読了:
「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦)
- 少し前まで、宇宙の始まりはビッグ・バンだと思っていた。だがビッグ・バンをもたらしたものがあるのであれば、それ以前があったはずだ・・・本書は宇宙論の変遷を示すことで、宇宙創成論の変遷について説いている。参加型宇宙とかトップダウン型宇宙(ホーキング)などに加え人間原理のような一見「?」といった宇宙論が紹介されているが、本書のタイトルの疑問は、極めて哲学的でもあるということを再認識できる。(評価A)
「技術大国幻想の終わり」(畑村洋太郎)
- 戦後の「奇跡の50年」を経て、自ら目標を定めなくてはならなくなって20年。本書では、サムソンやアップルとの比較などの事例を踏まえ、日本企業の技術力過信が現在の低迷の一要因であることを指摘している。また、「価値」の追求にスタンスを変えるべきという第3部の内容は今後の進むべき途を正しく示している。「失敗学」で著名な工学者である著者による「『技術では負けていない!』という思い込みを捨てるべき」という警鐘は重い。(評価A+)
「シフト&ショック」(マーティン・ウルフ)
- ファイナンシャル・タイムズ(FT)の論説主幹である筆者が、リーマンショックとそれに続く欧州金融危機の根本原因を解説、今後に備えるために何が必要かを説いた一冊。グローバルエコノミーにおける「世界的な過剰貯蓄」、「グローバル・インバランスの拡大」とそれを促した自由化・テクノロジー・高齢化といったトレンドまで捉えることが重要だということが理解できる。今まさに進行中のGrexit(ギリシャのEuro圏離脱)を考える上でも、本書のEuro危機分析は極めて有効だ。(評価A+)
購入:
「マスタリー」(ロバート・グリーン)、「プロフェッショナルマネジャー・ノート2」(プレジデント書籍編集部 編)、「こうして、世界は終わる」(ナオミ・オレスケス、エリック・M・コンウェイ)、「量子コンピューターが本当にすごい」(竹内薫)、「反資本主義の亡霊」(原田泰)、「政治の眼力」(御厨貴)、「ガイアの夜明け 挑む100人」(テレビ東京報道局 編)
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