2011年4月23日土曜日

英国王のスピーチ&J再開

ようやくアカデミー賞受賞作を見た。いつも行っているシネコンは、当初上映しておらず、今週1週間限定での公開を待っていた。「ソーシャル・ネットワーク」も見たが、「英国王のスピーチ」の方が断然素晴らしかった。どうも男同士の友情には弱い。ジョージ6世が、最後にすべてのプレッシャーを撥ね退けて行う開戦演説は、感動的で不覚にも涙が出てしまった。

Jも再開。仙台が勝ったのは集中力の差?マリノスはアントラーズに完勝。去年は歯が立たなかった上位との2試合で1勝1分の結果で開幕前の不安を今のところ払拭している。5月には見に行くぞ。

読了:
「十字軍物語2」(塩野七生)
  • 物語パート2は、十字軍国家誕生ののち、サラディン率いるイスラムがイェルサレムを「奪還」するまでが描かれている。著者が書いているように、この間優れたリーダーを輩出したのはイスラム側であり、ヨーロッパ勢は関心すら薄かったように思われる。テンプルと聖ヨハネ病院という二つの騎士団の分析も面白かった。(評価A)
「エクサバイト」(服部真澄)
  • 人間が見た風景を眉間に埋め込んだカメラがそのまま撮影し、メモリに記憶したり、他人(専門家)の目線で観光案内する、などといった発想が奇抜で、更に毎度のことながら政府の企みがあったりで、一気に読んだ。ただ、主人公の母、「ヨウコ」の若返りの秘密はいただけなかった。(評価A-)
"Seven Strategy Questions" (Robert Simons)
  • 戦略の実行成果を上げるには、正しい顧客認識や社員のコミットメントなど、著者の挙げている質問にきちんと答えられるかにある。Execution段階や新戦略構築前のレビューに活用すべき1冊。分量も少なく、読みやすい。(評価A)
「新ソーシャルメディア完全読本」(斉藤徹)
  • フェイスブックやグルーポンなどを如何にビジネスに取り込み、使いこなすか考えるためにヒントを与えてくれる。「新マーケティング理論」を学ぶ1冊と言っていいかもしれない。どうやればうちの業界でパイオニアになれるか、関係者を集めて議論しなければと思った。(評価A)
「新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」(牧野雅彦)
  • 大学の頃読もうかなと思いつつも、そのまま30年が経過したヴェーバーの原著を、マルクスやニーチェ達との関連も含め解説してくれた。多少薀蓄を語れるくらいにはなった。(評価A)
「仕事オンチな働き者」(山崎将志)
  • 前作「残念な人の思考法」同様一気に読んだ。仕事はベクトルのようなもので、方向が間違っていれば、どんなに長くても(=頑張っても)目的の場所には達しない。これが仕事オンチなのだろう。ましてリーダー・マネジャーが方向感覚を失った日には・・・どうしたらオンチにならずに済むか。Want>Must>Shouldという不等式は参考になる。(評価A)
その他
クラシコ4戦は現状バルサの1分1敗。モウリーニョの術中に嵌ったといっていいだろう。来週からの残り2戦でペップがどう出るか?



2011年4月16日土曜日

ゆったり・サッパリ

久々にゆったりと週末を過ごしている。床屋に行ってサッパリした。

チャンピオンズリーグでの日本人対決は、内田・長友両選手の評価を高める結果となった。これで更にビッグネームを含む各チームが日本人選手に注目することになるだろう。ただ、韓国はすでにパク・チソンが「あの」マンUでしっかりレギュラーを獲得し、CL準々決勝の決勝点を挙げているということを忘れてはならない。世界ランク13位を「過大評価」とさせないよう、欧州組の更なる向上に期待する。

明日はクラシコ第一弾。アビダル、マスチェラーノ、ボジャンらを欠くバルサは、モチベーションの点でも不利。それでも勝ったら、残り3戦も全勝ということになるだろう。タコの予想ではレアルの1勝1分だそうだ。(レアル勝利を予想したのが「イニエスタ」というのには笑った。)

来週末からはJが再開。マリノスは「ボランチ俊輔」でやるのだろうか?いつ見に行こうかな?

読了:
"The Talent Masters" (Bill Conaty, Ram Charan)
  • 人材を大切にするのはGEの専売特許ではない。他の優良企業でも同様の取り組みが行われているということが示されている。ただ、これは必要条件であって、逆(人材を大切にするから優良企業)は成り立たないのも事実では。学ぶべきは、日本人の感性に逆らうことがあったとしても、グローバル市場で戦うためには優秀な人材の発掘・選抜・育成というファストトラックを創るべきだということ。これなくして、本書でも挙げられているLGはじめ韓国企業にも差をつけられるだろう。(評価A)
「数学的思考の技術」(小島寛之)
  • 確かに数式はなくても数学的な思考が重要であることが理解できる1冊。そんな本であるにも関わらず、ケインズと宇沢弘文への尊敬があちこちから伝わる。さらに著者は村上春樹の小説を数学的に読み解いてみせている。「1Q84」の世界について「成程」と思った。(評価A)
購入:
「新書で名著をモノにする『プロテンスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」(牧野雅彦)、「新ソーシャルメディア完全読本」(斉藤徹)、「仕事オンチな働き者」(山崎将志)

2011年4月10日日曜日

Back to Normal

久々にテニスをやった。出張やら緊急の休日出社やらで4週間ぶりだった。体重が減った分動けたけど、やはり体中痛い。

サッカー日本代表の南米選手権参加問題は15日まで再検討ということなった。各クラブの経営が苦しくなるというJリーグ側の事情は理解できるが、海外組プラスα(この際、大学生やユースの有望選手の動員で良いと思う)でのメンバー編成で参加すべきだ。リーグに関してはサポーターがプラス1回~2回、南米選手権開催中にスタジアムに足を運んでサポートするという運動を起こしてはどうか。柔軟な発想で評価を上げているサッカー協会には、ここでも頑張ってもらいたい。

読了:
「”結果”の出ない組織はこう変えろ!」(森時彦)
  • 「ファシリテーションを通じたリーダーシップ」を解説した1冊。先週は自分自身フレームワークの活用で難しかった議論をまとめるという経験をしたが、多少は昔学んだファシリテーションの技術が役立った。この本の内容も、今後の参考になると思う。(評価A)
「ホワイトスペース戦略」(マーク・ジョンソン)
  • かつてこの著者も執筆に加わっていた、「イノベーションへの解」を読んだ時にも感じたが、これは「ブルー・オーシャン戦略」とどこが異なるのであろう?企業がホワイトスペースに挑むにはビジネスモデルを再構築する必要があり、そのためには既存のケイパビリティが活用できないというリスクを負うことになる。現実的な戦略なのか疑問を持ちながら読んだ。(評価A-)
「なぜ『改革』は合理的に失敗するのか」(菊澤研宗)
  • 取引コスト理論、エージェンシー理論、所有権理論、プロスペクト理論からなぜ改革が失敗するのかを分析した1冊。改革をプランする段階から、自らもこうした理論から問題ないかを考え、また周囲の心理面への配慮も行おうと考えた。(評価A)
購入:
"The Talent Masters" (Bill Conaty, Ram Charan)、"Seven Strategy Questions" (Robert Simons)、
「数学的思考の技術」(小島寛之)、「エクサバイト」(服部真澄)

その他:
家長初ゴール!来週はクラシコ2連戦。CL準決勝での対決もほぼ決定。今月はスペインが熱い!

2011年4月2日土曜日

チャリティーマッチ

29日のチャリティーマッチは開催して本当に良かったと思う。Jリーグ選抜にもあわよくば代表の座を勝ち取ろう(復帰しよう)というメンバーが多かったので、代表の紅白戦を見ているような錯覚を感じるほどだった。カズのゴール以外でも、俊輔が一瞬みせる輝きや闘莉王の熱さはザックジャパンにないものが見られた。久々に時間が経つのが早く感じられた。明るい話題を被災地に提供できたことで、Jの社会的貢献度合いでも開幕でゴタゴタしているプロ野球に大きな差をつけることができたのではないか。

読了:
「戦略と実行」(清水勝彦)
  • 先日ゼロックス教育研究所のセミナーで聞いた、著者の講演内容を思い出しながら読んだ。「戦略のコモディティ化」はうちでも起こっている。表面的な分析から生まれるのは表層的な戦略以外の何物でもない。これから実行するプロジェクトでしっかり固めなければと再認識した。(評価A+)
「変化を生み出すモチベーション・マネジメント」(小笹芳央)
  • 解凍→変化→再凍結の各ステップで有効な戦術が網羅されている。意識して使うことで、大きな違いを生み出すことができるだろう。デスク備え付けにしたいと思う。(評価A)
「なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか」(パトリック・レンシオーニ)
  • 匿名性、無関係、無評価。仕事をつまらなくする3要素として著者が挙げている。Timeなどでも取り上げられているベストセラーだけあって、切り口はシンプルだが奥が深いと思う。ノートにはさっそく3要素を記入しておいた。(評価A)
「時代の”先”を読む経済学」(伊藤元重)
  • 著者は、現実の世界で起こっていることを経済学に分かり易く結びつけて解説することに長けていると改めて感じる。TPPや農業にかかわる議論には大いに賛同する。また、業界内の競合を考えると、韓国の1社当たり国内市場が実は日本より大きいといった、ちょっと驚く記述があったりして、楽しんで読めた。(評価A)
「本田宗一郎 やってみもせんで、何がわかる」(伊丹敬之)
  • 経営学者が書いた伝記だが、読み物としても十分評価に耐えられる高品質だったと思う。ホンダのDNAがどのように生まれたのか、本田宗一郎と藤澤武夫の関係、2度の経営危機がなぜ起きたかなど、興味深い内容で、リーダーのあり方という点からも本書から学べる点が多かった。(評価A)
購入:
「”結果”の出ない組織はこう変えろ!」(森時彦)、「ホワイトスペース戦略」(マーク・ジョンソン)、「なぜ『改革』は合理的に失敗するのか」(菊澤研宗)

2011年3月27日日曜日

BCP

ここ2週間は地震後のBCP対応に追われた。想定していた事態(=地震で止まったオペレーションの復旧)とは異なり、できるだけ既存のビジネスができるようオペレーションを移すというシナリオだった。今まで必要性は理解されても予算がつかなかった計画ができたのも、それだけ非常事態だということを示していると思う。とにかく大阪のオペレーションが多少落ち着いたので、昨日一旦戻ってきた。明日の夜から金曜までもう一回出張だ。

横浜に帰ってきて、ショッピングモールの電気が薄暗いのと、食料や日用品の品薄を見て、生活へのインパクトの大きさを再認識した。水道についていえば、ここは西から引いてきているので、影響度は全くことなる筈なのに、そのような正確な情報が伝わっていないのではないか。納豆のように工場が罹災しているのとは訳が違う。

課題は今回から何を教訓として学ぶかだ。一個人のレベル、企業のレベル(うちの場合は日本支店レベルと本社レベル双方)に留まるのではなく、国家レベルにおいても同じだ。日本では従来の延長線上の考え方から、いかなる事態でも罹災しないような街づくりが求められるのだろうが、今回のような1,000年に1度というような事態に対応すると、社会コストがただ高くなるだけだ。発想を転換して、非常時に如何に最悪の結果を避け、復旧を早くするシステムづくりに励めるか?そこまでの考え方ができるだろうか????情報の伝達も同じ。正しい情報を早く現場に伝える、現場の事態を如何に早く理解し判断を下せるか。Agilityが必要だ。

読了:
「麒麟の翼」(東野圭吾)
  • 帯にあるように、「赤い指」と「新参者」を融合したような1冊。謎解きも、事件そのものだけではなく、被害者のダイイングメッセージの裏にあるストーリーが絡んだ展開で一気に読める。今年はこれからガリレオシリーズ新作もでるようなので、楽しみだ。(評価A)
購入&読了:
「いま、目の前で起きていることの意味について」(ジャック・アタリ編著)
  • 政治・経済・社会のさまざまな論点について欧州の論者が解説。そこに編著者が補足を行う形をとっている。何よりもジャック・アタリの見識に脱帽。ここまで幅広い論点にきちんと考えを述べられる人は日本にはいない。(評価A)
購入:
「戦略と実行」(清水勝彦)、「十字軍物語2」(塩野七生)、「なぜCEOの転進先が小さなレストランだったのか」(パトリック・レンシオーニ)、「時代の”先”を読む経済学}(伊藤元重)、「変化を生み出すモチベーション・マネジメント」(小笹芳央)

その他:
1.NCAAでわがDukeはベスト8に進めなかった。連覇のチャンスだっただけに残念。
2.明後日は日本代表対Jリーグ選抜のチャリティマッチだ。リーグ選抜はジーコが作ったようなスター軍団。これがきちんとまとまれば金星もありだ。楽しみな一戦。




2011年3月12日土曜日

地震

地震は会議中にやってきた。今まで経験したことのない揺れ方だった。家族は無事だったし、帰路も途中でタクシーに乗れたので、比較的早く家についた。家でメールをチェックしていると、多くの同僚はオフィスに残っているようで、非常に申し訳ない気持ちだった。もう一点、今回とても嬉しかったのは、この2年半一緒に仕事をしてきた多くの同僚が、文字通り世界中からメールで連絡してくれたことだ。うちの会社の良い所を再発見できたと思う。月曜からは、顧客対応で一段と忙しくなるだろう・・・

読了:
「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)
  • 大衆文化論のようでもあり、社会学の本のようでもあり、新たなネットビジネスモデル解説書のようでもあり、でも、そのいずれでもないという感じの本。キュレーション、ビオトーブという考え方はビジネスを考える上で一つのカギになりそうだということは理解できたと思う。(評価A)
「戦国武将のマネジメント術」(童門冬二)
  • 戦国の武将も今の経営者と同様で人心を如何に掌握するか、苦労していたのだろう。そんな事が良く分かる1冊。現在のマネジメント論を語るときに、「あの武将もこうやっていた」というのは一つのコミュニケーションスタイルとして考えて良いかも。(評価A)

2011年3月6日日曜日

J開幕&UNCに負けた

昨日は外出のため開幕戦はハイライトで見ただけだったが、マリノスについては「よくやった」と「勝ちきれなかった」という二つの評価ができるだろう。「俊輔のチーム」が機能するか否かは来週のホーム開幕戦(VSフロンターレ)で明らかになる。そういえば去年は俊輔の復帰初得点などで4対0で快勝したっけ。他のチームではレイソルが去年のセレッソのような台風の目になるような予感をさせた。逆にエスパルスは降格危機かも・・・

デューク・ブルー・デビルズはUNCに負けてACCのレギュラーシーズンタイトルを逃がした。SinglerとSmithだけではこれからのトーナメントを勝ち抜くのは厳しい。他が頑張らないとNCAAの連覇は黄色だ・・・

とうとうFacebookに登録した。何人かの知り合いを発見。果たしてこれから何が起きるやら・・・

読了:
「判断と決断」(中竹竜二)
  • 著者は元早大ラグビー部監督。「普通の人」がリーダーになるために、過去を正しく振り返り(=判断)、未来に向けて踏み出す(=決断)事が重要であることがキチンと説明されている良書。(評価A)
「ハンニバルに学ぶ戦略思考」(奥出阜義)
  • ハンニバルについては、かつて「ローマ人の物語」でローマ側から見た歴史に触れたが、戦略家として如何に優れていたかは本書を読むと良く分かる。ただ、前提が1対1(1社対1社)の戦いに限定されているようで、応用できるかは正直疑問。(評価B+)
「国家対巨大銀行」(サイモン・ジョンソン、ジェームズ・クワック)
  • アメリカにおける金融行政の歴史を、如何にうまく機能していなかったかという批判的な立場で記述した一冊。読みながら、オリバー・ストーンはこの本を参考にして「ウォールストリート」の一場面(金融界の首脳陣が集まって危機対応を議論しているシーン)を作ったのではないかと思った。ただ、本当に解体してしまうのが良いかは疑問。(評価A-)
「メッシュ」(リサ・ガンスキー)
  • 同じテーマを語った「シェア」よりも、著者が起業家として実績のある分説得力があった。ビジネスモデルとして成功するための要素も十分吟味されている。(評価A)
「錯覚の科学」(クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ)
  • 原題(”The Invisible Gorilla”)が示す有名な心理学の実験を行った2人による1冊。人間の脳はコンピュータの記憶装置とは違うという事が色々な事件・実験等を通じ説明されている。脳トレブームに痛い一撃を与える内容だが、きわめて面白い。(評価A+)
購入:
「麒麟の翼」(東野圭吾)、「戦国武将のマネジメント」(童門冬二)、「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)