられている。三谷教授ならではの1冊と言っていいだろう。(評価A+)
「達人と読むビジネス名著」(日本経済新聞社編)
  • 続編を先に読んだが、こちらで選ばれた本の方が幅広いジャンルから選定されている。ドラッカーの2冊、「フラット化する社会」や「失敗の本質」に加えウェルチやシュルツという経営者の著作も含まれている。1冊を除きすべて読んだ本だが、こうした解説で内容を思い出した。(評価A)
「俺のイタリアン、俺のフレンチ」(坂本孝)
  • 行列ができる店、本格的な料理がリーズナブルな価格で食べられると話題の「俺の・・・」がどうやって誕生したか、なぜブックオフの創業者が始めたのか、といった疑問が本書を読むことにより解けた。また、「ブルーオーシャン戦略」の見本のような戦略が展開されていることが分かる。稲盛和夫氏との師弟関係の強さも意外だった。(評価A+)
「コトラー8つの成長戦略」(フィリップ・コトラー、ミルトン・コトラー)
  • 低成長の中であっても成長のヒントは隠されている。マーケット・シェアの獲得、コミッテッド・カスタマー(ステークホルダー)の拡大、ブランド力向上、新製品・サービス、国際展開、M&A・パートナーシップ、CSRそして政府/NGOとの提携。言われてみれば当たり前だが、自社がとるべき途が明確になっていないとその当たり前もできないのが実際だ。(評価A)
「崩壊する組織にはみな『前兆』がある」(今村英明)
  • 読んでいて「あるある」と納得することが多かった。スティーブ・ジョブズの例があったが、彼も一度は組織を崩壊させアップルを追われている。企業のライフステージ別に危機の前兆が描かれているが、結局これらの兆候が全くない会社の方がありえないように感じた。多少の問題点がある方が健全な組織ではないか?(評価A)
「日本企業は何で食っていくのか」(伊丹敬之)
  • 日本企業とりわけ製造業が反転攻勢するため何が必要か、極めてまともな議論がなされている。提案されている方向性も納得感が高いし、実現可能だ。アベノミクスでいう3本目の矢はこういうことであるべきだ。問題は毎度の事ながら政と官にある。首相が強いリーダーシップを発揮して推進するしか第3の敗戦から這い上がる術はない。(評価A+)
「スティーブン・R・コヴィー永遠の知恵」(フランクリン・コヴィー・ジャパン編)

  • 「7つの選択」、「第8の選択」といったコヴィー教授の著作から18の原則を抽出し、再整理した内容になっている。何回も読み直すべき1冊。(評価A)
購入:
「会社の老化は止められない」(細谷功)、「ファスト&スロー」(上)(下)(ダニエル・カーネマン)、「人類20万年 遥かなる旅路」(アリス・ロバーツ)、"Playing to Win" (A.G. Lafley, Roger L. Martin), "The End of Competitive Advantage" (Rita Gunther McGrath)

2013年5月26日日曜日

J1前半戦終了 ほか[

J1は未消化試合をのぞき今節で前半戦を終了。いよいよワールドカップ最終予選&コンフェデの「熱い」6月に突入する。

F.マリノスはサガン鳥栖に勝ち8勝3分2敗で暫定2位。ナビスコ杯でもベスト8に残った。ベテラン揃いでギリギリの選手層を考えると「よくできました」と言える。昨年比で得点が約2倍になったのは、俊輔のセットプレーが冴えまくったことによる。幸か不幸か代表に呼ばれるのは栗原だけだろうから、再開後に備えてしっかり調整して欲しい。更に欲を言えば新聞報道されている松井大輔の獲得で攻撃力の向上を図って欲しい。

ここまでの13節で最大のサプライズはやはりアルディージャの躍進だろう。昨年終盤から「負けない」サッカーをしていたが、今季は得点力が増したことで首位にたっている。その他上位にはレッズ、サンフレッチェのACL組とアントラーズがいるが、セレッソ、FC東京、フロンターレ、レイソルあたりも上昇気配で再開後はますます混戦が予想される。下位ではグランパスの不振が目立つ。メンバー的には上位と遜色ないのに何故?ケネディが復帰してこれから??

今週木曜日からは代表戦が始まる。オーストラリア戦は全員が揃うのは前日という厳しい日程での戦いとなるので、ブルガリア戦をうまく使ってチームプレーの確認をしておく必要がある。心配されていた本田と長友はなんとか間に合ったので、「強い」ニッポンが戻ってくるだろう。

チャンピオンズ・リーグ決勝のドイツ勢対決はバイエルンに軍配が上がった。これでバイエルン黄金時代か?という論評が出た中で、バルセロナがネイマール獲得を発表した。バルセロナとレアル・マドリーのスペイン勢がどう巻き返すのか?パリ・サンジェルマンは?マンUはじめプレミア勢は?今年のポストシーズンも話題豊富だ。

読了:
「ビジネスモデル分析術」(望月実、花房幸範、三木孝則)

  • フェイスブックとグリー、グーグルとヤフー、アップルとソニー、サムスンとパナソニックそしてアマゾンと楽天という5組10企業の財務諸表などから、ビジネスモデルの類似点と相違点を分析している。公認会計士の手による本ではあるが、各種指標をどう見るかといった数字の分析に終わるのではなく、各社の歴史からくるビジネスモデルの変遷などにも言及されており、実践的な内容になっている。(評価A)
「なぜ日本は改革を実行できないのか」(川本明)
  • 日本がなぜ求められる改革を実現できないのか。政・官・民の「経営力」という視点から分析した一冊。処方箋としての経済改革10か条としてまとめられた「政策への信頼」、「成長加速」、「財政金融の安定」、「持続可能な社会保障」というアジェンダには賛成するが、著者が求める政官民の変革は現実(アベノミクス3本目の矢すら打ち出せていない状況)とのギャップがあまりに大きい。(評価A-)
「集合知とは何か」(西垣通)
  • SNSの興隆とともに注目されてきたネットの「知」でああるが、「みんなの意見は案外正しい」のは一定の条件の下であることなど、集合知についての学説変遷や最新状況が説かれている。哲学、サイバネティックス、脳科学などの記述も多く、簡単な内容ではないが、政治への安易なネットの活用に対する警鐘など示唆に富む。(評価A)
「リスクとの遭遇」(植村修一)
  • 前著「リスク、不確実性、そして想定外」に続き、亊例を数多く取り入れてリスク管理とは何なのかが説かれている。各章末には赤壁の戦い、関ケ原、ワーテルローなど歴史上有名な戦闘における人々のリスク管理が語られており、大変面白かった。(評価A)
「教養の力」(斎藤兆史)
  • 教養とはなにか、辞書での定義に始まり、明治以降、旧制高校や大学でどのような事が教養とされてきたか、現代における教養学部廃止の動きがどのような影響をもたらしているのか、といったテーマが説かれている。唐突な感想ではあるが、「物知り」と呼ばれるより、「学のある人」、「教養人」と呼ばれるよう死ぬまでチャレンジしなければ、と考えた。(評価A)
購入:
「俺のイタリアン、俺のフレンチ」(坂本孝)、「崩壊する組織にはみな『前兆』がある」(今村英明)、「コトラー 8つの成長戦略」(フィリップ・コトラー、ミルトン・コトラー)、「日本企業は何で食っていくのか」(伊丹敬之)

その他:
デューク大学のコーチKことマイク・シャシェフスキー氏がバスケットボールアメリカ代表チームの監督を続投することになった。3回目の金メダル獲得に向かい、どんなすごいチームが作れるだろう?

2013年5月19日日曜日

Michael Jackson: The Immortal World Tourに行ってきた

 昨日は横浜アリーナでのThe Immortal World Tourを見てきた。マイケル・ジャクソンの音楽とシルク・ド・ソレイユのコラボは絢爛豪華で、あっという間の2時間だった。アップテンポの曲ではマイケルをコピーしたダンス・パフォーマンス、一方スローな曲ではアクロバティックなシルクらしさが見られた。日本人の新体操もあって盛り沢山。世界平和や環境保護などのアピール色が強いことには賛否あるだろうが、いずれにしても改めてマイケルの偉大さを認識した。生前望んでいたというシルクとの「リアル」な競演ができていたらどんなに凄かったろう。ただ、舞台が低く見づらかったのは残念。首が痛くなった。

 F.マリノスはナビスコ・カップでジュビロに快勝したあと、昨日はベガルタとスコアレス・ドロー。試合は見ていないのだが、動きが鈍かったという新聞の評からすると、カップ戦でベテランを使ったのがマイナスに働いたように感じる。今週はアウェー2試合、ナビスコカップは引き分けで十分なので、ブレーク前最終戦のサガン戦に重点を置いて、メンバーを考えて戦ってほしい。

読了:
「なぜ企業はマーケティング戦略を誤るのか」(野口智雄)

  • 「ブルーオーシャン戦略」、「ラテラル・マーケティング」などマーケティングに関する戦略論(「ロングテール」、「フリー」や「行動経済学」などを含めている点には若干抵抗はあるが・・・)について、そのオリジナリティ、理論性、実証性、実務有効性、発展可能性という5つの視点から評価している。タイトルはミスリーディングな感じだが、いわゆる3Cを評価したうえでどのような戦略を立てるか考える上で参考になる。(評価A-)
「100%」(ジェームス・スキナー)
  • 良い意味でも悪い意味でも「日本人にはこれは書けないな」というのが率直な感想。「今の自分がおかれている環境は自分の選択した結果だ」、「毎日を100%で生きているかが重要」というのは改めて胆に銘じておきたい。一方で、「自分がやらなくてもいい仕事は誰かに任せろ」というと、「じゃあ、任された方はどうするの?」と突っ込みたくなった。(評価B)
「はじめての経営学」(東洋経済)
  • 一橋大や神戸大などの経営学者による入門書。各分野における基本および最新理論の解説と参考図書の紹介は分かり易い。(評価A)
「戦略論の名著」(野中郁次郎 編著)
  • 孫子、クラウゼヴィッツ、マキアヴェッリといった古典から石原莞爾、リデル・ハート、さらには最新理論まで、戦略論の「必読書」が網羅されている。計略の重要性をどうとらえるか、戦術とリーダ―のありかたなど違いはあるが、経営を考える上で戦略論からの学びが大きい事を改めて感じた。(評価A)
「ハーバードが教える10年後に生き残る会社、消える会社」(ジョセフ・バウアー、ハーマン・レオナード、リン・ペイン)
  • ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の100周年記念行事から始まった未来予測とビジネスのあり方を模索する旅の総括、といった趣の1冊。資本主義が変革を迎えつつあること、環境問題などよりグローバルな考え方が求められることなど、これからの経営を考える際の視座をどこに置くかという点で参考になる。(評価A-)
「戦略思考トレーニング」(鈴木貴博)
  • 実際のケースを題材に戦略思考の勘所をクイズによって学ぶことができる。右脳と左脳のバランスというか、ロジカル・シンキングとラテラル・シンキングのシフトチェンジの繰り返しを如何に行えるかが戦略思考の要諦ということが、設問を考えることによって理解できる。残念ながら答えを知っていた事例がいくつか含まれていたが、それを差し引いても学べた。(評価A)
購入:
「達人と読むビジネス名著」(日本経済新聞社 編)、「教養の力 東大駒場で学ぶこと」(斎藤兆史)

2013年5月12日日曜日

5試合ぶり勝利&Jリーグ20年

 F.マリノスはグランパスにアウェーで逆転勝利。栗原・中町2人が出場停止という中で攻守ともに懸念されたがファビオと小椋が頑張って穴を埋めた。アルディージャの連勝がストップしたので、勝ち点差3に縮まった。ちなみにこれでJリーグでのグランパス戦通算成績で2勝リードになったようだ・・・
 昨日はJリーグ20周年記念イベントがさいたまで行われたのもトピックだ。オリジナル10のうちフリューゲルスは消滅、ジェフ・ヴェルディ・ガンバがJ2に降格、レッズとサンフレッチェも降格・昇格を経験しており、20年間J1にとどまっているのはアントラーズ、F.マリノス、エスパルス、グランパスのみという状況を考えると、それなりに歴史を感じる。この先10年、20年にはどんな「事件」が起き、どんなスーパースターが世界に羽ばたくのだろうか。。。

読了:
「トータル・リーダーシップ」(スチュワート・D・フリードマン)

  • ウォートン校の人気講義の「再現版」。仕事だけでなく、家族・コミュニティ・自分自身を加えた4つの領域で「リーダーシップ」を発揮して人生を充実させよう!というのが趣旨。コミュニティを加えている点などは如何にもアメリカでの講義という感じだが、真にワーク・ライフ・バランスを達成するのには有効なエクササイズだ。(評価A)
「本当に使える経営戦略・使えない経営戦略」(山田修)
  • 6社で社長を経験した著者の体験から欧米の経営戦略論を批判的に論じた1冊。ポーターの戦略論、SWOTなどのフレームワークの問題点、特に日本の中小企業においてそのまま適用することの問題などはその通りと納得する。惜しむらくは誤植の多さ。G.ハメルが数か所ハミルになっていたり、Managementのミススペルが見逃されていたりしている。(評価A-)
「経営センスの論理」(楠木建)
  • 「ストーリーとしての競争戦略」で知られた著書の新刊。世の中で流行っているスキルアップでは優れた戦略は生まれない。センスの問題であるという著者の指摘は、競合の動きを追いかける事が「戦略」となっている多くの企業経営者には耳が痛いところだろう。本書の前半は今年の戦略書でベスト3には間違いなく入る内容だ。ただ、本書の後半、「日本の論理」の章におけるオリンピックと戦略の記述は、著者本人も認めているようにこじつけ感が強く必要だったのか疑問だ。その分マイナス。(評価A)
「経営戦略論入門」(波頭亮)
  • テイラーからはじまる戦略論の歴史は三谷宏治氏の「経営戦略全史」とオーバーラップする内容。新書ということでコンパクトにならざるを得なかったのだろうが、4分類はMECEか疑問で残念。後半、現在の戦略課題に関する記述にシフトしているが、いわゆる日本的経営について年功序列を廃した上で終身雇用を残すべきという著者の主張は現実的でないだろう。(評価B)
購入:
「集合知とは何か」(西垣通)、「リスクとの遭遇」(植村修一)

2013年5月4日土曜日

京都へ行ってきた

 GWの谷間に2日有休をもらい京都に行ってきた。定期観光バスを利用し、1日目は金閣寺、銀閣寺と清水寺を駆け足で回り、2日目は嵐山に足を伸ばし天龍寺、大覚寺を見た後、仁和寺と龍安寺にも立ち寄った。平日とはいえ大河ドラマの影響でもっと混雑しているかと懸念したが、道路が空いていたのでバスはスムーズに走行、拝観時間も比較的たっぷり取れた。仕事以外で京都に行ったのは中学1年生の時以来だったし、初めて行った寺もあったので、改めて京都の歴史の一部に触れたという思いだ。また、今回は宿泊した京都ブライトンホテルの食事(鉄板焼ディナー、朝粥)が本当においしかった。京都の素材を使った鉄板焼では肉を二度に分けて焼き、切り方を変えるといった工夫がなされていて、今までのどこよりも美味しくいただけた。また、朝粥は日経新聞(土曜版)でホテル朝食のNo.1にランクされたこともあり、7時の開始前に行列ができていたほどだった。全般に満足度の高い旅だったが、今回は行けなかった名所・旧跡もまだまだ数多くあるので、これからも来なければと思った。

 昨日のF.マリノスはアディショナル・タイムのファビオのゴールでアントラーズと引き分け、何とか2位を保った。ゲーム後に俊輔が「大人のゲーム」と言っていたそうだが、確かに相手の長所を消し合うゲームはそれなりに見ごたえがあった。開幕直後はそんあ展開でも勝ってきたのだが、ここ3戦は勝利なし。おっさん軍団のやり方に相手がなれてきたようだ。次は中2日だし、ここのところ勝てていないレイソル戦だ。得点が減ってきたマルキはじめ攻撃陣の奮起に期待したい。

 ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグはやはりドイツ勢が勝ち残った。バイエルンがカンプ・ノウでも3対0でバルサを破ったのは衝撃だった。メッシがいなかったのは敗因の一つなのは間違いないが、バルセロナが従来から弱点とされる守備陣について的確な補強をしてこなかったツケが出たと見るべきではないか。プジョルとマスチェラーノ、ブスケッツが不在ではたとえドルトムントが相手だったとしても負けたのでは?ペップが「バルセロナの時代は終わった」と言ったとか伝わっているが、そこまでは行っていないのではないか?希望的観測かもしれないが・・・

読了:
「パワー・クエスチョン」(アンドリュー・ソーベル、ジェロルド・パナス)

  • 営業でのSPINといった方法論でも「相手に語らせる」ことの有効性が説かれているし、自分自身最近ミーティングで質問からは始めてうまくいった経験もあったので、本書に書かれている数々の例は自然に肚に落ちた。また、有効とされている「考えると夜眠れなくなることは?」という質問は使われ過ぎて陳腐になっている事も参考になった。会議・面談対策を考えるときに手引きとして使いたい1冊だ。(評価A)
購入:
「ハーバードが教える10年後に生き残る会社、消える会社」(ジョセフ・バウアー、ハーマン・レオナード、リン・ペイン)、「ビジネスモデル分析術」(望月実、花房幸範、三木孝則)、「スティーブン・R・コヴィー永遠の知恵」(スティーブン・R・コヴィー)、「経営戦略全史」(三谷宏治)

2013年4月28日日曜日

CLはブンデス同志の決勝戦か・・・

 先週はチャンピオンズリーグ準決勝1stレグが驚きだった。バルセロナはバイエルン・ミュンヘンに、レアルはドルトムントにそれぞれ完敗。ホームでの2ndレグが残っているとはいえ、逆転は極めて難しい状況になった。バイエルンが一番優勝に近いだろう。レアルがCL敗退ということになると、モウリーニョの退任は決定的。さてどうなるか?

 F.マリノスはヴァンフォーレと引き分け。昨日は外出していたので試合を見ることができなかったが、ロスタイムに失点しての引き分けはいかにももったいない。リーグ8試合でクリーンシートがエスパルス戦1試合というのは堅守を誇ってきたチームとしては「らしくない」状況だ。リーグ戦中断までに立て直しのきっかけを作って欲しい。それにしてもアルディージャは強い。首位陥落も仕方ないか・・・

読了:
「超図解 全思考法カタログ」(三谷宏治)

  • 発想/論理と拡げる/絞るという2軸で世の中の思考法を整理、使用上の注意点をまとめたまさに「カタログ」。三谷氏らしい語り口で書かれており、全編に一つのケースでの応用方法が描かれているので理解しやすい。戦略構築に限らず、様々なプロジェクトで応用できる。(評価A)
「仕事ができる人はまぜモチベーションにこだわらないのか」(相原孝夫)
  • 人事コンサルタントによるモチベーション否定論ともいえる内容。モチベーションを高めようとする会社の努力が却って社員の士気を低下させている局面がある。労働時間の長さを重視してきた日本人の労働観の改革が必要という著者の主張はもっともである。モチベーションなど意識しない社員はうちの職場にどれだけいるだろうか、気になった。(評価A)
「スマート・シンキング」(アート・マークマン)
  • 賢い習慣、質の高い知識、それを応用する能力。この3つを習得・実践することがスマート・シンキングだ。著者のいう「質の高い知識」を身につけるのが一番大変だと感じた。水洗トイレのしくみを本当に説明できるか?という実例の適切性はさておき、確かに「表面上知っている」という知識レベルが多いのは実感する。(評価B+)
「ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる」(広瀬一郎+山本真司)
  • マンUの優勝が決まった週に読んだ本。元電通社員でW杯実現に携わった広瀬氏とBCG、ATカーニー、べインと戦略コンサルティングで多くの経験を持つ山本氏の組み合わせが意外だったが、内容はマンUのケース・スタディを通じた内容の濃い経営戦略論だ。Jリーグの各チームはプレミア・リーグの対比から学ぶべき点が多い。(評価A)
「すべては『先送り』でうまくいく」(フランク・バートノイ)
  • マルコム・グラッドウェルの「第1感 最初の2秒の『なんとなく』が正しい」など直感を信じた意思決定を評価する考え方を否定、そうすることのリスクが説かれている。ただ、著者は決していつまでも先送りをすることまで薦めているのではないので、タイトルは少しミスリーディングだ。(評価A-)
「会社をつぶせ」(リサ・ボデル)
  • 客観的に自社の抱える課題を明らかにする手法として紹介されている"Kill the Company" や"Kill the Rule" のExerciseは有効だろう。うまくはまれば、表面的なSWOT分析よりずっと深い議論ができるだろうと思いながら読んだ。問題はトップが指摘された課題を受け止める度量があるか、その大きさがどうかということだろう。(評価A)
購入:
「経営センスの論理」(楠木健)、「経営戦略論入門」(波頭亮)、「戦略論の名著」(野中郁次郎編著)、「戦略思考トレーニング」(鈴木貴博)、「はじめての経営学」(東洋経済)、「100%」(ジェームス・スキナー)、「なぜ日本は改革が実行できないのか」(川本明)

2013年4月21日日曜日

連勝ストップ。映画「リンカーン」

 F.マリノスの連勝がストップした。点差以上の完敗に見えた。中盤での距離感がイマイチで、かつ俊輔が持ったところへのプレスが効いていたのでパスが回らなかった。アルビレックスの田中やレオシルバのハードワークは敵ながらあっぱれでした。それでも、前半終了間際の兵藤のシュートが決まっていれば、とは思うが・・・まあ気分転換して次頑張りましょう。

「リンカーン」を見た。有名な奴隷解放宣言をいかに憲法修正で担保するか、南北戦争が終結すれば下院の承認が得られない、という中でリーダーはどう考え、行動したか、が描かれている。ダニエル・デイ・ルイスやサリー・フィールド(三谷幸喜が「アメリカの大竹しのぶ」と言っていたが、それにふさわしい演技!)、さらに「宇宙人」トミー・リー・ジョーンズが素晴らしかった。見て良かった!と思う映画だった。

読了:
「殻―脱じり貧の経営―」(高橋伸夫)

  • プロローグで描かれた5つの企業の例(すべてが創作)は、まさにじり貧企業の典型で、そうならないためにどうすべきがが、T型フォードとENIACという二つの事例を通じ解き明かされている。マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」まで登場しており、哲学的な説明もあるが、結局は「殻」も自分自身の選択という結論。競争優位の源泉を永続するものと考えるのではなく、変化を恐れないことが重要なのだ。(評価A)
「ドラッカー 教養としてのマネジメント」(ジョゼフ・A・マチャレロ、カレン・E・リンクレター)
  • ドラッカーが会社などの組織を通じ「社会生態学」を実践するにあたり、どのような先人に影響を受け思想を形成してきたかが整理されている。その作業を通じ、改めて「リベラルアーツ」としてのマネジメントはどうあるべきかが説かれている。内容が重く・分厚い本なので、久々に3日分の通勤時間を使って読了した。ここでもリンカーンのリーダーシップにページが費やされており、映画を見る上での予習にもなった。(評価A)
「勝利と成功の法則」(日本経済新聞社編)
  • 日経朝刊の「経営書を読む」などのコラムを編集し、「エクセレント・カンパニー」、「ビジョナリー・カンパニー」、「競争の戦略」など長年読まれてきている経営書のエッセンスがまとめられている。それぞれに著名なコンサルタントや大学教授が手引きする形なので、ダイジェストとしてはクオリティが高い。日本人による経営書として唯一「経営戦略不全の論理」が入っていること、Dukeのダン・アリエリー「予想通りに不合理」が選ばれていることが面白かった。(評価A+)
購入:
「トータル・リーダーシップ」(スチュワート・D・フリードマン)、「本当に使える戦略・使えない戦略」(山田修)、「なぜ企業はマーケティング戦略を誤るのか」(野口智雄)

2013年4月14日日曜日

6連勝!この勢いはまだ続きそう!

 今シーズン初めて日産スタジアムへ足を運んだ。フロンターレとの「ダービー」であり、F.マリノスが首位ということもあって、観客数も27,000人あまりと昨日のマッチでは断トツに多かった。
 結果は2対1だったが、決定的チャンスの数からするともっと点差がついておかしくないゲームだった。マルキーニョスが決定機を2回逃し、同点に追いつかれたときは一瞬「引き分けかな」という考えも頭を過ぎったが、終了間際に端戸の点が決まって大興奮。こういう試合を勝てるのは実力がついたという証拠だろう。
 それにしても俊輔である。生で見た俊輔は去年の最終節同様にピッチ上あらゆるところに現れ、ボール奪取にからみ、決定的なパスを出し、CK・FKを蹴り・・・と攻守両面で大活躍だった。今が最盛期と言っても問題ない(イエローカードはいただけないが・・・)俊輔がこの状態を続けられるなら、もうしばらく連勝できそうだ。

読了:
「企業が『帝国化』する」(松井博)

  • アップル、グーグル、マクドナルド、エクソンといった日本でのお馴染み企業に加え、タイソンフードやモンサントといった企業が如何に帝国化し、我々の日常生活を支配しているか。また、そうした帝国が労働市場にどう影響を及ぼすかといった日本ではあまり語られていない「不都合な現実」が説かれている。こうした企業とどう付き合うべきか、「支配される側」が留意すべきポイントまで描かれている。なかなかの1冊。(評価A)
「経済学で読み解くこれからの日本と世界」(伊藤元重)
  • 「正統派」経済学者の目を通して見る日本と世界。経済学も使える学問だということを理解できる。日本再生のためにはアベノミクス3本の矢に加え、財政再建の道筋を明らかにするという4本目の矢が必要だという著者の指摘は全くその通りだ。サイレントマジョリティの立場が正しく代弁されているのでないか。(評価A)
「ソーシャルな資本主義」(國領二郎)
  • 矛盾したタイトルではあるが、公(パブリック)、私(プライベート)に共(ソーシャル)を加えるという現代社会の新たな構図を説いている。「つながり」をいかに経営戦略に生かすかといった観点、新たなリスクの発生などまだまだこれからも分析・研究をしていくべき領域が明らかになっている。(評価A)
「古今の名将に学ぶ経営戦略」(デービッド・ロジャーズ)
  • ナポレオン、ハンニバル、フリードリッヒ大王など世界史に登場する名将の戦略から、現代の企業戦略に生かすべき7つの教訓を導き出している。本書が書かれたのはもう四半世紀前なので、取り上げられた企業の中にはその後倒産したものなども含まれているが、教訓そのものは今でも十分通用する「定石」と言って良いだろう。目標と計画の混乱など耳が痛いことも多かった。(評価A)
購入:
「仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか」(相原孝夫)、「ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる」(広瀬一郎、山本真司)、「会社をつぶせ」(リサ・ボデル)、「パワー・クエスチョン」(アンドリュー・ソーベル、ジェロルド・パナス)




 

2013年4月7日日曜日

F.マリノス5連勝、DukeはFinal4逃す

 F.マリノスは昨日もサンフレッチェに快勝。ナビスコ杯ではアルディージャに負けたが、J1では唯一5連勝を達成した。爆弾低気圧の影響でピッチにはあちこち水たまりができていたが、ホームのサンフレッチェよりも対策ができていた。冨澤のミドルは見事だったし、中町と兵藤のコンビで崩した2点目は素晴らしかった。ボランチの2人でも点が取れるのは強みだ。これならもう少し連勝が伸びるだろう。
 
 Dukeは残念ながらFinal 4に進めなかった。ルイビルが一枚上手と言わざるを得ない。これでカリー、ケリー、メイソン・プラムリーの主力3名は卒業となる。次のシーズンではどんな戦いを見せてくれるだろう?

読了:
「リ・インベンション」(三品和広+三品ゼミ)

  • 日本企業にとって、イノベーションは取るべき戦略ではない、携帯電話の例を考えると、イノベーションを追求したガラケーではなく、リ・インベンションをおこなったスマートフォンが勝者になっている。本書ではこうしたリ・インベンションこそ日本企業に求められる戦略だということを様々な事例で説いている。ブルー・オーシャン戦略を言い換えただけのようにも思うが、方向性は正しい。ただし、実践には日本企業の体質まで踏み込んだ改造が必要であり、ハードルは高いだろう。(評価A+)
「ジャッジメントコール」(トーマス・H・ダベンポート、ブルック・マンビル)
  • 「分析力を武器とする企業」などの著作と異なり、決断にフォーカスを宛てた内容になっている。情報資産をいくら持っていても最終決断が誤っていては失敗への途をたどるだけということだ。本書の面白い所は、リーダー一人の決断力を称賛するよりも、グループの知恵を評価している点だ。(評価A-)
「マネジメントとは何か」(スティーブン・P・ロビンズ)
  • ”The Truth about Managing People...and Nothing But the Truth"第3版の邦訳。第2版「マネジメントの正体」をベースに、ビジネスにおける新たな潮流についての記述が加わっている。それぞれの項目は数ページと短いが、陥りがちな問題とそれを避けるためのアドバイスが凝縮されているので、何かの折に参照していきたい。(評価A)
「2020年 金融サービス」(日本IBM金融インダストリー・ソリューション)
  • リテール金融(銀行・証券・ノンバンクおよび生損保)がITの影響をうけどう変わっていくか、テクノロジーソリューションを提供する立場から予測した1冊。しかしながら、保険の項目ではリテールの記述をしていく中に突然企業分野の話題(東日本大震災やタイの洪水での企業のリスクマネジメントの話題)が出てきたりして読みづらかった。「ライフスタイル」が保険料を決めるという予測は面白かった。(評価B)
購入:
「経済学で読み解くこれからの日本と世界」(伊藤元重)、「ソーシャルな資本主義」(國領二郎)、「古今の名将に学ぶ経営戦略」(デービッド・ロジャーズ)、「殻」(高橋伸夫)、「勝利と成功の法則」(日本経済新聞社 編)、「ドラッカー 教養としてのマネジメント」(ジョゼフ・A・マチャレロ、カレン・E・リンクレター)、「全思考法カタログ」(三谷宏治)、「スマート・シンキング」(アート・マークマン)、「すべては『先送り』でうまくいく」(フランク・バートノイ)

2013年3月31日日曜日

それでもW杯は99%決まり&F.マリノス4連勝!

 ヨルダン戦は体調回復を優先して生で見なかったし、負けて悔しくてVideoも見ていない。さっき初めてダイジェストを見たような状況だ。確かに今回出場権を確定できなかったのは残念だが、残る試合の組み合わせからすると日本が3位に転落する確率は限りなくゼロに近い。(日本が全敗、イラクが全勝して、かつヨルダンと日本の得失点差10が逆転することが起こりうるだろうか?)アウェーの厳しさから何かを学んで次戦に生かして欲しい。

 F.マリノスは最初の難関と思われたFC東京戦にも勝利し4連勝(カップ戦を含めると公式戦6連勝)となった。マルキーニョスの穴を藤田が埋めたことが最大の収穫であり、今後も期待できそうだ。今週もアルディージャ(カップ)、サンフレッチェ(リーグ)と厳しい戦いが続く。カップ戦ではおじさん(ドゥトラ、ボンバー、俊輔)を休ませるという手もありでは?さて、どうなるか・・・

 DukeはNCAAトーナメントでベスト8(通称エリート8)に進出。日本時間の明日朝ルイビル大(第1シード)とファイナル4をかけて戦う。他のRegionでトップシード校が敗れている状況から考えると、事実上の決勝戦と言える試合だ。Dukeにとって縁起のいいインディアナポリスが会場だし、今シーズン初めに破った相手なので、きっと勝ってくれるだろう。

読了:
「リーダーシップが滅ぶ時代」(バーバラ・ケラーマン)

  • 現代社会においてリーダーであり続けることが如何に難しいか。本書は政治・ビジネス双方の局面における実例からこのことを説いている。フォロワーの力が強くなっていることは良い点も多いのだが、ポピュリズムを誘因することにもつながっている。一方ではリーダー側の懐も甘いために、恰好の攻撃材料を提供してしまう。これまでのリーダーシップが滅びるのは必然と感じた。(評価A)
「ヤバい経営学」(フリーク・ヴァ―ミューレン)
  • 邦題は「ヤバい経済学」(Freak Economics)の類書を想像させるが、ロンドン・ビジネススクール教授による極めてまともな経営書だ。M&A、成果主義、イノベーションなどの経営課題に関して何が実際に起こっていることなのか、通説に頼るのではなく、経営学の最新理論から説明している。(評価A+)
「インテンション・エコノミー」(ドク・サールズ)
  • 企業が顧客との関係性を維持するCRMではなく、顧客が主導権を握るVRMの時代がやってきつつあることを「予言」する一冊。ICTの発展が企業と顧客との関係性に大きく影響していることをアメリカで実際に起こっている実例を通じ説かれている。果たして日本ではいつそこまで変動するのだろう?B to Cでは特に注意して見ていく必要がある。(評価A)
購入:
「マネジメントとは何か」(スティーブン・P・ロビンズ)、「企業が『帝国化』する」(松井博)

2013年3月23日土曜日

公式戦5連勝

 日本代表は昨日のカナダ戦に辛勝。ヨルダン戦前に本田・長友なしの戦いで課題が明らかになったのは良かった。以前にも書いたが、ここで国際試合を入れたのは協会のファインプレーだ。きっと26日は勝ってブラジル行きの切符を手に入れられるだろう。

 F.マリノスはナビスコカップに入っても好調が続いている。フロンターレ戦に続き、ヴァンフォーレにも勝って、公式戦5連勝を果たした。フロンターレ戦ではファビオに使える目途が立ち、今日はマルキーニョス抜きで勝てた。ただ、何と言っても俊輔がすごい。どこかのコラムで後藤健生氏が「本田の代役は俊輔に」と書いていたが、その通りだと思わせる活躍だ。FC東京戦もマルキーニョス抜きとなるのでリーグ最初の試練となるが、俊輔が引っ張って、「勝ちきれるチーム」であることを示して欲しいものだ。

 アメリカではNCAAのバスケットボール・トーナメントが始まった。初日はハーバードが第三シードのニューメキシコに勝ったのがニュースだったが、二日目も第二シードのジョージタウンが敗退した。わがデューク・ブルー・デビルズは昨年1回戦敗退の反省?を生かし着実に勝利を収めた。デュークが第二シードとして入ったMidwest地区はルイビル(第一シードで全体のトップシード校)、ミシガン州立(第三シード)が入った最激戦区だが、何とか突破してファイナル4に進んで欲しい。

読了:
「知的生産のための科学的仮説思考」(竹内薫)

  • サイエンス作家として著名な著者による「ビジネス書」。科学において仮説が果たす役割はビジネスにおいても何ら変わりはなく重要であることは理解できる。また、アップルやディズニーなどの事例も理解しやすいので、入門書としては良いだろう。ただ、コンサルタントなどの手による類書の方がビジネスにおいては実践的だった。(評価B+)
「データ・サイエンティストに学ぶ『分析力』」(ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン)
  • ビッグデータとかデータ・アナリティクスとかがバズワードになっているが、重要なのはそれこそデータから何を読み取るのかという分析力だし、そのための仮説思考だということが再認識できた。著者が属するオグルヴィなどの広告代理店がこうした分野のコンサルティングを展開することで生き残りを図っているのだという事も理解した。(評価A)
「デフレーション」(吉川洋)
  • 日銀新総裁就任にタイミングを合わせたわけではないが、貨幣数量説の批判を通じ金融緩和がデフレの万能薬ではないと説く話題の本を読んだ。クルーグマン理論の問題などを丁寧に論じており、トンデモ理論を論破する最後の「結論」の章は特に読む価値が大きい。アベノミクスにおいて金融緩和に加え成長戦略を構築する必要性が分かる。首相が企業に賃上げを要請していることは本書の主旨に沿う「デフレ対策」である。(評価A)
購入:
「ヤバい経営学」(フリーク・ヴァ―ミューレン)、「リ・インベンション」(三品和広+三品ゼミ)、「インテンション・エコノミー」(ドク・サールズ)、「ジャッジメントコール」(トーマス・H・ダベンポート、ブルック・マンビル)、「2020年 金融サービス」(日本IBM金融インダストリーソリューション)



2013年3月17日日曜日

開幕3連勝!

 J1は第3節まで終了し、代表ウィークに入る。F.マリノスはセレッソと並び開幕3連勝で首位をキープした。3試合で11得点は戦前の予想を良い意味で大きく覆したが、薄い選手層を考えるとまだまだ安心できない。連勝は止まったがレッズはやはり「本命」に相応しい強さだし、他のACL勢とアントラーズも強い。次節あたるFC東京では千真、アーリアの元マリノス選手が絶好調なので、本当の実力を試す最初のテストになるだろう。

 ヨルダン戦を控える代表は、やはり本田と長友の2枚看板抜きで戦うことになった。本田の穴は清武と乾が、長友に代わっては高徳と駒野が埋めることになるだろう。今回これとは別に注目しているのはFW(ワントップ)だ。前田がファーストチョイスだが、ここのところハーフナーが好調なので、アジア相手なら高さが威力を発揮できるし、場合によっては大津を使う手もある。ザッケローニにはメンバーを固定しすぎるという批判もあるが、こうして見ると「準主力」クラスが充実してきており、全体の底上げが図られつつある。まずはカナダ戦のスタメンで誰を選ぶだろうか。

読了:
「昨日までの世界」(上)(下)(ジャレド・ダイアモンド)

  • 「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊」に続くダイアモンドの新作。WEIRD(西洋的、教育が普及し、産業化され、富める、民主的な)世界と、パプア・ニューギニアなどの「昨日までの世界」とを対比しつつ、文明によって人類が得たもの、逆に失ったものが明らかになってくる。先進国の生き方がweirdな(異様な)ものにさえ見えてくる。未来を考える上で、いろいろな点で示唆に富む。(評価A+)
「脳科学がビジネスを変える」(萩原一平)
  • マーケティングやR&Dのようなファンクションでも、ダイバーシティなどマネジメントを考える上でも脳科学の最新研究は様々な点で有効なツールになるということが説かれている。グーグル、IBM、ディズニーなどの企業がこうした点を意識して研究しているのに対し、日本企業がいかに遅れているかも分かる。(評価A)
その他:
 明日にはNCAAトーナメントの組み合わせが決まる。デュークがACCトーナメントで早々に敗退してしまったことはどう影響するのだろうか?いよいよMarch Madness本番だ。

2013年3月10日日曜日

首位!?

 J1第二節が終了。F.マリノスが連勝し、得失点差で首位をキープした。マルキーニョスと俊輔が絶好調だ。齋藤がスタメンに入れるようになれば更に攻撃の迫力が増す。ただ、スタメンの平均年齢が30歳を超えている状態は、中盤以降厳しくなるのは間違いないので、目先の勝利だけでなく、若手の経験を積ませる事を考えてもらいたい。それにしても開幕前の心配とエラい違いだ。

 海外組では、内田がケガから復活した。ルールダービー(ドルトムント戦)での2アシストの活躍は代表戦を前に好材料だ。本田や長友の方が厳しそうだが、果たしてメンバー入りするのか?

 アメリカの大学バスケットボールは今週でリーグ戦が終了し、いよいよMarch Madnessが始まる。デューク大は今朝の試合アウェーでUNCに勝利。ACCのレギュラーシーズン優勝は逃したが、恐らく第1シード4校に入れるだろう。3年ぶりの全米制覇に向け、ケガだけには注意して欲しい。

読了:
「2052 今後40年のグローバル予測」(ヨルゲン・ランダース)

  • 40年前に書かれたローマクラブによる「成長の限界」に関わったランダースによる今後40年の予測は、日本やアメリカなど現在の「先進国」にとっては厳しいものだ。アベノミクスのような短期的な政策もさることながら、本書のようなグローバル予測をもとにした国家像をどう描いていくか。残念ながら日本にはその覚悟がないように見える。(評価A)
「宇宙になぜ我々が存在するのか」(村山斉)
  • 「最新素粒子論入門」という副題の通り、ヒッグス粒子発見をはじめとする最新理論が開設されている。「強い力と弱い力」とオーバーラップするところが多い。ヒッグス粒子発見の後の展開にも触れられている。(評価A)
「ニッチ」(ジェームズ・ハーキン)
  • 「大衆」を相手にしてきた企業が苦戦をするようになった背景と、本当にニッチで勝負して成功している企業の取組が明らかにされている。ロングテール理論の問題にも触れられているし、どう対応すべきかについても書かれている。「深さ」というのがキーワードの一つになるだろう。(評価A)
「何が、会社の目的(ゴール)を妨げるのか」(ラミ・ゴールドラット、岸良裕司)
  • 「ザ・ゴール」などの著作を通じエリヤフ・ゴールドラット博士は日本企業に何を伝えたかったのか。本書を読むとその点が理解できる。博士の大野耐一氏への深い尊敬の思いを改めて知った。ビジネススクールの時に”The Goal"を原書で読んだ頃を思い出し、懐かしくなった。(評価A)
「統計学が最強の学問である」(西内啓)
  • 統計学がどのような形で他の研究領域に影響を与えているか、説明されており、統計学の入門書というよりは、「勉強したが良く分からなかった」という人が読む方が良い。タバコの害に関するやり取りなどの事例を見ると、ここでも日本は大きな後れを取っていることを実感した。ページ数の制約などもあろうが、もう少し基本用語の解説があっても良かった。(評価A-)
購入:
「デフレーション」(吉川洋)、「リーダーシップが滅びる時代」(バーバラ・ケラーマン)

2013年3月3日日曜日

Oscar・、J1開幕、香川、Duke、どうするサイドバック

この一週間は話題が多かった・・・
 
先週月曜日、アカデミー賞が発表された。風邪で休んだこともあり、アメリカから帰って以来初めてしっかり中継を見た。作品賞はアメリカでの下馬評通り”Argo” (「アルゴ」)が獲得した。でも、ショーとしてのハイライトはメインキャスト総出演の”レ・ミゼラブル”だった。どちらも見た作品だったので、良かったのだが、興奮して却って熱が出てしまった。

昨日J1がスタート、今日からはJ2も始まった。F.マリノスはベルマーレに苦戦したが、最後は4対2で勝利。俊輔が貫禄のゴールで先制し、その後逆転されたのはいただけなかったが、齋藤の(意外だったが)日産スタジアムでの初ゴールが決勝点となった。去年よりだいぶマシなスタートが切れたので、「前田の呪い」さえ避けられればそこそこいけるかも。

香川がやってくれました。初のハットトリック達成!(ケチャップがあふれ出ました。)アシストしたのがファン・ペルシーとルーニーというところが大きい。チームメートの信頼が高まるだろうから、ミッドウィークのチャンピオンズリーグ、レアル・マドリー戦セカンドレグが楽しみになった。レアルもクラシコに連勝して乗り込んでくるので、良い試合になるのは確実。

Dukeは木曜日Virginiaに敗れたが、今朝のMiamiとの大一番でRyan Kellyが大復活し(Triumphantとの見出しがついた)、何とか勝利を挙げた。レギュラーシーズンは後2試合。無事にACCトーナメント、NCAAトーナメントへと進んでもらいたい。

最後に、今月末のヨルダン戦を控える日本代表の雲行きが少し怪しくなってきた。内田に続き、長友が故障し両サイドバックが欠場という可能性が高まった。W酒井(さかいさかい)に期待しよう。本田もCSKAの親善試合を休み続けているが、こちらは香川初めタレント豊富なので、恐らく大丈夫でしょう。

読了:
「強い力と弱い力」(大栗博嗣)

  • 昨年の「ヒッグス粒子発見」がどういう意義を持つのか。素粒子論がいかに発展してきたか、研究の歴史含め解説されている。湯川秀樹はじめ日本人ノーベル物理学賞受賞者が果たしてきた貢献が大きい事を再認識。それでもまだ宇宙を構成する要素の95%は「暗黒」だという深さに驚愕。(評価A)
「リーダーシップ3.0」(小杉俊哉)
  • 中央集権型(1.0および1.1)、調整者型(1.5)、変革者型(2.0)という段階を経て支援者型(3.0)のリーダーが求められていると著者は説く。変革者型(2.0)までについては理論も整理されているので「その通り」と理解できたが、支援者型(3.0)については道まだ半ばという感じが強い。ただ、一企業(集団)の利害極大化を目指すだけでなく、もっと大きな「共通善」をも目指すリーダーが必要なのだろう。その点で3.0の理論がどう進化するか楽しみだ。(評価A-)
「MBA流 チームが勝手に成果を出す仕組み」(若林計志)
  • こちらは、与えられたメンバーでいかに成果を上げるか」という、ずっと泥臭い中身(マネジメント・コントロール)を扱った1冊。マネジメント上では鬼でも仏でもNG。行動・結果・環境という3つのコントロールをチームの成長段階に応じてバランスを変えつつ実行していく必要性はその通りだ。(評価A-)
「源泉」(ジョセフ・ジャウォースキー)
  • 「シンクロニシティ」、「出現する未来」の著者がU理論の発見とそれ以後の「進化」がいかになされてきたかを回想録的にまとめた1冊。複雑系を扱うサンタフェ研究所のブライアン・アーサーや野中郁次郎といった研究者は勿論、あのユリ・ゲラーまで登場するので驚きだった。自然とのかかわりの重要性については日本人と違った感覚があるので面白かったが、読み終わって”So What?"という思いもあった。(評価A-)
購入:
「統計学が最強の学問である」(西内啓)、「昨日までの世界」(上)(下)(ジャレド・ダイアモンド)、「知的生産のための科学的仮説思考」(竹内薫)、「脳科学がビジネスを変える」(萩原一平)、「データ・サイエンティストに学ぶ『分析力』」(ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン)

2013年2月24日日曜日

J開幕まで1週間

 ゼロックス・スーパーカップがサンフレッチェの勝利で終わり、いよいよ今週末Jが開幕する。冷静に見ると、優勝はレッズ、レイソルのACL組にアントラーズとグランパスを加えた4チームから出るのではないか。サンフレッチェ、ベガルタの昨年上位勢とフロンターレ、セレッソ、FC東京、ジュビロまででトップ10と予想する。F.マリノスは贔屓目に見てもここに食い込めれば上出来というところだろう。昨年とスターティング・メンバーに変更がないどころか、マルキ・俊輔・ボンバー依存が却って高まった感さえあり、下手すると経営健全化降格もありかもしれない。ACL出場権を目標にするのは結構だが、今年は現実をみるべきだろう。

読了:
「ワイドレンズ」(ロン・アドナー)

  • どんなに素晴らしいイノベーションであっても、エコシステムを構築できなければ成功しないという事がソニーとアップルなどの例から説かれている。経営者が持つべきなのは、エコシステムを見渡す視野の広さだ。イノベーションに関する新たな見方であり、クリステンセンやコリンズといったGuruたちが絶賛するのも納得する。(評価A)
「コピーキャット」(オーデッド・シェンカー)
  • 「模倣の経営学」にオーバーラップする内容だが、アメリカでもこうした本が書かれていたことに驚いた。アップル、サウスウェスト航空といった”イノベ―ター”とみなされる企業にもモデルとなる”本家”があった事を再認識した。単に模倣するのではなく、自社の置かれた環境や資源を踏まえ、改良を加えて適用することもInnovativeという事なのだ。日本企業が自らの良さを忘れているという指摘に納得。(評価A)
「コラボレーション革命」(ロン・リッチ、カール・ウィージ)
  • 組織力を発揮するために必要なコラボレーションをどのように活性化するか、事例を交えて説かれている。正直なところあまり目新しい所はなかったが、デューク大学の例が取り上げられていて驚いた。せっかくシスコシステムズ日本が翻訳しているので、日本での事例が追加されてると良かったろう。(評価A-)
「機械との競争」(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー)
  • ITの進展は、これまでの人間VS機械の競争とは全く異なる次元に到達している。”知的労働”の分野においては、今後ますますコンピューターに置き換わる仕事の増大が予想される。今週号の東洋経済で「ワークシフト」と本書が取り上げられているが、そのくらいのインパクトがある1冊と言える。(評価A)
購入:
「何が、会社の目的(ザ・ゴール)を妨げるのか」(ラミ・ゴールドラット、岸良裕司)、「源泉」(ジョセフ・ジャウォースキー)、「ニッチ」(ジェームズ・ハーキン)、「MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み」(若林計志)、「宇宙になぜ我々が存在するのか」(村山斉)

2013年2月17日日曜日

Duke vs UNC、クラス会

 デューク・ブルー・デヴィルズは宿敵ノース・カロライナ大(UNC ターヒールズ)に勝利、カンファレンス2位をキープ、全米ランキングも2位となっている。主力メンバーが一人欠け、かつ大エースのプラムリーがファウル・トラブルという中でUNCに勝ったのは大きい。残る試合はアウェーが多いが、できれば全勝と期待したのだが、今朝メリーランド大に敗れた。これでレギュラーシーズンの優勝は絶望的となったが、気持ちを切り替えて戦ってほしい。

 昨夜恒例(21回目)の大学クラス会があった。卒業から30年あまり、昔であれば定年の歳に到達したが、まだまだ第一線で活躍中の仲間がいるのは頼もしい。参加者がやや少なかったが、楽しい時間を過ごせた。次回は幹事なので、この流れを絶やさないようにしなければ!

読了:
「プロフェッショナルは『ストーリー』で伝える」(アネット・シモンズ)

  • ストーリーテリングは組織が大きくなればなるほどリーダーに求められるスキルであることは間違いない。著者がまとめた6つの基本パターンについては、是非使いたい。ただ、実際にやるとなると、普段から高い意識を持っていかなければ難しい。本書で使われている事例は、仕方ないだろうが、欧米中心。異文化を如何にマネージするかという事ではやや物足りない。(評価A-)
「アメリカは日本経済の復活を知っている」(浜田宏一)
  • 「伝説の教授」であり、アベノミクスを支える「リフレ派」の筆者による一冊。インフレターゲット2%を日銀が飲んだあとだけに、日銀(BOJ)や財務省(MOF)のこれまでの「大罪」にまつわるストーリーが一層面白かった。金曜日に「次の日銀総裁は財務省OB中心に検討」というニュースが伝わっただけで円安傾向にストップがかかり、株安になったという事一つとっても、いかにMOF、BOJ理論が異端かが証明されている。(評価A)
「ハスラー」(アリ・カプラン)
  • ICTが「士業」をどのように変えているのか、アメリカの事例が数多く語られている。日本においては、まだまだここに書かれているようなところまで行っていないのではないか。組織に所属していたとしても、参考とすべき事例は多かった。(評価A-)
購入:
「コピーキャット」(オーデッド・シェンカー)、「リーダーシップ3.0」(小杉俊哉)、「強い力と弱い力」(大栗博司)


2013年2月11日月曜日

ラトビア戦 予想以上の結果

 前回、「勝ち負けで一喜一憂しないように」と書いたラトビア戦、結果は予想以上だった。前半最初はもたついたが、コンビネーションが良くなると、相手が相手だけに一方的な展開になった。いつものメンバーについては、去年よりコンディションが良かったし、乾の積極性は香川や清武に良い刺激になっただろう。ヨルダン戦に向けて好発進と言って良いのではないか。

 今週はミッドウィークにチャンピオンズリーグ決勝一回戦がある。注目は何と言ってもマンU対レアルだ。香川が週末のエバートン戦をベンチ外となったことで、(問題が発生したのでなければ)サンティアゴ・ベルナベウのピッチに立つのだろう。是非真価を見せて欲しい。

読了:
「もう終わっている会社」(古我知史)

  • タイトルも、見出しもキャッチ―な一冊だが、内容はGoodだった。「選択と集中」、「中期経営計画」、「顧客至上主義」の問題点が指摘されているが、決して全否定ではなく、欧米の一流企業をまねるのではなく、身の丈に合った経営をしなければいけないのだ、というメッセージととらえるべきだ。(評価A)
「Xイベント」(ジョン・キャスティ)
  • 核、エネルギー、テクノロジーなど様々な観点から想定されるExtremeなイベントがどのような結果をもたらすのか。本書を読むと、「想定外」などと片づけてはいけない問題があることを理解できる。多くのXイベントが人類の進歩によってもたらされる結果だというのは皮肉なことだ。(評価A)
「どうやって社員が会社を変えたのか」(柴田昌治、金井壽宏)
  • ベストセラー「なぜ会社は変われないのか」の基になったいすゞの改革が実際どのようなものだったのかが、現実に関わった社員と柴田氏それぞれの視点から語られている。結果的にいすゞでもトップが交代していく中で改革は挫折したという反省にも触れられており、アフター・アクション・レビューの書として読むことで、チェンジマネジメントを進める上での実践的なヒントを学べる。(評価A)
「ネット・プロモーター経営」(フレッド・ライクヘルド、ロブ・マーキー)
  • "The Ultimate Question"(「究極の質問」)の改訂版。オリジナルに比べ、実践している企業の事例が数多く掲載されており、NPSがNet Promoter IndexからNet Promoter Systemへと進化していることが分かった。今週の「週刊ダイヤモンド」の関連記事で日本における各業界のNPSスコアがあったが、多くの業界がマイナスになっていた。日本人がいかに「友人に勧めますか?」という究極の質問に答えづらい、つまり10点と9点が少なく、6点以下が多いことが窺われる低スコアだった。(評価A)
「七つの会議」(池井戸潤)
  • 日本を代表する企業の子会社で起こった問題について、各章で関与した人物の人となりと、その問題の内容や進展に鍵となる会議が描かれている。些細とも思われるパワハラの告発の裏に隠された問題が少しずつ明らかになるという点ではミステリーっぽいところもある。登場人物のバックグラウンドが「こういう人いるよな・・・」と思わせるのは筆者一流の技だ。(評価A)
購入:
「ワイドレンズ」(ロン・アドナー)、「コラボレーション革命」(ロン・リッチ。カール・ウィージ)、「機会との競争」(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー)

なでしこ、U-17、神奈川ダービー

なでしこジャパンがメキシコに快勝して女子W杯でベスト8入り。また、U-17もニュージーランドに大勝し過去最高のベスト8に並んだ。どちらも「バルサのようなサッカー」と高い評価を得ており、少しだけ「日本らしいサッカーとは何か」という問いへの答えが見えてきたのではないだろうか?

なでしこについては、澤がクローズアップされているが、岩淵のような若手が育ってきているし、海外組の経験も生かされている。ドイツ、アメリカ、ブラジルも好調だが、是非この一角を破って次のステージ(メダル)に進んで欲しい。

U-17は前回プラチナ世代が予選リーグで敗退した時の反省から、185センチクラスのセンターバックを配して高さにも対抗できている。相手が弱かったこともあるが、予選リーグの時より上手くなっているので、ブラジルにも十分勝てる。明日の試合が楽しみだ。

そんな中で、今夜は神奈川ダービー。先週末の暫定順位では2位と3位の直接対決。マリノスには谷口、フロンターレには田中、山瀬、小宮山と相手チーム出身者もいる。憲剛が帰ってきたフロンターレが俊輔の出場が「?」なマリノスより優位だが、マリノスはここで勝てなければACLはあり得ない。

読了:
「昭和天皇」(古川隆久)
  • 平和主義者、立憲君主の信奉者であった昭和天皇が、理想を貫き、そのために孤立し、戦争に突入していくさまが、周囲の残した史料から明らかにされている。「たら・れば」の世界ではあるが、周囲のサポートがあれば、違った展開があったのではないかと思う。リーダーの在り様という点でも昭和天皇の戦争責任についてのご自身の考え方に感銘を受けた。(評価A)
「日本人の誇り」(藤原正彦)
  • 会社の行事に著者を呼ぶという話を聞いて読んだ。日本はアメリカの戦略に抗うことができず戦争に突入したこと、南京大虐殺の幻などを取り上げ、いわゆる「自虐史観」が日本人の誇りを失わせたとする著者の論建ては理解できなくもないが、グローバル経済の中で、「ガラパゴス化」を奨励する結論には賛成しかねる。(評価B)
「コーチングの神様が教える『前向き思考』の見つけ方」(マーシャル・ゴールドスミス、マーク・ライター)
  • オースチン・パワーズが使っていたので記憶にあるモジョ(MOJO)という言葉。物事がなかなか上手くいかない時には示すことが難しい。しかし、著者の説くように気持ちの持ちようで打開できるところもあるかもしれない。仕事のモジョと個人的なモジョという区別をすることで、そうした前向きな気持ちにたどり着けるかもしれない。(評価A)
「危急存亡時のリーダーシップ」(トーマス・コルディッツ)
  • 軍隊や消防、あるいはスカイダイビングといった極限状態にあるチームには、どんなリーダーシップが求められるか。著者はそれが平時のリーダーにも参考にすべきところが多いと説く。そういう意味では、現場第一線のリーダーには大いに参考にしてもらいたい一冊だ。(評価A-)
購入:
「会社は変われる!」(魚谷雅彦)、「日本の未来について話そう」(マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集)、「学習する組織」(ピーター・M・センゲ)、「真の指導者とは」(石原慎太郎)、「世界の運命」(ポール・ケネディ)、「柳井正の希望を持とう」(柳井正)、「3.11後 日本経済はこうなる!」(池田信夫 他)、「組織を脅かすあやしい『常識』」(清水勝彦)

2013年2月3日日曜日

Jリーグ日程発表

 J1の日程が発表された。開幕戦(ベルマーレ)のあと3月末までにエスパルス、ジュビロ、FC東京と戦う。3試合がホームだし、ACLを本気で狙うなら「絶対に負けられない」相手だ。昨年は結局開幕から数試合の躓きが最後に響いたので、今年は同じ轍を踏まないようにして欲しい。前線の選手層の薄さが依然解消できていないので、小野の移籍金を有効に使った補強を望む。
 小野の移籍にも言及されているwebSportivaの浅田氏のコラムが面白い。Jリーグのチーム経営について鋭く指摘されている。若手の海外移籍をクラブ経営の戦略に組み込むことはライセンス制導入後の方向性として一つの途を示している。

 ラトビア戦のメンバーが決まり15人が「海外組」となった。去年のウズベキスタン戦では海外組の動きが重く敗戦を喫した。今回はヨルダン戦の勝率を高めるために敢えて主力を招集したという事なので、勝ち負けで一喜一憂するのはやめようと思う。

読了:
管理力(ジョー・オーエン)

  • リーダーシップ論に関する本が多い中、「管理」に重点を置いていることがユニーク。マネジメントにはIQ、EQと並んでPQ(政治指数)が必要という。実行手段としていかに権力を行使するか、取り上げている本は少ないが、現実の中では重要なポイントだ。(評価A)
「MBA事業戦略」(相葉宏二、グロービス経営大学院 編)
  • ポーターの戦略論から始まり、ブルーオーシャン、破壊的イノベーション、デコンストラクション、プラットフォーム、フリー、シェアといった最新の事業戦略論まで言及されている。また、事業戦略のエコノミクスについてもページを割いて解説されている。「MBA経営戦略論」の進化版というに相応しい。(評価A)
「ジャッジメントイノベーション」(大西正一郎、松岡真宏)
  • 産業再生機構OBで、新たな形のコンサルティングファームを立ち上げた2人による日本企業改革のススメ。意思決定メカニズムを変えないとグローバル競争に生き残ることができないという主張には全面的に賛成する。後半自慢話的な事例紹介になったのが残念。(評価A-)
「マネジャーのためのチェンジマネジメント」(リチャード・ニュートン)
  • ファイナンシャルタイムズが出しているこのシリーズはQualityの高いモノが多い。様々な形で改革・変更を行う必要があるマネジャーには、参考になる点が多い。移行と改革の完了とを混同してはならないとか、日常業務を軽視してはならないとか、ともすると見失いがちな視点が押えられている。(評価A)
購入:
「ネット・プロモーター経営」(フレッド・ライクヘルド、ロブ・マーキー)、「プロフェッショナルは『ストーリー』で伝える」(アネット・シモンズ)、「2052 今後40年のグローバル予測」(ヨルゲン・ランダース)、「アメリカは日本経済の復活を知っている」(浜田宏一)、「ハスラー」(アリ・カプラン)

2013年1月27日日曜日

Ted 大人の童話?

 昨日"Ted"を見てきた。いかにもアメリカ人が好きそうな話で、面白かった。ただ、日本で興行収入が1位になったというのは意外だ。アメリカ人でないと理解できないジョーク、猥談が多いので、訳や字幕づくりが大変だったろう。昨年末から映画を4本見た。この先も”ゼロ・ダーク・サーティー”とか”リンカーン”とか見たい映画が目白押しだ。

 ベルギーに移籍した小野裕二がデビューした。予想通り谷口のレイソル移籍も決まった。二人に代わる戦力が取れてはいない。F.マリノスは益々厳しい戦いを強いられそうだ・・・

読了:
「知の逆転」(吉成真由美 インタビュー・編)

  • ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、ジェームズ・ワトソンといった「知の巨人」がそれぞれの専門分野から現代の課題や未来像について語っている。これだけ分野の異なる人にしっかり質問が行われており、インタビュアーが高い知性を持っていることが感じられる。近々ジャレド・ダイアモンドの新作が出るらしいので、そちらも楽しみになってきた。(評価A)
「リーダーが身につけたい25のこと」(鈴木義幸)
  • 「日経ビジネスオンライン」で連載されていたコラムの集約。様々なリーダー論の集大成というか要約書といった趣の1冊。誰でもがリーダーになる・なれるということが改めて強調されている。他者との関係もさることながら、自分自身の覚悟が重要なのだと納得。(評価A)
「日本的『失敗』の本質」(植田統)
  • 家電メーカーや半導体メーカーの衰退、政府の介入、コンプライアンスの欠如、国際性のなさ・・・29の事例から日本の問題点が明確に説かれている。「新自由主義」と批判が出るだろうが、著者が指摘している問題点は至極当たり前のものである。日本はこの先も社会主義化を進めるつもりなのだろうか?(評価A+)
「決断の条件」(P.F.ドラッカー、ジョゼフ・A・マチャレロ)
  • 経営のバイブルともいえる「マネジメント」の副読本的な事例集。いくつかの課題は自分自身がこれまで、もしくはこれから直面するであろう課題とオーバーラップする。一人で読むのでは効果半減かも。(評価B+)
「クオリティ国家という戦略」(大前研一)
  • 著者がこれまで一貫して説いてきた、道州制や地域国家論の流れに沿った国家戦略論。道州制実施後にそれぞれの地域が「ダメ道州」となって没落しないようにするには、スイスやシンガポールをはじめとする国家の戦略が参考になるという著者の指摘に100%Agreeだ。毎度の事ながら問題は危機意識の欠如にある。大阪から変えることができるだろうか?(評価A+)
「戦略の経営学」(高橋琢磨)
  • ポーターの戦略論批判から始まる大著。ミンツバーグのいうLearning Schoolの流れを汲む戦略論と言って良いだろう。ポーターの戦略は弱者の戦略というが、著者も認めている通り、日本企業にとって益々ポジショニングの重要さが増しているのは事実だ。それだけ日本に勝者がいなくなったということなのだろう。(評価A)
購入:
「もう終わっている会社」(古我知史)、「Xイベント」(ジョン・キャスティ)、「マネジャーのためのチェンジマネジメント」(リチャード・ニュートン)、「どうやって社員が会社を変えたのか」(柴田昌治、金井壽宏)
2月にかけて面白そうな本が何冊か出版される。楽しみだ・・・

2013年1月20日日曜日

雪かきで筋肉痛!

昨日駐車場の雪掻きをした。成人の日に降った雪が凍り付いていて、スコップだけではなかなか捗らなかった。何とか車の出し入れに支障がないようになったが、おかげで今日は筋肉痛だ。

F.マリノスで先週も大きな動きがあった。小野がベルギーに移籍することが決まった。大黒にも中国行きの噂が出た。体制発表会があっても、まだ一部選手について去就未定なのが心配だ。残念ながらACLを本気で狙うチーム作りには到底思えない。

バルサがコパで引き分け、リーグで初黒星と少しおかしい。ちょうどペップのバイエルン・ミュンヘン監督就任が発表されたのと重なっているのは偶然か?

ブンデスリーガが再開。多くの日本代表が所属しているので、動向に注目だ。

昨日は朝「ルーパー」を見た。タイムトラベルの話なので、矛盾を考えるとやっかいだが、設定や描写が昔の映画をなぞっているところもあったりして、それなりに楽しめた。今週末は「Ted」を見よう。今年前半は見たい映画が結構多い・・・

読了:
「フットXブレイン 日本のサッカーを強くする25の視点」(テレビ東京FOOT X BRAINプロジェクト編)

  • 選手だけでなく、監督、レフェリー、メディアなど様々な立場から日本サッカーを強くするためにはどうしたら良いか、検討されているというのがユニーク。土曜夜の番組も面白いが、本書はこれまでの「議論」のまとめになっている。まだまだ「総合力」では欧州や南米に敵わないのが現実だが、その差は着実に縮まっているのが感じられた。(評価A)
「Repeatability」(クリス・ズック、ジェームズ・アレン)
  • ”Profit from the Core"などの3部作の著者でBain & Co.のコンサルタントであるクリス・ズックの最新作。英文で読んでいたのだが、翻訳には日本企業の事例が出ていたので購入した。理論はシンプルだが、なるほどと思わせる。YKK、しまむら、アシックスという日本企業の実例も納得。(評価A)
「経済学に何ができるのか」(猪木武徳)
  • 今週は3人の経済学者の異なるアングルからの著作を読んだ。本書は経済史の専門家の専門家が現代の課題に対して経済学はどう応えるかを論じたもの。ただ、実際にはこれまで何ができたか、という点の方が中心で、これから何ができるか、についてはあまり語られていないという印象を持った。(評価B)
「数学的推論が世界を変える」(小島寛之)
  • こちらは数学的推論とは何かという解説と、コンピュータ、金融で、それがどのように使われているかが論じられている。途中は論理学の教科書のような内容なので難解な部分もあるが、進化の歴史や限界など知らなかったことが多かった。(評価A)
「思考の『型』を身につけよう」(飯田泰之)
  • 3冊目は、経済学におけるモデル化のような思考パターンが実はビジネスの世界でも有効なのだということが分かり易く説明されている。著者の言うとおり経済学セミナーの副読本といった位置づけ。「自由な発想」だけでは現実の問題が片付かないことは経験するので、納得する1冊。(評価A)
購入:
「日本的『失敗』の本質」(植田統)、「決断の条件」(P.F.ドラッカー著、ジョゼフ・A・マチャレロ編)、「ジャッジメント・イノベーション」(フロンティア・マネジメント株式会社)、「クオリティ国家という戦略」(大前研一)、「MBA事業戦略」(相葉宏二、グロービス経営大学院編)

2013年1月13日日曜日

3連休

 年明け1週間にして早くも3連休。なかなか仕事モードに入るのが難しい。欧州のリーグ戦は徐々に再開。オフのないプレミアでは今晩マンU対リヴァプールの大一番があり、香川に注目。復帰後4試合目なので、そろそろゴールという結果が必要だ。スペインではレアル・マドリーがまたもスコアレスドロー。明日朝バルサが勝つと勝ち点差は18に広がる。来週末にはドイツが再開する。岡崎・清武・乾・宇佐美と攻撃陣が調子を上げているようなので、是非旋風を起こして欲しいものだ。

 日本代表とカナダの国際マッチが3月22日に決まった。中東のどこかと対戦してヨルダン戦のシミュレーションを行うことはできなかったが、これで海外組を早めに招集できる。Good jobだ。今回は11月のオマーン戦よりは楽に勝って欲しい。

 F.マリノスもようやく選手の獲得が始まった。ジェフから加入する藤田は昨シーズン絶対的に不足していた前線の高さをもたらしてくれる。俊輔のセットプレーが更に生きることを期待する。また、端戸や田代の復帰組は齋藤のように成長した姿を見せてほしい。

 Dukeは今朝NC Stateに今シーズン初黒星を喫した。主力の一人であるライアン・ケリーの負傷欠場が痛かった。これで全米No.1は明け渡すことになるが、まだ序盤なので、リセットしてACCリーグ戦に臨んでほしい。

読了:
「64」(横山秀夫)

  • 流石に週刊文春、「このミス」両方で昨年のミステリーNo.1になっただけのことはある。昭和64年に起こった誘拐殺人事件が14年後、このような形で浮かび上がるとは!キャリア組とノン・キャリア組、刑事部と刑務部の対立といった警察内部の醜い争いや、広報とマスコミの関係(癒着)も、現実味たっぷりに描かれている。(評価A+)
「夢をかなえるゾウ2」(水野敬也)
  • 久々のガネーシャ復活である。前作に比べるとHow toが控えめになって、物語がより前面に出ている。今回自分なりに得た教えは、人生における成功への途は一つではなく、思った姿とは若干異なっても、所期の目的は達成できるのだ、ということ。ただ、前作の方がはるかに面白かった。(評価B)
「IGPI流 セルフマネジメントのリアル・ノウハウ」(冨山和彦 経営共創基盤)
  • 日本式のマネジメントではグローバル経済を勝ち抜くことなどできない。その中でいかにセルフマネジメントしなければならないか、ということを解説した1冊。日本式経営を礼賛する、というか何とか維持したいと思う人は無視したいだろうが、本書に書かれていることが現実になるのは間違いない。(評価A)
「戦略サファリ 第2版」(ヘンリー・ミンツバーグ、ブルース・アルストランド、ジョゼフ・ランペル)
  • 最新の理論まで加えて改訂された戦略論の名著。著者たちの立場はLearning SchoolとConfiguration Schoolに近いので、この2つに対する批判は弱く、逆にPositioning Schoolには多くのページを割いて批判を繰り広げている。読みごたえは十分の1冊。ただ、日本人学者はわずか4人しか言及されてない。これもまた現実。(評価A)
購入:
「管理力」(ジョー・オーエン)

2013年1月5日土曜日

今年はこんな年だと良いな

 今年の東京市場は東日本大震災直前の水準に戻してスタートした。円相場も円安が進んでいる。アメリカ議会が一応「財政の崖」を回避(というか先送り)したことが良かったようだ。ただ、ヨーロッパの危機も含め根本的な解決には至っていないので、まだしばらく「綱渡り」の状況は続くのだろう。今年はそうした課題解決に向けた途が明確になると良いな。

 サッカーでは日本代表が3月のヨルダン戦でブラジル大会1番乗りを決め、6月のコンフェデでイタリア・メキシコを破り、準決勝でスペインと当たるところが見たい。また、「ロンドン組」など若手から新戦力が台頭して、W杯本番に向けた代表争いが白熱すると良いな。
 そんな中心配なのはF.マリノスだ。マルキーニョスとドゥトラの契約が更新された一方、谷口の移籍が濃厚だという。平均年齢がこんなに高いチームは他にあるだろうか?世代交代ができないでズルズル行くと昨年のガンバのような事になりかねない。補強に積極的な他チームの動向を見ていると、正直今シーズンは「残留できれば御の字」ぐらいに期待を下げざるを得ない。

 デューク・ブルー・デヴィルズは無敗のまま今晩からACCのトーナメントに突入する。NCAAのファイナル4進出は勿論だが、2010年以来の全米チャンピオンになれると良いな。

 自分自身はというと、去年よりも健康で、仕事では成長を実感できるよう努力だ!元日から「レ・ミゼラブル」を見たが、映画も見たいし、Jや代表のなどにも足を運びたい。この面も更に充実するようにしよう。

読了:

「ブルーマーダー」(誉田哲也)

  • 「ストロベリーナイト」から始まる姫川玲子シリーズの最新作。前作「インビジブルレイン」から1年余りが経過し、姫川が池袋署に転勤している中で起こった殺人事件。ある意味ではこれまでの長編3作、特に「ストロベリーナイト」と「インビジブルレイン」を清算するような内容になっている。殺人の手口は相変わらずグロテスクで、食後にはちょっとキツイ。(評価A)
「企業価値評価」(上)(下)(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
  • Valuationの名著も第5版になった。初めて読んだのは第2版の原書で、その時から比べると随分大作になっている。この本を読むたびにビジネススクール2年目の"Corporate Restructuring"のクラスを思い出す。その時感じた日本企業の弱さ、ダイナミズムの欠如は20年近く経った今でも変わらない。本書の最終章を読んでその思いを改めて実感した。(評価A)
購入:
「知の逆転」(吉成真由美 インタビュー・編)、「リーダーが身につけたい25のこと」(鈴木義幸)、「七つの会議」(池井戸潤)