2017年1月12日木曜日

F.マリノスの「迷走」に関する一考察

まだ斎藤の動向に関するサプライズがあるかもしれないが、シーズンオフのマリノスの迷走について、ここまでの経緯を自分なりに整理し、考えを述べたい。

時系列に並べると事態はこんな形で推移してきた:
  • リーグ最終戦前日の小林との契約満了発表
  • 中澤への年棒半減提示と再提示
  • 社長名でのサポーターあてメッセージ発表
  • 監督続投発表と選手の反発
  • 俊輔への永久契約提示のマスコミリーク
  • 年頭社長あいさつのスキップ
  • 一連の移籍発表タイミングの遅さ(すべて事前に報道されていた内容の追認)
  • 俊輔移籍に関する「クラブ」のメッセージ
  • 社長交代発表
まず初めに、今回の動きを「欧州流」対「日本流」という構図に単純化することはできないと考える。昨シーズンのチーム構成および戦績を見たとき、世代交代が必要であることはコンセンサスだったのではないか。したがってクラブがその戦略を遂行するために、たとえ成績が不満なものであっても監督を続投させる方が良いと判断したのであれば、それも良いだろう。また、ベテラン選手との契約更新について厳しい態度で臨む必要もあったのだろう。クラブが前進するためには痛みを伴う改革も已むを得まい。(勿論、ここまではクラブの戦略を是とした上での話で、そのこと自体に疑問がない訳ではない。)組織を預かった経験のあるものであれば必ずと言っていいほど直面する事態だ。それがこれほどまでに大事(おおごと)になったのは何故なのか?

裏で何が起こっていたのか知らないが、表面に今回のような一連の動きが浮かんでくれば、不安が煽られ、ネガティブな報道がエスカレートしたのは当然のように思う。先を読んで広報戦略をしっかり立てることができていなかったのではないか?また、クラブとして何がしたいのか、監督続投はその中でどういう意味を持つのかといった話がどれだけカギとなるベテラン・中堅選手とできていたのだろうか?更に監督には選手の持つ不満を踏まえ、改善すべき点について合意形成ができていたのだろうか?伝わっているように現場(監督‐選手間)のコミュニケーションが破綻している難しい状況ならばフロントが動いて修復するのが筋だ。言葉がきつくなるかもしれないが、「飾り物の社長」であっても十分できる仕事だ。

全て結果論だが、マリノスの経営陣・フロントがチェンジ・マネジメント(変革管理)に長けていればここまでの状況を招くことはなかっただろう。少なくとも俊輔が懊悩煩悶することはなかったのではと残念に思う。結局F.マリノスは2010年から学ぶことなく今回更に大きな傷跡を残すことになった。このような事態を二度と繰り返さないため、刷新される経営陣・フロントはafter action review(事後検証)をしっかりやって欲しい。新体制発表会でどんな話がされるのか興味深く聞きたい。

0 件のコメント: