2015年7月12日日曜日

2ndステージ開幕。勝ち点2を失った再スタート

F.マリノスの2ndステージ初戦はモンテディオ相手のホームゲーム。ゲーム前にはジェフへの移籍が決まった冨澤を送り出すセレモニーがあり、ちょっとウェットな気分に・・・前半齋藤の得点が入ったあたりでは、楽勝ムードだったのだが、前半終了間際に失点し、結果は1対1のドロー。ステージ優勝を狙うために落としてはならない初戦を落としてしまった。今季初先発の俊輔が入った3列目と前との距離が遠く、次第に効果的なパスが供給されなくなった印象がある。後半はシュートミス(あえて厳しい表現を使う)連発で勝ち越し点を奪えなかった。これで5戦勝利なし。個人的には昨日のような戦い方をするくらいなら、俊輔トップ下、三門と喜田のボランチの方がベターだと思う。次戦レイソル戦ではどんな戦い方になるのだろう。前回書いたノルマ達成には負けられない。。。

読了:
「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦)

  • 少し前まで、宇宙の始まりはビッグ・バンだと思っていた。だがビッグ・バンをもたらしたものがあるのであれば、それ以前があったはずだ・・・本書は宇宙論の変遷を示すことで、宇宙創成論の変遷について説いている。参加型宇宙とかトップダウン型宇宙(ホーキング)などに加え人間原理のような一見「?」といった宇宙論が紹介されているが、本書のタイトルの疑問は、極めて哲学的でもあるということを再認識できる。(評価A)

「技術大国幻想の終わり」(畑村洋太郎)

  • 戦後の「奇跡の50年」を経て、自ら目標を定めなくてはならなくなって20年。本書では、サムソンやアップルとの比較などの事例を踏まえ、日本企業の技術力過信が現在の低迷の一要因であることを指摘している。また、「価値」の追求にスタンスを変えるべきという第3部の内容は今後の進むべき途を正しく示している。「失敗学」で著名な工学者である著者による「『技術では負けていない!』という思い込みを捨てるべき」という警鐘は重い。(評価A+)

「シフト&ショック」(マーティン・ウルフ)

  • ファイナンシャル・タイムズ(FT)の論説主幹である筆者が、リーマンショックとそれに続く欧州金融危機の根本原因を解説、今後に備えるために何が必要かを説いた一冊。グローバルエコノミーにおける「世界的な過剰貯蓄」、「グローバル・インバランスの拡大」とそれを促した自由化・テクノロジー・高齢化といったトレンドまで捉えることが重要だということが理解できる。今まさに進行中のGrexit(ギリシャのEuro圏離脱)を考える上でも、本書のEuro危機分析は極めて有効だ。(評価A+)
購入:
「マスタリー」(ロバート・グリーン)、「プロフェッショナルマネジャー・ノート2」(プレジデント書籍編集部 編)、「こうして、世界は終わる」(ナオミ・オレスケス、エリック・M・コンウェイ)、「量子コンピューターが本当にすごい」(竹内薫)、「反資本主義の亡霊」(原田泰)、「政治の眼力」(御厨貴)、「ガイアの夜明け 挑む100人」(テレビ東京報道局 編)

2015年7月5日日曜日

なでしこ決勝へ。2ndステージに向けて。Gotham(ゴッサム)

なでしこジャパンはW杯カナダ大会準決勝イングランド戦をあまりに劇的なオウンゴールで勝利、2大会連続の決勝進出を決めた。日本時間月曜朝の決勝戦は前回同様アメリカ戦。ここまで唯一全勝で勝ち進んだ日本だが、アメリカとの実力差はかなりあると言わざるを得ない。更に日程的にも中3日の日本は不利だ。そのあたりを承知してか、佐々木監督のコメントもこれまでよりややソフトになっている。正直今大会は組み合わせに恵まれていたが、それでも決勝まで進んできた事は評価できる。なでしこにはいのない戦いをやって欲しいし、誰より澤には是非ピッチで試合終了のホイッスルを聞いてほしい。

来週土曜日から2ndステージが始まる。1stステージは一度も上位を窺うことなく、最終的にレッズと勝ち点15という大差をつけられて6位で終了した。アデミウソンという武器を得たこと、三門・喜田の台頭でケガ人だらけの状態を何とかしのいだ、というのはポジティブに捉えたいところではある。しかし、1stステージ1位~5位のレッズ、サンフレッチェ、FC東京、ガンバ、フロンターレに3敗2分、しかもホームで2敗2分という状況が示すように、上位との差は大きかったと言わざるを得ない。
 
2ndステージに向けては、攻撃陣は言うまでもなく、守備でも解決すべき課題が多い。まず、戻ってくる俊輔をどう使うのか。速攻重視の戦法ではトップ下で起用することは可能だろうか?守備力にある程度目を瞑って一列下げて使うのか?1stステージではアデミウソンと俊輔がピッチで共演した時間はほとんどなかったが、ここが機能すれば得点力が大きく増す。 
 一方守備では何と言ってもセットプレーの失点をいかに減らすかだ。単にポジショニングをどうするかではなく、ガンバ戦のように、与えてはいけないエリアでFKを与えないためにどうするか、までしっかり考えて欲しい。栗原が戻るので、アンカーにファビオか冨澤を置いて、4-1-4-1という形で俊輔を活かすというのはどうだろう?
 上位との勝ち点差を考えると、通算の勝ち点1位はすでにほぼ不可能だろう。2ndステージ優勝というのが目指すべき目標となる。そのためには7月の5試合で3勝2分がノルマだ。ガンバとサンフレッチェとのアウェー戦は厳しいが、敗戦は許されないという位の意気込みで戦ってもらいたい。まずはモンテディオ戦で圧勝するところを見たい!

このところAXNで放映中の「ゴッサム(Gotham)」にはまっている。バットマン誕生のはるか前のゴッサムシティが舞台で、若き日のゴードン署長が主人公という設定に、ダークナイトシリーズ大好きの身としては見ないわけにはいかなかった。実際に見はじめると、ゴードンとブルース・ウェインだけでなく、ペンギン、キャット・ウーマン、エニグマ、さらにはハービー・デントといった「悪役」たちも結構意外な姿で登場する。ブルースの両親は何故殺されたのか?果たして真相は明らかになるのだろうか?毎週楽しみだ!

読了:
「ハーバード流最後までブレない交渉術」(ウィリアム・ユーリー)

  • 交渉術の古典"Getting to Yes"の共著者であるユーリー氏が、これまで欠けていたピースとして、「自分との交渉」=ぶれない自分でいるという事の重要性について説いている。自分の奥底にある願望を知り、インナー・バトナを養う。人生に対するイメージをリフレーミングし、ゾーンにとどまる。相手を尊重し、与え合う。自分にYesというための6つのステップが経営・政治などの局面でどう活かされるか実例も多く、参考となる。(評価A)

「新1分間マネジャー」(ケン・ブランチャード、スペンサー・ジョンソン)

  • 社会人になって間もないころ読んだ「1分間マネジャー」が34年ぶりに改訂された。1分間目標設定、1分間称賛はオリジナル通りだが、これまで1分間叱責としていたところが、1分間修正に変わったという。80年代と現在とではマネジャーと部下の関係が変化してきたことを反映している。ただ、本書を読むと、マネジメントの基本的な原理はその当時も今も変わっていないということに改めて気づかされる。(評価A)

「1分間意思決定」(スペンサー・ジョンソン)

  • やるか、やらないかの2つに選択肢を絞り込むことで、決断しやすくなる。「チーズはどこへ消えた」の著者でもあるジョンソン氏は、ストーリーを通じて、自分なりの意思決定のマップ策定が重要であることを説く。本書で印象に残ったのは、自分に正直か、直観を信じているか、自分の価値を信じているか、という自分に対する3つのと問いかけだ。交渉術でもそうだったが、自分自身をしっかり持つことが如何に重要であるかの証拠だろう。(評価A)

「捏造の科学者」(毎日新聞科学環境部 須田桃子)

  • 昨年大きな騒動を巻き起こした「STAP細胞事件」について、当初の記者会見から11月までの経緯を取材メモから改めて整理している。須田氏と養老氏との対談(「文系の壁」)を読んで、やはり読もうと思い本書を購入した。本書を読むと、このような事件が起こる背景や、極めて日本的、それも「日本の官僚的」な組織の対応が問題の徒な長期化・複雑化をもたらした様子も理解できる。本書を読んで、結局STAP細胞はなかったのだということが納得できた。(評価A+)

2015年6月28日日曜日

1stステージは6位で終了。なでしこベスト4!

J1ファーストステージ。F.マリノスの最終戦はアウェーでヴィッセルと対戦し、1対1で引き分け、6位で前半戦終了となった。ハイライトだけでしか見ていないが、相変わらず効果的な攻撃はできていないように思われた。後半33分から俊輔が登場し、アディショナル・タイムにFKの見せ場を作ったのはセカンドステージに向け明るい材料だ。11日のモンテディオ戦は今年4試合目の観戦。ファーストステージ開幕はフロンターレにボコボコにされたし、モンテディオにはアウェーで敗れている。是非今回は快勝して良いスタートを決めたい。

女子W杯カナダ大会。なでしこジャパンは岩淵の決勝点でオーストラリアに勝利、2大会連続のベスト4を決めた。オランダ戦もオーストラリア戦も1点差勝利だが、決勝トーナメントに入り、チームの連動性が高まってきているのが頼もしい。準決勝はイングランドが相手になる。前回予選リーグで負けた相手であり、勿論難敵だが、決勝進出・さらには連覇も十分期待できる。


読了:
「ラプラスの魔女」(東野圭吾)
  • 竜巻で母親を亡くした脳神経外科の娘と父親が手術を担当した無理心中の生き残りの青年。二人が持つ極めて特殊な能力が事件を起こし、解決してゆく。その中で、7年前の事件の真相が明らかになると・・・「そこまではありえないだろう!」と突っ込みを入れたくなるような前提の小説ではあるが、著者のデビュー30周年記念作品に相応しい読み応えのある作品になっている。(評価A)
「21世紀の日本最強論」(文芸春秋編)
  • GDPに代わる指標でみると日本は世界有数の豊かな国であり、近年のノーベル賞受賞者数の増大や都市の安全などまだまだ捨てたものではない。「日本最強論」というタイトルではあるが、本書の肝は、未だに残る弱点(イノベーションを奨励する経営環境の脆弱さ、ブラック企業が発生する構造的な問題など)を意識し、克服すべきという第二章にある。いわゆる「第三の矢」が着目すべき政策課題だろう。(評価A)
「文系の壁」(養老孟司)
  • 「バカの壁」等の著者が、4人の理系出身者との対談を通じ、「理論と言葉」、「バーチャル・リアリティ」、「『唯脳論』と社会」、「STAP細胞『事件』とジャーナリズム」というテーマを論じる。文系の方がデジタルとか細胞が持つ記憶とか本書を読見進めるうちに様々な新鮮な知的刺激を受けることができた。「なめらかな社会とその敵」と「捏造の科学者」の2冊は是非購入しようと思った。(評価A)
「MBAビジネスデザイン」(早稲田大学ビジネススクール)
  • ビジネススクールの講義を基に、WBSの講師陣(McKinseyやBCGのAlumniを含む)が事例討議なども含めビジネスデザインについて解説。「俺の・・・」チェーンを事例としたビジネスモデル論、B-to-B組織営業のコンサルティング例からM&A、ゲマワット教授のCAGEやAAAといったフレームワークを含むグローバル戦略論まで解説が分かり易いのが特徴。日本のビジネススクールのクオリティを示すと言えるだろう。(評価A)
「世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠」(ジョセフ・E・スティグリッツ)
  • 所謂リーマン・ショックへの対応策はどこが問題なのか、ピケティの示したアメリカの資産格差拡大はどのような社会問題に影響しているか。著者は、「えせ資本主義」が今やアメリカを最早世界でも有数の不平等国としてしまっている、と指摘する。本書を通じ、経済問題は政治問題でもあるということを改めて確認できる。面白かったのは著者がスタート直後のアベノミクスを評価していること。現時点での評価を聞いてみたいと思った。(評価A+)
「禁断の魔術」(東野圭吾)
  • ガリレオシリーズ最新作。元々は作品集「禁断の魔術」収録の中編。文庫化に際し、事件の詳細な背景等が加えられて厚みが増している。湯川の高校の後輩が自らの周囲で起きた事件の復讐を計画し、湯川に指導を受けた技術を武器として利用しようとする。後輩を信じたい湯川がどのような行動をとるのか?「シリーズ最高のガリレオ」と著者が断言する苦悩に満ちた湯川が良い。(評価A+)

購入:
「捏造の科学者」(須田桃子)、「シフト&ショック」(マーティン・ウルフ)、「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦)、「技術大国幻想の終わり」(畑村洋太郎)、「ハーバード流最後までブレない交渉術」(ウィリアム・ユーリー)、「新1分間マネジャー」(ケン・ブランチャード、スペンサー・ジョンソン)、「1分間意思決定」(スペンサー・ジョンソン)、「佐治敬三と開高健 最強のふたり」(北康利)


2015年6月20日土曜日

W杯予選はいつもこんなもの!?アントラーズ戦

火曜日のW杯予選シンガポール戦はスコアレスドローに終わった。圧倒的に攻めていても点が取れずジリジリする。前回・前々回と全く同じ動きだったが、ただ一つ違ったのは、何が何でも勝つという執念の差だろうか・・・色々な人が指摘している事だが、サイドからの崩しの工夫がなく、本田と香川で中央突破ばかり狙ったこと、香川がディフェンスの間に入りギャップが作れていてもボランチ2人から縦に入らなかったこと、結局イラク戦と同じメンバーとなってやはり固定化されてしまったこと等々、結局ハリルホジッチになっても日本代表の悪癖は直っていなかったということだろう。今後の戦い方・選手起用を考え直す必要を迫られる結果となったのではないか。

F.マリノスは1stステージホーム最終戦のアントラーズ戦で2009年以来のホームでの勝利を狙ったが、0対3で完敗。6位に後退した。これで6試合負けなしもストップ。まだまだ課題が多いということを体感して最終節、更には2ndステージに向かってほしい。

読了:
「新しいグローバルビジネスの教科書」(山田英二)

  • グローバル化とは何かという解説から始まり、グローバルビジネスの変遷、更には今後日本企業が取るべき途は何かまで、まさに「教科書」と言える内容の1冊。「オープン化」、「モジュール化」が進む中で「閉じたクラスタ」で生きてきた日本企業が苦戦しているのはある意味必然でもある。GEのリバースエンジニアリングの取り組み、ヤクルトの「土着化」モデルなど学ぶべき先進事例から学ぶ企業が何社あるだろうか?(評価A)

「リーダーシップの名著を読む」(日本経済新聞社 編)

  • 取り上げられているのはコッタ―、D・カーネギー、S・コヴィーなどそうそうたるGuruによる名著11冊。10冊は読んでいたが、改めて識者の手による解説を読むとそれぞれのバリューを再認識する。逆にこれだけ様々な角度で議論できるほどリーダーシップをモノにするのが難しいという事だ。(評価A)

「新1分間リーダーシップ」(ケン・ブランチャード、パトリシア・ジガーミ、ドリア・ジガーミ)

  • 「1分間マネジャー」シリーズの最新刊。状況対応型リーダーシップⅡという理論の進化を踏まえ改訂されている。自分でも目標設定の際に言っているSMARTはかつてSpecific-Measurable-Attainable-Relevant-Time boundという5つだったが、MがMotivatingにTがTrackableに変わり、動機づけがより強調されているのが興味深かった。(評価A)

「リーダーシップの哲学」(一條和生)

  • 典型的な日本企業から外資系まで12名のリーダーへのインタビューで語られるそれぞれが歩んできたリーダーシップ・ジャーニー、それを踏まえて浮かび上がるのは、「あなたらしいリーダーシップ」を育まなければならないという一見当たり前な結論だ。しかし、12名のリーダーのストーリーを読むと、その意味が良く理解できる。知識創造論とリーダーシップ論を研究してきた著者ならではの「哲学書」だ。(評価A)
購入:
「21世紀の日本最強論」(文芸春秋編)、「世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠」(ジョセフ・E・スティグリッツ)、「MBAビジネスデザイン」(早稲田大学ビジネススクール)、「文系の罠」(養老孟司)

2015年6月13日土曜日

日本4対1でイラクに快勝・・・KAMAKURA

木曜日は久々のA代表戦。ロシアW杯第二次予選初戦を控えてのイラク戦は、前半10分までに獲得した2点で勝負あり。結局4対0で勝ったが、喜んでばかりはいられないのではないか。攻撃陣についてはスタメンの4人(岡崎・本田・宇佐美・香川)は連携できていたし、柴崎との相性も良さそうだが、途中交代で入ったメンバーは強引な突破ばかりで、イラクに試合の主導権を渡してしまった。もっとヤバいのがGKだ。CBとの連携もダメだし、判断ミスもあり、試合勘の欠如はどうしようもないと感じた。シンガポール戦は西川か権田で行くべきだし、最終予選まで展望すると、この状態ならそもそも招集すべきではないだろう。

金曜日は休暇を取って久々に鎌倉へ小トリップ。由比ヶ浜駅近くの店で美味しいお蕎麦を食べ、長谷寺のアジサイを見てきた。朝の「めざましTV」で紹介されていた店を確認しつつ歩き回ったので、結構良い運動になった。奥さんとは「また来よう」という事になりました。

読了:
「メンバーの才能を開花させる技法」(リズ・ワイズマン、グレッグ・マキューン)

  • メインの著者(ワイズマン氏)は「Thinkers 50」に選ばれるGuru、共著者(マキューン氏)は今年上期のベストセラー「エッセンシャル思考」著者でもある。「才能のマグネット」、「解放者」、「挑戦者」、「議論の推進者」、「投資家」という「増幅型リーダー」の要素を「消耗型リーダー」との対比で説明しているので、あるべきリーダーの姿が明確になっている。自分の現状を振り返ると、最近特に消耗型に傾斜している事を自覚した。(評価A)
「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(エマニュエル・トッド)
  • 先日読んだ「逆流するグローバリズム」でもEU危機の根本原因の一つとされていたドイツについて、その台頭・突出に懸念を持つ著者のインタビュー再録からなる世界事情の解説書。EU内で一人勝ちするドイツと本来対抗勢力として機能すべきフランスの体たらく。ピケティへの評価やギリシャ危機の解決はデフォルトによるべきといった著者の金融嫌い・金持ち嫌いがフランスの知識人らしい。(評価A)
「入門 組織開発」(中村和彦)
  • プロセス・コンサルテーションとかAI(Appreciative Inquiry)といったツールに関する解説書はあるが、本書のような組織開発の解説書は著者の指摘するように少ない。本書では組織開発の進化やGEなどの組織開発先進企業での取り組みと、実践するためにツールをどう使っていくかが述べられている。新書という限界があるので、入門書と割り切っているが、参考となる部分が大きかった。(評価A)
購入:
「ラプラスの魔女」(東野圭吾)、「禁断の魔術」(東野圭吾)

2015年6月6日土曜日

ナビスコカップ最終戦の勝利の意味は?

ミッドウィークのナビスコカップ。敗退が決まっていたF.マリノスは予選リーグ最終節でモンテディオに2対0で勝った。デビュー戦となったGK鈴木、FB北谷をはじめ若手中心の先発メンバーで戦い、ラフィーニャとアンドリューがゴールを決め、かつ無失点で勝ったのは大きな収穫ではないか。俊輔や栗原はまだ別メニューのようだが、選手層が一層厚くなることが必ずプラスにつながる筈だ。

日曜日は代表戦による中断前最後のヴァンフォーレ戦)だ。ミッドウィークのレイソル戦でレッズが引き分けたことで1stステージの優勝はなくなったが、2ndステージに向け良い流れを作り、更には年間1位を狙うためには負けられない1戦だ。予想スタメンはほぼ前節通りだが、ラフィーニャをトップに、アデミウソンをセカンドストライカーとするなど攻撃的な布陣も是非試して欲しい。


読了:
「創造する破壊者」(フランク・ライアン)
  • 韓国でのMERSウィルスの感染拡大がトピックになっている中で読むと極めて不思議な思いを抱かざるを得ない。ウィルスと人間とは共生関係にあるとか、ダーウィンの進化説は必ずしも全てを説明できないとか、本書を読むまで常識だと考えてきたことが根底から覆された。逆に、最新の研究でこんなところまで(たとえば「初期の現生人類とホモ・エレクトスとの間には異種交配があった」!)解明しているのだ。長いが非常に面白い一冊。(評価A+)
「ブラインド・サイド」(マイケル・ルイス)
  • サンドラ・ブロックがオスカーを受賞した事でも知られる映画「しあわせの隠れ場所」の原作。現役のNFLプレーヤーであるマイケル・オア―の大学入学までのエピソードは映画と同じだが、原作は彼のポジションであるレフト・タックルがどうして重要性を増したか(タイトルのブラインド・サイドの意味でもある)がNFLのゲームの進化と重ねて描かれている。NCAAでプレーする学生の実態も良く分かる。(評価A)
「プロフェッショナル・リーダー」(野田務)

  • 主人公健太が、上海・シリコンバレー・東京での3つのミッションを通じてプロフェッショナル・リーダーとして成長していくストーリーを基に、リーダーに求められる9つのスキルを説いている。ストーリーに登場する中国企業、アメリカ企業、投資ファンドと日本企業との経営スタイルの違いとそれをどのように克服するかも大きな課題だ。健太のような社員=「出る杭」を大切にできる日本企業がどれだけあるだろうか?現実感が湧かなかった。(評価A)

2015年5月31日日曜日

地震・・・5連勝はならず・・・5位後退

ミッドウィークのナビスコカップ、フロンターレ戦は1対2で敗戦しF.マリノスの予選リーグ敗退が決定した。「すべてのタイトルを取る」と豪語していた中での予選敗退で、今季のナビスコカップの戦い方については批判もあるだろうが、ケガ人続出の中、新監督がリーグ戦をより重視し、カップ戦は出場機会の少ない選手の見極めに使うというのは現実的な選択だったと思う。その中から三門のようにレギュラーを掴んだ選手が実際に出てきているし、戦力全体の底上げにはなったのではないか。ただ、選手が戦う意識、チーム内の競争に勝とうとする意識を持って臨んだかについて不満は残らざるを得ない。

土曜日のガンバ戦は1か月ぶり3試合目の生観戦。前半立ち上がりはペースの奪い合い。ガンバがポゼッションに対しマリノスはカウンターと今シーズンならではの戦い方。ガンバゴール前でのハンドで得たPKをアデミウソンがしっかり決めてからは、マリノスペースの時間帯が続き、惜しい場面が続くも追加点は奪えずハーフタイムに。
 後半ややガンバが盛り返す中、突然スタジアムが揺れた!小笠原沖を震源とするM8.5の巨大地震が起こり試合は10分余り中断した。揺れの激しさはともかく・長さは3.11を思い出させるものだった。(写真は地震直後の日産スタジアムの様子。掲示板には注意を促す文言が・・・)



再開後も惜しいチャンスを外し続け、リンスの退場で10人になったガンバが押し込むようになり、たまらずFKを与え、アディショナルタイム最後のプレーで押し込まれドローに終わった。
 「たられば」論だが、押し込んでいた時間帯でのゴール前における集中力がもう一つだった。アデミウソン外し過ぎ!レッズがサガンに大勝したことで1st Stageの優勝はほぼ絶望となったが、6月の4試合(ナビスコカップのモンテディオ戦含む)は2nd Stageや天皇杯につなげられる戦い及び結果を残して欲しい。

読了:
「変わらないために変わり続ける」(福岡伸一)

  • かつてポスドクとして学んだロックフェラー大学に客員教授として25年ぶりに戻った著者が、最新科学に関するエピソードとニューヨークでの生活にまつわる話をまとめた週刊文春連載記事の再録。山中教授の講演、STAP細胞に関する話も興味深かったが、やはりNYの様子を読むとワクワクさせられる。(評価A)
「逆流するグローバリズム」(竹森俊平)
  • ここにきて懸念が再浮上しているギリシャ危機(Grexit問題)、膠着しているウクライナ情勢という欧州の問題へのEU・ECB、アメリカ・IMFの対応を通じ、ユーロの問題点、IMFの失敗などが解説されている。ドイツが内在的に抱える矛盾については今後欧州経済情勢を考える上で有効なヒントになる。日本の立ち位置に関する最終章を読むと、いかに日本人、特にマスコミの鈍さが良く分かる。(評価A+)
「戦後リベラルの終焉」(池田信夫)
  • 昨年大きな話題となった一連の朝日新聞による誤報問題はなぜ起こり、なぜ放置されたのか。その構造的な矛盾を明らかにする中で、「リベラル」と呼ばれる人々の地盤沈下がどのようにして拡大していったのかが説かれている。イギリスにおける労働党の大敗北の原因にもある種通じるトレンドなのかもしれないと思いながら読んだ。(評価A)
「チームの力‐構造構成主義による”新”組織論」(西條剛央)
  • 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げた実践経験を踏まえ、チームを運営するために必要なものは何か、自身が提唱した構造構成主義の立場から解説している。「価値」・「方法」・「人間」という3つの原理の重要性は、かつてのようにガチガチに硬直した組織運営では立ち行かなくなった現状を考えると一考すべきものだと思う。(評価A)
「従属国家論」(佐伯啓思)
  • GHQによる憲法制定時のプロセスの問題点と今だに残るディレンマと、新たな段階に入った「日米同盟」の意味など考えさせられるテーマの1冊。戦後の日本はアメリカの価値観を無批判に受け入れている。著者は日米構造協議とそれ以後の構造改革のブームを例に日本が依然としてアメリカの従属国家だと問題提起する。保守もリベラルも角度は違うが同じだという指摘は重いものがある。(評価A)
購入:
「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(エマニュエル・トッド)、「新しいグローバルビジネスの教科書」(山田英二)、「入門 組織開発」(中村和彦)、「リーダーシップの名著を読む」(日本経済新聞社編)、「新1分間リーダーシップ」(ケン・ブランチャード、パトリシア・ジガーミ、ドリア・ジガーミ)、「リーダーシップの哲学」(一篠和生)