2015年8月15日土曜日

危機感だけが収穫?東アジアカップ。10試合ぶり勝利のF.マリノス、だが、俊輔システムの終焉か?

東アジアカップの最終戦、アウェーの中国戦でなでしこは勝利を収めたが、男子は1対1のドロー。初めての最下位という屈辱的な結果に終わった。新戦力発掘が目的だった女子もそうだが、中途半端なゴール設定で何も成し遂げられなかった男子こそ、選手・スタッフ全てが本当に危機感を持たなければ明るい未来図は到底描けない。その意味で残念だったのは、帰国後ミッドウィークのリーグ戦に先発した代表選手が少なかったことだ。危機意識を本当に持っているのであれば、悔しい結果に終わったからこそ、リーグ戦にしっかり出て暴れて欲しかったというのが正直な思いだ。その中で、代表戦3試合フル出場の森重、槙野、遠藤航が先発し、いずれのチームも勝利したということは評価したい。

そのリーグ戦。F.マリノスは3対0でアウェーのグランパス戦に勝利した。リーグ戦では5月23日の松本山雅戦以来10試合ぶりだ。齋藤が1ゴール1アシストと活躍、アデミウソン、伊藤にもゴールが生まれた。特に齋藤が輝きを見せたことは今後に繋がるだろ。また、グランパスの攻撃、特に後半永井・川又出場後の攻勢を凌ぎ、クリーンシートに終わったことも評価したい。しかし、一方でこのカタチで勝ったことで、俊輔の出番が今後益々限定されることが予想される。俊輔にはまたピンチだが、是非これまでのように努力を重ね、復権して欲しい。

そのF.マリノスだが、日本クラブユース選手権(U-15)で優勝した。先日はU-18でも優勝しているので、ユースの充実度が窺われる。ここから将来を背負って立つ選手が多く出てきてほしい。

読了:
「原発所長」(上)(下)(黒木亮)
  • 福島第一原発の故吉田元所長がモデルの小説。主人公の歩みを日本の原発政策の歴史と重ね合わせるのは著者一流の手法。ここでもヒントから「あの政治家か」と分かる登場人物が暗躍し、安全神話が形作られていった過程など原発事業・電力事業の「ウラの世界」が改めて描かれている。クライマックスの3.11後の状況は再現ドラマのようで、時の政府・東電首脳の無能ぶりが改めて明らかにされている。主人公の死の場面では涙が出そうになった。本書はフィクションではあるが、「死の淵を見た男」同様のドキュメンタリーとしても評価したい。吉田調書の誤報で問題となった朝日新聞社グループの本というのが皮肉だ。(評価A+)
「『歴史認識』とは何か」(大沼保昭 聞き手 江川紹子)
  • 東京裁判、戦後の賠償問題、従軍慰安婦問題などいわゆる「歴史認識」に関わるテーマについて、帯にあるように正に「自虐でも、独善でもなく」冷静に説明されている。事実(不戦条約への違反、平和条約や韓国・中国との国交正常化において何が決まったのか、韓国以外の慰安婦問題)に基づき議論する必要性、相手の立場を理解する重要性など、本書からは問題解決のヒントが得られるのではないか。余談だが、大学3年の時、国際法を担当していた助教授になりたての著者の講義を受け、カール・シュミットの「大地のノモス」という難解なテキストで苦労したのを思い出した。(評価A+)
購入:
「企業価値4倍のマネジメント」(火浦俊彦、べイン・アンド・カンパニー)、「新100年予測 ヨーロッパ炎上」(ジョージ・フリードマン)、「Work Rules!」(ラズロ・ポック)、「大東亜戦争 敗北の本質」(杉之尾宜生)

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