2014年9月28日日曜日

アジア大会は今後につながる結果が欲しい!

アジア大会。男子サッカーは決勝トーナメント1回戦でパレスチナに快勝し、準々決勝は地元韓国との一戦となった。リオ五輪は勿論、さらにA代表を目指したいのなら絶対に勝たなければならない。体を張って、PK戦でも何でも良いので突破してもらいたい。アンダー世代ではお馴染みの「準々決勝j韓国戦に負けW杯を逃す」というパターンを繰り返してはならない!

なでしこは香港に9対0で勝って準決勝ベトナム戦に進んだ。相手のGKがミスを連発してくれたので点差は割り引いて考える必要がある。自陣に引きこもっている相手にサイドからクロスというのは分からなくもないが、精度が低く、ワンツーで中央突破という形を交えないと厳しいだろう。ただ、ミドルシュートの本数がそれなりに多く、フィニッシュの意識が高かったのは良かった。こちらは来年のW杯連覇が目標なので、決勝(恐らく北朝鮮戦)で欧州組抜きでも楽勝というのが求められる結果だ。

F.マリノスは前節サンフレッチェに勝利したが、得点力不足は変わらず、今節ヴァンフォーレとはスコアレスドローに終わった。結局今週も10位のまま残り試合が減るだけ・・・今後上位および降格争いのチームと戦うことが多い中、どうモティベーションを保てるか???

読了:
「オーガニゼーションズ」(ジェームズ・S・マーチ、ハーバート・A・サイモン)

  • 「現代組織論の原典」というサブタイトルが示すように、組織研究の上で大きな意味のある1冊。古典的な組織論の問題点を明らかにし、構成員個人の行動と組織との関係などが説かれているが、如何せん難解だった。翻訳を手がけた高橋教授自身が認めているくらいなので、一般の読者には難解なのは当然だろう。(評価A)

「隠れたリーダーはなぜ『立ち止まる』のか」(ケヴィン・キャッシュマン)

  • 「U理論」にも通じるところがあると思いながら読んでいると、やはり言及されていた。また、スティーブン・コヴィー博士のリーダーシップ論のように、自分自身を内省し、高めていくことが出発点とされるインサイド・アウトのアプローチが取られている。いったん立ち止まり、本質をとらえる努力をすることが重要ということを再認識させられる。(評価A)

「逆転!強敵や逆境に勝てる秘密」(マルコム・グラッドウェル)

  • "David and Goliath"というタイトルをAmazonの洋書で発見し、原書を読むかどうか迷っていたが、待望の翻訳が出た。ゴリアテが先端巨人症だったという最新学説も面白いが、本書は土俵をどのように設定し、相手をいかに自分のペースに引き込むのかなど、弱者がどうしたら勝てるか、また、障害や逆境を乗り越えた人のエピソードを通じ、「常識にとらわれない」ことの意味を説いている。それにしても毎回面白い題材を見つけてくるものだと感心するほかなかった。(評価A+)
購入:
「競争戦略」(加藤俊彦)、「ソロモンの偽証」(3)(4)(宮部みゆき)、「ブランド論」(デービッド・アーカー)、「エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論」(ヘンリー・ミンツバーグ)、「「ハーバード流ソーシャルメディア・プラットフォーム戦略」(ミコワイ・ヤン・ピスコロスキ)、「ビジネスモデル全史」(三谷宏治)、「グッドワークス!」(フィリップ・コトラー、デビッド・ヘッセキエル、ナンシー・リー)、「ハーバード・ビジネス・レビューBEST 10論文」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部編)、「不祥事は、誰が起こすのか」(植村修一)、「Zero to One」(ピーターティール)

2014年9月20日土曜日

アジア大会開幕。F.マリノスは連敗。

アジア大会が開幕。サッカーは男女とも前回に続く金メダルを目指しているが、どちらも前途多難だ。男子はイラクにまたも敗戦。予選リーグ2位通過が予想される中でいかにチーム一丸となって戦うことができるか。女子は日程調整の失敗で初戦中国とスコアレスドローに終わり、得失点差争いをせざるを得なくなった。こうした試練を乗り越えて金メダルが取れればチーム力向上になり、次の目標(リオ五輪、2015W杯)への大きなアセットができる。日の丸を背負う責任をしっかり果たして欲しい。

F.マリノスはアウェーでアントラーズに完敗。これでナビスコカップ準々決勝から通算4連敗となってしまった。榎本がPKを止めたのでスコアこそ0対1だが、相手のシュートを浴びる一方でシュートゼロ(公式記録では1本というが・・・)に完封され、前節以上に全く点を取れる気がしなかった。アントラーズの守備は確かに良かったが、俊輔がズルズルとポジションを下げてフォワードの伊藤と距離が開き、かといってそこを埋める選手もなく・・・アタッキングサードに入った回数は数えるばかりで、横パス&バックパスの数だけが徒に増えていった。ラフィーニャが復活したのが唯一の明るい材料では・・・順位は変わらないが、レッズとの勝ち点差はついに17まで広がった。本人たちはどう考えようと、第三者の目にはチームの状態は最悪に映る。前回書いた通り、このままでは降格争いに巻き込まれるところまで行きかねない。選手の奮起を促すにはショック療法が必要だ。

(余談)レイソルのネルシーニョ監督が今シーズン限りで退任するという。F.マリノスの弱点を一番分かっていたネルシーニョは来季監督にベストだと個人的には考える。

読了:
「ソロモンの偽証」(1)(2)(宮部みゆき)
  • 「火車」以来久々に読んでいる。主人公はじめ登場する中学生の心理描写が丁寧なのでページ数が多くなるが、それもこの先の伏線なのだろう。様々な事件を受け主人公の「決意」がどこに進むのだろうか?来週末に(3)、(4)が刊行されるので楽しみだ。(評価は全巻読了後まで保留)

「名家老たちの危機の戦略・戦術」(加来耕三)
  • 直江兼続や片倉小十郎、渡辺崋山といった「有名な」家老、二宮尊徳のように有名だが功績は知られていない家老、更には一般には無名な名家老(迷家老含む)が、内紛や財政危機という共通の課題にどのように取り組んだかが分かる。危機におけるリーダーと参謀の役割分担という点では現代日本の企業経営にも通じるところがある。(評価A)

2014年9月14日日曜日

A代表ベネズエラ戦、F.マリノスは連勝ストップ、香川復帰戦でゴール

A代表(監督が主役ではないのでアギーレジャパンとは呼ばないでA代表で行く)のベネズエラ戦は2対2のドロー。全般にはウルグアイ戦より戦えてはいた。新戦力の武藤と柴崎がゴールを挙げたのは収穫だし、得点場面以外でも前半終了間際の柿谷のシュートなどカタチが作れた場面もあった。一方で守備はまたもミスから2失点。監督が監督なら水本も川島も今後招集されない位のエラーだ。アギーレ本人も言っているようにアジアカップのメンバー決定は11月のオーストラリア戦までかかるだろう。個人的には、森重はやはりCB、細貝をアンカーに「戻して」戦った方が守備が安定するように思う。来月どんなメンバーが試されるのか興味深い。

F.マリノス対グランパス戦は約4か月ぶりの生観戦だったが、相手の速攻に良いようにやられ0対2の完敗。観戦時の連敗が4に広がってしまった。ラフィーニャのいない攻撃陣はアタッキングサードで工夫がなくシュートを打たない。エリアの外からのシュートは枠を大きく外れ、セットプレーも俊輔のキックに精度を欠いてクリアされるだけ。唯一齋藤のシュートがサイドネットに当たった時だけ盛り上がった。(バックスタンド側からは入ったように見えたので・・・)試合後にブーイングが出るのは当然という体たらくだった。
 一方のグランパスは高い位置からボールに寄せてきて、こちらの不用意な横パスをカットする場面もあり、川又と永井がフルスピードでゴールに迫ってきた。このため闘莉王が無理に上がることもなく、守備に専念できるくらいだった。闘莉王についてはピッチ上で良く声を出していたのが印象的で、おとなしいマリノスと好対照だった。また、川又については昨年もやられており、中断期間中にどれだけ本気で獲得にいったのか、今更ながら悔やまれるくらいの出来だった。
 これでリーグ戦の連勝が3でストップ、ナビスコカップから3連敗となった。順位が下がらなかったのが唯一の救いで、個人的にはアルディージャやセレッソのようなショック療法をしないと降格争いに巻き込まれてしまう位の危機だと考えている。この体制のままなら、もう今季はスタジアムに足を運ぶのを止める。

香川がドルトムント復帰戦でいきなりの1G1AでMOMに選ばれた。10月には代表に戻るだろう。


読了:
「マックス・ウェーバーを読む」(仲正昌樹)

  • 教養書として多くの著名人が挙げる「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をはじめ、「職業としての政治」や「職業としての学問」などウェーバーの主要著作が分かり易く解説されている。STAP細胞を巡る問題についても「職業としての学問」との関係で語られているところがユニーク。一度読んだ著作について再確認する項目が多かった。(評価A)
「仕事に役立つ経営学」(日本経済新聞社編)
  • 気鋭の経営学者により、各領域の最新理論が現実の経営課題と如何に向き合っているかが紹介されている。企業の経済学(淺羽茂)・事業立地戦略(三品和広)・戦略イノベーション(楠木建)および組織開発(金井壽宏)の4章は著作にも馴染のある筆者によるもので、それぞれの理論を再確認することができたし、ダイバーシティなどまさに「旬」な経営課題の解説は新鮮だった。(評価A)
「経済を見る3つの目」(伊藤元重)
  • 鳥の目、虫の目、魚の目。語呂合わせのような3つの「目」だが、マクロ経済学、ミクロ経済学と経済政策史という3つの経済学分野とオーバーラップしている。本書を読むことで、日々の生活を送る上でどのような経済指標に注目していけば良いか等に加え、「幸せな老後を送るため」にも「先を読む」ことが大切であることを理解できる。(評価A)
「データの見えざる手」(矢野和男)
  • ウェラブルセンサ恐るべしだ。「職場の人間科学」(ベン・ウェイバー)でその存在を知ったウェラブルセンサであるが、日立で8年前から実装していたことは全く知らなかった。本書ではハピネスの測定や「運」の解明までウェラブルセンサによる観察から見えてくるものが紹介されている。ビッグデータと一括りにはできない新たな可能性を感じた。文書も分かり易かった。(評価A+)

2014年9月7日日曜日

錦織快挙! 新生?A代表は黒星スタート

全米オープンで錦織圭が日本人初のグランドスラム決勝進出を果たした。今朝から各局トップニュースになっている。開幕前は出場できるかどうかさえ危ぶまれていたが、組み合わせにも恵まれ3回戦まで体力を温存して勝てたこと、および4回戦と準々決勝の激戦を勝ちきった事が大きな自信になっていたようだ。ジョコビッチとの準決勝でも積極的に攻撃を続けて試合を支配した。これでトップ10に返り咲き、アジア人最上位の8位を確保した。更に優勝すればトップ5に入ることになる!油断することなく、グランドスラム優勝とランキングトップ5という二つの「史上初」を付け加えられるよう頑張って欲しい。

2か月ぶりのA代表はウルグアイに2対0で完敗、厳しい船出となった。相手の守備が固く、新戦力とW杯組の距離感が悪く、ゴール前での動きも少ないので点が取れる気配がしなかった。試合後「今回はW杯組を除外するためのテスト?」と思えたほどで、コートジボワール戦並みの酷さだった。宮本の冷静な解説とアナウンサーのやたらポジティブな実況との違和感がこの試合を現わしていた。武藤のミドルシュートだけが収穫ではまだ途は険しい。ベネズエラ戦はどんな事を試すのだろう?

F.マリノスはナビスコカップ第一レグでレイソルに敗れた。おまけに、栗原の退場に加え中町が骨折で全治4週間、もしかすると俊輔も故障で休養が必要かもしれない。ラフィーニャと齋藤が戻れるのか?やられっ放しは勘弁して欲しいし、出場する選手の奮闘は勿論期待するが、監督の差はいかんともしがたく、率直に言って第二レグの見通しは厳しい。(実際セカンドレグも1対3で完敗。残るタイトルはJ1のみだが、ここも「理論上可能だが・・・」というところまで追い込まれた!)

読了:
「日本人を縛り付ける役所の掟」(原英史)
  • 読み進むうちにだんだん腹が立つ1冊。政官財の癒着というが、財は必ずし企業とは限らない。既得権を持つと一般市民であっても「ヘンな規制」を受け入れてしまうというのがこの国のカタチなのだと改めて思った。おかしな規制についてきちんと根拠条文を示して解説している点が良い。最後の望みである特区が効果を出せないようだと、いよいよアベノミクス沈没も近い。しっかり監視しなければ。(評価A)
「第一次世界大戦と日本」(井上寿一)
  • 今から百年前の戦争は世界を巻き込んだ初の戦争という軍事的な意味合いだけでなく、政治・外交・経済・文化などあらゆる局面で日本に大きなインパクトをもたらしたということを再認識した。それは、日本が世界の主要プレーヤーとして本格デビューするきっかけでもあり、同時に破滅への途の始まり(終わりの始まり)でもあった。(評価A+)
「織田信長〈天下人〉の実像」(金子拓)
  • 「天下布武」の意味から始まり、定説を新たに見つかった史料から批判的に考察していくと、織田信長について全く異なった「実像」が見えてくる。自らが天下統一を狙うというより、天皇・朝廷の守護者として仕える姿は、従来の革命児ではなく他の戦国大名と同様のむしろ保守的なものだった。まだまだ論争を呼ぶテーマだろう。(評価A+)
「『失敗』の経済政策史」(川北隆雄)
  • 戦後から現在まで、特にバブル崩壊後約四半世紀の経済政策を検証しているが、ジャーナリストの手によるものなので、その「失敗」の評価は相当割り引いて考えなければならない。特に小泉改革の評価についてはステレオティピカルで、派遣割合の推移など引用しているデータも2003年以降のものだけを示すなど都合の良いものだけをピックアップしている。日本のジャーナリストのPoorな実力を示す一冊。(評価C)
購入:
「ソロモンの偽証」(2)(宮部みゆき)、「逆転!強敵と逆境や勝てる秘密」(マルコム・グラッドウェル)