2011年1月2日日曜日

2011年はどんな年????

昨日は2年ぶりにNew York、Times SquareのカウントダウンをCNNで見た。Durhamに住んでいた時1度しか経験しなかったアメリカでの年明けだったが、やはり懐かしい。寒さはきついけど、いつか(数年のうちに)あの場所に行ってみたいと思う。

2011年をどんな年にしたいか、少し考えた。仕事ではかなり大がかりな改革をやる!うちのような外資にとって、今の日本は「今後成長は期待できない、成熟期から衰退期の」市場だ。きちんと利益は出ると証明しないと事業の縮小・撤退という結論を出されかねない。そんな危機感を現場リーダーたちとしっかり共有して実行するつもりだ。自分の仕事の仕方ももう少し効率化(部下への権限移譲も推進)して考える時間を増やしたいと思う。

日本のサッカー界にとり、今年も重要なイベントがある。アジアカップでは、前回を上回るベスト3(次回予選免除)がノルマになるし、U-23はオリンピック予選を勝ち抜かないといけない。どちらもワールドカップ予選より厳しい目標だが、今後10年の計が今年にあるという位の強い思いで「勝って」欲しい。更にA代表は南米選手権を経由して秋からはブラジルW杯予選も始まる。。ついでにマリノスはACL出場権確保がノルマ!去年は1試合しか日産スタジアムに行かなかったので、プラス何試合か足を運んで応援しよう。ついでに12月のクラブワールドカップにも3年ぶりに行ってみたい。

先週の読了:
「お金の流れが変わった」(大前研一)
  • 世界のホームレスマネーをいかに日本が取り込むか。ボーダーレス経済でいかに生き残るかを考えるとき、好き嫌いを選べる余裕はない。大胆な維新を行う必要があるはずだが、この国の政府は相も変わらず羅針盤のない風任せ・運任せ。そんな政権を選択したのは自分たちなので、余計に歯がゆい限りだ。(評価A)
「新版MBAビジネスプラン」(グロービス経営大学院)
  • 起業のために限らず、ビジネスプランは社内で新たな取り組みを計画するには必然の文書なのに、きちんと書ける日本人のなんと少ないことか!うちも残念ながら例外ではない!今回の「新版」はビジネスプランとはどんなものか、どうやって作成するのかが丁寧に解説されている。(評価A)
"Strategy from the Outside In"(George S. Day, Christine Moorman)
  • WhartonとFuquaの教授による「市場志向」の戦略論。自社のケイパビリティから発想する戦略のリスクと、Outside In戦略の要諦が示されている。顧客を理解し、顧客理解を事業展開のベースとする、当然ではないかと反論が出そうな点ではあるが、表面的な理解はしていたとしても本当の意味でCustomer Insightを持っている企業がどれほどあるだろうか?真摯に振り返り、検討する価値のある戦略論だと思う。(評価A+)

2010年12月25日土曜日

天皇杯ベスト4&2010年に読んだ本ベスト10

天皇杯は4強が出揃った。すばり本命ガンバ、対抗アントラーズだろう。ガンバは遠藤抜きでセミファイナルを戦わなければならないのが不安ではあるが・・・アントラーズはACL出場のモチベーションが一番高いので、準決勝は勝てるだろう。ただ、相手がガンバだとそこで目標達成になるので決勝は???それにしてもFC東京の攻撃はなんと雑なことか!降格もやむなしと納得。今日解説の早野氏が言っていたように、この様子ではJ2でも苦戦するのではないか?

去年もやったべスト10。感想をざっと読みなおすと、印象に残っている本で、A+をつけていなかった本が何冊かあった。その点を修正した上でジャンルをある程度ばらして選定した。
  1. 「ストーリーとしての競争戦略」(楠木健)
  2. 「ビジネスで一番大切なこと」(ヤンミ・ムン)
  3. 「フリーライダー」(河合太介、渡部幹)
  4. 「世紀の空売り」(マイケル・ルイス)
  5. 「マルコム・グラッドウェルThe New Yorker傑作選」
  6. 「エグゼクティブの悪いくせ」(綱島邦夫)
  7. 「戦略思考のフレームワーク」(西村行功)
  8. 「宇宙は何でできているのか」(村山斉)
  9. 「選択の科学」(シーナ・アイエンガー)
  10. 「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)
10位の「銃・病原菌・鉄」については出版は前だったが、今年読んだためランクイン。8位と9位の2冊については、評価はAだったのだが、印象に強く残っていたことから逆転でランクインした。他にも「ビジョナリー・カンパニー③衰退の法則」(去年原書を読んだのでランクインせず)、「カイシャ維新」(朝日新聞社が最近ビジネス書の出版で頑張っていることの証でもある)、「戦略的思考をどう実践するか」(ゲーム理論テキストの最高峰ではないか)などが惜しくもランク外となったが、印象に残っている。

この週末で大量に買い込んだ本で来年末まで印象に残るものは何冊あるだろう?

2010年12月24日金曜日

アジアカップ日本代表

1月のアジアカップ代表の顔ぶれは、予想したよりも「マイルド」な感じだ。初選出は李のみで、「海外組」が8名。思いのほか「保守的」な人選のように思われる。マリノスはゼロ、予備登録で最多だったFC東京からは結局権田と今野だけが残った。中澤、栗原、闘莉王、森本がけがをしている中で、それでも勝ちに行こうということなのだろう。天皇杯の日程の関係で準備できる期間が限定されるが、それでも3位以内はノルマだと思う。月並みではあるが頑張ってほしい。

読了:
「デジタル・リーダーシップ」(ポール・A・アルジェンティ、コートニー・M・バーンズ)
  • タイトルがミスリーディング。内容はコーポレート・コミュニケーションをどのようにSNSなどの流れに合わせていくべきかということ。ツイッタ―やFacebookなどが「炎上」したときにどうすべきかという点については参考になったが、それ以外では直接仕事につながる点がなかった。(評価B+)
「デフレの正体」(藻谷浩介)
  • 今年のベスト経済書で上位にランクされているだけのことはある。Factに基づく分析を徹底し、空気に流されないスタンスからの現状分析は説得力がある。世代間の所得移転を推進することについては、総論は賛成だが、自分も譲渡する側なので、将来の年金像が明確にならないと実行には反対だ。そこをもっと政策的に詰める必要があるだろう。(評価A)
購入(年末・年始の休み用というわけではないが、大量に買い込んでしまった。)
「バランスシートで考えれば、世界の仕組みがわかる」(高橋洋一)、「経営戦略の巨人たち」(W・キーチェル三世)、「企業戦略白書Ⅸ」(沼上幹、一橋MBA戦略ワークショップ)、「面白がる思考」(山梨広一)、「プロフェッショナルマネジャー・ノート」(プレジデント書籍編集部編)、「繁栄(上)、(下)」(マット・リドレー)、「ハーバードの人生を変える授業」(タル・ベン・シャハー)、「野村総合研究所のやる気を引き出すチーム改革」(野村総合研究所品質管理本部)、「超MBA進化論」(大中忠夫)、「組織エスノグラフィー」(金井壽宏、佐藤郁哉、ギデオン・クンダ、ジョン・ヴァン・マーネン)

2010年12月18日土曜日

ラストスパート

今週はとにかく会議ばかりの1週間だった。海外との電話会議5回、フェイストゥーフェイス13回は多分最多記録だろう。外人たちがクリスマス休暇に入る前に終わらせるという事情があるので、半分以上は英語の会議。とにかく、しんどかった。年末までの2週間は多少時間的な余裕ができるので、改めて来年のプランをどう実現するか考えよう。

チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦の組み合わせが決まった。UEFAが仕組んだのか、インテル対バイエルン、バルセロナ対アーセナル、レアルマドリー対リヨンはいずれも「因縁のマッチ」ということで、盛り上がるだろう。ただ一人参戦する内田にも頑張ってもらいたい。

読了:
「東大講義録 文明を解くⅡ」(堺屋太一)
  • 遷都論はともかく、農業については生産者の確保を重視すべきといった大胆な発想転換なしに、日本の将来はないという点は肯けるところが多い。グローバル経済の論理が理解しきれない日本は、今回のTPP参加を逃したら、それこそ「平成三十年」の世界にまっしぐらに突き進んでしまうという危機感を改めて感じた。(評価A)
「ザ・ライト・ファイト」(サジュ=ニコル・ジョニ、デイモン・ベイヤー)
  • 「仲良しグループ」では組織の発展はない。リーダーは時に大胆に対立を仕掛けることで組織の活性化を図る必要がある。その通りだと思う一方で、日本人のメンタリティは方向性の対立が即感情的な対立になり、そのしこりが取れない、という問題も認識する必要があると思う。副作用はあるが、うちの現状を考えると、リーダーとしてはライト・ファイトを仕掛けてみようと考えた。(評価A)
「直観力マネジメント」(ユージン・サドラースミス)
  • 分析症候群に陥ることなく、スピード感のある経営をするには直観力が重要という点は同意できる。しかしながら、時に拙速だとしても後戻りできるようリスクヘッジをしておく事も必要だろう。また、結局のところ分析と直観両方を使い分けることができなければ最終的な勝利はつかめないのも事実だ。(評価A-)
「場のマネジメント 実践技術」(伊丹敬之、日本能率協会コンサルティング)
  • 組織力、とりわけ現場力の強化を図るために「場」の設定が有効という点はAgree。ただ、スピードの求められる外資などではワイガヤが定着するまで待てないというのが正直なところだ。それよりは少数の精鋭を選んで、彼らにリードさせる手法を選んだ方が良いのではないかと思う。(評価B+)
購入:
「お金の流れが変わった」(大前研一)、「シェア」(レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース)、「ストレスフリーの整理術」(デビッド・アレン)、「『人を動かす人』になるために知っておくべきこと」(ジョン・C・マクスウェル)、「デフレの正体」(藻谷浩介)

2010年12月12日日曜日

不景気?

昨日は横浜で必要なものをあれこれ購入。世間ではボーナス支給最初の週末ということで、デパートはごった返していた。こういうところだけ見ると、日本の景気はそれほど悪く思われない。しかし、もっとマクロに見ると、内需だけではなく外需までもっと取り込んで需給ギャップを埋めないといけないのは明らか。先週読んだ「日本経済『余命3年』」ではないが、どんどん「左翼化」を強める民主党政権ではこの国は地盤沈下するだけだ。うちのような外資はそのあたりにとても敏感で、かつ大胆な組織変更(採算のとれない事業からの撤退まで含む)は厭わないので、来年以降本当に結果(=日本でも儲かるビジネスをやっていける事の証明)が求められるだろう。(Jが終わったのでちょっと真面目な話題になった)

今年のデューク・ブルーデビルスはNCAAバスケットボールトーナメント連覇の期待が大きいが、ここにきてスーパー1年生(カイリー・アービング)が足のけが(重症らしい)で欠場したため、やり方を変える必要が出てきた。ここはコーチKの下、他のメンバーが頑張ることで、アービング復帰後に一層強くなれるようにして欲しいと思う。

読了:
「ダメになる会社」(高橋伸夫)
  • 結局会社は経営トップの器以上にならない。株主のチェックなどフィクションである。だからまともな経営者が経営している(ように見える)会社が良い会社ということなのだろう。冒頭のAプロダクション(アミューズだと思う)の株主総会の話が一番良かった。(評価A-)
「不合理だからすべてがうまくいく」(ダン・アリエリー)
  • 「予想どおりに不合理」に続く第二弾。著者が負った大けがの治療に関する描写はリアルすぎてちょっと気が重くなったが、それ以外は前作に負けず示唆に富んでいたと思う。著者がデュークにいる間にいちど話を聞いてみたい。2016年のリユニオンに行く理由がまた一つできた。(評価A+)
「日本経済『余命3年』」(竹中平蔵、池田信夫、鈴木亘、土居丈朗)
  • 共著者4人とも大臣経験者や仕分け人など政府の経済政策決定に近いところにいた経験者だけに、「経済学での常識が実現されない」という思いが強く出ていると思う。提案されている政策も現政権の何がしたいのか分からない政策よりもずっと良い。国債の売却タイミングを早めようかと思った。(評価A)
「東大講義録 文明を解くⅠ」(堺屋太一)
  • 自己紹介の場から自慢話が多いのは気に障るが、やはり著者の歴史にかかわる慧眼には敬服させられる。現在にも十分通じる問題提起もあり、逆に日本が結局「平成30年」の世界にまっしぐらに進んでいるという危機感を覚えた。Ⅱにも期待。(評価A)
購入:
「直観力マネジメント」(ユージン・サドラースミス)、「場のマネジメント実践技術」(伊丹敬之+日本能率協会コンサルティング)、「デジタル・リーダーシップ」(ポール・A・アルジェンティ、コートニー・M・バーンズ)

2010年12月4日土曜日

来年はマリノス?

J1最終節でFC東京の降格が決まった。代表クラスの選手を揃えながら勝ちきれなかった事が最後に響いた。何か来年のマリノスの姿を見ているようだ。それにしてもマリノスの経営陣はお粗末!去年俊輔と契約寸前で破談となり社長交代に至った事が全く生かされていない。今回の松田・山瀬たちへの戦力外通告のやり方は、他の選手のみならずサポーターに対する説明責任を全く果たしていない。これまでハーフナー、乾をはじめマリノスを出ていった後から活躍している選手が数多くいることで、サポーターは現状のチームマネジャーの選手を見る目について大きな疑問を持っていると思う。であれば尚更このことを前提にして説明責任を果たすすべきだ。マリノス経営者のやり方は下手すぎる。来季も今年同様の成績が続くなら監督と社長・強化部長みんなで辞めていただこう。

読了:
"Power" (Jeffrey Pfeffer)
  • 権力の源泉は何か。どのようにすれば効果的にPowerを使えるのか。その代償は何か。かつての”Managing with Power"とは違った意味で権力の分析を行った一冊。立居振舞いひとつをとっても「どうすれば優位に立てるか」というノウハウは参考になる。(評価A+)
「強さと脆さ」(ナシーム・ニコラス・タレブ)
  • 「ブラック・スワン」のペーパーバック化の際に追加された補足が別冊の形で出版されたもの。著者が「ブラック・スワン」で言いたかったこと(と言ってはいなかったこと)が説明されている。ただ、これを本当に理解するのには本当の意味で教養が必要。(評価A)
購入:
"Strategy from the Outside In" (George S. Day, Christine Moorman)、「東大講義録 文明を解くⅠ、Ⅱ」(堺屋太一)、「日本経済『余命3年』」(竹中平蔵、池田信夫、鈴木亘、土居丈朗)、「ザ・ライト・ファイト」(サジュ=ニコル・ジョニ、デイモン・ベイヤー)

2010年11月28日日曜日

連敗は脱出したけど・・・

マリノスはガンバに勝って連敗をストップ。ただ、今日の報道では松田に戦力外通告がなされたらしい。キャラが強すぎるところはあるが、長年マリノス一筋に戦ってきた選手であり、まさに今、中澤・栗原不在の中で守備の要になっているのに・・・他の選手への影響もありそうだし、来季に向け気になるところだ。4日の最終戦はやはり他の用事で行けそうにない。試合終了後どんなことが起きるのか???

アジア大会での男女アベック優勝は本当に良かった。男子については北朝鮮・韓国をUAEが破ってくれたお蔭もあるが、少なくとも今回の大会を通じ、UAE以外の中東のチームと中国には現時点でも実力差があることを証明できたのではないか。来年のオリンピック予選ではここにオーストラリアが入ってくる。香川抜きでも金崎、権田などのA代表経験者と大迫や宇佐美・小野たちなど有望な選手が増えて選考が難しくなってきたのは嬉しい誤算だ。是非オリンピック出場を途絶えさせることなく勝ち進んでほしいと今から思う。

読了:
「日本経済のウソ」(高橋洋一)
  • 日銀による金融政策の問題を説いた本の一冊。残念ながら国民新党を斬れない民主党政権では「まずは財政政策」という昔ながらの財政政策しか期待できない。ただ、中にはまっとうな議員もいるはずなので、こうした本をしっかり勉強して本当の経済対策を打ってほしいものだ。(評価A)
「経済古典は役に立つ」(竹中平蔵)
  • 竹中教授が経済史?とは誰もが思う疑問だろう。内容はいつもながら分かり易く、「問題解決のための書」としての古典という明確な位置づけには好感を持った。返す返すも2007年の安倍政権で改革にブレーキを踏んだことが惜しまれる。2007年7月の改造内閣発表翌日に著者に会った時非常に心配していたのを思い出した。(評価A)
購入&読了:
「『話し合い』の技術」(ウィリアム・L・ユーリ、ジーン・M・ブレット、ステファン・B・ゴールドバーグ)
  • 名著"Getting to Yes"の著者(ウィリアム・L・ユーリ)たちが1980年代に炭鉱を舞台に問題解決・ネゴシエーションのプラットフォームを創った過程をたどり、紛争解決の方法論を明らかにしている。IRP(利益―権利―権力)のモデルはシンプルだが、紛争解決に際しての有効なガイドになると思う。(評価A)
購入
"Power"(Jeffrey Pfeffer)、「ダメになる会社」(高橋伸夫)、「不合理だからすべてがうまくいく」(ダン・アリエリー)、「強さと脆さ」(ナシーム・ニコラス・タレブ)、「(新版)MBAビジネスプラン」(グロービス経営大学院)