2014年2月23日日曜日

完敗でシーズン始まる

ゼロックス・スーパーカップでシーズンが始まった。サンフレッチェに0対2で完敗。ボール支配という点では互角だったが、ゴール前の迫力に欠けたという印象だ。マルキの穴はまだ埋まっていない。サンフレッチェがこれまでより高い位置に最終ラインを置いていたため、F.マリノスは勝手が違っていたようだ。結局のところ、俊輔の言うとおり「まだ戦う準備ができていなかった」という事だろう。ただ、藤本と俊輔との共存は可能性を感じたので、ACL初戦およびリーグ開幕戦ではゴール&勝利という結果を期待したい。

読了:
「史論の復権」(與那覇潤 対論集)

  • 日本の「中国化」というオリジナル理論を提唱する著者が政治・経済・TV・映画など様々な分野の論客と行った対談を収録した1冊。中国化という表現の持つ意味が読み進む中で理解できた。民俗学、映画史、大河ドラマ史という史論における対論の方が面白かった。(評価A)
「正義の偽装」(佐伯啓思)
  • 「保守派論客」の一人である著者による批判的民主主義論。「民意」とは何か、国民主権が意味するもの、西欧と日本では国家の成り立ちが違う中で生じる矛盾、などが説かれている。石原慎太郎と三島由紀夫の思想の違いなどにも言及されている。それでも他の政治よりましだとされるのは民主主義だ、と読後改めて思う。(評価A)
「日本哲学のチカラ」(小川仁志)
  • 日本哲学とは何か、という興味から読んだ。仏教と神道がどのように日本人の思想に影響したかから始まり、儒学・武士道・朱子学などが言及され、明治以降の哲学者につながる流れがよく整理されている。哲学ブームがなぜ起こっているかについても本書を読むとその一端が理解できる。(評価A)
「ハーバード戦略教室」(シンシア・モンゴメリー)
  • "The Strategist"の邦訳。原書も読んだが、改めて経営における戦略がいかに重要であるか、またCEOなどトップマネジメントが「守護者」として機能することの大切さを思った。如何にうまくポジショニングしてもケイパビリティがなければ成功できないし、その逆も真。日本企業が全般的に弱い理由はStrategistの欠如と言えるのだろう。(評価A)
「経営はだれのものか」(加護野忠男)
  • アメリカ流の企業統治への批判と日本的な株式持ち合いの評価を通じ、日本企業では協働する株主による統治が必要と説いている。個人的には株式持ち合いは今では欠点の方が多いと考えるし、上記のとおりStrategyが欠如している現状を変えないと意味のない提言と感じた。会社の所有者はだれであろうが、経営は経営者=Strategistのものだ。(評価B-)
購入:
「『企業変革』入門」(鈴木博毅)、「第五の権力」(エリック・シュミット、ジャレッド・コーエン)、「危機とサバイバル」(ジャック・アタリ)、「領域を超える経営学」(琴坂将広)、「グローバリゼーション・パラドクス」(ダニ・ロドリック)、「「ビジネスモデル・イノベーション」(ラリー・キーリー他)

2014年2月16日日曜日

2週連続の大雪

昨日は毎年恒例の大学のクラス会。金曜日の大雪で足下が悪い中での開催になった。22名参加の予定だったが、3名が当日欠席。幹事の私は早めの到着を目指したが、東横線のトラブルで遠回りを余儀なくされた。

今年は卒業以来となる初参加者がはるばる関西から出席してくれたので、人数は少なめだったが、盛会になったと思う。昨年に比べると参加者(企業幹部)の顔色が良かった。アベノミクスのプラス効果が出てきているからだろう。4月の消費税率引き上げをどう乗り切るか、賃上げがどうなるか、課題はあるが、少なくとも追い風が吹きつつあるのが感じられた。

今週末(22日)はゼロックス・スーパーカップ。いよいよシーズンが始まる。マルキーニョスの穴は埋まったか?実戦の場で試される。


読了:
「ビッグの終焉」(ニコ・メレ)
  • 「ラディカル・コネクティビティ」がメディア・政府・企業・軍隊などにもたらす影響が如何に大きなもので、結果として従来これらの中心であった大組織が役割を終える。本書の良い点は、単純なラディカル・コネクティビティ性善説に立っていないことだ。新たな「ビッグ」を生み出すことを始め、我々が考えなければいけない点に言及されている。日本の近未来予言書と言って良いだろう。(評価A+)
「最高の戦略教科書 孫子」(守屋淳)
  • 「孫子」各篇の解説(前半)と現代の経営を考える上での示唆(後半)とからなる解説書。様々な解説書がある中でも、後半で「突っ込みどころ満載」の孫子から如何に学ぶかを事例を交え説明している点がユニーク。「コンサルタントとしての孫子の著書」という視点で読み解くと、幾通りにも解釈される書き方になっていることも理解できる、という考え方が面白かった。(評価A)

2014年2月9日日曜日

大雪!

昨日は20年ぶりの大雪ということで外出せず、朝からソチオリンピックの開会式(録画)を見ていた。(シャラポアの聖火リレーでビックリ。)今朝は恐る恐る歩いてテニスへ。うちのクラスは参加者が9名と多かったが、隣は1人のみ。ということでコート2面を10人で使用。却って疲れました。明日の朝、通勤が心配だったが、駅前はそれなりに雪掻きされていたので、大丈夫そうだ。少し安心した。

読了:
「U理論入門」(中土井僚)
  • C・オットー・シャーマー博士のU理論について、①センシング、②プレゼンシング、③クリエイティングという各ステップがどのようなもので、実践するにはどうするか、が事例を交え説明されている。しかし、この「入門書」自体が400ページを超えるところに、U理論の実践がいかに難しいかが集約されている。So what?と言いたくなる。(評価B)
「並外たマネジャーになる80対20の法則」(リチャード・コッチ)
  • 80対20の法則はマネジメントにも活用できる。そのためにマネジャーが心掛けるべき10のヒントの多くは自分でもやっているのではないか、というのが率直な感想。常に最大の効果を求めるのはマネジメントであっても基本だ。ただ、定期的に職を変わった方が良い、といったアドバイスは欧米だからこそ成り立つものだろう。(評価B+)
「戦略的ストーリー思考入門」(生方正也)
  • ストーリ-テリングに関する本が増えているのは、それを必要とする場面が増えている(多様性の高まりなど)からだろう。本書はいかに説得力のあるストーリーを作るかという点にフォーカスをあてて解説している。物語をうまく使うために「はじめ」と「おしまい」に気を付けるといった点は意識してみよう。(評価B+)
「事業創造のロジック」(根来龍之)
  • Amazon、セブン・イレブン、DeNA、玉子屋、ソフトバンク、西友ネットスーパー、サウスウェスト航空といった企業のビジネスモデルについて、出発点・因果関係・妥当性と正当性・模倣困難性・発展性という5つの切り口から分析し、解説している。ポジショニング論、リソースベースビューを超えたダイナミック・ケイパビリティ論からの戦略論であり、久々切れ味のよい戦略論を読んだ思いがした。(評価A)

2014年2月2日日曜日

J1日程発表&W杯予選方式変更ほか

J1のスケジュールが明らかになった。ACLグループリーグ期間中(3月~4月)の日程は予想通りハードだ。しかもこの間にヴァンフォーレ(Away)、アントラーズ(Home)、アルビレックス(Away)、ベガルタ(Home)と昨年勝てなかったチームとの試合が続く。ここでチームの総合力がどれだけアップしたかが試される。また、昨年同様11月のホーム最終戦がアルビレックスになっている!今年はどんな展開でこの試合を迎えるのだろうか?

2018年W杯の予選方式変更が報じられた。試合数が4試合増え、かつ全体にアジアの弱小国を相手にする試合が多くなりそうだ。海外組なしの実質B代表をうまく活用することなど、特に1次リーグをどう戦うか戦略が必要になる。

アカデミー賞候補の2作品を見た。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と「アメリカン・ハッスル」だ。どちらも実話がベースになっており、「犯罪者」が主人公のストーリー。ディカプリオもクリスチャン・ベールも良かったし、70年代~80年代のアメリカンミュージックが懐かしかった。次は「ラッシュ」を見る予定だ。

読了:
「転換期の日本へ」(ジョン・W・ダワー、ガバン・マコーマック)

  • 日本の外交はどうあるべきか、海外から見た場合にどう映るか。現在の中国・韓国との関係悪化には日本サイドにも問題があるということが説かれている。また、本書ではアメリカの「したたかさ」とどう付き合うかについて、重要な指摘がなされている。一貫した、理論的な外交戦略の欠如が事態の深刻化を招いているという指摘は、しっかり受け止めなければならないのではないか。(評価A)


「利権の復活」(古賀茂明)

  • 原発、TPP、アベノミクスや憲法問題・外交問題における安倍政権の発言パターンを通じ、日本の改革がこのままでは進まないという元経産省官僚の著者による警告は、重く受け止めなければならない。ここのところ益々その傾向が強まっていると感じるので、注意が必要だ。最終章の橋下徹論と、関連した「小さな政府を指向するハト派」というポジションを取る政党がないという指摘も面白かった。(評価A+)


「知の格闘」(御厨貴)

  • 東大の最終講義がシリーズになっているということ自体興味深いし、内容も政治史、公共政策論、建築やメディアと政治など多岐に亘っていてまさに「知の格闘」が繰り広げられている1冊。小泉純一郎に対する評価は今回の都知事選を巡る氏の行動を見ていると納得する。その他の政治家への評価も鋭い。(評価A)


「意外と会社は合理的」(レイ・フィスマン、ティム・サリバン)

  • 組織経済学という視点から企業(に加え、軍隊や教会といった組織)における「理不尽」なことに、それなりの理屈があるのだという事を説いた1冊。意外と難解だったというのが正直な感想だ。プリンシパル・エージェンシー理論、トレードオフやゲーム理論など経済学の基礎知識がないと、読みこなすのは難しい。(評価A-)


購入:
「史論の復権」(與那覇潤)、「日本哲学のチカラ」(小川仁志)、「正義の偽装」(佐伯啓思)、「ビッグの終焉」(ニコ・メレ)、「ハーバード戦略教室」(シンシア・モンゴメリー)、「経営はだれのものか」(加護野忠男)、「最高の戦略教科書 孫子」(守屋淳)