2015年3月22日日曜日

新生日本代表メンバー発表。NCAAトーナメントスタート

ハリルホジッチ監督になって初めての日本代表メンバーが発表された。2試合を戦うだけなのに大量の31名を招集、しかもバックアップ12名まで選んでいる。6月のW杯予選初戦まで時間が限られている中で、チームコンセプト・方針を徹底しておきたいという意欲の表れと評価したい。27日のチュニジア戦で、どんなメンバーがピッチにたつのか楽しみだ。

全米大学(NCAA)バスケットボールのトーナメントが始まった。Dukeは辛うじてSouthのNo.1シードとなり、Robert Morris大学との初戦を突破した。ここのところFinal 4(準決勝)に進めていないが、今年は対抗馬として前評判が高かったIowa Stateが一回戦で負けたので、優勝した2010年以来のFinal 4進出を期待したい。

F.マリノスはベガルタとのナビスコカップ初戦も敗戦し、公式戦未勝利が続いている。サガンとのリーグ戦では泥臭くていいのでまずは初勝利といきたい。

読了:
「戦略の実行とミドルのマネジメント」(坂本雅明)

  • 著者の坂本氏にはかつて戦略ワークショップのファシリテーションをお願いしたことがあり、その際にも「地に足の着いた考え方をされる」というイメージを持ったが、本書を読んで改めてそう感じた。アンケートやインタビューを通じて得たミドル(部長・課長)の職務の違いや、それを踏まえた「方向づける」、「力を引き出す」という二つの課題への取り組みアプローチには派手さはないが、納得感がある。(評価A)
「反知性主義」(森本あんり)
  • 日本でのネガティブな意味合いでの使われ方から本書に興味を持ったが、反知性主義がアメリカの歴史や思想を語る上で重要な意味を持つイデオロギーだということが理解できた。まさに副題の「熱病」という表現がしっくりきた。「もうひとつのアメリカ史」を読むようで面白い一冊でだった。(評価A)
「なぜ日本企業は強みを捨てるのか」(小池和男)
  • アメリカ企業だけが企業経営のモデルではない、日本企業が従来培ってきた強み、とりわけ長期視点での人材育成の良さを再確認し、最終的に本書ではドイツがその代表である、経営への労働者代表の参画を提言している。ガバナンスの観点での労働者代表の参画には同意できる部分もあるが、前半の各産業での日米比較は文献の参照という手法の限界からか、あまり説得力がなかった。(評価B+)
購入:
「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか」(ロッシェル・カップ)、「カール教授のビジネス集中講義 マーケティング」(平野敦士カール)、「アクション・バイアス」(ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール)、「フューチャー・オブ・マインド」(ミチオ・カク)、「火花」(又吉直樹)

2015年3月15日日曜日

アデミウソンのデビュー戦はスコアレスドロー

今節F.マリノスはFC東京と対戦。期待のアデミウソンは先発し後半39分まで出場した。後半兵藤の惜しいシュート2本が権田のファインセーブにあったこともあり、結局ゴールを奪えずスコアレスドローに終わった。ダイジェストを見る限りだが、アデミウソンは一人で突破することも、周りを活かすことも可能なプレーヤーのようだ。連係が良くなり、俊輔たちが戻ってくれば、得点力は間違いなく上がるのではないか。守備はどうやら修正できたようなので、今後に期待しよう。

読了:
「成功するイノベーションは何が違うのか?」(ネイサン・ファー、ジェフリー・ダイアー)

  • イノベーションを成功に導くためにはMBA流の「ビジネスモデルありき」の戦略ではうまくいかない。インサイト→課題→ソリューション→ビジネスモデルそして拡大という著者の説くイノベーション実現メソッドは本書に取り上げられた企業の戦略から導かれており、その応用範囲がITに限られていない点でも評価できる。新たな問題解決のメソッドとして捉えることで日々のマネジメントにも活用可能だ。(評価A)
「道端の経営学」(マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、スコット・シェーファー)
  • ロードサイドムービーを見ながら経営のポイントを学べる、というユニークな一冊。事業規模拡大、商品差別化、価格戦略、ブランド構築、交渉、人事関連と各章様々な「成功例」のポイントを整理しているが、本書の最も良いのは、すべての戦略的課題の答えは「場合によりけり」である、というマイクの法則を証明している点だ。先の「成功するイノベーションは何が違うのか?」も本書も日本企業にありがちな「me-too症候群」に対する警告の書と受け止めるべきだ。本書は現時点で今年No.1の経営書だ。(評価A+)
「ネット社会の『正義』とは何か」(西垣通)
  • 本業はコンピューター研究者である著者が、「集合知とは何か」の続編的な位置づけでこれからの民主主義の話をしている。前作に引き続き、「みんなの知恵が正しい」のは正解がある問題についてで、正解のない問題に応用するには適さないと説き、サンデルの議論(およびその中に出てくるロールズの正義論)からネット集合知のありかたに一つのアイデアを示している。(評価A)

2015年3月8日日曜日

開幕戦はフロンターレに完敗。厳しい序盤戦になりそうだ・・・

いよいよJ1ファーストステージが開幕。F.マリノスはホームでフロンターレと対戦、1対3で敗れた。攻撃陣にけが人の多いマリノスは齋藤が1トップという布陣で臨んだが、開始3分であっさり失点。小林のゴールで一端は追いつくも、すぐに突き放され、後半にも大久保に「デス・ゴール」を決められるという最悪の展開。榎本のファインセーブがなければもっと失点していても不思議のない試合だった。前の選手はサイドに開いたり、CBの裏を狙ったりしているのだが、パスの精度が低くカットされるだけだったし、たまにサイドを崩しても中央に同じタイミングで飛び込むため、そこから逆襲を食らったり・・・攻撃の意図が通じているように見えなかった。先が思いやられる・・・まあ17分の1が終わって、悪い所がはっきりした(数が多いけど・・・)と割り切ろう!

Duke Blue Devilsはレギュラーシーズン最終戦(UNC戦)も勝ち11連勝、28勝3敗でポストシーズンを迎えることとなった。今週末のACCトーナメントで早期敗退しなければ、NCAAトーナメントの第一シードになるだろう。2010年に優勝して以来となるファイナル4は十分可能jだし、できればここまで無敗のケンタッキー大学に勝って5度目のチャンピオンを勝ち取って欲しい。


読了:
「変革の知」(ジャレド・ダイアモンドほか)
  • 「朝鮮日報」経済版で行われた学者・経営者18名へのインタビューを編集・再録したもの。日本で同様の企画を行ったら選ばれないだろうと思われるような「新進気鋭」の学者がいるところが興味深かった。田坂広志氏による序文にある、変革を進めるために必要な5つの視点、特に「深い問いを求めながら読む」という習慣を身につけたい。(評価A)

「0ベース思考」(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー)
  • Freakonomics(「ヤバい経済学」)の著者による新刊。出版社が変わったので、タイトルも変わったが、多少アドバイス的な要素が増えただけで、原題のThink Like a Freakの方がしっくりする。ホットドッグの早食いチャンピオン小林尊氏のエピソードなどおよそ経済学とは縁遠い話題があり、今回も楽しく読んだ。(評価A)

「カール教授のビジネス集中講義 ビジネスモデル」(平野敦士カール)
  • 「経営戦略」に続くシリーズ第二弾。ビジネスモデルを考えるステップが細かく紹介されているが、そのパターンが各ステップ10以上ある。これだけを取っても如何にビジネスモデルは千差万別であるがが分かる。分かり易さは「ビジネスモデル・イノベーション」、面白さは三谷先生の「ビジネスモデル全史」に軍配を上げる。(評価A-)

「全員経営」(野中郁次郎、勝見明)
  • JAL再生、ヤマト運輸「まごころ宅急便」・「セブンプレミアム」・ダイハツ「ミラ イース」といった商品開発、メガネ21や未来工業のようなユニークな経営で知られる中堅企業までカバーした実例を基に、日本における全員経営が如何に実践されているかが、野中教授一流の賢慮(フロネシス)や知識創造論を踏まえ解説されている。(評価A)

2015年3月1日日曜日

ついに待望の新戦力!アデミウソン入団決定!

J1開幕1週間前にしてついに新戦力が発表された。それも新聞記事によると「次世代のセレソンの10番」との評価もあるというアデミウソンだ。各年代ブラジル代表に選ばれ、U-21でリオ・オリンピックを目指す将来のスター候補のようだ。来年マンチェスター・シティに移るまでの期限付き移籍だとされているが、シティ・フットボールクラブとの提携はこういうプラスがあるということだ。この移籍はラフィーニャは勿論日本人FWに大きな刺激になる筈だ。得点力不足解消に大きな期待ができる。

Duke Blue Devilsバスケットボールチームは28日(現地時間)ホームのSyracuse戦に勝って9連勝。レギュラーシーズンはあと2戦。現地7日のアウェーUNC戦が最後の山になるが、これを乗り越えてNCAA(全米大学)トーナメントNo.1シードを確実にしたいところだ。

錦織圭がまた世界ランク自己最高位を更新した。本人が意識しているのは年末時点でのランクだと冷静なのが頼もしい。昨年1回戦で敗れた全仏オープンと欠場したマスターズ1000シリーズで今年ポイントを稼げれば年末でのトップ3入りは可能だ。こちらも一喜一憂しないで行こう。

読了:
「知のトップランナー149人の美しいセオリー」(ジョン・ブロックマン編)

  • リチャード・ドーキンス、リサ・ランドール、ナシーム・ニコラス・タレブ、ジャレド・ダイアモンド等様々な分野での第一人者が、「あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか?」という共通のお題に其々の立場から回答している。ダーウィンの進化論、ボルツマンのエントロピーの法則、ワトソン・クリックの二重らせんといったメジャーなものばかりでなく、聞いたこともなかったようなセオリーまで、回答者による解説で知的興奮を味わうことができた。(評価A+)
「オートメーション・バカ」(ニコラス・G・カー)
  • 「知のトップランナー」にも登場していたニコラス・G・カーが、オートメーションの発展は本当に素晴らしい未来を実現させるのか、という楽観論に対し警鐘を鳴らす一冊。自動操縦装置の発達によりパイロットの危機回避能力が却って低下している点、Computer Aided Design(CAD)ソフトにより建築家の創造性が阻害されかねない状況など実例を踏まえた問題指摘に考えさせられる。(評価A+)
「21世紀の資本」(トマ・ピケティ)
  • ようやく話題の一冊を読み終えた。著者ピケティ氏はいまや有名になった不等式r>gがもたらす格差の拡大を問題とし、世界的な資本への累進課税を提唱している。著者自ら認めているように経済学というより政治経済学の書という趣が強い。日本についても過去の統計を示しているが、将来的な課題認識はしても現状はアメリカなどとはまだ異なっていると見た方が良いだろう。(評価A)
購入:
「なぜ日本企業は強みを捨てるのか」(小池和男)、「道端の経営学」(マイケル・マッツェオ、ポール・オイヤー、スコット・シェーファー)、「ネット社会の『正義』とは何か」(西垣通)、「反知性主義」(森本あんり)、「雨に泣いてる」(真山仁)、「戦略経営論」(マイケル・A・ヒット、R・デュエーン・アイルランド、ロバート・E・ホスキソン)、「戦略の実行とミドルのマネジメント」(坂本雅明)

2015年2月22日日曜日

Pre-season Match(対 松本山雅)

ホームでのPSM初戦。俊輔はじめ攻撃陣に故障者続出のF.マリノスは2種選手登録したての和田が1トップで先発し、また喜田もスタメンに入ることでモンバエルツ監督の意向が垣間見えた気がする。結果は終了間際の失点で悔しい敗戦だったが、課題が変わっていないことをしっかり認識できたと前向きにとらえよう。

Dukeは現地水曜日夜に永遠のライバルUNCと対戦。後半残り約3分で10点差を追いついてオーバータイムに持ち込み92対90で劇的勝利を納めた。ここ何試合か厳しい試合をものにして、チームには自信ができたのではないか?続くClemson戦はエースのOkaforが足首の捻挫で欠場したが、他のメンバーがカバーし20点以上の差をつけて圧勝した。レギュラーシーズン残り4試合、しぶとく勝ち抜いてVirginiaを追いかけて欲しい。

2月第三土曜日は恒例の大学クラス会。大企業の役員、高級官僚、弁護士に裁判官、コンサルタントまで久々に28名も参加した。役職抜きで色々話せる仲間がいることの価値を再認識した。何となく明るい顔が多かったのは、アベノミクス効果のようだ。

読了:
「世界はシステムで動く」(ドネラ・H・メドウズ)

  • 「世界がもし100人の村だったら」の原案を書いた著者によるシステム思考の入門書。執筆されたのが90年代初めということもあり、引用されている例は古いが、システム・ダイナミクスをどのように捉えるか、システムをよりよくするためのレバレッジ・ポイントの見つけ方など本質を見極める思考法は今も新鮮だ。(評価A)
「トマ・ピケティの新・資本論」(トマ・ピケティ)
  • 「20世紀の資本」のピケティ氏がリベラシオン紙に連載していたエッセイが収録されている。もっとリベラルな考え方が強いかと思っていたが、意外にバランスの取れた内容だった。中には有名になったr(資本収益率) > g(経済成長率)にも言及されている。フランスと日本との制度の違いはあるが、成長政策や税制を考える上で日本政府も参考にすべき点が多いと感じた。(評価A)
「ゲーム・チェンジャーの競争戦略」(内田和成)
  • AmazonやGoogleなどのゲーム・チェンジャーが如何に既存勢力に挑み成功したか、任天堂やソニーはなぜ苦境に陥ったのか、など多くの実例から、儲けの仕組みと製品・サービスという二軸の組み合わせでプロセス改革型、市場創造型、秩序破壊型、ビジネス創造型という4類型で競争ルールの変化を説いている。著者も認めているように4パターン複合型の戦略を展開している企業もあるが、競争環境の整理、新規事業検討にあたって参考となるフレームワークだと思う。(評価A)
購入:
「0ベース思考」(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー)、「全員経営」(野中郁次郎、勝見明)、「成功するイノベーションは何が違うのか?」(ネイサン・ファー、ジェフリー・ダイアー)、「カール教授のビジネス集中講義 ビジネスモデル」(平野敦士カール)

2015年2月15日日曜日

日本サッカー協会(JFA)の変わらない体質

JFAが今回のアギーレ監督解任の責任を討議したらしいが、結局会長、専務理事および強化委員長の責任が問われることはなく、報酬の自主返納で決着ということになった。結局今回も問題点をきちんと総括することがないままになったことは個人的に全く気に入らない。問題が発生したら原因分析を行い「再発防止策」くらい明らかにするのが世の中の常識だろう。正直誰が監督になろうが、こうした微温湯に幹部が浸かっているうちは世界との差は益々広がり、アジア各国からは更に追い上げられてしまうだろう。非常に残念だ。

F.マリノスは14日でキャンプを終了。FW陣および俊輔のケガで攻撃の不安が解消されないまま21日にはプレシーズンマッチが始まる。ただ、13日のガンバとの練習試合にはラフィーニャが出場したのは良いニュースだ。

Duke大バスケットボールチームはSyracuse大にアウェーで勝利し5連勝。このままレギュラーシーズン残り6戦勝ち続け、良い流れでポストシーズンを迎えて欲しい。

読了:
「失敗は『そこ』からはじまる」(フランチェスカ・ジーノ)
  • コカ・コーラ、サムソン、ヤフーなどの企業が下した意思決定の誤りはどこに問題があったのか。HBS准教授である著者がFuquaのダン・アリエリー教授など著名な行動経済学者と共に過去行ってきた様々な心理学の実験結果から、意思決定の局面における誤りを防ぐ9つの原則を説いている。自分の内面に由来するもの、他者との関係に由来するもの、外の世界に由来するもの、9つの原則全て思い当るところであり、意識しなくてはと改めて考える。(評価A+)
「救国の政治家 亡国の政治家」(中西輝政)
  • タイトルからはうかがえなかったが、本書は3年3か月にわたる民主党政権がいかに日本の国益をそこなったかを鋭く批判している。もちろん返す刀で自民党についても問題点を指摘しているが、一番興味深かったのは、政官界に対する海外特に中国や北朝鮮の隠れた影響力の大きさだ。著者が期待しているように現政権がぶれないで、これまでやりきれなかった政策を推進してくれることを期待しようと思う。(評価A)
「マネジメントの名著を読む」(日本経済新聞社 編)
  • ミンツバーグ、ポーター、ドラッカーら経営学のGuruによる名著に加えウェルチ、ガースナー、ジェニーンといった名経営者の著作を紹介することで、経営理論と実践とがどのように影響しあい、進化していくかが本書を通じ読み取れる。紹介されている12冊全て読んではいるが、改めて経営学者・コンサルタント各位の解説で理解を深めることができた。(評価A+)
購入:
「変革の知」(ジャレド・ダイアモンドほか)、「大前研一ビジネスジャーナルNo.1~No.3」

2015年2月8日日曜日

アギーレ監督解任

日本代表のアギーレ監督との契約解除は唐突に発表された。先週末のTVに原専務理事および霜田強化委員長が出演したときの印象では、3日の技術委員会で続投決定というシナリオと思えたが、スペインでの八百長疑惑の動きで事態が一変したという説明だ。しかし、裁判所の告発状受理という事態、は告発された時点で一定想定済みだっただろうから、別の力が働いた可能性は否定できない。今回の決定の問題点は、アジアカップの総括という踏むべきプロセスがどこかへ行ってしまったことだ。毎度の事と言ってしまえばその通りなのだが、メンバー固定、戦術の不徹底(サイドからの崩しが指示通りできなかった事など)、その他にも今回明確になった課題がある筈だ。そこをキッチリ検証しないまま解任というのは今後に禍根を残しかねない。いずれにしても後任を決める必要があり、6日の説明では5人程度の外国人に候補が絞られたということなので、成り行きを見守りたい。

Dukeバスケットボールチームは先々週ノートルダム大に敗戦の後、それまで無敗だったバージニア大にアウェーで土をつけ、現地土曜日にはホームでノートルダム大に90対60の大差で雪辱を果たした。レギュラーシーズンも残り8試合。ここからは永遠のライバルUNCとの2戦くらいしかランキング上位校との戦いはないので、取りこぼすことなくバージニア大を追いかけて欲しい。

読了:
「カール教授のビジネス集中講義 経営戦略」(平野敦士カール)

  • 戦略論の歴史、戦略的思考の解説から始まり、全社戦略・事業戦略・機能別戦略まで戦略論の「古典」から最新理論までをコンパクトに繙いている。かなりの参考図書は読了しているので新しい発見はなかったが、字引きとしては「経営戦略全史」よりコンパクトなので使いやすいかもしれない。(評価A)

「本質思考」(平井孝志)

  • 著者は自らがMITで学んだシステムダイナミクスをベースに、思考のくせを自覚し、本質から考える習慣を身につけるべきと説く。先日も会社で感じたのだが、問題の裏返しで解決策を考えている事は確かに多い。「モデル」と「ダイナミズム」で本質を捉えるというフレームワーク、さらにレイヤーを考えるというフレームワークは日ごろから心掛ける必要がある。(評価A)

「第二次世界大戦 陰の主役」(ポール・ケネディ)

  • 「大国の興亡」の著者であるケネディ教授が、第二次世界大戦における5つの戦略テーマ(輸送船団の保護、制空権の掌握、電撃戦への対応、上陸作戦、距離の克服)について連合国・枢軸国それぞれの対応がどのようなものだったか、最終的に連合国が勝利に至る道筋を丁寧に解説している。特に現場がどのように新兵器の機能を改善してきたかという他では見過ごされている視点を取り入れている点で、会社経営にも有効な一冊になっている。(評価A+)