2016年11月22日火曜日

火に油!?

モンバエルツ監督の続投が正式決定したが、F.マリノスのゴタゴタは収まる気配を見せていない。報道によると社長および統括本部長が練習後の選手に続投を説明したところ、選手から反発をうけたという。以下報道から気になった点を列挙する:

  • 成績が下がったチームなのに監督の年棒が上がった
  • 契約解除されたスタッフの挨拶に対し、ねぎらいの言葉もなく練習を開始した
  • 来シーズンの目標・戦い方について質問されしどろもどろになった
  • あやふやな状況のままミーティングは打ち切られた
  • 俊輔について聞かれた監督が、「彼にとってよりよい状況・環境を願っています」と発言した
  • 報道陣への対応を広報に「丸投げ」した
もし、これらが言われている通りなら、監督・フロントに対する選手の反発は当然だろう。また、最後の一つは多くのファン・サポーターから「移籍容認」と解釈され反発を受けるだろう。

マネジメントに携わる者は誰も、時には自分の意に反する決定を受け入れざるを得ない事がある。また、その判断の背景を言えない事もある。それでも前へ進まなければいけないのであれば、思う通りの結果が得られない時は自らの地位を辞する覚悟を持ち、誠意を尽くしてチームメンバーと話すしかない。また、第三者(マスコミなど)から不正確な事実が回りまわってチームメンバーに届く事態は避けるにはトップ自らが自分の言葉で話すのが「常識」だ。残念ながら今回のマリノスの監督・フロントのコミュニケーションでは事態を却って悪化させるだけだ。

同じ事がファン・サポーターとのコミュニケーションについても言える。監督続投発表における社長のコメントには相変わらず「心」が感じられない。「これからもファン・サポーターの皆さま、ホームタウンの皆さまに愛されるクラブを目指し邁進して参ります」とあるが、小林との契約満了発表からの約3週間やっていることは、結果的に全く逆効果になっている。「強いマリノス」どころか「グランパスの次の」降格候補と揶揄される始末だ。

こうした事態を収めることができるのはトップしかいない。「経営のプロ」のお手並みを拝見したい。

2016年11月19日土曜日

サウジアラビア戦勝利はターニングポイント?モンバエルツ続投で新たな火種か?

W杯最終予選。今季最後の試合はB組トップであるサウジアラビアとの対戦。大方の予想通りハリルホジッチ監督は本田・香川・岡崎に代え久保・清武・大迫をスタメンに起用した。
 立ち上がりから日本の出足が良く、サウジに仕事をさせない状況が続くが、シュートを焦る悪癖は変わらずなかなか得点できない。結局前半は終了間際に「疑惑の判定!?」で得たPKを清武が決めた1点のみで終了。
 後半も開始早々は変わらない流れが続いたが、香川が入ったあたりからリズムが悪くなり、サウジが盛り返してきた。それでも左サイドを崩し原口が2点目を決めたことで勝利はほぼ確実と思ったが、やはりこの試合も無失点では終えられなかった。ロスタイムに1点を返され、更にクロスからヘディングシュートを打たれ西川がセーブするという場面まで作られてしまった。結果的にこの失点が効いてグループ首位での折り返しにはならなかった。
 11月の2戦で一層明らかになったのは、従来の主力と遜色ない働きができるメンバー(「ロンドン組」更には「リオ組」)が揃ってきたこと。これでメンバーの序列が崩れ、チーム全体の底上げが図れるのは間違いない。試合に出られていないメンバーは出場機会を求め移籍を考えるだろうし、新たな「スタメン組」も益々頑張るだろう。監督の采配には「?」のつくところも多いが、アウェーのオーストラリア戦、ホームでのサウジ戦を経てようやく選手が監督のやりたいことを体現できるようになったと思う。来年3月にはUAEとのリベンジマッチが控える。そこには更に逞しくなったサムライがそろうことを期待する。

F.マリノスは今週2人の「リオ世代」SB獲得を発表した。下平の長期離脱と三門の移籍で手薄だったSBは補強ポイントの一つではあった。大卒ルーキーの高野を含め切磋琢磨してマリノスのために頑張ってほしい。さて、次はどんな発表があるのだろう?
・・・という中で監督の続投が決定的という報道が入ってきた。記事を読むとここでも「中澤問題」同様フロントの方針がぶれまくっている様子がうかがわれる。内容が事実なら俊輔の動向が非常に気がかりだ。今のチーム戦術(リトリートした守備からのカウンター一辺倒)は俊輔がやりたいサッカーとは異質だし、ジュビロが良いオファーを出してきた時に「マリノス愛」だけで残留してくれるだろうか?これがはっきりするまで年チケ更新手続きはやらないことにする。改めて書くがフロントはチームの「顧客」が誰かしっかり考えて対応してほしい。シティグループは断じて顧客ではない!

2016年11月12日土曜日

アルビレックスに苦戦もガンバとの準々決勝に進出!(天皇杯4回戦)

金曜日のA代表オマーン戦。15日に控えるサウジアラビアとの大一番へのテストマッチに斎藤が2年半ぶりに出場。他にも大迫・永木と会場だったカシマに縁のある選手が先発した。結果は4対0だったが、出来が良かったと思えたのは大迫と清武ぐらい。斎藤を持ち上げるスポーツ紙もあるが、ボールタッチが今一つの時があったり、周りとの連携だったり、普段リーグ戦を見ている眼からは、正直もっとできたのではないか、と思う。「本番」での注目はこの試合でも出来の悪かった本田が先発で起用されるかどうかだ。

ここ2週間ピッチの外ばかり騒がしかったF.マリノスは天皇杯4回戦でアルビレックスと対戦。所要で生観戦できずダイジェストを見ただけだったが、開始早々から危ない場面を作られ、シュートミスで助かっていた印象だ。内容的には厳しい試合だったが、アディショナルタイムのラストプレーで天野の公式戦初ゴールが決まった。兎にも角にもこれで準々決勝進出。ガンバと今季5度目の最終決戦に臨むことになる。試合会場は今後決まるのだろうが、マリノスがホーム扱いになるので、恐らく日産スタジアムでの開催ではないか。今度こそ決着を付けて3年ぶりの天皇杯制覇を目指そう。(ただし、その前に契約のゴタゴタはきれいに処理して欲しい。)

NCAAバスケットボールのシーズンが始まった。Pre-season Ranking No.1の我がDuke Blue Devilsは初戦を快勝した。期待の1年生3人(皆来年のNBAドラフト上位指名候補)がケガをしていても、今季の選手層の厚さがあればこのくらいは当たり前という強さだ。来週早速No.2にランクされるKansas大との試合がある。「飛車角落ち」のチーム状態でどこまでできる楽しみだ。

2016年11月11日金曜日

スポーツチームにとっての「顧客第一主義」とは

シーズン終了直前から始まった一連の報道に対し、F.マリノスHPに社長声明が掲載された。内容に注目すべきところはないし、明日のアルビレックス戦を前に「付け焼刃」的に出した印象を持たざるを得ない。

今回の件については、6年前の教訓が組織として継承されていなかったことが本質ではないかと考える。最終節を前にして突然HPに背景説明のないまま「小林と契約更新せず」と出たり、ベテラン3選手に紙一枚で減俸が通告されたと報道されたりすれば、ファン・サポーターがどういう反応を起こすか予測できなければ会社経営としては失格だ。

チームにとって出資者・スポンサーは大事だということに異論はない、スポーツクラブにとっての「顧客」とは誰かと考えるとき、それはファンであり、サポーターだ。経営陣が「顧客第一」と考えるのであれば、日常からもっとファン・サポーターと向き合い、Voice of Customer(VoC:顧客の声)を拾い上げていくべきだ。そうした努力が不足していたことが今回のドタバタだの本質と思う。大多数のF.マリノスサポーターは、いくら優勝争いをしても契約のもつれから俊輔や中澤が去ったチームには満足感を覚えないだろう。これが代表的なVoCのはずだ。チーム経営陣にはそのあたりをしっかり理解してほしいと考える。

2016年11月5日土曜日

早くも嵐が吹き荒れる。

小林との契約終了に続き、中澤・俊輔・栗原へ大幅減俸提示とのニュースが伝わってきた。今シーズンの貢献度を考えて俊輔と栗原に減額提示がされるのは一定理解できるが、中澤に対する提示には首をかしげざるを得ない。「外へ行ってくれという意味なのか!」というボンバーの怒りは尤もだ。そんな中、俊輔にはジュビロが獲得の意思を示し、今朝はレッズが榎本獲得検討とも報道されている。ファビオの移籍は決定済みのようだし、斎藤の去就も不透明になっている。レギュラークラスのこれだけのメンバーが動揺する事態は異常だ。この状況下それでも天皇杯優勝を目指せとは言いづらくなってしまった。

若手が成長したことは確かにチームの将来を考えるとプラスだが、来シーズン優勝争いに絡むことを目標にするのなら戦略は異なるだろう。前回書いたように、今年出てきた若手の何人がJ1上位チーム(レッズ・フロンターレ・アントラーズなど)との対戦で機能しただろうか?最終節の状況を見ると甚だ心許ない。やはりチームの骨格には確実なパフォーマンスを期待できるベテラン・中堅を据えて戦うのが常道だろう。

フロントは現場としっかり意思疎通しているのだろうか?マツの時のドタバタ劇を繰り返すつもりなのか?闘莉王を切って最終的に降格したグランパスの迷走から学ぶべきところは大きいはずだ。

この先どうなってしまうのだろうか???



2016年11月3日木曜日

13勝12分9敗でシーズン終了(レッズ戦)

11月3日J1リーグ最終戦が行われ、F.マリノスは年間王者がかかるレッズとアウェーで対戦した。試合前日にまさかの小林退団決定のニュースが流れたことで、何となく暗い気持ちでのTV観戦が始まった。スタメンはトップ下に兵藤、天野がボランチで、事前に伝わっていた4-3-3には見えなかったが、それは一方的にレッズがボールを支配する展開だったからだろう。マリノスは跳ね返すのがやっとで、セカンドボールを拾われてまた攻め込まれるという状況。ただ、レッズのフィニッシュが精度を欠いてくれたおかげで0対0で折り返す。

 後半、天野がボールを持つ回数が増え、そこから斎藤へ渡ってチャンスを迎えるなどマリノスにも攻撃の機会が生まれてきた。しかし先制点はレッズ。ゴール前でパスをつながれ関根がシュート、こぼれ球を柏木に決められた。これで終わりか?と思ったが、後半40分ハーフライン付近でボールを得た伊藤からマルティノスへのパスが通り、これをマルちゃんがうまく流し込んで同点に追いついた。フロンターレが負けているとの情報が入ったレッズは時間稼ぎに入りそのまま試合終了。試合には負けなかったが目の前で年間1位に喜ぶレッズを見ることになった。

 これでマリノスのリーグ戦全日程が終了した。結果は13勝12分9敗の勝ち点51で年間10位。ここ数年で最悪の順位で終わることになった。引き分けの多さ、特にホームで勝てなかった要因は何なのか?ケガ人が続出したこととマリノスタウン閉鎖に因果関係はないのか?表面上若手は台頭したが、主力として引っ張っていける人材はいるのか?他にも課題は山積している。一方で天皇杯獲得に全力を尽くすのはもちろんだが、J2への降格が決まったグランパスのようにならないため、クラブ経営陣にはしっかりと総括し、しかるべき補強をおこなってほしい。