2015年5月24日日曜日

4連勝!暫定4位!!

ミッドウィークのナビスコカップ。ボンバー以外10名のスタメンを交代したF.マリノスは、ヴィッセル相手に2点ビハインドの状況から一端は追いつくも、直後に突き放されて2対3で敗戦。グループB6位に沈んだままで、準々決勝進出はほぼ絶望となった。中島のデビュー、伊藤の復活などポジティブな材料もあったので、これはこれで良しと割り切って、松本山雅戦で4連勝を目指そう!

という中で始まった松本山雅戦。早々にアデミウソンの見事なボレーが決まり、主導権を握った。その後齋藤のドリブル突破から放たれたシュートがこぼれたところを中町が決め、前半は2対0で終了。後半もっと点が取れそうな予感があったのだが、齋藤が「これを決めなきゃ・・・」というシュートを外したあたりから試合全体がつまらなくなった。松本山雅はロングボール一辺倒で、マリノスもややそれに合わせて大味なゲーム運びになった。最後に藤本が決めて締めてくれたので、やっと溜飲を下げた感じだ。これで4連勝&暫定4位浮上だ!次週はミッドウィークにカップのフロンターレ戦、さらにガンバをホームに迎えてのリーグ戦と負けたくない試合が続く。伊藤に加えラフィーニャもベンチに復帰、俊輔も戻ってくるだろう。総力上げて公式戦3連勝(&リーグ戦5連勝)で5月を締めくくって欲しいものだ。

読了:
「ハーバード流 逆転のリーダーシップ」(リンダ・A・ヒル、グレッグ・ブランド―、エミリー・トゥルーラブ、ケント・ラインバック)

  • イノベーションを導くリーダーシップの役割とは?ピクサー・グーグルなどイノベーティブな企業のリーダーたちが実際にどのようにチームを率いているのかを分析することにより、イノベーションのプロセスとしてコラボレーション・発見型の学習・統合的な決定という3つが重要であること、また、リーダーがそれぞれに対応する形で「創造的な摩擦」、「創造的な敏速さ」、「創造的な解決」という3つの能力を育てていることが説かれている。日本的なリーダーシップとの大きな差を改めて実感させられる。(評価A)

「なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?」(ケリー・レオナルド、トム・ヨートン)

  • 著者はジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドなど有名なコメディアンを輩出したシカゴの名門コメディ劇団「セカンド・シティ」の役員。彼らのインプロビゼーションでのノウハウが企業におけるコミュニケーション能力向上にいかに役立つかが分かり易く解説されている。また、顧客と共創することの重要性や彼ら自身が失敗から多くを学んでいることなど、単なるテクニック以外の教訓も示されている。(評価A)

「IGPI流 ビジネスプランニングのリアル・ノウハウ」(冨山和彦、経営共創基盤)

  • 冒頭の新規事業計画失敗例には多くの日本企業が、「うちの事例では?」と思ったのではないだろうか?著者はコンサルティングや実際の企業経営の経験から、まともな事業計画とはどのようなものなのか、また、その基となる事業戦略策定の勘所が何なのかをコンパクトに説明している。事業計画を作成する際にPLだけでなく、BSやキャッシュフローを意識するアプローチは参考にすべきところだ。「勝ちパターンとは『顧客と企業が太い糸で一直線につながっている状態』」というのが印象に残った。(評価A)


2015年5月17日日曜日

リーグ戦3連勝で暫定5位に浮上

F.マリノスは今節「お得意様」のエスパルスとアウェーで対戦し、三門と藤本のゴールで勝利。これでリーグ戦3連勝となった。ハイライトを見ただけなのだが、前節同様に試合のペースを握ることができなかったようだ。それでも勝てているので取りあえず良しとするか・・・ここからミッドウィークにナビスコカップが入ってくる。正直決勝トーナメント進出は厳しい状況だし、ホームでの試合なので、ここは割り切って故障者の回復状況を見ながらコンディション調整を優先に戦って欲しい。

読了:
「低欲望社会」(大前研一)

  • 若者が欲を失くしているという日本固有の現象を踏まえて経済を見る必要がある。著者が「心理経済学」の続編と言えそうな本書を読むと、アベノミクスの限界が真の姿を現すように思われる。ピケティとは違った形での資産課税や、移民政策などの従来発想にない政策転換も含め、この国のカタチをどうするのか。本書をヒントとすべき点は多い。(評価A)
「意思決定のジレンマ」(ラッシュワース・M・キダ―)
  • コンプライアンスを考える上で極めて有意義な「参考書」ではないか。単純な「正」対「悪」の選択ではない、「どちらも正しいが両方を取ることができない」ジレンマの状態に陥った時、どうやって判断するか、本書は頭の「フィットネス」に相応しい一冊である。監訳の中島茂弁護士による日本での事例など解説が入ったことで、ちょっと古い(2009年版)原書がアップデートされている点も良い。(評価A+)
「HARD THINGS」(ベン・ホロウィッツ)
  • 著者はネットスケープに勤務の後、CEOとして会社設立から売却まで経験。現在はその経験を活かしてネットスケープ創業者のアンドリーセン氏とベンチャーキャピタルを運営している。本書を読むとCEOとは本当に大変な職業なのだと納得させられる。規模や難易度は全く異なるが、チームをマネージする際に役立つヒントも多く、本書がアマゾンの売り上げ上位にいることが良く理解できる。(評価A+)
購入:
「メンバーの才能を開花させる技法」(リズ・ワイズマン、グレッグ・マキューン)、「プロフェッショナル・リーダー」(野田務)、「従属国家論」(佐伯啓思)

2015年5月9日土曜日

3バックでグランパス戦勝利!これからも継続?気づいたら映画6本も見ていた・・・

ミッドウィークのグランパス戦。F.マリノスは2対0で今シーズン水曜日では初となる勝利を挙げた。ここに来て俊輔の肉離れなどまたまたケガ人続出という状況で、苦肉の策ともいえる3バックが上手くはまった。1点目は相手のミスからのゴール、2点目は相手が一人少なくなった中で生まれたゴールで、もっと点が取れていたと思われるのはいつものF.マリノスらしさということだろう。ただ、グランパス選手の疲労度を考慮しても、小林と下平が高い位置をとり、相手のストロングポイントであるウィングバック(特に永井)をしっかり押さえたあたり3バック採用は成功といえるのではないか。日曜日はアルビレックス戦。レッズ戦からの(ナビスコカップ含む)7連戦、残念ながら2勝4敗と負け越しは決まっているが、最後は連勝で締めくくって欲しい。

GWが終わり3月から続いていた映画・舞台鑑賞も一段落となった。そこで感想を纏めると・・・

映画編:

  • 「君が生きた証」:大学内の銃撃で息子を亡くした父親が、生前に残した曲を人前で披露したところ反響が大きくなるという流れが、途中で「なるほど、そうだったのか」という展開になる。これが原因で見終わった後少し気分が重かった。
  • 「ジュピター」:ラナ&アンディ―ウォシャウスキーによるぶっ飛んだ発想のファンタジー。ミラ・クニス演じる、シンデレラにも通じるようなヒロインの設定が面白かった。
  • 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」:カメラワークが見事。個人的にはブロードウェイのマジェスティック劇場が何度も映るので、「オペラ座の怪人」良かったなあ、などと思いながら見ていた。アカデミー作品賞を取ったのだから、マイケル・キートンが主演男優賞でも良かったのでは?
  • 「パレードへようこそ」:ゲイ&レズビアンの集団が、サッチャーの政策に反発しストを決行した炭鉱労働者の支援に立ち上がるというUKでの実話が題材。元気が出る映画で、何故か「フル・モンティ」と同じ匂いがした。
  • 「グッド・ライ」:こちらもスーダンの難民がUSに移住するという実話が基になっている。こちらは見た後、心があったかくなる映画。
  • 「セッション」:映画通の中でアカデミー作品賞に推す声も大きかった作品。音楽学校でのレッスンの場面など主人公と鬼教師とのやり取りに途中息苦しくなるようなところもあったが、ラストの「キャラバン」は凄かった。
舞台編:
  • 「レ・ミゼラブル」:新たな演出(映画と同じ)になってからは初めて見た。名曲の数々はやはり何度聞いても良かった。隣で見ていた奥さんに「『民衆の歌』の時は歌いだしそうだった」と言われてしまった・・・
読了:
「素数はなぜ人を惹きつけるのか」(竹内薫)
  • 出現の仕方がランダムなだけでなく、素数には興味深い性質があるということ。名前だけは聞いたことがったリーマン予想がどんなものであるか。また、素数の年に生まれるセミといった自然界での不思議。更には超ひも理論と素数との関係。本書はこれらのテーマをできるだけ分かり易く、「素人向け」に解説してくれている。使えそうなネタが多かった。(評価A)
「日本財政『最後の選択』」(伊藤隆敏)
  • 日本の財政赤字がいつまで持ちこたえられるのか。著者は楽観論・悲観論のいずれに与することなく、様々なシナリオをシミュレートすることにより未来を予測している。その上でこのままでは避けられない2020年代半ばでの危機回避には消費税率20%への引き上げが必要との結論が導き出されている。単に財政再建のための増税を主張するだけでなく、成長戦略の必要性を説くなど非常にバランスのとれた説明に納得できた。(評価A+)



2015年5月3日日曜日

水曜日はダメなF.マリノス。土曜日は・・・

29日(水)のサンフレッチェ戦、F.マリノスは1対2で敗戦。相性の良い相手に対し前半早々伊藤のゴールが決まり、その後齋藤が惜しいチャンスを逃したあたりまでは、「今日も完勝!」と思っていたが、そこから先は全く良い所がなかった。小林が出場停止となった右サイドから何度も良いクロスを上げられ、中盤ではプレスがかからず、セカンドボールも拾えない。前半途中で追いつかれてからは見ていられない状態だった。俊輔・ラフィーニャが入り、豪華メンバーの攻撃陣でも追いつけずタイムアップ。これで今シーズンナビスコカップ2試合を含め水曜日は3連敗となった。ベルマーレ戦も結局は相手の出来が悪かったということなのだろうか?GWに入り連戦が続く中、モンテディオ戦に向け切り替えがどこまでできたか?

用事があって試合は見られなかったが、結局0対1で連敗。首位レッズとの勝ち点差を考えると早くもステージ1の優勝は絶望的となった。負傷者が帰ってきたことでスタメンが固定しないのは連戦を考えると悪い事ではないのだが、却って連係不足という悪循環に陥っていないか?GW最後のグランパス戦も相手の永井・川又が好調なだけに苦しい戦いになるだろう。そんな時こそ俊輔のスタメン起用という手はありだろう。

Dukeバスケットボールの一年生トリオ(Okafor、Winslow、T.Jones)は予定通りNBAドラフトにエントリーした。Tyus JonesのDepartureで来季の戦力ダウンが危惧されたが、何とかPoint Guardの補強ができたことで、タイトル連覇の可能性が少し高くなった。来季はUNCがタイトル候補の最右翼と言われているが、Dukeには是非永遠のライバルを倒してback-to-backを果たして欲しいものだ。


読了:
「戦略の歴史」(上)(下)(ジョン・キーガン)
  • 原題は”A History of Warfare”で、内容も戦略史というより戦争の歴史そのもの。クラウゼヴィッツの「政治の継続としての戦争」という考え方は戦争の歴史の中では一般化できない、ということが客観的な事実を積み上げる形で論じられている。石器、馬、鉄、火薬という道具の変遷がいかに戦術を変えていったかも良く理解できる。日本のサムライについて記述されているところもユニーク。20年近く前の本だが、現在各地で行われている戦争を語るにも役立つと思った。(評価A)
購入:
「なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?」(ケリー・レオナルド、トム・ヨートン)、「変わらないために変わり続ける」(福岡伸一)、「逆流するグローバリズム」(竹森俊平)、「戦後リベラルの終焉」(池田信夫)

2015年4月26日日曜日

俊輔の帰還(ベルマーレ戦)

今シーズン2回目の生観戦、ベルマーレ戦は3対0で日産スタジアムでの久々の勝利となった。前半9分に良いパス回しからアデミウソンに待望の初ゴールが生まれ、これは思いのほか楽勝か?と思ったが、その後は何本か惜しいシュートはあるものの1対0のまま前半を終わった。後半は前半に比べベルマーレにボールを持たれる時間が増えたが、交代出場したラフィーニャとアデミウソンがカウンターの切れを見せゴールを脅かした。そして後半36分、ついに俊輔がJ1リーグ戦に復帰すると、その後齋藤と冨澤がゴールネットを揺らし、終わってみればスコアは「完勝」だった。

アデミウソンは初めて生で見たが、Jリーグに慣れたこととフィジカルも万全になったためだろう、TVで見ていた時以上に味方とも連携するし、自分でも突破を試みたりとMOMといえる活躍をしていた。残念ながら期待していたアデミウソンと俊輔の競演は持越しとなったが、これからが益々楽しみになった。

読了:
「21世紀の貨幣論」(フェリックス・マーティン)

  • 古代メソポタミアから現代まで貨幣がどのように「進化」してきたかを通じ、貨幣の真の価値とはなにかを説いている。「物々交換の不便さを解消するために貨幣が生まれた」という通説の誤りやジョン・ロックが与えた影響、更には最近のリーマン・ショックへの対応に関する記述など「そうだったのか」と改めて理解した。最終章での経済学再構築の議論がピケティの問題意識と近いことが面白かった。(評価A+)
「MBAマネジメント・ブックⅡ」(グロービス経営大学院 編著)
  • 「グロービスMBA」シリーズの最新刊。第三版まで出ているマネジメント・ブックを補足する形で最近のトピックスであるアントレプレナーシップ、テクノロジー、グローバルなどについて理論がコンパクトに整理されている。エコノミクスについても一つの章が加わっているのも特徴。内容自体はそれぞれに関する本で読んだことのあるものがほとんどであるが、こうやって纏めてくれるのは毎度の事ながらありがたい。(評価A)
「イノベーションの誤解」(鷲田祐一)
  • なぜ携帯電話がケータイに進化したのか、SUV市場拡大はなぜ起こったのか、更にはなぜ日本企業の製品が魅力をなくしてきたのか、これらの根本原因はイノベーションを誤解していたからだ。著者はユーザー・イノベーションのメカニズム、日米の比較などを通じ、日本企業の問題点を明らかにしている。ユーザー・イノベーションが全てではないとは思うが、第5章での著者の主張、例えば商品開発局面でのマーケティング軽視を改める事などは重く受け止められるべきだろう。(評価A)
「今こそアーレントを読み直す」(仲正昌樹)
  • 2009年の著作だが、アーレントという名前に興味を覚えたのが最近だったということで、「入門」として読んでみた。「わかりやすい政治」というコンセプトと真逆のスタンスをとり、アメリカの独立を評価する一方でフランス革命には批判的、左右両方の立場から評価されるというアーレントの思想の一端が著者の解説を通じ理解できた。アーレントが生きていたとすれば、今の日本の「反知性主義」的な政治状況をどのように見るだろうか。(評価A)
購入:
「戦略の歴史」(上)(下)(ジョン・キーガン)、「ハード・シングス」(ベン・ホロウィッツ)、「日本財政『最後の選択』」(伊藤隆敏)、「意思決定のジレンマ」(ラッシュワース・M・キダ―)、「破壊する創造者」(フランク・ライアン)、「IGPI流ビジネスプランニングのリアル・ノウハウ」(冨山和彦、経営共創基盤)、「素数はなぜ人を惹きつけるのか」(竹内薫)、「低欲望社会」(大前研一)、「ハーバード流逆転のリーダーシップ」(リンダ・A・ヒル、グレッグ・ブランドリー、エミリー・トゥルーラブ、ケント・ラインバック)

2015年4月19日日曜日

悔しい敗戦(レッズ戦)

F.マリノスはレッズとのアウェー戦。伊藤のゴールで先制したものの、前半終了間際に2失点し1対2で敗戦、11位に後退した。ダイジェストしか見ていないが、得点シーン以外にも後半アデミウソンの惜しいシュートがあったりしたので、悔しい負け試合だった。ここからナビスコ杯含め週2回とスケジュールがタイトになるが、俊輔・ラフィーニャ・端戸とケガ人が復帰しつつあるので、コンディションを視つつ戦っていって欲しい。

読了:
「日本―喪失と再起の物語」(上)(下)(デイヴィッド・ピリング)

  • 明治維新から現代までの日本史について、黒船・敗戦・バブル崩壊といった出来事とそこからいかに立ち直ったかという観点で描かれている。執筆の動機になったという東日本大震災からの復興状況についても様々な角度と多くのインタビューから記されている。インタビュー相手も左右のバランスが取れており、例えば小泉改革についても「格差拡大が生まれただけ」という通説にとらわれないで評価すべきところをしっかり評価している所が良い。(評価A+)

2015年4月11日土曜日

Duke Blue Devils5年ぶり5回目の全米チャンピオン!

在校生が羨ましかった。我が第二の母校Duke大学バスケットボールチームが日本時間火曜日に行われたNCAAトーナメント決勝戦でWisconsin大に68対63で勝利、5年ぶり5回目の全米チャンピオンとなった。今年のチームは期待の1年生(J. Okafor, T. Jones, J. Winslow)が中心の若いチーム。1月には短期間で3敗した上にメンバー1名が追放されるという異常事態となったが、そこからはACCトーナメント準決勝で敗れたのみ。守備が強化されたことが優勝への鍵となった。先に上げた3人はおそらくNBAに行くことになるので、NCAA連覇は厳しいだろうが、新たなメンバーを迎え、コーチKの下、次シーズンはこのところ果たせていないACCリーグ、トーナメントの優勝を目指して欲しい。

F.マリノスは日曜日にベガルタとのホームゲーム。しかしもっと大きなニュースは俊輔の動向だ。22日のナビスコ杯グランパス戦あたりで復帰という話がでてきた。次回生観戦は25日のベルマーレ戦なので、そこで今季リーグ戦初登場が見られそうだ。

読了:
「フューチャー・オブ・マインド」(ミチオ・カク)

  • 「ひもの場の理論」創始者のひとり(理論物理学者)である著者が、テレパシー、念力、夢、意識と精神疾患、人工知能など「心」を巡る様々な観点での最新理論を紹介する一冊。500ページ近い書物だが、映画に言及する箇所が多かったりするので読んでいて全く飽きなかった。また、人間の探求心に毎度の事ながら感心させられた。著者が心を宇宙と並ぶ大きな謎として取り上げているのにも十分肯ける。(評価A+)

「AIの衝撃」(小林雅一)

  • 「フューチャー・オブ・マインド」でも言及されていたAI。本書ではAIがディープ・ラーニングと呼ばれる技術により急速に進化していて、人間から仕事を奪い合う状況になるという「衝撃」に加え、Googleなどの企業との対比で日本企業のAIへの取り組みの違いと遅れが指摘されている。経済へのインパクトはこちらの方が大きいが、既存の大企業では機敏な方向転換は難しいだろう。(評価A+)

「日本戦後史論」(内田樹、臼井聡)

  • 哲学者である内田氏と「永続敗戦論」著者の白井氏が、現政権やその根本にある反知性主義に批判的な立場から日本戦後史の問題点を説いている。読んでいて違和感を感じるところも多いが、敗戦を終戦と言い換え、戦時中も政権を担っていた立場の人間により復興してきた日本の特異性が、現時点でも隣国との関係を拗らせる要因であることはその通りだと思う。フランスやドイツとの対比で考えるという視点は有効だろう。(評価B)


購入:
「イノベーションの誤解」(鷲田祐一)、「MBAマネジメント・ブックⅡ」(グロービス経営大学院 編)、「今こそアーレントを読み直す」(仲正昌樹)