2009年7月19日日曜日

オーバーラップ

 マリノスは昨夜も最後詰め切れず引き分け。見ていて改めて気づいたのはMFに同じ役割のプレーヤーがダブっているのではないかということ。山瀬と兵藤そして(昨日は出ていないが)狩野とパスの出してとしての方が上手い選手ばかり。加えて松田もボランチの時はパスの出し手になっている。船頭多くしてという状況に思われた。BKしても同じだ。小椋、田中、小宮山・・・誰が出ても良いということは逆に本当に優れた選手ではないという裏返しだろう。
 もう一点おかしいと思うのは交代選手の出し方。坂田は良いとしても、勝ち越し点が欲しい時になぜキムや長谷川なのか?別に二人が悪い選手とは思わないが、やはり本来渡辺に代えるならFWの選手だろう。どうもマリノスは伝統的にFWが育たない!せっかく福岡で成長したマイクをあっさり鳥栖に出してしまうのだから・・・(しかも山瀬弟と二人でしっかり点を取っているではないか!)
 やはり監督交代が私的な解決法である。

読了
「海の都の物語(1~6)」(塩野七生)
  • ヴェネチアが約1,000年もの長い間共和国として生き残れたのは何故かを説いた本。通説(主にローマカトリックの視点による説)に対し、独自の視点から反論している姿は、(書かれた順序では本書の後になる)「ローマ人の物語」にも相通じる。自らの強みを活かし、イスラムとの関係でも実践的な取り組みをしてきたヴェネチアの姿は、戦後高度経済成長を遂げた日本になんとなくオーバーラップしていた。ナポレオンの攻勢に対し、ジタバタを繰り返す末期のヴェネチア政府は今の自民党そのもののように見えた。(評価A)

「『ハイパフォーマーの問題解決力』を極める」(池上孝一、小島美佳)

  • ハイパフォーマーが備える問題解決力を4つのファンダメンタルスキル(視点、目的意識、判断基準と優先順位、アスピレーション)と15のアドバンススキル(パワーバランス把握力、関係構築力、傾聴力、質問力、リサーチ力、検証力、イシュー特定力、スコープ設定力、ソリューション策定力、アクションプラン構築力、伝達者特定力、チャネル選択力、ドキュメンテーション力、プレゼンテーション力、交渉力)に分解したところがこの本の最大の特徴。アクションプランまで策定しきちんと伝達できるようにする事がソリューション策定と同じに重要であるということは、改めて部下へも徹底したい。(評価B+)

「現場の知恵が働くチームイノベーション」(源明典子)

  • スコラコンサルティングによる一連の著作同様、実際に取り組んだコンサルティング事例から「ボトムアップ」での改革手法を案内している。確かにボトムアップでの取り組み、現場の巻き込みは重要だと思うが、取り上げられていた事例の時間軸が長すぎる!3年かかってここまでかよ!と突っ込みを入れたくなるようなすすみ方だ。もっともっとスピード感のある取り組みをしないと許されない企業が圧倒的多数だろう。コンサルタントとしての軌道修正が遅いために余計な作業をさせているような点もある。そういう意味であまり参考にはならない。(評価D)

「危機の時代の『やる気』学」(金井壽宏)

  • 所謂OBについての諸理論を紹介しつつ、独自の「やる気学」を展開した一冊。野田稔氏との対談も面白かった。不思議なことではあるが、毎回金井氏の著作を読むと、何だかその日は元気になる。今回もそうだった。希望と緊張の勾玉などユニークだし分かりやすかった。リーダーとして如何に実践するかが私的課題。(評価A)

「一瞬で相手を落とす!コールドリーディング入門」(石井裕之)

  • 書店で立ち読みをしたときに目に留まったエピソード(血液型ルーズなるテクニック)が面白くて購入した本。コールドリーディングのテクニックは確かにすごいが、それよりもあとがきにあった「大切な人とのコミュニケーションが問題なら、その人に目を向けるべき」という主旨の言葉が一番良かった。相手と向き合う勇気なくしてはコミュニケーションは成立しないという事だ。(評価B+)

購入:

「新版 経営行動」(ハーバート・A・サイモン)、「決断力の構造」(ノール・M・ティシー、ウォレン・ベニス)、「大前の頭脳」(大前研一)、「徹底のリーダーシップ」(ラム・チャラン)、「マーケティング脳VSマネジメント脳」(アル・ライズ、ローラ・ライズ)、「誇りと復習(上・下)」(ジェフリー・アーチャー)、「世界は分けてもわからない」(福岡伸一)、「スモール・ジャイアンツ」(ボー・バーリンガム)、「実践 行動経済学」(リチャード・セイラー)

2009年7月12日日曜日

山形に負けるとは・・・

開幕当時、勢いのあった山形にならともかく、勝ちから見放されていたチームにプレゼントとは。今年も監督交代のカンフル剤を打つ時期かもしれない。

読了:
「1Q84」(上・下)(村上春樹)
  • 昔カフカの小説(「変身」とか)を読んでいた時のような感覚を味わったというのが正直な感想。二人の主人公のすれ違い・クロスする人生に何やら怪しげなカルト集団が絡み。そこに「傷だらけの天使」(古いなー)の岸田今日子を思わせるマダムがいたり・・・結局「リトル・ピープル」って誰?確かに面白かったが、何となくマーケティングに踊らされた感はぬぐえなかった。(評価B)

「経営思考の『補助線』」(御立尚資)

  • 経営を取り巻く潮流を捉え、どう舵をとるか。経営者の根本的な業務だと思うが、現実には時代を読む事は難しいし、そういう時にこそ、著者のようなコンサルタントの価値がある。個々のテーマはともかく、御立氏の切り口・語り口の面白さはこの種の中ではトップクラスではないか。過度の一般化は危険だと承知で、こういう「ケイパビリティ」に関してはマッキンゼーよりボストンコンサルティングに軍配が上がると素直に思う。(評価B+)

(現在「海の都の物語」仕掛中)

購入:

「全脳思考」(神田昌典)、「一瞬で相手を落とす!コールドリーディング入門」(石井裕之)

2009年7月5日日曜日

高原・柳沢・・・「元」代表

高原が2得点、柳沢が復活と昨日のJ1は「昔の名前?」が活躍していた。それで思い出したのが「元代表」という肩書き、確か欧州などではそのプレーヤーが引退して初めて「元」ということになる筈。日本は恐らく一般のスポーツジャーナリズムの問題だろうが、一度呼ばれなくなるとすぐに「元」になる。カズのように明言しているかどうかは別として、現役のプレーヤーは常に「代表」を目指すものだと思う。本人が明確に「代表からの引退」を表明した坪井や加地以外は「元代表」という肩書きは止めるべきだと思う。高原、柳沢、石川(直)などには今の代表メンバーを本当に脅かす存在になって欲しい。それがJ、代表のレベルアップになると信じる。

先週の読了:
「影響力の武器ー実践編ー」(N.J.ゴールドスタイン、S.J.マーティン、R.B.チャルディーニ)
  • 名著「影響力の武器」で示された「社会的影響力の原理に基づいた」6つのテクニック(返報性、権威、コミットメントと一貫性、希少性、好意、社会的証明)がいかに実践されているか実例を挙げた本。チャルディーニより他の2名が主として執筆しているようだ。見せ方、説明の仕方で効果が変わるということは沢山ある。マーケティングだけでなく、日頃の部下との接し方などについても意識して使ってみたいと改めて思う。(評価B+)

「ブラック・スワン」(上・下)(ナシーム・ニコラス・タレブ)

  • 正規分布をメインにする確率論の限界を説いた本。というと実も蓋もないような本だが、著者は経済学者だけでなく、数学者やら哲学者までバッサバッサと切り捨てる。毎度感じるが欧米のインテリの知識は半端じゃない。そういう意味で面白かった。ただ、内容の分かりやすさは「まぐれ」に軍配。それだけこちらの知識レベルが低かったためだろう!?(評価B-)

「パラダイムの魔力」(ジョエル・バーカー)

  • 未来を考えるために必要なパラダイムの考え方を解説した本。原書は92年、日本語訳も95年であり、これまで読んだ本で何度か紹介されていたものの、購入する機会がなかったので読まずにいた本。「ブラック・スワン」の後だったので、未来を予測することの限界を考えながら読んだ。自分としての結論は、結果が無誤謬などと考えず、常にベクトルが正しいかと自省していければ、パラダイムシフトをコントロールできるのではないかと言うこと。(評価A-)

「名著で学ぶ戦略論」(石津朋之ほか)

  • 孫子、クラウセビッツ、リデル・ハートなどの著作とその意義、他の研究書を網羅的に解説した1冊。取り上げられたのは全部で50冊だが、やはり冒頭の3人の影響力が頭抜けて大きいのが確認できた。他では毛沢東の評価が高かったのが読んでいて面白かった。(評価C)

「昭和史-戦後篇-」(半藤一利)

  • 発刊された順番ではなく、幕末史から昭和史、そして戦後篇と読んできて、現在の「みっともない」この国がいつどのように道を外したのか整理できた。本当の意味で戦後、グランドデザインなきままにGHQ=米国の言いなりで左(憲法9条)に右(自衛隊創設)へと揺れたこと、高度成長にかまけて政治特に外交をまともに考えてこなかったこと。官僚主導でそれこそ未だにパラダイムの変換ができないこと、そして何よりこの島国以外に関心を示さない飼いならされた小市民たち。これらの結果なんだろうと思う。本当に痛みを伴う改革をしなければ、GDPランクと共に沈んでしまうという危機感・閉塞感・・・何か変わるのだろうか?

購入:

「1Q84(上・下)」(村上春樹)、「超・階級」(デヴィッド・ロスコフ)、「海の都の物語(4・5・6)」(塩野七生)、「危機の時代の『やる気』学」(金井壽宏)

2009年6月27日土曜日

スペイン敗れる

コンフェデでスペインがアメリカにまさかの敗北。リーガ終了まもなく、中盤のイニエスタ、M.セナを欠いたとはいえ、まさに「まさか」だ。ただ、アメリカもFIFAランクでは上位の強豪。W杯では第二シードとランクされてもおかしくないチーム。日本代表もこのあたりと常に「良い勝負ができる=アウェーでも引き分けられる」ようにならないとグループリーグ突破は無理だろう。トップシードの国々とやる以上に実質的な強化になるように思う。(興行的には「?」だろうが・・・)
俊輔はエスパニュールに決まり、松井はグルノーブル、稲本はレンヌと移籍先が明確になってきた。今後の焦点は本田だろうが、ここに来て他の代表クラスも海外移籍と言い始めた。W杯本番で個人プレー=売り込みに走られるよりはましなので、決められるなら決めてしまって欲しい。
来週は色々な締め切りが重なって大変な1週間になりそうだ・・・

読了:
「イノベーションの新時代」(C.K.プラハラード、M.S.クリシュナン)
  • イノベーションには「個客経験の共創」と「グローバル資源の活用」が不可欠で、その実現のためにどのような手をうつべきかを説いた本。やや技術面に偏った内容であったが、読み応えは充分。マイクロファイナンスの事例を取り上げているのは「ネクスト・マーケット」の著者ならでは。「ゲームの変革者」と共に戦略構築作業の際に読み直したい。(評価A-)

「コンテキスト思考」(杉野幹人、内藤純)

  • A.T.カーニーのコンサルタントが「自己否定」と言えなくもない「コンテキスト」の重要性を説明。ロジカルシンキングとコンテキストの組み合わせが重要というのはその通りだと思う。問題はコンテキストは共有されているようで、個々人の思考フレームワークのフィルタで様々に解釈されている可能性が高いこと。リーダーはコンテキストを物語の形などで共有するという努力が求められる。(評価B)

「戦う組織の作り方」(渡邉美樹)

  • 実力主義の徹底でいかに「戦う組織」を作ってきたか、その経験談ともいえる1冊。自らがなぜ50歳という「若さ」で会長に退くかの説明を含め面白く読んだ。(出張帰りの新幹線でアルコールの入った状態という悪条件だったが・・・)(評価A-)

「なぜ、エグゼクティブはたやすくバンカーから脱出できるのか」(パコ・ムーロ)

  • タイトルが非常にミスリーディングであるが、内容はこの種のノウハウ本としては良く纏まっている。判断の際の時間のかけ方、リーダーは無誤謬でなければならない、といった点については、なるほどそのような点も留意しなければならないなと感じた。ただ、So What?と言われると苦しい。(評価B-、タイトルはF)

購入

「影響力の武器 実践編」(N.J.ゴールドスタイン、S.J.マーティン、R.B.チャルディーニ)、「パラダイムの魔力」(ジョエル・バーカー)、「現場の『知恵』が働くチーム・イノベーション」(源明典子)、「経営思考の『補助線』」(御立尚資)、「『ハイパフォーマーの問題解決力」を極める」(池上孝一、小島美佳)

2009年6月21日日曜日

あづい

今日は2週間ぶりにテニス。室内は蒸し暑くて汗だく。熱中症になりそうなコンディションだった。俊輔は一両日中に結論が出そう。マリノスは今現在前半途中でレッズとスコアレス。先週は後半風邪が悪化してしんどかったが、何とか回復。今週は中盤に出張なので気合を入れていかないと!

先週の読了:
「新版MBAファイナンス」(グロービス経営大学院)
  • シリーズの最新作(改訂版)で、B-Schoolでのファイナンスの講義(基礎およびコーポレートファイナンス)を思い出し整理するには最適。各章の始めのケース内容をみると日本企業のトップが如何に数字(=財務)に弱いことかと考えさせられる。うちのような外資では結局NPVはなんぼか、ハードルレートをクリアできるのかが判断の決め手となる。これはこれで問題があり、プロジェクトのビジネスケースを作る際に「無理」をして最後のExecutionで首を絞めることが往々にしてある。ただ、そんな場合でも仮説のどこに無理があったか後々検証できる分マシだと思う。いずれにしてもファイナンスの重要性を再認識した。(評価:B)

「財務3表一体理解法」、「財務3表一体分析法」(いずれも国貞克則)

  • 触れ込み通り、P/L、B/S、C/Sの関係をここまで分かりやすく説明した本(前者)はなかったし、分析に際しても絶対値を視覚化する手法は参考になった。特に後者の中で使われている実例を見ると、トヨタの絶対的な大きさが見えたり、マツダと三菱との結果としての体力差が理解できたりして、内容の本筋以外でも楽しめた。視覚化手法は今後業務を進める上で是非とも使ってみたい。(2冊とも評価A)

「戦略の失敗学」(森谷正規)

  • 過去の実例からHD-DVD、花王のFD事業、みずほのシステム統合、ハイパーネットや自民党など幅広い材料を取り上げて失敗の原因を分析するだけでなく、リニアモーターや後期高齢者健康保険など今後予想される失敗を取り上げているのが特徴。ただ、分析の結果とされる12の原因はMECEではないと思われ、解釈の余地が大きい。ブルーオーシャン、リソースベース論、イノベーションのジレンマといった切り口で説明することも可能ではないか。この点、学問と言う点では「失敗」と思われる。(評価C)

購入:

「コンテキスト思考」(杉野幹人、内藤純)、「アインシュタインファクター」(ウィン・ウェンガー、リチャード・ポー)、「なぜ、エグゼクティブはたやすくバンカーから抜け出せるのか」(パコ・ムーロ)、「『戦う組織』の作り方」(渡邉美樹)、「ブラック・スワン」(ナシーム・ニコラス・タレブ)

2009年6月14日日曜日

体調今ひとつ

旅行以後の仕事の疲れもあって微熱状態。先週はカタール戦も消化不良だったし、俊輔の移籍も「?」となるなど体調不良を増強するようなモヤモヤした一週間だった。

俊輔の移籍について詳しい事はわからないが、報道の通りとすればマリノス経営陣は「帰ってきたいのならどうぞ」という態度で何やら条件変更を申し出た様に思われる。契約に対する考え方の違いと言えばそれまでなのだろうが、清原に対する某YG球団の態度を思い出させる。こんなことでは100年経っても世界に誇れるフットボールチームは誕生しないだろう。いっそ俊輔にはエスパニョーラでバルサとのダービーに出てもらい、マリノスにはJ2降格という高い代償を払ってもらう方が良いのかもしれない。

読了:
「ゲームの変革者」(A.G.ラフリー、ラム・チャラン)
  • P&Gがラフリー体制の下、いかにイノベーションに取り組んできたかという「自慢話」に、チャランが他の企業でも同様の取り組みがなされていた事を補足して理論を強化するという体裁の1冊。全て自前でやるのではなく、Connect & Development(C&D)コンセプトで他社の良い所も取り込んでイノベーションを推進するというのが肝。そのためにはNIH症候群を回避するマネジメントが重要であり、本書でもその点(企業文化)について多くの記述が割かれている。新たなコンセプトではないが、経営者の目からの記述なので実践的。(評価B)

「続・影響力の法則」(アラン・R・コーエン、デビッド・L・ブラッドフォード)

  • オリジナル(1冊)の後半部分の翻訳。具体的なシチュエーションで影響力をどう生かすかに重点が置かれている。同僚の巻き込み方、上司の使い方など、私が新入社員の頃先輩に最初に教わったレッスンの内容が描かれている。最近の同僚・部下を見ていると、上記のような影響力の使い方が下手なために余計な仕事をしている事が多い。その意味ではこうした本の必要性は益々高まっているのだろう。新任のマネージャーに読ませたいテキストである。(評価B)

「アニマル・スピリット」(ジョージ・A・アカロフ、ロバート・J・シラー)

  • マクロ経済学においても行動理論の検討が必要ということを説明した1冊。資本主義自体ではなく、コントロールのメカニズムの不調が今回の危機の原因とする極めて当たり前の整理がされていて安心。また、アメリカが今回実行した各種施策が分かりやすく整理されている。ただ、訳者(山形浩生氏)のあとがきの通り、もう一歩代替理論を踏み込んで明らかにして欲しかった。(評価B-、あとがきを入れるとA-)

「最強国家ニッポンの設計図」(大前研一)

  • SAPIO連載記事の集大成。20年以上前の「平成維新」等一連の著作で提案されていた施策のアップデート版。道州制などの基本的コンセプトは同じなので、逆にいうとこの20年抜本的な改革を何もせず放置してきた事が明らかになったとも言える。選挙が近づくと真の争点隠しに改革案が出て、終わると消える繰り返し。制度疲労は益々昂進。結局は自民も民主も地方票が欲しくて大きな政府へまっしぐら!大前氏のいう「A案」を掲げる政党は出てこないのか?憂鬱な気分も昂進・・・

購入:

「イノベーションの時代」(C・K・プラハラード、M・S・クリシュナン)、「戦略の失敗学」(森谷正規)、「名著で学ぶ戦争論」(石津朋之)、「財務3表一体理解法」・「財務3表一体分析法」(国定克則)、「昭和史-戦後篇-」(半藤一利)、「海の都の物語1~3」(塩野七生)

2009年6月7日日曜日

バルサ3冠、UK&France Trip、W杯出場決定


2週間ぶりの投稿である。この間UKとフランスへの観光があったため、今も若干の時差ぼけ状態。
28日の朝(現地時間は27日)、バルサがUEFAチャンピオンズリーグに勝って3冠を達成。旅支度をしながらだったため、じっくり見るというわけにはいかなかったが、後の解説を見ると完勝といって良いだろう。ロンドンのホテルについてBBCを見ると延々バルセロナからの生中継で凱旋の様子を見ることができた。
旅行はロンドン・パリ・ノルマンディおよびロワールの「おいしいところ、特に世界遺産てんこ盛りツアー」だったので移動が多かったが、奥さんは写真が沢山とれたのでご機嫌。こちらも世界史の復習ができた。英語が使えると便利だというのを改めて感じたのと、帰国後成田からの高速が妙に空いていて、経済状態を反映しているように思われた。
(写真はロワールのシャンボール城での1枚)

そして昨晩の日本VSウズベキスタン戦。あの酷い主審の下でも勝てたのが唯一の収穫という位、内容はお世辞にも良かったとは言えない試合だった。押し込まれたときに中盤でルーズボールを拾えなかったのが問題で、守備を意識し過ぎて守備的なMF(遠藤と長谷部)に俊輔まで戻ってしまったことが原因だったように思う。スポーツナビの観戦記にもあったが、俊輔の出来はよくなかった。最初に俊輔OUT・阿部INで遠藤を一枚前に出すということでも良かったのではないか。まあ結果としてプラス2試合(カタール戦、オーストラリア戦)を本番への準備試合とすることができたので、若手(選ばれているメンバーという条件付ではあるが)の底上げを図るのが良いのではないか。(特にカタール戦)

読了:
「世界経済はこう変わる」(神谷秀樹、小幡績)


  • 財政出動は余計に経済を悪化させる、倫理なき金融機関は退出させよ、経営と金融の原点に帰れ、等々まるで終末論のような一冊。何となく日本経営礼賛にも通ずる対談は「?」であった。規制緩和の行き過ぎがあったアメリカと、依然として規制でがんじがらめの日本とでは論じる土台が違う。コンプライアンス不況、消費者過剰保護の原因を取り除くことが日本経済復活の処方箋であるべきだと思う。(評価D)

「ピタゴラス流経営術」(加藤廣)



  • 「信長の棺」等の作者による経営論ということで期待したが、見事な期待はずれ。考え方は京セラのアメーバ経営やブラウン・アセア・ボブリのアバカス経営の焼き直しにしか思えないし、やたら脱線が多くて、本論はせいぜい30ページがいいところの駄作。やはり同氏は歴史小説を書いていていただければよい。(評価F)

「リーダーシップ:アメリカ海軍士官候補生読本」(アメリカ海軍協会。武田文男・野中郁次郎共訳)



  • 「一人の人間がほかの人間の心からの服従、信頼、尊敬、忠実な協力をえるようなやり方で、人間の思考、計画、行為を指揮できかつそのような栄誉を与えうる技術(アート)、科学(サイエンス)ないし天分」というリーダーシップの定義は経営にも使える。「上司が家庭に訪問したときの心得」までが描かれており、海軍という「カルト」独自の観点も多いが、リーダーシップ論のテキストとしてはかなり高い水準のものだと思う。日本に同様のものはある?知りたいものだ。(評価B)

「経営の神は細部に宿る」(清水勝彦)



  • 「木も見て森も見る」ことの重要性を説いた一冊。アメリカのビジネススクールで教鞭をとる著者(しかも元戦略コンサルタント)が書いているところに価値がある。「小さなことは気にしない」一辺倒ではなく、ノイズとシンプトム(兆し)を見分ける能力が求められるということだろう。自らの戒めとしておきたい。(評価A)

購入:


「最強国家ニッポンの設計図」(大前研一)、「アニマルスピリット」(ジョージ・A・アカロフ、ロバート・J・シラー)、「新版MBAファイナンス」(グロービス経営大学院)