2015年8月30日日曜日

俊輔完全復活!レッズに快勝!!

久々に良いものを見せてもらいました。2ndステージ9節ホームのレッズ戦はF.マリノスが4対0で勝利、4連勝となった。思い起こすとレッズ戦を見るのは確か2000年以来。その時は敗戦だったので、個人的には15年ぶりのリベンジ達成というところだ。

試合は序盤からF.マリノスが優勢。CKからファビオが放ったヘディングシュートは枠を捉えたが、さすが西川というセーブに防がれた。しかし28分に俊輔が自ら得たFKはどんなGKでもセーブは無理という完璧なコースに飛んで通算19点目のゴール!5分後には齋藤が追加点を挙げて2対0で折り返した。前半全く良いところのなかったレッズも、後半立ち上がりは攻勢に転じたが、ゴールを脅かすようなシュートはズラタンの1本だけ。前掛かりになったところでカウンターを仕掛けやすくなったマリノスが齋藤の2点目とファビオのヘッド(俊輔のCKから2戦連続ゴール!)を追加し快勝した。俊輔が1G1Aという結果を残し、ほかにも惜しいセットプレーがあったり、守備面でも頑張りを見せたり、完全復活を印象付けたのが何より嬉しかったし、今後の事を考えると、今節の勝利は大きな意味を持ってくると思う。喜田が途中出場(イエローをもらった俊輔と交代)し、戻ってきたので、これでラフィーニャと兵藤が戻れば、更なる上位進出も見えてくる。次は天皇杯を挟んでアウェーのアルビレックス戦。今季最長を更新し5連勝といきましょう!

(おまけ)レッズ戦を観戦したハリルホジッチ氏が、「彼がもっと若ければ」と俊輔のプレーを評したそうだ。前号のサッカーダイジェストでもファンタジスタの後継が育っていないことを指摘していたが、「俊輔の後に俊輔なし。」そんな簡単に後継者など出るはずがないと改めて感じた。

読了:
「ザ・セカンド・マシン・エイジ」(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー)

  • 「機械との競争」でテクノロジーがもたらす雇用への影響について著した2人が、テクノロジー発展の歴史から始まり、人工知能がもたらす影響(格差拡大など)、さらにそうした状況を踏まえた個人・社会としての対応について説いている。楽観論でもなく、かといって悲観論とも一線を画している視点からの解説なので、「負の所得税」の必要性といった政策提言にも説得力がある。(評価A+)

「WORK RULES!」(ラズロ・ボック)

  • グーグルの人事(ピープル・オペレーションズ)トップである著者が、同社を「世界最高の職場」たらしめている施策について採用・育成・評価・福利厚生全て明らかにしている。雇用環境の異なる日本企業では到底まねできない内容だろうが、ポイントは各施策の背景にある、「人を大切にする」、「オープンな」企業文化の構築だろう。グーグルがGEなどのような人材輩出企業になっているのも肯ける。(評価A)
購入:
「ALLIANCE」(リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ)、「市場は物理法則で動く」(マーク・ブキャナン)、「昭和陸軍全史1~3」(川田稔)、「その場しのぎの会社が、なぜ変わったのか」(内山仁)、「黙示」(真山仁)、「解」(堂場瞬一)

2015年8月23日日曜日

3連勝!勢いに乗ってレッズ戦へ!

16日(日)のヴァンフォーレ戦。豪雨の中、三門とラフィーニャのゴールで快勝。2ndステージ2勝目を挙げた。アデミウソンとラフィーニャ2人でディフェンダーをかわすなど、コンビネーションが整ってきたし、齋藤の切れは変わらず良い。2点差になってヴァンフォーレが前掛かりになったところで、途中交代の俊輔からピンポイントのロングパスが入ってカウンターを展開したあたり、狙い通りの試合になったのではないか。この調子で22日(土)のサガン戦と思ったところに喜田とラフィーニャの欠場という痛いニュース。これを撥ね退けて3連勝を飾れるだろうか?

ダイジェストで見た試合は、前半早い時間帯に谷口に決められ3試合ぶりに失点。その後俊輔のヘディングシュートなど惜しい場面もあったが得点できず後半に。後半は伊藤の見事なミドル同点弾のあと、俊輔のCKからファビオが決めて逆転、ロスタイムの猛攻をしのいで勝利。何とか3連勝を飾った。これで2ndステージは9位、通算順位も7位に再浮上してきた。次週は同じ3連勝中のレッズとホーム戦。各上との対戦を制し、連勝を伸ばして欲しい。久々(生観戦では4月のベルマーレ戦以来)に目の前で勝利を見せてくれ!

読了:
「最高知『古典』に学ぶ、成功の戦略」(江上剛)
  • 「論語」や「孫子」は勿論、その他の中国古典から成功のための教訓を集めて解説した一冊。交渉術、リーダーシップ、社内処世術などヒントは古典に沢山存在していることを改めて確認できる。銀行員当時の著者の経験を交えている点はユニークだが、多くのこの種「解説本」との差別化が図れたかは疑問。(評価A-)
「権力の終焉」(モイセス・ナイム)
  • 「マーク・ザッカ―バーグ主宰のブッククラブ第一回選出」という帯の文面に興味をそそられて購入。政治・戦争・企業・・・あちこちの世界で権力の交代が起きている。筆者は、それは単にパワー・シフトを意味するのではなく、権力がかつてのように強大なものではなくなっている事(=権力の劣化)を意味しているのだ、という。TPP交渉におけるニュージーランドの動きなどを見ると、政治・外交の世界では確かに権力の劣化が起こっていると考えるべきなのかもしれない。(評価A)
「出現する未来から導く」(C・オットー・シャーマー、カトリン・カウファー)
  • 「U理論」の著者の新作。自然・労働・資本・技術・リーダーシップ・消費・調整・所有という各要素がどのように進化し、次にどこに向かうのかを考える必要があること。そのためには出現する未来を捉える必要がある、と著者は説く。ここで描かれている未来像は社会民主主義的、下手するとユートピア的に思われ、個人的にはしっくりこなかった。著者によると、過去に囚われているから、という事になるのだろうが・・・(評価B+)

2015年8月15日土曜日

危機感だけが収穫?東アジアカップ。10試合ぶり勝利のF.マリノス、だが、俊輔システムの終焉か?

東アジアカップの最終戦、アウェーの中国戦でなでしこは勝利を収めたが、男子は1対1のドロー。初めての最下位という屈辱的な結果に終わった。新戦力発掘が目的だった女子もそうだが、中途半端なゴール設定で何も成し遂げられなかった男子こそ、選手・スタッフ全てが本当に危機感を持たなければ明るい未来図は到底描けない。その意味で残念だったのは、帰国後ミッドウィークのリーグ戦に先発した代表選手が少なかったことだ。危機意識を本当に持っているのであれば、悔しい結果に終わったからこそ、リーグ戦にしっかり出て暴れて欲しかったというのが正直な思いだ。その中で、代表戦3試合フル出場の森重、槙野、遠藤航が先発し、いずれのチームも勝利したということは評価したい。

そのリーグ戦。F.マリノスは3対0でアウェーのグランパス戦に勝利した。リーグ戦では5月23日の松本山雅戦以来10試合ぶりだ。齋藤が1ゴール1アシストと活躍、アデミウソン、伊藤にもゴールが生まれた。特に齋藤が輝きを見せたことは今後に繋がるだろ。また、グランパスの攻撃、特に後半永井・川又出場後の攻勢を凌ぎ、クリーンシートに終わったことも評価したい。しかし、一方でこのカタチで勝ったことで、俊輔の出番が今後益々限定されることが予想される。俊輔にはまたピンチだが、是非これまでのように努力を重ね、復権して欲しい。

そのF.マリノスだが、日本クラブユース選手権(U-15)で優勝した。先日はU-18でも優勝しているので、ユースの充実度が窺われる。ここから将来を背負って立つ選手が多く出てきてほしい。

読了:
「原発所長」(上)(下)(黒木亮)
  • 福島第一原発の故吉田元所長がモデルの小説。主人公の歩みを日本の原発政策の歴史と重ね合わせるのは著者一流の手法。ここでもヒントから「あの政治家か」と分かる登場人物が暗躍し、安全神話が形作られていった過程など原発事業・電力事業の「ウラの世界」が改めて描かれている。クライマックスの3.11後の状況は再現ドラマのようで、時の政府・東電首脳の無能ぶりが改めて明らかにされている。主人公の死の場面では涙が出そうになった。本書はフィクションではあるが、「死の淵を見た男」同様のドキュメンタリーとしても評価したい。吉田調書の誤報で問題となった朝日新聞社グループの本というのが皮肉だ。(評価A+)
「『歴史認識』とは何か」(大沼保昭 聞き手 江川紹子)
  • 東京裁判、戦後の賠償問題、従軍慰安婦問題などいわゆる「歴史認識」に関わるテーマについて、帯にあるように正に「自虐でも、独善でもなく」冷静に説明されている。事実(不戦条約への違反、平和条約や韓国・中国との国交正常化において何が決まったのか、韓国以外の慰安婦問題)に基づき議論する必要性、相手の立場を理解する重要性など、本書からは問題解決のヒントが得られるのではないか。余談だが、大学3年の時、国際法を担当していた助教授になりたての著者の講義を受け、カール・シュミットの「大地のノモス」という難解なテキストで苦労したのを思い出した。(評価A+)
購入:
「企業価値4倍のマネジメント」(火浦俊彦、べイン・アンド・カンパニー)、「新100年予測 ヨーロッパ炎上」(ジョージ・フリードマン)、「Work Rules!」(ラズロ・ポック)、「大東亜戦争 敗北の本質」(杉之尾宜生)

2015年8月8日土曜日

収穫乏しい東アジアカップ

東アジアカップは男女とも中国との最終戦を残し優勝の可能性が消滅した。

なでしこは2連敗で、今回のメンバーが海外組はじめW杯カナダ大会レギュラークラスとの差が全く詰まっていない=世代交代が進められない状況を改めて露呈した形だ。アンダー世代の世界大会で結果を残しているのに、その後の成長がストップしているのは残念だ。リオ五輪予選突破まで危機とは思わないが、それ以降のフル代表をどう強化するのか、大きな課題が再確認された。

男子は北朝鮮に逆転負けの後、韓国戦何とか引き分けた。リオ世代の遠藤がどうやらフル代表でもポジションを作れそうなのと、山口蛍の「復活」は好材料。しかし、直前までリーグ戦を戦って現地入り後もほとんど練習なしで臨むこの大会について日本協会はどんな位置づけをし、どんな目標を立てたのだろう?今更ながら大きな「?」だ。前回優勝できたから、今回も行けるだろうといった程度の認識ではなかったのでは?と感じざるを得ない。ハリルホジッチの泣き言は見苦しいが、彼の言う事が実は正論なのではないだろうか?

いずれにしても、男女とも完全アウェーの中国戦で勝利するぐらいの気持ちを見せて欲しい。

読了:
「〈未来〉のつくり方」(池田純一)

  • なぜシリコンバレーから画期的なイノベーションが出てくるのか。著者は、(シリコン)バレーの歴史、そこで育った起業家たちがどのような役割を果たしているか、更にはバレーにそうした環境を作るに至ったアメリカ社会論まで展開している。改めて日本ではこのような環境を作り出すことがほぼ不可能だということを確認するにつけ、バレーに渡った日本人から破壊的なイノベーションが生まれることを期待したい。(評価A)
「宇宙を創るダークマター」(キャサリン・フリース)
  • 宇宙の26%を構成するダークマターとは何か?ダークマター研究の第一人者による宇宙論。筆者が物理学者になるきっかけが日本での入院生活にあった話をはじめ、研究者仲間のエピソードもちりばめられているのがユニーク。ダークマターに関するMachoとWimpの争いなど最新研究を読むにつけ、20世紀以降この分野の研究が加速度的に進化しているという事実に驚かされる。人類が宇宙の全てを理解する日も近いかもしれない。(評価A)
「人工知能」(ジェイムズ・バラット)
  • 副題の「人類最悪にして最後の発明」が示すように、筆者はASI(人工超知能)がもたらすのは、シンギュラリティーで有名なカーツワイルが描くようなバラ色の未来ではなく、スティーブン・ホーキングやビル・ゲイツ、イーロン・マスクなどが警鐘を鳴らすように「ターミネーター」の世界であり、人類破滅だという。AIの進化を止めるのが難しいのであれば、どうすれば良いのか?本書を読み進むと、既に後戻りできないところまで来てしまっているのではないか、とやや絶望的になる。果たして2045年(30年後)何が起こるのだろう?(評価A+)

2015年8月2日日曜日

リーグ戦中断期間で立て直せるのか???

ミッドウィークのリーグ戦、F.マリノスはエスパルスに1対2で逆転負け。これで9戦勝利がなく、2ndステージは17位。年間総合順位でも9位に後退した。この試合、俊輔がトップ下に戻ったが、途中交代。兵藤・藤本も交代して後半35分以降はパスの出し手もセットプレーのキッカーも不在となってしまった。ここのところのモンバエルツのマネジメントには「?」を付けざるを得ない。降格圏の年間総合順位16位と勝ち点7まで差が縮まった状況を踏まえ、この中断期間には、残り試合で何をすべきなのか、どうしたら打開できるのか、危機感持って取り組んで欲しい。

土曜日から東アジアカップが開幕した。ディフェンディング・チャンピオンの男子について、前回(2013年)は柿谷、大迫、青山、森重といったメンバーがその後のA代表常連にステップアップするきっかけとなった。今回ハリルホジッチの眼に止まるのは誰だろう?なでしこに関しても、カナダW杯の主力(海外組など)を今後押しのけてリオ五輪メンバー入りする選手が一人でも多く出てきてほしい。

読了:
「マスタリー」(ロバート・グリーン)

  • 世の中の達人は凡人とどこが違うのか?本書ではダーウィン・アインシュタインといった「偉人」から、ボクシングの名トレーナー、ロボット工学の研究者(日本人女性)など現代の「マスター」に共通するのは、人生でやるべきことを見つけ、修業を積み、メンターを超え、あるがままに人を見(社会的知性)、創造的活動期を経てマスタリーへと到達するというステップを踏んでいる事と説く。So what?と片づけるのではなく、今更ながらかもしれないが、少しでも意識して生きよう。(評価A)
「リーン・スタートアップを駆使する企業」(トレヴァー・オーエンス、オービー・フェルナンデス)
  • エリック・リースが著した「リーン・スタートアップ」手法は既存の大企業でも役に立つのか?少なくとも本書が取り上げたGE、グーグル、クアルコムなどの有名企業では、イノベーション推進の手法として活用されている。ただ、スタートアップを立ち上げようとする人材を社内に留めるためのしくみづくり、企業文化として定着させるには大胆な戦略転換が必要となるケースが多いだろう。日本企業が採用するにはアメリカ企業以上に高いハードルがいくつも待ち受けている。(評価A)
「選択と捨象」(冨山和彦)
  • 産業再生機構のCOOとして、また、それ以降もJALのタスクフォースメンバーとして企業再生に取り組んできた著者が、カネボウ・ダイエー・鬼怒川温泉・JALなどの再生物語の内幕を初めて明かした点で、本書は読みごたえのある1冊となった。大切なのは企業ではなく、事業だという著者のメッセ―ジは、実は著者が否定するMBA的発想に他ならないと思うが、そのことを差し引いたとしても、日本の企業ムラでは重く受け止められるべきだ。余談だが、本書を読んで、私自身がかつての職場で本書で取り上げられたいくつかの企業と関わった記憶も甦った。(評価A+)
「『昭和天皇実録』の謎を解く」(半藤一利、保坂正康、御厨貴、磯田道史)
  • 今年3月に最初の2巻が発行された「昭和天皇実録」の全61冊を検証した結果見えてくる昭和天皇の姿は、いくつかの点でこれまで考えられてきたものと異なっていた。また「実録」を読み解くことで、天皇が太平洋戦争の開戦をいつ決意したのか、敗戦・終戦をどの時点から考えていたのかといった点も検証されている。間もなく70年目の終戦の日を迎えるタイミングで改めて昭和史を考えた。(評価A+)
購入:
「最高知『古典』に学ぶ、成功の戦略」(江上剛)、「出現する未来から導く」(C・オットー・シャーマー、カトリン・カウファー)