2015年8月8日土曜日

収穫乏しい東アジアカップ

東アジアカップは男女とも中国との最終戦を残し優勝の可能性が消滅した。

なでしこは2連敗で、今回のメンバーが海外組はじめW杯カナダ大会レギュラークラスとの差が全く詰まっていない=世代交代が進められない状況を改めて露呈した形だ。アンダー世代の世界大会で結果を残しているのに、その後の成長がストップしているのは残念だ。リオ五輪予選突破まで危機とは思わないが、それ以降のフル代表をどう強化するのか、大きな課題が再確認された。

男子は北朝鮮に逆転負けの後、韓国戦何とか引き分けた。リオ世代の遠藤がどうやらフル代表でもポジションを作れそうなのと、山口蛍の「復活」は好材料。しかし、直前までリーグ戦を戦って現地入り後もほとんど練習なしで臨むこの大会について日本協会はどんな位置づけをし、どんな目標を立てたのだろう?今更ながら大きな「?」だ。前回優勝できたから、今回も行けるだろうといった程度の認識ではなかったのでは?と感じざるを得ない。ハリルホジッチの泣き言は見苦しいが、彼の言う事が実は正論なのではないだろうか?

いずれにしても、男女とも完全アウェーの中国戦で勝利するぐらいの気持ちを見せて欲しい。

読了:
「〈未来〉のつくり方」(池田純一)

  • なぜシリコンバレーから画期的なイノベーションが出てくるのか。著者は、(シリコン)バレーの歴史、そこで育った起業家たちがどのような役割を果たしているか、更にはバレーにそうした環境を作るに至ったアメリカ社会論まで展開している。改めて日本ではこのような環境を作り出すことがほぼ不可能だということを確認するにつけ、バレーに渡った日本人から破壊的なイノベーションが生まれることを期待したい。(評価A)
「宇宙を創るダークマター」(キャサリン・フリース)
  • 宇宙の26%を構成するダークマターとは何か?ダークマター研究の第一人者による宇宙論。筆者が物理学者になるきっかけが日本での入院生活にあった話をはじめ、研究者仲間のエピソードもちりばめられているのがユニーク。ダークマターに関するMachoとWimpの争いなど最新研究を読むにつけ、20世紀以降この分野の研究が加速度的に進化しているという事実に驚かされる。人類が宇宙の全てを理解する日も近いかもしれない。(評価A)
「人工知能」(ジェイムズ・バラット)
  • 副題の「人類最悪にして最後の発明」が示すように、筆者はASI(人工超知能)がもたらすのは、シンギュラリティーで有名なカーツワイルが描くようなバラ色の未来ではなく、スティーブン・ホーキングやビル・ゲイツ、イーロン・マスクなどが警鐘を鳴らすように「ターミネーター」の世界であり、人類破滅だという。AIの進化を止めるのが難しいのであれば、どうすれば良いのか?本書を読み進むと、既に後戻りできないところまで来てしまっているのではないか、とやや絶望的になる。果たして2045年(30年後)何が起こるのだろう?(評価A+)

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