2009年9月27日日曜日

調子の波

 J1は益々上位が詰まってきた。今年は各チームの好不調の波が大きい気がする。レッズ・ガンバ・グランパスは一時期の不調を脱しつつあり、一方アントラーズとフロンターレが沈んできている。上位になると試合数は欧州トップクラスのJ1なので、こうした波の影響を少なくするには控えをどう考えるかが重要になっている。バルサのカンテーラのような仕組みを充実すること、もしくは大学の強化指定選手を上手く活用することが上位チームには必要。マリノスはそんな必要もない下位暮らし(涙)アウェーでも浦和に完勝して頭一つ抜け出したいところだ。

連休の影響で読了は2冊のみ。
「職場は感情で変わる」(高橋克徳)
  • 「不機嫌な職場」共著者のひとりである筆者が「職場の感情」とパフォーマンスへの影響を説いた一冊。私見では、職場の感情を左右するのはリーダーがどのようなマネジメントをしてきたかではないかと思う。知り合うことは重要かもしれないが、著者がある意味懐かしむ「昔の職場」は必ずしもハイパフォーマンスをもたらすのではなく、馴れ合い、傷の舐め合い、ぬるま湯という結果の方が多かった(多い)気がする。多少ギスギスしてもパフォーマンスを生み出す職場が今は求められる。(評価B)

「いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ」(吉川洋)

  • 東洋経済の上半期ベスト経済書No.1の本ということで読んだ。ケインズとシュンペーターの著書の概要やその違いは理解できたが、何を「いまこそ、学べ」なのかという点では良く分からなかった。経済危機でケインズが再評価されているが、その点に関しては「アニマルスピリット」の方が良く書かれている。イノベーションに関しては、多くの本でその必要性が説かれており、何を持って「いまこそ」か益々不明。タイトルを気にせず、経済学史の本と思えば良いのだろう。(評価B)

購入:

「金融改革と市場危機」(藤井眞理子)

その他:

「金融」といえば、最近の金融を巡る情勢は非常に気になる。金融機関サイドに全く問題がなかったなどというつもりはないが、アイフルの清算の動き、モラトリアム、郵政民営化見直し。全て金融が何たるかを理解できない政治(政府・国会)の産物だ。グレーゾーン金利廃止で最終的に損をしているのは(借り手としてだけではなく、銀行への預金者としての)消費者だし、モラトリアムが始まれば、融資条件が厳しくなって、困るのはこれから事業を拡大しようとする「成長企業予備軍」だろう。ゆうちょや簡保の温存は民業圧迫以外のなにものでもない。脱官僚依存が誤った方向を助長しそうで心配だ。

2009年9月21日月曜日

連休半ば

 今日は神保町で本屋めぐり。6冊購入。昨日と合わせて計8冊。ただ、新書&薄めの本が多いのが特徴。
 
読了:
「ニッポンの思想」(佐々木 敦)
  • 80年代以降の思想家8人をクローズアップし、彼らの思想と日本社会の移り変わり及び相互関係をまとめた1冊。名前は聞いた事はあるが、著作を読んだ事のない8人なので、個人的には難しかったが、オウムやオタク等への影響もしくはそうした現象の解釈が理解できた。8人以外に小林よしのりなども登場。天皇および天皇制への立場の違いが整理されていたのが面白かった。時にこうした本を読んでもう少しマトモな感想を書きたいとも思う。(評価できず)

購入:

「論語」(金谷 治 訳)、「いまlこそ、ケインズとシュンペーターに学べ」(吉川 洋)、「1からの戦略論」(嶋口充輝、内田和成、黒岩健一郎)、「リーダーになる人に知っておいてほしいこと」「社長になる人に知っておいてほしいこと」(松下幸之助 松下政経塾)、「職場は感情で変わる」(高橋克徳)、「コンサルタントの『解答力』」(野口吉昭)、「組織で使える論理思考力」(飯久保廣嗣)

2009年9月19日土曜日

五連休スタート

 今日はマリノス対アントラーズに行くつもりだったが、ちょっと風邪気味で断念。結果は勝利だったので、行きたかった。勝ち点差が詰まってきたので、もうしばらくマリノスの順位とは別に優勝争いは楽しめそうだ。
 TVで見ていたFC東京対ガンバの主審は酷かった。判断ミスが多く、はっきり言って下手だった。先週のアントラーズ対フロンターレでの中断判断もそうだが、もっともっと審判のレベルアップが必要。さもないとリーグ、代表全ての偏差値向上は図れない。

今週の読了(読みかけだった本を読みきったのでいつもより大量):
「謀略法廷」(ジョン・グリシャム)
  • あとがきにもあったが、著者のアメリカ法曹界への惜別の書といった趣の本。保険会社に勤める身とすれば、アメリカの行き過ぎた賠償責任判決に思うところはあるが、この本に描かれているような形で裁判所の「保守化」が進むとなると話は別。経済合理性が優先され基本的人権(特に生存権)が充分守られない社会で良いのか?今回の金融危機はそうした社会への警鐘ではないか?等考えさせる本。ただ、正直読後感は良くなかった。(評価B)

「大搾取」(スティーブン・グリーンハウス)

  • アメリカの格差社会がどこまで来ているか。上記「謀略法廷」とも合い通じるところがあった。日本のように解雇が極めて難しい労働法もマネジメントの立場からは困るが、(ここに描かれている「現実」を多少割り引いて考えるにしても)アメリカは逆の方向に極端に行ってしまったのではないか。ただ、コストコのような考えの会社が発展する懐の深さを持っているのもまた、この国の強さなのではと思う。(評価B+)

「顧客感動マーケティング」(ジム・チャンピー)

  • このシリーズの特徴である「必ずしも皆が知っているわけではない」企業も含め、成長している企業が如何に顧客の体験を重視しているか解説した一冊。メッセージの一貫性というのがキーワード。いくら広告でうまいことを言っても、デリバーできなければ逆効果。「責任力」をスローガンにして大敗した自民党幹部に読ませたい。自部門の日々のオペレーションを如何に均質化するかが課題なので、ヒントにして成果に結び付けたい。

「頂きはどこにある」(スペンサー・ジョンソン)

  • 好調(頂き)も不調(谷底)も、自分の心がけ次第。チャンスの後にはピンチ、ピンチの後にはチャンスが来るという事を信じて誠実に行きなさい。という感じの本。「情けは人のためならず」というのも読後の今思いついた。全ては心の持ち様ということで、勝間本にも繋がる。(評価B-)

「コーチングの神様が教える後継者の育て方」(マーシャル・ゴールドスミス)

  • マネジャーは全ていつか考えないといけないのが後継者選び。顧問などとなっていつまでも口を出すくらいなら辞めるな!というのは名言だと思う。逆に後継者候補の立場から読んでみると面白いが、ちょっと読むタイミングは早すぎたかな。(評価B-)

「カオティクス」(フィリップ・コトラー、ジョン・A・キャスリオーネ)

  • 「波乱の時代」の経営戦略(とりわけマーケティング)は如何にあるべきかがコンパクトにまとめてある。個人的には「危機の時代のリーダーシップ」と並んで今年今までのベスト。過去日本であまり取り上げられていなかったダベニーのHypercompetitionなどにも言及して事前の備え、いざ乱気流に巻き込まれたときの対応などを解説している。(評価A+)

「戦略シフト」(石倉洋子)

  • オープン化とORからANDへ、ICTの活用し、「グローバルに考え、ローカルに行動」することで「ガラパゴス化」することなく成長しようというのがキーコンセプト。「いつかまた栄光の日々が戻ってくる」と信じている多くの企業経営者には耳の痛い話だろう。何だか久しぶりに日本人による戦略論らしい戦略本を読んだ気がした。(評価A-)

「もっとも大切なこと」(ハイラム・W・スミス)

  • 自分は何をしたいのか、使命はなんなのか。こういう事をとことん突き詰めて考えるのは日本人には苦手な作業だと思う。この本はそのプロセスを後押ししてくれるように思う。折角フランクリン・コヴィーのプランナーを使っているのだから、この連休で少し考えよう。(評価A-)

とりあえず購入はなし。次に読むべき本を探すのも連休中の課題。

2009年9月12日土曜日

ガーナ3-日本4

 勝ったには勝ったけど、収穫があったのかは別問題といった感じの試合でした。稲本が入って守備が落ち着いたというのが印象で、やはり今の代表には海外で長くやってきているだけの強さが必要なのだと思う。私的にはボランチの一枚はやはり稲本で決まり。ただ、今後のAマッチは格下(仮にランクは上でも選手は一軍半というケースを含む)なので、今の監督は戦術を変えないでしょう。結局課題積み残しのまま本番突入という最悪のシナリオまっしぐらです。
 今日のJでは鹿島-川崎の「ノーゲーム裁定」が問題になるでしょう。特に川崎はACL、ナビスコ決勝と日程が目白押しなので、もう一試合追加は厳しい。どんなに時間を要してもここはMLBのように最後までやる(もしくは明日残り15分だけ)というのが公平なのではないか?と思う。

読了:
「手に取るようにNLPがわかる本」(加藤聖龍)
  • 色々な「脳理論」の本がNLPをヒントにしているということが良く分かった。本自体は最後の方がちょっと怪しげなトーン(なんとか宗教の道場みたい)になったのが残念。ただ、NLPの基本は分かったので、実際の局面で使ってみようと思う。(評価B-)

「MBAマーケティング(第3版)」(グロービス経営大学院)

  • 新版と比べるとネットビジネスに関わる記述が格段に多くなったように思う。One-to-oneなどというコンセプトも、ネットビジネスを考えると、ある意味当然になっているためか、表舞台から姿を消していた。目新しい発見はないが、まあこのシリーズらしく、最新の理論が復讐できたので良しとしよう。(評価B)

「ドラッカーへの旅」(ジェフリー・A・クレイムス)

  • ドラッカー最晩年のインタビュー記録と共に、彼の考えていたコンセプトが多くの経営者に影響を与え、その焼き直しで多くの経営学者が恩恵を得たかということが理解できた。一番面白かったのはドラッカーがGEの経営者としてウェルチよりレジー・ジョーンズを買っていたという点。ウェルチがドラッカーに直接教えを請う機会が多かったにも関わらずということなので、余計に興味深かった。「現代の経営」を読み直そうと思った。(評価A-)

購入:

「戦略シフト」(石倉洋子)、「カオティクス」(フィリップ・コトラー、ジョン・A・キャスリオーネ)、「顧客感動マーケティング」(ジム・チャンピー)、「コーチングの神様が教える後継者の育て方」(マーシャル・ゴールドスミス)、「頂はどこにある」(スペンサー・ジョンソン)

2009年9月6日日曜日

オランダ3-日本0

 昨夜の試合は結果が示す以上の意味を持っていないようだ。岡田監督はやり方を変えることはできない。コメントを読む限り現在の延長線上でしかチームを作る気がない。はっきりしたのは、本田はもう呼ばれる事すらないかもしれないという事。
 本当に4強を目指すのなら(というか、もう少し現実的に予選リーグ突破を目指すのなら)、アジア仕様のチームコンセプトではNG。守備を基軸とするチーム作りしかないだろう。ボランチは守備重視で稲本、鈴木啓太プラス遠藤の3枚。前目にW中村(もしくはどちらかと松井)。FWは平山かハーフナー(指宿もあり)でロングボール起点で逆襲からFK・PKの1発狙い。後半は俊輔を今野に代えて徹底的に守るというようなイメージではないか。

読了:
「経営行動」(ハーバート・A・サイモン)
  • 「限定された合理性」というコンセプトが生まれた本。「解剖学」という観点で経営の意思決定がどのようになされるか解説されているが、正直なところ各章補足のコメンタリーがないと理解できなかった。こうした「古典」から経営理論が発展してきたのだなと理解できたのが良かったというのが正直な気持ちだ。(評価B)

購入:

「大搾取」(スティーブン・グリーンハウス)

2009年9月5日土曜日

民主大勝・名古屋・オランダ戦

 民主の勝利はほぼ予想通り、ただ、308というのは中途半端だ。参院が厳しいからといって、根本的な理念の異なる社民党と国民新党と連立というのは首を絞める結果になるのではないか?自民が分裂して、一部が民主党に取り込まれる形で政界再編というのが、本当に官僚依存打破という構造改革を行うには望ましい姿だと思う。
 水曜日に名古屋へ日帰りで行った。何年か前と比べると街が静かで、朝も道路は空いていた。やはり都市が元気にならないと地方重視だけでは国の勢いは無くなる。みんな本当は感じているのに建前だけが先行する。今のような1票の格差があるままでは、都市型政党は誕生しない・・・
 話は一変。今晩はオランダ戦。トルシエ時代のフランス戦のような位置づけになるのか?それともジーコ時代のドイツ戦?何となく後者のような結果になって、ニッポンは強いなどという「神話」が復活してしまい、最終的に南アフリカの本番に悪影響(=予選リーグで3敗)を及ぼすように思われてならない。

読了:
「人を助けるとはどういうことか」(エドガー・H・シャイン)
  • 心理学の本?というのが率直な感想。助けを求める側と助ける側のポジション(つまり助ける側が自然と優位に立つ)を踏まえて、助ける側がどうしなければならないか。人をリードし、マネージする立場の人間が特に弁えなくてはならない事だと思う。支援する側は専門家・医師・プロセスコンサルタントという3つの立場で接するという点が特に重要。(評価B+)

「経済危機は9つの顔を持つ」(竹森俊平)

  • 今回の経済危機について著者が様々なバックグラウンドを持つ9人の識者と行った対談集。アメリカの景気刺激策への評価が総じて否定的なのと、小泉内閣での不良債権対策への評価(著者の「竹中さんは日本の恩人」という発言が象徴)の2点が面白かった。この本だけで結論を出すのは問題がありそうだが、やはりアメリカが危機以前のように世界経済の成長を牽引することは不可能との認識を持って経済政策を考える必要がありそうだ。(評価B+)

「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」(夏野剛)

  • ネットビジネス発展のためには結局のところ経営者が世代交代せよというメッセージが強く打ち出されているように思う。リアルなビジネスでできる事をまずはネットでもやってみる。その上でリアルでなければプラスできない要素、またその逆の要素を考えていけば良い。携帯についても古い世代の先入観を排除して考える。といったところが本書から読み取った「レッスン」だ。退場すべきは役人も同じ。特に、ここでも3流役所である厚労省のネットでの薬販売規制が一番の例である。著者にはこんな観点でももっと突っ込んで欲しかった気もする。(評価A)

いまのところ今週は購入書籍はない。