2011年7月17日日曜日

Orlando旅行

9日から丸1週間オーランドに行ってきた。ユニバーサル・フロリダとウォルト・ディズニー・ワールドのテーマパーク6つを5日間で回ったが、映画好きのわが夫婦はユニバーサル・スタジオとディズニー・ハリウッドが他を圧倒して面白かった。夏休みにはまだ少し早いし、震災の後だという事はあるものの、日本人があまりに少なかったのは驚きだった。現地のツアー会社のスタッフも旅行者数がかなり減ったと話していた。TDRやUSJができた事に加え、直行便がないので一日がかりの行程になるし、オーランドまでの乗り継ぎ便は全て英語になるというのも、敬遠される要因かもしれない。しかし、ハリ・ポタのようなアトラクションができたり、スター・ツアーズがリニューアルされていたりと、日本では味わえない経験をするにはやはり本場にいくべきだと思う。

約5年ぶりのアメリカで感じた事。まず、観光地という土地柄のせいかもしれないが、料理がおいしくなった。もちろんボリュームには圧倒されるし、「失敗した!」と思うようなケースもあったが、総じて及第点だった。また、日本人が減った分(それ以上に?)中国人の旅行者が増えていた。更に驚いたのは、ホテルのTVが韓国製になっていたこと。Made in Japanはどこにいった?一方で変わらないのが、メディアのカバーの偏り。日本のメディアも偉そうなことは言えないが、期間中のニュースは子供殺しの嫌疑が晴れて保釈される母親の話ばかりだった。(たまたまオーランドで起きていた事件だが、ローカルメディアだけでなく、全国ネットでも持ちきりだった。)

行きの飛行機から始まって、昨日帰ってくるまで一貫して思ったのは、日本の地盤沈下はもう相当のスピードで進んでいるのではないかということだ。ビジネスマンも留学生も中国人・韓国人の方が多かったし、WSJが載せていた外務省による職員の大韓航空使用自粛のニュースは韓国人が書いていて、竹島も括弧書きの扱いだった。こんな状況を打破するには、皮肉な話だが、今の政権の場当たり的な電力政策が進んで、製造業の「空洞化」が進んで、結果「グローバル化」が進展する(しかし本国はますます衰退する)というシナリオしかないかもしれない・・・そんな事を感じていたところだったので、旅行中に読んだマッキンゼー編集の「日本の未来について話そう」が余計に心に刺さってきた。ここに書かれている提言は、既得権者には「小泉改革」以上の痛みを伴うだろうが、日本を再生するには絶対不可欠なものだ。逆にこれができなければ、日本は、堺屋太一氏の「平成30年」の世界に向かっていくのみだろう。

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なでしこジャパンとマリノスはともに旅行中勝ち続け、なでしこはついに決勝まで進んだ。ESPNでは女子W杯を中継していて、アメリカの試合については何度もVTRが流れていた。ついでに日本もいいチームだとオマケのように報じられるのは、ちょうど日本の真逆で面白かった。一方マリノスは今晩アルディージャに負けなければ5年ぶりの首位浮上だ。明日朝の目覚めが良い事を願う。

読了:
「アメリカ陸軍 リーダーシップ」(リーダー・トゥー・リーダー研究所)
  • 以前に読んだ海軍の類書に比べると民間企業への応用可能な範囲が多かった気がする。最近アメリカの企業で軍隊経験のあるリーダーが求められているというが、この本を読むとうなずける。AARの実践など、学ぶべき点・やるべき点が多かった。(評価A)
「会社は変われる!ドコモ1000日の挑戦」(魚谷雅彦)
  • 本書を読んで思い返したら、確かにある時点からdocomoの製品がシリーズになり、CFが変わったことを思い出した。コカ・コーラのマーケティング指向が影響していたのだと思うと興味深い。docomoが「うちの業界は食品業界と違う」というありがちな拒絶反応を示すのではなく、Consumer goodsという共通点に着目し、マーケティング戦略を取り入れていく様子が生き生きと描かれていて好印象をもった。(評価A)
「3.11後 日本経済はこうなる!」(池田信夫)
  • 池田氏が4人の識者(主として経済学者)との議論を通じ、今後の日本経済の在り様を語っている。印象に残ったのは、実際に被災地に足を運んだ小幡氏が語る福島の避難所と岩手・宮城の避難所の雰囲気の違いだ。まさに天災と人災の違いなのだ。本書の言わんとしているのは、結局のところ3.11以前の日本に戻すのでは先行きが暗いということだ。(評価A)
「真の指導者とは」(石原慎太郎)
  • 石原氏の本を読むのはおそらく、「Noと言える日本」シリーズ以来だったろう。リーダー論としてはすぐれた1冊と思う。目指している方向性は時に賛成できないが、著者の一貫している姿勢と構想力・実行力にはいつも感服する。「脱・官僚」というのであれば、このくらい「自分で考え・決断する」必要がある。延命のための思い付きを連発するだけの首相は爪の垢を煎じて飲むべきと思う。(評価A)
「柳井正の希望を持とう」(柳井正)
  • この著者も強いリーダーとして尊敬すべき人物だと思う。その著者がめずらしく政治についての考えを語っている点でも面白く読んだ。帯にある、「『ビジネスで成功する人』の条件」が「持っている人の条件」とオーバーラップするところが多いのは、結局ジャンルを問わず成功するための王道は一つだということを示しているのだろう。それにしても柳井氏のようなグローバルな視点を持つ経営者のなんと少ない事か!(評価A)
「日本の未来について話そう」(マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集)
  • 上にも書いたが、日本がどう進むべきかに関する総合的な処方箋と言える1冊。面白いのはここでも小泉改革を積極的に評価している論者の多い事だ。本当の意味での日本再生を果たすためには、実は一人ひとりが「いざとなったら国に泣きつく」という姿勢(国、お上への依存体質)を改めて、文字通り自己責任でリスクを取っていける世の中を創らなければいけないのだ。そのためにも逆に一刻も早く解散・総選挙→政党の再編を行う必要があると強く感じた。(評価A+)
購入:
「成功者は皆、ストーリーを語った。」(ピーター・グーバー)、「未曾有と想定外」(畑村洋太郎)、「経営戦略の教科書」(遠藤功)

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