2014年1月25日土曜日

開幕戦決定

J1開幕戦と第二戦が決まった。初戦はアルディージャ、二戦目がエスパルスということで移籍組(下平、伊東、藤本、矢島)の古巣との対決から始まることになる。果たしてピッチに立てるメンバーはだれか?

今年はスーパーカップ、ACL第一戦とJ開幕前に2試合を戦う。ACLに参加するJチームはここのところ毎年ACL予選リーグ序盤で躓いて、スタートダッシュできないことが多い。F.マリノスが昨年のような好スタートを切るには、キャンプを含むこれから4週間の準備が大きな鍵を握る。過密スケジュールを乗り切るにはベテランを随時休ませるローテーションが不可欠になる。この面からも新入団選手と若手の奮起を期待する。

ヨーロッパの移籍期限が迫り、日本人選手の動向が気になる。本田はとりあえず無難なスタートというところだが、他の選手は心配だ。香川はやはりモイーズに信頼されていないことがチェルシー戦で明らかになった。マンUがチェルシーからマタを獲得したことも逆風だ。噂通りのチーム(インテル?アトレチコ・マドリー?)からオファーが来ているのであれば移籍すべきだろう。一方吉田は負傷者の関係から出場のチャンスが出てきた。しかし、試合勘を取り戻すためにはやはり移籍を考えるべきだろう。

久々デューク・ブルー・デビルズの話。ACCリーグ戦でいきなりアウェー2連敗となってランキングが20位代まで下降したときは「どうなることか?」と心配したが、ここにきて復調の気配。来週は新規加入のピッツバーグ大、シラキューズ大とアウェーが続く。共にランキング校、しかもシラキューズはここまで無敗。厳しい戦いになるが、ここを乗り切れないようではリーグもNCAAトーナメントも上位進出は望めない。ジャバリ・パーカーの爆発に期待する。

読了:
「Give & Take」(アダム・グラント)
  • Giver、TakerとMatcher。三つのタイプの中で成功するのも凡庸で終わるのもGiver。では、成功しているGiverはどんな人なのか?「情けは人のためならず」はアメリカであっても一定通用することが証明されているのが本書のユニークなところ。読みながら、自分はGiverだろうか?と自問した。(評価A)

「スリランカの赤い雨」(松井孝典)
  • 一昨年スリランカで降った「赤い雨」の謎から始まり、生命の誕生を巡るパンスペルミア説(生命は地球外に起源するという説)とはどのようなものかなど、アストロバイオロジーの最新理論が解説されている。ダーウィンの進化論だけでは説明できない生物の分化に、地球外からもたらされるウィルスが関係しているという考え方は興味深い。でもなぜ日本では「赤い雨」が観測されないのだろう?まだまだ解決すべき課題があるように思う。(評価A+)

「維新の後始末」(野口武彦)
  • 幕末から維新までの歴史に比べ取り上げられることが少ない明治初期の日本の有様が、様々なエピソードから浮かび上がる。西南戦争までの約10年における近代国家としての基礎固めがどんなに大変だったか、著者の言うとおり維新が革命であったということが本書を通じ理解できた。(評価A)

「知的創造の作法」(阿刀田高)
  • アイディアの集め方、拡げ方、読書の効用など知的創造に重要なスキル・手法がまとまっている。ただ、著者らしく「いかに短編小説を作るか」という観点からのまとめが多いので、どう応用するかは読者次第、という読後感だった。(評価B)
購入:
「U理論入門」(中土井僚)、「並外れたマネジャーになる80対20の法則」(リチャード・コッチ)、「戦略的ストーリー思考入門」(生方正也)、「事業創造のロジック」(根来龍之)

2014年1月18日土曜日

新体制決まる。

今週は本田のACミランでのデビュー&初ゴールが話題をさらっている。代表がブラジル大会で勝つには本田と香川が万全の状態で臨むことが条件の一つであるのは間違いがないので、本田には更に活躍して欲しい。一方の香川も前節は良いプレーをしていたが、今週のチェルシー戦が今後を左右するのではないか。ここで輝ければスタメンを確保できる。注目だ。

F.マリノスはFW2名(伊藤と矢島)の獲得を発表した。伊藤翔については何年か前にFootがグルノーブルを取材したときの印象が残っている。当時は松井のオマケという感じでインタビューを受けていた。ケガの影響などで実績は残せていなかったが、体幹がしっかりしている選手だと感じた。俊輔と組んだらどんな化学反応を起こすだろう。期待しよう。

明日(19日)は新体制発表会ということなので、おそらく補強はこれで終了だろう。ACLとリーグを戦うには選手層を厚くすることが必要だったが、各ポジションとも実力差のないメンバーを複数揃えることができたのではないか。絶対的存在の俊輔にも藤本というバックアップできるメンバーが入ったし、ドゥトラ引退?にも下平が対応できる。トップは新加入の2人に藤田・端戸が切磋琢磨すればマルキの穴を埋めることができるだろう。齋藤がW杯後欧州に移籍しても大丈夫だ。思い起こすと昨年シーズン前には「おっさん軍団」の息切れを心配し、上位争いは難しいと考えていた。今年のメンバーならリーグ制覇は十分可能だ。

読了:
「ヤバい予測学」(エリック・シーゲル)

  • "Predictive Analysis"(原題)とはどのようなものか、その有効性と限界までが実例を持って説明されている。日本では行われていないが、クレジットの信用情報と自動車事故頻度の関係を保険料に反映される例など業務面で身近な例もあった。また、IBMのコンピューター(ワトソン)がいかにクイズ番組「ジョパディー」でチャンピオンを破るに至るかは今後の予測分析の可能性の大きさも感じさせる。タイトルはミスリーディングだが、内容は○。「シグナル&ノイズ」と併せて読むべき本だ。(評価A+)
「企業遺伝子の継承」(野口吉昭)
  • 「企業遺伝子」は著者が十数年来テーマとしてきたコンセプト。本書では日本企業が寿命といわれる30年を超えて繁栄していくために何が必要かという観点から遺伝子論を展開している。カギとしているのが「事業推進の革新」、「組織システムの革新」と「人をあきらめない」ことの3つ。本書を読むと特に最後の点の重要性が理解できる。「企業は人なり」ということだ。(評価A)
「値上げのためのマーケティング戦略」(菅野誠二)
  • アベノミクスによる景気浮揚、円高の終焉による原材料価格の上昇、更に4月からの消費税アップ。こうした環境下、企業が苦心しているのが、いかにダメージを少なく値上げするか、という点であるのは間違いない。本書は日本企業が苦手としている価格戦略を如何に構築し、実践するかの解説書。何箇所か誤植があり、クレディビリティを損なっているのが残念。(評価A-)
購入:
「スリランカの赤い雨」(松井孝典)、「転換期の日本へ」(ジョン・W・ダワー、ガバン・マコーマック)、「会社は意外と合理的」(レイ・フィスマン、ティム・サリバン)、「知の格闘 掟破りの政治学講義」8御厨貴)、「利権の復活」(古賀茂明)

2014年1月12日日曜日

残るはFWの補強?

F.マリノスへの移籍選手が発表され、噂通り、藤本・三門・下平の3選手が加わった。「中堅」と呼べる世代が少ないチームなので、妥当な補強だ。俊輔とドゥトラのバックアップができたのはACLとリーグを並行して戦うには好材料だ。後はFWにもう一本、柱が欲しい。マルキーニョスの得点力を補えるのは誰だろう?それにしても、毎度感じるのだが、F.マリノスはFWが育たないチームだ・・・

読了:
「現場主義の競争戦略」(藤本隆宏)

  • グローバル経済の中で日本企業は従来強みであった現場力をどう生かすべきか。問題は本社にある。本書の良い所は、円高の流れが変わったことで日本企業が復活するという単純な現場礼賛論にも、逆に日本企業はダメだという悲観論にもなっていないことだ。著者の説く通り、組織能力をいかに構築するかというフレームワークから競争戦略を考えるべきだ。(評価A)
「ホワイト企業」(高橋俊介)
  • 「サービス業化」という流れの中で人材育成はどうあるべきか。人に投資する企業(IIP: Investors in People)、働く人にとってグレートな会社(GPTW: Great Place to Work)を目指すにはどうすべきか。著者が沖縄で実践し、経験した内容からの考察なので説得力がある。(評価A)
「数学的決断の技術」(小島寛之)
  • 判断基準とはどのようなものがあるのか、日々無意識に使っているのはそのうち何なのか、決断する時に気を付けるべき落とし穴は何か、本書は数学・統計学・経済学・心理学の応用である「意思決定理論」の優れた入門書だ。機会損失の検討などは日々の仕事の決断で有効だ。本書のアンケート結果では、この種の本を読み過ぎ?の私は判断基準がぶれているらしいが、「常に最適な判断基準を使える」意味と信じることにする。(評価A)
「政治の起源」(フランシス・フクヤマ)
  • 下巻では「法の支配」、「政府の説明責任」が各地域、各国でどのように確立されたのか、また確立されてこなかったのか、が説かれている。本書を読んで、著者の理論が「国家はなぜ衰退するのか」とかなり近いと感じた。政治と経済発展との関係が切り離せないものであることを改めて考えた。(評価A)
「気が遠くなる未来の宇宙のはなし」(佐藤勝彦)
  • シリーズの第三弾。今回は、半端な遠さではない未来に宇宙はどうなるのか、最新理論も踏まえて説明されている。宇宙の膨張がこの先も加速を続けるのかどうか、全て明らかになっているわけではないが、それにしても人類の知性はこんなところまで来ているのか、と改めてその凄さを感じた。(評価A)
購入:
「企業遺伝子の継承」(野口吉昭)、「値上げのためのマーケティング戦略」(菅野誠二)、「Give & Take」(アダム・グラント)


2014年1月4日土曜日

天皇杯優勝!

天皇杯決勝は2対0でサンフレッチェに勝利。F.マリノスは9年ぶりのタイトルを獲得した。リーグで2勝している相手であり、「サンフレッチェ相手に前からプレスをかけることができる唯一のチーム」と俊輔が言っていた通り、終始こちらのペースで試合ができた。リーグの敗戦から立て直し、マルキーニョスの穴を埋めて優勝できたというのは見事だったが、「リーグの方が良かった」というのは本音だろう。「終わりよければ全て良しではない」というのもまた然り。例えば、この試合でも、前半兵藤のシュートが決まっていたら完全にサンフレッチェはギブアップだっただろう。今シーズンACLを含め戦うにはこうしたところを修正していかなければならない。ただ、今は優勝できたという喜びに浸り、疲れた体を休めて欲しい。

俊輔は元日夜のTVでもスーパープレーを見せてくれた。制限時間を過ぎた後ではあったが、25メートル先で上下に動くウェディングケーキに乗った人形に見事命中させたのは、動くバスに蹴りこんだ伝説のFK同様YouTubeなどを通じ世界中で見られることになるだろう。「MVP取ったのと同じくらい嬉しい」という俊輔の言葉にプロとしての誇りを見た。2014年も期待したい。

読了:
「知の武装」(手嶋龍一、佐藤優)

  • 世界の情勢を正しく読み取る「インテリジェンス」が如何に大切か、日本のマスコミ(TV・新聞)では真実を掴むことはできないのだ、ということが改めて証明されるような本だ。また、我が国のジャーナリズムがどれほど薄っぺらいものであるかも理解できる。安倍政権でどこまで著者(佐藤氏)の言う「帝国化」に迎えるか。2014年は試金石になる。(評価A)