2011年2月12日土曜日

Wall Street

「5回見ると1回タダ」というクーポンの関係で、映画づいている。昨日はWall Streetを見た。前作の「ウォール街」が87年の作品だから、24年も経っている。ゴードン・ゲッコーが出所するところから始まり、サブプライム問題からリーマンショックあたりの「マネー史」が語られているが、二組(ゲッコー、ジェイク)の親子の物語と見ても(個人的にはその方が)面白いと思う。今月中にあと1本、何を見ようかな?

三連休の予定を変更する必要はあったが、都心の雪がひどくならなくて良かった。振替で入ったテニスクラスでは大いに走らされたが、何とか無事に帰還した。明日はアウトレットに行く予定。

マリノスは栃木・岐阜とJ2相手に連敗。チーム力が上がらない。3月の開幕に間に合うのか???

読了:
「なぜリーダーは『失敗』を認められないのか」(リチャード・S・テドロー)
  • フォード、グッドイヤー、シアーズ、IBMといった名だたる企業の興亡を通じ、変化に対するリーダーの判断ミス(=「否認」)がなぜ起こり、どういう影響をもたらすのか語られている。一方でインテルとジョンソン&ジョンソンを対極に置いて、否認を回避するためにリーダーがしなかえればならないことも説かれている。「窓の外を見る」こと、それも自分の立場をいったん離れてプレーンに見ることができるリーダーにならなければと思った。(評価A+)
「挫折力」(冨山和彦)
  • 著者のこれまでの経歴を表面的に見るだけでは、これだけの「挫折」を味わっていることは到底理解できないと思う。また、贅沢な挫折という批判もあるだろう。それでも本書で書かれている項目は、リーダー/マネジャーに必要な点だろう。それにしてもCorporate Direction(CDI)は良い人材を輩出していると思う。(評価A)
「マネジャーの実像」(ヘンリー・ミンツバーグ)
  • かつての名著「マネジャーの仕事」の36年ぶりの続編。同じ手法を用いたリサーチの結果でも、マネジャーの仕事は当時と本質的には変わっていない。「リーダーシップはマネジメントの一部」、「マクロリーダー(『丸投げ』と言っていいと思う)」の横行など多くのレッスンが含まれている。"Managing"というシンプルな原題からは想像できないほど、やるべき仕事は複雑で困難なものだ。(評価A+)
購入:
「BCG流 経営者はこう育てる」(菅野寛)、「国際債務危機」(ジャック・アタリ)、「ザ・ベロシティ」(ディー・ジェイコブ、スーザン・バーグランド、ジェフ・コックス)、「『事務ミス』をナメるな!」(中田亨)、「松下幸之助に学ぶ経営学」(加護野忠男)、「シンメトリー」(誉田哲也)

2011年2月5日土曜日

戦略とは・・・

先週から今週にかけて様々な行事があり、改めて戦略とは何か考えた。先週のセミナーで慶応の清水勝彦教授(帰国されていたことに 驚いた)の話で印象的だったのは、日本では戦略という言葉を本当に理解せず、徒に現場を疲弊させているという指摘。今週うちのマネジャー会議に出席したのだが、外資系の日本支店であるにもかかわらず、残念ながら日本社と変わらなかった。他社と違うことをやりたいのか、それとも同じことを違った形でやりたいのかが明確ではない。また、オペレーションのプロセスをしっかり眺めて、どこでマージンを稼ぐのかを考えて計画が立てられていないという点も問題だ。今年はすでにスタートしてしまっているが、必ずどこかで軌道修正が必要になる時が来る。その時にはSpeak Upして修正させようと思う。

読了:
「ハーバードの人生を変える授業」(タル・ベン・シャハ―)
  • ひとつひとつの項目は当たり前だが、52項目すべてやるのは大変。「全部できるのなら、人生は変わるよな」とへたな突っ込みを入れたくなる。ただ、こうやって毎週1回、(たとえ題材はサッカーがメインでも)考えをまとめるという習慣を続けることなど、実践している事も結構あるのを再確認した。(評価B+)
「日本経済の不都合な真実」(辛坊治郎、辛坊正記)
  • 辛坊兄弟による日本経済解説の第二弾。マスコミ受けしない内容だと思うし、今の政治家では実現が困難な政策だが、本当に日本を復活させたいのであれば、このくらいの戦略があってしかるべきだと考える。(評価A)
「フォールト・ラインズ」(ラグラム・ラジャン)
  • 昨年のBusiness Book of the Yearがついに翻訳された。著者はグリーンスパンの目の前でサブプライム問題を「予言」する講演をおこなったことで有名な経済学者。今回の危機が決して一過性のものでなく、真因(フォールト・ラインズ)は残ったままだという分析は大いに議論されるべきだろう。著者の金融改革は現実的なものだと評価する。(評価A+)
「グレート・リセット」(リチャード・フロリダ)
  • 「クリエイティブ・クラスの世紀」や都市論でベストセラーを連発している著者の最新作。今回の経済危機を19世紀終盤と大恐慌に次ぐ三つ目の「グレート・リセット」と位置付け、都市がどう変貌するかを「予言」している。著者のクリエイティブ・クラス論、都市論を今回の危機に紐付けて補強していると言い換えた方が良いかもしれない。(評価A)

2011年1月30日日曜日

アジアカップ優勝・SNS

アジアカップは予想通りに韓国とオーストラリアを破って優勝!予選リーグの組み合わせに恵まれたことでチームが熟成したこと、「控え組」の活躍(代表初ゴールでどんなに救われただろうか)、厳しい戦いを「負けずに」終わることができた点など大きな成果があったと思う。さらに(予選を勝ち抜くことが前提ではあるが)、次回大会の予選免除によるW杯準備へのプラスの影響やコンフェデ杯参加など、代表の強化にも非常に大きなメリットを得ることができた。本当に良かった!めでたしめでたし!!

昨日は「ソーシャル・ネットワーク」を見た。大きなドラマがあるということもなく、比較的淡々と話が進む印象だが、アメリカの大学の風景は懐かしかったし、”facebook"の成り立ちが良く理解できて面白かった。おじさんでも楽しめるかな?

読了:
「組織エスノグラフィー」(金井壽宏、佐藤郁哉、ギデオン・クンダ、ジョン・ヴァン・マーネン)
  • エスノグラフィーという手法がどのようなもので、著者がどう実践してきたかが語られている。読み始めて、「ああそうか!」と思ったが、クンダ氏の「洗脳するマネジメント」はエスノグラフィーの成果物だった。改革を進めるうえで、企業文化は大きな障害になる。その深層を探ることで改革をやりやすくなるのだろうか・・・(評価B+)
「ドラッカー先生のリーダーシップ論」(ウィリアム・A・コーン)
  • ドラッカーが色々な著作で語ってきたリーダーシップ論を集約した一冊。ドラッカーが軍隊のリーダーシップを高く評価していたことや、リーダーシップとマーケティングの類似性などユニークな分析は参考になる。(評価A)

「悪名の棺 笹川良一伝」(工藤美代子)
  • 「戸締り用心、火の用心」というCFを見て育った世代には、笹川良一は小佐野賢治や児玉誉士夫とならび得体のしれない人物のひとりだった。今回この本を読んで多少クリアになったように思う。それにしても日本のマスコミがいかにステレオタイプに憑りつかれているかが良く分かる。(評価A)
購入:
「挫折力」(冨山和彦)、「なぜリーダーは『失敗』を認められないのか」(リチャード・S・テドロー)、「グレート・リセット」(リチャード・フロリダ)、「フォールト・ラインズ」(ラグラム・ラジャン)、「マネジャーの実像」(ヘンリー・ミンツバーグ)、「iPad x Business Perfect Bible」(田中裕子、池田冬彦)



2011年1月23日日曜日

風邪ひいた

先週金曜日から風邪の症状が出て、昨日は最高38度まで熱が上がった。今も咳が出るし、頭痛もする。木曜日のイベントが終わって気が緩んだのかもしれない。今日中に直して重要会議だらけの今週に臨まなければ・・・

アジアカップについては、イラクが予選リーグを勝ち残った以外、今のところ予想通りの展開になっている。カタール開催にもかかわらずベスト4に中東勢が残らなかったことが、現時点でのアジアの力関係を的確に示している。金でチームを強くするには限界があることがここでも証明されたように思う。今後ますますこの傾向は強くなり、FIFAは2022年のW杯開催地決定を後悔することになるだろう。さて、肝心の準決勝だが、日本代表はカタール戦での守備のミスを修正すれば韓国に勝てる。一点目はラインコントロールのミスだし、2点目はFKの壁の作り方に問題があった。いずれも十分に修正可能だ。日程的にも有利だし、中東勢よりもむしろ戦いやすいだろう。あと2試合しっかり戦って、チームの骨格を更に強固にしてもらいたいものだ。

読了:
「経営戦略の巨人たち」(ウォルター・キーチェル三世)
  • BCG、マッキンゼー、べイン&Co.という戦略コンサルティングファームがいかに成長してきたかが中心だが、戦略論の歴史の解説にもなっている。最近経営戦略に関する良い論文がHBRなどにも見当たらないと思っていたが、本書を読むとその理由が何となくわかるように思われる。もう一つ面白かったのは、マッキンゼーが戦略コンサルティングにシフトしようとした時、戦略を語ることができたのが大前研一氏だけだったというエピソードだ。(評価A)
「面白がる思考」(山梨広一)
  • 左脳思考の典型と思われるマッキンゼーのディレクターが書いただけあって、単なる「思い付き礼賛」と違う趣になっている。「できる」と最初に考え、そこから出発するというのは、自分の経験からしても有効な思考法だと思う。(評価A)
「繁栄(上・下)」(マット・リドレー)
  • シンプルに面白かった。FTがなぜビジネスブック・オブ・ザ・イヤーに選んだか分かる。人間の知恵はこれまでも様々な困難を克服してきたし、これからも克服するだろうという思考は、悲観論全盛の現在では貴重だ。今の閉塞的な日本だからこそ、「明日は今日より良い日になる」と思って生きていこうと思う。(評価A+)

2011年1月15日土曜日

1勝1分け

アジアカップのここまでの成績は、予想以下と言わざるをえないだろう。ヨルダンとシリアの実力があったというよりは、日本チームの熟成度が低い結果と見るべきだ。Jリーグと代表のスケジュールを如何に総合的に考えるか、協会が本腰を上げざるを得ない状況に追い込まれたのは、長い目で見ればよかったのだろうが・・・2試合戦って良かったことは、ザッケローニが中東勢のやり方を経験できたこと。これは今年後半からのW杯予選を考えると大きなプラスあろう。さて、これからだが、フィジカル・コンディションが戻ってきたスタメンはもう大丈夫だと思うので、サウジ戦では、前半に勝負を決めて、これまで2試合で使えなかった選手を使うという理想を追求してほしい。準々決勝はおそらくカタール、準決勝は韓国で決勝はオーストラリア。優勝はして欲しいが、よれよりも今回は7試合戦ってチーム全体の熟成を図って欲しい。

読了:
「バランスシートで考えれば世界のしくみが分かる」(高橋洋一)
  • 「埋蔵金」の存在を指摘したことで有名になった著者がB/Sのコンセプトを用いて財政のしくみを解説。今のマスコミはB/SとP/Lの違いなど財務を理解していないのは、数年前の「かんぽの宿」売却を巡ってのドタバタでも感じた。本書では年金の会計の説明が非常に明快で良かった。逆に、著者の専門という最終章での国際政治分析は、底が浅いようで、正直不要だと感じた。(評価A-)
「超MBA進化論」(大中忠夫)
  • 面白かったのは、デミングが改善を導入した際のコンセプトはPDCAではなく、PDS(STUDY)Aだったという一箇所だけだった。単純なグローバル経済限界論、金融悪玉論に基づく理論構成は受け付け難く、何が進化論か!と思った。(評価C)
「野村総合研究所のやる気を引き出すチーム改革」(野村総合研究所品質管理本部)
  • システム保守・運用という「地味」なファンクションでいかに強いチームを作るか、苦労している状況は理解できるし、うちの参考にならないかと思ったが、そもそも人材の質が違う同社のやり方は参考になりそうもない。(評価B)
「企業戦略白書Ⅸ」(沼上幹+一橋MBA戦略ワークショップ)
  • ユニクロ、餃子の王将、ユニ・チャームといった個別企業の打ち手の解説が増えたが、So What?という感じだった。また、自動車産業の解説はポーターのファイブ・フォーシズで充分な内容。業界の外の人間に対してはあまりインパクトを持たない。ちょっとがっかりの1冊。(評価B)

2011年1月9日日曜日

アジアカップ初戦

いよいよアジアカップ初戦、ヨルダン戦だ。ディフェンス陣にけが人が多い中、果たしてどんなスタメンになるのだろう。若い選手が多いので、しっかり勝って弾みをつけたいところだ。思いのほかA組の中東勢はだらしなかったが、B組の3チームはどうだろう?

読了:
「ストレスフリーの整理術 実践編」(デビッド・アレン)
  • やり方自体は現在自分がやっている方法と大きな差はなかった。やるべきことを徹底的に洗い出し、構造化することで効率は上がるので、本書のやり方を参考にして徹底してみようと思う。(評価A)
「シェア」(レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース)
  • 太平洋ゴミベルトの話から始まった時は、いったいどこへ進むのかと思った。読み終わって、本書が語っているコラボ消費が進展するのは先進国だけなのではないか、と考えた。途上国ではまだまだ「所有」するニーズが満たされてはいない。コラボ消費の段階に進むのはその先だろう。正直なところ、「ロングテール」や「Free」ほど共感できなかった。(評価B+)
「プロフェッショナルマネジャー・ノート」(プレジデント書籍編集部 編)
  • 「プロフェッショナルマネジャー」のエッセンスがコンパクトに纏まっている。「終わりから始める」こと、「業績がすべてである」こと、「結果を出すためにはあらゆることをやること」、「セオリーで経営できない」など、単純な言い回しではあるが、深くて重たい言葉だと思う。(評価A)
「『人を動かす人』になるために知っておくべきこと」(ジョン・C・マクスウェル)
  • 「自信」+「ヴィジョン」=人を動かすパワー、常勝チームを作るためには絶対勝利を旗印とし、リスクを取り、あくまでも成長を求める、など当たり前のようだが、できないことが本書でも多く書かれている。「世界一のメンター」はそれでも優しく、また辛抱強く私の成長を見守っていてくれている。マクスウェルの著書を読むたびにやらなければと思うが、今回もまた同様だった。(評価A)
購入:
「ドラッカー先生のリーダーシップ論」(ウィリアム・A・コーン)

2011年1月2日日曜日

2011年はどんな年????

昨日は2年ぶりにNew York、Times SquareのカウントダウンをCNNで見た。Durhamに住んでいた時1度しか経験しなかったアメリカでの年明けだったが、やはり懐かしい。寒さはきついけど、いつか(数年のうちに)あの場所に行ってみたいと思う。

2011年をどんな年にしたいか、少し考えた。仕事ではかなり大がかりな改革をやる!うちのような外資にとって、今の日本は「今後成長は期待できない、成熟期から衰退期の」市場だ。きちんと利益は出ると証明しないと事業の縮小・撤退という結論を出されかねない。そんな危機感を現場リーダーたちとしっかり共有して実行するつもりだ。自分の仕事の仕方ももう少し効率化(部下への権限移譲も推進)して考える時間を増やしたいと思う。

日本のサッカー界にとり、今年も重要なイベントがある。アジアカップでは、前回を上回るベスト3(次回予選免除)がノルマになるし、U-23はオリンピック予選を勝ち抜かないといけない。どちらもワールドカップ予選より厳しい目標だが、今後10年の計が今年にあるという位の強い思いで「勝って」欲しい。更にA代表は南米選手権を経由して秋からはブラジルW杯予選も始まる。。ついでにマリノスはACL出場権確保がノルマ!去年は1試合しか日産スタジアムに行かなかったので、プラス何試合か足を運んで応援しよう。ついでに12月のクラブワールドカップにも3年ぶりに行ってみたい。

先週の読了:
「お金の流れが変わった」(大前研一)
  • 世界のホームレスマネーをいかに日本が取り込むか。ボーダーレス経済でいかに生き残るかを考えるとき、好き嫌いを選べる余裕はない。大胆な維新を行う必要があるはずだが、この国の政府は相も変わらず羅針盤のない風任せ・運任せ。そんな政権を選択したのは自分たちなので、余計に歯がゆい限りだ。(評価A)
「新版MBAビジネスプラン」(グロービス経営大学院)
  • 起業のために限らず、ビジネスプランは社内で新たな取り組みを計画するには必然の文書なのに、きちんと書ける日本人のなんと少ないことか!うちも残念ながら例外ではない!今回の「新版」はビジネスプランとはどんなものか、どうやって作成するのかが丁寧に解説されている。(評価A)
"Strategy from the Outside In"(George S. Day, Christine Moorman)
  • WhartonとFuquaの教授による「市場志向」の戦略論。自社のケイパビリティから発想する戦略のリスクと、Outside In戦略の要諦が示されている。顧客を理解し、顧客理解を事業展開のベースとする、当然ではないかと反論が出そうな点ではあるが、表面的な理解はしていたとしても本当の意味でCustomer Insightを持っている企業がどれほどあるだろうか?真摯に振り返り、検討する価値のある戦略論だと思う。(評価A+)