2011年2月27日日曜日

ヨーロッパに渡ったサムライたち

ここのところ毎週、ヨーロッパの各国リーグに所属する選手の動向が必ずニュースで報じられるようになった。ただ、多くは途中交代出場で、本当にトップクラスのリーグでレギュラーの座を確保したといえるのは香川と内田ぐらいだというのが今の日本の実力なのだろう。(本田はCSKAモスクワから出られないのが評価の現実)ただ出ていくのではなく、活躍が評価されてレアル、インテル、マンU、バイエルンなど「真のトップチーム」に移籍してレギュラーになるくらいの意気込みで頑張ってほしい。長友はあと一歩だ。香川、内田、宮市にも十分可能性がある。そうなることでサッカー人気がバブル状態を脱して本当に定着する。

マリノスは相変わらず不振。攻撃陣が固定できていない。グランパスとの差は明確だ。リーグ序盤で早くも大手術が必要になるような嫌な予感がする。

読了:
「ザ・ベロシティ」(ディー・ジェイコブ、スーザン・バークランド、ジェフ・コックス)
  • 今年からリーンプロジェクトを開始したところなので、本書から学ぶところは大きかった。ビジネススクールの課題として「ザ・ゴール」を原書で読んで、TOC(制約理論)を知った時、トヨタ生産システムとの類似性と違いについて悩んだことを思い出した。TOCの方がプロセス全体を眺めていくのに対し、リーンやシックスシグマは個々のプロセスを詳細に見て改善に取り組むのだと思う。トヨタはサプライチェーン全体のばらつきが小さいので、TOCを考える必要が少ないのだろう。(評価A+)
「ベストリーダーの極意」(ブライアン・トレーシー)
  • この著者らしく、様々なリーダー論を統合して分かり易く示してくれている。7つの責務(1.事業の目標を定めて達成する。2.革新し売り込む。3.問題を打開し、決断を下す。4.優先順位を決め、重要な仕事に集中する。5.人の手本になる。6.部下に希望を与え、やる気にさせる。7.実践し、結果を出す。)を実行するために必要な事がまとめられている。「当たり前の事」と一蹴するのではなく、常に実践できているかどうか確かめたい。(評価A)
「一歩先のクラウド戦略」(遠藤功 監修、大野隆司 著)
  • ローランドベルガ―らしくというか遠藤さんらしく、現場力を高めるためにシステムをどう最適化するかまとめられている。自社のシステムとクラウドをどう融合して使うかという観点やCIOの役割再定義の必要性はその通りだと思うが、第二部の実践編はうちのようにグローバルで展開している会社ではMS以外のソリューションは無意味。(評価B+)
「ストーリーで学ぶ経営の神髄」(マーシャル・ゴールドスミス、ビバリー・ケイ、ケン・シェルトン)
  • リーダーシップ論の権威ともいえる「賢人」たちにも人としての歴史があり、ストーリーがあることは理解するが、果たして経営の神髄かどうかは大いに疑問。むしろ原題のように、読者がストーリーから何をどう学ぶか(Learn Like a Leader)が重要。(評価B+)
購入:
「国家対巨大銀行」(サイモン・ジョンソン、ジェームス・クワック)、「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ)、「メッシュ」(リサ・ガンスキー)

2011年2月20日日曜日

大学卒業30周年記念クラス会

昨晩は大学のクラス会で痛飲。今も少し頭が痛い。今回は過去最高の出席率で合計29名が集まった。この年齢になってくると、たとえ東大卒であっても、出世街道をひた走る奴がいる一方で、片道切符を渡されて長年勤めた会社(主に銀行)を離れる奴に分かれてくる。それでも昨夜のような集まりでは自分の置かれているポジションに関係なく、素直に仲間が偉くなってくれるのを楽しみにしている。今年は他にも語学研修から20周年、MBA取得から15周年と色々な節目がある。こうした社外の仲間を大切にしようと改めて思う。

読了:
「BCG流 経営者はこう育てる」(菅野寛)
  • 著者が優れた経営者になるための条件に挙げる「意志」、「勇気」、「インサイト」、「しつこさ」、「ソフトな統率力」を自分はどれだけ持っているだろう?科学系スキル(マネジメント知識、ロジカルシンキング)に比べるとまだまだ要開発だ。以前読んだ時より自分に置き換えて考えている分、自分自身の地位が経営者に近くなったのだろう。(評価A)
「『事務ミス』をなめるな」(中田亨)
  • 日々事務ミスの報告を受けている身としてはタイトルを見たときから読まずにいられなかった1冊。内容についても、フローチャートの問題、デザインの重要性など参考になる点も多かった。業務プロセスの見直しを行うプロジェクトに読ませようと思う。(評価A)
「国家債務危機」(ジャック・アタリ)
  • PIIGSの債務危機は他人事ではないと再確認。前半の「国家債務の歴史」を読んで、ソブリン・クライシスは実はこれまでも数多くあったのだと驚いた。日本の現状に対する評価も非常にフェアだと思う。著者の言うところに従うなら、いち早く成長戦略を明確にして軌道に乗せなければならないはずだが・・・今の政権の体たらくでは「?」である。(評価A)
「松下幸之助に学ぶ経営学」(加護野忠男)
  • 単に松下幸之助礼賛ではなく、事業部制の問題点なども含め、組織論、戦略論としてよく整理されている。「血の小便」は勘弁願いたい気もするが、とにかく徹底的に考えることの必要性、チャレンジングな目標への挑戦など自分もやらなくてはと思う。(評価A)
「シンメトリー」(誉田哲也)
  • 姫川玲子シリーズの短編集。グロテスクな現場描写もあるが、時にコミカルで、著者が楽しんで執筆している様子が窺われる。『左だけ見た場合』の謎解きも面白かった。近々新作(スピンオフ)が出るらしく、そちらも楽しみになってきた。(評価A+)
購入:
「ベストリーダーの極意」(ブライアン・トレーシー)、「ストーリーで学ぶ経営の神髄」(マーシャル・ゴールドスミス、ビバリー・ケイ、ケン・シェルトン)、「判断と決断」(中竹竜二)、「一歩先のクラウド戦略」(遠藤功 監修、大野隆司 著)、「ハンニバルに学ぶ戦略思考」(奥出阜義)

2011年2月12日土曜日

Wall Street

「5回見ると1回タダ」というクーポンの関係で、映画づいている。昨日はWall Streetを見た。前作の「ウォール街」が87年の作品だから、24年も経っている。ゴードン・ゲッコーが出所するところから始まり、サブプライム問題からリーマンショックあたりの「マネー史」が語られているが、二組(ゲッコー、ジェイク)の親子の物語と見ても(個人的にはその方が)面白いと思う。今月中にあと1本、何を見ようかな?

三連休の予定を変更する必要はあったが、都心の雪がひどくならなくて良かった。振替で入ったテニスクラスでは大いに走らされたが、何とか無事に帰還した。明日はアウトレットに行く予定。

マリノスは栃木・岐阜とJ2相手に連敗。チーム力が上がらない。3月の開幕に間に合うのか???

読了:
「なぜリーダーは『失敗』を認められないのか」(リチャード・S・テドロー)
  • フォード、グッドイヤー、シアーズ、IBMといった名だたる企業の興亡を通じ、変化に対するリーダーの判断ミス(=「否認」)がなぜ起こり、どういう影響をもたらすのか語られている。一方でインテルとジョンソン&ジョンソンを対極に置いて、否認を回避するためにリーダーがしなかえればならないことも説かれている。「窓の外を見る」こと、それも自分の立場をいったん離れてプレーンに見ることができるリーダーにならなければと思った。(評価A+)
「挫折力」(冨山和彦)
  • 著者のこれまでの経歴を表面的に見るだけでは、これだけの「挫折」を味わっていることは到底理解できないと思う。また、贅沢な挫折という批判もあるだろう。それでも本書で書かれている項目は、リーダー/マネジャーに必要な点だろう。それにしてもCorporate Direction(CDI)は良い人材を輩出していると思う。(評価A)
「マネジャーの実像」(ヘンリー・ミンツバーグ)
  • かつての名著「マネジャーの仕事」の36年ぶりの続編。同じ手法を用いたリサーチの結果でも、マネジャーの仕事は当時と本質的には変わっていない。「リーダーシップはマネジメントの一部」、「マクロリーダー(『丸投げ』と言っていいと思う)」の横行など多くのレッスンが含まれている。"Managing"というシンプルな原題からは想像できないほど、やるべき仕事は複雑で困難なものだ。(評価A+)
購入:
「BCG流 経営者はこう育てる」(菅野寛)、「国際債務危機」(ジャック・アタリ)、「ザ・ベロシティ」(ディー・ジェイコブ、スーザン・バーグランド、ジェフ・コックス)、「『事務ミス』をナメるな!」(中田亨)、「松下幸之助に学ぶ経営学」(加護野忠男)、「シンメトリー」(誉田哲也)

2011年2月5日土曜日

戦略とは・・・

先週から今週にかけて様々な行事があり、改めて戦略とは何か考えた。先週のセミナーで慶応の清水勝彦教授(帰国されていたことに 驚いた)の話で印象的だったのは、日本では戦略という言葉を本当に理解せず、徒に現場を疲弊させているという指摘。今週うちのマネジャー会議に出席したのだが、外資系の日本支店であるにもかかわらず、残念ながら日本社と変わらなかった。他社と違うことをやりたいのか、それとも同じことを違った形でやりたいのかが明確ではない。また、オペレーションのプロセスをしっかり眺めて、どこでマージンを稼ぐのかを考えて計画が立てられていないという点も問題だ。今年はすでにスタートしてしまっているが、必ずどこかで軌道修正が必要になる時が来る。その時にはSpeak Upして修正させようと思う。

読了:
「ハーバードの人生を変える授業」(タル・ベン・シャハ―)
  • ひとつひとつの項目は当たり前だが、52項目すべてやるのは大変。「全部できるのなら、人生は変わるよな」とへたな突っ込みを入れたくなる。ただ、こうやって毎週1回、(たとえ題材はサッカーがメインでも)考えをまとめるという習慣を続けることなど、実践している事も結構あるのを再確認した。(評価B+)
「日本経済の不都合な真実」(辛坊治郎、辛坊正記)
  • 辛坊兄弟による日本経済解説の第二弾。マスコミ受けしない内容だと思うし、今の政治家では実現が困難な政策だが、本当に日本を復活させたいのであれば、このくらいの戦略があってしかるべきだと考える。(評価A)
「フォールト・ラインズ」(ラグラム・ラジャン)
  • 昨年のBusiness Book of the Yearがついに翻訳された。著者はグリーンスパンの目の前でサブプライム問題を「予言」する講演をおこなったことで有名な経済学者。今回の危機が決して一過性のものでなく、真因(フォールト・ラインズ)は残ったままだという分析は大いに議論されるべきだろう。著者の金融改革は現実的なものだと評価する。(評価A+)
「グレート・リセット」(リチャード・フロリダ)
  • 「クリエイティブ・クラスの世紀」や都市論でベストセラーを連発している著者の最新作。今回の経済危機を19世紀終盤と大恐慌に次ぐ三つ目の「グレート・リセット」と位置付け、都市がどう変貌するかを「予言」している。著者のクリエイティブ・クラス論、都市論を今回の危機に紐付けて補強していると言い換えた方が良いかもしれない。(評価A)