2010年12月25日土曜日

天皇杯ベスト4&2010年に読んだ本ベスト10

天皇杯は4強が出揃った。すばり本命ガンバ、対抗アントラーズだろう。ガンバは遠藤抜きでセミファイナルを戦わなければならないのが不安ではあるが・・・アントラーズはACL出場のモチベーションが一番高いので、準決勝は勝てるだろう。ただ、相手がガンバだとそこで目標達成になるので決勝は???それにしてもFC東京の攻撃はなんと雑なことか!降格もやむなしと納得。今日解説の早野氏が言っていたように、この様子ではJ2でも苦戦するのではないか?

去年もやったべスト10。感想をざっと読みなおすと、印象に残っている本で、A+をつけていなかった本が何冊かあった。その点を修正した上でジャンルをある程度ばらして選定した。
  1. 「ストーリーとしての競争戦略」(楠木健)
  2. 「ビジネスで一番大切なこと」(ヤンミ・ムン)
  3. 「フリーライダー」(河合太介、渡部幹)
  4. 「世紀の空売り」(マイケル・ルイス)
  5. 「マルコム・グラッドウェルThe New Yorker傑作選」
  6. 「エグゼクティブの悪いくせ」(綱島邦夫)
  7. 「戦略思考のフレームワーク」(西村行功)
  8. 「宇宙は何でできているのか」(村山斉)
  9. 「選択の科学」(シーナ・アイエンガー)
  10. 「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)
10位の「銃・病原菌・鉄」については出版は前だったが、今年読んだためランクイン。8位と9位の2冊については、評価はAだったのだが、印象に強く残っていたことから逆転でランクインした。他にも「ビジョナリー・カンパニー③衰退の法則」(去年原書を読んだのでランクインせず)、「カイシャ維新」(朝日新聞社が最近ビジネス書の出版で頑張っていることの証でもある)、「戦略的思考をどう実践するか」(ゲーム理論テキストの最高峰ではないか)などが惜しくもランク外となったが、印象に残っている。

この週末で大量に買い込んだ本で来年末まで印象に残るものは何冊あるだろう?

2010年12月24日金曜日

アジアカップ日本代表

1月のアジアカップ代表の顔ぶれは、予想したよりも「マイルド」な感じだ。初選出は李のみで、「海外組」が8名。思いのほか「保守的」な人選のように思われる。マリノスはゼロ、予備登録で最多だったFC東京からは結局権田と今野だけが残った。中澤、栗原、闘莉王、森本がけがをしている中で、それでも勝ちに行こうということなのだろう。天皇杯の日程の関係で準備できる期間が限定されるが、それでも3位以内はノルマだと思う。月並みではあるが頑張ってほしい。

読了:
「デジタル・リーダーシップ」(ポール・A・アルジェンティ、コートニー・M・バーンズ)
  • タイトルがミスリーディング。内容はコーポレート・コミュニケーションをどのようにSNSなどの流れに合わせていくべきかということ。ツイッタ―やFacebookなどが「炎上」したときにどうすべきかという点については参考になったが、それ以外では直接仕事につながる点がなかった。(評価B+)
「デフレの正体」(藻谷浩介)
  • 今年のベスト経済書で上位にランクされているだけのことはある。Factに基づく分析を徹底し、空気に流されないスタンスからの現状分析は説得力がある。世代間の所得移転を推進することについては、総論は賛成だが、自分も譲渡する側なので、将来の年金像が明確にならないと実行には反対だ。そこをもっと政策的に詰める必要があるだろう。(評価A)
購入(年末・年始の休み用というわけではないが、大量に買い込んでしまった。)
「バランスシートで考えれば、世界の仕組みがわかる」(高橋洋一)、「経営戦略の巨人たち」(W・キーチェル三世)、「企業戦略白書Ⅸ」(沼上幹、一橋MBA戦略ワークショップ)、「面白がる思考」(山梨広一)、「プロフェッショナルマネジャー・ノート」(プレジデント書籍編集部編)、「繁栄(上)、(下)」(マット・リドレー)、「ハーバードの人生を変える授業」(タル・ベン・シャハー)、「野村総合研究所のやる気を引き出すチーム改革」(野村総合研究所品質管理本部)、「超MBA進化論」(大中忠夫)、「組織エスノグラフィー」(金井壽宏、佐藤郁哉、ギデオン・クンダ、ジョン・ヴァン・マーネン)

2010年12月18日土曜日

ラストスパート

今週はとにかく会議ばかりの1週間だった。海外との電話会議5回、フェイストゥーフェイス13回は多分最多記録だろう。外人たちがクリスマス休暇に入る前に終わらせるという事情があるので、半分以上は英語の会議。とにかく、しんどかった。年末までの2週間は多少時間的な余裕ができるので、改めて来年のプランをどう実現するか考えよう。

チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦の組み合わせが決まった。UEFAが仕組んだのか、インテル対バイエルン、バルセロナ対アーセナル、レアルマドリー対リヨンはいずれも「因縁のマッチ」ということで、盛り上がるだろう。ただ一人参戦する内田にも頑張ってもらいたい。

読了:
「東大講義録 文明を解くⅡ」(堺屋太一)
  • 遷都論はともかく、農業については生産者の確保を重視すべきといった大胆な発想転換なしに、日本の将来はないという点は肯けるところが多い。グローバル経済の論理が理解しきれない日本は、今回のTPP参加を逃したら、それこそ「平成三十年」の世界にまっしぐらに突き進んでしまうという危機感を改めて感じた。(評価A)
「ザ・ライト・ファイト」(サジュ=ニコル・ジョニ、デイモン・ベイヤー)
  • 「仲良しグループ」では組織の発展はない。リーダーは時に大胆に対立を仕掛けることで組織の活性化を図る必要がある。その通りだと思う一方で、日本人のメンタリティは方向性の対立が即感情的な対立になり、そのしこりが取れない、という問題も認識する必要があると思う。副作用はあるが、うちの現状を考えると、リーダーとしてはライト・ファイトを仕掛けてみようと考えた。(評価A)
「直観力マネジメント」(ユージン・サドラースミス)
  • 分析症候群に陥ることなく、スピード感のある経営をするには直観力が重要という点は同意できる。しかしながら、時に拙速だとしても後戻りできるようリスクヘッジをしておく事も必要だろう。また、結局のところ分析と直観両方を使い分けることができなければ最終的な勝利はつかめないのも事実だ。(評価A-)
「場のマネジメント 実践技術」(伊丹敬之、日本能率協会コンサルティング)
  • 組織力、とりわけ現場力の強化を図るために「場」の設定が有効という点はAgree。ただ、スピードの求められる外資などではワイガヤが定着するまで待てないというのが正直なところだ。それよりは少数の精鋭を選んで、彼らにリードさせる手法を選んだ方が良いのではないかと思う。(評価B+)
購入:
「お金の流れが変わった」(大前研一)、「シェア」(レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース)、「ストレスフリーの整理術」(デビッド・アレン)、「『人を動かす人』になるために知っておくべきこと」(ジョン・C・マクスウェル)、「デフレの正体」(藻谷浩介)

2010年12月12日日曜日

不景気?

昨日は横浜で必要なものをあれこれ購入。世間ではボーナス支給最初の週末ということで、デパートはごった返していた。こういうところだけ見ると、日本の景気はそれほど悪く思われない。しかし、もっとマクロに見ると、内需だけではなく外需までもっと取り込んで需給ギャップを埋めないといけないのは明らか。先週読んだ「日本経済『余命3年』」ではないが、どんどん「左翼化」を強める民主党政権ではこの国は地盤沈下するだけだ。うちのような外資はそのあたりにとても敏感で、かつ大胆な組織変更(採算のとれない事業からの撤退まで含む)は厭わないので、来年以降本当に結果(=日本でも儲かるビジネスをやっていける事の証明)が求められるだろう。(Jが終わったのでちょっと真面目な話題になった)

今年のデューク・ブルーデビルスはNCAAバスケットボールトーナメント連覇の期待が大きいが、ここにきてスーパー1年生(カイリー・アービング)が足のけが(重症らしい)で欠場したため、やり方を変える必要が出てきた。ここはコーチKの下、他のメンバーが頑張ることで、アービング復帰後に一層強くなれるようにして欲しいと思う。

読了:
「ダメになる会社」(高橋伸夫)
  • 結局会社は経営トップの器以上にならない。株主のチェックなどフィクションである。だからまともな経営者が経営している(ように見える)会社が良い会社ということなのだろう。冒頭のAプロダクション(アミューズだと思う)の株主総会の話が一番良かった。(評価A-)
「不合理だからすべてがうまくいく」(ダン・アリエリー)
  • 「予想どおりに不合理」に続く第二弾。著者が負った大けがの治療に関する描写はリアルすぎてちょっと気が重くなったが、それ以外は前作に負けず示唆に富んでいたと思う。著者がデュークにいる間にいちど話を聞いてみたい。2016年のリユニオンに行く理由がまた一つできた。(評価A+)
「日本経済『余命3年』」(竹中平蔵、池田信夫、鈴木亘、土居丈朗)
  • 共著者4人とも大臣経験者や仕分け人など政府の経済政策決定に近いところにいた経験者だけに、「経済学での常識が実現されない」という思いが強く出ていると思う。提案されている政策も現政権の何がしたいのか分からない政策よりもずっと良い。国債の売却タイミングを早めようかと思った。(評価A)
「東大講義録 文明を解くⅠ」(堺屋太一)
  • 自己紹介の場から自慢話が多いのは気に障るが、やはり著者の歴史にかかわる慧眼には敬服させられる。現在にも十分通じる問題提起もあり、逆に日本が結局「平成30年」の世界にまっしぐらに進んでいるという危機感を覚えた。Ⅱにも期待。(評価A)
購入:
「直観力マネジメント」(ユージン・サドラースミス)、「場のマネジメント実践技術」(伊丹敬之+日本能率協会コンサルティング)、「デジタル・リーダーシップ」(ポール・A・アルジェンティ、コートニー・M・バーンズ)

2010年12月4日土曜日

来年はマリノス?

J1最終節でFC東京の降格が決まった。代表クラスの選手を揃えながら勝ちきれなかった事が最後に響いた。何か来年のマリノスの姿を見ているようだ。それにしてもマリノスの経営陣はお粗末!去年俊輔と契約寸前で破談となり社長交代に至った事が全く生かされていない。今回の松田・山瀬たちへの戦力外通告のやり方は、他の選手のみならずサポーターに対する説明責任を全く果たしていない。これまでハーフナー、乾をはじめマリノスを出ていった後から活躍している選手が数多くいることで、サポーターは現状のチームマネジャーの選手を見る目について大きな疑問を持っていると思う。であれば尚更このことを前提にして説明責任を果たすすべきだ。マリノス経営者のやり方は下手すぎる。来季も今年同様の成績が続くなら監督と社長・強化部長みんなで辞めていただこう。

読了:
"Power" (Jeffrey Pfeffer)
  • 権力の源泉は何か。どのようにすれば効果的にPowerを使えるのか。その代償は何か。かつての”Managing with Power"とは違った意味で権力の分析を行った一冊。立居振舞いひとつをとっても「どうすれば優位に立てるか」というノウハウは参考になる。(評価A+)
「強さと脆さ」(ナシーム・ニコラス・タレブ)
  • 「ブラック・スワン」のペーパーバック化の際に追加された補足が別冊の形で出版されたもの。著者が「ブラック・スワン」で言いたかったこと(と言ってはいなかったこと)が説明されている。ただ、これを本当に理解するのには本当の意味で教養が必要。(評価A)
購入:
"Strategy from the Outside In" (George S. Day, Christine Moorman)、「東大講義録 文明を解くⅠ、Ⅱ」(堺屋太一)、「日本経済『余命3年』」(竹中平蔵、池田信夫、鈴木亘、土居丈朗)、「ザ・ライト・ファイト」(サジュ=ニコル・ジョニ、デイモン・ベイヤー)

2010年11月28日日曜日

連敗は脱出したけど・・・

マリノスはガンバに勝って連敗をストップ。ただ、今日の報道では松田に戦力外通告がなされたらしい。キャラが強すぎるところはあるが、長年マリノス一筋に戦ってきた選手であり、まさに今、中澤・栗原不在の中で守備の要になっているのに・・・他の選手への影響もありそうだし、来季に向け気になるところだ。4日の最終戦はやはり他の用事で行けそうにない。試合終了後どんなことが起きるのか???

アジア大会での男女アベック優勝は本当に良かった。男子については北朝鮮・韓国をUAEが破ってくれたお蔭もあるが、少なくとも今回の大会を通じ、UAE以外の中東のチームと中国には現時点でも実力差があることを証明できたのではないか。来年のオリンピック予選ではここにオーストラリアが入ってくる。香川抜きでも金崎、権田などのA代表経験者と大迫や宇佐美・小野たちなど有望な選手が増えて選考が難しくなってきたのは嬉しい誤算だ。是非オリンピック出場を途絶えさせることなく勝ち進んでほしいと今から思う。

読了:
「日本経済のウソ」(高橋洋一)
  • 日銀による金融政策の問題を説いた本の一冊。残念ながら国民新党を斬れない民主党政権では「まずは財政政策」という昔ながらの財政政策しか期待できない。ただ、中にはまっとうな議員もいるはずなので、こうした本をしっかり勉強して本当の経済対策を打ってほしいものだ。(評価A)
「経済古典は役に立つ」(竹中平蔵)
  • 竹中教授が経済史?とは誰もが思う疑問だろう。内容はいつもながら分かり易く、「問題解決のための書」としての古典という明確な位置づけには好感を持った。返す返すも2007年の安倍政権で改革にブレーキを踏んだことが惜しまれる。2007年7月の改造内閣発表翌日に著者に会った時非常に心配していたのを思い出した。(評価A)
購入&読了:
「『話し合い』の技術」(ウィリアム・L・ユーリ、ジーン・M・ブレット、ステファン・B・ゴールドバーグ)
  • 名著"Getting to Yes"の著者(ウィリアム・L・ユーリ)たちが1980年代に炭鉱を舞台に問題解決・ネゴシエーションのプラットフォームを創った過程をたどり、紛争解決の方法論を明らかにしている。IRP(利益―権利―権力)のモデルはシンプルだが、紛争解決に際しての有効なガイドになると思う。(評価A)
購入
"Power"(Jeffrey Pfeffer)、「ダメになる会社」(高橋伸夫)、「不合理だからすべてがうまくいく」(ダン・アリエリー)、「強さと脆さ」(ナシーム・ニコラス・タレブ)、「(新版)MBAビジネスプラン」(グロービス経営大学院)

2010年11月21日日曜日

アジア大会などなど

2週間ぶりのテニスで、体が痛い。多少は上達しているが毎週1回では限界もある。まあこれで満足しよう。

アジア大会の男子サッカーが準決勝に残ったのは朗報。来年のロンドン五輪予選を考える時、多くの選手がアジアの中で通用する事を証明できたと思う。このメンバーに金崎や宇佐美、指宿、大迫、できればマリノス小野などが加わる事で一層強くなってほしい。香川を予選に呼ぶ必要がない位のプレーを見せてくれ!

マリノスはここへきて痛すぎる連敗(天皇杯まで入れると3連敗)。やはりCB2枚が欠けた影響は大きい。もはやこれまでか?続投も決まったことだし、木村監督には思い切って若手で戦ってもらいたいような気もする。最終戦(アルディージャ)は見に行こうと思う。

バルサもレアル・マドリーも圧勝。次節(日本時間30日朝)はいよいよクラシコだ。DVDの予約を忘れないようにしよう。

読了:
「エグゼクティブの悪いくせ」(綱島邦夫)
  • 著者が上げる5つの悪いくせ①現場主義の理解の軽薄化、②長期的視点の欠落、③独自の工夫への過度なこだわり、④「企業は人なり」での思考停止、⑤率先垂範の悪循環はいくつかの点でわが社のような外資の日本支店にも当てはまる。企業文化ではなく、日本人エグゼクティブの考え方の問題だと考える。(評価A+)
「選択の科学」(シーナ・アイエンガー)
  • 行動経済学などの本にたびたび登場する「ジャムの実験」(=選択肢が多くなると選択できなくなることを示す実験)をやったのはこの人だったのか、と納得。この本の良いところは選択することには責任が伴うのだということをキチンと伝えていること。本当に盲目の人が書いたのかと思うくらいにアメリカ映画やTVの内容に言及されているのも面白い。(評価A)
"Buy-in" (John P. Kotter, Lorne A. Whitehead)
  • 初めてKindleで購入し、読み終えた。良いアイディアを守りバイイン(賛同とコミットメント)を得るため、24タイプの攻撃(「過去にやったができなかった」、「うちは他所とは違う」、「全ての論点が議論されていない」などどこかで聞いたことのある攻撃ばかりだった。)にいかに対応するか。ストーリーと解説という2部構成なので実例を考えながら読むことができた。変化を怖がるスタッフをどのように導いたらいいのか、参考になる。i-Padはちょっと重いけど、これなら読んでいけると確信できた。次は何を読もうか?(評価A)
購入&読了:
「売れる数字」(佐藤義典)
  • 「戦略BASiCS」や「3つの差別化軸」に加え、戦略指標での管理の重要性が説かれている。やや「お客様は神様です」的なマーケティング人間の特徴が出ていて、若干違和感を覚えるところもあるが、「マーケティングをマーケティング部門だけのものにしない」という根本的な考え方はその通りだと思う。(評価A)
購入:
「日本経済のウソ」(高橋洋一)、「経済古典は役に立つ」(竹中平蔵)


2010年11月14日日曜日

10KM Walk

 今日は会社(社員会)行事に参加して10KM歩いた。30年近く前に山手線1周というのをやったが、やはり年齢のせいで疲れ方が違う(-_-;)しかし、青山墓地の中や六本木ヒルズ・東京タワーといったコースを歩くと、いろいろと発見もあり、面白かった。当然、良い運動にもなった。来年もやるということなので、もっと部下たちを参加させようと思う。

 J1ではパープルサンガとベルマーレの降格が決まった。残り1チームがどこになるか・・・マリノスはFC東京にアウェイに続き敗戦。取られた3点はすべて平山・・・両CBの離脱が今後も影響しそう。もはやこれまでか?

読了:
「『戦略課題』解決21のルール」(伊藤良二)
  • まとめ方について21にする必然はなかったように思われるが、戦略コンサルがどうやって経営課題を考え、解決を図るかが良くまとまっている。うちのマネジメントに一番欠けている点も良く見えてくる。(評価A)
「予想通りに不合理(増補版)」(ダン・アリエリー)
  • 改めて傑作だと思う。実例には納得できるものが多く、この本が高く評価されていることがうなずける。前回気づかなかったが、同僚にデュークでマーケティングを習った助教授の名前を見つけて懐かしかった。次回リユニオンに出席したときには是非話を聞いてみたい。(評価A+)
「ガイアの夜明け」(テレビ東京報道局 編)
  • 毎度のことながら、この種の本を読むと感じるのは、日本企業もまんざら捨てたものではないということ。しかし残念ながら世界の企業はそれ以上に進化している。ギャップはますます大きくなっていると思う。せっかくの政権交代でも守られる既得権者は変わっていない。いつまで政治は経済の足を引っ張り続けるのだろう。(評価A)
「ファイナンスと事業数値化力」(大津広一)
  • コーポレートファイナンスのやや高度な入門書(矛盾しているけどこれが一番しっくりする)。MBAコースで実際に出されるFAQがベースなので、実践的な内容になっている。前著のアカウンティングと同様に部下に推薦できる1冊。(評価A)
購入:
「エグセクティブの悪いくせ」(綱島邦夫)、「選択の科学」(シーナ・アイエンガー)

その他:
バルサはビジャレアルを圧倒。点差以上に実力差があることを証明した。29日のクラシコが楽しみだ。
年末は温泉に行くことが決定。こちらも楽しみだ。

2010年11月6日土曜日

少しリフレッシュ

 今週前半までが出張やワークショップ、来客と超多忙だったため、水曜日にマッサージに行った。体中がガチガチになっていたので、終わった後痒くなるくらい血行が良くなった。

 マリノスはベルマーレに快勝。終盤は小野に点を取らそうとボールを集めていたが、そんなことができる位チーム力に差があった。まるでビジャに点を取らそうとするバルサのようでもあった。

 i-Padも少しずつ用途が増えてきた。ノマドとまでは行かなくとも少しだけデジタル化を進めようと思う。電子書籍も買ってみるつもりだ。

読了:
脳が冴える15の習慣」(築山節)
  • いくつかの習慣は意識せずともやっていたところだが、机の整理や雑用の実行など更に意識してやっていこうと思う。さすがに売れているだけのことはある。(評価A)
「恐れるな!」(イビチャ・オシム)
  • 日本代表は何故ベスト16に留まったのか、パラグアイには勝てなかった事への無念さが一杯詰まった本だ。一番面白かったのは2014年の中心選手に俊輔を指名しているところだ。俊輔への応援メッセージだったのだ。(評価A)
「宇宙は何でできているのか」(村山斉)
  • たまに自然科学の本を読んでみると自分が学んできた事がずいぶん変わっていること(=新たな理論が生まれていること)が良く分かる。素粒子物理学が宇宙の謎を解くというのは考えるほど面白い。そういえば小学生の頃は夜空を眺めるのが好きだったな・・・(評価A)
「i-Padを仕事でどう使うか」
  • i-PadはPCとどう違うのか、どうすれば生きるのかよく理解できた。
「十字軍物語」(塩野七生)
  • 寄せ集め集団の第一次十字軍がどうやってエルサレムを「奪還」したか、その中で主役たちがどのように成長したか(しなかったか)、イスラム側も一枚岩でなかった様子なども含め改めて確認しした。(評価A)
購入:
「ガイアの夜明け2011」(テレビ東京報道局編)、「ファイナンスと事業数値化力」(大津広一)、「予想通りに不合理」(増補版)(ダン・アリエリー)、「『戦略課題』解決」(伊藤良二)

少しリフレッシュ

 今週前半までが出張やワークショップ、来客と超多忙だったため、水曜日にマッサージに行った。体中がガチガチになっていたので、終わった後痒くなるくらい血行が良くなった。

 マリノスはベルマーレに快勝。終盤は小野に点を取らそうとボールを集めていたが、そんなことができる位チーム力に差があった。まるでビジャに点を取らそうとするバルサのようでもあった。

 i-Padも少しずつ用途が増えてきた。ノマドとまでは行かなくとも少しだけデジタル化を進めようと思う。電子書籍も買ってみるつもりだ。

読了:
脳が冴える15の習慣」(築山節)
  • いくつかの習慣は意識せずともやっていたところだが、机の整理や雑用の実行など更に意識してやっていこうと思う。さすがに売れているだけのことはある。(評価A)
「恐れるな!」(イビチャ・オシム)
  • 日本代表は何故ベスト16に留まったのか、パラグアイには勝てなかった事への無念さが一杯詰まった本だ。一番面白かったのは2014年の中心選手に俊輔を指名しているところだ。俊輔への応援メッセージだったのだ。(評価A)
「宇宙は何でできているのか」(村山斉)
  • たまに自然科学の本を読んでみると自分が学んできた事がずいぶん変わっていること(=新たな理論が生まれていること)が良く分かる。素粒子物理学が宇宙の謎を解くというのは考えるほど面白い。そういえば小学生の頃は夜空を眺めるのが好きだったな・・・(評価A)
「i-Padを仕事でどう使うか」
  • i-PadはPCとどう違うのか、どうすれば生きるのかよく理解できた。
「十字軍物語」(塩野七生)
  • 寄せ集め集団の第一次十字軍がどうやってエルサレムを「奪還」したか、その中で主役たちがどのように成長したか(しなかったか)、イスラム側も一枚岩でなかった様子なども含め改めて確認しした。(評価A)
購入:
「ガイアの夜明け2011」(テレビ東京報道局編)、「ファイナンスと事業数値化力」(大津広一)、「予想通りに不合理」(増補版)(ダン・アリエリー)、「『戦略課題』解決」(伊藤良二)

2010年10月31日日曜日

出張&ワークショップ終わり

 先週は名古屋&福岡への出張とワークショップの2つのイベントがあったため、いつも以上に慌ただしく過ぎた。フォローはいろいろと必要だけど、達成感もあった。今週は水曜日が祝日なので少し体を休めたい。
 今朝は早く目が覚めたのでバルサ対セビージャの後半(の後半)を見た。セビージャに退場者が出たこともあって一方的な試合だったが、ようやくビジャも馴染んできたきたようで、久々強くて美しいバルサらしいサッカーを見られた。

読了:
「群れのルール」(ピーター・ミラー)
  • この本を読むとアリやミツバチの本能というのはすごいものだと改めて感心すると共に、人間も所詮動物なのだと思える。特に面白かったのはロード・オブ・ザ・リングの怪物やマイノリティ・レポートのロボットなどが動物の動きを基にCGで作られていたということ。応用範囲は大きいのだと再確認した。(評価A)
「大いなる不安定」(ヌリエル・ルービニ、スティーブン・ミーム)
  • 金融危機(いわゆるリーマンショック)がブラックスワンではない(特異な現象ではない)という著者の指摘は、今回の危機を以前から予測していた学者の発言だけに重いものがある。処方箋もいろいろ書かれているが、日本については言及されず、何やら没落の道をたどるのみなのかと悲しくなる。(評価A)
「インビジブル・エッジ」(マーク・ブラキシル、ラルフ・エッカート)
  • 元BCGのコンサルタントだけに企業戦略の分析がしっかりしていて読みやすかった。ブリジストンの例が冒頭に紹介されているように、日本企業がこれからも勝ち抜いていくために、これまで以上にしかりとした知財戦略を持つ必要があると感じた。(評価A)
購入:
「i-Padを仕事でどう使うか」、「宇宙は何でできているのか」(村山斉)、「恐れるな!」(イビチャ・オシム)

2010年10月24日日曜日

サラ・ブライトマン&i-Pad

 この週末は忙しかった。金曜日の夜はサラ・ブライトマンのコンサート。おしゃべりは本当に最小限で歌を聴かせる事に徹していた。トゥーランドッド(「もう寝てはならぬ」)も迫力満点だったが、やはり「ファントム」は泣かせる。
 昨日はついにi-Padを買った。とりあえずMapやYoutubeを見ただけではあるが、できることが沢山ありそうなので楽しみだ。(月並みな言い方ではあるが、これが正直な気持ち)

読了:
「経営は『実行』(改訂新版)」(ラリー・ボシディ、ラム・チャラン、チャールズ・バーク)
  • 初版は原書で読んだので、日本語では初めて読んだ。人材・戦略・業務の3プロセスに注力することや、7つの基本行動は当たり前ではあるが、実行できるかがリーダーの実力というのは120%共感できる。特に「己を知る」ことは一番難しいかもしれない・・・(評価A+)
「つながり」(ニコラス・A・クリスタキス、ジェームズ・H・ファウラー)
  • 社会的ネットワークに関する本は何冊か読んだが、この本を読むと「人間は社会的動物である」という意味がよくわかる。伝染するのは病気に限らない、肥満までうつるというのは非常に驚きだった。(評価A)
「クラウド情報整理術」(村上崇)
  • i-Padをどう使うか購入前から考えて、何冊かクラウドに関する本を買った。本書はその1冊。グーグルやエバーノートと合わせることで情報整理が可能という。うちの場合、会社のメールをいかに組み合わせられるかが課題。まずは始めてみよう。(評価A)
「組織の重さ」(沼上幹、軽部大、加藤俊彦、田中一弘、島本実)
  • 組織の劣化が日本企業が本来持っていた強みを消してしまった、という仮説をBU単位で実証している。成長の鈍化と組織の劣化はニワトリと卵のような関係なのだろう。今後国内の市場の成長が益々困難になる中では、大きな改革が必要だと改めて感じた。(評価A)
購入:
「インビジブル・エッジ」(マーク・ブラキシル、ラルフ・エッカート)、「大いなる不安定」(ヌリエル・ルービニ、スティーブン・ミーム)、「脳が冴える15の習慣」(築山節)

2010年10月17日日曜日

二つの韓国戦(続)

 U-19は逆転されて敗戦、フル代表はスコアレスドローと前回書いた二つの韓国戦で勝利することができなかった。ロンドンオリンピック・ブラジルW杯にとって嫌な結果だ。特にオリンピックについては連続出場が困難になったと思う。ちょっとだけ救いは昨日のJで宇佐美や原口といったU-19世代が活躍したこと。いっそ1月のアジアカップでの代表に入って経験を積んでほしい。

読了:
「戦略は直観に従う」(ウィリアム・ダガン)
  • 最近「フレームワーク」VS「パーソン・スペシフィック」(成功はフレームワークに従うことで達成できるのか、それとも属人的な要素が大きいのか)という二つの見方が気になっている。本書を読むと経営での成功は誰が行ったかによるという点がより重要に思えてくる。ただし、救いは単なる思い付き=戦略的直観ではないということ。(評価A)
「ドラッカーの講義」(P.F.ドラッカー)
  • オリジナルはビデオなどで現存するドラッカーの講義を古いものまで含めて集めたもののようだが、日本語版は90年代以降のものに限って訳出されている。内容はこれまでに刊行されている著作とオーバーラップしているが、生の声の再現ということで、より臨場感があるように思われた。(評価A-)
「BCG流 競争戦略」(デビッド・ローズ、ダニエル・ステルター)
  • 不況下でも競争優位は構築できると帯に書かれているが、これでサマリーできるのではないか。信越化学、日東電工、ユニクロといった常連ばかりでなく、ヤマダ電機が取り上げられているのが珍しかった。戦略の方向性自体はラム・チャランの「徹底のリーダーシップ」に書かれていた内容とオーバーラップする。まずはファイナンシャルポジションを固めるというのは日本企業にはなじみづらいかもしれないが、まさに常道だと思う。(評価A)
「スティーブ・ジョブズの流儀」(リーアンダー・ケイニー)
  • これを読んで、パーソン・スペシフィックの重要性を更に認識した。もうひとつ大切なのはぶれないこと。結果が間違っての撤退はありうるが、中・長期的に成功するにはリーダーが決してぶれてはいけない、少なくとも何をもって競争優位を構築するかという点での考え方がぶれないことが求められるのだと思う。(評価A+)
購入:
「クラウド情報整理術」(村上崇)、「Dropboxポケットガイド」(大河原浩一)、「つながり」(ニコラス・A・クリスタキス)、「群れのルール」(ピーター・ミラー)


2010年10月10日日曜日

渋谷ジュンク堂&丸善

 久々に渋谷でお買い物。東急百貨店本店にジュンク堂&丸善ができたので行ってみた。ブックファーストが移転した今では渋谷で最大だろう。品揃え豊富で、目移りしながらも、新刊&「これは」を発見できた。

購入:
「超ヤバい経済学」、「世紀の空売り」(すでに読了)はアマゾンで購入(9月27日)
「組織の<重さ>」(沼上幹、軽部大、加藤俊彦、田中一弘、島本実)(アマゾンで購入)
以下は本日購入
「経営は『実行』」(改訂新版)(ラリー・ボシディ、ラム・チャラン、チャールズ・バーク)、「スティーブ・ジョブズの流儀」(リーアンダー・ケイニー)、「BCG流競争戦略」(デビッド・ローズ、ダニエル・ステルダー)

2010年10月9日土曜日

来週は二つの韓国戦

 アルゼンチン戦は結局残業で見られなかった。録画を飛ばし飛ばし見た限りでは、ボール支配率は明らかにアルゼンチンが上のようだ。それでも負けたのだから「コンディションが悪かった」のは間違いないだろう。しかし、今まではそんなアルゼンチンが相手であったとしても負けていたのだから、勝ったことは意味が大きいと思う。12日の韓国戦が楽しみになってきた。
 韓国戦と言えば、11日にはU-20アジア大会の準々決勝がある。二年前には途中で香川が帰国した日本は韓国に敗れ、世界への切符を逃している。今回のここまでの状況からすると、予選リーグ最終戦で宇佐美たち主力メンバーを温存できた日本の方が、オーストラリアと1位をかけて戦った韓国より有利だ。このアドバンテージをフルに活かしてもらいたい。

読了:
「世紀の空売り」(マイケル・ルイス)
  • やはり「サブプライム」の崩壊で儲けた人がいたのか!というのが率直な感想。「マネー・ボール」も良かったけど、この本も超一級品だと思う。マイケル・ルイスにとっては心外なことだろうが、この本が「ライアーズ・ポーカー」に代わって今後ウォールストリートをめざすMBAの教科書になるのだろう。投資銀行もいつのまにか復活し、また次のラウンドが始まる。そんな予感もしている。(評価A+)
「『システム思考』教本」(枝廣淳子、小田理一郎)
  • ループ図を完璧に使いこなすことはできなくても、システム思考は使いこなしたい、と改めて思う。懐かしいビアゲームのエピソードなどもあるし、会社の席に置いておくことにしたい。(評価A)
「この国を出よ」(大前研一、柳井正)
  • このままでは日本の没落は止められない、何とかしないと、という思いが伝わってくる1冊。中途半端に国内市場があるばかりで世界に目を向けられない日本企業が、これから如何にグローバル・エコノミーの中で戦えるのか?時間はほとんどない。民主党政権で何ができるのか?(評価A)
「『日本品質』で世界を制す!」(遠藤功)
  • 世界で戦うためのヒントは品質、それもこれまでとは次元の異なるHQM(Holistic Quality Management)の導入が必要。遠藤さんのメッセージはシンプルだが、深い。それにしても品質に対する「うち」の認識の甘さを思い知らされた。(評価A)

2010年10月3日日曜日

ザックジャパンのメンバーは

 ザックジャパンのメンバーが発表された。FWにこれまでMF登録の選手を入れて8名を招集したところ、MFには「ボランチ」ばかり集めているところなどが特徴とされるが、全くの新顔が2名に留まっている事にも注目したい。2014年へ向けて中期的なプランを考えるというのであれば、アジア大会の出場を見送ったU-21世代をもっと登用しても良かったのではないか?このあたり協会がどのように考えているのだろう?アジア大会のメンバー選定についてセルジオが怒っているが、全く同意する。この世代はU-19で世界と戦う経験を積めていないので、オリンピック予選を睨んでももっと経験させるべきだ。だんだんサッカーまで「ガラパゴス化」しないか心配になってくる。杞憂だといいが・・・

読了:
「ウェイ・マネジメント」(グロービス)
  • ブレない経営のためにしっかりとした「バックボーン」を持つことは重要だと思う。そういう意味で「ウェイ」をどのように作るかは真剣に考えたい。本書のアプローチはまさにこれから部門のバックボーンを創ろうとしている中で参考になった。(評価A)
「コーチング・リーダーシップ」(伊藤守、鈴木義幸、金井壽宏)
  • 神戸大学のMBAコースの内容をダイジェストしたもの。自分のやり方はどうしてもティーチングに偏りがちなので、コーチングメソッドの良いところはどんどん取り入れたいと思う。(評価A)
「超ヤバい経済学」(スティーブン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー)
  • 売春の経済学や地球を冷やす方法など「ぶっ飛んだ」テーマはあるが、全般には前作の方が「ヤバかった」ように思う。経済学的に考えると答えは違う可能性があるということを知らしめるという意味ではこの著者の戦略は成功しているといえるだろう。(評価A-)
購入:
「戦略は直観に従う」(ウィリアム・ダガン)、「この国を出よ」(柳井正、大前研一)、「『システム思考』教本」(枝廣淳子、小田理一郎)、「ドラッカーの講義」(P.F.ドラッカー著 リック・ワルツマン編)、「『日本品質』で世界を制す!」(遠藤功)

2010年9月26日日曜日

体調管理

 ここのところ急に涼しくなったせいで、風邪を引いたようだ。何となく熱っぽいし、咳が出る。テニスをやったのも裏目に出た。これ以上悪化しないよう気を付けよう。

J1はグランパスがやや独走状態。追いかけるチームの方が痛い取りこぼしで勝ち点差が開きつつある。マリノスも昨日の敗戦が終戦?ベガルタにはうまく試合をはこばれてしまったようだ。

読了:
「ゲーム理論で不幸な未来が変わる」(ブルーノ・ブエノ・デ・メスキータ)
  • 著者は「21世紀のノストラダムス」と呼ばれているそうだが、ゲーム理論は経営もさることながら、政治の世界では使える領域が広いことがよくわかる。日本でもこの種の分析はしているであろうが・・・今回の尖閣諸島問題はどう判断されたのだろうか????(評価A)
「カイシャ維新」(冨山和彦)
  • 何よりの驚きはこの本が「朝日新聞出版」から刊行されていることだ。そのぐらい内容は朝日っぽくない。日本経済の復活にはM&Aの活用が必要とは個人的にも思っているが、そのために「カイシャの掟」を壊す必要があるので、実際には困難が伴うと思う。(評価A+)
「考える力をつくるノート」(茂木健一郎ほか)
  • いろいろなベストセラーを生んでいる著名人による「講義集」。改めて並べてみると、皆が言っていることに大きな違いなどないということが改めてわかる。(評価A)

2010年9月18日土曜日

大学でお買物

 今日は10数年ぶりに大学のキャンパスに行った。TVで見て気に入ったUT(University of Tokyo)ロゴのキーホルダーを買い(おまけにストラップも購入)、教室のある建物をぐるっと廻り、学食で食事と懐かしさ一杯の一日だった。奥さんも昔通っていた和紙人形教室があった谷中の店でグッズを買い込み満足したようだ。久々に歩き疲れたが充実。

 帰ってきてほんの一瞬マリノスのゲームを見た。結果はオーライ。得点シーンもそうだったが、俊輔の好調が維持されているように思われるプレーが少ない時間の中でも見られたので、更に上位進出も可能と期待する。他ではFC東京の不調が目につく。監督交代が必要な程悪い状態と見える。

読了:
「ビジネススクールで身につける 仮説思考と分析力」(生方正也)
  • 仮説思考と分析力という別の本がかける2つの能力(著者が書いているようにMBA課程やコンサルで徹底的に学ばされる能力)だが、表裏一体であるという整理の仕方に同感。ただし、サントリーの「伊右衛門」やブックオフなどの実例から考えると、本当にセンスの良いストーリーが書けるような仮説でないと成功は難しいと思う。(評価A)
「マルコム・グラッドウェルThe New Yorker傑作選3 採用は2秒で決まる」
  • 今回も一気に読んだ。大器晩成を可能とするもの(パトロンの存在)や、「第一感」、「War for Talent」の問題点などなど、なるほどと思わせる事が満載。3冊通して感じるのは、通説を盲目的に信じてはならないということ。建設的な批判精神が必要だということ。(評価A+)
購入:
「考える力をつけるノート」(茂木健一郎ほか)、「ウェイ・マネジメント」(グロービス)、「カイシャ維新」(冨山和彦)、「コーチング・リーダーシップ」(伊東守、鈴木義幸、金井壽宏)、「十字軍物語1」(塩野七生)

2010年9月12日日曜日

海外組頑張る。国内は?

 香川がブンデスリーガ初得点、長友も活躍し、矢野もデビューした。真価が問われるのはこれからであるのは間違いないが、海外組には頑張ってほしい。国内は酷暑のせいか大味な試合が多いように思われる。特に、フロンターレやエスパルスなど水曜日にナビスコカップを戦ったチームはコンディションが悪かった。やはり秋春制が必要?と感じる。ところで、サッカー批評の稲本はこの点に関する議論を含め「慧眼」というタイトルが相応しい内容の話をしている。いい指導者になりそうだ。
 今朝一番驚いたのはバルサが昇格組に敗れたこと。ボール支配率が70%を超えていたとしても、勝負は別なのだと思い知らされるようなゲームだった。

読了:
「ハーバードの『世界を動かす授業』」(リチャード・ヴィートー)
  • 世界経済をどう読み解くか、ハーバードのAMPで行われている講座の集約。マクロ経済の宿命なのかもしれないが、どうしても政府の役割に関する内容が多くなっている。政府の経済政策が国の「発展段階」とフィットしているかどうかがポイントというのが結論。日本に関する記述は正確だと思う。(評価A-)
「ビジネスで一番、大切なこと」(ヤンミ・ムン)
  • 今年読んだマーケティングの本ではNo.1かもしれない。商品の供給者がサプライヤーロジックで細かな改善に取り組むあまり、結局何も差別化できない商品ばかり増える。リバース・ブランド、ブレークアウェー・ブランドやホスタイル・ブランドなどの考え方は参考とすべきだ。(評価A+)
「街場のメディア論」(内田樹)
  • メディアの問題点に関する著者の意見には賛成するところが多いが、基本的に「反自由主義」的な考え方には賛同しない。ビジネス化=悪、競争=悪といったステレオティピカルな視点が多かったのがマイナス。(評価B)
「成長戦略とM&Aの未来」(ジェラルド・アドルフ、ジャスティン・ペティート、マイケル・シスク)
  • 「序文」で明らかにされているように、日本人読者向けに書き下ろした内容が追加されている。そのこと自体、いかに日本の企業経営が「ガラパゴス化」しているかを示しているのではないかと思う。円高を背景に海外企業の買収が進んでいると聞くが、ここにある「マーガニック戦略」なしでは、バブルのころ同様の失敗を繰り返すのではないか?(評価A)
「コトラーのマーケティング3.0」(フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン)
  • 「価値主導のマーケティング」(著者が言うところのマーケティング3.0)がいかなるものか解説されている。生産者対消費者という構図から脱却し、共に社会にプラスとなる価値を創造していきましょう、ということなのだろう。最近のピーター・センゲの本を読んでいるような感じもした。正直なところ、まだSo What?という思い。(評価B+)
購入:
「マルコム・グラッドウェルTHE NEW YORKER傑作選3 採用は2秒で決まる!」、「ゲーム理論で不幸な未来が変わる!」(ブルース・ブエノ・デ・メスキータ)

2010年9月4日土曜日

日本1:パラグアイ0

 W杯後初めてのA代表の試合は香川のゴールにより勝利。結果はオーライだが、連携はいまひとつというだったように思う。中澤がMVPと言えるくらい攻め込まれる場面が多かった。怪我で途中交代となったが、栗原も使える目途がたったのは収穫。全般にサッカー自体の質はW杯よりも高いものだったので、今後に期待したい。

 我が家に車がやってきて2週目。表は暑いが汗の量は減った。やはりメリットが大きかったと思う。奥さんの車庫入れも上手になってきた。

読了:
「競争の作法」(齋藤誠)
  • 2002年から2007年までの「戦後最長の景気回復」が実態の伴っていないものであったことを統計資料により「証明」している。少数派であることを誇りとしている(開き直っている?)態度は立派。競争や自由主義に対する評価もされている点で好感をもった。(評価A-)
「ドラッカー最後の言葉」(ピーター・F・ドラッカー)
  • 「ドラッカーの遺言」として最初に出版された時にも読んだはずだが、改めて読んでみると、日本がこの通りに動いていたらどんなに良かったろう、と思わずにはいられなかった。自分だけは流されずに自らを磨こうと思う。(評価A)
「企業成長の理論」(エディス・ペンローズ)
  • 「ダイナミックケイパビリティ戦略論」に大きな影響を与えているペンローズの代表作。難解!経営者が成長にどれだけの資源を投入できるかに重きが置かれすぎているように思う。(評価B)
購入:
「ハーバードの『世界を動かす授業』」(リチャード・ヴィートー)、「ビジネスで一番、大切なこと」(ヤンミ・ムン)、「仮説思考と分析力」(生方正也)、「街場のメディア論」(内田樹)、「コトラーのマーケティング3.0」(フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン)、「成長戦略とM&Aの未来」(ジェラルド・アドルフ、ジャスティン・ぺティート)

2010年8月28日土曜日

車がやってきた

 ついに納車になり、さっそくIKEAまで行った。ためし乗りとしては上々。これで日々の行動の仕方(特に週末の過ごし方)が変わってくるだろう。

 パラグアイ、グアテマラと戦う代表メンバーが発表になった。香川のようなW杯サポートメンバーだけでなく、好調なセレッソ乾など楽しみな選手が選ばれたと思う。監督の選出についてはあれこれ言われているが、時間をかけてでもしっかりと4年間任せることのできる人を選んでほしい。そんな時ある意味タイムリーに中澤の「暴露話」が出てきた。おそらくはこれが真実なのだろう。結局、前任者は勝ったことで全てが帳消しにされていたのだと納得した。

読了:
「NASAのチームビルディング」(チャールズ・J・ペレリン)
  • 意思決定が感情的か論理的かという軸と情報が直感的か知覚的かという軸の2軸をベースとしてリーダーシップの構成要素を4つに分類するという手法はどこにでもありそうだが、そのうちのどれか一つが正しいというような事でなく、局面・成長段階でこれらの要素を組み合わせて使うという点がより実践的と思う。(評価A)
「経営の流儀」(嶋口充輝、竹内弘高)
  • 「次世代リーダー育成塾」の講義録。グローバルな競争の中でどのように勝ち抜くかという課題は明確なのに、リーダーとなるべき人材はどんどん小粒になっているという印象を持った。ハーバードで教え始めた竹内教授の言が「嘆き」に聞こえた。(評価B+)
「『Why思考』が仕事を変える」(細谷功)
  • 「WhyなきWhat」の怖さについて、ややエキセントリックな書きぶりではあるが、よく伝わっている。自分の部下を見ていてもアメリカ人の方が「Why」を考え、疑問をぶつけてくるケースが多い。やはり教育の結果なのだろうと思う。(評価B+)
「プラットフォーム戦略」(平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ)
  • 世界はどんどんプラットフォーム間の競争になっていると思う。自社がどのようにプラットフォームを利用し、飲み込まれることなく戦うか。あわよくば自らがプラットフォームを創ることができるか。少し先の戦略策定の参考になった。(評価A)
「ドラッカー・ディファレンス」(クレイグ・L・ピアース、ジョゼフ・A・マチャレロ、山脇秀樹)
  • クレアモントビジネススクールでどんな事が教えられていて、ドラッカーの影響がどのようなところに生きているかが理解できる。死して5年。未だドラッカーは健在ということだ。(評価B+)
購入:
「企業成長の理論」(エディス・ペンローズ)、「競争の作法」(齋藤誠)

2010年8月21日土曜日

New PC

 PCが新しくなり、ネットの接続なども大幅にスピードアップした。23インチのディスプレーは液晶TVそのものなので、もう一台TVを買ったのと全く同じようだ。

 日本代表の監督選びとマリノスは相変わらずはっきりしない状態だが、今週からはFootも始まりいよいよ本格的なFootballシーズン到来というところだ。日本人選手では香川がいい状態でシーズンに臨めそう。ぜひ10点以上ゲットしてロンドンオリンピックや2014年ブラジルW杯に繫げてもらいたい。

読了:
「ランチェスター思考Ⅱ」(福田秀人)
  • 現場リーダーがいかに判断して課題に対応すべきかよくまとまっている。しかし結局のところ準拠している米軍の指揮官マニュアルが素晴らしいのであって、必ずしも「ランチェスター法則」とつながっているのかは疑問。(評価B+)
「大前研一の新しい資本主義の論点」
  • 最近のHBRにおける経済論文のダイジェスト版。研究者の関心が日本を通り越してアジアやアフリカに向かっているのがよくわかる。そういえば最近ダイヤモンドHBRがかつて掲載した論文のダイジェストばかりになってきているのも、日本人向けの論文が少なくなっている為なのかと思う。(評価A-)
「売り方は類人猿が知っている」(ルディー和子)
  • 行動経済学の本のようでもあり、心理学の本のようにも思え、またマーケティングの本でもあるという「不思議」な一冊。人間の心理を読み解いていくと合理的てないところが沢山あり、それは類人猿と変わらないということなのだろう。読み物としては面白い。(評価B+)
「スイッチ!」(チップ・ハース、ダン・ハース)
  • ハース兄弟による「アイデアのちから」に続く一冊。Change Managementをいかに成功させるか。BHAGを設定したり、例外に注目したり、行動分析をもとに考えたり・・・考え方・解決に向けた切り口はよく整理されている。何かの折には使ってみたい「テクニック」だ。(評価A)
購入:
「経営の流儀」(竹内弘高、嶋口充輝 編)、「『WHY思考』が仕事を変える」(細谷功)、「ドラッカー最後の言葉」(ピーター・F・ドラッカー)、「ドラッカー・ディファレンス」(クレイグ・L・ピアース、ジョゼフ・A・マチャレロ、山脇秀樹)、「プラットフォーム戦略」(平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ)

2010年8月15日日曜日

PC購入

 昨日パソコンを買った。明日届くので休みの予定を変更して午後はずっとセットアップすることになる。説明を聞いてセットアップに数時間かかるのにビックリ。今使っているのは2003年頃の購入なので、全くそんなことは無かった。ITの発達がこんなところに却って不都合をもたらしているのだろう。

 マリノスは俊輔の1ゴール1アシストでエスパルスに勝利。アウェーの連勝で弾みをつけて今週の2戦で爆発して欲しい。プレミアも始まりいよいよ本格的なサッカーシーズンが到来。それにしても今朝のNHKニュースでのプレミアの取り上げ方はいただけなかった。ドログバ、アネルカ、ランパードといったチェルシーの面々を紹介するのに「W杯で活躍した」などという間抜けなコメントが付け加わっていて「『NHKとしての番宣です』と正直に言えよ」と突っ込みたかった。

追記
購入:
「売り方は類人猿が知っている」(ルディー和子)、「NASAのチームビルディング」(チャールズ・J・ペレリン)

2010年8月13日金曜日

夏休み後半

 今日と月曜日に休暇を取った。ここのところできなかった事を消化したい。今日は朝早くから「インセプション」を見たが、発想もストーリー展開も大満足だった。クリストファー・ノーランは前作の「ダーク・ナイト」に匹敵する"Good Job!”をやってのけたと思う。2作とも自身が見た映画のベスト5には入る。

読了:
「日本の成長戦略」(堀鉱一)
  • ちょうど同時期に大前の「民の見えざる手」が出たので良い比較になった。こちらの方がよりソフトというか「日本のよさを大切にしましょう」的だが、両者とも現状の教育・マスコミや政治家・官僚によるアンシャン・レジームへの批判は共通している。民主党への具体的提言という観点では「民の見えざる手」に軍配を上げたい。(評価A-)
「失敗の技術 マルコム・グラッドウェルTHE NEW YORKER傑作選2」
  • 今回の方が確率論・政策論や法律論などをスコープにしている分ややアカデミックではあるが、いずれにしても面白かった。毎度日本のジャーナリズムの貧困さ(とりわけ教養の浅さ)を感じずにはいられない。(評価A+)
「戦略的思考をどう実践するか」(アビナッシュ・ディキシット、バリー・ネイルバフ)
  • "Thinking Strategically"(Dukeの時原書で読んだ)の「改訂版」という出発点もあり、ゲーム理論の解説として非常によくまとまっている。MBAコースのテキストとして最適ではないか。改めて戦略的思考の実践の難しさを実感した。(評価A+)
購入:
「大前研一の新しい資本主義の論点」、「スイッチ!」(チップ・ハース、ダン・ハース)

2010年8月8日日曜日

テニス復活・車

 腰の打撲のため4回休んでいたわりには体は動いた。でも終わってからあちこちが痛い。やはりブランクの影響は大きい。
 昨日は車の契約を終えた。今月末納車予定なので補助金はギリギリセーフ?アウト?いずれにしてもマイカーがやってくるのはアメリカにいた時以来(14年ぶり)。生活のパターンが変わるかもしれない。ついでという訳ではないが、PC・プリンタ等も買い替え予定。出費が嵩む夏である。

 マリノスは松田の久々ゴールで何とか勝利。でも前半の決定機を決めきれないようでは上位を狙うのは難しい。俊輔は時折決定的なパスを見せるがやはり全盛時とは程遠い動きだ。あれならむしろ若手を使ったほうが良いのではないか?

読了:
「経営戦略ワークブック」(河瀬誠)
  • 前作の「戦略思考コンプリートブック」もそうだが、様々な経営理論が良く整理されており、実践に役立つと思う。来年度の計画策定には間に合わなかったが、年内に一度戦略ワークショップを行って少し先のビジョン・戦略を構築しようと改めて思う。(評価A)
「ビジネス構造化経営理論」(武井淳)
  • 600ページ以上の大作だが、500ページを越えても用語の定義が出てくるというのはどういうこと?と思う。何とか戦略の打ち手を「経営」という観点から全体最適化したいのだろうが、逆にここまでの「構造化」が必要だろうか???用語も紛らわしいものが多いので、かえって消化不良を起こすのみだと考える。ひとりよがりの理論といわざるを得ない。(評価B-)
購入:
「日本の成長戦略」(堀鉱一)、「戦略的思考をどう実践するか」(アビナッシュ・ディキシット、バリー・ネイルバフ)、「ランチェスター思考Ⅱ」(福田秀人)、「マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER傑作選2 失敗の技術」

2010年8月1日日曜日

怒涛の一週間が終わっても・・・

 先週は本社からの来客対応が来年度予算作成などの作業にプラスされ、フル回転の一週間だった。今週もその余波が予想されるが、あとひとふん張り。再来週は少し休もう!? 

 マリノスはグランパスに完敗。ここぞという時に決めたのは結局グランパスの外国人二人。マリノスもグランパスも日本人選手はいざシュートという時になると吹かしたり、正面にいったりするばかり。終了間際の俊輔のフリーキックすら楢崎にはコースがバレバレ。 日本(人)の決定力不足は続く・・・
 

読了:
「仕事で成長したい5%の日本人へ」(今北純一)
  • 著者が自らどのように自己の価値を高めたか、特に欧米人とのインタラクションをどう勝ち抜いたかといった「(ドヤ顔ならぬ)ドヤ本」といった面が強かったのが残念。ただ、外資に勤める身にとっては、それなりに参考になる点も多い。重要なのは自分の軸を如何に確立し、しっかりと保持する事ではないだろうか。(評価B+)
「リーダーのための中国古典」、「中国古典に学ぶ人を惹きつけるリーダーの条件」(共に守屋洋)
  • 前者の中に述べられているように、現代のリーダーシップ論の多くが中国古典の中で既に取り上げられているということが良く分かる。皆を前に一言言うことを前提にするなら前者の方が良いし、理論を多少なりとも体系だてて見るには後者が良い。いずれにしてもどちらか一冊で充分。私は前者の方が良かった。(評価A-とB+)
「ビジョナリーカンパニー③衰退の五段階」(ジェームズ・C・コリンズ)
  • 原書を読んでいたので、改めて読み直したというところだが、やはり感じるのは、「いかなる企業も永久に成長し続ける事などできない」との前提で驕りを避け、地道に経営する事の必要性だ。その上で(多少矛盾するが)どこまでリスクを取って成長のドライブを掛けるかということなのだろう。経営者の真価はそうした所に現れると思う。(評価A+)
「究極の鍛錬」(ジョフ・コルヴァン)
  • グラッドウェルの「天才!」とオーバーラップする内容だが、こちらの方が少し実践的。著者が言う通りビジネスの世界で「究極」の5条件を満たす鍛錬を行うことは難しいが、かつての日本企業はこれに近い社員教育(OJT)を行っていたと思う。ただ、後継者・ハイポテンシャルの育成という限られて面ではあるが、今では外資の方がそうした点を意識してやっているのではないか?(評価B+)

2010年7月25日日曜日

日本的社会とリーダー

 昨晩のマリノスはロスタイムに劇的なゴールで勝利。結果は良かったが、それよりも面白かったのは今朝の新聞にあった秋春制への移行を促すような俊輔のコメント。まさにサッカー協会の犬飼会長が「解任」されることが決まったところだったので、結果的にタイムリーなコメントだった。
 報道されている通りだとすれば、改革の方向性は良いがプロセスが急すぎたということだが、強引さでいえば昔の「キャプテン」の方がすごかったと思うし、そもそもトップが考えている事がすぐに実現できない組織の方が問題だと思う。秋春制に関してはそれが、少なくとも世界のトップリーグでは常識になっているし、このままでは「ガラパゴス化」するばかりで優秀な選手にとっては移籍のチャンスを狭くするだけで、日本サッカーの将来を考えたら当然の方向性に思える。何かあると「検討します」と問題解決を先送りするJリーグの方がおかしい。残念ながら、今度の体制ではガラパゴス化を勧めるばかりだろう。
(いっそW杯で3連敗してくれたほうがスッキリした理由で解任できたのにね・・・)

読了:
「ケチャップの謎 マルコム・グラッドウェルTHE NEW YORKER傑作選Ⅰ」
  • The New Yorkerという雑誌は「ライアーズ・ポーカー」のような傑作を世に出すという意味で面白い雑誌だと思う。この傑作選も先々ベストセラーを生み出すグラッドウェルの視点の面白さが充分出ている。「まぐれ」、「ブラック・スワン」の著者であるナシーム・ニコラス・タレブのエピソードなどはファイナンスに関わる身としては非常に興味深かった。Ⅱも楽しみだ。(評価A)
「民の見えざる手」(大前研一)
  • 国家戦略局構想を交代させた現政権からは絶対に出てこない大戦略がここにはある。成長戦略の前提は国家ビジョンなのに、なぜか産業ビジョンになるのは政治家の構想力の貧弱さ以外何者でもない。著者の言っている事に100%賛成できるかという事では多少留保条件をつけたいが、「最小不幸社会」などという草食系の社会に未来はない。(評価A)
「日本の持続的成長企業」(野中郁次郎監修)
  • 取り上げられているのがトヨタやキャノンなど「前世紀」の企業ばかりだし、その要因も日本社会でしか通用しない話にしか見えない。これまでの成長要因を述べるのであればそれで良いだろうが、これからの経営に対する示唆であるならば、もっとグローバルな要素、ICTの影響など考慮すべきところが多いはず。(評価B)
「フリーライダー」(河合太介、渡部幹)
  • うちにもこういう輩が多いなと思いながら読んだ。フリーライダーへの対応だけでなくフリーライダーを作らないために必要な事も述べられており、それもすぐに実践できる内容なのが良い。うちの管理職全員に配って読ませたいと思う。(評価A+)
購入:
「リーダーのための中国古典」、「中国古典に学ぶ人を惹きつけるリーダーの条件」(ともに守屋洋)、「究極の鍛錬」(ジョフ・コルヴァン)、「経営戦略ワークショップ」(河瀬誠)、「ビジネス構造化経営理論」(武井淳)、「ビジョナリーカンパニー③衰退の五段階」(ジェームズ・C・コリンズ)

2010年7月18日日曜日

祭りの後

 スペイン対オランダの決勝はカップの決勝戦としては見ごたえのあるものだった。質という点では、確かに杉山茂樹氏の「悪いときのバルサを倒せなかった」という感想どおりだろう。ただ、1点を如何に取るか、または阻止するか、チャンピオンになるにはどんな覚悟がいるのか、といった事を示してくれたように思う。スペインが優勝したことは、(希望はあったけどどうせ南米が優勝だろうと予想していたので)素直に嬉しい。

 Jが再開。フロンターレは厳しいがそれでも昨日の試合を見ると地力はしっかりあるのだと納得した。マリノスはどうかな?

 腰の状態がイマイチ。ピリッと電気が走るような痛みがでている。テニスは今週も休み・・・いつまで続くのか???

読了:
「リ・ポジショニング戦略」(ジャック・トラウト、スティーブ・リプキン)
  • 競争環境の変化に対し、いかにポジションを取り続けるか。「ポジショニング」は実は相対的なものであるという事が良く理解できる。ただ、気をつけないと競合の戦略に対しリアクティブな反応ばかりになってしまうのではないか?という危惧も持った。一方ではケイパビリティをしっかり抑え、時にプロアクティブなリ・ポジショニングをして相手を出し抜くよう準備する必要がある。(評価A)
「トレードオフ」(ケビン・メイニー)
  • 一番不満なのは表紙にも帯にもジム・コリンズの方が大きく書かれている事。内容は決してプアな本ではないのに、売らんが為に著名な序文の書き手を前面に打ち出す出版社のやり方は「?」である。上質と手軽さを両立させるのは困難という事よりも、「手軽さ」を本当に達成するのが難しいのだということが数々の失敗例で示されている点で参考になった。(評価A)
購入&読了:
「モチベーション3.0」(ダニエル・ピンク)
  • 「フリーエージェント社会の到来」および「ハイ・コンセプト」と全米ベストセラーを生んだ著者の最新作。内面から湧き出すモチベーション(Drive)が如何に重要か説かれている。自分の経験でも「やらされ感」ばかりの仕事では並の成果しか出せないということがあるので、考え方自体は納得する。しかし、現実、今の会社の現場を見ると、モチベーション2.0すら不十分で、まだまだ「飴と鞭」でドライブしないといけないなと思う。(評価A)
購入:
「ケチャップの謎 マルコム・グラッドウェルTHE NEW YORKER傑作選1」、「民の見えざる手」(大前研一)、「日本の持続的成長企業」(野中郁次郎 監修)、「フリーライダー」(河合太介、渡部幹)、「仕事で成長したい5%の日本人へ」(今北純一)

2010年7月11日日曜日

痛い!夏休み

 貴重な夏休みが、一瞬の油断で楽しさ半減。すべってころんで腰を強打したため、2日目の予定キャンセルで帰らざるを得なかった。今も腰が痛い。アウトレットで色々買ったのと、食事のチョイスが良かったので満足としよう。旧軽はまたもお預け。次回はまた2~3年後?

 W杯はいよいよ決勝を残すのみ。最終盤に来て蛸の予想ばかり取り上げられているのもご愛嬌?一番良いサッカーをするところは優勝できないというのが「最後のジンクス」だったと思うが、今回は「史上初」づくしの大会なので、スペイン(というかバルサ)優勝ではないか?ペドロがここでもゴールという予感がする。今夜は選挙特番を早々に切り上げ決勝の生観戦に備える事としよう。

読了:
「グローバル・イノベーション」(藤井清孝)
  • 「ビジネスモデル、ガバナンス、リーダーシップのイノベーションなくして日本企業の復活はない」というメッセージが極めてロジカルに語られている。基本的なコンセプトはその通りだと思うが、結局日本企業がそうしたコンセプトを具現化するにはToo lateではないかといのが読後の結論だ。自分としては、外資に勤めているメリットをフルに活かし、日本以外のマーケットでも通用するスキルを持っている事をアピールして活躍の場をグローバルに広げるべく努力しようと思った。(評価A)
「流れを経営する」(野中郁次郎、遠山亮子。平田透)
  • 「知識創造企業」(思えばビジネススクール時代に英文で読んだっけ)に始まる一連の研究の集大成といった趣のある1冊。SECI理論など「お馴染み」のフレームワークが日本企業の中で如何に定着しているかが語られている。ただ、ティースの解説でも触れられているが、今の企業経営を取り巻く環境ではネットワークでの知識創造の必要性が高まっており、そのあたりにどう活用できるかは課題だと思う。(評価A)
「いかにして問題をとくか」(G.ポリア)
  • Microsoftが社員必読書としているという1冊。数学(幾何・代数)の問題を如何に解くかが題材になってはいるが、経営における問題設定や問題解決の際のヒントがいたるところにあった。会社のデスクに是非置いておこうと思う。(評価A+)

2010年7月4日日曜日

ジンクスはついに破られる?

 昨日は「78年大会決勝の再来?」と書いたが、「74年決勝の再来(オランダ対(西)ドイツ」になるかも。そのくらい昨日のドイツは強かった。メッシにしてみると、自分が普段バルサでやっているようなサッカーを相手に(それもまさかドイツに)やられるとは夢にも思わなかったのではないか?スペインはしぶとく準決勝まで進んできたが、2008年ユーロのような輝きはないので、厳しい戦いになるだろう。今回はこれまでのジンクスのうち「開催国は予選突破」が破られた。このままだと「ヨーロッパ以外ではヨーロッパは勝てない」というのも破られる可能性が非常に高くなった。これでウルグアイが優勝したらすごいことだ・・・

購入:
「トレードオフ」(ケビン・メイニー)、「リ・ポジショニング戦略」(ジャック・トラウト、スティーブ・リプキン)

2010年7月3日土曜日

決勝は78年の再現?

 まずは日本代表の話から。パラグアイ戦はW杯ならではの「凡戦」だったが、「『勝負はこうして決まるのだ』ということが良く分かった」という意味で意義の大きな試合だった。今までの日本の悪かったところは、こうしたレッスンを充分消化しないで次に進んでしまったこと(「オシムが」発言はその典型)。今回はしっかりやって欲しい。時期監督もその流れで決めるべきだ。
 一方「買い手」がついた選手にはどんどん海外へ出て行って活躍して欲しい。「海外組」が多ければ多いほど、代表の試合もアウェーでやりやすくなるし、本当にベスト4を狙うための道筋ができると思う。
 準々決勝ではブラジルが敗退。オランダが決勝に近づいた。油断さえしなければウルグアイには勝つでしょう。そうすると、今夜のアルゼンチン対ドイツ戦が益々興味深くなってきた。これまでのジンクスでいくと今大会はアルゼンチンかウルグアイが優勝ということになるが、オランダの方がウルグアイより強そうなので、私の決勝予想はオランダ対アルゼンチン。78年は延長戦までもつれ込んだので、今回も面白い試合になるだろう。

読了:
「リーダーは自然体」(増田弥生、金井壽宏)
  • 日本人にもこんなリーダーがいたのだ、というのが感想。うちのボスも増田氏と同様に、日本がメインではあるが、外資系企業でバリバリやってきた人物なのだが、増田氏と似ていることに気づいた。どこか肩の力が抜けていて、だけど思いは非常に強い。周りは結構好き勝手にやれるのだが、勘所は押さえている。そんなリーダーに近づきたいものだ。(評価A)
「リーダーになる人に知っておいてほしいこと」(松下幸之助 述、松下政経塾 編)
  • ベストセラー「知っておいてほしいこと」シリーズの最新策。今回は何となくターゲットが政治家の卵に向いている記述が多かったように思う。ただ、経営をするうえで、現場がどのように動いているかを知ることは基本だし、「日本的経営」(この言葉は大嫌いなのだが)のいい所だと思う。(評価A-)
「伝説の教授に学べ!」(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代)
  • 非常に中身の濃いマクロ経済学入門書と言って良いだろう。「勝間本」と意識しないで読むべき一冊だと思う。ケインジアンやマネタリストの考え方、デフレの問題点その他日本と海外の経済学史まで盛り込まれている。木曜日に外国特派員協会のクラブに行った時、前日(=この本を読んでいた当日)そこで浜田教授が講演をしていたという事を知った。(評価A+)
「これからの『正義』の話をしよう」(マイケル・サンデル)
  • アリストテレス、ベンサム、カントなどが如何に正義を考えていたか、5人を救うために一人を殺せるかといった「課題」を例に解説。ハーバードの人気講座のネタなので内容は極めて高度だが、決して難解ではないと思う。こういう本を読んだ後で、参院選挙関連の記事を読むと、日本の政治家の「底の浅さ」がクローズアップされ、とても残念だ。(評価A)

2010年6月27日日曜日

パラグアイ戦に望むこと

 こうなったら何がなんでもパラグアイには勝って欲しい。今回は対戦順に恵まれ、選手がそれなりに熟成してきているし、2002年の時と異なり、ここが終着駅と思っていない。ベスト4目指すという「夢」が効いてきている。もう一つ勝って、スペイン対ポルトガルの勝者とやって初めて「世界を驚かせる事」ができる。折角国内でのサッカー人気が盛り返す兆候や、海外クラブが日本人選手の価値を再評価する様子が見えているし、ついでに2014年ブラジル大会に何かを残すためにも頑張って欲しい。

読了:
「Theory U」(C. Otto Scharmer)
  • やっと読み終えた。「出現する未来」や「全脳思考」などの本で言及されているTheory Uが、案外日本人ならある程度やっている、極めて東洋的な思考方法に似ている事が理解できた。野中教授の知識創造理論やSECIにも通じるところが多い。それにしても(物理的にも内容も)重い本だった。(評価A)
「文明崩壊」(上・下)(ジャレド・ダイアモンド)
  • 「銃・病原菌・鉄」に比べるともっとメッセージ性の強い本だった。環境問題をどう考えるかという観点では非常に示唆に富む本であり、イースター島、グリーンランドなどが辿ってきた道を地球全体が歩まずに済むために何が必要かを考えさせられる。保険会社が「世間の常識どおり」悪く書かれている記述があり、ちょっと残念。(評価A+)
「MBB:思いのマネジメント」(一條和生、徳岡晃一郎、野中郁次郎)
  • MBB(Management by Belief)の重要性については日本企業が忘れつつあり、外国企業がむしろ評価しているというのはその通りだと思う。良い意味でも悪い意味でも外国企業はトップの「思い」があり、それが戦略として具現化されている。日本企業でもユニクロなどは同じだし、だからこそ今のような経済状況であっても強いのだと思う。MBBはトップこそが実践すべきなのではないか???(評価A-)
購入:
「流れを経営する」(野中郁次郎、遠山亮子、平田透)、「グローバル・イノベーション」(藤井清孝)、「伝説の教授に学べ!」(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代)、「これからの『正義』の話をしよう」(マイケル・サンデル)

2010年6月20日日曜日

迷走のち晴れ?

 カメルーンとオランダとの戦いを終えて勝ち点3。デンマーク戦に引き分け以上ならグループリーグ突破。日本代表は結果的に予想を良い意味で裏切る健闘と言える。内容に関しても、カメルーン戦の「アンチフットボール」のような守備一辺倒から、攻撃ができるところまで向上している。ただ、正直サッカーとしては面白くない。結局攻撃は松井の個の力に頼っていて、連動して崩すシーンは見られない。オランダ戦にしても、前回対戦したときの前半の方がワクワク感があった。韓国やチリに感じる可能性がこの2戦からは見えなかった。これでデンマークと引き分け以上で決勝トーナメントに進むことができれば、勝負強さが加わるというメリットはあると思うのだが、サッカーのクオリティの面で次回大会以降に繋がるものが見えてこない。オシムの辛口コメントはそのように解釈すべきなのではないか?

読了:
「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)
  • 流石に朝日新聞による「ゼロ年代の50冊 第一位」に選ばれた本だけの価値があった。なぜユーラシア大陸とアメリカ大陸・アフリカ大陸・オーストラリアとで文明の進み方が異なったのか。なぜヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのか。こうした疑問に対する答えは表面的に年号を覚えるだけの歴史教育では決して学ぶ事ができなかった。まさに「事実は小説よりも奇なり。」(評価A+)
「これからの経営学」(日本経済新聞社 編)
  • 日本のトップ経営学者による最新経営理論の入門書。それなりに分かりやすい内容であった。改めて、日経朝刊は侮れないと思う。こうした内容が掲載されるのだから。難を言うと財務や会計についての記述が少ないのは読者がサラリーマン中心という理由?でもほんとうに日本企業が弱いのはこうしたエリアなので、できればもっとプラスされてもよかったと思う。(評価A-)
「帝王学の教科書」(守屋洋)
  • 「三国志」や「貞観政要」などの中国古典からリーダーのあるべき姿を説いた本。何度も同様の本を買っては読んでいるが、なかなか人名など覚えられない。やはり「三国志」は一度通して読むべきなのだろう・・・(評価A)
「成熟日本への進路」(波頭亮)
  • 「成長ではなく分配」というビジョンの内容には異論があるが、ゼロベースで現在の政策を洗い直し、新たな国家戦略を構築すべきという点はその通りだと思う。今回の参議院選挙で各党はそうした国のあり方を根本的に決定する選択肢を提示して欲しいのだが・・・官僚の生態についての観察はその通り、ここが改革のネックであることは間違いない。これを根本から直そうとしているのは今のところ1つの党だけなのが寂しい。(評価B+)
購入:
「文明崩壊」(上・下)(ジャレド・ダイアモンド)、「MBB:『思い』のマネジメント」(一條和生、徳岡晃一郎、野中郁次郎)、「リーダーになる人に知っておいてほしいことⅡ」(松下幸之助 述、松下政経塾 編)、「リーダーは自然体」(増田弥生、金井壽宏)

2010年6月12日土曜日

いよいよ?ようやく?開幕

 W杯が開幕。グループAは2試合とも引き分け。ホスト国が健闘し、フランスは「?」というところか。今晩は韓国対ギリシャ戦で、欧州や南米に対するアジアの現在位置が見える試金石になると思う。今回の韓国は2002年のチームより強いと思うので、是非グループを勝ち抜いて欲しい。残念ながら韓国の充実ぶりに比べると日本は・・・相変わらず監督の迷走状態が止まらない。選手が如何に状況を判断して対応するかだけが残された期待だ。いずれにせよ、個人的には仕事とW杯で二倍以上忙しい日々が始まった・・・

読了:
「戦略論1994-1999」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編」
  • 1993年までの論文集ほどインパクトの大きな論文は少ないが、それでもイノベーションのジレンマなど今でも影響の残るものが多い。思ったとおり日本企業への言及が少なくなっているし、ポーターに至っては「日本企業に戦略はない」とまで言い切っている。失われた20年(もはや10年どころの騒ぎではない)の根本原因も、結局のところ戦略不在によるものだろう。(評価A)
「ポジティブ・チェンジ」(ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステンブルーム)
  • AI (Appreciative Inquiry)を業務改革にどのように結びつけるか解説した1冊。ただ、詳細なノウハウは書かれていないので、やはりコンサルを頼まないとダメというお馴染みのパターンになっている。考え方や実際のインタビュー手法などは参考になる。(評価B+)
「戦略暴走」(三品和広)
  • 著者に関しては楠木建・清水勝彦両氏と並んで、今日本人経営学者で一番しっかりと「企業戦略」を語れる人と評価している。今回も179という多くの企業の「失敗例」を基に、戦略不全を起こしている企業が如何に多いか論じられている。これだけの失敗例を見ると、今の経営者がリスク回避に走るのもむべなるかなと考えてしまうが、見ようによっては、どれだけ熟慮を重ねて実行したとしても失敗するときは失敗するのだから、オムロンの立石氏の例から学んで、撤退する戦略も準備し、どんどんリスクを取って海外や新事業へと多く出て欲しいと思う。それは決して「暴走」にはならないと思う。(評価A)
購入:
「帝王学の教科書」(守屋洋)、「成熟日本への進路」(波頭亮)、「これからの経営学」(日本経済新聞社編)


2010年6月5日土曜日

四連敗

 イングランド戦、コートジボアール戦は合計4対2で二連敗。OG3発はご愛嬌というところ。あの監督のことなので、恐らくこの2試合のメンバーがそのままカメルーン戦の先発になるのだろう。自分だったらこんなメンバーだろう。川島(楢崎)、内田、中澤、トゥーリオ、長友、稲本(阿部)、長谷部、俊輔、憲剛、松井、森本。
 アンカーは稲本。阿部と良い勝負だが、経験値の高い方とした。右サイドは内田。俊輔との相性を選ぶ。本田、大久保、岡崎では攻撃の形が見えない。俊輔の不調は云々されているが、遠藤は私の目にはもっといただけなかった。このメンバーでも勝ち点を上げるのは厳しいだろうが、多少はボールが回るでしょう。パワープレーが必要なら松井OUTで稲本+阿部で守りトゥーリオをトップにいれます。2試合3ゴールの決定力を活かしましょう。

読了:
「アニマル・シンキング」(ベラ・ブライヘル、サリー・バルエル)
  • フレームワークで物事を考えても、思考には癖があるという前提で、如何にそれを乗り越えてクリエイティブな発想ができるか。示唆に富んだ本だと思う。周囲の人の思考グセを踏まえてうまく活用するというやり方もある。今はライオンになりたいが、残念ながら周りに安心して任せられるスタッフが少ない・・・(評価A-)
「人材の複雑方程式」(守島基博)
  • 「プレジデント」連載で一度読んだエッセイばかりだが、読み返すと、改めて人事・組織の課題が重たいかが分かる。単純な「日本式終身雇用・年功序列礼賛」でないので、外資に勤務する自分として好感を持てる。現場リーダーの弱さは国内社以上。どう育てるか?取ってくるか?(評価A)
「ビジネスリーダーにITがマネジメントできるか」(ロバート・オースティン、リチャード・ノーラン、シャノン・オドンネル)
  • 現状のITプロジェクトに関わるようになって一年以上。もっと早く読んでいたらと思う内容。IT部門のリーダーでなくても意義のある1冊だと思う。巻末の「7つのカテゴリー」は他の組織構築にあたっても必要なものばかり。結局大きな差はないと思う。(評価A)
「戦略論1957-1993」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編)
  • アンゾフ、ポーター、ミンツバーグ、ストークJr.、プラハラッド&ハメル、大前。戦略論のグルたちの歴史的な論文ばかりを集めた1冊。すべて1度ならず読んだ論文ばかりだが、読み直して感じたのは、日本企業への言及の多さだ。この期間、世界の先頭を切っていたのはあきらかに日本企業で、その動きがこれらのグルに多大な影響を与えていたのだ。こうした「黄金の日々」を再現できるのか?(評価A+)



2010年5月30日日曜日

今晩イングランド戦

 今夜はイングランド戦。前回は小野の得点で引き分け。そのあとチェコに勝利してドイツW杯への期待が大きくなった。今回は相手の方が高いモチベーションで来る可能性が高く、一方こちらは付け焼刃のアンカーテスト。サンドニでやったフランス戦(0対5)のように惨敗する事も充分予想される。そんな中で選手がどういうパフォーマンスを示すのか、本番に繋がる何かを学ぶか?

読了:
「リーダーシップ・チャレンジ」(ジェームズ・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー)
  • リーダーにとって必要な要素を「5つの指針」、「10の実践」を実例を交え丁寧に解説している。内容自体には新しい事はないが、他人を動かすための指針よいうよりも自らがどう範を垂れるかに重点が置かれている。巻末の一覧表が良い。(評価A)
「未来を変えるためにほんとうに必要なこと」(アダム・カヘン)
  • 力と愛、どちらか一方が強いだけでは真の改革はできない。今の日本ではリーダーに力がなさすぎる。小泉改革への反感だろうが・・・政治家に読ませるべき本。(評価B)
「20歳のときに知っておきたかったかこと」(ティナ・シーリグ)
  • 起業家を目指す学生向けの集中講義ではあるが、レッスンがいっぱい詰まっている。一番響いたのは「何かをしようとしている」事と「何かをする」事は全く異なるということ。前者は言い訳に過ぎないというのは耳が痛かった。(評価A)
「ダイナミック・ケイパビリティ」(C・ヘルファット、S・フィンケルスティーン、W・ミッチェル、M・ぺトラフ、H・シン、D・ティース、S・ウィンター)
  • ダイナミック・ケイパビリティに関する第一人者たちによる論文集。企業の能力には「専門的適合度」と「進化的適合度」が求められること。特に戦略的な打ち手が成功するためには両方の高い適合度合いが必要と読めた。ただ、結局、経営者の能力に帰するところが多いように思われ、このあたりが限界と感じられる。(評価B+)
購入:
「銃・病原菌・鉄」(上・下)(ジャレド・ダイアモンド)、「戦略暴走」(三品和広)

2010年5月23日日曜日

監督の力

 今朝5時半過ぎに眼が覚めたのでTVをつけ、インテルがチャンピオンズリーグで優勝したことを知った。準決勝でバルサを破ったところで「決まり」という感じではあったが・・・会場がサンチアゴ・ベルナベウということもあり、レアルのファンに益々「モウリーニョ待望論」が巻き起こるだろう。
 一方、新聞では連日日本代表の後任監督人事が報じられている。今日はペケルマンが有力になっていた。またベニテスも候補とか・・・W杯の結果を監督に押し付けようとするサッカー協会の陰謀とも思えるような勢いだ。こんなことならもっと早く手を打つべきだったし、できたと思う。
 他の出場国でもフランスが同様の状況だ。日本と共通しているのは監督が国民の支持を得ていない事。ただ、あちらはグループリーグ突破の確率は日本より断然高く、優勝を争えるか否かというハイレベルでの議論だ。日本がここまで行くのはまだ50年早い???
 これだけ監督の力を云々されるのは、結局、サッカーにおいては、選手を選び、ピッチに送り出すのは監督であり、その手腕が結果を左右する可能性は野球などより格段に高いということなのだろう。

読了:
「OQ オーナーシップ指数」(ジェームス・L・へスケット、W・アール・サッサー、ジョー・ホイーラー)
  • 名著(だと思う)サービスプロフィットチェーンの著者による続編。顧客のオーナーシップ、従業員のオーナーシップが最終的に利益に繋がるのだということを実例を参考に説いている。毎度お馴染みの企業ばかりでない企業の例なのが好感を持てる。先日の「ヒューマン・シグマ」や「エンゲージメント・マネジメント戦略」とも通じているが、この種の本が特にUSで書かれたのは恐らく金融危機を契機とする「株主価値」一本への反省なのだろう。(評価A-)
「ストーリーとしての競争戦略」(楠木建)
  • 今年これまでの中では一番の「戦略論」。一橋ビジネスレビュー掲載時にも興味を持って読んだが、やはり一冊通して読んだほうが良い。往々にして独りよがりの論理で戦略を構築してしまいがちだが、人にストーリーを話して納得してもらえるようなところまで具体性を持たせないとと思う。5つのC(競争優位、コンセプト、構成要素、クリティカルコア、一貫性)のつながり、一見不合理に見えても「なるほど」と膝を打たせるようなストーリー作り・・・ハードルは高いがやる価値は大きい。(評価A+)
「社長の値打ち」(佐山展生 編著)
  • アスクル、リンクアンドモチベーション、アクセンチュア、星野リゾート、日本交通や富士ゼロックスといった企業の経営者が如何に課題と向き合い、解決していったか。こんな話を定期的に聞けるのはMBAの特権だと思う。(自分もデュークの時にそういう機会に恵まれていた)個人的には村山さんが懐かしかった。(評価B+)
「組織力」(高橋伸夫)
  • アンチ成果主義?第一人者による組織論。一連の成果主義批判の本よりは面白かったし、共感できるところも多かった。問題はこの先新入社員が先細りの状況ではおなじように事が進まないということ。巻末の「組織化の社会心理学」抄訳は「?」(評価B+)
購入:
「アニマル・シンキング」(ベラ・ブライベル、サリー・バルエル)、「ビジネスリーダーにITがマネジメントできるか」(ロバート・オースティン、リチャード・ノーラン、シャノン・オドンネル)

2010年5月15日土曜日

23人プラス7

 日本代表23人が決まった。予想は8割弱が当たり。個人的には大久保と玉田が「やっぱり入ってしまったか!」(入って欲しくなかったのに)と思う。結局ジーコの時と同じで選手の序列に従って22人選び、プラス川口を呼んだというストーリーに見えた。まあ、選ばれてしまったものは仕方ないので、まずは24日の韓国戦にどんな試合をするか注目したい。前回惨敗したので、勝負にこだわって欲しいと思うが、今回はそれよりも本番につながるサッカーができるかどうか見極めたい。
 マリノスは勝ちきれずサンガと引き分け。消化不良はいつまで続くのだろうか?この分だと今年も監督交代?

読了:
「わが友マキアヴェッリ」(塩野七生)
  • 君主論であまりに有名なマキアヴェッリだが、20代後半まで「フリーター」で、「ノンキャリア官僚」の経験者というのは、恥ずかしながらこの本を読んで初めて知った。メディチ家との因縁など細かな描写はいつもながら関心するが、(私にとって)肝心な君主論についてあまりにあっさりとした記述だったのが残念。佐藤優氏の解説は「?」。わが友と思うのは勝手だが、評価が下るのはまだまだ先だろう!と突っ込みを入れたくなる。(評価B+)
「新版 問題解決プロフェッショナル」(齋藤嘉則)
  • 初版を読んだのは確かAC戦略グループの伊豆合宿の時だったので、13年も経っていたのだ。改めて読み返すと、確かにこの本が今に至る「問題解決本」、「コンサルタントの技はこれだ!本」の走りだったことが分かる。内容については言う事なし。(評価A)
「ヒューマン・シグマ」(ジョン・H・フレミング、ジム・アスプランド)
「エンゲージメント・マネジメント戦略」(稲垣公雄、伊東正行)
  • 前者は人を伸ばす事の重要性は繰り返し書かれているが、結局「ヒューマン・シグマを実践するにはギャラップのコンサルティングを受けなさい」といっているだけの本だったように思う。(評価B-)一日空けて読んだ後者にはそのあたりについて、従業員満足→顧客満足→業績アップの図式を成立させるためマネジャーは何をしなければならないか、かなり具体的に書かれている。(評価B+)
「明日のリーダーのために」(葛西敬之)
  • JR東海会長である著者が如何に自身リーダーとして成長したかを記したある意味「自慢本」。著者のような考え方は日本の年功序列のぬるま湯企業でしか通用しないと思う。ただ、これを読むと日本の政界、官僚組織、親方日の丸体質の公企業が世界の常識から遠く離れた「経営」をしていた(恐らく今もしている)ということが分かる。(評価B+)
「競争と公平感」(大竹文雄)
  • 極めてまともな本。是非うちの「ぶったるんだ」社員たちに読ませたい。構造改革・競争なくして成長なし、という「世界の常識」はここまで事細かく噛み砕いて解説しないと受け入れられないのだという事が分かる。国民新党・社民党を組み込んだ事のツケはあまりにも大きい。参院選ではお灸をすえる必要がある。(評価A)
購入:
「ポジティブ・チェンジ」(ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステンブルーム)、「ダイナミック・ケイパビリティ 組織の戦略変化」(C・ヘルファット他)、「戦略論1957-1993」「戦略論1994-1999」(いずれもDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編訳)、「人材の複雑方程式」(守島基博)

2010年5月9日日曜日

いよいよ・・・

 バルサはセビージャに辛うじて勝利。勝ち点差1のまま最終節になる。油断さえしなければホームでの勝利=優勝は達成できるだろう。ここに来てボヤンが成果を上げているのが大きい。レアルは個の力に加え、チームとしての結束も強くなっているように思う。最終盤まで勝ち続けているのは流石だ。オフに会長が変な動き(=金に物を言わせての選手獲得and/or優勝を逃した事での監督更迭)をしなければ来年はもっと僅差の争いになると思う。

 明日はW杯日本代表の発表。おそらく監督は最後の1~2名についてギリギリまで悩んでいるのだろう。今回もサプライズがあると言われているが、インパクトは小さいのではないか?個人的には22人目に宇佐美、最後の一人にカズを発表したら岡田支持率がググッと上がるのにと思う。自分ならば以下の23人。
GK:楢崎、川島、西川
FB:中澤、闘莉王、長友、駒野、今野、阿部、岩政
MF:俊輔、遠藤、松井、本田、長谷部、稲本、憲剛、石川、香川
FW:矢野、森本、岡崎、宇佐美

読了:
「日本経済の真実」(辛坊正記、辛坊治郎)
  • ハイパーインフレの項目以外大いに納得できる日本経済解説書だと思う。マスコミの人間なのでマスコミに関する批判が少ないのが残念だが、小泉・竹中改革の評価、大企業優遇批判・外資批判の誤りなど数々の「正しい」解説は高く評価する。「亀は国を滅ぼすか?」は最高に良かった。(評価A)
「まさか!?」(マイケル・J・モーブッサン)
  • 意思決定の際に陥りやすい「罠」について実例を入れて解説。FACTが何かを基に考える必要性を説いている。また所謂専門家の意見を聞きすぎる事の功罪などにも触れられており、巻末に訳者が纏めた8点はノートに書きとめようと思う。(評価A)
「ハカる考動学」(三谷宏治)
  • 「発想の視点力」から「ハカる」事について切り出して更に解説を加えた1冊。個人的にはドラクエ対FFのケースが懐かしかった。AC戦略グループ当時(97年)三谷さんから直接出題されて、プロジェクトの合間に「何が言えるか?」と懸命に考えたのを思い出した。思考力について色々な本が出されているが、三谷さんのが一番実務に近いと思う。(評価A)
購入:
「リーダーシップ・チャレンジ」(ジェームス・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー)、「20歳のときに知っておきたかったこと」(ティナ・シーリグ)、「組織力」(高橋伸夫)

2010年5月5日水曜日

GW最終日

 今日で1週間の休息も終了。昨日は母の日ランチで若干の親孝行。GWの課題は終了した。昨夜から今朝にかけては改めて「マネジメント(エッセンシャル版)」に眼を通した。気になる記述にマーカーを引いたが、経営の目的やトップマネジメントの役割について沢山のハイライトがついた。このあたりが自分の関心事なのだと今更思う。

読了:
「残念な人の思考法」(山崎将志)
  • 著者の経歴を見ると同じ頃にACにいたようだ。(もっともこちらは在籍が短かったので仕事で知り合うチャンスは小さかったが・・・)プロローグに書かれた経営者(たぶんNDのN氏)に比べると誰もが「残念な人」になるとは思うが、それは別にしても本書に書かれているような人は身の回りに多いと感じる。自分自身も果たして部下に仕事を任せる際、「考え方」と「前提条件」を共有できるようにしているだろうか、などと考えた。(評価A)
購入:
「未来を変えるためにほんとうに必要なこと」(アダム・カヘン)、「競争と公平感」(大竹文雄)、「日本経済の真実」(辛坊治郎、辛坊正記)

その他
バルサはテネリフェに勝ってマジックナンバー2.得失点差も広げてまたしてもレアルにプレッシャーを掛けた。前節のような試合だと下位相手でも安心できない。しかしバルサも次戦が厳しい事に変わりはない。プレミアのチェルシー&マンUのように最終節までもつれ込む可能性は80%とみる。
Jではマリノスの試行錯誤が続いている。俊輔をボランチにして若手を起用するようだ。当面は面白くなくても勝ち点3を稼ぐ結果オーライの状態になるのだろう・・・(でもそれが一番強いチームなのかも・・・)

2010年5月2日日曜日

GW中盤

 マリノスもバルサも勝利で何となく落ち着いた日曜日である。
 マリノスは相変わらず波に乗るところまでは行かないが、勝ち点はそれなりに増やしている。ただ、上位チームとの力の差があるので、W杯休みの間にしっかり地力をつけてACL出場権を目指して欲しい。
 バルサは難敵ビジャレアルに完勝。あと3戦全勝するのみだ。来週のセビージャ戦で全て決まるので後ろを振り返らずタイトルを確保して欲しい。

読了:
「統計学を拓いた異才たち」(デイヴィッド・サルツブルグ)
  • ベイズ理論のベイズくらいしか統計学者を知らなかった身としては、いかにして統計学が今の姿になたかを知るために大いに参考になった。面白かったのはナイチンゲールがパイチャートを発明したということと、ナイチンゲールという名の学者の貢献を描いた1章。そのほかにもピアソンとフィッシャーの件など、知らなかったことが多かった。もう一つは、統計学が極めて実務に近い存在だということ。ギネスなどの企業がそれなりに貢献していて驚いた。(評価A)
「W杯の透視図 蹴球対談」(倉敷保雄・西部謙司)
  • 南アフリカ大会の展望と日本代表の問題点をFoot!の司会者とコメンテータでもある二人がしゃべり倒している。「通」好みの予想がされているように思う。(評価B+)
購入:
「わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡 1,2,3」(塩野七生)、「ヒューマンシグマ」(ジョン・H・フレミング、ジム・アスプランド)、「オーナーシップ指数 OQ」(ジェームス・L・へスケット、W・アール・サッサー、ジョー・ホイーラー)、「エンゲージ・マネジメント戦略」(稲垣公雄、伊東正行)、「EVERNOTE」(コグレマサト・いしたにまさき、できるシリーズ編集部)、「いかにして問題をとくか」(G・ポリア)

2010年4月29日木曜日

GW初日

 今日からGW。明日一日休暇を取ったので1週間休みになる。これが明けると益々忙しくなりそうなので、どう対応するか考える時間を作ろうと思う。
 バルサは残念ながらUEFAチャンピオンズリーグ準決勝で敗退。決勝はインテル対バイエルンとなった。何としてもサンチャゴベルナベウの決勝に行こうとしていたバルサのショックは大きいだろう。リーガも手放すことになるかもしれない。

読了:
「告白」(湊かなえ)
  • 本屋大賞受賞作ということで一読。ショッキングな出だしから一気に読んだが、読後感は悪かった。舞台が中学ということで余計にそう思うのだろう。ただ、今の家族・学校の状況というのはこの小説と実は変わらないほど「寒い」のではないかと考えさせられた。映画になるというが、映像化は難しい作品なのでよくチャレンジしたものだ。(評価B)
「戦後世界経済史」(猪木武徳)
  • 昨年の経済本ランキングで常に上位にランクされていた1冊。確かに戦後から20世紀末までの経済状況についてアフリカやラテンアメリカの状況まで記述されているので、イベントの連続性が良く理解できた。「経済学史」ではないので仕方ない点はあろうが、経済学者・経済理論が及ぼした影響についてほとんど記述が無かったように思う。これは経済学がイベントを追いかける後付けの学問だという事を意味するのだろうか?(評価A)
購入:
「ストーリーとしての競争戦略」(楠木建)、「まさか!?」(マイケル・J・モーブッサン)、「W杯の透視図 蹴球対談」(倉敷保雄・西部謙司)、「明日のリーダーのために」(葛西敬之)

2010年4月24日土曜日

バルサ ピンチ!?

 今週どんなニュースを差し置いてでも自分的にNo.1はバルサがインテルに完敗した事。アウェイゴールで先制した後の逆転負け、それも2点差は痛いし、挽回のハードルが高い。グラウディオラがどんな手を打つのか、モウリーニョは優位をキープするためどのような采配をふるうのか、興味は尽きない。
 一方J1に眼を向けると、今日はマリノスがホームでアントラーズと戦う。開幕当初(というか俊輔復帰当初)の勢いがなくなったマリノスがどう戦うか。代表ボーダーラインの選手たちがどれだけ意地を見せるか。GW明けまで結構楽しみだ。
 また、たった今知ったのだが来年1月のアジアカップ本大会の組合せが決まった。サウジアラビア、ヨルダン、シリアというお馴染みの国ばかり。覇権奪回が目標になるが、さてさてこの時代表を率いるのは誰だろう?また、ポストW杯のメンバーは?6月のW杯次第では次回ブラジル大会から予選が厳しくなるだけに実は重要な大会になるのではないか。

今週の読了
「日経 経済教室セレクションⅠ、Ⅱ」(日本経済新聞社)
  • シリーズ第二弾発行を機に未読だったⅠとⅡを併せて購入し読んでみた。2008年9月の直前と後ということで危機の評価がどのように変わったかが良く分かる。ただ、日本経済の低調は変わっていないし、その原因は政策の失敗に負うところが大きいのも変わらない。日本沈没の時期が加速度的に近づいているように思われてならない。(評価A)
「戦略力を高める」(平井孝志)
  • ローランドベルガーのシリーズも何作目になったのだろう。本書は明確にミドルの戦略力の必要性を説いているのが日本向け。内容は可もなく不可もなくという感じ。巻末の付録はテンプレートになる。(評価A-)
「1Q84 Book3」(村上春樹)
  • Book2の最後からどう繋がるのか?が一番の興味で読んだ。なるほど、そういうことだったのかと納得。後はほぼ一気に読んだ。青豆と天吾の距離が縮まる過程で一応全て答えが分かったので、読後感は意外によかった。(3冊併せて評価A)
購入:
「告白」(湊かなえ)、「残念な人の思考法」(山崎将志)、「ハカる考動学」(三谷宏治)

2010年4月18日日曜日

やっぱり日本は・・・

 先週は香港での会議に1週間参加し、金曜日の深夜に帰ってきた。10年ぶりの香港は相変わらず活気があった。うちのオフィスは中心から少し離れたところだが、ヒルズかミッドタウンといった雰囲気の新築ビルに入っていた。比べると日本は何だか沈滞気味だなと思ったが、一方ミーティングルームで配られたお菓子は約半分が日本のブランドだったり、近くのショッピングセンターには日本語の表示が多かったりするのを見ると、まだまだ底力はあるのではないかと安心した。(ただ、一方では同時に、この底力を発揮できないデフレを退治しないと復活は難しそうだとも感じた。)

 TVで見ることはできなかったが、バルサがダービーをスコアレスドローで終わったようだ。レアルは明日バレンシア戦に益々気合が入る事だろう。

読了:
「考えよ-なぜ日本人はリスクを冒さないのか」(イビチャ・オシム)
  • オシムのW杯予想とでもいうべき一冊。俊輔と遠藤はもっと走れなど個々の選手への「エール」もあり、やっぱりこの監督でW杯を戦わせたかったなと改めて思う。セルビア戦の後だけになおさら強く思う。(評価A)
購入:
「1Q84 Book3」(村上春樹)、「新版 問題解決プロフェッショナル」(齋藤嘉則)、「企業価値向上論講義 社長の値打ち」(佐山展生 編著)

2010年4月11日日曜日

クラシコ

 クラシコは後半から見た。スコア以上にチーム力の差を見せつけてバルサが完勝した。レアルは個人(特にロナウド)の力に頼るばかりのように見えた。他のチーム相手なら通用するのだろうが、やはり世界最強チームには通じなかった。グティやラウールが先発の方が良い勝負になったかも。(恐らく2人ともこれが最後のクラシコになるだろう。)リーガはこれで結末が見えたようだ。

読了(記入漏れ):
「ロスト・シンボル」(ダン・ブラウン)
  • ラングドンシリーズ第3作。今回の舞台はワシントン。この街がこんなに謎を含んだ街とは全く知らなかった。フリーメイソンが題材で何となく、映画「ナショナル・トレジャー」ともかぶる感じもあるが、これまで同様におどろおどろしい描写あり、「ありえねー」と突っ込みたくなるところも満載。これも映画になるのかな?自分的には3作中Worst。(評価B)
購入:
「戦略力を高める」(平井孝志)、「考えよ!」(イビチャ・オシム)、「統計学を拓いた異才たち」(デイヴィッド・ザルツブルグ)

2010年4月10日土曜日

デューク優勝。セルビア戦・・・

 まずは今週一番嬉しかった事。デュークが9年ぶりにNCAAバスケットボールで優勝した。Final4に進んだ時点で「今年はもしかすると」と思い、準決勝の快勝で「大丈夫だろう」に変わったが、やはり決勝は難しい試合だった。バトラー最後のショットは外れたのが分かった後で見ても冷や汗ものだ。ただ、ほぼ完全アウェーの状況で勝ちきった事は来年に繋がるのではないだろうか。シングラーが残れば連覇の期待もできる。

 次はセルビア戦。放送を全く見なかったのだが、酷い試合だったようだ。ポイントは①何のための試合かが明確でなかった事、②そのため新戦力のテストも中途半端、主力はケガ続出となってしまった事、③監督の自信が崩壊した事、というところのようだ。これが代表発表前最後の「強化試合」なので、約束されたレギュラー陣が一人でも欠けるとコンセプトが共有できないという寒い状況で本番に臨まざるを得ない。おまけに、頼りの俊輔・遠藤に加え内田・稲本など「確定組」のコンディションが本番までに上がらない可能性が高くなっていること。ますます0勝3敗が現実味を帯びてきた。最後はやはり精神論?

読了:
「実践力を鍛える戦略ノート 戦略立案編」(原田 勉)
  • この著者は「競争逆転の経営戦略」やこれまで2冊の「戦略ノート」シリーズが良かったのだが、今回の1冊はレベルからすると初心者向きで、歯ごたえが足りなかった。ミドルマネジャーの勉強用教材としては良いのだろうが・・・印象に残ったのは、「ビジネスモデルとは合法的なイカサマ」というフレーズ。なかなか深い。(評価B+)
「利益思考」(グロービス 嶋田 毅)
  • タイトルは利益思考だが、事業開発のためのノウハウ集という感じがした。日本企業にとっては重要なのだろうが、「ボトムラインが重要」とか「株主への還元」ということがある意味当たり前の外資社員にとっては、「何を今更」という思いだ。(評価B+)
「日本経済復活 一番かんたんな方法」(勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之)
  • デフレ自身の問題が日銀の金融政策の拙さやマスコミの経済音痴により増強されている。まずはデフレを退治することが復活への第一歩、というリフレ理論派からの提案書。「生活者目線」ばかりの現政権には「馬の耳に念仏」にならなければ良いが・・・記述は分かりやすい。(評価A)
「エセ経営理論の嘘」(伊丹敬之)
  • プレジデント誌に掲載されたエッセイ集。読み返してみると、無謀な事も多いが、海外の経営者はリスクテーカーでアントレプレナー、日本の経営者はサラリーマン(所詮雇われ社長)だということが改めて感じられる。どんどんダイナミズムが無くなる衰退社会への道をまっしぐらに進んでいるように思えてならない。(評価B+)
明日から10年ぶりの香港。今回は観光の時間はないが、食事くらいは楽しみたいものだ。

2010年4月4日日曜日

FINAL 4

 UCAAバスケットボールトーナメントでデュークが決勝に進出した。Final4に残ったのも6年ぶりだったので、本当に久々の気がする。こうなれば地元Butlerにも勝って2001年以来の優勝を期待する。(やはりハラハラするので生では見られなかった。)

 マリノスはエスパルスに負け。俊輔と栗原の負傷退場まで付いてきてしまった。まあシーズンはまだ序盤だし、W杯を考えてしっかり直して欲しい。それにしてもシュート数に比べ何とゴールが少ないことか。。。

 バルサはクラシコに向け調子はまずまずのようだ。控え選手までモチベーションが高い。ただ、日程は圧倒的にマドリーが有利だ。バルサはアーセナルとのミッドウィークの決戦を控えており、センターバック編成で苦労しそうだ。チャンピオンズリーグに関してはここを乗り切れば決勝まで見えてくると思う。

読了:
「MBA事業開発マネジメント」(グロービス経営大学院 編著)
  • 日本人が意外に苦手なビジネスプランニングについて、資金調達まで視野に入れて書かれた案内書。CCCやユニクロなどの事例もポイントをついている。何気に経営戦略のコンセプト整理までできるので付加価値が高い。(評価A)
「その科学が成功を決める」(リチャード・ワイズマン)
  • 自己啓発やイメージトレーニング、「ほめる教育」など通説では良い・役に立つとされている理論も完璧ではない事が良くわかる。本当に実証を経た理論もあるので、取捨選択が必要と言う事だ。(評価A-)
「戦略思考のフレームワーク」(西村行功)
  • ロジカルシンキング、システムシンキング、シナリオプランニングをいつ・どのように活用すべきかが良く整理されている。ファイブフォーシズモデルのように、「動的な観察には適さない」とされている理論も使い方次第で有効だということが再確認できた。このフレームワークは絶対にモノにしようと思う。(評価A+)
「組織行動のマネジメント」(スティーブン・P・ロビンス)
  • OB(組織行動理論)の定番教科書。何も付け加える事なし。(評価A)
「中国名参謀の心得」(守屋洋)
  • 『三国志』を始めとする中国の古典に残された数々の参謀の活動とその評価が網羅できる。間違いないのは身の引き際の鮮やかさが評価の大きなポイントになっている点。諸葛孔明だけが参謀ではないのだ。(評価A)
購入:
「戦後世界経済史」(猪木武徳)

2010年3月28日日曜日

審判の力

 マリノスはまたもロスタイムでの失点でアウェイゲームの勝利を逃した。ホームでの2試合と異なり、マークを気にしたためであろう俊輔が中へ入りがちで、外でタメを作れなかったのが苦戦の原因ではなかったかと思う。ただ、主審の判定が、フロンターレ戦でも感じたように、この試合でも酷かった。最後のFKの判断が典型だが、とにかくちょっとでも手が触れて倒れると全て笛が吹かれたように感じられるほどで、あれでは「流れ」が切れてしまいスペクタキュラーな試合など望めるべくもない。専門誌に書かれていたように、もうしばらくはこのような状態が続くのだろう・・・

 膝の調子がいま一つで、診てもらった。靭帯などの問題ではなさそうで一安心。

先週の読了:
「コトバの戦略的思考」(梶井厚志)
  • 飲食店の「パート言葉」や「ら抜き」などの「乱れた」日本語について、その背景などを経済学者が書いたという点でユニークな本。やや強引に経済学に持ち込んでいる章もあるが、全般的に共感できたのはこちらの年齢の所為?(評価B+)
「社長の教科書」(小宮一慶)
  • 経営とは何か(筆者によると、①企業の方向付け、②資源の最適配分、③人を動かすの3つ)について最近メディアの露出が多くなった筆者が解説している。ただ、想定はしていたが、「社長力養成講座」とかぶる点も多かった(たとえば社長が「明るく、元気、大雑把で見栄張り」の会社が倒産するといった記述)。それでも参考にすべき点が多い。(評価A-)
「カスタマー・マニア」(ケン・ブランチャード、ジム・バラード、フレッド・フィンチ)
  • KFCやタコベルを運営するYUM(ヤム ブランズ)がいかにして顧客志向の会社を育ててきたかが著者の考える理想との対比で描かれている。社会の中でどちらかと言えば低いほうに位置づけられる、こうしたフランチャイズの社員が生き生きと仕事をする仕組みの構築は、正に今自分が達成する事を求められている課題とオーバーラップした。マネジャーレベル皆で読んで取り入れられる事がないかを考えてみたい。(評価A)
「マンU対バルサ 『世界最高の一戦』を読み解く」(杉山茂樹)
  • 昨年5月に行われたチャンピオンズリーグ決勝戦を題材に、世界最高峰のレベルと日本サッカーの現在地点を解説している。あの試合は銀婚式旅行出発の当日朝で、メッシのシュートをしたくしながら見た事、ロンドンについてバルサの優勝パレードをBBCで見たことなども思い出した。サッカー番長の言うとおり、ポスト岡田はヨーロッパの最高レベルのサッカーを熟知した人に監督を勤めて欲しい。せめてサッカーは、「辺境」ではなくメインストリームに入りたいと思う。(評価A)
購入:
「実践力を鍛える戦略ノート 戦略立案編」(原田勉)、「日経 経済教室セレクションⅠ、Ⅱ」(いずれも日本経済新聞社編)、「戦略思考のフレームワーク」(西村行功)、「利益思考」(グロービス 嶋田毅)

2010年3月21日日曜日

マリノスVSフロンターレ

 二年ぶりにJを生で見た。強風でゴールキックが明後日の方角に飛んでしまうような状況の中、マリノスの良さばかりが目立った試合になった。ベルマーレ戦でもそう思ったが、俊輔のところで良い意味のチェンジオブペースができて、周りの良さが引き立った。運動量も多くなかったし、ミスも多かったが、決めるところは決めるので、安心できた。クラブW杯で見たマンUの時のクリスティァーノ・ロナウドが俊輔と同じようなポジションで「待機」していたのを思い出した。これが欧州のポジショニングなのではないか。それにしても、昨年は山瀬・兵藤・狩野と並ぶとパス交換ばかりで点を取る臭いがしなかったのに、3人同時に起用して4点取れた(おまけにバーやポストに嫌われたシュートも他にあった)のは俊輔効果?和司効果?このままのサッカーが続けられれば、かなり良い線までいけると確信した。(逆にフロンターレとガンバを心配できる余裕ができている!)

読了:
「第5の競争軸」(ピーター・D・ピーターセン)
  • サステナビリティが第5の競争軸になるという事だが、正直その他の4つの軸がMECEになっていないと思われ、読んでいる間中気持ちの悪さが付きまとっていた。この種の本を読むたびに感じるのは日本企業の意思決定の遅さとガラパゴス化への危機感。うちでも本社とのやり取りを通じて感じるのは、日本以外はマーケットも企業も真にグローバル化しているということ。日本だけが特殊だと言うだけでは最早取り残されるばかり。Japan PassingどころかJapan Nothingになるだろう。(評価B)
「野村総合研究所はこうして紙をなくした」(野村総合研究所ノンペーパー推進委員会)
  • うちも業務でペーパーレス化に取り組んでいて苦労しているので、参考になるところが多かった。第一に感じたのは紙がなくなるのはあくまでチェンジマネジメント(業務変革)の結果だという事。これまでの仕事の仕方が変わらないとシステム導入は余計な作業を増やすだけだ。羨ましかったのは現場が問題意識を共有し、自らも解決案を提言していること。こうした状況に如何に近づける事ができるだろうか?(評価A)
「ビジネス・ツイッター」(シェル・イスラエル)
  • ツイッターの可能性が良く理解できた。企業はこれまで基本的に1対多のコミュニケーションしかして来なかった。ツイッターはある意味初めて企業と個人がオープンの場で1対1(one-to-one)のコミュニケーションをするという世界だと思う。アカウンタビリティの弱い企業がこれにより淘汰されてしまう脅威すら感じた。逆にオピニオンリーダー(=ソサエティメディア)との関係をどう構築できるかがマーケティング・顧客サービス部門の課題と認識した。(評価A)
「ジェフ・イメルト GEの変わりつづける経営」(デビッド・マギー)
  • ジェフ・イメルトはジャック・ウェルチほどメディアに登場する事がないし、出てきてもM&Aやスピンオフの時ばかりなので、どういう人物かいまひとつ分からなかったが、この本を読むとひょっとするとウェルチよりも大物ではないかと思えた。少なくとも懐の深さでは勝っているようだ。また、この本を通じ改めてGEの人材輩出の仕組みのすごさを感じた。(評価A-)
購入:
「「その科学が成功を決める」(リチャード・ワイズマン)、「エセ理詰め経営の嘘」(伊丹敬之)、「バルサ対マンU 『世界最高の一戦』を読み解く」(杉山茂樹)

2010年3月14日日曜日

俊輔復帰

 昨日のような事を「格の違い」というのだろう。俊輔が入っただけでFC東京戦とベルマーレ戦では別のチームのような連携ができていたように見えた。俊輔が持ったところでタメができるので、他の選手のフリーランニングが生きた。これまでのマリノスはただ前に走るだけのチームだったが、昨日は効果的なサイドチェンジもあったし、緩急メリハリが効いていた。また、俊輔がスタメンに入ったためにはじき出された狩野の「意地の一発」と試合後のコメントからは、早くも「俊輔加入の副次的効果」も感じられた。俊輔個人は積極的にシュートも打っていたし、基本はサイドに張って、ピッチを広く使おうという意識が強く感じられた。ただ、後半途中から、運動量が低下し、中でプレーする時間が多くなったのは課題だろう。20日(土)のフロンターレ戦はスタジアムで見るので、もっと色々な点が見えると思う。

読了:
「リスク・リテラシーが身につく統計的思考法」(ゲルト・ギーレンツァー)
  • ベイズ推定の考え方が良く分かる1冊。有名なモンティ・ホール・プロブレムだけでなく、O.J.シンプソンケースなど裁判で如何にいい加減な統計が用いられているかなど、数字に敏感でないとどんなに損をするかが書かれている。ただ、例が医学の話に偏っているという難点もある。(評価B+)
「結果を出すリーダーになる」(スティーブン・R・コヴィー、ロバート・A・ホイットマン、ブレック・イングランド)
  • 今のような予測不能な時代において結果を出すには①最優先課題を実行する、②信頼がもたらすスピードを活用する、③時間と資源を集中する、④不安を和らげるという4つの原則を守る事が必要というのがメッセージ。印象に残ったのはBクラス社員(2-6-2の中間層)の業績を引き上げる効果が思いのほか大きいと言う事。ちょうどシステム導入中でもあり、この点は意識したい。(評価A-)
「センスメーキング・イン・オーガニゼーションズ」(カール・E・ワイク)
  • Amazonの書評は非常に高かったが、難解な1冊。ただ、読み進む中で、何となく理解というか自分でのセンスメーキングが出来たように思う。リーダーとして自分の思いをどのように伝え、部下がmake senseできるようにしていくかが課題。(評価B+)
購入:
「ジェフ・イメルト GEの変わりつづける経営」(デビッド・マギー)、「コトバの戦略的思考」(梶井厚志)、「カスタマー・マニア」(ケン・ブランチャード、ジム・バラード、フレッド・フィンチ)、「社長の教科書」(小宮一慶)、「日本経済復活一番かんたんな方法」(勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之)、「中国名参謀の心得」(守屋洋)、「野村総合研究所はこうして紙を無くした」(野村総合研究所ノンペーパー推進委員会)

2010年3月6日土曜日

バーレーン戦・Jリーグ開幕

 バーレーン戦はロスタイムの1点が余計だった他はほぼ予定通りの結果だった。ただ、内容は韓国戦までの4戦と比べると全く異なっているように見えた。俊輔と松井が入ったためサイドの使い方が格段に良くなった。その分チャンスも多かった。あのまま松井を残すような選手交代であれば多少希望が持てたのだが・・・結局そうしなかったのでバランスが崩れた。こんな采配をやっているから内閣より低い支持率なんだと思った。まさか本番は大久保先発????

 今日はマリノス対FC東京を家で見た。結果は0対1ではあったが、マリノスの攻撃的な姿勢はGood!来週から俊輔をどのように起用するか楽しみになってきた。20日のフロンターレ戦は是非スタジアムで見ようと思う。一方相手ながらFC東京では石川と平山で決勝点というのが良かった。この二人は是非W杯のメンバーに残ってもらいたいと個人的には思う。

今週の読了
"Resource-based Theory"(Jay B. Barney and Delwyn N. Clark)
  • リソースベース理論に関する論文集。コアコンピテンス論やダイナミックケイパビリティ論とのオーバーラップについては、これを読んでも明確にはならなかった。また、結局のところ持続的な競争優位を生み出すリソースというのは相対的なものであること(それ自体は自明だろう)以上のものでないように感じた。(評価B)
「マーケティングマインドのみがき方」(岸本義之)
  • BMW、ユニクロなどの事例からマーケティングマインドの必要性を説いた本。コンサルタントの本ではあるが、理論に偏っていなかったので読みやすかった。基本は自社の顧客は誰なのかを本当に理解する事に尽きると改めて思う。(評価A)
「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト)
  • 9.11がなぜ事前に防げなかったのか、といった実例から問題を発見する事、問題の予兆を見極める事の重要性が説かれている。トヨタの問題にも繋がるかもしれないが、やはり現場力の弱さとトップの器量の大きさが肝心だと思う。(評価A)
「赤い指」(東野圭吾)
  • 加賀恭一郎シリーズの1冊。単行本で出版されたときに買おうかと思ったのだが、シリーズ1作目でなかったという理由で買わなかった。今回「新参者』を読んだので、遡って購入した。犯人が当初から読者に分かっているというパターンは違うが、「親子」のあり方がここかしこに登場する点は似ている。読後感はやや重い。(評価B+)
「カッコウの卵は誰のもの」(東野圭吾)
  • これも「親子」がテーマの1冊。被害者が犯人でもあるという事が段々分かってきて、それでも最後には意外な結末が待っていた。モチーフになっている日本のアマチュアスポーツ界の有り様が、ちょうどバンクーバーオリンピック直後という事もあり、なるほどと思うところが多かったような気がする。(評価A-)
「持続可能な未来へ」(ピーター・センゲ、ブライアン・スミス、ニーナ・クラシュウィッツ、ジョー・ロー、サラ・シュリー)
  • ピーター・センゲはいつから環境問題専門家になったのだろうというのがまず第一の感想。ただ、いたる所で「学習する組織」に関する理論・ツールが登場してはいる。もうひとつ感じたのは、日本の企業はグリーン革命への対応で本当にトップランナーと言えるのか?ということ。コカコーラの取り組みなどを読むと、米国企業は侮れない。気づいたときには1週遅れになっていないと良いが・・・(評価B+)
購入
「ロスト・シンボル」(上・下)(ダン・ブラウン)、「第5の競争軸」(ピーター・D・ピーダーセン)、「結果を出すリーダーになる」(スティーブン・R・コヴィー)、「ビジネス・ツイッター」(シェル・イスラエル)、「MBA事業開発マネジメント」(グロービス経営大学院編著)

2010年2月28日日曜日

2月も終わり・・・

 東アジア選手権とかオリンピックとかで何かとスポーツの話題が多かった2月も今日で終わり。俊輔もマリノス復帰が決まった。日産スタジアムに行く理由ができたのはやはり嬉しい。自分はというと今朝のテニスで膝に痛みが出た。悪くならないといいが・・・
 今週は3日のバーレーン戦が非常に興味深い。今度こそ言い訳のできない状況での代表戦になる。監督を替えない決断が正しかったと証明したいのであれば、これまでのような一点差ゲームではNGだろう。ただ、個人的には今回も一点差勝利か引き分けがせいぜいではないかと見る。その時どうなるのか?

先週の読了:
「戦略的データマネジメント」(トーマス・C・レドマン)
  • データの品質がプアであることは現在の経営では致命的。Garbageを入れてもGarbageが出てくるだけ。データ品質の7つの問題のほとんどが当社に当てはまるのはやはり寂しい。今進めている新システムでいくつかの問題はクリアできそうだが・・・(評価A-)
「学習優位の経営」(名和高司)
  • 日本の経営の弱点を「マーケティング力」、「事業モデル構築力」、「経営レベルでの決断力」の3つとしたあたり、アクセンチュアの西村氏の分析にもオーバーラップしていると思う。出てくる例がユニクロや任天堂など限定されているところに問題の根深さがあると思う。現場を起点とするメビウス運動の考え方は参考になる。(評価A)
「未来のスケッチ」(遠藤功)
  • 遠藤さんらしい観察力がそこかしこにちりばめられた一冊。思いを共有することの強さが伝わってくる。問題は人数が増え、多様な価値観が存在するような職場をいかにリードするか。リーダーの力が本当に重要なのだと思う。(評価A)
購入:
「センスメイキング・イン・オーガニゼーションズ」(カール・E・ワイク)、「マーケティング力のみがき方」(岸田雅裕)、「なぜ危機に気づけなかったのか」(マイケル・A・ロベルト)、「持続可能な未来へ」(ピーター・センゲ他)、「リスクリテラシーが身につく統計的思考法」(ゲルト・キーレンツァー)、「赤い指」(東野圭吾)、「カッコウの卵は誰のもの」(東野圭吾)

2010年2月21日日曜日

今度こそマリノス俊輔!?

 俊輔はマリノスへの完全移籍の方向で最後の詰めに入ったようだ。賛否いろいろあるだろうが、リーガに行ったこと自体で得るものはあったのではないか?スピードの問題等弱点を如何にカバーするか、Jの試合を通じて克服して6月を迎えて欲しい。(結局は俊輔だのみの代表なので・・・)

 バルサは完勝したが、シャビの不在の影響は大きいように思われた。パス回しの役者が一枚どうしても不足しており、メッシでは力不足だ。この先の2冠達成はシャビ次第だろう。

 昨夜のクラス会は22人参加。近況報告が子供の受験から就職に移ってきているのは、それだけこちらが歳をとったからだろう。来年は卒業30年目ということで、本郷での開催が決まった。

購入:
「戦略的データマネジメント」(トーマス・C・レドマン)、「学習優位の経営」(名和高司)、「未来のスケッチ」(遠藤功)

2010年2月20日土曜日

今日はクラス会

 今日は2月第三水曜日。恒例の大学のクラス会だ。そろそろ卒業30年。みんないい歳になった。今年はサプライズがあるのかな?

今週の読了:
「管理職の心得」(大島洋)
  • 著者がデュークMBAの「先輩」にあたる(年齢は下だけど)ということもあり購入。内容はリーダーシップ論の「まとめ」。自己・他者・組織という3つの切り口で解説してあり分かりやすかった。参考文献のリストもしっかりしており、社内勉強会の教材として使おうと思う。(評価A)
「新・プラットフォーム思考」(平野敦士カール)
  • 幹事のメリットのように身近なところから、アライアンスの組み方まで、「場」を作ることの重要さは理解できた。しかし、何が「新」なのかは今一良く分からない。時折出てくる自慢話はだんだんうっとうしくなってきた。(評価B)
「柳井正 わがドラッカー流経営論」(NHK「仕事学のすすめ」制作班 編)
  • 「一勝九敗」、「成功は一日で捨て去れ」とのオーバーラップが大きかった。ただ、柳井氏がどのようにドラッカーと向き合ったか、という点については参考になる。(評価B+)
「コカ・コーラに学ぶビッグ・ウォレット戦略」(古谷文太)
  • 日本コカ・コーラが多くのボトラーを束ねて全体最適化することが如何に難しかったかが理解できた。結局のところこの戦略は成功したのだろうか?というのが読後の率直な感想。ゴールドラットならどうしたろうか?(評価B)
(その他)
 韓国戦は初めて日本代表に「負けろ!」と思ったという、ある意味とっても屈辱的な試合だった。結局のところ協会は目先のリスクを回避し、中期的でもっと大きなリスクを残してしまった。
 サッカーダイジェストは昨年のチリ戦がベストゲームだったにも拘らず、そこで生きた本田を定着させず「コンセプト」を優先させた事を「失敗」としているようだ。それほどまでに「コンセプト」こだわってきた監督が、ここに来て磐田(前田)と新潟(矢野・大島)を見たり、指宿合宿に呼ばなかった国内組の選手をバーレーン戦に呼ぶと報道されている。会長が言っているように「ぶれていない」どころか「ぶれまくっている」と見える。結論:0勝3敗確率は60%以上!本番はそれでも応援するつもりだが・・・

2010年2月14日日曜日

日韓戦

 東アジア選手権開始前には「地元で優勝!」と宣言していたのに、いつのまにか「勝ってはいる」にトーンダウン。優勝を目指すのなら、今日は「バランスを崩してでも大量得点を取りに行く」べきなのに、それもやりそうにない。結局のところ「勝てれば言う事なし、仮に(スコアレス)ドローでも何となく解任の声を黙殺」、という筋書きを協会も監督も予定しているようだ。ただ、今晩負けるようなら流石に協会としても動かざるを得ないだろう。韓国とて今日負ければ監督更迭の声が出るのは必至。そういう意味ではW杯出場をかける試合以上に興味深い一戦になる!

読了:
「未来思考」(神永正博)
  • これから先の日本の人口予測を様々な角度から分析している。(過去のルーマニアなどの少子化対策などにも言及しているのが面白かった。)労働人口の動きなどを見ると、これから日本が目指すのは、「そこそこの大きさで内容が良い」経済強国(大国ではなく)といったところになるのだろう。「2020年の日本」を読んだときにも感じたが、こうしたBig PictureというかGrand Designを描けないと、そうした方向すら覚束なくなる。国民の資質が問われるといってもいいだろう。(評価A)
 バンクーバーオリンピックが開幕、上村愛子は惜しくも4位。彼女はまたもピークの持っていき方が早すぎたのだろう。全ては結果論だが・・・

2010年2月11日木曜日

3対0

 香港戦終了。天候やピッチコンディションなどExcuseはあるだろうが、いずれにせよこれで大会優勝はますます遠のいた。昨日韓国が中国に負けた時点で今日の課題(=大量得点での勝利)は明確だったにも関わらず、毎度ながらのちびっ子FW先発とは・・・監督は状況を甘く見過ぎている。今日は日中「インビクタス」を見たので、当時の南アフリカチームの直向きさに比べるべくもない体たらくに、得点を見ても声を上げようとも思わなかった。今のままではきっと6月まで同じようにTV観戦するのだろう・・・

今週ここまでの読了:
「オシムの伝言」(千田善)
  • オシムジャパンとはなんだったのか。新聞で色々書かれた事の裏事情が分かって良かった。返す返すも残念。あのままオシムが続けていたら違った日本が見えたろうに・・・(評価A)
「不連続変化の時代」(ジョシュア・クーパー・ラモ)
  • 旧来の見方では危機対応はできない。ソ連の崩壊、イスラエル対ヒズボラ、Wiiなど政治からビジネスまで、いかにUnthinkableな事が起こるか。危機を予見するためにどれほどイマジネーションが重要かなど、学ぶべきところが多かった。(評価A)
「論理思考は万能ではない」(松丘啓司)
  • 論理思考万能と思われがちなコンサルの世界でも、結局のところ100%客観的なことなどないという事。本当は当たり前なのに忘れている事を思い起こさせてくれる。その限界を承知した上でも、論理思考すべきだと思うが、こういう本を読んで、「経験・勘・度胸のKKD」で良いのだと思われると困る。(評価A-)
「2020年 10年後の日本」(田原総一郎 編集)
  • 榊原英資・竹中平蔵、丹羽宇一郎、ホリエモンなどそうそうたるメンバーとの対談を通じ、10年後の日本がどうなっているかを「予言」した本。結局今というかこれから2年くらいの間に日本の国家戦略・グランドデザインをどう描くのかが政財官すべてで求められているのだと思う。さて、その中で自分はどう生きるのか?(評価A)
 読書感想を書いているうちに、今日見ながら感じた事を思い出した。西部氏や杉山氏が書いているとおり、日本のMFは中に入りすぎ、サイドをえぐる形が全く作れていなかった。石川のような選手でアクセントをつけないと単調な攻撃に変化は起こらないだろう・・・

2010年2月7日日曜日

スコアレスドローX2

 先週の代表戦は2試合ともTV観戦したが、これまでと違って観ていても全くドキドキしなかった。起こらないだろうと予測した良い方向への変化はやはり起こらなかった。言い訳は色々あるのかもしれないが、次の香港戦はともかく、14日の韓国戦で勝てそうな気がしない。それが昨日巻き起こったブーイングの意味だろう。選手の所為にはできない。ホーム開催のこの大会に優勝できなければ、監督は更迭されるべきだ。たとえ本番まで4ヶ月であっても、代わりはいくらでもいる!選手が変な奇跡を起こさない事を願う。

先週の読了:
「インセンティブ」(タイラー・コーエン)
  • 経済学の本というよりも、展覧会の見方やおいしいレストランの見つけ方といった趣の本。逆にそれだけインセンティブのような経済学的な考え方が実生活と結びついているのだという考え方もできるのだろう。でも結局のところ、評価の割にはそれ以上の本ではなかったような気がする。(評価B)
「プロフェッショナルたちの脳活用法2」(茂木健一郎)
  • 部下の育て方やアンチエイジングの観点から一流のプロはどのように脳を使っているか。師匠がいくら頑張っても部下に育とうという気がなければNG。ここのところ、そこをどうすれば良いのか考える事が多い。この本を読んで益々そう考える。(評価B)
「ザ・コストカッター」(アンドリュー・ワイルマン)
  • 過去の多くの経験からいかにコスト削減に取り組むか。ATカーニーの「最強のコスト削減戦略」に重なるところが多かった。CFOの立ち位置(要はビジネスが良く分かっている事)についてはその通りだと思う。(評価B+)
「論点思考」(内田和成)
  • BCGを離れた著者が別離にあたり書きたかった1冊という感じ。論理思考の課題である「正しい問題について考えているか」について、そうならないための対策が書かれている。視座・視野・視点など他の本で紹介されているポイントとのオーバーラップはあるが、論点思考の重要性は充分理解できる。(評価A-)
「ダイアローグ 対話する組織」(中原淳、長岡健)
  • どうしたら思いを徹底できるのか、はマネジャー共通の問題意識だと思う。そのために場を作ったり、ストーリーを見出したりという努力もそれなりにしている。ただ、確かにモノローグの限界は感じる。ダイアローグで成果を上げるには、上司の方が大変だ。時に矛盾した考えをダイアローグを通じ理解させるにはどうすべきか?自身どれだけ深く考える事が求められる。上に立つ身はそれなりに大変なのだ。(評価A)
「イノセント・ゲリラの祝祭」(海堂尊)
  • 「チーム・バチスタの栄光」から続く田口・白鳥コンビの4作目。今回は病院内の事件ではなく、厚労省・霞ヶ関との「対決」がメインストーリー。著者はこの小説を使って、現在の法医学・解剖学の問題点ばかりでなく、霞ヶ関がいかに現場とかけ離れた世界にいるのかと言う事を暴き立てている。この点、「ジェネラル・ルージュの凱旋」よりまた一歩過激になった。ただ、彦根の「独白」はtoo muchで、お腹いっぱい。このトーンが続きそうなら、もうこのシリーズは読まないかも・・・(評価B)
購入:
「柳井正 わがドラッカー流経営論」(NHK「仕事学のすすめ」制作班・編)、「未来思考」(神永正博)、「新・プラットフォーム思考」(平野敦士カール)、「コカ・コーラに学ぶビッグ・ウォレット戦略」(古谷文太)、「管理職の心得」(大島洋)

2010年1月31日日曜日

体調悪し

 先週末から風邪のようだ。胃の不調が続いている。今日はテニスも休んでしまった。皆勤賞はまた来季の課題になった。
 日本代表の合宿のニュースでは小笠原と平山ばかり名前が出てくる。相変わらずマスメディアは視野狭窄のように思う。火曜日のベネズエラ戦で何が見えるか?あまり期待できないのは監督ゆえ?(今回も合宿に呼びながら出場させない選手続出の予感がする。)
川島-徳永-岩政-今野-長友-稲本-憲剛-乾-石川-金崎-平山なんていうメンバーでやったら何か見えるんだけど、むりだろうな。

読了:
「プライマル・マネジメント」(ポール・ハー)
  • 5つの社会的欲求(協力したい、能力を開発したい、能力を発揮したい、革新したい、自己を守りたい)について組織がインセンティブを与えるメカニズムを持つ事が高業績に繋がるとの理論書。自らも書いているように東洋的な臭いがする。うちの社員でこれらの欲求を強く持っている割合がどれほどなのだろうと考えてしまう。(評価B+)
「ぼくらの頭脳の鍛え方」(立花隆、佐藤優)
  • 西洋のインテリと伍して議論できそうな数少ない著名人である2人が、どのような本を紹介するか楽しみでもあったし、どのくらい自分が読んでいるか確認もしたかった。結果はほとんどオーバーラップなし(せいぜい10冊)。紹介されている本で未読のものについては彼らの紹介で読んだ事にしようと思う。(評価B)
「ストール・ポイント」(マシュー・S・オルソン、デレク・バン・ビーバー)
  • 歴史的なデータを基に、企業の成長がいかにして止まるか。その先復活する企業とそうでない企業を分けるのはどこかを検証した本。"How the Might Fall"にも通じる。問題は成長している中で生まれているというのも同じ結論と言っていいだろう。残念なのはこの本が今翻訳された事。巻末のリストではリーマンブラザースやAIGといった今回の危機の「主役たち」が成長継続となっていた。せめて訳者はリバイスすべきではなかっただろうか?(評価B+)
「人生と仕事について知っておいてほしいこと」(松下幸之助 述 PHP総合研究所編)
  • いつもながら心して読みました。「愛嬌」の重要性、憤慨する人は実力のない人等々響きました。(評価A)
「新参者」(東野圭吾)
  • 「加賀恭一郎もの」は初めてだったが、流石に昨年のミステリーランキング1位だけのことはある。メインの殺人事件を解決するだけでなく、周囲の人間模様・背景が人情味溢れて描写されている。(評価A)
「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか」(ケン・ブランチャード、ポール・J・メイヤー、ディック・ルー)
  • 情報過多、ネガティブな意識の排除、フォローアップの必要性。要はやる気があれば何でも出来る。何となくでも自分で身につけてきた習慣はこれらの3条件を満たしている事は再確認した。(評価B)
「忘却の整理学」(外山滋比古)
  • 「思考の整理学」著者による、忘却のすすめ。忘れることの重要性が繰り返し説かれていて覚えやすいという1冊。「田舎の学問より京の昼寝」、「継続はNG」、「忘却が先行」など定説に従っていては創造的な思考ができないという点、真似てみよう。(評価A)
購入:
「オシムの伝言」(千田善)、「論点思考」(内田和成)、「不連続変化の時代」(ジョシュア・クーパー・ラモ)、「2020年 10年後の日本」(田原総一朗編)

2010年1月24日日曜日

リセット

 先々週・先週とイベントが続いて慌しく過ぎた。問題は山積であるが、今週からは少しだけじっくり構えて事にあたりたい。

先週の読了:
「ストーリーテリングが経営を変える」(ジョン・シーリー・ブラウン、スティーブン・デニング、カタリナ・グロー、ローレンス・プルーサク)
  • 現在の自分の課題は「コミュニケーションにおける説得力を如何に高めるか」と感じている。これに取り組むヒントがストーリーテリングにあるのではないかと思い買った。直接すぐに役立つヒントという類のものは無かったが、日頃から題材集めの努力を地道に続ける事が必要だと改めて思う。(評価B)
「型破りのコーチング」(平尾誠二、金井壽宏)
  • スポーツが題材ではあったが、述べられているコーチング・リーダーシップ論は新書と思えないくらい深かった。持論の必要性、「リーダーシップはリーダーとフォロワーの間に漂っている」、リフレクションなどが学ぶべき点だった。それにしても毎度の事ながら、サッカーの日本人監督・コーチからはこういう話が出てこない(少ない)のが寂しい。(評価A)
「aha! Gotcha ゆかいなパラドックス(2)」(マーチン・ガードナー)
  • 統計・時間・タイムマシンの話など、人間の興味の広さ・深さと限界を思う。このシリーズ共通の感想でもある。ただ、流石に少し飽きた。。。(評価B+)
「経営戦略立案シナリオ」(佐藤義典)
  • 内容としては「実戦マーケティング戦略」と被るが、BASiCS各要素の一貫性が重要である事は肝に銘じておきたい。「ダイナミック戦略論」を意識して、今の打ち手と数年後の打ち手がどのように変わるかシナリオとして作っておくと更に完成度の高い戦略になると思う。(評価A)
購入:
「ダイアローグ 対話する組織」(中原淳、長岡健)、「イノセント・ゲリラの祝祭」(上)(下)(海堂尊)、「論理思考は万能ではない」(松丘啓司)、「ザ・コストカッター」(アンドリュー・ワイルマン)
 

2010年1月16日土曜日

京都

 今週は海外のビジター対応に明け暮れた。名古屋・京都・大阪にも同行し、京都の名跡ミニツアーや関空からのフライトなど個人的にも久々(京都は40年ぶり)や初の経験をした。名古屋ではちょうど小沢一郎到着と重なって、危うく予約していた新幹線に乗り遅れるところだった(汗) とりあえずは無事に済んだが、これから宿題をこなすのが大変だ!
 サッカーではバルサが国王杯で敗退したのが一番のサプライズ。アフリカネーションズカップの間にリーグでも波乱があるかもしれない。 日本代表はベネズエラ戦のメンバーが発表されたが、けが人の石川や久々の小笠原が入ったのが驚きであった。なんだか周囲の声(俊輔と競わせるため小笠原を入れるべきとか、ウィングタイプの選手を入れるべきとか・・・)に配慮した選考に思える。また方針がブレたのではないかと感じられる。

読了:
「論語と算盤」(渋沢栄一)
  • 明治を代表するビジネスマンが語る経営哲学書。単に論語だけではなく、実際に自ら海外を見聞して気づいた事など幅広い内容が書かれている。ウィルソン大統領との面談で日本の企業についてコメントがなかったことに反応したエピソードなどは「坂の上の雲」あたりと共通する当時の日本人の気概を感じる。(評価A)
「Twitterの衝撃」(日経BP社編集局編)
  • 「若者もすなるTwitterといふものを年寄もしてみむとてするなり」と考え、ビジネスにどのようなインパクトが出てくるのかという興味から読んだ。リアルタイムでの情報共有がことうちのビジネスとどう繋がるか、まだ良く見えない。とりわけ企業が発信する情報をどれだけ真面目に捉えてもらえるかが課題だろう。なんらかの可能性は感じているが・・・(評価B+)
「日本辺境論」(内田樹)
  • 卑弥呼や聖徳太子の行動から始まって、真名・仮名の考え方まで、日本人は「辺境人」というコンセプトで見ると分かりやすいというのはその通りかもしれない。しかし、益々グローバル化する世界と付き合うには、「何かと比べるという方法論」しかなくても、その基準に従って生きるしかないと思う。自分には「縮みの日本人論」という感じで映った。(評価C+)
購入:
「ぼくらの脳の鍛え方」(立花隆、佐藤優)、「プロフェッショナルたちの脳活用法2」(茂木健一郎)、「なぜノウハウ本を実行できないのか」(ケン・ブランチャード、ポール・J・メイヤー、ディック・ルー)、「ストール・ポイント」(マシュー・S・オルソン、デレク・バン・ビーバー)

2010年1月10日日曜日

平山覚醒?他には?

 You Tubeでイエメン戦の平山のゴールを見た。少なくともアジア相手であれば使える選手であるとアピールできたのではないか。これで渡辺や他のFWの闘志に火がつくのを期待したい。Numberの統計によると、過去(98年以降)のW杯予選でグループ内のFIFAランキング最下位チームが勝ち抜くには、3試合で5点は取らないとダメとあった。日韓大会の日本も5点取っている。そういうチームになってきているかがこれからの5ヶ月間チェックポイントになる。
 関連して、「0勝3敗」という"非公式ガイドブック"は面白い。杉山茂樹氏始めとする論客が岡田退陣論を展開している。ちゃんと擁護論も載せているのが良いところ。世界のサッカーを見れば見るほど、今の日本のサッカーが規格外と見える、というのは厳しい。

読了:
「ウーマン・エコノミー」(マイケル・J・シルバースタイン、ケイト・セイヤー)
  • 「なぜ高くても買ってしまうのか」、「なぜ安くしても売れないのか」に続く"第3弾”で、これまで2冊と同様、インタビューした消費者のエピソードをふんだんに取りいれ、マーケティング戦略構築のヒントを提供している。ウーマンエコノミーの「重点分野」(食・フィットネス・美容・アパレル・金融サービス)、その中で勝ち抜くための4R(Recognize, Research,Respond, Refine)の実践などわが社にも影響大と感じた。今回は特にBCGコンサルタントらしくない1冊だと思う。(評価A)
「ほんもの」(ジェームス・H・ギルモア、B・ジョセフ・パインⅡ)
  • 「経験経済」の著者の1冊ということで注目して読んだ。人工的に手を加えたものであっても「ほんもの」ということがあり得るかといった哲学的な側面もあり、結構深い1冊。翻訳はあまりよくないので余計に考えないといけなかった。結局、一流と二流を分けるのは、バリュープロポジションとデリバリーのためのオペレーションの一貫性であるように思う。「にせもの」を「ほんもの」と訴えるのも、その逆もどちらにもこの方程式があてはまるようだ。(評価A)
「競争力の原点」(遠藤功)
  • 現場力、見える化のGuruの最新本。これからの日本企業は規模(体格)のナンバーワンを目指すのではなく、品質(体質)のナンバーワンを目指すべしというのが一貫したメッセージである。今の日本の経営者を見ると、「どんどんM&Aをやって世界一を目指す」というような逸材がいないし、日本人は残念ながらグローバル化していない(むしろガラパゴス化している)ので、結局この方向が正しいのかもしれない。ただ、一点気になったが、日本の自動車産業に関する「インドのメーカーとは違う道を歩め」とのアドバイスが、「日本車は安かろう・悪かろうで最後は我々が勝つ」と思っていたBig3の辿った道にオーバーラップするように感じられた事だ。(評価B+)

2010年1月4日月曜日

Man U Defeated

 FAカップで早くもマンUがリーズに敗れた。リーズが3部にいるというのも昔を知る身からは信じられないが、断片的に見た昨夜の試合では名門の意地のようなものが感じられた。それにしてもレアルマドリーもスコアレスドローだったし、やはり年明け初戦は難しいのだろう。

読了:
「『決定力不足』でもゴールは奪える」(杉山茂樹)
  • 昨年の「4-1-2-3」の続編ともいえる一冊。岡田ジャパンがやろうとしているサッカーがいかに欧州の「フットボール」と異なるか、決定力不足・司令塔といった日本式サッカー用語の問題点を舌鋒鋭く説いている。オランダ戦のあと監督が「俊輔の裏をつけば良い」と言っていた点にも通じている。「辺境の国」ニッポンが世界に追いつくためにはまだまだ外国人、それもヨーロッパの監督を呼ぶ必要がある点同感である。(評価A)
購入:
「aha! Gotcha ゆかいなパラドックス(2)」(マーチン・ガードナー)、「インセンティブ」(タイラー・コーエン)

その他
 明日からいよいよ2010年度が始まる。異次元の働きで頑張ろう!

2010年1月3日日曜日

2010スタート

 「異次元の走り」 昨日の東洋大学柏原竜二の山登りを見ていて思った。往路2位との差が3分半で区間記録第2位との差が4分以上で、結局この貯金で復路も逃げ切った。結局は「個」の力がものをいう。今年は個人的にも仕事で「異次元の力」を発揮したい。それが組織全体を引っ張る事になる!
 今朝エスパニョールはロスタイムの失点でバレンシアに敗れた。俊輔は相変わらずで今日も結果は出せなかった。両チームの差はやはり個の力の差。ビジャと俊輔の差と言っても過言ではない。
 
 今日購入した「決定力不足でもゴールは奪える」は期待できそう!

購入:
「決定力不足でもゴールは奪える」(杉山茂樹)、「新参者」(東野圭吾)