2011年10月30日日曜日

ナビスコ杯

アントラーズの優勝で終わったナビスコ杯。決勝は満員の国立競技場で行われたが、位置づけを明確にしないといけないだろう。元来は「若手育成」の意味合いがもっと強かったが、「ベストメンバー規程」とやらで変わってきてしまった。毎年試合形式が異なるし、代表戦が行われるミッドウィークの開催ということを考えると、観客動員は難しいし、やる側にもインセンティブが今一つ弱いように思う。本当にベストメンバーでの勝負を望むのであれば、いっそ勝者はJ1の3位チームとACLの枠を争うぐらいにしても良いのでは?来年からはJ2が加わるということなので、「リーグカップ」としての重みが加わるような変化を加えてほしい。

読了:
「マーケティング戦略の未来」(クリストファー・ヴォルマー、ジェフリー・プレコート)
  • 「マーケティングを取り巻く環境の変化」については語られているが、必ずしも「マーケティング戦略」について説かれているとは思われなかった。テクノロジーの発展は4PのうちPromotionにも大きな変化をもたらしているということは良く分かる。ところが日本では、広告業界などに欧米のような変化は起きていない。広告主企業側にマーケティングのプロを育ててこなかった事の影響だろう。(評価B+)
"Innovator's DNA" (Jeff Dyer, Hal Gregersen, Clayton V. Christensen)
  • イノベーションを継続的に起こすリーダーに共通するDNA(この場合には行動パターンとかコンピテンシーというべきかもしれない)から始まり、それが企業にどのような影響を及ぼしているかまで説明されている。必ずしも個人の資質ばかりではなく、ネットワークを通じて必要な情報を得たり、実験してみたりという点に着目すれば、少しはスティーブ・ジョブズのマネができそうだ。(評価A)
購入:
「ゲーム・ストーミング」(デーブ・グレイ、スンニ・ブラウン、ジェームズ・マナヌフォ)、「『上から目線』の構造」(榎本博明)、「日本経済の底力」(戸堂康之)、「変化の時代、変わる力」(御立尚資)

2011年10月22日土曜日

レッズにまで・・・

F.マリノスは今日もレッズに負けてACLほぼ絶望。先制したが、その後はここ数試合同じ展開で、レッズにボールを支配される。逆転された後もセットプレー以外に見せ場なし。残念ながら次節には5位以下に転落する可能性が大きくなってしまったと思う。レッズと一番の違いは中盤。頼みの俊輔が悪い時の典型でずるずる下がり、谷口と兵藤とのバランスが悪かった。一方レッズは原口と梅﨑がワイドに開いて、ドリブルで仕掛けるという形が徹底されていた。あと4試合、立て直すのは相当厳しいのではないか?

読了:
「いまこそハイエクに学べ」(仲正昌樹)
  • ハイエクの思想について最近「はやり」の正義論にも言及して解説されている。社会的秩序の2分論(コスモスとタクシス)や「ノモスとテシス」という法律の2分論の考え方など、ハイエクのいう「自由主義」は自分自身の考え方に近いということが分かった。ただ、正直前半は難解。(評価A-)
「危機の思想」(西部邁、佐伯啓思 編)
  • 保守の言論人が3.11を受け日本をどうしていくべきがを論じているが、現実経済からかけ離れた「ユートピア」思想と思わざるを得ない。グローバル経済で日本だけが改革を否定し、かつての共同体に戻ることなど有り得ない。改革を中途半端な形で止めたことの罪がどんなに大きいか・・・(評価C)
「リーダーシップ6つの試練」(ディーン・ウィリアムズ)
  • リーダーが直面する課題(試練)を6つのカテゴリーに分け、それぞれの状況でどんなスキル・戦術が求められるかが多くの事例を基に語られている。また、明治天皇や西郷隆盛といった日本のリーダーが多く取り上げられている点が特徴的な一冊。実務では6つのうちいくつかの試練を同時(連続的)に解決しなければならない事についても明確にされている。(評価A)
購入
「歴史は『べき乗則』で動く」(マーク・ブキャナン)、「日本の大転換」(中沢新一)、「人間と国家」(上)(下)(坂本義和)

2011年10月15日土曜日

Old Friend

今週は木曜日にFuquaの同級生(Alfredo)と15年ぶりに再会した。プライベートでの日本旅行という事だったが、何より連絡してくれたのが嬉しかった。お互いの生活(彼はUSの後イタリアに行き、今はメキシコシティに住んでいる)や、3.11の事、最近の経済情勢など、話は取り留めもなかったが、考え方が似ているように思うのは同じ教育を受けたからか?次回5年後のReunionで会おうという約束で別れた。

前後するが、火曜日のタジキスタン戦は憲剛という本田に代わるピースが見つかったことで収穫大だったと思う。ハーフナーの高さはこれから相手にとり脅威になるだろう。中国のメディアがC組は日本以外の3チームにとり「死のグループ」と報じたらしい。是非その位の圧勝劇を見てみたいものだ。


F.マリノスは今日のサンフレッチェ戦でJの連敗はストップ。しかし前半俊輔抜きのチームはサンフレッチェに押され気味で攻撃に迫力が感じられなかった。このままでは3位との差がまた開き、それどころか仙台に抜かれかねない。俊輔が先発に復帰すればもう少しましになるだろうか???

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読了:
「コラプティオ」(真山仁)
  • 「ハゲタカ」シリーズ以外の著書を読むのは初めて。素直に面白かった。どこか小泉純一郎を思わせる首相が3.11後に打ち出した驚くべき「産業再生策」、その裏にある腐敗(コラプティオ)。一方で既存のマスコミに対するシニカルな目、脱皮してほしいと願う著者の意図のようなものが感じられた。(評価A)
「もうダマされないための『科学』講義」(菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸、飯田泰之プラスSYNODOS)
  • 3.11以後の放射線量を巡る話ばかりかと思っていたが、食品の安全性に関する報道のお粗末さ、というかマスコミやそれを利用する政治家などの愚かしさがしっかり書かれていた。ますます日本のマスコミは信じないようにしようと思う。逆に放射性物質を巡るチャプターは正直あまり面白くなかった。(評価A-)
「エクセレントな仕事人になれ!」(トム・ピーターズ)
  • トム・ピーターズらしい1冊。ここに書かれていた「エクセレントになるための方策」のいくつか(MBWAなど)を丁度再徹底しようと実行に移し始めたところだったので、GURUからお墨付きと「頑張れ」という応援を貰ったような気分だ。(評価A+)
購入:
「危機の思想」(西部邁、佐伯啓思 編)、「マーケティング戦略の未来」(クリストファー・ヴォルマー、ジェフリー・プレコート)、「リーダーシップ6つの試練」(ディーン・ウィリアムズ)、「As One」(ジェームズ・クィグリー、メルダッド・バグハイ、近藤聡、木村伸幸)、"The Innovator's DNA" (Jeff Dyer、Hal Gregersen、 Clayton M. Christensen)

2011年10月8日土曜日

猿の惑星・創世記

久々に映画館で「猿の惑星・創世記」を見た。初めて「猿の惑星」が制作されたのが1968年ということなので、43年ぶりに「謎」が明らかになったということだ。人類が滅亡する理由というのはいくつか考えられるが、なぜ猿が人間に代わって地球を支配できたのかについては、今回の映画での理由づけで結構納得できたし、映画自体も面白かった。タダ券確保のためには11月末までにあと1本見る必要がある。「マネーボール」かな?

昨晩の「日本VSベトナム」は飲み会のためオンタイムで見られず、まだ録画も見ていない。結果(報道)を見る限りではイマイチだったようだし、正直メンバー選定の意図が良く分からない。タジキスタン戦には「ベストメンバー」で臨むのだろうが、遠藤・長谷部とも本調子ではなさそうなので、やや不安だ。

読了:
「コトラーのイノベーション・マーケティング」(フェルナンド・トリアス・デ・ベス、フィリップ・コトラー)
  • マーケティングよりも、「どうやってイノベーションをマネージするか」に重点が置かれた1冊。提唱されているのはアクティベータ、ブラウザ、クリエータ、デベロッパ、エグゼキュータ、ファシリテータのA-Fが適時・適切に連関することでイノベーションを進めるというモデルだ。多くの日本企業でイノベーションが進展しないのは、このような各役割がサイロ構造になっていて、ファシリテーションが難しいのではないか?(評価A)
「決断できない日本」(ケビン・メア)
  • 著者は「沖縄はゆすりの名人」と語ったということで国務省の日本部長を更迭された。しかし、本書で語られた「事実」を見ると、別に間違ったことを言ったとは思えない。むしろ、毎度ながら日本の官僚のリスク回避・事勿れ主義の酷さ。特に3.11のあと、アメリカが送ろうとした支援物資に対し、枝葉末節・意味不明の質問を返したというエピソードは笑うことすらできないほど「哀れ」だ。ほかにも福島第一原発の4号機について何故専門家が危険と認識しているかも良く分かったし、いかに政府を信じてはいけないか痛感させられた。(評価A+)
「イノベーションとは何か」(池田信夫)
  • イノベーションを経済学的に説いた点が新しい。ちょうどスティーブ・ジョブズの訃報が伝えられたばかりだったし、アップルなどのイノベーティブな海外の企業とソニーの違いなど納得しながら読んだ。NIH(Not Invented Here)症候群、ガラパゴス化・・・日本企業が克服すべき課題は大きいと思う。(評価A)
購入:
「もうダマされないための『科学』講義」(菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸、飯田泰之、SYNODOS)、「エクセレントな仕事人になれ」(トム・ピーターズ)、「いまこそハイエクに学べ」(仲正昌樹)

2011年10月1日土曜日

10月早々・・・

今日からBS放送が拡充されて、これまで以上に楽しめると思った矢先、実はうちのマンションのインフラ(スカパー光)が対応できないという事が分かった。重要な話なのに事前にマンションの管理組合に連絡がなかったということで、何年かぶりにカスタマーサービス窓口で苦情を申し立てた。言うべきことを論理立てて言っていたと思うが、釈然としない一方で後味が悪かった。うちもクレームを受ける立場なので、改めてこうした思いをする人を一人でも少なくしなければと感じた。代替案は取ったが、今節のリーガエスパニョーラは見られそうもない・・・

F.マリノスはアルビレックスに完敗。どうやらエンジン切れか?何とかACL圏内には留まって欲しいが厳しかな??

再来週のタジキスタン戦に向けた代表が発表されたが、ここ3戦の主役である清武の怪我が悪化したようだ。出場が難しいとなると香川にパスを出せる相棒はいるのだろうか?U-22の山村も骨折ということで、せっかくここまで来た流れに暗雲という感もあるが、逆に他の選手がチャンスを掴めるようなら選手層に更なる厚みが加わる。風はどちらに吹くのか?

読了:
「自分を超える法」(ピーター・セージ)
  • アンソニー・ロビンスの門下生(最年少トレーナー)による自己啓発本。やらなくてはいけない事は理解するが、How-toは「?」がつくところも多い。(特に「お金の作り方」)(評価B)
”Strengths Based Leadership" (Tom Rath, Barry Conchie)
  • とかく日本人は弱みの克服に目が行きがちだが、本書のように強みを最大限レバレッジして部下を指導するという方が自分らしいように思われた。戦略的なところやディシプリンを重んじるところをベースにして早く自分らしいリーダーシップスタイルを構築しなければ。(評価A)
「危機を超える経営」(伊藤邦雄)
  • サムソンができてことが何故日本企業でできないのか?著者の説く戦略はグローバル経済を前提にすれば当然のものだt思うが、果たしてどれだけの経営者に決断できるだろう?本書に取り上げられている企業を見るとオーナー企業が多く、リーダー自身にSense of urgencyがきちんと備わっている。伝統的なローテーションで社長を選び続けていてはこうした危機感の醸成などできるはずもない。衰退する企業ばかりになるのではないかと危機感をますます強めた。(評価A-)
「『リーダーの条件』が変わった」(大前研一)
  • SAPIOに連載されている記事の再編集版ではあるが、改めて読むといかに日本(特に政界)のリーダーが弱いか痛感させられる。「どじょう」総理も本書で期待されているようなリーダーシップを発揮できるかは大きな疑問だ。絶望感が更に大きくなった(評価A)
「日本経済 今度こそオオカミはやってくる」(竹中平蔵、冨山和彦)
  • 一部の人には罪人扱いされるくらい評判の悪い2人による対話形式の本。しかし新自由主義者としては「よく言ってくれた」という内容ばかり。ここまで大胆な政策が実現できれば日本経済も復活するだろう。しかし実現可能性は限りなくゼロパーセント。ますます絶望感・・・(評価A+)
「下町ロケット」(池井戸潤)
  • 読了感の爽やかな1冊。さすが直木賞受賞作と言える。主人公畑の苦悩、大手企業(およびその社員)の倫理観など「あるよなぁー」といちいち思いながら読んだ。TV作品は多少重点の置き方が違うようだが、せっかくなので再放送された時には見ようかな。(評価A+)
購入:
「コトラーのイノベーション・マーケティング」(フェルナンド・トリアス・ベス、フィリップ・コトラー)、「イノベーションとは何か」(池田信夫)、「決断できない日本」(ケビン・メア)