2016年9月10日土曜日

いろいろあった1週間。マリノスは4試合ぶりのリーグ戦勝利(ベガルタ戦)

W杯最終予選第二戦。初戦の敗戦で益々負けられなくなったアウェーでのタイ戦は2対0で日本の勝利に終わった。結果は良いだろうが、課題は解決されないまま10月に持ち越され、暗雲は立ち込めたままというところではないか。
 様々なジャーナリストが指摘するところだが、本田が中に入ることで香川の良さを消しているのは事実だろう。タイ戦でも後半運動量が落ちた本田はまるでトップ下のように振る舞っていた。もっと早い時間で交代させるべきだったろう。また、守備陣の余計なファウル→カードも極めて深刻な事態だ。タイ戦の主審については情報があっただろうにも関わらず、森重がボールの空気圧が足りないとアピールしたためにイエローをもらっているし、西川はあわやレッドカードという反則を犯している。スカウトは一体どんな指示を出していたのだろう???手倉森氏がコーチに加わるというのはプラスになるだろうが、次のイラク・オーストラリアとの対戦で思い切った選手起用を求めるのは無理だろう。ボールは保持するが、得点の匂いがしないイライラはまだ当分続く。

同じく得点の匂いがしないマリノスは、それでも何とかJ3福島ユナイテッドに延長戦で勝利し天皇杯3回戦へ進んだ。次は久々のヴェルディ戦。ファビオと喜田の復帰は望めないだろうし、なぜか高知での対戦、二日後にはフロンターレとのダービーと日程的には厳しいが、何とか乗り越えてほしい。俊輔が全体練習に加わったというのが本当なら、このあたりでの復活を期待したい。

15日間で5試合というハードな日程もリーグ戦ベガルタ戦で終わった。(都合でTVで前半終了直前から観戦。)F.マリノスはカイケとマルティノスをベンチに置き、兵藤・中町・前田が先発。左サイドには新井が入った。解説によると前半はラインを低くしたマリノスに対し、ベガルタがボールを支配するが、決定的なシュートには至らないという状況。双方枠内シュートゼロというのが何よりも実態を表していた。後半になるとマリノスのエンジンがかかり、右サイドの前田から伊藤がシュートを放つなど良い攻撃が見られるようになる。それでもなかなか得点にならないのはいつも通り。ルヴァンカップでもそうだったが、前田はせっかく敵陣に侵入できてもシュートが枠に飛ばない・・・しかしこの試合では83分に斎藤が左サイド深くまで持ち込みクロス。相手に当たったこぼれ球を兵藤がきっちり決めて決勝点を挙げて逃げ切ることができた。後半を見る限り、兵藤と中町の同時起用は効果があったと思うし、前田もここ何試合かのマルティノスよりは良い動きを見せていた。シュートが枠に飛ぶようになるだろうという希望的観測を前提であれば、次節アルビレックス戦に俊輔が間に合わなくてもこの布陣で凌げそうな感じがする。

2016年9月4日日曜日

辛勝で勝ち上がり。これが今の実力(ルヴァンカップ準々決勝アルディージャ戦)

ミッドウィークの情けない試合から中3日。ホームでのセカンドレグ。負傷者続出のF.マリノスは喜田に代わりパク、ファビオに代わり栗原が入る。攻撃陣も天野に代わりカイケがスタメンに戻っての2トップでキックオフ。すると開始早々から押し込まれ、マテウスのクロスからあわや失点かというピンチを迎えるが、ここは榎本が右手で防ぐ。ファーストレグと比べ前からの圧力が小さかった分マリノスが攻撃する時間も増え、斎藤からいくつかチャンスを作る。このままハーフタイムかと思った終了直前、カイケが目の覚めるようなミドルを決めマリノスが貴重な先制点を挙げる。
 
久々にリードして迎えた後半も早々にマルティノスと伊藤が決定機を外すと、押し込まれる展開に。ただ、家長がいなかった分アルディージャの攻撃が鋭さを欠いたし、シュートも榎本がファーストレグ同様に見事なセーブで防ぐ。終了間際に交代出場の天野のシュートがポストにあたり、同じく途中交代の前田がフリーのシュートを外すという致命的なミスを犯したが、何とかそのまま試合終了。アウェーゴールの差でマリノスが準決勝進出を果たした。

タフな試合を勝ち抜いたことは喜びたいが、準決勝を勝ち抜き、更にタイトルを勝ち取る事が出来るとは残念ながら考えられない。俊輔のいない攻撃陣は相変わらずカウンターからの個人技頼みで、ゴール前でチャンスを迎えても肝心のシュートが枠に飛ばない・・・ディフェンスは寄せが甘いのでミドルシュートでゴールを脅かされる・・・全体に故障者が増えている中、途中交代した栗原の状態如何では天皇杯も始まるとスタメン選びに苦労しそうだ。

2016年9月2日金曜日

消せない記憶(ルヴァンカップ アルディージャ戦、代表UAE戦)

水曜日・木曜日と見たくない結果を見せつけられた・・・

水曜夜のルヴァンカップ準々決勝1stレグ。F.マリノスはアルディージャと今季3回目の対戦。カイケと天野に代わり伊藤と前田を入れたスタメンのマリノスは、序盤からアルディージャに支配されて防戦一方に。23分にはマテウスに左からカットインされ、ミドルシュート→ゴールと今回も先制を許す。その後ファビオが負傷し栗原に交代するというアクシデントも発生、全くいいところなしで前半を終える。後半はボールを奪う位置が高くなり、アルディージャのプレスが弱くなったことからマリノスの攻撃も見られるようになる。26分に小林のクロスから金井が決め同点になると、今回もドロー?と思ったが、最後は家長に決められて1対2で試合終了を迎える。榎本の働きがなかったら少なくともあと2点は決められていたのでは?というほどの酷い試合。こんな状況では日曜日のホーム戦に向け、アウェーゴールをポジティブに捉えるという気分にはなれない。特にこの試合のワーストプレーヤーのマルティノスはしばらく見たくない・・・

木曜日の代表戦もアジアカップのデジャヴのような試合。監督が自分で「何でこの選手を選んだのか?」と自問していると聞くと情けない。確かに判定が問題だったのは間違いないが、私にはゴール前の動きが淡泊で、ゴールにねじ込んでやろうという気迫が感じられなかった。(あったなら、浅野のシュートはGKを弾くぐらい勢いがあったのでは?)1986年メキシコ大会以降のアジア最終予選で初戦に敗れたチームの出場はゼロ。日本が最初にこのジンクスを破ってほしいのは勿論だが、選手の序列ばかりに拘る監督はこの敗戦ショックから立ち直れるだろうか?ショック療法ではないが、W杯に出られないのが如何に寂しいことか日本全体で再認識すべき時期なのかもしれないとまで思ってしまう。

消してしまいたい記憶だ・・・

読了:
「少女」(湊かなえ)

  • 10月公開予定の映画の原作。「人が死ぬ瞬間を見てみたい」と思った少女2人が、お互いには内緒で始めた夏休みのイベント。やがて登場人物相互の関係性が明らかになって・・・2人それぞれの視点で物語が展開するのもいつもの湊ワールド。ハッピーエンドのようで実は読後感が重くなるようなエンディングを迎えるのもまた同じ。(評価A)

「不平等との闘い」(稲葉振一郎)

  • ルソーとアダム・スミスから始まりピケティまで、経済学では格差・不平等をどのように取りあげて来たのかがコンパクトに解説されている。本書を読むと古典派経済学からマルクス経済学・新古典派経済学と進むにあたり、関心事の中心がどこに置かれてきたか理解できる。ピケティの「21世紀の資本」に関する評価も一読の価値があった。(評価A)

「情報参謀」(小口日出彦)

  • 本書を通じ、2009年の総選挙で下野した自民党がその後政権を奪還し、更に2013年の参院選挙で捻じれを解消するまでの間、舞台裏で行われていた情報戦略が明らかになった。また、この間SNSはじめネットが政治に一定の影響力を持つに至った状況も理解できる。一人マスメディア(とりわけ新聞)はこうした流れに乗れず、今日でも旧態依然としたままだなあというのが率直な感想。余談だが、新都知事のネット活用はこの期間に自民党の広報本部長を経験したからなのだろうと妙に納得した。(評価A+)

「フィンテック 金融維新へ」(アクセンチュア)

  • フィンテックとは何か、金融ビジネスにどんなインパクトを与えるのか、迎え撃つ金融機関はこの「金融維新」をどうやって乗り切るべきなのか。欧米の事例から日本の金融機関が学ぶべきヒントが盛りだくさん集められている。確かに書かれていることは正論だが、実践するには相当の覚悟(特にこれまでの人事制度をご破算にするくらいの覚悟)が要るし、踏み切れる金融機関はほとんどないのではと思う。(評価A)

2016年8月27日土曜日

また勝てなかった・・・(アントラーズ戦)

J1セカンドステージも後半戦に入り第10節を迎えた。F.マリノスは6連敗中の苦手アントラーズをホームに迎えた。マリノスはボランチ2枚が前節と代わり兵藤と喜田に、また出場停止のマルティノスに代わり天野が右に回り、伊藤とカイケの2トップという布陣でキックオフ。
 前半はアントラーズが両サイドから攻勢をかけ、マリノスは単発でカウンターといういつもの展開。これもいつものように、右サイドから崩されて先制点を許す。ただ、今節のマリノスはこれまでよりもボールが回った。いくつかチャンスらしいチャンスも作れたし、前半終了間際には斎藤のシュートを伊藤がゴール前でコースを変えてゴール!同点で終了する。
 後半も基本は同じ展開だが、植田のいないアントラーズ守備陣のミスからマリノスがカウンターを仕掛ける場面が多くなり、ついに後半35分斎藤のシュートが決まる。これで久々の勝利か!?と思った矢先、あっという間に同点弾を決められ、今節も勝ち点1を加えたにとどまった。これで7位に後退。フロンターレとレッズが負けてくれたので、勝ち点差は5になったのだけが救いとは情けない・・・

審判の判定に熱くなっていた試合後少し時間がたち、冷静になってみると、アントラーズとはチーム戦術の完成度にかなり開きがあったと認めざるを得ない。攻撃の際にはサイドバックがMFを「追い越す」動きが多く、マリノス守備陣は最後体を張って止めるようなシーンが度々あった。一方マリノスは結局のところ「個」(=斎藤)の力に頼らないと決定的なチャンスを作れなかった。これでリーグは中断、代表ウィークのカップ戦準々決勝となる。今節はそれでもここのところの酷い状態から脱する気配は見えたので、流れをしっかりとしたものにして欲しい。

読了:
「中央銀行が終わる日」(岩村充)
  • タイトルはショッキングだが、本書は中央銀行の持つ機能のうち、成長と物価安定という役割については最早限界にきていると指摘する。一方ビットコインについて、かつてハイエクが展開した議論をヒントに、中央銀行の通貨発行権に挑戦するものと位置づけ、その可能性を検討している。新しい金融論の方向性を示唆する一冊といえるのではないか。(評価A)

「悪いヤツほど出世する」(ジェフリー・フェファー)
  • 世の中にあふれているリーダーシップ論を鵜呑みにすると失敗する。ひとことでいうとこれが本書の結論。現実のリーダーは決して教科書に書かれているような「立派な人」ではない、むしろそうしたリーダーは少数派だ。リーダーに求められるのは、職場の現実を見て臨機応変に対応すること、時には「イヤな奴」を演じることすら必要なのだ。極めて説得力のある一冊だ。(評価A)

2016年8月21日日曜日

収穫なしの初黒星(FC東京戦)

ここまで何とか無敗で凌いできたF.マリノスだったが、今節のFC東京戦でセカンドステージ初黒星。出場停止の喜田に代わりパクがボランチに入ったマリノス。良かったのは前半の半ばの時間だけ。いつものようにチャンスはあってもシュートがNG。そのうち隙をつかれて東に先制を許す。後半もラインが低いままなので、カウンターすら打てない。結局「惜しい」というチャンスすら作れずに試合終了を迎えた。
 俊輔の不在をカバーすべき天野の出来は試合を重ねるごとに低下。マルティノスは機能不全のままで次節は出場停止。斎藤も一人で全てを変えられるはずもなく、今節もまたサポーターのフラストレーションが溜まっただけ・・・次はアントラーズ戦。このままでは引き分けすら望めない状態と危惧する。年チケに切り替えたのを後悔し始めている・・・

読了:
「リーダーの本義」(門田隆将)

  • 福島第一原発の吉田所長を始め、過去の著作で取り上げてきたリーダーたちはどこが違うのか。著者は彼らが「本義」を理解し、それに則って行動していることにあると言う。一方で最終章で取り上げられた三菱自動車や東芝に対しては、会社自体が本義を取り違えていると手厳しい。(評価A)

2016年8月14日日曜日

またしてもホームゲームで勝ち点2を失う(アルディージャ戦)

J1セカンドステージ第8節。F.マリノスは日産スタジアムがももクロコンサートに使用されたこともあって、ニッパツでのアルディージャ戦。俊輔不在のトップ下に天野をが入り、けがが心配された斎藤はスタメンで試合開始。いつも以上に「ふわーっ」と入ったマリノスはいきなり危ない場面を迎えるが相手のシュートミスに救われる。前半の攻撃はグランパス戦のデジャヴのような酷さでスコアレスのままHTに。後半天野に決定機が来るが、コースを狙ったシュートは勢いがなくGKに防がれる。何となく嫌な流れだなと思うとそれが的中し、ジュビロ戦のようなミドルシュートを決められてしまう。さらに伊藤を投入しツートップにした直後、喜田が家長へのファウルで一発退場。10人になったマリノスは両サイドバックを遠藤と前田に交代し同点を狙うと、ロスタイムにカイケのクロスを前線に上がったファビオが決めて何とかドローに持ち込む。

この試合喜田(退場前)・カイケ・小林にイエローが出たり、明らかに見えたゴールエリア内のハンドがスルーされたり、審判との相性も悪いせいかイレブンが全体にイライラしていた。こういう時に試合を落ち着かせることができなかったのも勝てなかった要因の一つに思われる。

セカンドステージ無敗とは名ばかり、トップとの勝ち点差がまた広がった。次節はアウェーのFC東京戦。俊輔はまだか?喜田の穴は誰が埋める?

読了:
「夜行観覧車」(湊かなえ)
  • 新興住宅地に向かい合って住む2家族。一方は娘の家庭内暴力を抱えている。ある日もう一軒で医者である主が妻に殺されるという事件が発生して・・・いつものようにそれぞれの視点で語られる物語から真実が見えてくる。ドラマ化された時に断片的に見た場面に遭遇して、「ああ、ここだったのか!」と思いながら読み終えた。(評価A)
「レッドチーム思考」(ミカ・ゼンコ)
  • 「自分の宿題は自分で採点できない」から組織が独善的な意思決定を行わないようにするために内部に反対者(=レッドチーム)を置く。これだけ聞くと「悪魔の代弁者」の話のようだが、本書は安易な形で「悪魔の代弁者」を選ぶような対応を戒め、レッドチームが本当に機能するための条件を整理する。取り上げられた失敗例を読むと、日本でも空港やオフィスビルのセキュリティ、システムセキュリティがどれだけ安全だろうか、と怖くなる。本書の考え方自体は日本企業の弱いところであり、大いに学ぶべきところだと考える。(評価A)
その他:
  • リオ・オリンピック開始から1週間が経過した。サッカーは残念ながら予選リーグ敗退。ナイジェリアが報酬未払い問題でコロンビア戦を果たして全力で戦ったのだろうか?と突っ込みを入れたくなるような点はあったが、強敵ぞろいの予選リーグを突破するには力不足だったと素直に認めざるを得ない。選手にはフル代表の常連になれるよう更に頑張ってほしい。
  • 体操・競泳・柔道・ラグビー・卓球・テニスなどその他の競技における日本人選手の活躍は頼もしい。東京オリンピック誘致成功の効果だろう。
  • 前回触れたアメリカ男子バスケットボールチームは予想以上に苦戦している。それでもセルビアに何とか勝利し全勝を守ったのは底力なのだろう。



2016年8月7日日曜日

4試合ぶりの勝利(レイソル戦)。2ndステージ無敗は続く!

今節のレイソル戦。Jリーグプランを契約していない我が家はスカパー無料放送のお陰で(結果が分かった後ではあったが)TV観戦となった。
 前節のあまりの酷さを反省?したマリノスは、天野を起用して4-2-3-1でスタート。前半10分過ぎまでにクリスティアーノのヘッドと、FKの処理ミスで決定的なピンチを迎えたが、喜田のクリアなどで事なきを得る。その後は徐々に攻撃が噛み合いはじめ、カイケのシュートがポストを叩くなど惜しい場面を作る。
 スコアレスで折り返した後半早々、天野のクロスを相手がオウンゴールしマリノスが先制する。前節と違い、クロスの精度が高かったことが良かったのではないだろうか。その後FKから追いつかれるが、再び天野のCKから中町が勝ち越しゴール!その後はしっかり守って勝ち切ったが、カウンターから決定的なチャンスがあっただけに、願わくは3点目を取って欲しかった。
 
この勝利で3位に浮上したが、フロンターレとレッズが共に勝ったため、勝ち点差は4のまま。次節も苦手アルディージャ戦だが、この勝利の勢いとニッパツという地の利を生かして連勝しよう!


読了:
「母性」(湊かなえ)
  • 自殺を図って意識不明の女子高生とその母親が事件までの日々を回想する中で、悲劇がなぜ起こったのかが明らかになってくる。一方で新聞報道に関心を持つある人物が、真相に迫ろうとする。毎度のことながら途中「あれ、これは・・・」とわかってきて、全てが明らかになる最終章で救われるという展開も著者一流のものだ。「花の鎖」と並ぶ一冊。(評価A)
「あなたの会社が理不尽な理由」(清水勝彦)
  • 個人的に日本人には数少ない「本物の経営学者」と思っている著者が、気になっている書籍・影響を受けた論文などを読み解く。「組織を脅かすあやしい『常識』」などの著作で示されたように、通説に与するのではなく、独自の見方から経営を観察しているであろう著者の考え方を構成する要素を見たように思う。(評価A+)
その他:
リオオリンピックが開幕した。サッカーをはじめ日本選手の活躍は当然期待するが、個人的には、今回最後のオリンピックとなるコーチK率いるアメリカの男子バスケットボールにも注目している。レブロン・ジェームズやステファン・カリーといった超スーパースターはいないが、今回も勝ってくれるだろう。