2009年11月22日日曜日

首位陥落

 今日は奇しくもリーガエスパニョーラとJ1いずれも首位が入れ替わった。バルサはアウェー戦で昨年のような攻撃力を発揮できていない事がここまでの「苦戦」(あくまで去年との比較)に繋がっている。今週はインテル、レアルをホームに迎えるが前半の正念場だ。鍵はアンリかな?また神の手が出たりして・・・一方フロンターレはプレッシャーに負けていた。関塚監督はここぞという時の勝負運が弱いのか?アントラーズの野沢と好対照。
 マリノスはヴィッセルに2点差を追いつかれて10位のまま。目標のないチームらしい試合だった。来季はどういうメンバーになるのか?何となくヴェルディやジェフの後を追いそうで嫌な予感がする今日この頃である。

読了:
「逆転のグローバル戦略」(西村裕二)
  • 昔一緒のプロジェクトをやった事を思い出しつつ読んだ。著者の期待するように、日本企業はこれから3年の間で世界の「ハイパフォーマンス企業」が持つ5つの経営力(市場創造展開力、M&A力、ものづくり力、グローバルオペレーション力、経営管理力)を身に付け、優位に立つ、というシナリオは難しいだろうと率直に思う。残念ながら現状の日本企業の経営者で、ここまでダイナミックに戦略を打てる人はごく僅かで、それも創業社長のような人に限定されるのではないか。むしろ3年後にキャッシュフローを改善した欧米のみならずアジアのハイパフォーマンス企業が日本企業を買いに来て「ウィンブルドン現象」が起こるほうがシナリオとしてありうるのではないか?(評価A)
「衝撃!EUパワー」(大前研一)
  • ちょうど初代大統領がベルギーのファンロンバイ首相になったという良いタイミングでEU関連本を読んだ。著者の言うとおりヨーロッパが地域国家を超え、EUという一枚岩となると、益々日本の内向きな姿勢が相対的な地盤沈下を加速する事になるだろう。著者が示唆している「EUの周辺地域」とでもいうべき各国をグローバル戦略の中でどれだけ生かす事ができるかが日本企業生き残りの鍵。そのためには経営力を相当強化しないとNGだろう。(評価A)
「異業種競争戦略」(内田和成)
  • 先週はアクセンチュア、(元)マッキンゼー、そしてBCGというラインアップだった。業界の垣根越えた戦いをどう捉え勝ち抜くか。戦略を考える際の5つの切り口(省略・束ねる・置き換え・選択肢の広がり・追加)という考え方は全業種に応用できる。問題はこうしたものの見方をできる人材の層がどれだけ厚いかだろう。実例であがっている企業はそうした能力が企業文化に組み込まれている。最初から創らないといけない企業との格差は益々大きくなる。(評価A)
「予想通りに不合理」(ダン・アリエリー)
  • デュークの教授が書いた本ということで、買ってみた。(私の在籍中にFuquaで教えていたか記憶はないのだが、謝辞にジブというマーケティングの先生があったのが面白かった。)行動経済学の本ではあるが、小難しい理論ではなく、多くの実験エピソードが語られて、如何に人間の行動は不合理(でも説明がつく)という事が理解できた。個人的にはデュークのバスケ試合チケットの価値に関する実験が面白かった。これを先に読んで、次にセイラーの「実践行動経済学」という順序が良いだろう。(評価A)
「のめりこむ力」(川上真史)
  • 日本のHRコンサルティング第一人者による「働き方」本。単純作業がテクノロジーで肩代わりされたことで、仕事が複雑化(相対的に)し、昔のような育成ができなくなっている事を上司がどれだけ理解しているだろう?結局「阿呆が阿呆のまま歳を重ねるだけ」で組織としての力量はさっぱり高まらないというのが多くの企業の現実だろう。そのような中で自らのめり込む事ができる社員がどれだけいるだろう?月並みな結論かもしれないが、高校や大学からもっと自分で発信させる力を育てないと企業の努力だけでは難しいと思わざるを得ない。そのあたり著者がどう考えているか聞いてみたい。(評価B+)
「不毛地帯(1)~(5)」(山崎豊子)
  • サンデー毎日連載時に父が毎週読んでいた小説を読んでみた。ちょうどTVでリメークされたので、登場人物が俳優とオーバーラップして仕方なかったが、ツボにはまって非常に面白かった。実際におこった事件を題材にその裏側を書くという手法は著者一流のものだ。生き馬の目を抜く商社(勝者)のビジネス。政・官・財のドロドロした癒着構造。その中で、元大本営参謀としての屈辱から一途に日本の国益を守ろうとする一個人。こういう図式で見ると、戦後版「坂の上の雲」といった趣があると感じた。(評価A+)
購入:
'How the Mighty Fall" (Jim Collins), "Dynamic Capabilities & Strategic Management" (David J. Teece), "Resource-based Theory" (Jay B. Barney, Delwyn N. Clark), "SuperCorp" (Rosabeth Moss Canter), "Theory U" (C. Otto Scharmer)

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