2012年9月30日日曜日

痛いスコアレスドロー

今節のF.マリノスは「鬼門」のアウェー・アルディージャ戦。相手が退場者を出し、押し込みながらのスコアレスドローは痛かった。ゴール前を固める相手に対してゴール前の工夫があまり見られなあった。サイドから崩しても、マルキーニョスのいないFWではクロスを上げてもNGだし、ミドルシュートをうつような事もされていなかった。グランパスが闘莉王でやったように勇蔵をトップに使う手だってあったはず。これでまた10位に逆戻り。次節は首位のサンフレッチェ。10月も厳しい戦いが続きそうだ・・・

読了:
「日本大沈没」(藤巻健史)

  • 金融実務家の観点から見た日本の財政状況は、ギリシャより酷い。このままではハイパーインフレか財政破綻は必至という。バンカーの目には至極当然の見え方ではないか。資産防衛策としてのアメリカ株購入のすすめを読んで、「腐ってもアメリカ」との思いを強くした。日本を再建するためには「社会主義国家」からの脱却が不可欠、という著者の意見に激しく賛同する。(評価A)
「2050年の世界」(英「エコノミスト」編集部)
  • エコノミストのエディターによる未来予測。予測自体より、インドの勢い、中国にたいする「?」など筆者たちが現状をどう評価しているかが面白かった。日本については残念ながら、というか今の状況では当然ともいえる低評価。国民ひとりあたりのGDPが韓国の半分に成り下がるという予測を見事外すための国家戦略構築が迫られている。(評価A)
「ビジネススキル・イノベーション」(横田尚哉)
  • 思いのほか参考になった。「0.4倍のロス」を見込んだスケジューリング、感性によるリスク回避など、他のノウハウ本とは一線を画した内容だし、日本人の仕事の進め方に即している。部下に読ませなければ。(評価A)
「経営戦略の論理」(伊丹敬之)
  • 日本の経営戦略論第一人者によるベストセラー改訂版。「見えざる資産」の考え方はハメル・プラハラード等にも影響を与えた。今回の改訂では戦略のダイナミック適合(顧客・競争・資源・技術・心理適合)に重きが置かれている。ダイナミック戦略論における重要性が一層増した。(評価A+)
購入:
「経営の神髄」(上・下)(P.F.ドラッカー、ジョゼフ・A・マチャロ)、「リバース・イノベーション」(ビジェイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンプル)、「アイデア・ハンター」(アンディ・ボイントン、ビル・フィッシャー、ウィリアム・ボール)

2012年9月22日土曜日

連敗脱出

F.マリノスはアントラーズにアウェイで勝利。何とか連敗が止まった。中澤・栗原の欠場という事態に加えマルキーニョスの退場というオマケまで加わったが、青山・冨澤・熊谷がよく守った。かっこ悪い勝ち方ではあるが、連敗を止めたことで今日は良しとしよう。前線では小野が体を張って頑張ったが、2点リードの後のカウンターで、シュートせずにバックパスするような消極的プレーはNG。FWとしては3点目を貪欲に狙ってほしい。

先週末から欧州組の活躍が目覚ましい。本田、宇佐美、清武、乾、ハーフナーがリーグ戦で得点を決め、チャンピオンズリーグの香川は決勝点のアシスト、ELの長友は終了間際の同点弾。今節も乾が2試合連続得点を決めた。出場機会のない選手たちがこうしたニュースを聞いて奮起してくれることを期待する。

読了:
「AKB48白熱論争」(小林よしのり、中森明夫、宇野常寛、濱野智史)

  • AKB48を巡る文化論・社会論といった趣の1冊。「AKB48は宗教だ!」といった論陣が張られたりして、タイトル通り白熱した様子が文面から窺えた。AKB48はプラットフォームとして考えるとビジネスにも応用できる余地があるだろう。これからどのように発展?していくのか楽しみだし、1~2年後に再度「白熱論争」してほしい。(評価A)
「新・日本的経営を考える」(常盤文克)
  • 日本的経営の新たな方向を考えるというより、「欧米的経営」との対比においてその良さ・強さを再認識するというスタンスにある点が残念だった。可視化・計測化の問題を指摘するコラムが多かったが、日本企業においては、まだまだ可視化・計測化が不足であり、このような示唆は努力不足のエクスキューズになりはしないか?(評価B)
購入:
「ビジョナリー・カンパニー4」(ビル・コリンズ、モートン・ハンセン)、「マイケル・ポーターの競争戦略」(ジョアン・マグレッタ)、「現実を視よ」(柳井正)、「なぜ大企業が突然つぶれるのか」(夏野剛)

2012年9月15日土曜日

イラク戦勝利でブラジルへまた一歩前進

11日のイラク戦。身体能力はイラクが勝っていたし、スタメン総取り替えや遠藤・長谷部・本田へのマンマークなどイラクの戦術がはまっていたが、日本は少なくとも最終予選B組では負ける気がしなかった。最初のセットプレーではヒヤッとしたが、ベタ引き・カウンター狙いのイラクに徐々にペースをつかみ、終わってみれば「追加点を取れればもっと楽だったのに・・・」という結果。オーストラリアの思わぬ敗戦もあり、2位のヨルダンに勝ち点6差をつけた。これなら3月のヨルダン戦で出場を決められる。最終予選後半はアウェーが多いという心配も、欧州組の多い今の代表では当てはまらない。中東の方が時差が少なく、コンディションも整えやすいはずだ。10月にはフランス・ブラジルと対戦。本番大会のシミュレーションには最適の相手だ。ここで課題を見つけ、最終予選を戦いながらチーム力を更に向上していく、というのが最高のシナリオだが、期待しすぎだろうか?

F.マリノスはレッズに敗れ3連敗。恐れていた状態になりつつある・・・打つ手は・・・厳しい!


読了:
「ブランドで競争する技術」(河合拓)

  • ブランド戦略論というより、ファッション業界の戦略テキストという感じの1冊。間違いないのは、日本企業の多くはブランドの意味を理解せずに闇雲に走っているという事。本書を参考とすべき企業はファッション以外でも多い。(評価A-)
「ダイナミック競争戦略論・入門」(河合忠彦)
  • ポーターの戦略論への「7つの疑問」に回答するということだったが、正直なところ疑問の設定・回答すべて良く分からない。ポーターの戦略論に比べるとトップラインを如何に伸ばすかに重点があり、果たして適切なボトムラインが上がるのか疑問だ。ポーターの戦略論が基本戦略として有効であることを却って再認識した。(評価B)
「競争に勝つ条件」(経営イノベーション50研究会 編)
  • 企業経営におけるICT活用の歴史がまとまっている。単なる効率化ツールとしてのシステムから、経営情報の活用、ビッグデータの時代の到来と、如何に有効な「次の一手」を打つか、マネジメントがICTと関わる局面が増大し、その能力が益々クリティカルになっていることが良く分かる。(評価A)
「企業価値経営」(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
  • コーポレートファイナンスの重要性がこの1冊で分かる。マッキンゼーの著書だけに企業戦略と企業価値との関係に重点が置かれている。ROIC (Return on Invested Capital)を高めること=企業価値の創出、という図式も単純であるがパワフル。「企業価値評価」につながる。(評価A)
「ヒッグス粒子と宇宙創成」(竹内薫)
  • ヒッグス粒子発見の意味が良く分かった。また、宇宙創成についても分かり易く解説されている。ここまでの発展に、多くの日本人研究者が関わっていることを改めて誇りに思う。(評価A)
「経済学の犯罪」(佐伯啓思)
  • アダム・スミスの思想の正しい理解などを通じ経済学、特に新古典派経済学への批判が展開されている。ただ、本当に脱・成長の社会が「解」なのか?国の産業政策を重視しているように見える点も疑問。特に日本では当てはまらないだろう。(評価B)
購入:
「経営戦略の論理 第4版」(伊丹敬之)、「マル上司、バツ上司」(ロバート・I・サットン)、「現場力の教科書」(遠藤功)


2012年9月8日土曜日

UAE戦は「こんなもん」?

木曜日のUAE戦はフラストレーションの溜まる試合だった。欧州組のコンディションにバラつきがあり、攻撃がチグハグ。守備もイマイチで結構UAEに攻め込まれていた。結局収穫は駒野が左右どちらでもサイドのバックアッパーとしてはファーストチョイスだということが明らかになったことと、ハーフナーの高さはやはり武器だということが確認できたこと位だ。
ただ、今回のような試合は今後も「フル代表集合初戦」では覚悟しなければならない。自分の経験からしても、旅行先到着後(海外組にとっては帰国後)2~3日目に時差ボケからの疲れがくる。現代表の半数以上(今回招集メンバーでは12名)が海外組という状況では、初戦から大勝というのは望めなくなったとサポーターも割り切るべきだろう。
6月の最終予選3連戦の時もアゼルバイジャン戦ではコンディションにバラつきがあったが、本番ではちゃんと勝ち点を取ったので、今回についても、11日のイラク戦ではもう少しましなパフォーマンスが期待したい。2対0で十分だ。

「ヤングなでしこ」は現在3位決定戦の最中。田中陽子の先制点でリードしている。今日の結果如何に関わらず、この世代の選手は大会を通じ大きく成長した。フル代表に大きな刺激を与えるのは間違いない。

読了:
「なぜビジョナリーには未来が見えるのか?」(エリック・カロニウス)

  • スティーブ・ジョブズ、リチャード・ブランソン、ウォルト・ディズニーなどのビジョナリーがなぜ成功したか。脳科学の最新理論から解き明かそうとしている。読後印象に残ったのは、ビジョナリーはやはりしっかり考えているという事。運を味方につけたように見えるのも、結局正しい事を考え抜いていた結果だ。安易に自分もビジョナリーになれるとは夢にも思わないことが肝要。(評価A)
「ウォートン流 人生のすべてにおいてトクをする新しい交渉術」(スチュアート・ダイアモンド)
  • ”Getting to Yes"(「ハーバード流交渉術」)の解いたBATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)やWin-winといったコンセプトではなく、Get moreという姿勢から交渉術を再構築した本といってよいだろう。相手の分析・規範への訴求などのタクティクスはビジネスだけではなく日常生活でも応用する場面も多い。(評価A)
「これからのリーダーが『志すべきこと』を教えよう」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 「統率者の哲学」という邦題で訳されていた本の新版。ジョブズとウォズニアック、ピクサーの事例などが加えられ、21の戦略思考が説かれている。すべての「法則」がリーダーとして遭遇するあらゆる状況に対応しており、著者のリーダーシップ論の集大成といえるもの。恥ずかしながら、初版の記憶が薄れていたので、改めて勉強になった。(評価A)
「実戦BtoBマーケティング」(佐藤義典)
  • BtoBマーケティングにおいて、著者のBASiCS(Battlefield-Asset-Strength-Customer-Selling Message)コンセプトをいかに実践すべきか。逆に言うとBtoBであってもこのコンセプトが応用可能であることが説かれている。中小企業・中堅企業を相手にマーケティングを展開するには最良の戦略本と言って良いだろう。(評価A)
購入:
「AKB48白熱論争」(小林よしのり、中森明夫、宇野常寛、清野智史)、「日本大沈没」(藤巻健史)、「ビジネススキル・イノベーション」(横田尚哉)


ここまで書き終わったところで「ヤングなでしこ」に2点目が入った。これで大丈夫だろう!

2012年9月2日日曜日

欧州移籍市場閉じる。F.マリノスは連敗。

8月31日で欧州主要リーグの移籍市場が閉まった。日本代表では吉田がプレミアのサウサンプトンに移籍、吉田が抜けたVVVフェンロにメンヘングラードバッハから大津が動いた。二人ともオリンピックの活躍が評価されての移籍なので、頑張って欲しい。特に吉田には香川同様「日本人がプレミアで通用する」事を証明して欲しい。ほかのオリンピック代表は、注目されていた永井をはじめ結局動かずに終わった。次回に期待というところだろう。
A代表が11日にイラク戦を控えている中での心配は長谷部の「残留」だ。出場機会の与えられないヴォルフスブルクからは絶対に動くべきだった。変人と言われるマガトの事だから、いつまた「長谷部が必要」と言い出さないとも限らないが、それを期待するのは間違っている。代理人が良くないのかな?ロシアやフランスなどまだ閉まっていないリーグへの移籍は無理なのか?イラク戦に響かないことを祈る。

F.マリノスは心配した通りFC東京に惨敗。あっという間に「定位置」の10位まで降下してしまった。ディフェンスの崩壊が依然として止まらない。中でも、夏場の蓄積疲労のせいか、中澤が衰えているように見えてならない。代表ウィークでしっかり体調を整えないとレッズ戦も厳しい。

読了:
「Personal MBA」(ジョシュ・カウフマン)

  • MBAホルダーでない著者が、独学でここまで体系だった「MBAエッセンス」を書いたことにまず驚嘆!内容はややアントレプレナー向きになっていることと、「システム」に関する記述が多いことが特徴。それでもビジネスを行う上で必要な経営知識の最新ガイドブックとして十分価値がある。(評価A)
(夏休みのため、読了は1冊のみ・・・)

購入:
「実戦B to Bマーケティング」(佐藤義典)、「ブランドで競争する技術」(河合拓)、「ダイナミック競争戦略論・入門」(河合忠彦)、「競争に勝つ条件」(経営イノベーション50研究会 編)、「経済学の犯罪」(佐伯啓思)、「企業価値経営」(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ティム・コーラー、リチャード・ドップス、ビル・ヒューイット)、「企業価値評価 第5版」(上・下)(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ティム・コーラー、マーク・フーカート、デイビッド・ウェッセルズ)、「新・日本的経営を考える」(常盤文克)、「2050年の世界」(英「エコノミスト」編集部 編)